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三菱日立ツールが「東日本三菱日立ツール報告会」を開く

 

 三菱日立ツール(社長=菊池 仁氏)が、去る6月14日、同社成田工場 グローバルソリューションセンター東部ステーションで「東日本三菱日立ツール報告会」を開いた。






あいさつをする増田相談役
あいさつをする増田相談役
 本年4月に社長を退任した増田照彦相談役が、「4月から相談役となった。ちょうど4年前の2015年に、三菱でもない日立でもない、こんな会社が1つあってもいいよね、と目指して三菱日立ツールの物語がスタートした。弊社スタッフの一人一人が、そして機械工具商社様のお一人お一人がプライドを持って相手方のプライドも尊重しながら、それぞれの持ち場、立場で継続して人事を尽くして頂いた。その結果、三菱でもある、日立でもある、それぞれのいいところだけを組み合わせた、こんなに凄い会社が出来上がった。2年前には“金型業界にイノベーションを”と新たなブランド『MOLDINO』も立ち上げることができた。この4年間、社長として本当に楽しく過ごすことができた。皆さまにお会いできてとても嬉しかった。」と振り返り、感謝の意を表した。

説明をする菊池社長
説明をする菊池社長
 続いて菊池社長が、「1961年に、当時は三菱金属だったが現在の三菱マテリアルに入社して35年間、三菱マテリアルの工具事業に携わってきた。三菱日立ツールは、三菱マテリアルグループの工具の事業を担う会社の1つで、その中でも特に金型工具に特化して“とがった会社”になることをミッションとして与えられている。」と自己紹介をしたあと、「この4年間は、増田前社長のリーダーシップのもとにさまざまな取り組みに力を注いできた。その結果が功を奏して、2018年度の受注、販売とも過去最高となった。この記録を更新できたのは、ひとえに今日ここに集まっているお取引先様のおかげである。」と感謝の意を表した。

 2019年度の取り組みについては、「長期的な視点に立ち、設備投資については高水準なものを継続していく。また、その内容についても増産だけではなく、検査の自動化、品質管理への投資、あるいは昨今の労働力不足ということもあり、省人化の観点で設備投資も行っていく。また、機械設備のみならず、根源となっている製造、開発は言うまでもなく、営業サービス体制の充実のためにも人材への投資を計画的に行い、その上で皆さまのお役に立てるような人材を育成していく。」と意欲を示した。また、サービス面の強化のための設備投資として、「2018年度は、成田工場に併設する形でグローバルソリューションセンター東部ステーションを昨年11月から開設した。既に野洲で同様の設備があるので、これで野洲、成田の東西2拠点で金型加工についてソリューションを提供する拠点が整備されたことになる。」と説明をした。

 菊池社長によると、グローバルソリューションセンター東部ステーションのコンセプトは、教育の実施であり、金型加工のソリューション発信基地、あるいは研修等の教育の場として活用することと、CAD/CAM、ホルダー等の周辺機器メーカーとのコラボレーションを活性化するという目的があるとのこと。組織面では、金型に特化するとの方針を打ち出し、金型向けの戦略を考え、実行に移すために本年4月に“金型戦略室”を東京に設置している。

 製造面については、世界的な同時不況のリーマンショック後に工具需要が急減した理由から2009年に休止した魚津工場を再開・再稼働する。なお、魚津工場は1936年に魚津製作所として稼働した非常に歴史のある工場で、今回、生産能力を短期間に増強するため、再稼働することを決定している。再稼働の予定となる時期は2020年秋頃。これで同社の国内生産工場は、成田、野洲、魚津の3箇所となる。菊池社長は、「タイで一部、小規模に生産しているが、ほとんどの工具は日本でつくっているので、ものづくりの基盤を支える工具メーカーとして高性能かつ高品質なメード・イン・ジャパンにこだわりたい」と述べた。

営業本部概況

十倉取締役営業本部長
十倉取締役営業本部長
 営業本部概況報告を十倉直樹 取締役営業本部長が説明した。それによると、「2018年は、上期までは右肩上がりで推移していたが、下期は海外、特に中国の落ち込みがあったものの、2018年度は2017年度に対して売上、受注でプラス5.3%の成長だった。海外比率も当初42%だったものが2018年には50%となった。引き続き国内、海外とバランスをとりながら邁進していきたい。」と意気込みを示した。

 19年度については、「国内金型市場を深耕していくということで、これは従来から会社の方針ということで掲げている。特に、経営資源を金型市場に集中配分していく。営業としては要員あるいは組織等、金型市場をにらんだ投入を図っていく。また、国内と海外の連携強化をしていく。特に日系メーカーが海外に進出しているため、国内との連携を取りつつ日系ユーザーとの強化、フォローを特に進めていく。さらに、新製品の早期の市場浸透についても注力する。残念ながら2018年度は既存品の生産、あるいは注残解消に追われ大型新製品が投入できなかったが、今年度は8品種の新製品の投入を予定している。」と説明をした。

 小櫻一孝 国内営業部長が、「昨年は旺盛な注文を頂いた。今年度は既に発売済みの2商品を加え、合計8つの新製品を発売予定だ。皆様のお力を拝借し、速やかに市場への浸透を図りたい。」と協力を仰いだ。また、ソリューションセンターの活用について触れ、今年度は4月より2カ月間で成田工場東部ステーション14件71名、野洲工場内西部ステーション67名が来場したと説明をした。

見学の様子
見学の様子
 井上稔朗 理事 製造本部 成田工場長が製造本部概況報告を行い、設備投資等について詳細を説明したあと、「最近の金型事情とMOLDINO的活動拠点東部ステーションの紹介」を日畑忠広 事業戦略本部 グローバルソリューションセンター長が説明をした。

 続いて2018年度の販売表彰が行われた。販売実績は標準品と特殊品の累計実績によるもので、今回は特別優秀賞1社、優秀賞5社、敢闘賞8社、躍進賞2社の16社が表彰されたあと、工場見学や実演が行われたあと、場所を移して成田市内のホテル日航成田で懇親会が開かれた。坂井俊司 NaITO社長が乾杯の発声を行い、開宴した。宴もたけなわの頃、散会した。

新会長に石川オーエスジー社長 ~日本機械工具工業会が定時総会および令和元年度生悦住賞並びに新庄(陰徳の士)賞表彰式を開く~

 日本機械工具工業会が去る6月12日、都内のアーバンネット大手町ビル東京會舘で第5回定時総会および令和元年度生悦住賞並びに新庄(陰徳の士)賞表彰を開いた。

 定時総会では、平成30年度事業報告並びに同経費収支決算、令和元年度事業計画、同経費収支予算、同各社会費、役員選任、正副会長監事および専務理事について審議が行われ、いずれも承認された。

 今期は役員改選期にあたり、新会長に石川則男・オーエスジー社長が選任された。

 定時総会の終了をもってあいさつをした牛島 望前会長は、「当工業会の運営に必要なルール・規定類を、理事会の活発なご議論の下、拡充してきた。また、規定の順守や規定に基づく運営を心掛けてきた。事務局の皆さんのご尽力もあり、この2年間で、ルール・規定の制定を含め、業務基盤の整備がおおむね完了したのではないかというふうに思っている。」と振り返ったあと、「この2年間の個人的な感想をだが、総会や理事会、委員会、それから懇親会等の場で、会員の皆さま方と会長としてお話や談笑をさせていただく機会が非常に多くあった。それぞれオーナーであったり、役員、マネージャーと、会社の立場によってさまざまだが、皆様からいろいろな話をお聞きし、勉強をさせて頂いた。個人的にも非常に刺激の多い2年間であった。」と話し、感謝の意を表した。

 続けて新会長に就任した石川会長があいさつをした。この中で石川会長は、「当会の発展に尽くすために身の引き締まる思いだが、精いっぱい努力していきたい。」と意欲を示したあと、「超硬工具協会と日本工具工業会が統合により発足した当工業会は、会員数が136社を超え、2018年度の生産金額は5,188億円となり、発足した4年前と比較して、業界は大変順調に発展してきた。牛島前会長には2つの団体間の融和を進めていただき、そして国際化、また当協会の運営の強化ということで、大変なご尽力を頂いた。」とお礼の言葉を述べ、「今後は切削工具、耐摩耗工具、単独ではなく関連団体の皆様と日本の技術の粋を結集して、この日本ブランドがより世界に地位を得られるように、微力ではあるが皆様と一緒に努力したい。次の2年間、皆さま方からご忌憚のない意見を頂戴しながら当会の運営に当たる所存である。」と豊富を述べた。

令和元年度生悦住賞受賞者

◎本田晴彦氏<元、日立ツール(株)>
【功績の概要】平成15(2003年)より、日本工具工業会初代環境委員長として環境委員会の立ち上げに尽力。4年間の任期を勤め、その間、環境賞の創設を主導し、現在の定量的な評価制度を確立するなど、大きな実績を残した。環境賞の表彰制度は人気を終えた翌年平成19年より始まった制度である。(平成19年日立ツール(現三菱日立ツール)退職)

 ◎松原純二氏<元、(株)アライドマテリアル>
【功績の概要】超硬原材料メーカーの委員として約17年間にわたり旧、超硬工具協会の「関東地区懇」委員を皮切りに、関西、中部の3地区会員懇談会並びに業務委員会に▼。それぞれの地区か委員懇談会、業務委員会活動を通じて、主要原料のタングステン、コバルト等の需給動向について会員企業に的確な情報提供をした。また、タングステン・モリブデン工業会会員の立場から、平成17年年頭から始まるタングステンの急騰にあたっては、商社、現地企業をはじめ各方面から情報入手に奔走した。また、歴代の3地区の担当理事を側面からバックアップするなど長年にわたり協会幹部から地区懇・委員会参加者まで幅広く交友し、協会理念のひとつである全員参加に大きく貢献した。

令和元年度新庄(陰徳の士)賞
・椛沢二三男氏 高周波精密(株)
・佐々木徳栄氏 三洋工具(株)
・井坂宏徳氏 (株)東鋼
・坂口 孝氏 日本新金属(株)
・門 正次氏 (株)光機械製作所
・吉岡建嗣氏 冨士ダイス(株)

「世界の製造業に貢献」

あいさつをする石川新会長
あいさつをする石川新会長
 総会後の懇親会で石川新会長は、「60カ国語を話すことができるうえ、聴力は人間の1000倍、10万馬力で空を飛ぶ。これは手塚治虫さん原作の鉄腕アトムの話だが、鉄腕アトムは1952年の4月、今から67年前に手塚治虫さんが見た未来だった。私たちも新技術を追求していく業界にいる。新技術はハリウッドの映画や漫画を拝見すれば、実際にそれを実現する方や企業が表れる。そんなようなことを思い描きながら、この2年間、皆さまとご一緒に日本の製造業、そして世界の製造業に貢献していきたい」とあいさつをした。

経済産業省 玉井 産業機械課長
経済産業省 玉井 産業機械課長
 来賓を代表して、玉井優子 経済産業省 製造産業局産業機械課長が、「現在、米中の摩擦や経済情勢等少々先行き不透明だが、こうした中で製造業の置かれている現場は様々な課題を抱えている。ロボットやIoT、AI、最近でいうと5Gといった新しい技術、これらをどう取り込んで新しいものを作り出していくのかということと、その新しい技術が出てくることによって次々と違う新しいプレーヤーが誕生してきている。こうした中でどうグローバルに戦っていくのかという意味では大きな課題を持っていると思う。また、日本の裾野の広いサプライチェーンをどうやって維持していくのかという重要な時期に来ていると考えている。通商問題からくるグローバルなサプライチェーンを全体としてどういうふうにしていくのか今後大きなテーマになってくるだろう。」とあいさつをした。

 山本誠司副会長(サンアロイ社長)の乾杯の発声で開宴した。宴たけなわの頃、散会した。


工作機械技術振興財団が「第40回工作機械技術振興賞」贈賞式を開く

 工作機械技術振興財団(代表理事=鈴木直道氏)が、去る6月17日、東京都内の東海大学校友会館で、「第40回工作機械技術振興賞」の贈賞式を開いた。この賞は、毎年度、工作機械関係の優れた論文に対して表彰する制度。

あいさつをする鈴木代表理事
あいさつをする鈴木代表理事
 あいさつに立った鈴木代表理事は、「設立当時から振り返ると、ちょうどその頃はコンピュータが急速に普及する時期で、駅の切符を電算機が出してくれるような時代に入っていった頃だった。いよいよ電子計算、コンピュータが社会を変えるぞという流れのスタート段階で、工作機械が早速それを導入し、急速にNC工作機械が発展していった。当時の工作機械はドイツやアメリカが先頭を走っていたが、急速にNC工作機械という武器で登場したのが大成功し、日本おいて非常に普及した。」と40年前を振り返り、「高度成長を支えたのは、マザーマシンである工作機械。今や自動車産業、当時は電気・電子産業等の産業が日本各地に工場を造り、発展していったわけだが、それを支えていたのがこの工作機械。あらゆる技術に応えている。」と現代の技術の進歩の裏にある工作機械の重要性について述べた。

 工作機械技術振興賞、論文賞、奨励賞の審査の経過ならびに内容について、伊東誼審査委員会委員長が報告した。それによると、論文賞は日本機械学会、精密工学会、砥粒加工学会、大韓機械学会、韓国機械学会、ならびに応募した所属機関長の推薦によって6編、奨励賞は8編が表彰された。

 森脇俊道 人材育成賞審査委員会委員長が、人材育成賞の審査報告を行い3名が表彰された。

三菱マテリアルの「切削アカデミー」 2019年度下期開催スケジュールを公開

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=中村伸一氏)は、技術者育成を目的とした切削工具メーカーならではの体系的な研修「切削アカデミー」に、より直接ものづくりのノウハウを織り込むべくカリキュラムの見直しを行い、本年度より新しいカリキュラムの提供を開始した。 「切削アカデミー」は、2016年度に開講し2019年度で4年目を迎え、これまでに70回の研修を行い、800名と多くの技術者に利用され、好評を博している。 新カリキュラムでは、加工原理を学ぶ機械加工基礎コースと、旋盤・フライス盤作業ごとの具体的な加工方法を学ぶ、加工形態別コースの『ターニングコース』『ミーリングコース』『ドリリングコース』の構成になる。従来のトラブルシューティングコースを、加工形態ごとのコースに盛り込むことで、技術者育成に一層貢献できるものと同社では考えている。

切削アカデミー2019カリキュラム構成

○導入教育 ・新入社員導入教育向け:初心者コース○一般教育 ・旋盤加工技術者向け:機械加工基礎コース→ターニングコース ・M/C加工技術者向け:機械加工基礎コース→ミーリングコース ・穴加工技術者向け :機械加工基礎コース→ドリリングコース○専門教育 ・びびり振動コース ※「一般教育」は機械加工基礎コースを受講後に、加工形態別コースの『ターニングコース』『ミーリングコース』『ドリリングコース』を組み合わせて受講する。「専門教育」は、いずれかの加工形態別コース修了後に受講する。◎受講対象 切削工具ユーザーおよび機械系学生◎「切削アカデミー」開催スケジュール(2019年10月~2020年3月) ・機械加工基礎コース:[東日本TC]12月5日  [中 部TC]'20年1月16日、2月13日 ・ターニングコース :[中 部TC]12月19日 ・ミーリングコース :[東日本TC]11月21日  [中 部TC]20年1月30日 ・ドリリングコース :[東日本TC]20年2月27日 [中 部TC]20年3月19日 ・びびり振動コース :[中 部TC]10月 3日 ※東日本TC:東日本テクニカルセンター(埼玉県さいたま市) ※中 部TC:中部テクニカルセンター(岐阜県安八郡)

オークマがドイツで販売強化 ~子会社にドイツの販売代理店Hommle CNC Technik GmbH

 オークマ(社長=家城 淳氏)のドイツ連結子会社OKUMA Europe GmbH(以下OEG)は、欧州ドイツにおいて顧客に密着した販売とサービスを提供するため、ドイツの販売代理店であるHommle CNC Technik GmbH(以下HCT)を、OKUMA Deutschland GmbH(以下ODG)として、9月1日付けで、OEGの販売子会社にすることを発表した。 オークマではグループ全体の受注、売上げの海外比率を70%とする「グローバル70」を掲げており、成長戦略の一環として、今後5年を目処にドイツでの販売倍増を図っていく方針。

ダイジェット工業が「エクストリームダイメイト」リニューアル!

 ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が、このほど好評を博しているインサート両面仕様・丸駒ラジアスカッタ「エクストリームダイメイト」を、新ブレーカ付きインサート「金型加工用PM ブレーカ」「耐熱合金用MM ブレーカ」の追加および本体鋼種の見直しにより、リニューアル発売をした。

 エネルギーや航空機産業などのタービンブレード加工をメインに使用されていた同製品に、金型加工用・耐熱合金用の2 種類のインサート追加とより最適な本体鋼種への見直しを図った。これにより、幅広い被削材に対応できる汎用性とコストダウンによる市場競争力を強化するのが狙い。炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼入れ鋼、鋳鉄、ステンレス鋼、チタン合金、耐熱合金などの平面加工、曲面加工、ポケット加工に威力を発揮する。

■特長
(1)インサートは両面8コーナ仕様の丸駒インサート、加えて黒皮級のため非常に経済的。
(2)独自のインサート回り止め機構を採用。インサート拘束面がクサビ形状のため、外周と座面が確実に本体に固定され、使用時のインサート動きや浮き上がりを防止し安定加工が可能。
(3)独自のヘリカル切れ刃により切れ味と刃先強度を兼ね備えた「耐熱合金用MMブレーカ」は、ステンレス鋼、チタン合金などの難削材加工において低抵抗、長寿命を実現する。コーティング材種「JC7518」「JC7550」を揃えた。ポケット掘り込み加工が可能な「金型加工用PMブレーカ」は、刃先強度を重視した全周ブレーカ形状で一般鋼からプリハードン鋼、焼入れ鋼まで幅広い被削材に対応。コーティング材種「JC8050」「JC8118」を揃えた。
(4)本体はク-ラント穴付きで確実に刃先を冷却。

■サイズ・価格
① サイズ:フェースミルタイプφ50~φ66(計5 形番)、モジュラーヘッドタイプφ32、φ40(計2 形番)
標準価格:34,800 円~64,600 円(税抜き)

② インサート形番:RNMU1205MOE-MM(インサート材種:JC7518、JC7550)、RNMU1205MOE-PM(インサート材種:JC8050、JC8118)
標準価格 1,170 円(税抜き)

三菱マテリアルが溝入れ用バイト“GYシリーズ”にアルミニウム合金加工用インサートを追加

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=中村伸一氏)が、このほど、溝入れ用バイト“GYシリーズ”にアルミニウム合金加工用インサートを追加し、販売を開始した。

 溝入れ用バイト“GYシリーズ”は多彩なホルダ、インサートの組み合わせにより、外径、内径、端面への溝入れ加工に対応可能な旋削工具。今回、アルミニウム合金加工用インサートを追加することで、使用用途がさらに拡大する。

■特長
 ① ブレーカ幅をせまく設定し、小さな切りくずカール半径を実現。
 ② 強すくい角設計により、低抵抗を実現。
 ③ 刃先をシャープエッジとし、優れた耐溶着性を実現。

■標準価格
 ・GY2G0200D005N-GL RT9010:1,960円
 ・GY2G0250E005N-GL RT9010:2,060円
 ・GY2G0300F005N-GL RT9010:2,150円
 (いずれも税抜価格)

タンガロイが4コーナ溝入れ工具TetraForce-Cut(テトラ・フォース・カット)低抵抗加工用ブレーカ「TCL27形」を発売

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)が4コーナ溝入れ加工用工具「TetraForce-Cut(テトラ・フォース・カット)」に、高能率加工用ブレーカ「TCL27形」を拡充し、このほど発売を開始した。

 4コーナ溝入れ加工用工具シリーズ「TetraForce-Cut(テトラ・フォース・カット)」は、最大溝深さ6.4mmまで可能かつ、4コーナ仕様で経済性に優れることが特長。独自のインサートクランプシステムを採用し、優れた繰り返し刃先位置精度が得られ、加工精度と安定した工具寿命を実現するシリーズである。

 「TCL27形」は、深いディンプル形状を備えた特長的なブレーカにより、低抵抗で優れた切りくず処理性が得られる。また、汎用性に優れるAH725は、安定した加工および高能率加工を実現する。

 同社では、「既に、ご好評を頂いているTCS/TCM27形と合わせ、豊富なインサートのラインナップにより一般旋削加工から小型旋盤加工まで幅広い切削領域をカバーし、お客様の生産性向上に貢献します。」としている。

主な特長
(1)切りくず処理性に優れた新ブレーカ『TCL27形』により、低抵抗で安定した切りくず処理を実現。
(2)深いディンプル形状により切りくずの溝残りやワークの絡み付きを低減。
(3)適用被削材は炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼から耐熱鋼まで幅広くカバー。

主な型番と標準価格
・TCL27-150-015 AH725 :3,880円
・TCL27-200-020 AH725 :3,880円
・TCL27-250-020 AH725 :3,990円
・TCL27-300-020 AH725 :3,990円
(いずれも税抜価格)

リンクスがIIoTの国内・海外の最新事例を紹介する「Industrialインダストリアル IoT Meetingミーティング」を開催

 IIoT(Industrial IoT)分野における最先端技術の技術商社のリンクス(社長=村上 慶氏)は、2019年8月2日(金)、東京・大手町フィナンシャルシティ カンファレンスセンターにおいて、IIoTに関する最新事例を紹介するプライベートセミナー「Industrial IoT Meeting」を開催するにあたり、「Industrial IoT Meeting」の参加申込みを受付けている。入場料は無料。 「Industrial IoT Meeting」は、自動車、製薬、食品・飲料、各産業のトップメーカーの「現場」の事例を紹介するセミナー。現場の担当者ならではのIoT活用法や課題の発見、新たな気付き、また、実際にIoT化した場合に実現できることなどについて、リンクス製品を導入しているトヨタ自動車をはじめ、パートナーの日本マイクロソフト、オムロン各社のIIoT担当者から、最新事例や業界動向を紹介する。 また、リンクスの村上社長が、国内・海外の現状や課題に触れつつ、現在、本当に必要とされるIIoTとは何かを題材に講演。その他、同社が日本国内で展開しているIIoTソフトウェアプラットフォーム「zenon」及びソフトウェアPLC「CODESYS」の展示を行う。

「Industorial IoT Meeting」開催概要

日 時: 2019 年8 月2 日(金) 13:00~18:00会 場: 大手町フィナンシャルシティ カンファレンスセンター ホール1+2入場料: 無料◎登壇予定者■日本マイクロソフトコンシューマー&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統括本部IoT デバイス本部 Azure 担当部長村林 智 氏■オムロンインダストリアルオートメーションビジネスカンパニー商品事業本部コントローラ事業部 コントローラPMG 経営基幹職夏井 敏樹 氏■トヨタ自動車「トヨタが目指すIndustrial IoT に不可欠な現場の取り組みと構想 ~zenon を活用した現状と今後~」Mid-size Vehicle Company MS 車体生技部 ボデー技術統括室 汎用技術開発グループ長 林 哲史 氏Mid-size Vehicle Company MS 車体生技部 ボデー技術統括室 汎用技術開発グループ 主任 下西 隼人 氏↓申込みは下記サイトへ↓https://linx.jp/event/seminar/iiot_mtg/register.php

三菱マテリアル 中部テクニカルセンターが「オープンハウス2019」を開く ~次世代の切削工具総合ソリューションを初公開~

セミナーの様子
セミナーの様子
 三菱マテリアルが6月7日(金)~8日(土)の2日間、同社中部テクニカルセンター(岐阜県安郡神戸町)で、「オープンハウス2019」を開き、次世代の切削工具総合ソリューションを初公開した。IoT化技術や最新の工法に加え、切削実演を通じて、来場者に加工の課題解決に向けた提案を行った。

 今回のイベントは、①ユーザー向けトータルソリューションの紹介、②技術相談コーナー、③外部講師によるセミナー(大学・研究機関、アーバ―メーカー、CAMメーカー)、④各種セミナー(切削アカデミー開催、航空宇宙、自動車分野)、⑤DIAEDGE新製品による切削実演、⑥産業別展示&市場別(自動車、航空宇宙、医療)取り組み紹介、⑦来場者参加型ワークショップ&体感コーナーなど、加工に役立つ情報が満載。筆者が取材を行った2日目は、「最新切削ソリューション」の取り組みをテーマに講演が行われ、内容も豊富だった。

 また、技術相談コーナーも盛況で期間中20件の相談が寄せられた。多くの来場者は、「来て良かった。」、「親身な技術意見交換ができた。」など満足した様子。特に昨今のトレンドでもあるデジタルソリューション、FAソリューション、IoT取り組みの紹介に興味を持ったようだ。来場者の中には「東日本テクニカルセンターでも開催して欲しい。」との要望もあがっていた。オープンハウス2019をレポートする。

BT50マシニングセンタによる模擬金型加工

 最初に高送り加工用両面インサート式ラジアスカッタ「WJX」による荒加工、高能率化紅葉多機能カッタ「VPX」による中仕上げ加工を見学。使用するマシンはOKK「VM660R」。
 「WJX」では、平面加工、円周外径荒加工、円周内径ヘリカル加工(彫り込み)、「VPX」では円周内径仕上げ加工、円周外径仕上げ加工を行った。「WJX」の特長は独自の複雑逃げ面形状により両面インサート式でありながらランピング加工に対応しているところ。インサート厚み増加で強度もアップした。一方「PVX」は屈強な加工に負けないあらゆる加工に対応する縦刃ショルダエンドミル。いずれも高い経済性をもたらすことがメリットだ。

小型自動旋盤による自動車部品加工

 「近年の自動旋盤はターニングのみならず、ミーリングも多用する複合加工機として進化している。」と同社。ここでは自動車部品加工のデモを行った。仕様マシンはCITIZEN「L20」だ。「DIAEDGE」では、ターニング工具やドリル、エンドミルといったミーリング工具も豊富に取り揃え、フルツーリングが可能だという。ここでは穴位置精度向上と、高品位面取加工を兼ね備えるリーディングドリル「DLE」、様々な加工形態に対応するフラットドリル「MFE」、難削材の難削材の切り屑処理性に優れた新ブレーカ「LS」による加工と新材種「MP9015」に注目。さらには注目の新製品、切り屑処理性に優れたモールデッドブレーカ「SMB」で後挽き加工を行った。

BT30マシニングセンタによるアルミ合金加工

 ここでは、かねてから好評を博していたアルミ合金超高能率加工用フライスカッタ「FMAX」に小型主軸機に最適化された軽量カッタが登場! 使用するマシンはFANUC「ROBODRILL」だ。「FMAX」の特長について説明員は超高能率切削を挙げた。φ125,Vf:20,000mm/min以上の高能率切削を実現するための超多刃設計でありながら、最大切り屑排出量5,000ml/minを実現した切り屑排出システムを装備している。ダブテイル拘束(逆テーパ溝形状)で、インサートの遠心力方向への飛び出しを防止し、ディンプル部のクランプでインサートと着座の安定性を保持しているから高速回転にも安心だ。特殊合金製スチールボディの採用し、また、アルミニウム合金との組合せで軽量化を実現している。セットも簡単なのが嬉しい。

航空機部品加工におけるチタン合金の加工トレンド

 5軸加工機によるブリスクの模擬ワーク加工を見学。マシンは、HERMLE「C42UMT」。注目の工具は1発溝加工が可能な高能率加工用ラジアスエンドミル「VQT5MVRB」を使って荒加工を行い、翼面仕上げ加工にはバレルエンドミル「VQT6UR」を使用して高能率加工を行った。この「VQT6UR」は、大Rを持つ外周刃形状によって、大ピックフィードで従来のボールエンドミルに比べて大幅な能率アップが可能だという。