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タンガロイ 「TungTurn-Jet」シリーズに「DirectTungJetシステム」を搭載したダブルクランプ式内部給油ホルダの拡充発売

 タンガロイは、このほど高生産性加工を可能とする高圧クーラント対応ホルダシリーズ「TungTurn-Jet(タング・ターン・ジェット)」に、ダブルクランプ式内部給油ホルダを拡充し、全国で発売を開始した。

 この製品は、ホルダ内部から供給されるクーラントをインサートの刃先に近い位置から供給可能な構造を採用している。これにより、切りくず処理性が困難だった難削材などに対し、大幅な切りくず処理性の改善を可能にした。ホルダ前面穴からのクーラント供給により、インサートの損傷を抑制した高能率、高生産性工具だ。

 今回拡充するダブルクランプ式内部給油ホルダは、高剛性なダブルクランプ機構と内部給油を両立した汎用性に優れる仕様となっている。また内部給油の接続は、従来のホース接続に加え、既に発売して好評のDirectTungJet system(ダイレクト・タング・ジェット・システム)を搭載しており、対応するアダプタからダイレクトにホルダへ給油可能となり、操作性が大幅に向上した。

 主な特長は以下の通り。

 ●高剛性ダブルクランプ機構と内部給油を両立した汎用性に優れる仕様
 ●ホース接続とダイレクト給油どちらにも対応可能であり、操作性を大幅に向上
 ●2方向からのクーラント供給により切りくず処理性の向上およびインサートの損傷を大幅に抑制

主な形番と標準価格
 ACLNR2020X-12-CHP-MC:25,200円
 ACLNR2525X-12-CHP-MC:28,500円
 ADJNR2525X-15-CHP-MC:28,500円
 AWLNR2525X-08-CHP-MC:28,500円
 (*いずれも税抜価格)

三菱マテリアル 両面インサート式汎用肩削りカッタ「WWX400」を発売

 三菱マテリアル 加工事業カンパニーがこのほど両面インサート式汎用肩削りカッタ「WWX400」の販売を開始した。

 この製品は、強度を追求した独自開発“X形状”インサートを採用し、両面6コーナ使用可能な経済性と、さらい刃を大Rとすることで、良好な仕上げ面を実現した汎用肩削りカッタ。今回、アーバタイプ41アイテムとインサート8材種36アイテムを発売した。

 主な特長は以下の通り。

 ① 両面インサート式により6コーナ使用可能。
 ② さらい刃を大Rとすることで良好な仕上げ面を実現。
 ③ 曲線切れ刃により、底面、外周面への切りくず飛散を抑制。
 ④ 最大インサート厚み9mmにより優れた耐欠損性とダイレクトクランプで安定したインサートの固定を実現。
 ⑤ カッタボディの曲面形状をしたインサート保持部は、インサートとボディのクリアランスを適切に確保し、インサート損傷時や切りくず擦過時のボディ損傷を抑制。
 ⑥ インサート厚みの向上により、シートレスを実現させることで、チップポケットが確保されカッタボディの刃数展開が豊富。
 ⑦ 豊富な材種展開で幅広い被削材に対応。

 標準価格 : WWX400-050A03AR:53,500円
(代表型番) WWX400R12508EA :113,000円
   WWX400R25018KN :276,000円
  6NMU1409040PNER-M MP6120:1,560円
  6NGU1409040PNFR-L TF15:1,470円
   6NGU1409080PNER-L MC5020:1,920円
(*いずれも税抜価格)

オーエスジー 「第107回定時株主総会」を開く

 オーエスジー(社長=石川則男氏)が、2月22日(土)に同社アカデミー グローバルテクノロジーセンター(豊川市一宮町)で「第107回定時株主総会」を開催した。

 石川社長はあいさつの中で、「昨年は米国のトランプ大統領が仕掛けた米中貿易摩擦が世界中の製造業に大きなダメージを与えた。ようやく回復の兆しが2020年に入って見られるようになったが、連日報道されているとおり、コロナウィルスの蔓延が中国のみならず世界中に拡大し、世界経済の行く末はかなり濃い霧に包まれた状況である。」とした。また、同社では中国で幅広い活動を行っているが、それについては「幸いにして現地の社員は本日現在感染をしたという情報は入っていない。主力工場の上海工場は全製造社員の約80%にて2月10日から操業を開始し、東莞工場も全製造社員の55%にあたる社員で2月13日に操業を開始している。営業の本社である上海オーエスジーも自宅勤務に集中しているが、2月10日から営業を開始している。」と述べ、同社から中国の顧客への供給について問題はないとした。

 同社の2019年度の上半期は、前年度から続く生産財市場の旺盛な需要に基づき、設備を増強しフル生産を行った。しかしAブランド製品の旺盛な需要に生産能力が一部不足していたこともあり、特に主力のAタップの生産が上半期は滞ったが、下半期には生産能力を増強することができた。また、M&Aを行った会社のうち、グループ入りした会社のコーティング技術などをフル活用し、コーティング能力の増強にも努めた。上半期は世界経済が堅調に推移したものの5月以降、中国、インドなどの自動車産業が急激に落ち込み、日本やヨーロッパの自動車産業に波及し、切削工具の需要の激減に大きく影響した。この結果、連結売上高は1,269億6,400万円、連結営業利益は195億5,400万円、親会社株主に帰属する連結当期純利益は、136億8,600万円となった。

 欧米では、投資、消費に支えられ比較的に堅調に推移したが、中国では米中貿易摩擦に起因して生産、輸出、投資が鈍化した。韓国においても景気悪化傾向が継続し、企業業績も悪化した。その他アジア新興国もその影響を受け、以前の高い伸びと比べ鈍化した。また、国内においては、個人消費は力強さを欠く状況で輸出に弱さが見られた。国内では主要ユーザーである自動車関連産業向けをはじめ、幅広い業種から需要は比較的堅調に推移した。輸出では中国向けは低調となったが、米州、欧州、その他アジア向けは増加となった。

 北米では航空機関連産業向けが引き続き好調で、自動車関連産業向けも僅かに弱さが見える部分もあったものの比較的堅調だったが、重工業や金型などその他業種において閉塞感が見られた。メキシコでは、自動車関連産業向けが引き続き堅調に推移した。ブラジルでは国内はタップ、超硬ドリルが堅調に推移し、輸出も好調でレアル安による外貨建て売り上げが増益に貢献した。米州セグメント全体では主力のタップおよび超硬ドリルの売り上げが増加したことにより前期と比較して増収となった。営業利益はブラジルでは堅調だったものの北米の既存の連結会社は伸び悩み、当期連結会計年度期首により米国に所存する子会社2社を新たに連結子会社として加えたことによるのれん償却費の増加等により減少となった。

 欧州・アフリカではブレグジットなどの政治リスクが依然存在し、米中貿易摩擦も一部の国に影響を及ぼした。自動車関連産業向けを中心にシェアの低い同地域では営業力の強化に注力し、シェア向上に向けて既存市場の標準品の販売強化、大手ユーザー開拓による特殊品の拡販、航空機関連産業向けの販売力および開発力の強化を図っている。また、一方で、新たにグループに加わった会社とのPMIに注力し、よりシナジー効果を発揮できる体制構築に努めるとした。当期においては現地通貨ベースでの売り上げはほぼ同水準だったが、ユーロ安による為替換算の影響もあり、前期と比較して減収減益となった。なお、等連結会計年度期首よりイギリス、フランスおよびポーランドに所属する子会社3社を新たに連結子会社として加えている。

 中国では米中貿易摩擦に端を発して製造業稼働率の低下を招き、自動車関連産業向けを中心に市況は低迷した。韓国、台湾、およびその他の新興国でも中国景気減速の影響を受け、アジアセグメント全体で前期と比較して減収減益となった。

 剰余金処分の件、取締役(監査等委員である取締役を除く。)2名選任の件、監査等委員である取締役6名選任の件、補欠の監査等委員である取締役1名選任の件、役員賞与支給の件が上程され、それぞれ満場一致をもって承認可決し閉会となった。

 なお、総会に関連して恒例となったプレゼンテーションでは、総会開会前に新製品等の紹介、総会終了後には海外動向を中心に報告があった。

「第25回テクノフォーラム」を3月25日に開催 機械振興協会 技術研究所

 機械振興協会 技術研究所は、令和2年3月25日(水)13:00~17:30(12:30受付開始)まで、機械振興会館 6D-1~3 会議室(東京都港区芝公園3-5-8)で「第25回テクノフォーラム『-コトからモノへ』4次革命の新事業創出-」を開催する。参加費は無料。 機械振興協会では、「ものづくりは新しい時代を迎えているが、鍵はニーズをモノにするところ。それはひらめきの世界なのか、理屈を積み上げれば解けるのか。そのプロセスを少しでも解明したい。今回、デザイン、ロボット、ヘルスケアで世界一線の事例を紹介し、パネルでは各事例が成功した理由を考える。」としている。

開催概要

開催日時:令和2年3月25日(水)13:00~17:30(12:30受付開始)会  場:機械振興会館6D-1~3会議室(東京都港区芝公園3-5-8)主  催:機械振興協会 技術研究所参 加 費:無料申込期限:令和2年3月23日(月)申込方法:下記のURLから申し込み↓http://www.jspmi.or.jp/tf25/■プログラム12:30~ 開場(受付開始)○イントロダクトリ13:00~13:20 主催者挨拶、テクノフォーラムの目的・概要説明機械振興協会 副会長 技術研究所長 後藤芳一○基調講演13:20~13:50インダストリー4.0時台のデザイン経営と『モノの価値』の復権(株)GKデザイン機構 代表取締役 田中一雄○成功事例紹介13:50~14:20第54回機械振興賞 中小企業長官賞 汎用無線遠隔操作ロボット~油圧ショベルの汎用無線延刻操作ロボットの商品化~(仮題)コーワテック(株)SAM開発顧問 大橋啓史14:20~14:50第54回機械振興賞 審査委員長特別賞 高速ピストンエンドコントラ~歯科医師の潜在ニーズ(コト)を実現! 根幹治療用電動工具~(仮題)ノイシュタットジャパン(株)代表取締役 鈴木計芳14:50~15:05 休憩○パネルディスカッション15:05~16:35(パネラー)(株)GKデザイン機構 代表取締役 田中一雄コーワテック(株)SAM開発顧問 大橋啓史ノイシュタットジャパン(株)代表取締役 鈴木計芳(一財)機械振興協会 技術研究所次長 木村利明(モデレータ)(一財)機械振興協会 副会長 技術研究所長 後藤芳一16:35~16:40 閉会挨拶(一財)機械振興協会 副会長 櫻井和人16:40~17:30 名刺交換会17:30閉会

アストロスケール  Japan Venture Awards 2020 から「科学技術政策担当大臣賞」受賞

表彰式の様子
表彰式の様子
 宇宙機の安全航行を目指し、スペースデブリ(以下、宇宙ごみ、デブリ)除去サービスに取り組むアストロスケールホールディングス(CEO=岡田光信氏、以下アストロスケール)が、このほど中小企業基盤整備機構が主催する「Japan Venture Awards(以下JVA)2020」の科学技術政策担当大臣賞を受賞した。

 同賞は、科学技術イノベーションの発展に貢献する起業家を対象にし、今年度より新設されたもので、岡田CEOは、「創業者というのはいつも終わりがありません。いつも途中でございます。我々もまだ過程なのですが、こうしてご認識下さり賞を頂けること、本当に励みになり嬉しいです。宇宙ごみの除去、宇宙の環境改善というのは、私一人で出来るものではございません。社内にはこのミッションに共感した者が多数あふれています。そうした社員とも喜びを分かち合いたいと思います。この 2020年最初に頂いた賞を契機に、絶対に 2020年代に世界をリードして宇宙の環境改善に取り組む決意を新たにしたいと思います。」と述べている。

三菱日立ツール 販売店を対象に「商品説明会」を開く

 三菱日立ツール(社長=菊池 仁氏)が、2月3日、都内の第一ホテル東京で販売店を対象とした「商品説明会」を開いた。

 あいさつに立った菊池社長は、日頃の感謝の意を表したあと、MOLDINOブランドについて、「MOLDINOは金型産業を中心に得意分野で圧倒的なナンバーワン、これを追求すべく新商品の開発と製造をしている。既に発売して好評をいただいている高精度材用“TH3”をさらに展開していくほか、刃先交換式工具においては、荒加工から中仕上げあるいは仕上げまでカバーする金型加工のトータルの提案を可能とする商品の品揃えをしていく。お客様の期待に応えて、さらにその期待を超える圧倒的ナンバーワン工具の開発と製造を約束する。」と力強く述べたあと、「圧倒的ナンバーワンの商品を開発・製造する一方で、お客様が欲しいのは工具そのものではなくてニーズに合った加工や加工方法だと考えている。工具の世界でも競争は激しくなるばかりだが、競争する上では、工具の性能はもちろんのこと、工具の使い方によって生産現場のコストダウンや生産性の向上、品質の向上について、お客様に実感していただく必要がある。」との考え方を示した。

あいさつをする菊池社長
あいさつをする菊池社長
 また、工具の性能を最大限に引き出すためのアプリケーションについて、「抱き合わせで提案できるよう周辺機器メーカー、あるいは工作機械メーカーなどとも積極的にコラボレーションを行って、お客様に納得していただける加工提案を行っていく。ニーズには高能率な加工、高精度な加工、高品位な加工、微細な加工、難易度の高い加工、あるいは自動化や省人化などのニーズが高まっていると考えている。工具メーカーとしてできることについて、愚直かつ誠実に取り組んでいく」と意気込みを述べた。

「PRODUCTION50」と「MOLDINOが目指す金型戦略」

説明をする坂本技術本部長
説明をする坂本技術本部長
 同社では、ここ数年「PRODUCTION50」をスローガンに掲げて展開している。これは、最適な工具の選定や加工方法の最適化、工程の短縮、工程集約、あるいはコスト改善を含めた生産性向上に貢献する工具や加工方法を提案するもので、菊池社長は、「われわれが提供するMOLDINO精神が切削加工において差別化されて、抜きん出た存在になりたい。製造原価に占める工具費の割合は、一般的に2%~3%。工具費以外の製造原価には、例えば人件費や機械の償却費、電力代、研削費用、検査費用など製造に直接関わるもののほかに、加工の待ち時間も時間のコストに含まれる。工具単体の費用だけを着目して、2%~3%しかない工具費をより安価なものに替え、あるいは値引きなどに釣られるよりも、切削時間の短縮ができたり、工程短縮に寄与できる工具を使用することのほうが、トータルの加工費が削減し、経済的に貢献できると考えている。」と、同社製品を使用することで得られるメリットをアピールした。

 今回の商品説明会では、MOLDINOが目指す金型戦略について、同社の開発技術を一手にまとめている坂本 靖 開発技術本部本部長(以下坂本本部長)が説明をした。

その中で、坂本本部長は、「金型加工は加工プログラムを都度変更するので、工具や条件変更の自由度が高い。また工具だけでなく、加工方法の提案により能率や品質改善にもつなげることができるので、加工提案でさらなる付加価値の創出ができる。まさにわが社のコンセプトに合った加工分野ではないかと考えている。MOLDINOではこの性能工具と共にかけがえのないパートナーとなるべく、金型ユーザーさまと共に成長していきたい。」と意気込みを見せた。

 次に、金型市場についてご説明をした。世界の金型市場については、「ドイツの研究機関がまとめたものだが、技術面と市場の規模、どちらもリードしているのが日本・ドイツ・アメリカ・韓国といった4カ国となっているが、最近は停滞気味。2015年度以降大変大きな変貌を遂げている国は中国。中国は市場規模として非常に大きなものだが、製造技術の点で先進国に対して劣るところがあったものの、最近は技術力の向上が非常に目覚ましく、賃金上昇による問題等も乗り越えて、非常に成長している。」と中国の成長力について述べ、
メキシコについては、「従来、金型は海外からの輸入に頼っていたが、最近は国内生産を強化しており、市場規模として大変大きくなっている。」とした。

 ベトナムについては、「先ほどの中国の賃金上昇の、脱・中国の受け先になっていることもあり、市場規模が非常に拡大している。また同時に海外メーカーも多く進出し、その技術力の向上には目を見張るものがある。」と述べた。

 こうした時流を背景に日本の金型メーカーが国内生産で勝ち抜くためには、「既に定評がある製造技術、加工精度、高品質に加え、短納期が重要要素になるだろう。そのため製造技術の確立というのが非常に重要になる。」との考えを示した。
 
 金型市場に大きな影響を与えるのは、自動車産業だが、内燃機関中心の自動車から電気自動車への移り変わりが進んでいる。この件について、坂本本部長は、「自動車業界は大きな転機を迎えている。この電動化の技術を支える一つが軽量化技術であり、多くの部品が、従来と異なる軽量化素材が使われるようになっている。チタン、マグネシウム、アルミニウム、樹脂など、今後もますます新素材が増えていくだろう。こうした中で金型市場が直面している課題は、自動車産業では、開発期間の短縮、量産へのスムーズな展開に向けた試作品製作、新商品投入による金型の短納期化の要求が非常に高まっている。また、高強度部材の成形により金型の難削化、高精度化、こうしたニーズも高まっている。」と説明をした。

 金型業界に貢献するために開発された工具における優位性が説明され、第2部の懇親会では、和やかな雰囲気の中、参会者は交流を楽しんだ。

 

岡本工作機械製作所「2019年度 PSG会東部支部連絡会」を開く

 岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が、2月7日、横浜市内の新横浜国際ホテルマナーハウス南館で「2019年度 PSG会東部支部連絡会」を開いた。同社の現況報告のほか、『研削革命 ~ラインナップと超精密への取組み~』、『研削革命 ~高能率への取組み~』、『研削革命 ~丸物・自動化への取組み~』がそれぞれ説明されか第二部は、毎度人気を博している伊藤 暁取締役技術開発本部長の特別講演もあり、盛り上がりをみせた。

SHINKA(深化・進化)へ向けて

説明をする石井社長
説明をする石井社長
 中期経営計画について石井社長から説明があった。その中で石井社長は、「弊社は研削盤のリーディングカンパニーとして創意工夫した機械を市場投入しているが、今後はそれに加え、AI、IoTの技術を加えた新しい研削盤を投入していく。2019年に3月に全中期経営計画『Mission GX2019』を終了した。目標売上高は320億、営業利益8%、25.5億に対し、売上は361億、営業利益10.9%の39.3億円と大幅に目標を超過できた。さらなる飛躍を目指して、2022年3月期を最終年度とした新しい中計、3カ年の『SHINKA2022』を昨年6月に発表した。売上の目標はほぼ横ばいの380億円、営業利益は46億円を目標とし、景気の変動に左右されず安定的に利益ができる企業を目指したい。」と意気込みを見せた。

 具体的には、国内工作機械、海外工作機械、半導体関連装置、歯車・鋳物(いもの)事業の4つの事業セグメントを有効にしながら安定した収益を確保できる企業になる――とし、その実現のための3大戦略は、①顧客ライフバリュー強化、②グローバル戦線の拡充、③ものづくり改革とした。

 石井社長は「どのような環境でもしっかりした収益を確保できる企業に進化を図るべきだろうということで、新中期計画の名前も『SHINKA』と名付けた。お客様に工作機械をただ提供するB to Bの関係からB with Bの関係に強化していきたいと。」と思いを滲ませた。

 また、同社では、サービス体制の拡充に努め、顧客の要望に合う教育支援の展開、保守・メンテナンスサービスの開発に注力するため、カスタマーサービス担当部署を本部制に格上げをした。サービス人員の増強、アフターパーツのリードタイムの短縮、そして保守・メンテナンスサービスの強化に努めていくとしている。

 グローバル戦線の拡充については、世界のポテンシャル市場を見極め、製品別、エリア別の販売戦略を再構築し、それぞれのエリアの市場性やニーズ、タイミングを見極め、適切な機種を投入していくためのリサーチ機能の強化、高付加価値の高い機種の拡販のための、アプリケーションエンジニアの拡充を図っていく考え。また、生産性が期待できるインドにも今年は進出するとした。

 ものづくり改革については、本社安中工場、タイ、シンガポール、新たに開設した中国の4つの生産拠点を使い、それぞれの工場の適性化を図りながら機能の検証を高め、高い技術を保持し、生産地の直送体制を強化していく考え。

EV化により研削盤の需要は増

あいさつをする渡邊常務
あいさつをする渡邊常務
 第二部の懇親会であいさつに立った渡邊哲行常務は、「今後研削盤の工程について2つの流れがある。1つは自動車。今までガソリン車の場合は、ガソリンエンジンの自動車部品とか直接研削盤で加工する部品は非常に限定されていた。特に平面研削盤で自動車部品を削ることはほとんどなく、限られた部品である。それが電動化になってくると、モーターがある。モーターにはステーターとローターがあり、これらは全てプレス部品で作られている。日本各地でモーター関係をやられているところがどんどん設備をしている。日本だけではなく、欧米やアジア圏にもかなり大型の研削盤が入っている。また、自動運転が増えてくると車の中にセンサーやカメラモジュールも増加する。かなり高性能な金型が増えているので、EV化により研削盤の需要が増えるだろう。」との見方を示した。

 またトレンドである5Gについても触れ、「5Gが増えると半導体製造装置は間違いなく増えてくる。半導体製造装置協会は2021年、22年が一番ピークになると見通しを立てている。」と述べ、「新しい技術がこれからどんどん出てくる。私どもとPSG会各社様の情報を共有化して、情報をいろいろ取り交わしていただければ幸いである。」とあいさつをした。

 上大迫 顕基 山善 機械事業部 副事業部長の乾杯の発声で開宴し、宴もたけなわのころ散会した。

三井精機工業 名古屋で「MTF2020」を開催

セミナーの様子(名古屋会場)
セミナーの様子(名古屋会場)
 三井精機工業(社長=加藤欣一氏)が、2月5日(水)~6日(木)の2日間、名古屋国際展示場(ポートメッセなごや)第3展示館で「MTF(MITSUI TECHNICAL FAIR)2020」を開催した。

 今回のテーマは「技術、技能の継承~100周年に向けて」。59社の協賛メーカーも出展し、華やかな展示会となった。2月6日は、世界的企業として名高いトヨタ自動車のエンジン生技部長 泉 俊宏氏による「TNGAエンジンラインでの取り組みと目指すべき方向性」をテーマにした特別講演が開かれ、会場は大いに盛り上がった。

 今回の名古屋会場では、

コンプレッサ『Zgaiard SKYシリーズ』から新型屋外設置型モデルが誕生!
コンプレッサ『Zgaiard SKYシリーズ』から新型屋外設置型モデルが誕生!
コンプレッサ『Zgaiard SKYシリーズ』から新型屋外設置型モデルが誕生しており、設置面積も自社比38%削減(ZV37)、56%削減(ZV75)とコンパクトになっているうえ、パッケージの防水評価試験を実施し、保護等級IP23を実現している。

 注目したい点は、吸気口、排気口、のルーバーを見直し、浸水時に対し外部排出構造を採用したこと。雨風にも強く、洗練されたモデルとなっていた。

 また、コンプレッサの監視システムなども展示しており、これは、保守点検を積極的に進めることによって、異常をなくす、あるいは万が一異常があったとしても、サービス会社がどういう状況で異常が出たのかが分かるので、的確なサービス対応ができるというもの。ダウンタイムを短縮するニーズに応えたシステムだった。

『PJ812』はジグボーラーと同等以上の精度を実現!
『PJ812』はジグボーラーと同等以上の精度を実現!
 一方、工作機械の注目商品は、Precision Profile Center『PJ812』。ジグボーラーと同等以上の精度を実現している。門型構造だが、一般的な門型はZストロークが長ければ長くなるほど精度が安定しないので、乗せるワークも限定されてしまうという課題があった。

 同社の『PJ812』は、Zストロークが500㎜まで確保しているので、ヘッドライトの金型など、高さがあるようなワークも加工できる。

加藤社長
加藤社長
 仕上げ加工においては、主軸回転数も3万回転で40番が標準だが、1万2,000回転で50番も用意していた。荒、中、仕上げまでの全てを使いたい! という欲張りユーザーのために使用できる有難いモデルとなっていた。
 
 さらに気になる熱変形対策においても、主軸、ボールねじの軸心冷却に加え、さらに摺動による発熱が鋳物部分に伝わり変形するのを防ぐためにX、Y軸摺動面の冷却機構を標準搭載していた。

 加藤社長は、「1月29日から2日間にわたり本社工場で開催したMTF2020も1300名以上の来客があった。景気の見通しはシビアだが、ものづくりに関わる皆様は非常に勉強家でいつもなにかを探している。今回、ご協賛してくださった59社の皆様との情報交換も充実している。今年はJIMTOFの開催年なので、コンプレッサや工作機械の次のご提案の足掛かりをつくっている状況。コロナウィルスがいつ終息するか分からないが、半導体がけん引する見通しであり、今年は急速に良くなる可能性がある。」と期待を滲ませた。

本社工場で開催されたMTF2020の様子
(写真提供:三井精機工業)

日進工具 「NS TOOLプライベートショー2020 精密・微細加工技術展」を開催

 去る1月29日(水)~30日(木)の2日間、 日進工具(社長=後藤弘治氏)がパシフィコ横浜展示ホールCで「NS TOOLプライベートショー2020 精密・微細加工技術展」を開催し、多くの来場者で賑わった。

 12年ぶりの開催となった今回のテーマは「日進工具は、SOFT・HARD・HEARTを融合させた精密・微細加工の新しい方向性を提案します」。機械メーカー8社、周辺機器メーカー21社、大学・研究機関8校が出展し、加工メーカーも自慢のワークサンプルを展示した。
このほか、松岡技術研究所の松岡社長の基調講演のほか、出展者によるセミナーなど多数開かれ、どれもが満席だった。

あいさつする後藤社長
あいさつする後藤社長
 後藤社長は開会式で、「2020年はいよいよ5Gが本格化する。その5Gネットワークで重要になるのは、本日お集りの皆様の精密・微細加工技術。この展示会では、最新の加工機、技術を見て頂けるものと確信しており、この展示会が日本の製造業を明るくするきっかけにしたい。」と意気込みを示した。

 会場内では、同社の特長でもある最新の微細工具が展示され、これまでのワークショップを紹介したパネルや、加工の悩みを抱えるユーザーへの技術相談に応じるコーナーも設置され、いずれも好評だった。また、同社仙台工場の画期的な免震構造や自社開発のR輪郭度測定装置、社会貢献活動などを紹介した。

(写真:金型新聞社提供)

OKK 大好評の「VB53」がさらなる高精度を追求し「VB53α」へ進化!

 OKKのマシニングセンタ「VB53」は、コストパフォーマンスに優れ、アジア新興国を中心に高い評価を得ていたが、近年、加工部品の要求精度の高まりにより、同機においてもさらなる精度向上の要望があり、同社では、「機械コンセプトを変えず、より高精度を追求する。」をモットーに新しく立形マシニングセンタ「VB53α」を開発した。

 このマシンは、機械的な改良と機械に実装したセンサから得られる温度変化情報を基に、リアルタイムで加工点の変位を補正する機能の環境熱変位補正「ソフトスケールCube」を標準搭載することにより、さらに精度を向上させている。

 また、クラス最高レベルの接近性を実現することで、作業性の向上を図り、オペレータへの負担を軽減。テーブル前後にコイルコンベヤ2基を標準装備し、Y軸シャッターの山折角度を大幅に改善し、切屑排除の作業性を向上している。

 さらに、加工中に発生する切屑やクーラントの熱が直接ベッドに伝わらないよう防御用プロテクターを標準装備していることも嬉しい。

 高速主軸、リニアスケール、高分解能ボールねじ、大容量データサーバ、高精度輪郭制御Ⅱ+高速プロセッシング等、金型仕上げ加工をサポートする機能を標準装備。

 なお、進化した「VB53α」は、本年4月15日(水)~18日(土)まで、インテックス大阪で開催される「INTERMOLD2020/金型展2020/金属プレス加工技術展2020」に出展する。