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日本工作機械販売協会東部地区が忘年懇親会を開く
日本工作機械販売協会(会長=髙田研至 井高社長)東部地区が12月2日、KKRホテル東京(東京都千代田区大手町)で、新型コロナウイルス対策で参列者が集中しないよう配慮がなされたなか、懇親会を開催した。
懇親会に先立ち、文藝春秋執行役員の新谷 学 氏が「スクープに見る企業の危機管理」をテーマに講演をしたあと、会場を移して懇親会が開かれた。
挨拶に立った井高会長は、「11月に開催されたJIMTOFが大きなイベントであった。来場した方たちが真剣に話しをされ、様々な新製品をしっかり見られていたのを拝見し、やっぱりリアルは良いものだと感じた。われわれ商社としてもお客様をお連れし、メーカー様と引き合わせることがコーディネーターとして大切な役割だと感じた。」と感想を述べたあと、「日工会の今年の予測は1兆7500億円で過去2番目の数字となっている。来年の予測では少々減少しそうとの見方もあるが、日工販の会長としての思いとしては、1兆7500億円から1兆8000億円を予測したい。一般機械としては環境対策など様々なもので設備が必要になると思っている。」と、期待を込めた。
引き続き、 豊田直樹 東部地区委員長(兼松KGK 取締役)が、「今年1年を振り返ると、米中関係の問題があるが、半導体関係は好調だったが多少在庫調整が入ったと話も聞く。今年は日工会の数字でも1兆7500億円、これは間違いなく達成できるだろうと言われている。この数字は2018年に次ぐ過去2番目の記録であり、われわれの業界では非常に良い1年だったと思う。その一方、様々な不安要素があり、混沌とした状態も避けられないのではいかと感じているが、皆様と一緒にこの業界を盛り上げていきたい。」とあいさつをした。
和やかな雰囲気のなかで懇親を深めたあと散会した。
令和4年度「卓越した技能者(現代の名工)」にヤマザキマザックグループの藤澤氏が選出
ヤマザキマザックグループの社員である藤澤隆一氏(ヤマザキマザックマニュファクチャリング所属)が、令和4年度の「卓越した技能者(現代の名工)」に選出された。藤沢氏は、1984年に入社後、工作機械の組立に30年以上にわたり従事してきた。主軸ユニットの高精度な仕上げや主軸組立の生産性向上に寄与する作業方法を確立したことなどが評価され、今回の選出となった。
ヤマザキマザックグループで「現代の名工」に過去選出された社員は、今回で累計13名となった。同社では、今後も高度な技能を有する人材の育成に努め、高性能な工作機械の提供を通して世界のものづくりの発展に貢献していくとしている。
功績・貢献の概要
■複合加工機の高精度化に貢献
主軸ユニットは工作機械の心臓部とも言われ、組立において熟練の技能と経験が必要とされる。藤澤氏は長年の経験で培った技能と知識により、振動発生要因となる主軸のアンバランス量を最小限に抑えることができ、組立精度の高精度化に貢献した。
■主軸組立技能の標準化への貢献
仕上げ技能士として、安定した品質確保に努めるとともに、組立作業の暗黙知を形式知化し手順書としてまとめあげることで、生産の標準化に貢献した。
■若手技能者の指導育成に関する功績
藤澤氏は、特級仕上げ技能士、職業訓練指導員免許を持ち、仕上げ作業指導者として組立作業や機械調整における若手社員への教育を継続してきた。技能検定の指導員としても技能育成に努め、14年間で3 7名の技能士を誕生させた。また平成2 5年度より、ものづくりマイスターとして県内の工業高校や、中小企業の若手技能者へものづくり技能を伝える活動を行っており、技能伝承・人材育成にも貢献した。
■主な表彰歴・取得検定
表 彰 歴 : 卓越技能者 岐阜県知事表彰
技能検定 : 特級技能士(仕上げ)
一級技能士(機械保全、機械検査)
タンガロイ 耐熱合金用材種AH8000シリーズに「SDM形チップブレーカ』を拡充
タンガロイはこのほど、耐熱合金用PVD材種AH8000シリーズ工具に、耐境界損傷性に優れた「SDM形チップブレーカ」を拡充し、販売を開始した。
AH8000シリーズは、高Al含有の積層膜を採用し、さらにコーティング膜の密着性を大幅に向上させたPVDコーティング材種で、耐熱合金等の難削材の旋削加工用として発売以来高い評価を博している。シリーズには、第一推奨材種として汎用性に優れ仕上げから中切削まで幅広い加工に対応するAH8015と、抜群の耐摩耗性で高速加工、連続加工で安定した長寿命を実現するAH8005の2材種をラインアップしている。
今回拡充する「SDM形チップブレーカ」は、独自の可変ランド構造と最適なすくい角の組み合わせによって、非常に優れた耐境界損傷性を有する。耐熱合金等の難削材加工においては、その被削材の特性によって著しく境界損傷が発生・進行する場合があり、このSDM形とAH8000シリーズとの組み合わせによって、これらの被削材の加工でも大幅な寿命延長が期待できる。
現在AH8000シリーズ工具には仕上げ用HRF形、仕上げ~中切削用HRM形の二種類をメインチップブレーカとして設定している。さらに今回「SDM形」を追加することで、耐熱合金等の難削材の旋削加工においてより幅広い加工形態で安定した長寿命を提供したことで顧客の加工費低減に大いに貢献する。
■主な形番と標準価格(税抜き)
・CNMG120408-SDM AH8015:1,020円
・DNMG150404-SDM AH8005:1,400円
・DNMG150612-SDM AH8015:1,740円
(計14アイテム)
2022年10月分工作機械受注総額は1,410.6億円 日工会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2022年10月分の受注実績は以下の通り。
2022年10月分工作機械受注総額は、1,410.6億円(前月比△6.5% 前年同月比△5.5%)となった。受注総額は、24カ月ぶりの前年同月比減少も、2カ月連続の1,400億円超。10月では2021年(1,492億円)に次ぐ過去2番目。1,000億円超は21カ月連続。
内需は445.6億円(前月比△15.0% 前年同月比△11.4%)で、9カ月連続の450億円割れ。年度半期末の反動や、JIMTOF前の買い控えなどにより前月比減少。
外需は965.0億円(前月比△2.0% 前年同月比△2.5%)で、2カ月連続の950億円超。前年同月比は2年ぶりの減少も、10月としては2021年(989億円)に次ぐ過去2番目と高水準の受注が継続。
10月の受注は内外需とも依然として高レベルの受注が継続。金融動向や世界経済の先行きなどを注視。
10月分内需
445.6億円(前月比△15.0% 前年同月比△11.4%)。
・5カ月ぶりの500億円割れ。9カ月ぶりの450億円割れ。
・前月比2カ月ぶり減少。前年同月比2カ月連続減少。
・JIMTOF前の替え控えなどにより減少も国内需要は堅調持続。
(出所:日本工作機械工業会)
10月分外需
965.0億円(前月比△2.0% 前年同月比△2.5%)
・2カ月連続の950億円超。10月としては過去2番目、単月でも過去12番目。
・前月比2カ月ぶり減少。前年同月比24カ月ぶり減少。
・2年ぶりの前年同月比減少も主要3極とも高水準の受注で堅調持続。
(出所:日本工作機械工業会)
2022年10月分 機械工具生産額まとまる 日本機械工具工業会
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2022年10月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。
■生産額
切削工具 375.8億円(103%)、耐摩耗工具 32.6億円(102%)、総合計 416.4億円(103%)。
■ドリル生産額
特殊鋼工具 15.3億円(108%)、超硬工具 41.5億円(113%)、ダイヤ・CBN 0.7億円(85%)、総合計 57.5億円(111%)。
■エンドミル生産額
特殊鋼工具 4.8億円(115%)、超硬工具 38.9億円(100%)、ダイヤ・CBN 1.5億円(107%)、総合計 45.1億円(102%)。
■カッタ生産額
特殊鋼工具 0.7億円(121%)、超硬工具 5.6億円(108%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(57%)、総合計 6.7億円(104%)。
■ギヤカッタ生産額
総合計 7.2億円(98%)。
■ブローチ生産額
総合計 7.1億円(88%)。
■ねじ加工工具生産額
特殊鋼工具 35.6億円(110%)、超硬工具 4.1億円(120%)、総合計 39.7億円(111%)。
■バイト生産額
特殊鋼工具 0.3億円(119%)、超硬工具 8.7億円(93%)、総合計 9.1億円(94%)。
■リーマ生産額
特殊鋼工具 1.4億円(104%)、超硬工具 2.3億円(89%)、総合計 3.7億円(94%)。
■鋸刃カッタ生産額
特殊鋼工具 1.3億円(110%)、超硬工具 0.6億円(92%)、総合計 1.9億円(103%)。
■インサート生産額
超硬工具 147.3億円(100%)、ダイヤ・CBN 19.4億円(102%)、総合計 166.7億円(101%)。
■ボディ関係生産額
総合計 17.3億円(111%)。
■超硬合金生産額
切削用 145.4億円(96%)、耐摩耐触用 15.3億円(99%)、総合計 163.1億円(97%)。
日本建設機械工業会 2022年10月度建設機械出荷金額まとまる
10月の建設機械出荷金額は、内需は2.4%増加の876億円、外需は30.5%増加の2,066億円となった。その結果、内需は4カ月連続の増加、外需は24カ月連続の増加となった。総合計では20.6%増加の2,942億円となり、24カ月連続の増加となった。
内需について機種別に見ると、トラクタ2.9%増加の116億円、建設用クレーン31.4%増加の120億円、その他建設機械19.3%増加の71億円の3機種と補給部品6.9%増加の118億円が増加し、内需全体では2.4%の増加となった。
外需について機種別に見ると、トラクタ42.0%増加の222億円、油圧ショベル24.1%増加の782億円、ミニショベル43.7%増加の391億円、建設用クレーン15.2%増加の108億円、コンクリート機械24.7%増加の1億円、油圧ブレーカ・圧砕機25.6%増加の11億円、その他建設機械41.7%増加の265億円の7機種と補給部品28.7%増加の259億円が増加した。地域別に見ると、北米が22カ月連続で増加、アジアが20カ月連続で増加するなど全9地域中5地域で増加し、外需全体では30.5%の増加となった。
【工作機械編】JIMTOF2022で見た注目各社の技術まとめ
「JIMTOF2022」でみた工作機械は、カーボンニュートラルへの対応を視野に入れ、環境に配慮したマシンが目立った。製造現場では労働人口の減少に加え、人材の多様化も進んでいるため、誰もが使いやすい工作機械がトレンドとなっているようだ。また機械の自動化・複合化はさらなる加速をみせ、工程プロセスの効率化を推進する技術が多く披露された。
アマダグループは環境負荷低減の貢献とデジタル技術を用いた加工のスキルスレス化を提案していた。新NCを搭載したファイバーレーザーマシン「VENTIS-3015Je」(6kW)で自動化ソリューションを披露。材料をストックする多段棚は従来と同じ設置床面積と高さだが、材料積載量を約1.5倍に高めている。新NC装置は「AMNC 4ie」はアイドリング時、チラーやコンプレッサを自動で調節し、Co2排出量を最大65%削減するうえ、作業者を顔認証し、言語表示を自動で行うなど、人材の多様化に対応した使いやすいマシンへと進化させていた。
研削盤合計8シリーズを展示していた岡本工作機械製作所。汎用操作から全自動研削まで幅広いラインナップは、「機上計測」、「超精密・鏡面加工」、「自動化・高能率・複合加工」、「脆性材加工」といった加工現場のニーズを捉えたもので、特に新シリーズとなったグライディングセンタ「UGM64GC」は脆性材料の外周・内周・コンタリング加工をターゲットとしており、注目を集めた。写真は協働ロボットによるといし&ワークの自動交換を実現した「UPZ52Li&ロボットGRIND-SELF」。自動化による高能率に加え省エネも実現するとして訴求していた。新開発の超小型ロータリードレッサーとリニアモータ駆動による高速・高精度位置決め研削が実現する。
マシンの高度化を加速させながら初期投資を最小限にした自動化の提案で大きな存在感を示したのはキタムラ機械だ。「MedCenter5AX」は同社独自のCNC装置「Arumatik-Mi」を搭載した5G通信による第5世代のマシニングセンタ。大容量工具交換装置を内蔵し、機械設置後でも多面APC、ATCを増設可能なうえ、長時間の自動化・無人化システムに対応する。特長的なのは標準設定にした「Anywhere-Remote」機能で、1台でIoTを完結できること。製造業もカーボンニュートラルへの対応が急務とされているが、人材や資金を投入できる余裕がない中小企業でも合理的で無駄のない加工ができるよう至る所に配慮がされているマシンに中小企業のミカタ的技術開発を見た。
大型化するものづくりと微細加工へのニーズを捉えたマシン群を展示し、デジタル化で生産改善を実現する提案をしていた芝浦機械。南展示場では金属3D積層造形マシンも展示し、脱炭素・省エネ、省人化・生産性向上、IoT活用など製造現場のトレンドを全て網羅しているパワーを見せつけた。大型金型製作の自動化と生産性向上をうたった門形マシニングセンタ「MPC-Hシリーズ」は最大重量物が移動するX軸送り機構にツインドライブ方式を採用。テーブルのヨーイング排除による安定した送りが特長だ。自由曲面のワーク形状をより忠実に再現でき、高精度な加工プログラムに対応する。安全性を考慮したマシンカバーは切りくずや切削液の飛散を抑え、作業者に優しいデザイン。環境負荷の低減に貢献している。
カーボンニュートラルの実現に向け、世界中で急速に電気自動車の製造・開発が進んでいることに伴い、歯車加工の高能率化・高精度化が加速している。清和鉄工はこうしたニーズに合致したマシン群を展示しており、内歯、外歯加工が可能なCNCパワースカイビング盤「Artis PS106」にロボットによる自動化(オプション)を来場者に訴求していた。機械寸法は3497×2000×2340(mm)と省スペースを実現しており、レイアウトも柔軟に対応できる。なお、NCシステムはファナック。
東8ホールで①工程集約、②自動化、③DX・GX――の3つを追求した5軸加工機と複合加工機による生産性向上を全面に押し出したDMG森精機のパフォーマンスに来場者も大喜び。ブース内は人で溢れており撮影をするのも一苦労だった。搬送ロボットが工具の搬入・搬出を行う大容量工具マガジン「CTS」、工場全体のデジタル化を実現する自動走行型ロボット「WH-AMR」など24時間稼働の完全無人化工場が実現するノウハウがぎっちり詰まっていた。
ナガセインテグレックスは7機種を展示していたが、なかでも目を引いたのは同時6軸制御ナノマシン「NIC-74」だ。同社でも〝異次元の微細形状加工〟を実現すると自負しているこのマシンは、光学部品や各種光学レンズ、高機能フィルム製造用金型などに求められる超高品位・超高精度加工が可能。この独特な球体構造は、振動振幅を大幅に低減するもので、刃先の位置が変化しない旋回工具軸も新開発(特許出願中)。オプションで楕円振動切削やエンドミルなどの工具を用いた加工にも対応している。
総合機械メーカーの不二越。トレンドであるEV、減速機、電子、医療関連分野などの小型部品をターゲットに高精度歯車加工と多軸制御加工をコンパクトに集約したスカイビングギヤシェープセンタ「GMS100」を展示。スカイビング、ホブ、旋削、穴あけなど歯車加工工程を1台に集約したマシンだ。スカイビング工法は不完全ギヤ部を縮小できるため、製品の扁平化、小型化、軽量化に貢献する優位性がある。機械高さを抑えたコンパクト設計も特長的で、バーフィーダー仕様なので素材連続供給による旋削+歯切の複合加工が可能。
機械が止まれば機会損失が発生する。予防するためにも機械の点検はとても重要な要素だが、牧野フライス製作所の子会社である牧野技術サービスは設備資産の有効活用を提案する「マキノ マシンケアパッケージ」を紹介。予期せぬ突発障害を起こさない〝止まらない機械〟を実現するサービスである。機械のメンテナンスの目的は機械を安定して稼働することなので、同社では顧客毎にメンテ内容をカスタマイズすることにより、最適化されたプランを用意する。なお、予防保全に必要な定期交換部品の購入や保守情報を観覧できるWeb会員専用サイトも立ち上がっている。
あっと驚く画像認識による革新的自動化システムを提案したのは牧野フライス精機。高精密CNC工具研削盤「AGE30FX」に搭載していた「monocam」は、同社の工具研削盤に搭載可能な内蔵型非接触測定システム。ドリルのオイルホール位相など様々な箇所を機内でチャッキングしたまま自動測定でき、測定結果をもとに次の加工ワークに対して自動補正を行って高精度連続加工を実現する。タッチセンサーと比較して優位性はとにかく速いこと。今回は3分の100mm感覚でセンシングをしているデモを行い、点で探るタッチセンサーよりも画像認識でより速く正確な刃先の検出をアピール。研削液対策もばっちりで検索中は測定カメラにカバーをしているうえ測定前にエアブローを施し、ワークに付着した研削液なども除去する。
牧野フライス製作所は、半導体および電子機器産業は好調が続いている一方で生産工程は複雑化し、部品の難易度が高まっていることを受け、5軸制御横形マシニングセンタ「a900Z」を展示していた。目を惹いたのは丸みを帯びた美しいデザイン。同社の〝aZシリーズ〟で取り組んでいた「生産性の追求」と「経済性/環境への配慮」を大型ワークにも展開する。このマシンの特長は重心を計車軸に近づけることで軸動作に伴うイナーシャを徹底的に低減し高速動作を実現したこと。切りくずは溜まることなく落下し、クーラントやエアなどの削減が可能となったことで経済性と環境への配慮を実現した。
三井精機工業は訴求内容が非常に分かりやすかった。高精度横型マシニングセンタ「H6E」のカバーを取り外し、X・Y・Z軸〝V-Vキサゲガイド〟を惜しげもなく来場者にも見せつけていた。これを見学しただけでも、ジグボーラの精度とマシニングセンタの生産性を統合していることが理解できる。世界トップレベルの高い立体精度と高生産性はV-Vキサゲガイドのなせる技! 〝超高精度を安定して加工できる〟という安心感を来場者に植え付けた。
安田工業は、EVや次世代航空機、半導体製造装置分野などのトレンドを抑えた新鋭機「YBM Vi50」を展示。5軸加工のベストセラーとなった「YBMVi40」のDNAを受け継ぎ、新たに設計された機械構造で大型ワークも高精度・高面品位加工で高い位置決めを可能にするマシンだ。注目したいのは同社独自のダイレクトドライブ&プリロード自己調整型スピンドルを採用していること。低回転での高効率重切削加工と高回転での高面品位加工を両立させている。もちろん自動化にも対応しており、オプションのオートチャックに対応し、AWC装置を設置することで自動化に対応する。
ヤマザキマザックはデジタルソリューションでカーボンニュートラルに向けた環境対応と生産効率向上を同時に実現するという先端技術を華やかに披露。時代に合致した生産方式の変化は同社のCNC装置「マザトロール」をコアとしたマシン群がそれを示していた。また、EVに向けた高速摩擦攪拌接合専用機「FSW-460V」は、摩擦熱で軟化させた材料を攪拌して接合する技術だが、従来の溶接と比較して歪みが少ないうえ、接合強度が高いのが特長。付加価値を創造する同社の先端技術が詰まっていた。
ひときわ目立つラグジュアリー感。機械というより宝飾の展示会をイメージさせ来場者を驚かせた碌々産業は画期的な展示方法で微細加工を訴求。拡大鏡でしか形状が分からないほど規格外の小さなネジや腕時計の部品などの加工サンプルで来場者を存分に楽しませた。注目の新マシンはマットなブラックをまとった高精度高速小径微細加工機「Mega Ⅶ consept」。このマシンの実態は研削・切削・ヘール加工といった微細加工の複合化へ挑戦した最新マシンだ。進化した穴あけ機能でさらなる高速化も狙え、同社オリジナルの穴数管理による工具寿命管理も開発している。
【切削工具・周辺機器編】JIMTOF2022で見た注目各社の技術まとめ
「JIMTOF2022」でみた切削工具・周辺機器は、工作機械同様、CO2削減のためのグリーンテクノロジーとともに工程プロセスの効率化を推進するものが多く見られた。世界のトレンドとなっているEVや半導体産業向けのニーズに沿った製品が豊富に展示され、環境負荷低減のために加工時間を短縮するための取り組みを機械メーカーとコラボをしながらソリューションとして提案していた企業も目立っていた。
EV車の普及を意識したイスカルジャパンの豊富な製品群の中で、「ロジックFグリップ」(LOGIQ F GRIP)とミヤノ機械専用設計のコラボ製品が注目されていた。加工現場では省力化ニーズが高まっており、素早い加工を実行することで省力化を実現する動きがある。突っ切り・溝入れ加工時にブレードにかかる負荷を分散させることでびびりを抑制し、極めて高い剛性での加工ができる製品だ。このコラボにより工具剛性は28倍、送り3倍速が実現した。あっという間に突っ切れるのでエネルギーの無駄を省ける。
イワタツールはブース内に〝秘密の小部屋〟が設置され、名刺を渡せば開発中の製品が見学できる仕組みに来場者も興味津々。加工スピードの速さに特化したデモに加え、目玉となった製品は、スラストほぼゼロの低切削抵抗を誇っている穴加工用ヘリカルエンドミル「ドリミル」で開発中の製品だ。ヘリカル加工は大きな穴加工も対応でき柔軟に対応できるが、気になるのはスピードが遅いこと。同社はこの点を克服し、「通常のエンドミルの5倍から10倍のスピードで加工ができるので量産にも十分対応できる。」と頼もしい。
小型モジュールの高精度ギヤ加工のニーズが高まっているなか、オーエスジーはシチズンマシナリーとコラボした〝自動盤による高精度歯切り技術〟を展開。新工法である「ラックカッターによるギヤ加工」を推奨していた。この加工は、C軸とX軸を同期させ、上下の折り返し点でZ軸に切り進む歯切り工法で、シチズンマシナリーの特許技術である。このための工具「歯車加工用ラックカッター」を参考出品として展示していた。加工に合わせた最適なコーティングも提案してくれるとのこと。今後も要注目!
合理的で無駄のない機械加工を実行するにあたり、重要な鍵を握るもののひとつにチャックがある。北川鉄工所のブースで注目を浴びたのは、省力化に応える高精度チャック「BRシリーズ」だ。ジョー成形直後の把握精度は0.01mm T.I.R.以下。ジョーの浮き上がりも小さく安定した加工品質を実現する。オプションの〝Tuut-Plus〟を使用することでジョー脱着後でも0.01mm T.I.R.以下で、ジョーの再成形は必要ない。段取時間が大幅に短縮されることにより年間約450時間、金額にすると約135万も節約できるという。加工をトータルでみた場合、時間の無駄を省くことは省エネ&経済効果に結びつくということが理解できる展示内容だった。
無駄なエネルギーを省くためには段取時間の短縮を実行するのが手っ取り早いが、近年は労働人口の減少により熟練作業が難しくなった。黒田精工は〝段取時間短縮と熟練作業の緩和〟を目的とした油圧拡張式クランピングツール「HYDRAULIC-TOOL」を展示していた。この製品は静的油圧により薄肉円筒部品を金属変形させ、ワークをクランプする高精度位置決め治具で、作動ねじを回すだけの簡単操作で誰でも簡単に安定した高精度クランプを実現するもの。オプションの割カラー、割コレットを使用すると本体1台で径違いの複数ワークをクランプすることもできるので、治具集約も実現する。
住友電気工業で目を惹いたのは、参考出品の「センシングツール」。これはセンサーで切削力の変化を測定して無線で送信、加工状態を監視ができるもの。実機にはセンサー、電池、無線装置が搭載してあり実ワークで加工状態を測定する。なんだか凄いぞ! メリットは、①垂直荷重、水平荷重を測定ができる、②断続加工でも明確な測定ができる、③剛性は通常の99%を確保、④高感度で微細な変化を測定できること。日本のデジタルツールもどんどん加速していく兆しを見た!
ブース内にひときわ目立つ緑色の一角を設け、クリーンテクノロジーを展開していたのはタンガロイだ。工作機械は被稼働時も待機電力を消費していることに着目し、工具交換時間の削減でマシンダウンタイムを短縮する「MODU MINI TURN」(モジュ・ミニ・ターン)を展示。この製品は、シャンクを機上に設置したまま、ヘッド交換のみで段取替えができるもので、ヘッド取り付けねじを外すことで簡単に脱着できスムーズな工具交換が特長。これにより消費電力量は60%削減! 他にも加工時間短縮による使用電力量の削減や、ソリッドからインサート交換式を提案、しかもそのインサートは小型化しており、超硬原材料を削減する環境に優しい工具を展示していた。
豊富な新製品群で来場者を魅了したのはBIGでお馴染みの大昭和精機。注目の製品は、ヘッド交換式ホルダでも安定したダンパー性能を発揮する防振機構内蔵の「スマートダンパー スクリュオンホルダ」だ。ダイナミックダンパーによりビビリをシャットアウトするので、仕上げ面が良好で美しい面品位を実現する。剛性と干渉回避に優れたテーパボディも魅力だ。他にもEVがトレンドとなっていることもあり、小型旋盤用の刃先位置測定器「ベースマスターミニ」にも注目が集まった。
今回のJIMTOFは環境を意識したブースのつくりが目立ったが、ダイジェット工業もサステナブルなものづくりをイメージして緑を多用した爽やかなブースで来場者を迎えた。注目を浴びた製品は超硬コーティングEZシリーズ「ストライクドリルシリーズ」だ。JIMTOF特別版には2~5D/0.1トビサイズを拡張・8Dタイプリールタップ下穴用タイプがあった(本年12月に追加ラインナップ)。キャッチコピーは「SUSテナブルなDRILL」。特にステンレスの穴開け加工において安定穴形状を持続させる工具である。しかも長寿命! 同社のキャッチコピーのセンスに思わず唸ってしまう筆者だった。
微細工具の先端テクノロジーを惜しげもなく展開していた日進工具。参考出品も多数展示しており内容の豊富さに圧倒された。注目したいのは、同社のコアラインであるPCDボールエンドミル「PCDRB」がR3まで登場し、本年12月に規格が拡大するということ。様々な形状に切削加工で磨き時間を大幅短縮できる工具だ。他にも刃先剛性と切りくず排出工場で高精度金型加工を高能率にする無限コーティングプレミアムPlus高硬度鋼高能率加工用小径3枚刃ロングネックボールエンドミル「MRBSH330」も来年1月に規格を拡大して新登場するというから乞うご期待!
樹脂・非鉄金属まで鏡面が切削で完結する「単結晶ダイヤインサート」を展示していたのは日新ダイヤモンド。アクリル樹脂などを鏡面で仕上げようとすると、超硬やPCDだと切削+バフ研磨かガス研磨の工程が必要だが、単結晶ダイヤ工具を活用すれば切削のみで完結するので加工時間と工程が大幅に短縮され省エネにも貢献する。加工サンプルに定規が展示されていたが、加工面の曇りがまったく見当たらずピカピカだった。これは単結晶ダイヤモンドだからこそシャープなエッジが実現し、ワークにそのまま転写されることによる。単結晶ダイヤモンド工具のサステナブルな強みを改めて認識させられた。
不二越は「ものづくりの世界に革命を起こす」をテーマにした工具群をズラリと展示。注目は人気の「アクアREVOミル」に〝ステンレス用〟が新たに登場したことである。新開発の溝形状〝エアーフルート〟を採用し、圧倒的な切りくず離れとクーラント冷却効果にて工具刃先への加工熱を抑制するので、高能率加工と工具の長寿命を実現している。また、切削速度や送り量を上げても噛み込みによる傷を心配する必要もないので、高品位な加工面が実現できる。
製造現場における生産ラインはデジタル技術を用いた自動化がトレンドだが、安心したものづくりに欠かせない製品の数々を展示していたのがブルーム-ノボテストだ。特に工具測定&管理の分野では同社のレーザ式測定システム「LC50-DIGILOG」に注目が集まった。回転工具の刃先をレーザで遮光させ測定データを連続的に取得することで高速な測定が可能になった。他にも測定結果を視覚化する「LC-VISION」では測定中により多岐にわたる記録された値を、解析用ソフトウェアを用いることによりリアルタイムで視覚化および分析可能としている。
穴あけ加工に一石を投じたのは三菱マテリアルだ。新ドリルシリーズ「TRISTARドリルシリーズ」の第一弾を展示しており注目を集めていた。「待ちなし、折れなし、曲がりなし」のキャッチで細穴加工の常識を変える小径ドリルである。なんとドリル径×50倍の超深穴も数秒で加工、しかも多くの穴を、より真っ直ぐ、より正確な穴に加工してくれる。この鍵を握るのは、同社独自で進化したクーラント穴形状(TRI-Coolingテクノロジー)とタフでエッジの利いた切れ刃デザイン、そして新材種「DP1120」のなせる技であった。
荒加工によける加工時間を大幅短縮し、工具の集約とダウンサイジングを実現したのがMOLDINOだ。近日発売予定の高能率側面切削用エンドミル「ER5HS」に加え〝負荷制御ツールパス〟を活用すればこれが実現するという。これにより等高線加工から高能率側面切削への変更を提案、刃長をフルに使うことで加工時間短縮と工具寿命の向上を両立するという。その効果は等高線荒加工と比べて加工時間はなんと65%削減! また、ヘリカル穴開け・繰り広げ・溝加工も「ER5HS」1本に集約できる。加工の無駄を排除しながら高精度と経済効果を高めるノウハウを見ることができた。
SDGsを意識した展示も多い今回、爽やかな緑色のブースで目を惹いたのはユキワ精工。目玉商品は「G1チャック」だ。この製品を活用すればビビリが低減するので不良品や工具使用量が削減するとともに機械のダウンサイジングやサイクルタイムの短縮なども実現することから、加工現場の省資源、省エネルギーの実現にはチャックも重要な役割を果たしていることが分かる。加工の工程および時間を短縮しながら高品質な加工を実現する「G1チャック」から脱炭素社会への貢献につながるという好循環! ブース内も賑わいを見せていた。
日本機械工具工業会が秋季総会並びに2022年度日本機械工具工業会賞表彰式を開催
日本機械工具工業会(会長=田中徹也 三菱マテリアル 常務)が、10月20日、東京マリオットホテル(WEB併催)で秋季総会並びに2022年度日本機械工具工業会賞表彰式を開催した。
第一部の総会では、新規入会会員の紹介、2022年度「日本機械工具工業会賞」の発表、各委員会報告のほか、2022年度機械工具生産額改定見直しなどの報告があった。
田中会長は日頃の感謝の意を表したあと、「当工業会は1948年に設立された日本工具工業会と超硬工具協会に端を発し2015年に統合した。本年10月、設立以来74年を経て法人化が実現した。一般社団法人日本機械工具工業会はわが国における機械工具製造業の健全な発達を図るとともに産業経済に寄与することを目的としており、今回の法人化を機に日本の機械工具の発展に向け、さらには世界のものづくりへの変革、生産技術革新の原動力となるべく一層の飛躍を遂げて参りたい。」と決意を述べた。
2022年度 日本機械工具工業会賞「業界功労賞」
〇増田照彦氏 (元三菱マテリアル(株)、(株)MOLDINO)
業界経歴
2010年6月~2011年6月 日本工具工業会 副理事長 1年
2011年6月~2013年6月 日本工具工業会 理事長 2年
2013年6月~2015年6月 超硬工具協会 理事長 2年
2017年6月~2021年6月 関東地区会員連絡会 会長 4年
企業経歴
2010年6月 三菱マテリアル(株)加工事業カンパニー バイスプレジデント
2013年6月 三菱マテリアル(株)常務執行役員加工事業カンパニー プレジデント
2015年4月 三菱日立ツール(株)(現(株)MOLDINO)代表取締役社長
2021年3月 (株)MOLDINO退職
功績の概要
2010年6月に旧、日本工具工業会副理事長に就任。翌年から理事長となり2013年5月にアジア圏で初開催となった世界切削工具会議(WCTC2013)京都会合では、両団体により設立された日本切削工具協会(JCTA)の副理事長として、成功裡に導くなど日本の機械工具業界の振興発展に尽力した。翌年の2013年6月から2年間、超硬工具協会理事長に就任し、日本工具工業会とともに機械工具2団体を統合へ向けた「統合推進委員会」を立ち上げ議論を開始した。両会員の融合へ内外調整に注力し、2015年6月に「日本機械工具工業会」設立を実現させた。統合後の2015年からは関東地区会員連絡会の会長として会員の強調融和に貢献した。
技術功績賞
高性能・高精度 仕上げカッタ「MFF」の開発
●京セラ(株)石田琢也、髙森貴浩、永松淳司
【新規性】
(1) 独自のブレーカ溝による良好なチップ保持性および切りくず排出性の確保。
(2) 独自の調整機構による高精度でありつつ短時間での刃先調整の実現。
(3) 独自の刃先構成による高能率加工でありながらも面精度を高くでき、研磨レス化を実現。
(4) 独自のサーメット材料によって高速加工を可能にした。
CVD単結晶ダイヤモンド ワイパーブレードの開発
●住友電工ハードメタル(株)、住友電気工業(株) 太田倫子、東 泰助、野原拓也
【新規性】
(1)独自の気相合成技術による特殊窒素ドープと歪みを制御した高強度単結晶ダイヤモンドを開発し、量産技術を確立した。
(2)上記高強度単結晶ダイヤモンドと結晶方位最適化に加え、新開発刃先創生技術により加工ダメージが極めて少ないシャープな切れ刃を創生した。これらにより、アルミ合金のみならず、従来の単結晶ダイヤモンドでは欠損するセラミックス等硬質粒子を含む非鉄金属材料のフライス加工でも安定長寿命を実現した。
動的BT 2面高速工具ホルダシャンクの開発
●(株)日研工作所 三角 進
【新規性】
今までに、「動的に2面拘束する。」という考え方はなかった。まず世界的に特許を取得した後に、商品展開する戦略であった。全地域において特許は取得済みである。これは、回転中の工具ホルダの工具長、工具径や工具の振れを正確に測定する装置がなかったことにも起因する。動的に工具長等を正確に測定出来る装置(例えばBLUM社 DIGI-LOG)が開発され可能になった新技術である。
超硬OHノンステップボーラー40-50WHNSBの開発
●(株)MOLDINO 藤原繁栄、住谷隆之、清水武則
【新規性】
(1)既存技術は、側面視における外周コーナのホーニング形状は角度の付いた直線であった。そこで、側面視にける外周コーナのホーニング形状を凸曲線とし、その内周側のホーニング形状は直線状または大きな凸曲線とすることで、切りくず排出性を損なわずに耐欠損性を向上した。(特許出願中)
(2)既存技術は切れ刃全体のホーニング幅が一定であった。そこで、シンニング部の外周側のホーニング幅に対して、シンニング部の内周側のホーニング幅を1.5倍以上と大きくすることで、折損の起点となりやすい先端部の耐欠損性を向上した。(特許登録)
技術奨励賞
高硬度材加工工具用被膜「DUROREY」の開発
●オーエスジー(株)、オーエスジーコーティングサービス(株) 王 媺(ワン メイ)
【新規性】
従来の高硬度材加工工具用被膜の製品があったが、硬さ55HRC以上の被削材の切削において、刃先のチッピングが原因で耐摩耗性が十分に得られないという問題や、炭素鋼、合金鋼などの切削では耐凝着性が十分でないため十分な性能が得られないという問題があった。これを最適な成分と被膜構造の工夫によって耐摩耗性、耐凝着性を向上したことに新規性がある。
難削材加工用「ストライクドリルEZN形」の開発
●ダイジェット工業(株) 長田昌文、井上裕貴
【新規性】
ドリルの被加工物への食い付き性を向上させる新規性のあるシンニング形状を採用。シンニング切れ刃は、芯下がり方向にオフセットした直線部と大きなR曲線部により、直線部のシンニング切れ刃の先端角より曲線部のシンニング切れ刃での先端角が小さく(鋭角)になる。被加工物への食い付き時のスラスト抵抗を低減させ、また安定した加工抵抗で穴加工を行うことが可能。広いシンニングポケットで切りくず排出性に優れ、加工穴精度・加工寿命を向上させた。
「超極小インサート」を用いた肩削り工具の開発
●(株)タンガロイ 阿曽孝洋、坂内由昌、小脇 隆
【新規性】
本製品群は、インサートを小型化したことで多刃化に加え、工具本体の剛性向上に着目したところに新規性がある。インサートの小型化は、工具芯厚とインサートポケットのサポート部の肉厚を増やすことができるため、工具本体の剛性向上を可能にする。工具剛性向上によって加工可能領域が拡大し、刃数増以上の高能率加工を実現する。
仕上げ加工用工具(鏡面加工用工具)の開発
●ユニオンツール(株) 広瀬景太、渡邉昌英
【新規性】
仕上加工用ボールエンドミルとして当社従来品の「CBN-LBSF」があるが、仕上げ面性状については、磨きレス化を進める上では改善の余地があった。高い鏡面性を得る為には、バニシング効果による加工面平滑化効果を高めると共に、工具寸法が変化しない高い耐摩耗性と長時間に渡り安定した加工を行う為、クーラントの浸潤性が必要であった。本開発品では、母材に金型用鋼材に対し高い耐摩耗性を有するcBNを使用、バニシング効果を高めつつクーラントの浸潤効果を高めた特殊形状へと改良する事で、長時間安定した仕上加工を可能としたことに新規性がある。