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【切削工具・周辺機器編】「JIMTOF2022」注目各社の見どころはコレだ!
時代を先行く最新トレンドを展示
●イスカルジャパン
グローバル規模で積み重ねた豊富な経験をもとに独自のソリューションを提供しているイスカルジャパンの目玉となるのは、自動盤用クイックチェンジ機能を搭載した「NEOSISS(ネオスイス)」だ。ヘッドのクランプはレバーロックの要領で引き込むタイプのため、ヘッド交換は簡単。ホルダーを共通化して多種ヘッドをレパートリーしている。「自動盤の新たなスタンダートを実現する工具です!」と自信を見せる。なお、同社では〝1日でも早い業務効率化〟を実践できるj工具選定プログラム「NEOITA」を提供している。高度なAI技術とビッグデータ分析で最適工具を選定して最良な加工を実現するものPC/イスカルワールドアプリで利用可能だ。
限界突破! 驚きの加工実演を見せつける!
●イワタツール
イワタツールの見どころは、1時間に1回、同社ブース内で披露する加工実演そのものだ。注目の製品、「ヘリカルエンドミル」を活用し、「限界を突破する驚きの加工実演を披露します!」と自信を見せる。中でも注目は、同社工具に加え、ブラザーのマシン+ロボットで展開するアルミの超高速加工。通常は10分~20分かかる加工を2分30秒で終わらせるという、推奨条件を突破した〝極限加工〟を見せつけてくれるとのこと。また同業他社であるオーエスジー、田野井製作所、ダイジェット工業から借りた工具でも、これらの〝極限加工〟を見せるというユニークな企画も展開する。さらに社長自ら1時間に一度、プレゼンを設けている。
トータルソリューションを幅広く展示
●オーエスジー
オーエスジーは、人気の「Aブランド」(タップ、ドリル、エンドミル、スレッドミル)を中心に自動車、航空機、金型、ロボット関連部品等の加工現場におけるトータルソリューションを幅広く展示。微細精密加工が求められる半導体、電子部品分野など多様化するモノづくりのニーズに最適化した専用工具や、超硬合金やセラミックスなどの脆性材の加工コスト削減を可能にするPCD工具の新ブランド「6C x OSG」などを展開する。また昨今のトレンドでもある省資源化と地球環境の保護活動につながる取り組みについても紹介。総合工具メーカであるオーエスジーの強みを活かした新製品と最新の加工技術に注目だ!
標準チャックの常識を覆す把握精度!
●北川鉄工所
北川鉄工所の注目製品は、「BR/BRTシリーズ」。これまでの標準チャックの常識を覆す把握精度0.01mmT.I.R.以下を実現し、仕上げ加工にも使用可能だ。オプションのTnut-Plusと併用すればジョーを脱着してもジョーの取付再現精度は0.01mmT.I.R.以下となり、ジョーの再成形が不要となるため段取り時間の大幅短縮を実現する。また、主力商品の展示以外にも、産業用ロボットを使った①自動ジョー交換、②ジグパレット交換、③搬送と同時に測長が可能なロボットハンド「NPGT(S)シリーズ」のデモ実演も行う。会場では、省エネ・省資源・高効率に貢献する技術を来場者に提案するとともに、同社では、「様々なお客様の声を聴かせていただき、既存商品のブラッシュアップと今後の商品開発の指針としたい」と意欲を見せる。
最新の「イゲタロイ」「スミボロン」「スミダイヤ」製品が勢揃い!
●住友電気工業
住友電気工業では、最新のイゲタロイ・スミボロン・スミダイヤ製品を多数展示。注目は、新製品の「BNC2100シリーズ」。「BNC2115」は耐境界摩耗性向上により加工面品位を向上させた焼入鋼高精度加工の決定版。優れた面粗さと安定した加工で長寿命を実現するうえ、耐境界摩耗性に優れるコーティングと強靭なCBN母材により優れた面粗さを安定して実現する。「BNC2115」は金色を採用。TiAlSiN超多層とTiCNの複合膜により耐境界摩耗、クレータ摩耗を改善。「BNC2125」は耐摩耗性と耐欠損性を向上させた焼入鋼加工の第一推奨だ。断続加工でも安定長寿命を実現し、耐摩耗性・靭性を両立させたコーティングと強靭なCBN母材で更なる安定加工を実現する。汎用材種「BNC200」のイメージを踏襲しコーティングは銀色で、CBN-TA初のTiAlBN超多層膜を採用している。
進化した「AddForce」製品群を多数展示
●タンガロイ
最新「AddForce」製品群を多数展示するタンガロイでは、従来から加工能率改善、工程集約によるコスト低減に大いに役立つソリューションを紹介しているが、中でも特に注目したいのが、〝革新的なY軸加工用工具〟「AddY-AxisTurn」(アド・Y-アクシス・ターン)だ。革新的なY軸用ホルダで、剛性の高い軸方向に切削力を受けるためビビりに強く安定した加工が可能なこの工具は、位相を無段階に変更できるので、一種類の工具で単純外径から倣い加工、高送りでの引き加工、端面加工まで、あらゆる加工形態に対応する。工具コストの大幅な低減が可能となり、工具交換や段取り時間の短縮にも貢献する。経済効果の高い工具である。
小型MCの微細加工に貢献!
●大昭和精機
BIGでお馴染みの大昭和精機。4年ぶりのリアル開催となった今回も、加工現場に貢献する豊富な製品をドーンと展示。特に注目したいのが、小型MCにおける微細加工において好評のハイドロチャック。今回はこれに〝超スリム〟〝軽量化〟を実現したタイプが新登場する。先端外径が従来品に比べ30%のφ10mmになり、加工物、治具の干渉を抑える。また本体質量も-15%の69gを実現。(同社従来品比較:HSK-E25-HDC-4S)。高速回転時のバランス、振れ精度もさらに改善が見込まれる。スリム、軽量化でもハイドロチャック本来の振れ精度4D先端3μmの高精度! HSK-E25で把握径φ3,φ4。
最新MC加工用工具による加工能率改善を提案
●ダイジェット工業
ダイジェット工業は、多様化、難削化する被削材に適応し、高能率・高精度・長寿命に貢献する最新MC加工用工具(金型加工用工具・5軸加工用工具・ドリル)を中心に出展する。中でも注目したいのは、新コーティング材種「DS1シリーズ」。チタン合金や耐熱合金などの難削材加工に抜群の性能を発揮する低化学反応性に加えて滑らかな表面を持つ新コーティング材種だ。刃先に熱がこもりにくく被削材に対しての耐溶着性が向上している。チタン合金加工では従来被膜より1.5倍、他社被膜との比較では2.5倍の長寿命を実現し、インコネルの加工においても従来被膜より摩耗が少なく、長寿命を達成! チタン合金や耐熱合金といった難削材に対しコーティングの剥離を抑えこれまでの被膜に比べ長寿命化を実現!
「高付加価値製品の提供」がテーマ
●日進工具
〝安定した高精度小径エンドミル〟で高い評価を博している日進工具は〝コアプロダクト〟を中心に展示する。コアプロダクトとは、同社エンドミルの立方晶窒化ホウ素(CBN)エンドミルをはじめ、PCDエンドミル、高硬度鋼硬度70HRCまでの高硬度鋼の切削に最適なコーティング「無限コーティングプレミアムPlus」シリーズ、φ0.1mm以下の「マイクロエッジ」を指す。今回は「高付加価値製品の提供」がコンセプト。また業界初の髪の毛に字が彫れる0.01mmのエンドミルも提供しているが、現在ではそのバリエーションも増えているとのこと。同社では、「顧客の生産性向上を実現できる工具として、お客様自身の付加価値が高められることをしっかり伝えたい。」と意気込みをみせる。
合わせ面精度を最大化するツールが誕生!
●日新ダイヤンモンド
日新ダイヤモンドの注目したい製品は、エンドミルの回転痕では出せない面祖度0.4μmRz以下を誇り、切削加工後の手磨きなど次工程を簡略化・短縮する単結晶ダイヤモンド・PCD「ヘールバイト」。つなぎ目ナシで刃幅10mmからの単結晶ダイヤバイトの製作も可能だ。また、同社では牧野フライス製作所開発の次世代ヘール加工技術ソリューション、超真空シール面の磨きレスを実現する〝スーパーヘール仕様〟に対応する。他にも、樹脂加工の常識を変える「単結晶ダイヤR面取りカッター」も要チェックだ。この製品は、樹脂・非鉄金属まで鏡面が切削で完結し、研磨レスを実現する工具である。
「工具がかわれば、ものづくりがかわる」がテーマ
●不二越
不二越の工具ブースでは、「工具がかわれば、ものづくりがかわる」をテーマに、EV化や半導体市場の活況といった環境の変化に対して、顧客のニーズに応えるさまざまな工具を提案する。11月1日に発売した「アクアREVOミルステンレス用」は、新開発の溝形状エアーフルートを採用。切りくずとすくい面との接触長さを抑制することで、切りくず離れを改善し、排出時の噛み込みや詰まりを低減する。また、接触に伴う加工熱を軽減し加工硬化を抑制したことで、切削抵抗は他社従来品比で20%低減した。さらに、冷却溝が切りくずとの間に空間を生み出すことで、工具の刃先付近までクーラントが流入しやすくなり、発熱を抑制。側面加工はもちろん、切りくず排出が困難な溝加工でも、ダントツな性能を発揮する。
マシニングセンタ2台でワークや工具の機上測定を実演!
●ブルーム-ノボテスト
ブルーム-ノボテストのテーマは「機上測定の量産化、変種変量生産への対応」。マシニングセンタを2台使い、ワーク測定や工具測定など機上測定を実演する。1台は産業用ロボットを使った機外のボアゲージBG60によるワークの内径を測定。もう1台は機械の幾何誤差測定や自由曲面形状測定を行う。目玉となる製品は、「LC50-DIGILOG」。回転工具を非接触で測定、アナログとデジタルを融合した「DIGILOG(デジログ)」技術で、高速、高精度、高信頼性測定を実現する。測定時間60%短縮、繰返し精度0.2µm、折損検知最小工具径5μm。また、「LC-VISION」にも注目したい。これは「LC50-DIGILOG」用ソフトウェアで、主軸の振動周波数解析や先端振れ量、ボールエンドミルR部の輪郭形状、多枚刃工具の各刃の高さの可視化、解析を行う。
「YOUR GLOBAL CRAFTSMAN STUDIO」がテーマ
●三菱マテリアル
三菱マテリアルは、「YOUR GLOBAL CRAFTSMAN STUDIO」がテーマ。同社では、「お客様一人ひとりの総合工具工房としてお困りごとに真摯に耳を傾け、ともに考え、解決するための様々なソリューションをご用意して皆さまをお待ちしております。」と意気込みを見せている。一押し商品は、転削加工用コーテッド超硬材種 「MV1020」。独自技術による新しいコーティングプロセスにより、Al含有比率を高めても結晶構造が変化しないAl-Richコーティングを開発し、高い皮膜硬さを実現させたインサート材種で、高い硬さを持った(Al,Ti)N膜を採用し、硬さに加え耐酸化性も大幅に向上させ、優れた耐摩耗性を実現し、耐熱衝撃性に優れ、熱亀裂の発生しやすい湿式切削においても加工安定性が向上するという特長を持っている。柔鋼、炭素鋼・合金鋼から析出硬化系ステンレス鋼、ダクタイル鋳鉄の加工に最適だ。
金型加工のトータルソリューションを展示
●MOLDINO
MOLDINOは「金型加工のトータルソリューション」を展示。同社のコンセプト「PRODUCTION50™ 加工半減の提案」に基づいた最新の加工改善提案を、新製品と併せて展示する。近年では、周辺機器やソフトウェアの進化により前後工程の関連性が一層深くなり、個々の対策では十分な解決が出来ない場合があることを受け、同社では、生産性向上を実現させるため、最新製品を用いた「全体を見渡す改善」を提案してくれる。目玉となるのは、「高硬度鋼加工用ボールエンドミル EPDBEH-TH3 ショートシャンクタイプ」で焼ばめホルダにピッタリフィットする全長径タイプを追加発売と同時に同時に、商品ラベルに外径実測値の表記をスタート。測定の手間いらず!12月発売予定の新製品だ。(外径実測値表記はショートシャンクタイプから順次記載の予定)。
省資源・省エネルギーにつながるツールホルダー「スーパーG1チャック」
●ユキワ精工
ユキワ精工の目玉となる製品は、「スーパーG1チャック」。同社では、「ツールホルダーは工作機械の主軸と切削工具をつなぐ重要な機器で、ツールホルダーの違いで加工精度や生産性向上に大きく貢献します」と啓蒙している。この製品の特長は、①高い振れ精度、②高い剛性、③高い把握力。工作機械と切削工具の性能を最大限に引き出すことが可能だ。実際に活用しているエンドユーザーからは、「工具費が削減できた」、「不良品が削減できた」という“省資源”、「サイクルタイムが短縮できた」、「機械のダウンサイジングが可能になった」という“省エネルギー”の両面で高い評価を博している。同社では、「脱炭素社会の実現のためにも、是非スーパーG1チャックをご使用ください!」と意気込みを示している。
「JIMTOF・Tokyo2022開幕に向けて」日本工作機械工業会 会長 稲葉善治
JIMTOF(日本国際工作機械見本市)は、1962年に初開催以来、工作機械産業の新技術発表の舞台として、また国際的な商取引の場としてその役割を果たしてまいりました。第31回目の開催となるJIMTOF・Tokyo2022(以下JIMTOF2022)は、60周年の節目を迎えます。
2020年の前回は、新型コロナの感染拡大に伴う東京五輪の延期によりオンラインでの開催を余儀なくされましたが、今回は、新設された南展示棟を加え過去最大の展示面積で開催する運びとなりました。4年ぶりのリアル展示会となるJIMTOF2022に向けて研究開発に励まれている出展各社、また、広報面で多大なご協力を頂いている報道関係の方々など、関連業界関係者の皆様の努力と弛まぬ熱意に心より感謝申し上げます。
JIMTOF2022のテーマは「開かれる扉(ミライ)、世界を動かす技術の出会い」です。今日、世界の製造業では、サプライチェーンを強靭化するレジリエンス、カーボンニュートラルを実現するグリーンテクノロジー、及び業務プロセスを変革するデジタルトランスフォーメーションなどが課題となっています。最新鋭の工作機械、最先端の技術が一堂に揃うJIMTOF2022では、各出展者がこれらの課題をニーズとして捉え、ユーザーの価値創造とミライへの躍進に貢献する最適なものづくりを提案し、新しい扉(ミライ)を開き、世界を動かす技術との出会いを提供することができると確信しております。
一方、主催者企画展示では、現在直面している製造業の課題を明確にし、手が届くデジタル化と最先端の知能化製造システムをご覧頂きます。また、最新鋭の工作機械から生まれる日本発TOPプロダクツを展示することで、世界を動かす最先端の技術を体感頂きます。
さて、JIMTOFはものづくり技術の祭典という側面も持っております。工作機械関連の研究者・技術者が世界中から集い、最新の研究を発表する「国際工作機械技術者会議(IMEC)」をはじめ、各種講演やセミナーを開催いたします。今回はカーボンニュートラル時代のモビリティや、金属Additive Manufacturingがもたらすものづくりの変革など、時宜を得たテーマを揃えました。更に、全国の理工系学生の皆さんを招いて開催する、恒例の「工作機械トップセミナー」を通じて、ものづくり産業の次代を担う優秀な人材の発掘・育成にも努めて参ります。
初開催から60年という還暦を経て、JIMTOFは新たなステージに上ります。これからも時代のニーズを的確に捉え、最先端の技術を発信し続けることで、ご来場の皆様と、ものづくりのミライをつなげて参ります。
最後に、全ての出展者にとって、このJIMTOF 2022が世界のものづくりの発展に貢献する良きビジネスの契機となるよう、心よりご祈念申し上げます。
「JIMTOF2022 第31回日本工作機械見本市」出展者数が過去最大の1,086社(5,619小間)で開催
世界最大級の工作機械実穂日「JIMTOF(ジムトフ)2022 第31回日本工作機械見本市」(主催:日本工作機械工業会/東京ビッグサイト)が、11月8日(火)から11月13日(日)までの6日間、東京ビッグサイトで開催されるにあたり、10月11日に東京都内の芝パークホテルで記者発表が開かれた。
今回の「JIMTOF」は、合計出展者数が1,086社、5,619小間(うちAMエリア59社173小間)となり、前回(2018年)と比較して95小間増加しており、過去最大規模での開催となる。
日本工作機械工業会の柚原一夫専務理事は、「31回目の今年、JIMTOFは60周年を迎え、過去最大規模で開催する。世界の製造業ではサプライチェーンを標準化する技術、カーボンニュートラルを実現するグリーンテクノロジー、業務を変革するDXなどが主要な課題となっている。このような動きのなかで、最新鋭の工作機械や最先端の技術が一堂に集結し、世界を動かす技術を提供できる場と確信している。」と述べた。
東京ビッグサイトの津国保夫常務は、「今回のテーマは、〝拓かれる未来 世界を動かす技術の出会い〟だが、このキャッチフレーズには、4年ぶりのリアル開催にて多くの素晴らしい出会いによって産業の躍進に繋がって欲しいという思いを込めた。また、キービジュアルでは、JIMTOFを未来に続く扉に見立て、世界を動かす技術と出会う場所とした。」と説明した。
豊富な併催プログラム
〈企画展示〉
テーマは、「最先端のものづくりの現在地(いま)とミライ」。企画展示ブース内には、〝Produce machine tool「最先端の工作機械工場」〟と〝Work by machine tool「最新工作機会が支えるシェアTOPのグローバルニッチ企業」〟の2つのコーナーを設置。「Produce machine tool」では、工作機械メーカー4社のスマートファクトリーで展開されている先端的な取組を通じ、その背景にある「製造業の課題」を来場者と共有する。課題を共有することで、来場者の「ミライのものづくり」の探求をプロモートする趣向。11月10日(木)14:00から企画展示ブース内において、クロストークショーを開催し、翌日からその収録映像を放映する。また、「Work by machine tool」では、最新鋭の工作機械が生み出す日本初のシェアTOPプロダクトを横断的に展示しており、来場者は「世界を動かす技術」を体感することができる。
〈特別展示〉
「歴史と伝統 技術と英知 不可能を可能にする力~日本のジェットエンジン開発の歴史~」とダイした特別展示コーナーを設置。世界の航空機産業の一翼を担うIHIのジェットエンジン技術を紹介することで、ひとつひとつのエンジンに、歴史と伝統に裏付けられた高い技術力が活かされていることを感じることができる展示となっている。
〈AMエリア特別展示〉(南2ホール)
TRAFAMの協力のもと「ひらめきを形に! 設計が変わる新しいモノづくり~次世代型産業用3Dプリンタ技術開発~」と題した特別展示コーナーを設置。「三次元積層造形技術や金属等の粉体材料の技術開発」、「世界最高水準の造形速度・精度を有する金属3Dプリンタの実用化」、「金属用パウダベット方式の欠陥予測システムおよび高度モニタリング、フードバック・制御技術等の開発」など、TRAFAMがこれまで取り組んできた開発成果をパネル等で紹介する。
〈講演会・セミナー〉
基調講演では、ハイブリッド車用バッテリで世界シェアトップのプライムアースEVエナジー(株)より、岡田政道氏を講師に迎え、「カーボンニュートラル時代の可能性を拓くものづくり」をテーマに講演会を行う。カーボンニュートラルが世界の潮流となり、人の生活もビジネスも大きく変貌を遂げようとしているなかで、水素とモビリティを通じて、これに挑む現場から、明るい未来の可能性を発信する。このほか、「6G」やスーパーコンピュータ「富岳」など、時宜を得たテーマの講演を企画している他、AMエリアにおいても多数の講演を予定している。
■デジタルコンテンツがさらに充実!
JIMTOF2022では、「デジタルコンテンツ」や「マッチングシステム」においても充実させている。「デジタルコンテンツ」では、公式サイト上で公開している「オンラインカタログ」での動画や画像の掲載が可能となり、より詳細な情報を確認することができる。また、新設ツールである出展社オンラインチャンネルでは、出展社の配信するワークショップや製品紹介動画を観覧することが可能。これらのデジタルツールは入場登録前から利用可能で、来場前の情報収集に活用することができる。加えて、より多くの商談機会を創出するため、マッチングシステムを用意しており、来場者と出展社間におけるアポイント調整のみならず、出展者同士のマッチングも可能。
黒田精工 伊藤忠丸紅鉄工グループと合弁会社設立
黒田精工(株)(社長:黒田浩史氏)がこのほど、伊藤忠丸紅鉄工(株)(社長:塔下辰彦氏)、紅中コイルセンター関東(株)(社長:島田和宏氏)と、モーターコア製造事業を行う合弁会社を設立することに合意したと発表した。
近年、環境負荷低減の動きが世界的に加速し、日本国内においても電動車の需要が急速に伸びている状況において、伊藤忠丸紅鉄鋼グループ及び黒田精工は共同で電動化戦略を模索しており、黒田精工が持つ最先端のモーターコア製造技術と、伊藤忠丸紅鉄鋼グループが持つコイルセンター機能・プレス操業ノウハウを集約し、このほど、高品質・高性能な電動車駆動用モーターコアを量産することを決定した。
電動車駆動用モーターの技術は国内外を問わず日進月歩で発展しており、三社が持つリソースを活用し、車載用モーターコア製造事業を一丸となって拡大・拡充し、社会の脱炭素化に寄与する方針。
合弁会社の概要
会社名 : 紅忠黒田ラミネーション株式会社
Benichu-Kuroda Laminations Co.,Ltd.
事業内容 : モーターコア製造事業
本社所在地: 茨城県那珂市
株主構成 : 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社51%
紅忠コイルセンター関東株式会社29%
黒田精工株式会社20%
設立 : 2023年1月 (予定)
MOLDINO 人気のアルファ高送りラジアスミル「TR4F 5000形」にブレーカ付きインサートを追加発売
MOLDINOがこのほど、人気のアルファ高送りラジアスミル「TR4F 5000形」にブレーカ付きインサートを追加し発売した。
2020年4⽉にアルファ⾼送りラジアスミル「TR4F4000形」、2021年12⽉に「TR4F5000形」を発売したこの製品は、独⾃の⼯具設計により⼀刃送り2mm以上の⾼送り加⼯を実現し、機械能⼒の最⼤化により⽣産性向上に寄与するもので、主にダイカスト⾦型・樹脂⾦型・プレス⾦型の荒加⼯において好評を博している。TR4F5000形は4000形よりも⼤きなインサートを採⽤、軸⽅向切込みを従来の1.2mmから2mmまで適⽤できる一方、機械主軸への負荷が増加したため、⼯具性能を発揮するには相応の主軸動⼒を持つ加⼯機械が必要であることを受け、同社では今回、TR4F5000形の切削抵抗低減を狙ったブレーカ付きインサートを開発に至った。ダイカスト金型や樹脂金型、プレス金型の高能率荒加工や取りしろが変動しやすい鋳物ワークや肉盛り溶接材の荒加工に威力を発揮する。
〈特長〉
(1) 広い断⾯積と拘束⾯積を持つ独⾃のインサート形状により、切込み量2mmでも⼀刃当りの送り量2mmを超える⾼能率荒加⼯が可能。
(2)切りくず排出性を⾼めたボディ形状を採⽤。突き出し量の⻑い⾦型形状部の加⼯でも切りくず詰まり・噛み込みを抑制する。
(3)独⾃の不等分割⽅式を採⽤。切削時のビビり振動を抑制し、従来品を超える⾼能率加⼯を可能にした。
(4)等⾼線加⼯だけでなくバーチカル加⼯も可能となった。幅広い加⼯⽤途に対応する。
(5)豊富なインサート材種をラインナップした。軟鋼から⾼硬度鋼まで、幅広い被削材に対応します。ブレーカ付きインサートは切削抵抗を低減。
(6)インサートは⽚⾯4コーナ仕様で経済的。
■仕様
・追加発売 5000形ブレーカ付きインサート:4材種(1アイテム)
・TR4F 5000形のホルダ:φ63〜φ125(全10アイテム)
■価格
・追加発売 5000形ブレーカ付きインサート:¥1,960
・TR4F 5000形のホルダ:¥61,820〜¥129,540
ダイジェット工業 新コーティング材種「DS1シリーズ」インサートを新規ラインナップ
ダイジェット工業が、難削材加工用新コーティング材種「DS1シリーズ」インサートに「ショルダーエクストリームEXSAP-11用インサート」と「ミラーボールSSインサート」を追加し、11月1日より発売を開始した。チタン合金、耐熱合金、ステンレス鋼など難削材の荒加工・中仕上げ加工・仕上げ加工に威力を発揮する。
〈特長〉
① 難削材加工に特化したコーティング材種DS1コートを採用。
② コーティングの密着性が強く耐欠損性と平滑性に優れる。
③ 低化学反応性で平滑な表面のため被削材に対する耐溶着性が向上。
■サイズと価格
①ショルダーエクストリームEXSAP-11用インサート(ZNGU11-SL形)
ZNGU110504ZER-SL、ZNGU110508ZER-SL、ZNGU110516ZER-SL
インサート材種:DS118,DS150
標準価格:1,190円(税抜き)
②ミラーボールSSインサート(BNM-SS形)
BNM-060-SS、BNM-080-SS、BNM-100-SS、BNM-120-SS、BNM-160-SS
BNM-200-SS、BNM-250-SS、BNM-300-SS、BNM-320-SS
インサート材種:DS108
標準価格:5,930円~11,220円(税抜き)
ヤマザキマザック 同時5軸加工機「VARIAXIS i-700 NEO」、横型マシニングセンタ「HCN-4000 NEO,HCN-5000 NEO」の販売を開始!
ヤマザキマザックが11月8日より、高生産性・自動化対応を追求した同時5軸加工機「VARIAXIS i-700 NEO」と、環境性能と生産性の向上を両立した横形マシニングセンタ「HCN-4000 NEO,HCN-5000 NEO」の販売を開始する。なおこの2機種は、発売日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2022」に出展する。
高生産性・自動化対応を追求した同時5軸加工機「VARIAXIS i-700 NEO」
このマシンは、切削能力を向上させた新型主軸をオプションのラインアップに追加。軽切削から重切削まで幅広い加工に対応することが可能であり、顧客のニーズに合わせた最適な仕様を選択することができる。またNC装置の加工条件設定機能「SMOOTH MACHINING CONFIGURATION」の進化により、従来機と比較して荒加工時の加工スピードを向上させている。
自動化対応では、省スペース型2パレットチェンジャ(オプション)を新たに採用。横形マシニングセンタとの混成ラインなどの自動化への対応力も向上させており、コンパクトかつ高効率な自動化システムの実現を可能としている。従来機と比較してメンテナンススペースを約13%削減するなど、省スペース化も実現した。
また、顧客の環境経営の取組みを支援するため、同マシンは機械の消費電力を30%削減。さらに、クーラントの吐出量を調整する機能(オプション)を新たに搭載し、切削量に合わせてクーラント機器の動作を最適化し省エネ運転を実現した。クーラントタンクのメンテナンスコストも削減する。
同社では、ベストセラーモデルであるVARIAXIS シリーズに今回新たにVARIAXIS i-700 NEOを加えることで、半導体関連など成長分野に対する同時5軸加工の提案力をさらに強化していく方針。
環境性能と生産性の向上を両立した横形マシニングセンタ 「HCN-4000 NEO,HCN-5000 NEO」
近年、国際社会全体で脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進んでおり、製造業においても生産性の向上に加えて、消費電力や廃油等を削減した環境性能の高い工作機械が求められていることを受け、同社では、環境性能と生産性の向上を両立した横形マシニングセンタ「HCN-4000 NEO,HCN-5000 NEO」を開発した。
同マシンは、油圧ユニットやチラーユニットなどの周辺機器の環境性能も高めることで消費電力を削減。さらに、新開発のクーラントシステム(オプション)を搭載することで、従来機と比較し大幅に消費電力を抑えることができる。切削量に合わせてクーラントの吐出量を最適化することで省エネ運転を実現した。
また、選択可能な主軸バリュエーションを拡大し、顧客のニーズに合わせた最適な仕様を選択することができる。NCロータリーテーブルを標準搭載しテーブルの割り出し時間を短縮、生産性の向上に寄与する。さらには、NC装置の加工条件設定機能「SMOOTH MACHINING CONFIGURATION」の進化により、荒加工時の加工スピードを向上することで生産リードタイムの削減に貢献する。
自動化対応では、多種多様な自動化システムとの接続も可能としており、多段パレットストッカシステムなど顧客の生産形態にあわせた最適な自動化システムを構築することができる。また油圧治具対応の強化により、長時間連続運転に適した仕様としている。
アマダ ファイバーレーザーマシン「REGIUS-3015Aje」がMM賞を受賞
アマダ(社長:磯部 任 氏)は、10月25日、ドイツ・ハノーバーで開催された世界最大級の板金加工業界の見本市「EuroBLECH 2022」において、MM賞を受賞した。
MM賞は、ドイツで最も権威のある製造業界誌「MM MaschinenMarkt」が、金属加工業界における先進的、革新的な出展製品に対して表彰するもので、同社が受賞した商品は、誰にでも高速・高品質な加工を可能にするファイバーレーザマシン「REGIUS-3015AJe」。
現在、板金加工の製造現場では、さらに高まる精度の要求や短納期への対応、加工技術の伝承などを背景に生産性の向上や段取り・操作の簡易化に対するニーズが高まっている。「REGIUS-3015AJe」は、これまでの「REGIUS-AJシリーズ」の機能を引き継ぎながら、新開発のビームコントロール技術でこれまでにない滑らかな切断面を実現し、高速と高品質を両立させた。
また、新開発のNC装置「AMNC 4ie(アムエヌシー・フォー・アイ・イー)」を搭載。オペレーターを顔認証して作業者に合わせた操作画面の起動、言語表示、権限の切り替えなどを自動で行うことで、熟練度を問わないマシンへと進化させた。さらに、モバイル端末によるリモート操作を採用し、マシンから離れた場所でも状態を監視できるほか、材料の管理やスケジュール作成、加工をリモートスタートさせるといった一元管理ができ、一人で複数台のマシン操作が可能になった。
同社では、「MM賞は2022年より一般投票による受賞となり、REGIUS-3015AJeは多くのお客さまに支持されました。今後もアマダは、差別化した加工技術でお客さまの課題とニーズを解決し、モノづくりに貢献します。」とコメントしている。
日立金属 航空機エンジン用ニッケル基合金大型鍛造部材の製造方法 令和4年度 中国地方発明表彰「島根県知事賞」を受賞
日立金属の「航空機エンジン用ニッケル(Ni)基合金大型鍛造部材の製造方法(特許第6902204号)」(発明者 大豊大吾氏、松本英樹氏)が、このほど、発明協会主催の中国地方発明表彰において、「島根県知事賞」を受賞した。
発明概要
Ni 基合金大型鍛造部材は、主に航空機用ジェットエンジンの高温側で使用されており、高い品質が要求される。また、この素材が持つ高温特性からも、高温下の鍛造でも成形が難しく、かつ大型であるため、鍛造機も大型かつ高性能であることが必要となる。これまで日本国内における従来技術は比較的小さな熱間鍛造※品を成形するものが主であったため、この知見を航空機エンジン用途のような高い信頼性が求められ、かつ大型鍛造が必要とされる製品に適用することは困難だった。
そこで同社は、関連会社の日本エアロフォージ(岡山県倉敷市)が持つ国内最大級の5万トン型打鍛造機を用いて独自の熱間鍛造方法を開発した。熱間鍛造では上金型と下金型とで高温に加熱された素材を挟み込んで押圧して成形する。大型の鍛造素材を熱間鍛造する場合には、この成形時に、素材に被覆した潤滑剤が潤滑切れを起こしやすくなることから、素材が変形する鍛造終盤において鍛造荷重が大きくなり、目標とした形状が安定して得られないことや、表面不良が発生しやすくなる。
この課題に対して、金型と素材に被覆する潤滑剤においてそれぞれ異なるものを適用し、成形時における鍛造荷重を低減させることで、安定した成形性を得るとともに、キズの発生を抑制した。この発明により、従来日本国内では生産できなかった航空機エンジン用の大型鍛造部材の製造に初めて成功し、Ni基合金製大型鍛造部材を国内の重工メーカーへ安定供給できるようになった。
さらに、Ni基合金以外の鍛造品へも技術応用できる観点からも、他の重要部品への展開や使用するレアメタル量の削減も期待されている。
2022年9月分工作機械受注総額は1,508.5億円 日工会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2022年9月分の受注実績は以下の通り。
2022年9月分工作機械受注総額は、1,508.5億円(前月比+8.3% 前年同月比+4.3%)となった。受注総額は、3カ月ぶりの1,500円超、単月として過去14番目の高水準。9月では2018年(1,535億円)に次ぐ過去2番目。1,000億円超は20カ月連続。
内需は524.2億円(前月比+1.2% 前年同月比△8.9%)で、4カ月連続の500億円超。年度半期末の効果もあり、前月比増加。これまでの勢いは落ち着きつつあるものの、国内需要は堅調持続。
外需は984.3億円(前月比+12.4% 前年同月比+13.1%)で、3カ月ぶりの950億円超。年度半期末や展示会効果により主要3極全てで前月比増加。9月としては2018年(890億円)を超え、過去最高額。
9月の受注は内外需とも依然として高レベルの受注が継続。金融政策の動向に伴う世界景気の先行きなどを注視。
9月分内需
524.2億円(前月比+1.2% 前年同月比△8.9%)。
・4カ月連続の500億円超。前月比3カ月ぶり増加。前年同月比19カ月ぶり減少。
・前月比3カ月ぶり増加。前年同月比19カ月ぶり減少。
・前年の受注額が高水準だったため前年同月比減少も受注水準は堅調持続。
(出所:日本工作機械工業会)
9月分外需
984.3億円(前月比+12.4% 前年同月比+13.1%)
・3カ月ぶりの950億円超。9月では過去最高額を記録し、単月でも過去10番目。
・前月比4カ月ぶり増加。前年同月比23カ月連続増加。
・期末効果や展示会効果により、主要3極全てで前月比増加し、高水準持続。
(出所:日本工作機械工業会)
2022年9月分 機械工具生産額まとまる 日本機械工具工業会
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2022年9月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。
■生産額
切削工具 384.6億円(105%)、耐摩耗工具 32億円(102%)、総合計 424.4億円(105%)。
■ドリル生産額
特殊鋼工具 15.4億円(110%)、超硬工具 42.5億円(118%)、ダイヤ・CBN 0.7億円(74%)、総合計 58.6億円(115%)。
■エンドミル生産額
特殊鋼工具 4.7億円(113%)、超硬工具 38.3億円(98%)、ダイヤ・CBN 1.5億円(130%)、総合計 44.6億円(101%)。
■カッタ生産額
特殊鋼工具 0.8億円(122%)、超硬工具 5.5億円(105%)、ダイヤ・CBN 0.5億円(86%)、総合計 6.8億円(104%)。
■ギヤカッタ生産額
総合計 7億円(101%)。
■ブローチ生産額
総合計 7.2億円(88%)。
■ねじ加工工具生産額
特殊鋼工具 33.2億円(107%)、超硬工具 3.9億円(118%)、総合計 37.1億円(108%)。
■バイト生産額
特殊鋼工具 0.4億円(157%)、超硬工具 9.1億円(94%)、総合計 9.6億円(96%)。
■リーマ生産額
特殊鋼工具 1.5億円(104%)、超硬工具 2.6億円(100%)、総合計 4.1億円(101%)。
■鋸刃カッタ生産額
特殊鋼工具 1.4億円(108%)、超硬工具 0.7億円(114%)、総合計 2.1億円(110%)。
■インサート生産額
超硬工具 156.9億円(108%)、ダイヤ・CBN 19.1億円(96%)、総合計 176億円(106%)。
■ボディ関係生産額
総合計 17.5億円(101%)。
■超硬合金生産額
切削用 153.7億円(103%)、耐摩耐触用 15.4億円(97%)、総合計 171億円(101%)。