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タンガロイが高強度直角肩削りカッタ「DoRec」(ドゥ・レック)多機能インサート拡充
タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、このほど刃先交換式直角肩削りカッタ「DoRec」(ドゥ・レック)に多機能インサートを拡充し、全国で発売を開始した。
この製品は、両面4コーナインサートを採用した直角肩削りカッタ。高い刃先強度を備え、高能率加工が可能であり、直角肩加工、溝加工で好評を博している。近年、被削材は耐熱特性や高強度を達成するため難削傾向にあり、安定加工が能率改善の課題となっている。寿命および工具管理の観点からも、ひとつの工具で多種の加工を行う工具集約の要求が大きくなっていることを受け、同社の新しいDoRecのインサートでは、さらい刃部分の形状改良により、ネガの切れ刃強度を保ったまま三次元加工を可能にした。また、主切れ刃に適切なすくい角を与えることにより、従来製品より良好な切れ味と高い刃先強度の両立を達成した。
インサート材種には、鋼・ステンレスに対応したAH3135と鋳鉄に対応したAH120を採用している。いずれも高い耐欠損性を持ち、突発欠損やチッピングを抑えることで加工を安定化する。
同社では、「DoRec多機能インサートは、高い汎用性と加工安定性を併せ持ち、お客様の生産性向上およびトータルコスト低減に大きく貢献いたします。」としている。
■主な特長
高い汎用性:さらい刃特殊逃げ面形状で三次元加工に対応。
能率向上:高い刃先強度と耐欠損性材種で高い送りに対応。
加工安定性向上:最適なすくい角で主軸・被削材の負荷を小さくして加工安定性を向上。
【移転】イスカルジャパン上田営業所
イスカルジャパン上田営業所が、業務拡大に伴う営業所拡充のため、このほど移転した。 上田営業所 (移転先) 〒386-0025 長野県上田市天神2-1-22 OAUビル3B号室 TEL 0268-28-5231 / FAX 0268-28-5232
ダイジェット工業が工具価格改定を実施
ダイジェット工業がこのほど完成工具の価格改定を実施すると発表した。 実施の背景について同社では、「超硬工具の主原料であるタングステンはその80%以上を中国に依存し、且つ世界的な需要増加により、タングステンの中間原料APT(パラタングステン酸アンモニウム)の国際相場価格が、昨年比で1.5 倍以上になっている。同じく原材料であるコバルトについても、電気自動車(EV)の普及に伴い需要が急拡大し、国際相場価格は昨年より急激に上昇している。レアメタルを始めとする原材料価格に関しては、当面この基調は変わらないと予想される。こうした状況の中、当社は生産性向上や業務作業の効率化などコスト削減に努めてきたが、原材料の高騰に加えて、さらに電力費や物流費等の諸経費も上昇しており、製品の安定供給と品質維持のため。」としている。 改定内容は下記のとおり。切削工具・標準品:現行価格+10%・特殊品:現行価格+10%以上ただし、CBN、PCD インサートについては対象外とする。耐摩工具現行価格+10%以上*上記改定率は目安であり、一部の特殊品については都度見積とする。実施時期【切削工具】特殊品は2018 年8 月1 日受注分より標準品は2018 年9 月1 日受注分より【耐摩工具】2018 年8 月1 日受注分より
「第4回 金型シンポジウム in 広島」の詳細が決定!
日本金型工業会(会長=小出 悟氏)がこのほど、「第4回 金型シンポジウム in 広島」の詳細を決定したと発表した。今回のテーマは、「次世代の金型とその製造改革」。日 時:平成30年9月6日(木)13時時~18時会 場:ANAクラウンプラザホテル広島(広島県広島市中区中町7-20)
詳細
●第1部基調講演:13:10~14:20テーマ:「お客様の輝きにつなげるマツダのモノ造り」講演者:マツダ(株) 技術本部 本部長 安達 範久氏●第2部 パネルディスカション:14:30~16:00 テーマ:「金型業界でもIoT技術・AI技術応用は?」〈モデレーター〉・日本金型工業会 学術顧問 横田悦二郎氏〈パネリスト〉・マツダ㈱ 技術本部本部長 安達範久氏・日本金型工業会会長 小出 悟氏・福井精機工業㈱ 専務取締役 清水一蔵氏・㈱ヤマナカゴーキン 代表取締役社長 山中雅仁氏 他*閉会挨拶 日本金型工業会 前会長 牧野俊清氏●第3部懇親パーティ:16:15~18:00(参加費5,000円:当日支払い)■定員120名(先着順)■締切平成30年8月3日(金)必着申込みは下記のメールアドレスに申し込むこと。E-mail:a.kawata@jdmia.or.jp問い合わせ:日本金型工業会TEL: 03-5816-5911(川田まで)
「現状に甘んじることなくさらなる上を目指す」 ~三菱マテリアルが「2018年度東日本三菱拡販戦略会議(MSM)」を開催~
三菱マテリアル 加工事業カンパニー(三菱マテリアル常務・カンパニープレジデント=中村伸一氏)が、5月25日、東京マリオットホテルで「2018年度三菱拡販戦略会議」を開催した。
第一部の総会で、中村常務から超硬製品事業についての説明があった。この中で、「2017年度は弊社においても新中期経営戦略の初年度だったが非常に喜ばしい数字を収めることができた。対前年に対して10%ほど成長させていくという思いで予算を確定させ、活動をスタートしているところだ。また、加工事業カンパニーとしては、さらに先を睨んで、2025年度を到達年とした長期目標を掲げて売上等々目標値をおいて取り組んでいる。2025年度には2007年度比で約2倍強の売上を目指していきたい。」と話し、数年で最も高い投資を今年度は計画し、サービス並びに製品供給力のさらなる質の向上を目指していくとの考えを示した。

同社では2015年から「GCT活動」を展開している。これは、「Get the Customers Trust」の頭文字をつなぎ合わせたもの。「すぐ行く、すぐやる、とことんやる」という思いを持って、顧客の元に伺い、クレームの内容をしっかり聞いて、それに対応するという活動を指す、とした。
また、昨年度において同社では、中部テクニカルセンターを開設したが、中村常務は、「われわれの技術をお客様に直接お伝えする場だが、さらにお客さまとの結び付きの場を設け、その距離を縮めていく、あるいはお客様の技術の伝承に役立てさせて頂く、そんな思いで切削アカデミーを開設した。」と説明し、「好調さに甘んじること無く、さらなる上を目指していく。」と意気込みを示した。
設備投資による生産能力の強化で新製品化率を高める

次に中期経営戦略の骨子に触れた。それによると、プロダクトアウトからマーケットインへ、徹底した選択と集中を図り、重要なユーザー、キーアカウントを徹底的に攻略していく旨を説明した。そのためには「顧客視点から全てを考えていく。」との思いを述べた。また、筑波製作所のさらなる設備投資による能力の増強と、海外の生産拠点を有効に活用することで、20%ほど生産能力をアップさせる旨を説明した。これにより特殊品について、3カ月以内にコンスタントに製品が納められる体制を構築していく。なお、現在岐阜製作所では、超硬ソリッドドリル増産3カ年計画を進めており、年度ごとに生産能力を高めている。合わせて必要な設備の投資も国内外で行っており、2020年までには生産能力を18%ほどアップさせるとの考えだ。
新製品の開発と発売状況については、2018年12月末までの間に、1,600アイテム数を発売する予定とし、「積極的な新製品をどんどん投入して新製品化率を高めていく。」と積極的な姿勢を強調した。
続いて2017年度東日本MSM年間表彰が発表され、金子部長より表彰状が贈られたあと、堀江武夫 営業本部流通営業部長から流通営業部方針の説明、高橋秀史 開発本部 独創区具開発グループリーダーから切削加工ソリューションと次世代工具について、それぞれ説明があった。

宴もたけなわの頃、三橋 誠 テヅカ社長が中締めを行い、散会した。
世界的に稀! ヤマザキマザックが2019年にユニークな体験教育型 工作機械博物館を開設

山崎社長は、博物館を開設する意義や目的について、「工作機械は、さまざまな製品を生み出すマザーマシンと呼ばれ、自動車や航空機などをはじめ、私たちの身の回りの多くのものは工作機械がなければ作ることができません。工作機械は、ものづくりを通して社会の発展にも大きな貢献をしている製品だが、残念ながら一般の方にとっては、直接見る機会がほとんどなく、認知度も低いのが実情だ。このような中、当社は工作機械のリーディングカンパニーとして工作機械をより多くの人に知っていただくと同時に、ものづくりに対する関心をさらに高めて、今後も工作機械業界がさらに発展できるようにと、創業100周年を機に工作機械博物館を開設することにした。」と説明した。
現在のところ、名称はまだ仮称で「ヤマザキマザック工作機械博物館」としているが、「単に当社製の古い工作機械だけを展示して、ヤマザキマザックの歴史を振り返るためだけの博物館ではなく、19世紀の産業革命当時の外国製の工作機械をはじめ、さらには蒸気機関車や昔の自動車など、その時代に作られた代表的な工業製品を併せて展示する予定。」と山崎社長。
具体的な内容は、歴史的な工作機械の動態展示をはじめ、蒸気機関車や自動車、航空機など代表的な工業製品も合わせて展示し、マザーマシンとしての工作機械の役割や、同社の歴史を分かりやすく紹介するとしている。

この博物館は、IoTを活用した現代の工作機械で構成された自動加工ラインも併設し、実際の製品に使われる部品の生産を行う。現在地下工場で生産しているレーザー加工機の生産は、組み立て専用工場となる美濃加茂第一工場に移動する予定だ。またその一方で、この地下博物館内にIoTを活用した自動化、無人化システムの一部を美濃加茂製作所より移設して、実際に工作機械の部品加工を博物館内で行い、来場者が見学できるようにするという。
「これまでの工作機械の歴史とともに、現代の自動化ラインを見学いただくことで、工作機械の進化と先進性を来館者に実感していただきたい。」(山崎社長)
ユニークで珍しい地下博物館は自然エネルギーの活用で環境に優しい施設

山崎社長は、「施設自体が自然エネルギーの活用事業であり、これを博物館施設として活用し、一般公開することは、環境問題などから再生可能エネルギーへの関心が高まる現在においても意義のあることだと考えている。」としており、年間を通じて温度変化が少ない地熱を空調に活用することで、地上と比べて光熱費が6割減少すると見込んでいる。
同社では、次世代の製造業を担う子どもや学生への教育並びに勉強の場にするなど、ヤマザキマザック美術館と同じく社会および文化への貢献事業の一環と位置付けている。また、博物館の開設予定地には、美濃加茂市の中で最大の総合公園となる前平公園(美濃加茂市前平町)が隣接しており、現在、美濃加茂市はこの前平公園の再整備を計画しているが、同社が工作機械博物館を開設することで、公園全体の魅力の向上と産業観光を通じた地域振興にもつながることが期待されている。
「ヤマザキマザック工作機械博物館(仮称)」は、2019年秋の開設を予定している。
これが「ヤマザキマザック工作機械博物館(仮称)」の特長だ!

ヤマザキマザック博物館(仮称)は世界的にも稀な、工作機械に特化した博物館。19世紀以降の各時代の工作機械とともに蒸気機関車や自動車など代表的な工業製品も展示することで、工作機械の進化と同時に、「人の暮らしと工作機械の関わり」も学ぶことができる。工作機械史の中で、同社が創業から現在に至るまで、どのような軌跡を歩み、ものづくりに貢献してきたかを紹介する。
●みて・さわって・楽しめる体験教育型博物館
実際に加工物にさわって精度を体感したり、工作機械の基本の動作原理を来場者自身が操作し分かりやすく体験できる装置模型などを展示。20世紀初頭の工場を再現した展示コーナーをはじめ、多くの機械を動態展示し、実際に動く様子をみることができる「みて・さわって・楽しめる体験型の博物館」となる。一般の来場者にものづくりの楽しさ、大切さを伝える「産業観光」、さらには次世代の人材育成の一助を担う「産業教育」を通じて、地域や社会に貢献する博物館を目指す。
●IoTを活用した現代の自動加工ラインを併設した博物館
博物館内にIoTを活用した現代の工作機械で構成された自動加工ラインを併設し、実際に工作機械に使われる部品の加工を行う。これまでの工作機械の歴史とともに、現代の自動加工ラインを見学することで、工作機械の進化と先進性を実感できる。
●環境にやさしい、省エネ地下博物館
ヤマザキマザック博物館(仮称)は、地表から約11メートルの深さに開設される地下博物館。博物館と地中との間には幅60センチの「風洞」が全長約600メートルにわたって張り巡らされ、地表から取り入れた外気は風洞を通して地中の温度に近づけ館内に供給。年間を通じて温度変化が少ない地熱を空調に活用することで、地上と比べ光熱費が6割減となる環境に優しい、ユニークで斬新な省エネ博物館となる。
■□■ヤマザキマザック工作機械博物館(仮称)概要■□■
所 在 地:岐阜県美濃加茂市前平町3-1-2
延床面積:約10,000㎡(自動化ライン含む)
収蔵品数:約600点
開館予定:2019年秋
総投資額:約15億円
イスカルジャパンが「2018UTS」を開催 ~ユーザーの具体的な紹介事例が人気~

同社では、毎年このUTSセミナーでイスカル独自の新製品を紹介しており、好評を博しているが、今年は『Machining Intelligently』をテーマに掲げ、“賢い、高能率加工”を実現するための「IQ(High Q Line)製品を展開し、それはISO旋削工具、穴加工用工具、ミリング工具、グリップ工具などイスカル製切削工具全般に渡っている。
セミナーでは、最新のイスカル工具と特殊複合ツールの紹介(デモ実演を含む)、並びに“ユーザーのユーザーによるイスカル製品による具体的な成功事例の紹介をした。同社では、「コストダウンと生産性向上を通して、生産性、収益アップのヒントに繋がるものと確信している。」としている。
ユニークなアイデアを活かした高能率加工の実現がコンセプト

また、イスカル社と同社の拠点があるイスラエル、イスカルジャパンについて、「イスラエルは中東の国で、石油も出ない資源も少ない人口800万人ほどの小さな国。イスラエルの言葉に“神はアラブに石油を、ユダヤに知恵を与えた”とある。したがって小さな国であるイスラエルの資源は、独創的なアイデアだ。現在のイスラエルはそのアイデアを生かすため、政府のバックアップもあり、START-UPで湧き上がっている。START-UPとは、ユニークな発想でアイデアを出し、その実現のために会社を興し、そしてパートナーを見つけ、さらに発展を目指すものである。分野もIT、AI、セキュリティ、製薬等々多岐に亘っている。」と紹介をしたうえで、有名なSTART-UPを「自動車の最も重要な課題である自動運転の画像認識でトップを走るモービルアイ社がある。世界中の多くの有名自動車会社がこの会社と連携をしている。イスラエルはアイデアを非常に重要視する国だ。」とイスラエルについて説明をしたあと、「イスカル社は1952年にイスラエル北部の町、ナハリヤで創業した小さな工具メーカーだった。1978年にユニークなアイデア工具である世界初の自己拘束式突切工具“セルグリップ”の開発以降、毎年ユニークな新製品を多数金属加工業界に届け、現在は世界第2位の超硬切削工具メーカーに急成長してきた。」と述べた。

小宮社長は、イスカル製品のコンセプトを「ユニークなアイデアを生かしての「Fast Metal Removal(高能率加工)である。」とし、セミナーでは、加工現場の生産コスト削減を実現するため、『HIGH IQシリーズ』工具を始めとする高能率加工工具を担当者が詳しく説明をしたあと、デモ加工を行った。
「環境変化はビジネスチャンス」日本工作機械工業会が定時総会を開く

総会後の懇親会で飯村会長があいさつをした。この中で飯村会長は、「世界情勢を見みると、米中間の貿易摩擦や、北朝鮮、中東をはじめとする地政学的リスクの顕在化など、不安定な動きも強まっているが、国内外の工作機械需要については、非常に旺盛に推移をしている。工作機械産業を巡る市場環境は、今、地政学的な問題であるとか保護貿易の問題も含めて、好調ではあるが一方で、脆弱さを秘めた展開となっている。」とし、2017年度日工会の受注額については、「1兆7,804億円で、年度ベースで史上最高額を記録した。」と述べた。また、「2018年度は、2018年の年初来、この4月までの受注累計額が6,555億円となった。これを単純に3倍にすると1兆9,665億円となり、年初の見通しの1兆7,000億円を上回るハイペースで推移をしている。」と好調さを示した。
その一方で、部材の供給難について、「工作機械メーカーは、世界のものづくりの発展に貢献していくために、サプライヤーのと緊密に連携をして、ユーザーへの供給責任をしっかり果たしていかなければならない。できるだけの努力をしていく。」とした。
世界の工作機械産業を取り巻く環境については、「大きな変革期を迎えている。技術面では、IoTを含めた製造業のネットワーク化、スマートマシン、スマートファクトリー、スマートマニュファクチャリング、そしてIoT活用による効率の改善が言われ、加えて、自動車のEV化、CASEというキーワードで表されるように、様々な変化が自動車業界で起きている。航空機需要もその需要が顕在化をしている。先端医療分野の成長による難削材加工需要の増加などと同時に、国際競争の面では、東アジアでの技術レベルが向上している状況と思う。日本の工作機械メーカーは、このような環境変化をビジネスチャンスとして、国際競争を勝ち抜いていかなければならない。この中で、少子高齢化社会の進展に対応して、将来の技術革新を担う技術者や、優秀な技能者の確保・育成に努めていかなければならない。」と人材育成の重要さに触れ、「この数年間、日工会は、人材の確保・育成、生産性向上を軸とした需要喚起と設備投資の促進、産学官一体となった技術開発に次々と取り組んできた。この結果、業界の体質も大いに強化された。この中で工作機械業界が、インダストリー4.0や、わが国のConnected Industriesの構想に見るごとく、新たな情報化の時代に直面し、ものづくりと情報の融合化が、一段と急速に進展しつつある。」と述べた。
これらの状況を踏まえたうえで、「日工会としても、技術・情報・人材の一体的なレベルアップを図る、総合的な施策の展開が求められている。共有領域、協調領域、競争領域という3領域で捉えると、業界団体としての日工会は、業界に共通する、付加価値の高い情報の入手・展開とその高度化を図る共有領域と、共に知恵を出して汗を流す協調領域、この2つの深掘りをする役割を期待されている。」との認識を示したあと、「このプロセスにおいても工作機械に関連する素材や、他産業との情報交換や連携も、積極的に進めていかなければならない。」と考えを述べた。また、これらの取り組みを通じて、「業界各社が世界市場で戦い合う競争領域の環境整備を進めていく」とした。
日工会では、『工作機械ビジョン2020』で示された産学官連携の強化、標準化戦略の強化、JIMTOFの発信力・求心力の強化、人材の確保・周知策の強化、この4ポイントを、各委員会が中心となって進めているが、飯村会長は、「4課題は当業界にとっては永遠の課題だが、すでに5年以上にわたって、日工会活動の中核を担うこととして取り組んできた。技術・情報・人材の一体的なレベルアップを図るべく、今年度のPDCAサイクルを回しながら、ビジョンに即した活動内容、現況の技術の変化に即した活動内容、海外の技術レベルのアップ等に即した内容で、この4課題を深化させていきたい」と意気込みを示した。
今年度はビッグイベントである『JIMTOF2018』の開催年だが、飯村会長は、「JIMTOF2018を、国際色豊かに、盛況裏に導かなければいけない。キーワードは“つなぐ”。世界トップの技術ショーとして、最先端の工作機械技術の製品を披露すべく、準備を進めているところだ。日工会としても、東新展示棟の有効活用をはじめ、会期中に実施する工作機械トップセミナーや、国際工作機械技術者会議、企画展示、海外業界等との来賓の方々の接遇などについて、万全を期して準備を進めていく。また日工会は、2021年に創立70周年を迎えるが、これに向けて、技術や需要構造、国際競争環境の変化に対応した、2020年におけるわが国工作機械産業の新たな展望を描いていかねばならないと考えている。技術面・情報面・人材面を統合した戦略施策の策定に向けて、本年度においては、IoT関連の技術動向や、自動車のEV化などの需要構造変化に関する情報収集を進め、もともとの施策に、旧施策に対するアペンディックスとして、新しい施策を付け加えるというキックオフを今年度始めていく。人材事業では、少子高齢化に対応した人材確保策の展開に加え、専門領域の多様化に対応した人材育成、研修事業の体制づくりを進めていく。」とした。

「新しい世界が待っている」 ~日本機械工具工業会が平成30年度定時総会並びに表彰式を開く~
日本機械工具工業会(会長=牛島 望氏 住友電気工業専務)が、6月6日、都内のアーバンネット大手町ビル LEVEL XXⅠ東京會舘で平成30年度定時総会及び表彰式を開催した。
総会では、役員の交代の件、新規入会会員の紹介、平成30年度「生悦住賞」並びに「新庄(陰徳の士)賞」の受賞者発表、平成30年度生産額見通し、総務委員会、国際委員会、技術委員会、環境委員会からそれぞれ報告があった。その後、表彰式が行われた。
平成30年度生悦住賞並びに新庄賞(陰徳の士)受賞者は以下の通り。
●平成30年度生悦住賞
・倉持 健氏〈元高周波精密(株)〉
・森 良克氏〈住友電機工業(株)〉
●平成30年度新庄(陰徳の士)賞
・佐藤 健氏〈(株)栄工舎〉
・坂 美佐子氏〈東海合金工業(株)〉
・杉原 勉氏〈(株)畑滝製作所〉
・栢下雅士氏〈マコトロイ工業(株)〉
・黒石 清氏〈山本精工(株)〉
「新ビジネスモデルの創成」 牛島会長

牛島会長は、「新しい世界が待っている。2050年くらいになると、自動車は動く蓄電池になっていると想像している。万が一停電になっても、自動車が給電し、このような機構に、再生エネルギー等の安定調達と歩調を合わせるように自動車そのものが、われわれの生活を担保するようなバッテリーになる可能性があるのではないかと個人的には思っている。また、海外の某タイヤメーカーはタイヤにセンサーを埋め込んで、走行距離や走行による負荷をビックデータにして、タイヤそのものにどれだけの負荷がかかっていくか等、かなり検知できるようになっているようだ。したがって将来は、使用状況によって課金するといったビジネスモデルを検討されている、という噂もある。」と、自動車産業のトレンドについて述べた。
切削工具の未来像については、「高額な工具は、センサーが付いて、使用状況によってお客さまに代金を頂くといったビジネスのモデルも、将来は出てくるかもしれないと個人的には感じているが、直近の話ではなくまだまだ先の話。現状は従来どおりのビジネスモデルでわれわれは戦っていかなければならない。従来の延長線上での工具の開発とともに、将来を見据えた上でのセンサー等にも注力していかなければならないと思っている。」と見解を示した。
「新しい潮流“CASE”の中で大きな変化が」 経産省 片岡産業機械課長

「もしかしたら、共同製造、つまり需要と供給の上でマッチングしたサービス、あるいは使用に応じて課金する海外タイヤメーカーの例を考えると、将来的には工具もそういう形になるかもしれない。ひょっとしたら、工作機械も売り切るのではなくて、機械を貸して、商売を持ってきてマッチングをし、そこからネットのデジタルプラットのフォーマーが料金を得ていくようになってしまえば、工作機械や工具、周辺機器業界は、厳しいビジネスモデルのところになっていくかもしれない。さらに中国から追い上げられて、中国製で立派なものが安くできているとなれば、厳しくなる。日本の自動車産業は製造業の一本足としての非常に大きな地位を占めるが、その自動車が“CASE”の流れの中で大きく変化をしている。」と危機感を示し、最後に、「足元の状況が好調である今だからこそ、将来の大きな変化に備えた技術革新への対応をお願いしたい。」と声援を送った。
乾杯の発声は中村伸一副会長(三菱マテリアル常務)が行った。宴もたけなわの頃、石川則男副会長(オースジー社長)が中締めを行い散会した。
日進工具が「銅電極加工用ロングネックボールエンドミルDRB230」を発表!
日進工具(社長=後藤 弘治氏)は、本年6月13日にポートメッセなごやで開催された展示会「INTERMOLD名古屋」にて、「銅電極加工用ロングネックボールエンドミルDRB230」を発表した。
この製品は、銅合金の加工に特化し、切れ味の良い特殊刃形状とDLCコーティングを採用したボールエンドミルで、注目どころは、銅電極の加工時に問題となるバリの発生を抑制する強スパイラル形状と鋭利な刃先、加工精度を安定させるDLCコーティング、立壁の加工でも安定した面品位を保つ強バックテーパーと外周刃シームレス形状で、高品位な加工を実現すること。特に難削材と言われていた銅タングステンの加工においても、これらの特長を発揮し、今までにない長寿命な加工を可能にしている。DRB230は高品位な電極加工に必須なボールエンドミルとして活躍が期待される。
同社では、「引き続き、微細精密加工のニーズにお応えする製品の研究開発に注力してまいります」としている。
■サイズバリエーション
ボール半径:R0.05~R3/有効長:0.3~50mm全57サイズ
■標準価格
7,500円~15,200円
発売日は、2018年6月下旬予定している。