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イワタツールが絶好調! オープンガレージ見学会を開催

業績について説明をする岩田社長
業績について説明をする岩田社長
 来年90周年を迎え、愛知ブランド企業にも認定されているイワタツール(社長=岩田昌尚氏)が、10月4日(水)、本社(名古屋市守山区花咲台2-901-1テクノヒル名古屋)にてオープンガレージ見学会及び懇親会を開いた。

 会に先立ちプレス向けに業績報告が行われた。
 それによると2016年度の実績は、売上が前年度比12%増、経常利益 同32%増となった。2017年度上期については、前年同期比13%増、経常利益同25%増となった。なお2017年度は売上前年度比15%増、経常利益同40%増を計画している。 

 2016年度について岩田社長は、「前行程加工の厳しい精度要求に応えるため、精密空調を設備している第三工場を立ち上げ、オープンガレージを完成させた。去年から今年にかけて、MAKINO、WALTER、ROLLOMATICと設備を増設させ、タイ工場を拡張させた」と説明した。業績増の要因として、東日本、ヨーロッパ、タイの売上が向上したことを挙げた。

2018年度は、自社製の研削盤を本格的な生産に持ち込む計画をしている。また、第一工場の空調設備の入れ換えを行い、精密空調エリアを拡大、集中クーラントの設備建設を行うとした。これにより、工場内環境の改善や空調用エネルギーを削減する。

 新製品について、①トグロンハードロングドリル サイズ追加、②SPセンター サイズ追加、③トグロンハードドリルOH オイルホール、④交換式SPセンターが、2017年末にかけて順次出荷予定とした。なお、参考出品だった①SPセンターZERO、PCDドリル リーマ-、PCBNドリル リーマーの開発が終了し、順次発売するとした。

 新開発商品について岩田社長は、「未発表のエンドミルがある。どこにもカブることのない工具です」とした上で、「前回のJIMTOFで披露した“MDS 小径ドリルユニット”をさらに進化させ、10月18日からポートメッセなごやで開催されるMECT2017で展示する予定」とした。

オープンガレージで子ども達がものづくり

子ども達にものをつくる楽しさを!
子ども達にものをつくる楽しさを!
 オープンガレージ見学会では、岩田社長がオープンガレージを開設したいきさつについて、「ものづくりの楽しさを伝える、ものづくりの基本を知り、難しさ、厳しさを伝えることを目的としている。子ども騙しではなく、実際に使えるモノを製作することで基本や手順を知らなくては出来ないことなど、失敗を通じて知ることが重要です」と話した。

 このオープンガレージの特長は、電気・電子工作、プログラミングや木工だけでなく日常体験することのできない金属加工やロボット制御などを体験できることの他、なごやサイエンスパークヒルには、産総研など公的研究機関や開発型企業が集積し、連携が可能であることが挙げられる。「教育機関、研究機関、民間の一銭の技術者と交流ができるメリットがある」と岩田社長。運営については、名古屋市、市民経済局、各大学、NPO法人G-net、名大社、近隣企業などと連携のうえ、学生も協力している。

 オープンガレージの実績報告を同社のインターン生 長崎むめのさんが行い、懇親会が開催された。和やかな雰囲気の中、中締めを行い散会した。

インフォシス リミテッド日本支店が日本市場でデジタルソリューション事業を強化 ~デジタルトランスフォーメーションの先進企業の買収をはじめ戦略パートナーとの協業によりビジネスを拡大~

大西俊介 日本代表
大西俊介 日本代表
 インド・バンガロールに本社を置くインフォシス リミテッド日本支店(日本代表=大西俊介氏)は、このほど本年度より、デジタルソリューション事業を強化し、日本における戦略事業のひとつとして確立させ、2020年までに同事業の顧客数を拡大させると発表した。

 同社では、2020年までの成長戦略として、デジタル、次世代ERP、AI、IoT、エンジニアリング、グローバルPLMの6つの事業分野を最重要戦略ソリューションとして位置付けているが、中でも最も最も重要なデジタルソリューションでは、グローバルに展開するインフォシス社のグローバルエキスパートメンバーを日本市場に投入するほか、日本国内においても、デジタルソリューションに特化したエキスパートの育成および採用を強化していくとしている。

 インフォシス リミテッドは、これまでに50ヵ国、1,000社以上の顧客に対して、デジタルソリューションを提供。インド・バンガロールやニューヨーク、ロンドン等、世界9拠点に、デジタルソリューション分野のエキスパートが、各地の市場に合致した最適なカスタマー・エクスペリエンスを実現する「デジタル・スタジオ」を運営している。

 主に同スタジオを通じて、デジタル・トランスフォーメーション、エクスペリエンス・デザイン、オムニチャネル・コマース、デジタルオペレーション、データ&アナリティクス等で構成されるエンド・トゥ・エンドのデジタルソリューションを提供。このインフォシス リミテッドのリソースを日本市場で活用していく予定だ。

 さらにインフォシスでは、すでに、デジタル・トランスフォーメーションやカスタマー・エクスペリエンス分野の先進企業である英国ブリリアント・ベイシクス社(Brilliant Basics、本社:英国ロンドン、CEO:アナンド・ベルマ)を買収し、エンド・トゥ・エンドのデジタルソリューション事業を、より一層強化することを計画している。インフォシス リミテッド日本支店においても、ブリリアント・ベイシクス社を買収によって拡張する先進的なデジタルテクノロジーをいち早く活用し、主に小売りや金融サービス、製薬会社等の業界の企業を対象に、デジタルソリューション事業を展開していく。

 Adobe をはじめ、IBM やSAP 等、世界有数のデジタル・リーダー企業との提携を実現しており、これらのアライアンスパートナーを最大限に活用し、顧客に対し革新的なソリューションを提供し、デジタル事業を拡大していく。

インフォシスの強みとは

 インフォシスは、世界中のリソースを活かしてITシステムの全てのライフサイクルの領域に係わるサービスを提供している。同社は、1981年にインド・プネで誕生したインド初のIT企業。現在の従業員数はグローバルで約20万人、売上総高102億1000万米ドル(約1兆1495億4400万円)を擁する世界でも有数のITコンサルティングおよびテクノロジーサービス企業だ。

 10月2日、同社で開かれたプレスランチョンで大西日本代表は、「グローバルなマーケットを含めて日本市場を重要な戦略地域と認識している。従来は外資系の日本法人、あるいはグローバルに拠点を持っているので英語にアレルギーがない企業が中心だったが、より日本的なお客様にもサービスを提供していく。サービスの観点からいくと従来はERPやアプリケーション開発が多かったが、グローバルな視点から、IoT等も含めてデジタル・ソリューション分野で競争し、ポジションを獲得していく」と成長戦略について触れ、サービスラインについて述べた。それによると、①次世代ERP、②IoT、③デジタルマーケティング、④フィンテック、⑤AI&オートメーション、の5つの分野に注力するとした。

 「日本のITおよびIoTマーケットはどのように捉えられているか」という点について大西代表は、「IoTという言葉自体は日本に上陸してまだ4~5年になるが、日本発でグローバルに大々的なサービスを行っているという実用的なケースがあるとは言い難い」という認識を示し、「コミュニケーションを通して活動している中で、IT等の象徴としてよく聞く言葉がサービスではなく、“取り組み”。その裏にあるPOC(概念実証)をトライアルとして行っていくことは広がっているとは感じているが、大きなサービスとして繋がっているか、といえばドイツやアメリカに比べて遅れているのではないかと感じている」と話した。

 この分野で“テコ入れ”をするという大西代表。「日本で事業をつくっていくチャンスがある」との見込みだが、これについては、「特に欧州、米国での圧倒的な実績」を挙げた。同社は、IIC(米Industrial Internet Consortium)の主要メンバ-であり、25テストヘッドのうち6つをリードし、米国IoTを支えている。参加企業としては1社あたり最多テストベットをリードしている。

 なお、IICテストベットの一部事例は下記の通り。

(1)設備利用率(資産効率)向上
 リアルタイムに正確なデータを取得し、正しい判断を下す分析
 ・インフォシス、Bosch、GE、IBM、Intel、PTC

(2)産業デジタルスレッド
 製造現場から得られる大量のデータ(デジタルスレッド)を活用する製造業向け分析
 ・インフォシス、GE

(3)コネクティドケア
 オープン医療IoTエコシステムの確立とリモート患者管理と分析
 ・インフォシス、マサチューセッツ総合病院、PTC

(4)高精度農業マネジメント
 世界中の気賀に対する農業のIoTソリューションをつくり出すこと
 ・インフォシス、サカタのタネUS

●インフォシスリミテッド 日本代表 大西俊介 氏

1986年、一橋大学経済学部卒業後、同年日本電信電話(株)に入社、(株)NTTデータ、外資系コンサルティング会社等を経て、2013年6月より、(株)NTTデータ グローバルソリューションズの代表取締役に就任。通信キャリア、ITサービス、メディア、ハイテク業界を中心に海外ビジネスの再編、事業展開、クロスボーダーな経営統合、経営レベルのグローバルプログラムの解決等、グローバル企業や日本企業の経営戦略や他文化・多言語の環境下での経営課題解決について、数多くのコンサルティング・プロジェクトを手掛ける。2017年1月1日、インフォシスリミテッド 日本代表に就任、現在に至る。

ヤマザキマザックが航空機部品などの高速・高精度加工を実現する同時5 軸横形マシニングセンタ 「HCR-5000S」をリリース

 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)がこのほど航空機部品などの高速・高精度加工を実現する同時5 軸横形マシニングセンタ「HCR-5000S」をリリースした。

 「HCR-5000S」 は、同社が長年培ってきた横形マシニングセンタと同時5 軸加工機のノウハウを盛り込み、高速・高精度加工を実現する機械として開発したマシン。同時5 軸加工で求められる複雑な軸移動に対し、高い応答性で駆動できる剛性を確保することで、サイクルタイムの大幅短縮を実現する。また、片持ちタイプのチルトロータリーテーブルの採用で加工領域直下に幅広いセンタートラフを配置する機械構造とした。クーラントタンクは大容量800L を標準搭載し、大量のクーラントを吐出することで切屑を機内に滞留させることなくスムースに機外へ排出する。

 主軸は標準の12000 min-1 仕様から、航空機部品に代表されるアルミニウム素材の高速加工に最適な、高速・高出力の30000 min-1・80kW 仕様まで4種類をラインアップ、加工ニーズに合わせた仕様の選択が可能。直線軸のボールねじには軸心冷却を標準採用、主軸にも冷却機構を搭載し、さらに構造体であるベースを完全にカバーで覆うことで、クーラントなどによる急激な温度変化を抑え、高精度加工を長時間安定して行うことができる。

 また、加工部品装脱着時のテーブルへの接近性や大型窓による機内視認性、保守ユニットの集中配置など、作業性や保守性にも配慮した機械設計となっている。

特長

(1) 同時5 軸加工で高速加工を実現する構造の採用
 同時5 軸加工で求められる応答性の高い駆動系を実現すべく、剛性の高い機械構造を採用。複雑な動きが必要な軸移動において加速度の変化に追従する剛性を確保することで、高い生産性を実現する。

【早送り速度】 60m/min(X,Y,Z 軸) 30 min-1(A 軸) 50 min-1(C 軸)
【軸送り加減速度】 1.0G(X,Y 軸) 0.8G(Z 軸)

(2) 切屑排出性を考慮した基本構造を採用
 切屑の排出性の高い横形マシニングセンタ構造に加え、新開発の片持ちタイプのチルトロータリーテーブルの採用と加工領域直下に幅の広いセンタートラフを配置したことにより、切屑を機内に滞留させることなくスムースな機外への排出が可能。クーラントタンクは800L の大容量のものを採用し、大量のクーラントを吐出する。

(3) ビルトインモータ構造採用した主軸を搭載、高速・高出力タイプなど4種類をラインナップ
 駆動用ギアを排除することで振動を最小限に抑えたビルトインモータ構造の主軸を搭載し、12000 min-1(標準)から18000 min-1, 25000 min-1, 30000 min-1(高速・高出力80kW タイプ)まで各仕様をラインナップした。さまざまな加工ニーズに合わせた選択が可能である。

(4) 各種の熱対策により熱変位を抑制、長時間の高精度加工を実現
 直線軸のボールねじは軸心冷却を標準採用、主軸にも冷却機構を搭載。またベースをカバーで覆うことで、熱源となる切屑やクーラントが直接構造体に当たることを防ぎ、熱変位を抑制、さらにサーマルシールド機能で制御的にも熱変位を最小化する。

(5) 作業性や保守性に配慮した機械デザイン
 接近性を良くしたチルトテーブルにより、作業しやすい水平方向でワーク段取りを行い、加工時は切屑が落ちやすい垂直方向で加工が可能。大型窓による機内視認性、保守ユニットの集中配置など作業性や保守性に配慮した機械デザイン。

主な仕様

圧倒的な切削能力! 高性能主軸speedMASTERを搭載した高精度5軸制御マシニングセンタ「DMU 50 3rd Generation」販売を開始

 DMG MORIがこのほど高性能主軸speedMASTERを搭載した高精度5軸制御マシニングセンタ「DMU 50 3rd Generation」の販売を開始した。この製品は、同社の従来機に顧客からの要望を反映し、様々な面で性能を向上させたマシンである。

 注目は、自社開発の高性能主軸である最高回転速度15,000 min-1のspeedMASTERを標準搭載し、111 / 85 N·mの高トルクを実現していること。同社従来機比で切削能力を50%向上している。さらに、フルクローズドループ制御(スケールフィードバック)を全軸標準装備することで、位置決め精度6 µm以内を実現。X/Y/Z軸をモータ直結で駆動することで、早送り速度42 m/min を達成し、高速・高精度な加工を実現する。

 設置面積も6.7 ㎡とコンパクトでありながら、同社従来機比で78%増の広い加工エリアを確保することで、作業空間の見通しも良くなり、機内へのアクセスも抜群に良くなった。

 また、145°(-35°~+110°)の広いB軸旋回範囲を持つNC回転傾斜テーブルにより、複雑形状のワークも一回の段取りで加工が可能になった。先月のドイツ・ハノーバーで開催されたEMOショーより全世界へ販売を開始し、同時5軸加工の定番モデルとし注目を浴びた。

 このマシンは、10月18日よりポートメッセなごやで開催のメカトロテックジャパン2017では日本初披露する。

特長

加工の様子
加工の様子

(1)高速・高精度
●speedMASTER主軸の標準搭載
自社開発の高性能主軸である最高回転速度15,000 min-1のspeedMASTERを標準搭載し、111 / 85 N·mの高トルクを実現。切削能力を50%向上。
●高性能なリニアスケールを標準装備
フルクローズドループ制御(スケールフィードバック)を全軸標準装備することで、位置決め精度6 µm以内を達成。
●X/Y/Z軸はモータ直結駆動設計で、早送り速度42 m/minを達成。

(2)スペース効率
●6.7 ㎡というコンパクトな設置面積で78%増の広い加工エリア。
●145°(-35°~+110°)の広いB軸傾斜角度
移動量 X軸: 650 mm、Y軸: 520 mm、Z軸: 475 mm
●最大工具収納本数が30本のツールマガジンを標準装備。

(3)多数のテクノロジーサイクル
要望に合わせて様々なテクノロジーサイクルを搭載可能。
 ●MPC(Machine Protection Control)を標準装備。●
●3Dクイックセット、ATC (Application Tuning Cycle)などをオプションで搭載可能。

(4)インダストリー4.0 / コネクテッドインダストリー対応
 独自のヒューマンマシンインタフェース(HMI)、CELOSが生産の課題を明らかにし、生産性向上に貢献。
●ネットワークでつながった機械の加工状況や工場全体の稼働状況を視覚化(DMG MORI Messenger)。
●各種センサで機械のデータを記録し、機械や加工状況の問題を早期発見(Condition Analyzer)。

(5)自動化対応
機械本体だけでなく、機械・搬送装置・周辺装置・生産管理システム、さらには加工技術・治具・工具・測定まで一体となった自動化システムを高品質、短納期で提供する。
●標準オプションとして最大150パレットまでの部品をハンドリング可能な自動化システム“PH150│8”をご用意。

主な機械仕様

三菱マテリアルが刃先交換式ドリル「MVX」のサイズを拡大

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)がこのほど、刃先交換式ドリル「MVX」にドリル径Φ14mmからΦ16.5mmを追加し、販売を開始した。

 刃先交換式ドリル「MVX」は、完全4コーナ仕様により経済性が良く、外刃・内刃の材種を最適な配置とすることにより、これまで以上の切削性能と長寿命を実現しており人気を博しているが、小径への展開として、ドリル径Φ14mmからΦ16.5mmを追加し、シリーズの拡大を図る。

 刃先交換式ドリル「MVX」の主な特長は、以下の通り。

① 切削速度の高い外刃に耐摩耗性の高いCVDコーテッド超硬材種、切削速度の低い内刃に安定性の高いPVD コーテッド超硬材種をそれぞれ配置することにより、摩耗バランスを最適化し、長寿命を実現。
② 表面の硬度を従来製品より高めることにより、切りくずとの耐擦過性を強め、ボディの長寿命を実現。
③ クーラントの勢いの損失が比較的少ない傾斜クーラント穴を採用することにより、深穴からの切りくず排出をサポート。

標準価格(いずれも税抜価格)
・(代表型番) MVX1400X2F20:43,300円
・MVX1650X5F20:56,900円
・SOMX052704-UM MC5020:1,160円
・SOMX052704-UM VP15TF:1,160円
        

タンガロイが「DirectTungJetシステム」(ダイレクトタングジェットシステム)用ホルダの発売を開始

 タンガロイ(社長:=木下聡氏)は、このほど高生産性加工を可能にする高圧クーラント用ホルダ「TungTurn-Jet」(タングターンジェット)に、内部給油用のホース配管を不要とし、機械設備から直接ホルダ内部へ給油可能な「ダレクトタングジェットシステム」用の自動盤用高圧給油ホルダ「TungTurn-Jet」(タングターンジェット)の発売を開始した。

 この製品は、ホルダ内部から高圧で供給されるクーラントをクーラントユニットからインサートの刃先に最も近い位置から直接供給可能な機構を採用している。これにより、通常の外部クーラント対応ホルダでは切りくず処理が困難であった難削材などに対し、切りくずの強制的な分断や切りくず流出方向を変化させることで切りくず処理性の大幅な改善を可能にした。さらに、前面クーラント穴からもインサート逃げ面へクーラント供給が可能であり、切りくず処理性の向上だけでなくインサートの損傷抑制にも効果を発揮する。

 ダイレクトタングジェットシステムは、従来必要とされていたホース配管を用いずに、自動盤機械の刃物取り付け台に設けられた給油口からダイレクトにホルダ内部へ切削油の給油を可能としたシステム。これにより、ホース配管作業をせずに内部給油ホルダを容易に機械へ取り付けることが可能となり、また従来問題となっていた内部給油用ホースへの切りくずの巻き込みも解消できる。一方、従来同様にホース配管接続による使用も可能である。

 追加拡充するタングターンジェットには、従来の前挽き加工用工具だけでなく、溝入れ・ねじ切り加工用工具のTetraMini-Cut(テトラミニカット)、突切り加工用工具DuoJust-Cut(デュオジャストカット)も設定し、トータルツーリングを可能とした。

主な特長
 ●ホース接続による配管が不要で、機械タレットから直接ホルダ内部へ切削油の供給が可能
 ●高圧クーラントにより、切りくずを強制的に分断し、顧客の生産性を飛躍的に向上させることが可能
 ●クーラントをインサートの刃先に最も近い位置から直接供給することで、切りくず処理性及び耐摩耗性を大幅に向上させることが可能

主な形番と標準価格(いずれも税抜価格)
・JSWL2XR1212X04-CHP:32,520円
・STCR1212X18-CHP:23,100円
・JSXXR1212X09-CHP:22,800円

・アイテム数:32アイテム

日立建機が ホイールローダ「ZW370-6」を発売

 日立建機(執行役社長=平野耕太郎氏)がこのほど、新型ホイールローダZW-6シリーズとして、ZW370-6(標準バケット容量5.6m3、運転質量32.4t )を日本国内向けに発売した。

 この製品は、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(以下、オフロード法)」2014年基準に適合したホイールローダで、従来機(ZW370-5B)の操作性や耐久性などの優れた性能を踏襲しながら、より高いレベルの市場の要望に応えるため、「環境性能」、「経済性」、「作業性能」、「メンテナンス性」、「安全性・運転環境」の各種機能を改良し、さまざまな作業現場に適したパフォーマンスを発揮する。また、排出ガスの後処理装置にPM除去フィルタレスの「尿素SCRシステム」を採用したことで、定期的な清掃や交換などのメンテナンスが不要となり、長期的なメンテナンスコストやメンテナンス中のダウンタイムの低減を実現し、ユーザーニーズに応ええている。

 販売目標は、国内向けに年間30台としている。

キタムラ機械がマシニングセンタの稼働状況をスマホにお知らせ

 マシニングセンタ専業メーカーのキタムラ機械(社長=北村彰浩氏)は、業務提携先である米国シリコンバレーの機械加工現場ソフトウェア専業ソフトウェアハウスFactoryWiz社(ファクトリーウィズ社、カリフォルニア州サンノゼ市)とともに共同開発した機械稼働状況管理ソフトウェア、Anywhere-Remote(エニウェア-リモート、商標登録済)を9月18日からドイツ・ハノーバーで開催された国際工作機械見本市(EMO2017)において発表した。

 Anywhere-Remoteは、世界のどこからでも工場のマシニングセンタの稼働状況を知ることができる、IoT対応の新しい形の提案である。Anywhere-Remoteは、三段階で構成されており、顧客の目的に合わせてアップグレードできる。

 基本型の「Anywhere-Remote 電子メールサービス」では、機械のサイクル完了時、アラーム発生時、即時電子メールが発信される。電子メールは、事務所のパソコン、スマートフォンなどで受信できるうえ、ユーザーの任意設定によるメッセージ送信が可能である。

 例えば、加工完了の十分前に電子メールで通知することなど便利な使い方ができるほか、機械のオフセット値が変更されたことの通知など様々な使い方ができる。また、機械の状況(稼働中、停止中、一時停止中など)の定時配信機能も備えている。

 同社では、この「Anywhere-Remote 電子メールサービス」を同社独自開発CNC 「Arumatik-Mi」コントロールに標準装備し、普及させていく方針。

 「Arumatik-Mi」は、2008年に世界で初めてアイコン表示のタッチパネルを採用した第4世代CNC装置であり、高解像度CCDカメラ、マイク、スピーカーを標準搭載し、インターネット技術を駆使した使い易さが評価され、発売から既に3,000台以上の納入実績を達成している。

 オプションとして、「Anywhere-Remote 機械モニタリング」ベーシックを用意し、複数台の機械の稼働状況の見える化と管理を実現している。工場内、事務所に設置するモニターに機械の状況(稼働中、停止中、一時停止中、主軸や送りのオーバーライド設定状態、サイクルタイムなど)を見やすくまとめた画面で表示する。個々の顧客向けのデータ、画面表示のカスタム化も可能である。

 ドイツのハノーバーで開催されたEMOショーでは、5台の展示機に装備、実演し、実際に体験できるデモを行い、好評を博した。

三菱マテリアルが続々と新商品を投入! 

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)が、このほど、①高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種“BC8100シリーズ”にワイパーインサートを追加、②高能率アルミニウム合金仕上げ正面削りカッタ「FMAX」にカッタボディを追加、③低抵抗両面インサート式汎用正面削りフライス「WSX445」にアイテムを追加――と、続々新商品を投入している。

高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種“BC8100シリーズ”にワイパーインサートを追加

 高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種“BC8100シリーズ”は、高硬度鋼旋削加工においてコーティングおよびCBN母材を新開発・採用することにより、抜群の耐摩耗性
と高い刃先靱性を発揮する材種。

 特に自動車部品など高硬度鋼の断続的な旋削加工では、汎用性に優れ工具交換の低減による生産効率向上を実現する。

 このほどワイパーインサート「WL」のアイテムを追加することにより使用範囲が広がった。
ワイパーインサート「WL」の特長は、以下の通り。

 ① ワイパー刃先稜線に微小な傾斜を持たせることで当たり面を抑制。
 ② 内径加工や小径ワーク加工にて発生しやすい、びびり・うねりを抑制。
 ③ 切削抵抗を低減させることにより、面粗さの安定を実現。

標準価格(いずれも税抜き価格)
・NP-CNGA120404FBWL2 BC8110:5,220円
・(代表型番)NP-CNGA120412GBWL2 BC8120:5,220円        
・NP-CCGW09T304FBWL2 BC8105:5,810円
・NP-CCGW09T308GBWL2 BC8120:5,810円

高能率アルミニウム合金仕上げ正面削りカッタ「FMAX」にカッタボディを追加発売

 高能率アルミニウム合金仕上げ正面削りカッタ「FMAX」は軽量化と高剛性を両立させた正面削りカッタ。従来品以上の多刃設計により、アルミニウム合金などの非鉄金属を、工具径125mm24枚刃にて、テーブル送り速度毎分20m以上の高能率で加工することが可能となり、自動車部品などの加工の高能率化を実現できる。

 このほどカッタ径Φ40mmとΦ160mmのカッタボディを追加することにより適応範囲が広がった。
 特長は以下の通り。

 ① インサートのすくい面上に設けたボディプロテクタと切れ刃に向かうクーラント効果により、理想的な切りくずの排出性を実現し、カッタボディへの擦過損傷を抑制。
 ② カッタ径Φ80mm以上のカッタボディは、アルミニウム合金と特殊スチール合金の組み合わせで、軽量化と高剛性を両立させ、ダブテイル拘束(逆テーパ溝形状)構造とすることにより、高速回転時にインサートの飛び出しを防止。
 ③ インサートの振れ精度調整機能により、複数回の再研磨に対応した調整量を確保し、高精度なセッティングを容易に行うことが可能。

標準価格(いずれも税抜き価格)
・FMAX-040A04R:93,000円
・FMAX-040A06R:113,000円
・FMAXR16016D:391,000円
・FMAXR16024D:520,000円

低抵抗両面インサート式汎用正面削りフライス「WSX445」にアイテムを追加

 三次元形状インサートの生産技術が向上しネガティブインサートによる正面フライスが市場に浸透している中において、低抵抗両面インサート式汎用正面削りフライス「WSX445」は、ポジティブインサートとネガティブインサートの特長を融合。これにより、両面(4コーナ×2)使用できる経済性と従来成し得なかった低抵抗を実現させた。

 今回、カッタ径Φ250mmとΦ315mmと「Lブレーカ」左勝手インサートを追加し、使用用途をさらに拡大する。
 主な特長は、以下の通り。
 ① 大径カッタボディは、大型の被削材や高能率加工に最適。
 ② カッタ径Φ250mmは左勝手も同時追加し、両頭フライス盤などに使用可能。
 ③ 「Lブレーカ」左勝手インサートは、切れ味重視の低抵抗タイプで、難削材の加工や機械・被削材の剛性が低い場合に最適。

標準価格(いずれも税抜き価格)
・WSX445R25010KN:174,000円
・WSX445L25010KN:174,000円
・WSX445R25014KN:198,000円
・WSX445R31514PN:364,000円
・SNGU140812ANFL-L TF15:1,380円
・SNGU140812ANEL-L MC5020:1,800円

三菱日立ツールが高能率仕上げ用6枚刃ボールエンドミル「EPHB-PN形」を発売

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が、このほど高能率仕上げ用6枚刃ボールエンドミル「EPHB-PN形」を発売した。ダイカスト・樹脂・プレスなどの大型金型の高能率仕上げ加工に威力を発揮する。

 昨今の金型市場においては高精度な加工を高能率に行ないたいとのニーズが増えている。機械メーカーはそれらのニーズに対し、多軸加工機で高送り加工に対応したマシニングセンターを開発している一方、ユーザーニーズに対応するには、マシニングセンターだけでなく切削工具やCAD/CAMなど周辺技術も追従して行く必要がある。

 この製品はボールエンドミルのR刃を6枚にすることで、切込みの小さな中仕上げ・仕上げ加工で送り速度20m/min以上の高送り加工を可能にしている。また、6枚刃仕様のエンドミルの切れ刃のバラツキをできる限り小さくすることで高精度な加工を長時間維持することが可能になった。
 特長は以下の通り。

 ① 6枚刃仕様のボールエンドミル。外周付近の6枚の切れ刃を使うことで、送り速度20m/min以上の仕上げ加工が実現できる。
 ② 6枚の切れ刃ごとの振れバラツキをできる限り小さくしているので、刃毎の切削抵抗のバラツキも小さく抑えられる。そのため各刃の摩耗も均一に進行するので高精度な加工が長時間維持できる。
 ③ 一般的なボールエンドミルより剛性が高い工具設計。加えて仕上げ加工に適したポジ刃形を採用している。
 ④ 母材との密着性に優れ、耐熱性の高い「PN」コーティングの採用により長寿命である。そのため、削り残り量のバラツキを更に抑えることができる。

●仕様
EPHB-PN:(φ6~φ12)  全4アイテム

●価格(税抜)
EPHB-PN:(φ6~φ12) 17,600~38,200円(消費税別)