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伊賀事業所に風力発電装置、蓄電池を導入 森精機

森精機製作所(社長=森 雅彦氏)は、環境への負荷軽減、非常時の電源確保を目的として、伊賀事業所内に風力発電装置、蓄電池を導入した。同社の資本業務提携先であるドイツGildemeister社製風力発電装置Wind Carrier(WC)、蓄電池Cell Cube(CC)FB10-100を設置し、事業所内顧客送迎用に電気自動車(EV)の日産リーフ、プラグインハイブリッド車(PHV)トヨタプリウスPHVを導入している。WCは垂直軸タイプの風力発電装置であり、静粛性、軽量、風向きの影響を受けない点が特長。10kWの定格出力で、風速3m以上で起動、発電を開始する。WCで発電した電力は、CCに蓄電する一方、一部組立工場内へ供給される。CCはバナジウムレドックスフロー電池と呼ばれる種類で、燃焼性・爆発性の物質を使用しないため安全であること、大型化が容易であること、サイクル寿命が長いことなどが特長であり、産業用蓄電池として今後の需要増が期待されている。同社が今回導入したCC FB10-100は、100kWの電気を蓄電する能力があり、CCに蓄電した電気は、EV、PHVへの充電、および非常時には組立工場内災害対策本部への電力供給を行う。

先端曲率、耐摩耗性に優れた画期的な導電性プローブを発売 東洋テクニカ

東陽テクニカ(社長=五味 勝氏)が、スイスNanoWorld 社製の原子間力顕微鏡用の、白金シリサイド導電性プローブ(Platinum Silicide Probes)の発売をこのほど開始した。

「AFM」 は、先端をナノメートル オーダーにまで先鋭化させたプローブを走査させ、3次元の立体的な形状を得ることができる高分解能顕微鏡であり、近年 開発が急務となっている、LED、太陽電池素子、半導体パワーデバイスなどの省電力、再生可能エネルギー関連の製品開発では必須の計測装置となっている。ナノメートルオーダーの高性能でピンポイントに位置決めができるマニュアルプローバーとしての機能は、導電性のプローブを測定対象に確実に接触させることができるため、微小領域でのデバイスの電流リーク箇所や帯電箇所の可視化、計測評価などに使用されている。

従来の導電性プローブの問題点だが、測定に使用するプローブは、先端部の径が小さいほど局所的な情報を得ることができ、面分解能も向上するが、その一方で、従来の電気力測定用の導電性プローブは下記のような問題を抱えていた。

① 耐久性が低い
通常の導電性プローブは、シリコン製プローブ先端にPtIr(白金イリジウム)をコーティングしたタイプが多いが、耐摩耗性に乏しく、測定を繰り返すうちにコーティングがはがれて電気測定ができなくなる。

② 分解能が悪い
Si 製のプローブ先端に導電性ダイヤモンドをコーティングした耐摩耗性の高い導電性プローブは、耐久性は優れているものの先端径が5倍以上大きい。また、プローブが持つ抵抗も高く、I/V 測定には不向きである。

今回新発売となる白金シリサイド導電性プローブが開発された背景に、これらの諸問題を解決する目的があった。

白金シリサイドの利点を挙げると、抵抗率が低く、またシリコンとのコンタクト抵抗も低く化学的に安定なのでシリコンの電極材料としてしばしば用いられている素材である。新製品の白金シリサイド導電性プローブは、従来のプローブのようにベースとなるSi 製プローブに導電性コーティング処理をするだけではなく、プローブ先端を“シリサイド化”処理することにより、下記の3つの改善に成功した。
① 曲率半径が従来比25%減 。
② 最表面材質の硬化により、寿命が従来比5~10 倍に。
③ Pt の拡散により、導電性が10 倍に向上。

結果、これまでの金属コートプローブと導電性ダイヤモンドコートプローブの長所を兼ね備えた、低抵抗、高分解能、かつ耐摩耗性に優れた、プローブの開発に成功したとしている。

工作機械技術振興財団が贈賞および試験研究助成の対象を選定

工作機械技術振興財団(代表理事=鈴木直道氏)はこのほど第33次工作機械技術振興賞および試験研究助成の対象を選定した。同財団は、1979年に牧野フライス製作所創業者 故・牧野常造の私財を基金として設立されて以来、工作機械関連技術の向上促進を目的に、合計779件、2,154名、総額4億9千万円を超える助成・支援を行っている。今回は工作機械技術振興賞・論文賞2件、同・奨励賞7件、試験研究助成11件を選定した。また、海外国際会議への参加支援も行っており、今年度は既に10名に助成を行った。贈賞式は6月12日に東海大学校友会館(東京都千代田区)で開催し、各賞の授与ならびに工作機械技術振興賞・論文賞を受賞した吉岡勇人氏、奨励賞を受賞した杉田直彦氏による講演を予定している。■第33次工作機械技術振興賞・論文賞論文題名:「AFMプローブを用いた三次元形状計測システム 」所属機関:東京工業大学著 者 名 :・綾田 翔  ・澤野 宏  ・吉岡 勇人  ・新野 秀憲論文題名:「Micro/nano sculpturing of hardened steel by controlling vibration amplitude in elliptical vibration cutting 」所属機関:名古屋大学 著 者 名 :・鈴木 教和 ・横井 秀郎 ・社本 英二■第33次工作機械技術振興賞・奨励賞 論文題名:「焼結鋼の旋削加工における工具刃先温度が仕上げ面性状へおよぼす影響」所属機関:金沢大学 発表学生/指導教官 :田中 大輔 /古本 達明論文題名:「ツールホルダの工具把持力の機上計測のためのスマートテスト工具の考案 」所属機関:上智大学 発表学生/指導教官 :小﨑 伸也 /坂本 治久論文題名:「微小加工特性に基づく生体適合型骨切除工具の開発」所属機関:東京大学発表学生/指導教官 :石井健太郎 /杉田 直彦論文題名:「パームトップ放電加工機の開発 」所属機関:福島工業高等専門学校発表学生/指導教官 :大平 和樹 /平尾 篤利論文題名:「アルミニウム合金の乾式旋削における切削抵抗の簡便な推定 」所属機関:北海道工業大学 発表学生/指導教官 :藤倉 壮志 /見山 克己論文題名:「水溶性加工液代謝システムに関する研究 (実際の運用を想定した水溶性加工液のリサイクル使用)」所属機関:米子工業高等専門学校発表学生/指導教官 :中澤 諒一 /山口 顕司論文題名:「超音波による多孔質焼結含油軸受の油膜厚さ測定 (測定精度向上に対する実験的考察)」所属機関:米子工業高等専門学校発表学生/指導教官 :西林 郁弥 /矢壁 正樹■第33次試験研究助成A試験研究テーマ : 「紫外光を利用した難加工半導体材料の高能率・高精度加工法の開発」実施機関および研究代表者 : 熊本大学大学院 自然科学研究科 産業創造工学専攻 先端機械システム講座 助教 久保田 章亀試験研究テーマ :送り駆動系の運動を考慮した多軸制御加工による加工面の解析実施機関および研究代表者 :神戸大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 助教 佐藤 隆太試験研究テーマ : 難把持形状柔軟材の巧妙加工 実施機関および研究代表者 :中部大学 工学部 機械工学科 教授 竹内 芳美試験研究テーマ : 「低融点合金を用いた超精密高速回転主軸のためのオートバランスシステム」 実施機関および研究代表者 : 東京工業大学 精密工学研究所 助教 澤野 宏試験研究テーマ : 「炭素繊維強化プラスチックの穴加工における工具摩耗と積層剥離の時系列的予測」実施機関および研究代表者 : 東京電機大学 工学部機械工学科 教授 松村 隆試験研究テーマ :「傾斜プラネタリ加工装置の開発に関する研究」実施機関および研究代表者 : 長岡技術科学大学 機械系 助教 田中 秀岳試験研究テーマ :「研削過程モデルを用いた研削量の算出と研削時間の予測」実施機関および研究代表者 :日本大学 工学部 機械工学科 専任講師 山田 高三試験研究テーマ : 「主軸転がり軸受外輪 ―ハウジング間における微小変位と温度特性―」実施機関および研究代表者 : 明治大学 理工学部 機械情報工学科設計工学研究室 教授 小泉 忠由■第33次試験研究助成B試験研究テーマ :「デバイス基板の高平坦・高安定仕上げを実現する研磨パッドの開発に関する研究」 実施機関および研究代表者 :大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 榎本研究室 博士前期課程2年 佐竹 うらら試験研究テーマ :「特殊チャンファ付きダイヤモンド工具による高硬度材料の超精密マイクロ加工に関する研究」実施機関および研究代表者 :大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 竹内研究室 博士後期課程2年 唐 辛鋭試験研究テーマ :「丸のこを用いた新高能率加工技術 ―曲線切断丸のこの開発― 」実施機関および研究代表者 :東京農工大学 工学府 機械システム工学専攻 笹原研究室 博士後期課程1年 山田 洋平

「2012年度は1930億円を達成したい」日工機器が第20回通常総会開く

あいさつする寺町会長
あいさつする寺町会長
日本工作機器工業会(会長=寺町彰博THK社長)が5月18日、都内の芝パークホテルで第20回通常総会を開催した。

総会後の懇親会で寺町会長は日頃のお礼を述べたあと、「一般社団法人としては第1回目の記念すべき総会となりました。さて、生産額は2011年暦年ベースですと、1833億円ということで対前年比22%の増ですが、残念なことに年度で見ると1768億円の6%増で終わりました。昨年の10月までは順調にきたわけですが、中国をはじめとするアジア関連の調整もあり微増という結果に終わりました。2012年度といたしましては、ここのところの回復基調にあるということを前提として1930億円を達成したいと思っております」とあいさつした。



藤木経産省産業機械課長
藤木経産省産業機械課長
続いて来賓を代表して藤木俊光経済産業省製造産業局産業機械課長が「一般社団法人になられましたが、役所といたしましても皆様とこれまで以上にいろんな機会でお話をさせていただきたいと思っています。今までは監督する、される立場でしたが、一般社団となりますと、監督という概念がなくなり対等になります。したがいまして、いくら辛口のご意見でも結構ですのでわれわれにおっしゃってください。私どももしっかり受け止めさせていただいて、政策を前に進めたいと思っております」とあいさつした。

「グローバル化に対応するため新たなアライアンスの構築が必要」 フルパ 第13回通常総会を開く

新会長に就任した脇 憲一氏
新会長に就任した脇 憲一氏
日本フルードパワー工業会が東京プリンスホテルで第13回通常総会を開催し、新会長に脇 憲一 東京計器社長が就任した。副会長は園田 誠 川崎重工業常務、梶本一典CKD社長、
十万幹雄 神威産業社長は留任、北畑多門 SMC取締役(新任)。

総会後の懇親会で脇 会長は、「経済のグローバル化が進展し、新興諸国との競争も激化するこの時期に会長という大役を仰せつかりました。鋭意専心、業界の発展のために会員の
皆さま方と一致協力しながら全力を尽くしてまいる所存でございます。昨今の国内の経済情勢は電力の不足、電気料金の値上げ、原油価格の高騰、79円台に突入した円高の再燃などの懸念材料があるものの、東日本大震災により寸断されたサプライチェーンの復旧・復興に加え、1次から4次にわたる補正予算、とりわけ12超円を超える第3次補正予算、さらには平成24年度予算の円滑な執行も期待されることなどから内需には明るい兆しが見えます。しかし、海外の経済情勢は、米国が内外需と金融緩和策に支えられ緩やかな回復が続いているものの、欧州はスペイン、イタリア等の南米諸国経済の低迷、ギリシャ政局の混迷、フランス大統領の経済政策などで信用不安が深まり、世界経済を牽引してきた中国、インドなどの新興諸国も高い成長率に翳りが刺すなど、多くの下振れリスクを抱えていますので、今後の推移や同行を慎重に見守っていく必要があります。このような状況を反映し、私どもフルードパワー業界の平成24年度の出荷は、前年比微増と予想しております。

フルードパワー産業が、今後とも発展し成長していくためには、健全な競争とともに協調体制の確立も強く求められております。また、急速に進展するグローバル化に対応するためには、事業の国際的な展開は避けて通れず、事業の選択と集中に加え、新たなアライアンスを構築する必要もあります。フルードパワー機器は、わが国の機械産業のものづくりを支える重要な機能商品であり、基盤技術の伝承や新技術の開発等により、産業機械業界の発展に大きく寄与していかなければなりません。CO2削減が産業界の大きな課題となる中で、フルードパワー産業に携わるものとして、省エネ技術の開発、水圧技術の開発等を推進する必要がありますが、会員の皆様方、関係各位の一層のご支援が不可欠となります」と述べた。

川上景一経産省大臣官房審議官
川上景一経産省大臣官房審議官
来賓を代表して川上景一経済産業省大臣官房審議官(製造産業局担当)が、「4月1日に一般社団法人として初めての総会が滞りなく終了されたことをお祝い申し上げます。これも貴工業会の皆さまが日頃の活動を積み重ねておられる成果だと思います。新たに会長に就任されました脇新会長におかれましては、建設機械や工作機械などの機械製品の品質や性能を左右する基礎的かつ重要な油空圧機器の工業会である日本フルードパワー工業会の一層の活躍にリーダーシップを発揮していただきますようお願いを申しあげる次第です。
現在、企業の皆さまと私どもが連携をして協力をして攻めの姿勢で産業空洞化の危機を乗り切り、変化する環境に適切に対応しなければならないと考えております」とあいさつをした。

日立建機が後方超小旋回型ミニショベル4機種をモデルチェンジ! 「ZX30U-5」、「ZX35U-5」、「ZX40U-5」、「ZX50U-5」を発売

日立建機株式会社(社長:辻本雄一氏)は、3tから5tクラスの後方超小旋回型ミニショベル4機種をモデルチェンジし、以下のZX U-5シリーズとして8月1日から発売する。

この製品は環境問題を意識した新エンジン、油圧システムの搭載で低燃費や経済性の良さを大幅に改善するとともに、基本操作性もさらに充実させました。加えて居住性、整備性の良さも満載し、身近に使っていただける「ユーザーフレンドリー」なミニショベル。
国内向けに4機種合計で年間1,200台を見込んでいる。
主な特長は以下のとおり。

1.曲線を基調とした「ラウンドフォルムデザイン」
・曲線を基調としたデザインを採用。堅ろう・剛性さに加え、高級感も表現している。

2.高いパフォーマンスを生み出す「優れた操作性」
・電子制御技術を導入した新エンジンと油圧システムの改善により、低燃費と低騒音を図っている。
・燃費優先のエコモード、作業量優先のパワーモードをボタンで選択でき、両モード共に従来機 (ZX U-3シリーズ)より低燃費を実現している。
・環境に配慮し、オートアイドリングストップ機能も用意。(オプション)

3.ゆったりとした作業空間がもたらす「快適な居住性」
・3.6インチ大型マルチ液晶モニタ採用により視認性が向上。
・シートとペダル間の寸法を拡大。フロアステップも導入し、乗降が楽になった。
・清掃しやすい分割式フロアマットを採用し、泥汚れのしやすい足元部分のみ取り外して清掃できる。
・キャブ仕様機はキャブ内幅、後方、前窓とも大幅に拡大し、室内空間の快適性がさらに向上した。

4.ワイドオープンカバー採用による「容易な整備性」
・ラジエータ室は開閉式カバーを採用。メンテナンス作業を大幅に短縮できる。
・タンクカバーは小型化し、給油時の作業性をより向上させた。
・エンジンカバーは上下スライド開閉方式を採用。開閉に場所を取らず安全に保守点検が行える。

5.高い信頼性と安全性
・冷却装置、エンジンファン配置を最適化し、ヒートバランス性能を大幅に向上した。
・スイングポスト開口の形状変更とホースガイドカバー設置により、ホース挟み込みを防止した。
・TOPS※対応2柱キャノピを採用し、安全性がさらに向上。

※Tip-Over Protection Structureとは:転倒時にシートベルトを装着したオペレータを保護する構造のこと。

国内初! オフロード法2011 年基準に適合した次世代建設機械の市場導入を開始! コマツ

コマツ(社長:野路國夫氏)は、コマツの最新技術を随所に織り込んだオフロード法(*1)2011 年基準に適合した次世代建設機械30 機種を、欧米に次いで国内でも7 月から順次販売を開始する。

(*1):オフロード法とは?:特定特殊自動車排出ガスのNOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)排出量の規制等に関する法律のこと。

コマツはキーコンポーネントの自社開発・自社生産という強みを活かし、この厳しい規制に対応するために新世代エンジンに加え、油圧機器、制御システム、本体主ユニットを開発・生産したが、今回発売する新型機は、本体価格で10~20%のアップを予定している。

しかしながら従来機に比べ燃料消費量を平均10%低減するなど、環境性能と燃費性能の更なる向上を実現し、さらにこの優れた燃費性能を発揮する高性能の機械を長期間にわたり安心して稼働できるサポートを提供することが重要であると考えた同社は、2012 年度に発売するオフロード法2011 年基準適合車すべてに、国内で初めてパワーラインの保証延長と無償メンテナンスを取り入れた、新たなサービスプログラム「KOMATSU CARE(コマ
ツ・ケア)」(*2)を採用し、トータルライフサイクルコストの低減に繋げている。

また、このプログラムをパッケージ化したファイナンスリース等も含めたご提案を行っていく。


2012年度販売機種一覧

(*2):新サービスプログラム「KOMATSU CARE(コマツ・ケア)」とは

無償プログラムと有償プログラムで構成。無償プログラムは、従来の保証(1 年間)に加え、以下の項目を追加。
①パワーラインの3 年間または5,000 時間のいずれか早い方までの保証延長。
②エンジンのオイル・フィルタ交換(500 時間毎に4 回)、および排出ガス後処理装置清掃(4,500 時間時に1 回)の無償メンテナンス。

I2Cバスを搭載した新しい赤外線センサー 「Pico384E™」、「Pico384P™」

写真右:Pico384E™ 左:Pico384P™
写真右:Pico384E™ 左:Pico384P™
サーモグラフィー、セキュリティ・監視、自動車・輸送機器、および軍事用途向けの高品質赤外線イメージセンサーの製造大手であるウリス社は、現在、電子デバイスの多くに採用されている業界標準のInter-Integrated Circuit、通称I2Cバスを搭載した分解能17ミクロン/ピクセルの新型サーマルセンサー、Pico384E™とPico384P™の発売を開始した。I2Cバスの搭載により、可視光線カメラの大規模生産に使用されている製造プロセスと赤外線センサーの互換性が高まる。

コンシューマーエレクトロニクスにおいて広く用いられている設計技法を採用することにより、同社ではサーマルカメラ市場の新規参入業者にも利用しやすい赤外線技術を提供する。独自の市場調査によると、非冷却型赤外線センサー(マイクロボロメーター)の需要は、2011年の30万ユニット(うち、軍事向け市場が37%)から、2020年には380万ユニットに伸びると見込まれている。

この製品は、業界標準の設計技法を採用することにより、赤外線センサーの複雑性を軽減するとともに、高性能赤外線技術をより利用しやすく手頃なものにしている。

「Pico384E™」は、17ミクロンピクセルピッチの非冷却型赤外線センサーで、高い温度感度を必要とするハイエンドの軍事・産業用途に使用される小型赤外線カメラに適している。高感度のため、より小さい目標をより遠い距離から感知することができる。長距離監視、熱感応照準具(TWS)、路上車両状況認識、ハンドヘルドゴーグル、およびUAV(無人航空機)の赤外線機能などに適用される。

I2Cバスのスピードにより、「Pico384E」はI2Cの仕様書に定義されているとおり最高400 kHzまでの周波数で動作する。画質を評価するうえで重要なパラメーターであるNETD(雑音等価温度差)は40mKの範囲内であり、熱時定数も10ms以下。このため、この赤外線センサーは400 mK/msの範囲内の標準感度を呈する。

また、コスト効果が高いProシリーズの「Pico384P™」は、同じく17ミクロンピクセルピッチの非冷却型赤外線センサー。手頃な価格で高い温度感度を必要とする大量生産型アプリケーションに適しており、ドライバーの視覚の拡張(支援)、大量生産サーモグラフィカメラなどに適用される。

携帯用赤外線システムにとってバッテリー寿命は非常に重要な要素であり、低電力消費はウリス製品の特長。同社の技術陣は、384x288/25ミクロンのマイクロボロメーターの電力消費量が110mWだったのに対し、「Pico384E」および「Pico384P」(アナログ出力、フレームレート50Hz)では60mW未満に半減することに成功した。

4月分工作機械受注総額は1073.2億円 日工会

日本工作機械工業会がまとめた4月分の受注実績は以下の通り。2012年月4月分工作機械受注総額は1073.2億円(前月比△6.9%・前年同月比+0.4%)となった。3月の反動減により、3カ月ぶりに前月比減少となるも、受注総額は3カ月連続の1000億円台。【4月分内需】343.2億円(前月比△12.1% 前年同月比+3.0%)■内需総額・前月比3カ月ぶり減少。前年同月比2カ月連続増加。・期末の反動減で前月比減少するが、3カ月連続の300億超。① 一般機械  165.4億円(前月比+3.0% 前年同月比+11.9%)  うち金型   21.4億円(前月比△8.0% 前年同月比+46.0%)② 自動車   97.4億円(前月比△25.4% 前年同月比+20.7%)  うち部品  54.7億円(前月比△24.6% 前年同月比+0.6%)③ 電気・精密 38.5億円(前月比+20.3% 前年同月比△27.3%)④ 航空機・造船・搬送用機械 11.8億円(前月比△58.3% 前年同月比+46.3) 【4月分外需】729.9億円(前月比△4.2% 前年同月比△0.8%)■外需総額・前月比3カ月ぶり減少。前年同月比4カ月連続減少。・主要3極全てで減少したが、3カ月連続の700億円台。・アジア、北米は減少したものの、ほぼ前月並の水準を維持。①アジア:430.9億円(前月比△0.1% 前年同月比+9.2%)・東アジア:322.2億円(前月比+4.5% 前年同月比△2.3%)〈中国〉:294.3億円(前月比+7.2% 前年同月比+4.2%)・その他アジア:108.8億円(前月比△11.5% 前年同月比+67.3%)〈タ イ〉:57.6億円(前月比+4.7% 前年同月比+181.5%)〈インド〉:23.5億円(前月比+0.7% 前年同月比+1.1%)②欧州:101.1億円(前月比△20.1% 前年同月比△28.9%)〈ドイツ〉:35.8億円(前月比△27.6% 前年同月比△14.7%)③北米:187.6億円(前月比△1.6% 前年同月比+3.2%)〈アメリカ〉:165.0億円(前月比△0.7% 前年同月比+1.7%)

3月分超硬工具主要統計

超硬工具協会がまとめた3月分超硬工具主要統計は以下の通り。【超硬合金重量】493トン(前年比109.6)。【超硬工具生産額】切削工具193億8500万円(前年比116.1)、耐摩工具32億7800万円(同93.6)、鉱山土木工具5億7000万円(同84.6)、その他工具5億2300万円(同89.9)、焼結体・工具18億5300万円(同100.5)、合計256億900万円(同109.9)。【輸出入】輸出75億9500万円(前年比107.4)、輸入41億2600万円(同106.8)。【超硬工具出荷額】切削工具195億4900万円(前年比100.7)、耐摩工具32億9500万円(同92.6)、鉱山土木工具6億2600万円(同87.8)、その他工具4億1800万円(同99.3)、焼結体・工具20億6500万円(同95.5)、合計259億5300万円(同98.8)。【刃先交換チップ】生産2868万9000個(前年比154.7)、出荷2819万4000個(同114.2)。