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アマダグループ 岡本会長兼CEOが相談役に ~2020年4月に向けて構造改革を実施、グローバル市場対応型事業体制へ~
アマダホールディングス(社長=磯部 任氏)は、11 月7 日開催の取締役会において、2020 年3月31 日付で17 年間の長きにわたりグループの経営トップを務めた岡本満夫代表取締役会長兼CEO が退任し、取締役相談役に就任すると発表した。
また、国内外における顧客の多様なニーズに応える商品・サービスをより迅速に提供し
ていくために、組織体制の改革(機構改革)を実施するとともに、役員体制について変更する。
岡本代表取締役会長兼CEO は、2003 年に創業家以外から初の社長に就任して以来、グループのトップとして、「販売のアマダ」から「エンジニアリングのアマダ」への転換を図
るとともに、ソリューション提案や海外市場の拡大、コーポレートガバナンスの強化などを推進し、同社グループを金属加工機械の総合メーカーとして業界トップの地位に導いてきた。100 年企業に向け、機構改革を行うとともに次世代に経営を委ね、2020 年4 月以降は取締役相談役として、豊富な経営経験を活かし、大所高所からの観点をもって業界の発展ならびに幅広く人材育成に貢献していくとしている。
構造改革の概要
【レポート】「JTF2019(ジェイテクト・テクニカルフェア2019)」を開催
ジェイテクト(安形哲夫氏)が「Just for your best」をテーマに、11月13日(水)~15日(金)(10:00~17:00)の3日間、同社刈谷工場をメインに「JTF2019」を開催した。前日の12日には開催に先立ち、見どころなどを記者団に説明した。
今回のプライベートショーは労働人口の減少、自動車産業の変革、AIの活用等、時代の構造変化に伴い、製造現場の方々への“困りごと”を共有しながら、具体的な解決策を提案するのが狙い。
ものづくりを時代に導くキーテクノロジー「TAKTICA(タクティカ)」

(1)顧客の製品改革に貢献する「プロダクト・イノベーション」
(2)ものづくりの効率化・省人化を促進する「スマート・イノベーション」
(3)人の成長をサポートし、能力を最大化する「マネジメント・イノベーション」
加藤常務は、「時代の構造変化が進んでいる。変化の中でイノベーションを実現し、ものづくりを次世代に導くために、私たちが持っているキーテクノロジーを『TAKTICA』と名付け、お客様に貢献したい。」と、新たな技術を打ち出した。
ものづくりを次代に導くキーテクノロジーの『TAKTICA』は、次の意味を持つ。
これらは、ものづくりを支える基盤技術“TEC”に、知能化“SMART”を加え、その先にある“BEYOND”までも技術でものづくりに貢献したいという思いが込められている。
今回の「JTF2019」では、開発を進めてきた様々な『TAKTICA』をそれぞれの工作機械に搭載している。
自動化・知能化の進化で良品を出し続ける・止まらないシステム

まずは、自立型研削システムのCBNカムシャフト研削盤「GC20S, GL32S + 壁掛け走行ロボット搬送システム」を拝見。マシンは、エンジンの小型化に対応し、高性能でありながら小型化を実現させることで工場スペースの有効活用に貢献している。具体的には、GC20S2台、GL32S1台の場合、フロアスペースを35%減、ラインスペースを21%減。同社によると、クラス最小のフロアスペースかつ、クラス最速のサイクルタイムを誇るとのこと。小型で高速・高精度のキモは、温度変化に対するロバスト性向上だ。熱変位を監視して寸法のバラツキを低減している。また、設備の自動化にも注目。今回、保全性が高いライン構築ということで、フレキシブル性が魅力だった。姿勢自由度の高い搬送装置「TRANSPIDER」は、姿勢自由度の高い多関節ロボットを使用しており、安全柵レスで工作物を窓越しに視認できた。
参考出品の“進化し続ける自立型研削システム”は設備の知能化をアピール。研削理論や設備性能、熟練者のノウハウなど、知識の多様なつながりを表現し、最適な加工条件を導き出す。

ここで驚いたのは、AR(拡張現実)で段取り作業をアシストするというデモを行ったこと。参考出品だったが、治具/工作物と3D段取りデータをiPadに重ねて表示していた。段取り図がバーチャル指示で分かりやすい! 必要な情報と正誤がひと目で分かる仕組みなので、誰でも、素早く簡単に正確な段取りができる仕組みだ。
続いて、どんなギヤでも高能率複合加工ができるギヤスカイビングセンタ「GS200H + 協調ロボット搬送システム」を拝見。こちらは全ての工程をワンチャックで高精度加工するという高能率がウリだ。今回は参考出品だがオペレータの代わりに自動化対応をしているデモを見ることができた。ビジョンで工作物を識別し、ロボットが扉を開けて工作物を着脱している。ロボットは簡単に設置できるうえ、オペレータと同一エリアで作業ができる“安全柵レス”が特長。しかもロボット台車は手動で移動も可能だ。こうした仕組みは、休日時の生産対応や必要な時に設置して使用できるというフレキシブルさが嬉しい。
他にも、いつまでもより良く使用できるために多彩なメニューを提案する「ライフサイクルサポート」や、ミニマムコストから始められる「JTEKT - IoE ソリューション」など見どころが豊富だった。
「第4回YASDAカップ 少年サッカー大会(U-12)」優勝は矢掛フットボールクラブ(矢掛FC)
地域貢献と青少年の健全育成に寄与することを目的に、安田工業(社長=安田拓人氏 本社:岡山県浅口郡里庄町)大会事務局が主催する「第4回YASDAカップ 少年サッカー大会(U-12)」が11月10日、寄島三ツ山スポーツ公園多目的広場で開催された。大会当日は天候にも恵まれ、晴天の中、10チームの戦いとなった。優勝を果たしたのは矢掛フットボールクラブ(矢掛FC)。
大会事務局の大室成弘 安田工業総務課長は、「2016年に第1回を開催し、2017年、18年と2年続けて台風の影響で中止になったが、なんとか3年ぶりに開催することができ非常に嬉しく思っている。出場した子ども達が5年、10年後に“YASDAカップに出場しました!”と当社に応募してくれたらこんなに嬉しいことはない。」と子ども達の将来に期待を滲ませた。
第4回YASDAカップ最終順位表
●優勝
矢掛フットボールクラブ(矢掛FC)
●準優勝
井原フットボールクラブ(井原FC)
●第3位
鴨方サッカースポーツ少年団(鴨方SSS)
●第4位
アルコバレーノフットボールクラブ(アルバレーノFC)
●第5位
笠岡フットボールクラブ(笠岡FC)
●第6位
ラファーガフットボールクラブ(ラファーガFC)
●第7位
笠岡中央サッカー少年団(笠岡中央SS)
●第8位
芳井少年サッカークラブ(芳井SSC)
●第9位
里庄フットボールクラブ(里庄FC)
●第10位
金光ジュニアサッカークラブ(金光JSC)
最優秀選手賞・優秀選手賞
( )内は学年
最優秀選手賞1名
●矢掛フットボールクラブ
佐藤 旬(小6)
優秀選手賞10名
●矢掛フットボールクラブ
石川竜次(小6)
●井原フットボールクラブ
小玉 廉(小5)
●鴨方サッカースポーツ少年団
門田和樹(小6)
●アルコバレーノフットボールクラブ
平田琥絆(小6)
●笠岡フットボールクラブ
徳山歩真(小6)
●ラファーガフットボールクラブ
小野 洸(小5)
●笠岡中央サッカー少年団
川相雄佑(小6)
●芳井少年サッカークラブ
内田幸希(小6)
●里庄フットボールクラブ
髙丸大和(小6)
●金光ジュニアサッカークラブ
掛川仁太(小6)
産業用からサービス用まで最新のロボットが一堂に展示! 「2019国際ロボット展」が12月18日(水)~21日(土)まで開催

「2019国際ロボット展」は、前回2017年を上回る、637社・団体、3060小間(前回612社・団体2,775小間)の過去最大規模での開催となる。
今回は東京ビッグサイトの「青海」「西」「南」ホールを使用しての開催となり、産業用ロボットメーカーによる大規模展示を始め、国内外より、IoT、AI、関連技術など、ロボットに関わる製品・技術が一堂に揃い、最先端のロボットに振れられる4日間となる。
また、最終日12月21日(土)は、ロボットの操作体験や工作教室などを行う「つくる☆さわれる国際ロボット展」を開催し、来場者も楽しめる企画を行う。
シンポジウム・フォーラムでは、初日にロボットメーカーとユーザー企業による「iREXロボットフォーラム2019」を開催し、ロボットはパートナー・変わりつつある働く現場をテーマにロボット導入が進む社会や未来を探る。
その他、海外から著名なロボット開発者を招いて「NEDO ロボット・AIフォーラム2019」やロボット革命・産業IoT国際シンポジウム2019」など、注目のフォーラムを連日開催する。
見どころ
●過去最大規模の産業用ロボット・ゾーン
産業用ロボットは、従来の自動車や電子部品業界での利用から、食品、衣料品等への導入が拡大し、近年では物流や建設など幅広い業界で注目されているが、今回青海ホールに新設した「ロボットSIerゾーン」では、実際の現場を想定し、適切なシステムを提供するロボットシステムインテグレータ(SIer)が展示を行う。このゾーンは3会場全てに展開しており、最も大きなゾーンとなっている。
●災害対応から介護・福祉、農業、教育まで幅広いサービスロボットゾーン
サービスロボットゾーンでは、NEDOブースを中心とした最新ロボットの実演の他、農林水産省は、農業ロボットの合同展示を行う。また、2020年に経済産業省とNEDOが主催する「World Robot Summit2020」のトライアル競技会(製品組立チャレンジ、フューチャーコンビニエンスストアチャレンジ)を開催する。その他、介護・福祉、教育など実生活で活躍するロボットを展示する。
●国際色豊かなシンポジウム・フォーラムを連日開催
会期初日には、国際会議場で開催する「iREXロボットフォーラム2019」をはじめ、産業用ロボットに関する著名なロボットの開発者、技術者を国内外より招きフォーラムを開催する。また、西ホール4Fの目インテージでは「建設生産・管理システムにおけるAI・ロボットの活用」や「ロボット・ICTが拓くSMART農業の未来」を2日目に開催し、インフラ・農業・会議といったサービスロボットに関連する各種フォーラムを開催する。
「HNNOVER MESSE 2020」 来年4月20日(月)~24日(金)まで開催
最新の産業技術・製品が一堂に会する「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」が、2020年4月20日(月)~24日(金)、独・ハノーバー国際見本市会場で開催されるに先立ち、東京都内のステーションコンファレンス東京で概要の発表があった。
この展示会は「Industrial Transformation(インダストリアル・トランスフォーネーション)」をメインテーマに、Industry4.0 、FA、IIoT、AI(人工知能)、5Gmスマートロジスティクスなどの最新トレンドとトピックスに光を当てる。
今回は、Automation,Motion&Drives(自動化、駆動技術)、Digital Ecosystems(デジタルエコシステム)、Energy Solutions(エネルギー書リューション)、Engineered Parts&Solutions(高度な技術部品)、Future Hub(未来の新技術)、Logistics(物流)といった6つの展示部門を取り上げ、産業界の主要トレンドとトピックスをカバーする80余りの会議とフォーラムも開催する予定。
なお、2020年のパートナーカントリーは、同年までに東南アジア最大のデジタル経済国になることを標榜しているインドネシア。
2020年は70カ国から6,000社を上回る出展企業と80カ国から20万人を超える来場者が参加する見込みで、出展企業の約60%、来場者の約40%はドイツ国外からの参加となる。2019年の実績では、アジアからの出展企業は全体の約28%(1,715社)、アジアからの来場者は全体の約8%(17,300人)に上った。
日本能率協会、ドイツメッセ日本代表部は現在日本企業の出展を募集している。出展料金は最小出展面積9㎡あたり2,852.00ユーロ。
<問合せ先>
ドイツメッセ日本代表部 電話:03-3434-6447
2019年10月分工作機械受注総額は874.5億円 日工会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2019年10月分の受注実績は以下の通り。
2019年10月分工作機械受注総額は、874.5億円(前月比△11.6% 前年同月比△37.4%)となった。受注総額は2カ月ぶり900憶円割れ。1,000憶円割れは3ヵ月連続。10月の900憶円割れは、2010年(802.3憶円)以来9年ぶり。
内需は334.2億円(前月比△27.4% 前年同月比△42.0%)で、国内需要が弱含みの中、一般機械や電気・精密当で減少が大きく、2014年4月(348.6憶円)以来66カ月ぶりの350憶円割れ。
外需は540.3憶円(前月比+2.1% 前年同月比△34.1%)で、前月比2カ月連続増加も、3カ月連続の550憶円割れと弱含み。主要3極では、アジア、北米が前月比増加。
米中貿易摩擦により、内外需とも設備歳需要は弱含みの情況が継続。今後も通商問題や中国経済の回復動向、地政学的リスクを注視。
10月分内需
334.2億円(前月比△27.4% 前年同月比△42.0%)。
・66カ月ぶりの350億円割れ。10月の400憶円割れは、2013年(366.5憶円)以来6年ぶり。
・前月比2カ月ぶり減少。前年同月比11カ月連続減少。
・年度反期末の前月からの反動減もあり前月比大幅減。国内需要は依然として弱含み。
(出所:日本工作機械工業会)
10月分外需
540.3億円(前月比+2.1% 前年同月比△34.1%)
・3カ月連続の550憶円割れ。10月の550憶円割れは2016年(525.3憶円)以来3年ぶり。
・前月比2カ月連続増加。前年同月比13カ連続減少。
・アジア、北米で前月比増加も、主要3極全てで受注レベルが低い状況が継続。
(出所:日本工作機械工業会)
日本の産業用ロボット販売台数が21%増加で過去最高に ~国際ロボット連盟(IFR)World Robotics Report~
国際ロボット連盟(以下IFR)の最新World Robotics Reportによると、2018年の日本のロボットの年間販売台数は、21%増の約55,000台で過去最高となった。2018年の世界の年間ロボット販売は、165億米ドルに達し、新記録となった。IFRは、2019年の出荷台数が2018年の記録的なレベルから減少するとの見通しを立てているが、2020年から2022年までの年間平均成長率は12%になると予想している。 2013年以降の日本の平均年間成長率は17%で、すでに高度に自動化された工業生産が行われている市場では顕著なものとなっている。 日本は世界最大の産業用ロボットメーカー国であり、2018年には世界のロボット出荷の52%を占めた。アジア、欧州、米州の概要 アジアは世界最大の産業用ロボット市場。 2018年は、中国と韓国でのロボットの導入が減少した一方で、日本は大幅に増加した。アジア全体では、1%の成長。欧州でのロボットの導入は14%増加し、6年連続で新記録を塗り替えた。米州では、成長率は前年の20%増しで、6年連続の新記録となった。 津田純嗣IFR会長は、「2018年は、ロボットの主要顧客である自動車および電気電子産業にとっては厳しい年であったにもかかわらず、販売新記録によりダイナミックな動きが見られた。」とコメントしている。
【工作機械編】「メカトロテックジャパン(MECT)2019」をレポート! 前編
10 月23 日(水)から10 月26 日(土)までの4日間、ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で「メカトロテックジャパン2019(通称MECT) 」(主催=ニュースダイジェスト社)が開催された。注目企業の動向を前編「工作機械編」、後編「切削工具・周辺機器編」に分けてレポートする。
(工作機械編:アマダグループ、オークマ、OKK、岡本工作機械製作所、黒田精工、DMG森精機、東芝機械、ナガセインテグレックス、牧野フライス精機、牧野フライス製作所、三井精機工業、安田工業、ヤマザキマザック、碌々産業)
4つのエリアでグループの総合力をアピール!
●アマダグループ(アマダ/アマダマシンツール/アマダオリイ)

簡単ロボットパッケージ! マシンを手軽に自動化!
●オークマ

こんなマシンが欲しかった! と言わしめる鋼材用加工機「F300V」
●OKK

自動ドレスサイクル&平面研削の簡易化を実現!
●岡本工作機械製作所

消費電力約50%ダウン! 伝統と革新を合わせ持つ「GS-30Vs」
●黒田精工

アディティブマニファクチャリングで新たな製造の可能性を見た!
●DMG森精機

なんという迫力! 高速5軸門形型彫盤に圧倒される
●東芝機械

広範囲な研削加工ができるのになんと20%以上も省スペース化を実現!
●ナガセインテグレックス

マキノと共同で“工具を整する”をテーマに自動搬送
●牧野フライス精機

金型加工に最適な「D200Z」でデモ!
●牧野フライス製作所

「Vertex」は頂点・頂上を指す!
●三井精機工業

独創的なメカニズムで驚異の加工能力をアピール
●安田工業

ロボットに関する専門知識がなくても簡単に運用できる!
●ヤマザキマザック

重切削から鏡面仕上げまで1台で実現するマシン!
●碌々産業

(後編の切削工具・周辺機器編は次号掲載)
DMG森精機「第14回切削加工ドリームコンテスト」受賞作品が決定!
DMG森精機(社長=森 雅彦氏)がこのほど、「第14回切削加工ドリームコンテスト」の受賞作品が決定したと発表した。
このコンテストは、日本国内において加工業に携わり、切削型工作機械、先端加工機を使用している企業および学校、研究機関を対象に、業界全体の技術・技能の交流と向上を目的として開催している。
今年は、審査員長の青山英樹 慶應義塾大学 教授 工学博士をはじめ、審査委員に4名の大学教授を迎え、全応募作品60点の中から、産業部品加工部門より4点、試作・テスト加工部品部門より6点、造形加工部門より4点、先端加工部門より2点、アカデミック部門より4点を選出した。
「先端加工部門」は、最先端技術の共有を目的とし、積層造形加工、レーザ加工、超音波加工の技術に特徴のある作品を対象に、今回より新設している。また、昨年新設した主催者表彰「DMG MORI 5軸大賞」を今年も1点選出。
なお、表彰式は、11月21日(木)に東京グローバルヘッドクォータにて開催する。
受賞作品は以下のとおり。
産業部品加工部門
<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
・薄肉(0.25mm)の内径精度を±0.005mmで加工している。また、加工時間もSUS303に対して12分で加工している。
・中ぐりによる内径精度が高く、形状の仕上げも素晴らしい。
試作・テスト加工部品部門
<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
・材質がアルミナセラミックスであり、薄物に加工することは非常に難しいが、それを実現していることは高く評価できる。加工形状の曲面も綺麗に仕上がっている。
・削りにくいセラミックスで、軸のないスクリュー形状を創出した技術は立派である。CAD/CAMを使わず、マクロで工具経路を作成した点も評価できる。
造形加工部門
<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
・ポリカーボネイトの材料で、クモ、糸、枠を一体加工している。クモの加工も足部がよく表現できており素晴らしいが、幅0.05mmのおむすび型の糸は極めて難しいと思われる。
・加工時間が2時間10分と短いことも評価できる。
先端加工部門
<審査委員によるAM造形技術賞の評価ポイント>
・大きくて複雑な形状の車のカットモデルを細部まで正確に表現したCADの素晴らしさと、それから創成したAMモデルは評価できる。
<審査委員によるAM造形アイディア賞の評価ポイント>
・金属材料で異種材料である布や竹を表現した造形アイディアは評価できる。
・どの方向にも自由に動くチェーン構造体を考えている点は評価できる。また、それを実現する精度も素晴らしい。
アカデミック部門
<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
・外形が正方形で内接する三角形部品をスムーズに動くようにねじを加工しており、その設計と加工精度は評価できる。
・正方形(内径ねじ)に内接して回転する三角形(外径ねじ)があり、三角形を回転すると、きちんとねじが機能し、加工精度の高いことがわかる。
DMG MORI 5軸大賞
<審査委員によるDMG MORI 5軸大賞の評価ポイント>
・斜めポケット、外周溝の面品位が極上。2工程で全加工した点も評価できる。
・5軸加工機の長所を最大限に表わした加工品で仕上げの質も素晴らしい。
エキスパート・マシニングアーティスト36名が誕生し、全国から名古屋に集結! ~碌々産業~
碌々産業(社長=海藤 満 氏)が、微細加工機をあやつるオペレータに対し、尊敬の念を込めて「Machining Artist(マシニングアーティスト)」と呼び、普及活動を行っているが、10月24日、名古屋市内のキャッスルプラザに全国から認定された“エキスパート・マシニングアーティスト”たちが集結した。自慢の加工サンプルをもちより、親睦を深めた。

海藤社長は、あいさつの中で、「最近の若者はIT業界に流れがちだが、ITはコトづくり。微細加工はものづくり。コトづくりは、ものがあってはじめてコトがつくれ、生産性が上がっていく。したがってものがないとコトづくりは成り立たない。誰も発想しないような素晴らしい微細部品づくりは、日本の強みだと思っている。そのためには若い人たちにどんどん入って貰わなくてはならない。今回、エキスパート・マシニングアーティストの皆様が、こうした未来を担う若者たちの憧れの対象になって欲しいという思いがある。ここに集まった皆様は非常にマニアックで集中力のある方ばかり。お互いに刺激になり、面白いことが起こるのではないか。エキスパートとしての誇りと自己研鑽で、さらに素晴らしいものづくりを行って欲しい。」と期待を込めた。
同社の近況報告にも触れ、海藤社長は、「2019年前半は弊社にとって3つの特需があった。」と述べた。それによると、①半導体メモリが動き始めた、②スマホのモジュールが増え、そのカメラレンズの製作のため、同社の“Android”の受注が増えた。③米国大手企業とのコラボレーションでカスタマイズした機械の受注が増えた――とのことで、目標に対し120%の受注を上げたと報告をした。
今後は毎年3月末に「エキスパート マシニングアーティスト」にエントリーをすると発表した。また、認定証と同じものを、同社のショールームである“マシニングアーティストラボラトリー”にリスペクトの意味を込めて掲載する。
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