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オークマ 高精度大型立形マシニングセンタ「MB-80V」を新発売! ~半導体製造装置・自動車金型等の大物部品加工に最適~
オークマがこのほど、高精度大型立形マシニングセンタ「MB-80V」を販売した。このマシンは、高精度・高速・強力切削でグローバルに市場から高く評価されている立形マシニングセンタ「MB-V シリーズ」の最上位機種。拡大する半導体製造装置市場をはじめ、高品位・高精度化と自動化の需要が進む大物部品や金型部品加工に最適な“スマートマシン”として、最高の品質と生産性を提供する。
同社では、「IoTの拡大に加え、5G サービスの本格導入を目前に控えた通信産業や、CASEによって大変革期を迎えている自動車産業向けに、半導体・センサー類は今後ますます需要の拡大が見込まれている。半導体製造装置市場は、現時点では一服感があるものの、中長期的には確実に成長していく産業分野。半導体需要の拡大とともにシリコンウエハーの主流は300mm(12 インチ)と大型化しており、半導体製造装置の部品サイズも大型化している。また自動車分野では内装部品だけでなく外観部品の樹脂化が進み、中大型の金型加工の需要が増加しており、これら大型の精密部品・金型部品の生産性を向上するために、長時間の無人運転などフレキシブルな自動化対応が可能、かつ省スペースの機械が求められています。」と開発の背景について述べている。
また、新開発の「MB-80」は、省スペースでありながらクラス最大級の加工エリアを持ち、AI 技術の活用により自動化・無人化に向けて“止まらない機械”を志向した高精度大型立形マシニングセンタであり、① 省スペースでありながら、半導体製造装置の部品加工、自動車関係の金型向けに最適な広さのテーブルサイズを最大限に活用できるワイドな加工エリア、② AI 技術を活用した予知保全と、世界最高水準の寸法安定性による長時間無人運転の実現 ③「止まらない機械」を実現する高い切粉処理性能とフレキシブルに自動化対応できる優れた拡張性、④ No.50 コロ軸受採用により、重切削の荒加工から高品位の仕上げ加工まで、この1 台でオールラウンドに対応。生産リードタイムの大幅短縮を実現――という優位性を持っている。
特長と実現技術
(1)テーブルサイズを最大活用。クラス最大の加工エリアを最小のスペースで提供
●ワークとの干渉を気にすることなく、工具計測も多面加工も対応可能
・テーブルサイズ 1,600mm× 800mm
・XYZ 軸 移動量 1,600mm× 1050mm × 600mm (加工エリア 従来機比 54%拡大)
●省スペース設計で、設置床面積に対する加工範囲を最大化 (面積生産性 従来機比 27%向上)
(2) AI 技術を活用した予知保全技術とサーモフレンドリーコンセプトによる優れた精度安定性により長時間の無人運転が可能
●AI 主軸診断とAI 送り軸診断で主軸軸受やボールねじの異常有無と異常部位を特定、計画的なメンテナンスによりマシンダウンを未然に防止
・異常度の傾向を見える化することで計画的なメンテナンスが可能。生産計画を遵守
・誰でも簡単に短時間で診断が可能。診断に必要な計測器やスキルは不要
●1 万台以上の実績を誇るMB-V シリーズの高精度門形構造と5 万台以上の搭載実績の「サーモフレンドリーコンセプト」を採用
・温度変化8℃における経時寸法変化8μm (実績値)
・同サイズのマシニングセンタとして世界最高水準の寸法安定性
・大物部品の長時間連続加工おいても、抜群の寸法安定性を実現することで、作業者による寸法補正作業が不要。
・AI技術の活用により進化したサーモフレンドリーコンセプトで広いテーブル全域の熱変位を補償
(3)大物部品の自動化に対応した高い切粉処理性能と拡張性
●大量のアルミ切粉も一掃。面倒なワーク清掃、機内清掃作業を激減し、機械稼働率を向上
・切粉を堆積させない機内カバー垂直構造に加え、クロスレールシャワー洗浄によりワークやテーブル上の切粉を一掃、清掃作業を激減
・幅広の機内ヒンジ式コンベヤをテーブル前後に設置。大量の切粉もスムーズに排出
●APC 仕様時の段取り作業と機内作業の動線を最短化、作業性を大幅に向上
●多様な自動化を実現する油空圧治具対応
・最大8 系統16 本の配管をテーブルへ供給可能。多彩な自動クランプ治具を実現
(4)荒加工から仕上げ加工まで一台で完遂。生産リードタイムを大幅短縮工
●No.50 コロ軸受採用 強力主軸による高能率加工で切削時間短縮
・フライスによる切削量 669 cm3/min の重切削(S45C 材)を実現 (従来機比33%向上)
●NC 制御技術「Hyper-Surface」で金型仕上げ加工面品位の向上と加工時間の短縮を両立
・加工プログラムの乱れを自動補正、指令位置や送り速度のバラツキを抑制
ダイジェット工業 「QM マックスシリーズ」ラインナップ拡張!
ダイジェット工業は、このほど、かねてから好評を博している多刃高能率加工用工具「QM マックス」に、ラインナップを追加発売した。
特長は以下の通り。
●高精度版QM マックスモジュラーヘッド MQT 形
現在発売中の「高精度版QM マックスモジュラーヘッドMQT 形」は、今後ますます普及が進む5 軸加工機のみならず従来の3 軸加工機にも対応、より高精度な加工を求めるユーザーに好評を得ていることを受け、今回、工具径φ32 の6 枚刃タイプモジュラーヘッドを追加ラインナップ。
この製品は、「QM マックス」の高精度タイプ。従来タイプよりボディバランスを向上させ5 軸加工機等の複合加工機にも対応。インサートはH 級。併せて多刃仕様により高能率加工が可能。マスターインサートによる本体外径許容差-0~-0.03を実現(側面仕上げ用のYPHW 形インサート使用時)。炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼入れ鋼、鋳鉄、ステンレス鋼の側面仕上げ加工、傾斜面仕上げ加工、および肩削り中仕上げ~仕上げ加工用に威力を発揮する。
<サイズ・価格>
・形番:MQT-6032A00-M16 形(φ32 の6 枚刃タイプモジュラーヘッド、本体傾斜角度0°)(1 形番)
・標準価格:62,500 円(税抜き)
●QM マックス肩削り用インサートZPMT-PL 形(材種JC8050)
黒皮級でありながら底面・側面の中仕上げ~仕上げ加工まで可能な同インサートに、ステンレス鋼や炭素鋼・工具鋼の強断続加工に最適なPVD 材種「JC8050」を追加し、さらに適用範囲の拡大を図った。
特長は、(1)インサートの外周切れ刃を大きな曲線形状とすることにより、ピックの重なり部が滑らかになり、かつ側面たおれ量0.01 ミリ以下を実現できる(被削材S50C、Z ピック3 ミリ加工時)、(2)インサート材種は既存の「DH102」「JC8118」「CX75」に加え、ステンレス鋼や炭素鋼・工具鋼の強断続加工に最適なPVD 材種「JC8050」を新たにラインナップした。炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼入れ鋼、鋳鉄、ステンレス鋼、アルミ合金、チタン合金などの肩削り、平面削りに威力を発揮する。
<サイズ・価格>
・形番:ZPMT-PL 形(ステンレス鋼・鋼用)インサート材種:JC8050 コーナR0.4、R0.8、R2.0 をラインナップ(3 形番)
・標準価格:910 円(税抜き)
タンガロイ 刃先交換式サイドカッタ「TungThinSlit」シャープエッジインサート拡充
タンガロイがこのほど、刃先交換式サイドカッタ「TungThinSlit(タング・シン・スリット)」にシャープエッジインサートを拡充した。
「TungThinSlit」は、独自のインサート形状を有した刃先交換式サイドカッタ。このインサートは、片面を右勝手、もう片面を左勝手とした左右両勝手タイプで、計6コーナが使用できることにより、優れた経済性を発揮し、同時にインサートの集約にも大きく貢献する。
溝幅4~8mmの溝加工は、自動車部品のシャフトやナックルなどの低剛性ワークが多く、送りをあげにくい加工環境であり、また使用されるカッター径も切削幅に対して大きいため、切りくず厚みが薄い加工になりやすい傾向がある。このような加工では、切れ刃がシャープなロウ付けのサイドカッタを使用している場合が多く、インサートにホーニングが施された従来の刃先交換式サイドカッタでは、ビビリの発生やバリの発生などの問題が生じる場合があることを受け、今回新たに、「TungThinSlit」にシャープエッジのインサートを設定した。切削抵抗を低減し、ビビリ発生の抑制やワーク上でのバリ発生の低減が可能となる製品である。また、刃先交換式による経済性の向上や工具管理の容易性だけでなく、加工ワークの品質向上にも大きく貢献する。
主な特長
●切削抵抗の低いシャープエッジを適用
●刃立ち性の高いコーティング材種SH725を採用
●ビビリの抑制やバリの低減に効果的
●左右両勝手仕様のインサートは、多コーナの使用が可能で経済性が高く、工具管理も容易
主な形番と標準価格(税抜)
●インサート
・TVKX020202FN-MJ SH725 1,890円
・TVKX050402FN-MJ SH725 2,450円
全アイテム:4形番
DMG森精機がニコンと業務提携へ
DMG森精機が、このほど、ニコンと包括的な業務提携を行うことで基本合意したと発表した。 DMG森精機は、「今回の業務提携を行うことで、世界的な光学機器メーカーであるニコンの計測およびカメラに関連する技術を弊社の工作機械に適用し、より高度な製品を両社で開発する。また、ニコンは、当社のグローバルな販売網を活用し、レーザーによる様々な金属加工を高精度で行うことができる独自の光加工機の販売を展開するなど、ニコンの材料加工事業の立ち上げを加速する。」としている。 今回の合意により、光利用技術と精密技術をコアとして幅広い技術力を持つニコンとDMG森精機のそれぞれのリソースを組み合わせることでシナジーを創出する。 「近年、工作機械を使用する生産現場では多品種少量生産化が進む中、高精度化、デジタル化、自動化された機械の活用が増えている。加えて機械加工と計測の複合化により非接触計測技術の重要性がますます高まっている。」と、DMG森精機。 同社は、ニコンの技術を活用し、これまで以上に高精度でデジタル化を加速させる製品を開発していく。また、ニコンは、2019年度~2021年度までの中期経営計画期間中に注力するテーマとして掲げた材料加工事業において、光加工機の拡販を含め、事業立ち上げの加速を実現する。
アマダ 高速・高機能ベンディングマシン「HRB」シリーズ 日米同時発売
アマダは、このほど、高速・高機能ベンディングマシン「HRB」シリーズを日本および北米にて発売した。今後、グローバル市場へ順次展開していく予定。
「HRB」シリーズは、スキルや年齢、性別、国籍などにかかわらず、簡単に曲げ加工ができるベンディングマシン。NC装置の「AMNC 3i」には、加工プログラムを容易に作成できる「LITEモード」を新たに搭載している。23言語に対応し、タッチパネル上でナビゲーションに沿って曲げ加工の設定が直感的にできるため、個人の能力や経験に依存することなく、高精度の加工が可能。
さらに、同シリーズは、全自動金型交換装置を標準搭載した機種をラインナップ。金型選定と交換に加え、熟練技能を要する複雑な金型レイアウトも自動化する。板金加工において難しいとされる曲げ工程を効率良く進めることができる。
同社では、「近年の少子高齢化に伴う人手不足に加え、日本の板金加工現場では、熟練技能者の引退により、外国人や女性など多様な人材が増えつつある。熟練技能者の不足は、北米の現場でも深刻化している一方で、昨今変種変量生産への要求の高まりなどから、板金加工の切断工程では、機械の高速・自動化が進み、生産性が飛躍的に向上している。しかし、次の曲げ工程には、加工プログラムの作成や適切な金型選定と交換、試し曲げといった角度の精度補正などが必要となり、曲げ工程は、複数かつ複雑な作業が多く、多くの現場でボトルネックになっている。」と、板金加工の背景を述べている。
同社では、こうした曲げ工程の自動化とマシンの操作性向上のニーズに応え、「HRB」シリーズをグローバル市場における幅広い業種の生産性向上に貢献していくとしている。
「HRB」シリーズ 主な特長
(1)1. AMNC 3iに「LITEモード」を新たに搭載。初心者や外国籍の方でも簡単に操作が可能
・ オペレータ認証や多言語(英語、仏語、中国語、ポルトガル語、韓国語など、23 言語に対応、操作ナビゲーションによりマシンを使う人に合わせた画面表示が可能)
・ 形状タッチ入力により、曲げ形状を作成することができ、図面を見ながら簡単に曲げ加工のプログラムを作成することが可能。
2. 全自動金型交換装置による変種変量生産への対応 (「HRB-ATC」シリーズ)
・ 全自動金型交換装置を標準搭載した機種をラインナップ。複雑な金型レイアウトを自動化することで、熟練技能を要する金型交換が不要となり、変種変量生産における生産性を向上させる。
(3) 高速・安定加工を実現する充実した本体機能
・ 油圧ピストンポンプとそれを制御する高精度サーボモーターのハイブリッド・ドライブシステムにより、高速で安定した曲げ加工を実現する。
・ 旧来のベンディングマシンから、オープンハイトとストロークがそれぞれ150mm拡がり、深曲げや箱曲げに対応し加工範囲が拡大した。
(4) 後付け可能な多彩なオプション機能※ 3により、多種多様な曲げ加工に対応
・ 曲げ角度を自動補正する接触式角度センサーや、材料の腰折れを防止し、作業者の負担軽減と安定加工を実現する追従装置など、多彩なオプション機能を後付け可能(導入後に追加装着できるオプション。装着には条件がある)。
(5)マシンのIoT化を実現する「V-factory」対応
・ アマダと顧客がクラウドネットワークでつながることで、マシンの稼働実績や加工コストを見える化し、生産効率向上のための安心サポートを提供する。
(※ 「HRB」シリーズはオプションにて対応し、「HRB-ATC」シリーズは、標準対応)。
【事前登録受付中】「NS TOOLプライベートショー2020」が2020年1月29日(水)から2日間、パシフィコ横浜で開催(無料)
日進工具(社長=後藤弘治氏)が、2020年1月29日(水)~30日(木)の2日間、パシフィコ横浜 展示ホールCで「NS TOOLプライベートショー2020」を開催する。入場料・セミナー聴講料は無料で、事前登録制。 この展示会は、急速に進むAI・IoTにおけるSOFTの活用、機会や工具などのHARD、精緻な加工に欠かせない創り手のHEARTを融合させ、同社が考える精密・微細加工を提案することが狙い。また、講演やセミナー等も充実し、“「つくる」の先をつくる”を掲げている同社ならではの革新的な内容となっている。事前登録はコチラ↓www.ns-tool.com/nstool2020/
展示会内容
日進工具ブース ●新製品紹介 ●新しい加工技術の提案 ●精密・微細加工相談コーナ設置 ●来場者限定の記念セール開催出展者 ●機械メーカー、CAD/CAMメーカー、測定器メーカー、ツーリングメーカー、周辺機器メーカー、大学・研究機関――――工作機械計12大、その他機器多数。■1月29日(水) <基調講演> 11:25~12:25 (株)松岡技術研究所 代表取締役 博士(工学)/技術士(機械) 松岡甫篁氏<主催者セミナー> 13:25~14:35 日進工具(株)<出展者セミナー> 10:30~11:10 安田工業(株) 12:30~13:10 シチズンマシナリー(株) 14:50~15:30 東芝機械(株) 15:45~16:25 ヤマザキマザック(株)■1月30日(木)<特別講演> 10:30~11:20 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 インベストメントリサーチ部 チーフエコノミスト 李 智雄氏<主催者セミナー> 13:25~14:35 日進工具(株)<出展者セミナー> 11:35~12:15 碌々産業(株) 12:30~13:10 (株)ソディック 14:50~15:30 (株)牧野フライス製作所 15:45~16:25 三菱重工工作機械(株)
「対人地雷禁止条約第4回検討会議」のサイドイベントで対人地雷除去活動が紹介
2019年11月25日~29日にノルウェーのオスロで開催された「対人地雷禁止条約第4回検討会議」のサイドイベントにおいて、コマツと、外務省から支援を受ける認定特定非営利活動法人「日本地雷処理を支援する会(JMAS)」が提携して行っている、カンボジアおよびラオスでの対人地雷除去活動が紹介された。
「対人地雷禁止条約第4回検討会議」は、164カ国の対人地雷禁止条約締結国による国際会議であり、世界中の政府機関やNGO等が一堂に集い、各国の地雷問題について議論する会議。コマツとJMASは2008年より提携し、対人地雷の被害に苦しむ地域の地雷や不発弾の除去活動、ならびに復興までのコミュニティ開発事業のプロジェクトを行っている。
2019年9月末までの実績として、累計で5700個以上の対人地雷や不発クラスター子弾を処理し、10校の小学校の建設、70kmを超える道路の建設/整備を行った。
日立建機 日本IR 協議会「 IR 優良企業特別賞」を初受賞
日立建機が、このほど日本IR協議会が主催する「IR優良企業賞2019」において「IR優良企業特別賞」を初めて受賞した。
「IR優良企業賞」は、IRの趣旨を深く理解し、積極的に取り組み、市場関係者の高い支持を得るなどの優れた成果を挙げた企業を選び表彰することを目的としている。今年度は315社の応募があり、「IR優良企業大賞」1社、「IR優良企業賞」7社、「IR優良企業特別賞」4社、「IR優良企業奨励賞」2社の計14社が選定された。
[参考]IR 優良企業賞について
▼日本IR協議会のウェブサイト▼
https://www.jira.or.jp/activity/bluechip.html
アストロスケール 元ORBCOMM・OneWeb 出身者が経営陣に就任
宇宙機の安全運行を目指し、スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去サービスに取り組むアストロスケールホールディングスは、新たにエンジニアリング部門を統括する経営陣としてジーン・フジイ(チーフエンジニア)氏とマイク・リンジー(最高技術責任者 CTO)氏を12月9日付けで迎えた。 宇宙業界において長年のキャリアと経験を持つ両名が、本社・開発拠点の日本に在席することでエンジニア組織内の意志疎通や運営のさらなる向上を目指す。
【切削工具・周辺機器編】「メカトロテックジャパン(MECT)2019」をレポート! (後編)
10 月23 日(水)から10 月26 日(土)までの4日間、ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で「メカトロテックジャパン2019(通称MECT) 」(主催=ニュースダイジェスト社)が開催された。前回の「工作機械編後編」に続き、「切削工具・周辺機器編」を掲載する。
(切削工具・周辺機器編:イスカルジャパン、イワタツール、オーエスジー、北川鉄工所、サンドビック、ジェイテクト、住友電気工業、大昭和精機、ダイジェット工業、タンガロイ、日進工具、不二越、ブルーム-ノボテスト、三菱日立ツール、三菱マテリアル、ユキワ精工)
賢い工具がズラリと並ぶ!
●イスカルジャパン
最先端をイメージさせるブースの同社。多くの来場者が3枚刃の最新穴あけ加工用工具「LOGIQ3CHAM(ロジック3カム)」に足を止めた。この製品は切削抵抗が3枚刃で均等に分割されるため、従来の2枚刃設計と比較して生産性をアップした工具。刃振れを最小にし、高い再現性を実現する独自の“ポケットデザイン”を採用している。他にも注目したいのはチップ縦置きの仕上げ加工用ミーリング工具「TANGFIN(タングフィン)」。これは、両面4コーナを使ったワイパーチップにより、良好な仕上げ面を実現するとうたったもので、スムースな切れ味の鍵となるのが、径方向・軸方向ともにチップ位相をずらした配列。各チップの切削量も低減する。ビビリを抑制し、静かな加工音だというから嬉しい。飛躍っぷりには目を見張るものがあった!
●イワタツール
今回のMECTでは、大いに飛躍っぷりを見せつけてくれた同社。「ロボット切削で広がる可能性」をテーマにした主催者企画では、今後の可能性を示し、これが大反響を呼んだ。また、加工実演では、碌々産業の「MEGA SS-400」で、同社の「トグロンⓇハードロングドリル」にてSKD11 HRC60の焼き入れ鋼にφ1.2mm、深さ60mmの貫通穴加工を行い、来場者は興味津々。そのうえ今回は新商品として、人気の「トグロンマルチチャンファー」から9枚刃が登場! この工具、もともとはヨーロッパの「早く加工したい!」という思いを汲み入れて開発したもので、昨今、マシンの納期遅れもあって世界中の「早く加工したい」というニーズの波に乗った工具とのこと。高速加工でバリを抑え、高能率加工に貢献する。またすでに名物となっている同社のユニークな「秘密の小部屋」では、写真撮影禁止の秘密の製品が展示してあった。参考出品の展開に期待大!
●オーエスジー
豊富な工具で来場者を魅了していた同社だが、中でも“Aブランド”による高硬度鋼用超硬ボールエンドミルシリーズに注目が集まった。高能率型4刃「AE-BM-H」、高精度仕上げ用2刃「AE-BD-H」、高精度仕上げ用2刃ロングネックタイプ「AE-LNBD-H」の3タイプにより幅広い加工方法に対応し、高いボールR精度と高硬度鋼加工に最適化された“DUROREYコーティング”が特長だ。高い耐熱性と耐摩耗性、そして優れた靱性を発揮するこのコーティングの鍵は、SiC含有の超耐熱層と超微細ナノ積層構造のなせるワザ! 他にも注目した工具は、まったく新しい工具として参考出品されていた“ボールエンドミルと同じ感覚で使用できる”がキャッチコピーの複合R形状異形工具 「PolyBall」だ。様々な傾斜面に対応できるので短時間で高精度加工ができる。同じ工具径でも、R10ボールに対して、「PolyBall」は様々な傾斜角度に対しR30で接地するので、ピックが大きくなってもカスプハイトが小さくなるという理論だ。今後の展開に要注目!時流を捉えた画期的な展示に釘付け!
●北川鉄工所
製造現場における自動化の流れは避けられない今、しっかりと時流を捉えた画期的な製品を展示をして同社。ロボットの手となっているは、同社の薄型2爪平行グリッパ「NPGTシリーズ」。高把持力でワークも安定した把握ができるものだが、今回なんと! これに“測定”がプラスされていたのだ。しかもミクロン台で測定できるというから驚いた! つまり、ものを掴んで搬送し、測定するので(搬送中の測定可能!)、工程集約による経済効果も高い。薄型、軽量化により、ロボットを含めたシステムのコンパクト化に貢献している。加えて、しきい値を設けることで、ワークのOK、NGの判断もできるという。長年培ったチャック製造技術の経験により、高い復元精度は“信頼の証”。高機能デザインにより最大40%の薄型化と最大50%の軽量化を実現しているという。この画期的な製品に、「ロボット産業に注力する」という強い姿勢をビシビシと感じた。今後の自動化には欠かせない製品開発を着々と進めている同社の底力を見ることができた。IoT時代のデジタル・ソリューション
●サンドビック
機械加工の領域だけでなく、前後の工程も含めて包括的にデジタル技術で加工現場を支える――というトレンド感溢れる展示を見せつけてくれた同社。注目したのは、同社のデジタルマシニングソリューション「CoriPlusⓇ」だ。まずは、機械加工前の設計や計画段階において、切削工具の選定作業を簡略化し、加工に最適な工具を短時間で簡単に選定できるソフト「CoroPlusⓇツールガイド」、コンピュータ上で切削工具の3次元モデルアセンブリを組むことができるソフトウェア「CoroPlusⓇツールライブラリ」、特殊な工具の動きを要する工具向けのツールパス作成ソフト「CoroPlusⓇツールパス」が役立ち、次に実際の機械加工においては、防振工具内部にセンサーを内蔵し、加工中の振動状態のリアルタイムモニタリングを可能にするソリューション「SilentTools™」で、加工のびびり状況などをリアルタイムで見ることができるとう。これら一連の流れで、加工問題発生時に素早く対策のためのアクションを起こすことができるので、工程の信頼性・安定性が向上するというわけだ。加工がますます進化を遂げていると実感した。ものづくりの中心は「人」 工場全体の見える化に貢献!
●ジェイテクト
同社はIoTではなく、ものづくりの中心は“人”という思想から、ヒト・モノ・コトの全てをつなぐ「IoE(Internet of Everything) 」の名称を使っているが、それに相応しく、生産ライン・システム構築の強みを活かした内容となっていた。一連の流れとしては、設備と人の日毎の管理からリアルタイムな管理ができる「稼働アップNAVI」⇒「稼働アップNAVI Plus」で最適な作業指示、出来高も工程の進捗状況も丸見え⇒「稼働アップNAVI Pro」であらゆる設備の情報を繋いで見える化し、さらに工場全体のマネジメントへと繋いでいく。“稼働アップNAVI”の情報から、人の習熟度や改善スキルの向上に加え、改善の共有などの一連の流れが、システムにより最適化ができる仕組みを披露した。製造現場で気になる消耗品の工具・砥石などのランニングコストをマネジメントする「ロングユースNAVI」で設備を最適に使うこともできるので製造現場の生産性並びに経済効果アップに貢献!万能工具っぷりを拝見!
●住友電気工業
傾斜加工にヘリカル加工、そしてプランジ加工など様々な加工に対応する万能カッタ「SEC-ウェーブミルWEZ型」を展示していた同社。ボディ設計にもこだわりがあり、キモは“インサートクランプが安定している”こと。刃先形状設計と高精度造形技術の組合せによるメリットは、優れた壁面精度と仕上げ面品位。加工音も静かとのことだった。また、バリの発生も抑制し、“研磨級インサート”もラインアップ。この研磨級インサート用ブレーカは、研磨仕上げによるシャープな切れ味がバリを抑制する「F型」、F型ブレーカの切れ味はそのままに、刃径ごとに切刃形状を最適化したプレミアムアイテム「P型」、ラッピング処理によりすくい面への溶着を抑制する「S型」の3種類がある。さらに、銅、ステンレス鋼、鋳鉄に適用可能な新材種「ACU2500」も登場し、ますます広範囲な分野の加工に対応している。高精度加工を強力サポートする商品群がズラリ!
●大昭和精機
高精度加工に欠かせないもののひとつにチャックがある。同社の「ハイドロチャック」は充実のラインナップで来場者を魅了。4D先端で振れ精度は3µm以内の高精度を実現したもので、バニシングドリル・リーマ、ボールエンドミル、エンドミル、ダイヤモンドリーマ、工具研磨用など、高い振れ精度が必要な加工に最適とのこと。高い振れ精度の鍵を握るのは、剛性・精度に差がでる“スリーブ一体構造”設計。2ヶ所の油圧室による2点支持と、突き出しの長さを短くしたことにより、より一層の振れ精度を向上させた。この高い振れ精度があるからこそ、仕上げ面の向上と工具寿命の向上を可能にしている。しかも、より高速加工に対応しているとのことで、金型やアルミでの高速回転でも安心して使用できる。このシリーズの中には、スイス型自動旋盤用「ハイドロチャック レースタイプ」もあった。把握径はφ3~φ8。5軸加工に的を絞り、より高能率へ貢献!
●ダイジェット工業
5軸加工は工具を短く把持できるので、その分、ビビリも少なく、有意義に刃先を使えるというメリットがあるが、同社は、5軸マシンの良さを存分に引き出す、“5軸加工シリーズ”を今回の目玉として展示していた。このシリーズは、ラインナップも豊富で、4枚刃により高能率加工が可能なチューリップSヘッド「STLP形」は大RがR1500、フォーム精度は±0.01mm以下! また、側面仕上げ加工を高精度・高能率に行えるミラーバレル「KRM形」は底面の超仕上げ加工にも対応している。そして、小径多刃使用QMマックスの高精度タイプであり、3軸加工機でも傾斜面形状加工が可能な高精度QMMAX「MQT形」があった。また、加工事例の動画も豊富なのも同社の特長。工具のカタログにはQRコードが記載されているので、それを読み取ればいつでも拝見できる!「倍速切削」のディープインパクト!
●タンガロイ
優れた切削工具のキモを握るもののひとつに“被膜”がある。同社では、T9025&T9235を加えた「T9200シリーズ」で“高能率加工”を提案していた。このシリーズは同社が独自に開発した新被膜処理技術(被膜強靱化処理技術)の採用で高い靱性を備え、加工中に発生するクラックの進展を抑制し、安定加工を実現するという。具体的には、「T9200シリーズ」材種専用に開発した新母材が合金中の欠陥を削減し、耐欠損性を大幅に向上させている。さらにAl₂O₃被膜の厚膜化で、高熱とクレータ摩耗に強いので、特に高速加工で効果を発揮。高硬度外層は、耐逃げ面摩耗性を大幅に向上させた新開発の高硬度被膜となっていた。これらが長寿命と安定加工を実現し、その結果、機械停止時間の削減やコスト低減に結びつき、生産性が向上するというわけだ。同社のキャッチコピーである「倍速切削」のインパクトも大!ステンレス加工の概念が変わる!
●日進工具
マキノの「D200Z」でデモ加工をしていた同社に驚いた。微細工具が有名な同社のデモ加工といえば、切屑・・・というより、微細すぎて粉っぽいものしか出ないイメージがあったのだが、なんと切屑を飛ばしているではないか! 注目を浴びた工具は、無限コーティングプレミアムSUS用高能率“Z”エンドミルの、レギュラータイプ「MSUSZ440」(φ1~6・全62サイズ)、ロングネックタイプ「MSUSZ440-LN」(φ1~6・全33サイズ)。ステンレス加工の概念を変える! というほど、びびりを抑え、加工時間が大幅短縮するという工具だ。鍵を握るのは、最適な角度の不等分割・不等リードの採用。これが共振を抑えびびりを防止しているのだが、溝の深さに要注目! 刃部の先端付近は切り屑の排出性を高めた大きなチップポケット、後端付近はしっかりとした芯厚で高剛性な設計となっている。これらが高剛性と切屑排出性の両立を実現している。これは凄い! オイルホールに大注目!
●不二越