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アマダグループ 岡本会長兼CEOが相談役に ~2020年4月に向けて構造改革を実施、グローバル市場対応型事業体制へ~

 アマダホールディングス(社長=磯部 任氏)は、11 月7 日開催の取締役会において、2020 年3月31 日付で17 年間の長きにわたりグループの経営トップを務めた岡本満夫代表取締役会長兼CEO が退任し、取締役相談役に就任すると発表した。

 また、国内外における顧客の多様なニーズに応える商品・サービスをより迅速に提供し
ていくために、組織体制の改革(機構改革)を実施するとともに、役員体制について変更する。

 岡本代表取締役会長兼CEO は、2003 年に創業家以外から初の社長に就任して以来、グループのトップとして、「販売のアマダ」から「エンジニアリングのアマダ」への転換を図
るとともに、ソリューション提案や海外市場の拡大、コーポレートガバナンスの強化などを推進し、同社グループを金属加工機械の総合メーカーとして業界トップの地位に導いてきた。100 年企業に向け、機構改革を行うとともに次世代に経営を委ね、2020 年4 月以降は取締役相談役として、豊富な経営経験を活かし、大所高所からの観点をもって業界の発展ならびに幅広く人材育成に貢献していくとしている。

構造改革の概要

【レポート】「JTF2019(ジェイテクト・テクニカルフェア2019)」を開催

 ジェイテクト(安形哲夫氏)が「Just for your best」をテーマに、11月13日(水)~15日(金)(10:00~17:00)の3日間、同社刈谷工場をメインに「JTF2019」を開催した。前日の12日には開催に先立ち、見どころなどを記者団に説明した。

 今回のプライベートショーは労働人口の減少、自動車産業の変革、AIの活用等、時代の構造変化に伴い、製造現場の方々への“困りごと”を共有しながら、具体的な解決策を提案するのが狙い。

ものづくりを時代に導くキーテクノロジー「TAKTICA(タクティカ)」

説明する加藤常務
説明する加藤常務
 加藤信仁常務取締役(以下加藤常務)は、工作機械・メカトロ事業のコンセプトについて、「私どもは自動車産業に育てられて今日までやって来た。現在、あらゆる産業が変革を迎えている。ものづくりイノベーションカンパニーとして、3つのイノベーションを提供し、変革の時代において、お客様のものづくりに貢献したい。」として、方向性を次の通り述べた。

 (1)顧客の製品改革に貢献する「プロダクト・イノベーション」
 (2)ものづくりの効率化・省人化を促進する「スマート・イノベーション」
 (3)人の成長をサポートし、能力を最大化する「マネジメント・イノベーション」

 加藤常務は、「時代の構造変化が進んでいる。変化の中でイノベーションを実現し、ものづくりを次世代に導くために、私たちが持っているキーテクノロジーを『TAKTICA』と名付け、お客様に貢献したい。」と、新たな技術を打ち出した。

 ものづくりを次代に導くキーテクノロジーの『TAKTICA』は、次の意味を持つ。

 これらは、ものづくりを支える基盤技術“TEC”に、知能化“SMART”を加え、その先にある“BEYOND”までも技術でものづくりに貢献したいという思いが込められている。

 今回の「JTF2019」では、開発を進めてきた様々な『TAKTICA』をそれぞれの工作機械に搭載している。

自動化・知能化の進化で良品を出し続ける・止まらないシステム

省スペースが魅力
省スペースが魅力
 今回の「JTF2019」の大きな訴求は、“自動化・知能化の進化で良品を出し続ける・止まらないシステム”。

 まずは、自立型研削システムのCBNカムシャフト研削盤「GC20S, GL32S + 壁掛け走行ロボット搬送システム」を拝見。マシンは、エンジンの小型化に対応し、高性能でありながら小型化を実現させることで工場スペースの有効活用に貢献している。具体的には、GC20S2台、GL32S1台の場合、フロアスペースを35%減、ラインスペースを21%減。同社によると、クラス最小のフロアスペースかつ、クラス最速のサイクルタイムを誇るとのこと。小型で高速・高精度のキモは、温度変化に対するロバスト性向上だ。熱変位を監視して寸法のバラツキを低減している。また、設備の自動化にも注目。今回、保全性が高いライン構築ということで、フレキシブル性が魅力だった。姿勢自由度の高い搬送装置「TRANSPIDER」は、姿勢自由度の高い多関節ロボットを使用しており、安全柵レスで工作物を窓越しに視認できた。

 参考出品の“進化し続ける自立型研削システム”は設備の知能化をアピール。研削理論や設備性能、熟練者のノウハウなど、知識の多様なつながりを表現し、最適な加工条件を導き出す。

拡張現実で段取りをアシスト!
拡張現実で段取りをアシスト!
 航空宇宙産業、輸送用機械、建機、エネルギー産業等の分野に活躍する同時5軸マシニングセンタ「FH630SX-5A + 立体パレットプールシステム」が展示されていた。魅力は、最短工具で高能率加工ができること。クラス最大工作物を柔軟に加工できることも同社の5軸加工機の強みだろう。量産型システムに最適とのことだ。

 ここで驚いたのは、AR(拡張現実)で段取り作業をアシストするというデモを行ったこと。参考出品だったが、治具/工作物と3D段取りデータをiPadに重ねて表示していた。段取り図がバーチャル指示で分かりやすい! 必要な情報と正誤がひと目で分かる仕組みなので、誰でも、素早く簡単に正確な段取りができる仕組みだ。

 続いて、どんなギヤでも高能率複合加工ができるギヤスカイビングセンタ「GS200H + 協調ロボット搬送システム」を拝見。こちらは全ての工程をワンチャックで高精度加工するという高能率がウリだ。今回は参考出品だがオペレータの代わりに自動化対応をしているデモを見ることができた。ビジョンで工作物を識別し、ロボットが扉を開けて工作物を着脱している。ロボットは簡単に設置できるうえ、オペレータと同一エリアで作業ができる“安全柵レス”が特長。しかもロボット台車は手動で移動も可能だ。こうした仕組みは、休日時の生産対応や必要な時に設置して使用できるというフレキシブルさが嬉しい。

 他にも、いつまでもより良く使用できるために多彩なメニューを提案する「ライフサイクルサポート」や、ミニマムコストから始められる「JTEKT - IoE ソリューション」など見どころが豊富だった。

「第4回YASDAカップ 少年サッカー大会(U-12)」優勝は矢掛フットボールクラブ(矢掛FC)

 地域貢献と青少年の健全育成に寄与することを目的に、安田工業(社長=安田拓人氏 本社:岡山県浅口郡里庄町)大会事務局が主催する「第4回YASDAカップ 少年サッカー大会(U-12)」が11月10日、寄島三ツ山スポーツ公園多目的広場で開催された。大会当日は天候にも恵まれ、晴天の中、10チームの戦いとなった。優勝を果たしたのは矢掛フットボールクラブ(矢掛FC)。

 大会事務局の大室成弘 安田工業総務課長は、「2016年に第1回を開催し、2017年、18年と2年続けて台風の影響で中止になったが、なんとか3年ぶりに開催することができ非常に嬉しく思っている。出場した子ども達が5年、10年後に“YASDAカップに出場しました!”と当社に応募してくれたらこんなに嬉しいことはない。」と子ども達の将来に期待を滲ませた。

第4回YASDAカップ最終順位表

●優勝
矢掛フットボールクラブ(矢掛FC)

●準優勝
井原フットボールクラブ(井原FC)

●第3位
鴨方サッカースポーツ少年団(鴨方SSS)

●第4位
アルコバレーノフットボールクラブ(アルバレーノFC)

●第5位
笠岡フットボールクラブ(笠岡FC)

●第6位
ラファーガフットボールクラブ(ラファーガFC)

●第7位
笠岡中央サッカー少年団(笠岡中央SS)

●第8位
芳井少年サッカークラブ(芳井SSC)

●第9位
里庄フットボールクラブ(里庄FC)

●第10位
金光ジュニアサッカークラブ(金光JSC)

最優秀選手賞・優秀選手賞

( )内は学年

最優秀選手賞1名
●矢掛フットボールクラブ
佐藤 旬(小6)

優秀選手賞10名
●矢掛フットボールクラブ
石川竜次(小6)

●井原フットボールクラブ 
小玉 廉(小5)

●鴨方サッカースポーツ少年団
門田和樹(小6)

●アルコバレーノフットボールクラブ
平田琥絆(小6)

●笠岡フットボールクラブ
徳山歩真(小6)

●ラファーガフットボールクラブ
小野 洸(小5)

●笠岡中央サッカー少年団
川相雄佑(小6)

●芳井少年サッカークラブ
内田幸希(小6)

●里庄フットボールクラブ
髙丸大和(小6)

●金光ジュニアサッカークラブ
掛川仁太(小6)

産業用からサービス用まで最新のロボットが一堂に展示! 「2019国際ロボット展」が12月18日(水)~21日(土)まで開催

あいさつをする小笠原 2019国際ロボット展運営委員長・安川電機社長
あいさつをする小笠原 2019国際ロボット展運営委員長・安川電機社長
 本年12月18日(水)~21日(土)までの4日間、東京ビッグサイトで「ロボットがつなぐ人に優しい社会」をテーマに、「2019国際ロボット展」(主催:日本ロボット工業会、日刊工業新聞社)を開催する。この展示会は2年に1度開催する世界最大規模の吐ボッとトレードショーとして、今年で23回目を迎える。

 「2019国際ロボット展」は、前回2017年を上回る、637社・団体、3060小間(前回612社・団体2,775小間)の過去最大規模での開催となる。

 今回は東京ビッグサイトの「青海」「西」「南」ホールを使用しての開催となり、産業用ロボットメーカーによる大規模展示を始め、国内外より、IoT、AI、関連技術など、ロボットに関わる製品・技術が一堂に揃い、最先端のロボットに振れられる4日間となる。

 また、最終日12月21日(土)は、ロボットの操作体験や工作教室などを行う「つくる☆さわれる国際ロボット展」を開催し、来場者も楽しめる企画を行う。

 シンポジウム・フォーラムでは、初日にロボットメーカーとユーザー企業による「iREXロボットフォーラム2019」を開催し、ロボットはパートナー・変わりつつある働く現場をテーマにロボット導入が進む社会や未来を探る。

 その他、海外から著名なロボット開発者を招いて「NEDO ロボット・AIフォーラム2019」やロボット革命・産業IoT国際シンポジウム2019」など、注目のフォーラムを連日開催する。

見どころ

●過去最大規模の産業用ロボット・ゾーン
 産業用ロボットは、従来の自動車や電子部品業界での利用から、食品、衣料品等への導入が拡大し、近年では物流や建設など幅広い業界で注目されているが、今回青海ホールに新設した「ロボットSIerゾーン」では、実際の現場を想定し、適切なシステムを提供するロボットシステムインテグレータ(SIer)が展示を行う。このゾーンは3会場全てに展開しており、最も大きなゾーンとなっている。

●災害対応から介護・福祉、農業、教育まで幅広いサービスロボットゾーン
 サービスロボットゾーンでは、NEDOブースを中心とした最新ロボットの実演の他、農林水産省は、農業ロボットの合同展示を行う。また、2020年に経済産業省とNEDOが主催する「World Robot Summit2020」のトライアル競技会(製品組立チャレンジ、フューチャーコンビニエンスストアチャレンジ)を開催する。その他、介護・福祉、教育など実生活で活躍するロボットを展示する。

●国際色豊かなシンポジウム・フォーラムを連日開催
 会期初日には、国際会議場で開催する「iREXロボットフォーラム2019」をはじめ、産業用ロボットに関する著名なロボットの開発者、技術者を国内外より招きフォーラムを開催する。また、西ホール4Fの目インテージでは「建設生産・管理システムにおけるAI・ロボットの活用」や「ロボット・ICTが拓くSMART農業の未来」を2日目に開催し、インフラ・農業・会議といったサービスロボットに関連する各種フォーラムを開催する。

「HNNOVER MESSE 2020」 来年4月20日(月)~24日(金)まで開催

 最新の産業技術・製品が一堂に会する「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」が、2020年4月20日(月)~24日(金)、独・ハノーバー国際見本市会場で開催されるに先立ち、東京都内のステーションコンファレンス東京で概要の発表があった。

 この展示会は「Industrial Transformation(インダストリアル・トランスフォーネーション)」をメインテーマに、Industry4.0 、FA、IIoT、AI(人工知能)、5Gmスマートロジスティクスなどの最新トレンドとトピックスに光を当てる。

 今回は、Automation,Motion&Drives(自動化、駆動技術)、Digital Ecosystems(デジタルエコシステム)、Energy Solutions(エネルギー書リューション)、Engineered Parts&Solutions(高度な技術部品)、Future Hub(未来の新技術)、Logistics(物流)といった6つの展示部門を取り上げ、産業界の主要トレンドとトピックスをカバーする80余りの会議とフォーラムも開催する予定。

 なお、2020年のパートナーカントリーは、同年までに東南アジア最大のデジタル経済国になることを標榜しているインドネシア。

 2020年は70カ国から6,000社を上回る出展企業と80カ国から20万人を超える来場者が参加する見込みで、出展企業の約60%、来場者の約40%はドイツ国外からの参加となる。2019年の実績では、アジアからの出展企業は全体の約28%(1,715社)、アジアからの来場者は全体の約8%(17,300人)に上った。

 日本能率協会、ドイツメッセ日本代表部は現在日本企業の出展を募集している。出展料金は最小出展面積9㎡あたり2,852.00ユーロ。

<問合せ先>
 ドイツメッセ日本代表部 電話:03-3434-6447

2019年10月分工作機械受注総額は874.5億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2019年10月分の受注実績は以下の通り。
2019年10月分工作機械受注総額は、874.5億円(前月比△11.6% 前年同月比△37.4%)となった。受注総額は2カ月ぶり900憶円割れ。1,000憶円割れは3ヵ月連続。10月の900憶円割れは、2010年(802.3憶円)以来9年ぶり。

 内需は334.2億円(前月比△27.4% 前年同月比△42.0%)で、国内需要が弱含みの中、一般機械や電気・精密当で減少が大きく、2014年4月(348.6憶円)以来66カ月ぶりの350憶円割れ。
 外需は540.3憶円(前月比+2.1% 前年同月比△34.1%)で、前月比2カ月連続増加も、3カ月連続の550憶円割れと弱含み。主要3極では、アジア、北米が前月比増加。

 米中貿易摩擦により、内外需とも設備歳需要は弱含みの情況が継続。今後も通商問題や中国経済の回復動向、地政学的リスクを注視。

10月分内需

334.2億円(前月比△27.4% 前年同月比△42.0%)。

・66カ月ぶりの350億円割れ。10月の400憶円割れは、2013年(366.5憶円)以来6年ぶり。
・前月比2カ月ぶり減少。前年同月比11カ月連続減少。
・年度反期末の前月からの反動減もあり前月比大幅減。国内需要は依然として弱含み。


(出所:日本工作機械工業会)

10月分外需

540.3億円(前月比+2.1% 前年同月比△34.1%)

・3カ月連続の550憶円割れ。10月の550憶円割れは2016年(525.3憶円)以来3年ぶり。
・前月比2カ月連続増加。前年同月比13カ連続減少。
・アジア、北米で前月比増加も、主要3極全てで受注レベルが低い状況が継続。


(出所:日本工作機械工業会)

日本の産業用ロボット販売台数が21%増加で過去最高に ~国際ロボット連盟(IFR)World Robotics Report~

 国際ロボット連盟(以下IFR)の最新World Robotics Reportによると、2018年の日本のロボットの年間販売台数は、21%増の約55,000台で過去最高となった。2018年の世界の年間ロボット販売は、165億米ドルに達し、新記録となった。IFRは、2019年の出荷台数が2018年の記録的なレベルから減少するとの見通しを立てているが、2020年から2022年までの年間平均成長率は12%になると予想している。 2013年以降の日本の平均年間成長率は17%で、すでに高度に自動化された工業生産が行われている市場では顕著なものとなっている。 日本は世界最大の産業用ロボットメーカー国であり、2018年には世界のロボット出荷の52%を占めた。アジア、欧州、米州の概要 アジアは世界最大の産業用ロボット市場。 2018年は、中国と韓国でのロボットの導入が減少した一方で、日本は大幅に増加した。アジア全体では、1%の成長。欧州でのロボットの導入は14%増加し、6年連続で新記録を塗り替えた。米州では、成長率は前年の20%増しで、6年連続の新記録となった。 津田純嗣IFR会長は、「2018年は、ロボットの主要顧客である自動車および電気電子産業にとっては厳しい年であったにもかかわらず、販売新記録によりダイナミックな動きが見られた。」とコメントしている。

【工作機械編】「メカトロテックジャパン(MECT)2019」をレポート! 前編

 10 月23 日(水)から10 月26 日(土)までの4日間、ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で「メカトロテックジャパン2019(通称MECT) 」(主催=ニュースダイジェスト社)が開催された。注目企業の動向を前編「工作機械編」、後編「切削工具・周辺機器編」に分けてレポートする。

 (工作機械編:アマダグループ、オークマ、OKK、岡本工作機械製作所、黒田精工、DMG森精機、東芝機械、ナガセインテグレックス、牧野フライス精機、牧野フライス製作所、三井精機工業、安田工業、ヤマザキマザック、碌々産業)

4つのエリアでグループの総合力をアピール!
●アマダグループ(アマダ/アマダマシンツール/アマダオリイ)

「SDE2025iⅢ」は軽量化技術の進展に大いに寄与するマシン
「SDE2025iⅢ」は軽量化技術の進展に大いに寄与するマシン
 アマダグループは、“プレスエリア”、“板金エリア”、“研削盤エリア”、“アマダのIoT V-Factory”エリアに分けて、それぞれの強みをアピールしていた。やはり近年のトレンドは自動化だ。オプティカルプロファイル研削盤「GLS-150GL UP」で、協働ロボットによる自動化で生産性の向上を提案していた。このメリットは砥石やワークの自動交換を実現し、長時間の連続運転ができること。加工品質向上の鍵はシームレス研削機能だ。また第3世代新型サーボプレス「SDE2025iⅢ」が新登場! ダイクッションのデジタル化による安定加工の実現や、加工種別モーション機能選択でスキルスレス加工も実現してくれる。また、“フルードパルス鍛造法”という加工法はアマダホールディングスとアマダオリイがSUBARUの協力のもと、研究開発された新加工法にも要注目! 現在、軽量化ニーズが高まっているが、サーボプレスマシンのモーションコントロール技術を活用したこの技術は、中空材料の新工法。軽量化技術の進展に大いに寄与する画期的なマシンでもあるのだ。

簡単ロボットパッケージ! マシンを手軽に自動化!
●オークマ

「MB-46VA STANDROID」を見つめる多くの来場者
「MB-46VA STANDROID」を見つめる多くの来場者
 多くの来場者で賑わいをみせていたオークマのブース。注目されていたのは、簡単にロボットパッケージでベストセラーマシンを手軽に自動化ができるという、ロボットと立形マシニングセンタ「MB-46VA 」が一体化した「MB-46VA STANDROID」だ。設置から立ち上げまで最短1日というから驚きだ。位置決め⇒設置・結線⇒「ROID Navi」の3ステップでSTANDROIDは稼働。しかもシステムインテグレータが必要ないという。一体型ロボットセルなので、フォークリフトでの移設もできるというから嬉しい。また、生産の要求に併せて多くのパッケージユニットを準備しているという。3Dシミュレーションで事前にロボット動作の干渉有無を確認できるので、心配なアクシデントも回避できる。同社が親切なところは、ロボット導入に際して不安を持つ加工現場の悩みを丁寧に聞き入れ、解決に導いてくれること。工作機械とロボットの完全融合の強みを見せつけてくれた。

こんなマシンが欲しかった! と言わしめる鋼材用加工機「F300V」
●OKK

ワンパスのプレート加工機「F300V」
ワンパスのプレート加工機「F300V」
 おやっ!? 同社の華やかなマシンの傍で、小さいながらも存在感を示していたマシンがあった。硬材用加工機「F300V」だ。これは、剛性と切屑の排出性はもちろん、操作性にもこだわったワンパスのプレート加工機。多くの機能は持たないが、とにかく切削能力のパワーが凄いのだ。現場によっては、「上面だけ加工できればいいんだよね」的な発想を持っている方にもってこい! 3039×1812mmの省スペースでありながら、剛性を上げることで振動を抑制している。そのため、刃物の寿命を向上させるという加工におけるトータルコストを考慮したつくりだ。この剛性を高めるために、コラムを門形にし、3点支持ベッドを採用しているという。しかも、人間工学に基づき、ワークの取り付け・取り外しも簡単! そして、優れた切屑排出性も要注目。片側傾斜カバーで後部チップバケット(オプション)にダイレクトシュート! 

自動ドレスサイクル&平面研削の簡易化を実現!
●岡本工作機械製作所

新機能追加でますます使い勝手が良くなった「PSG63SA1」
新機能追加でますます使い勝手が良くなった「PSG63SA1」
 今回、同社の新平面研削盤PSG-SA1シリーズから「PSG63SA1」が展示されていた。このマシンは従来の汎用機と同様の感覚で、自動ドレスサイクル&平面研削の簡易化を実現しているのが特長。従来モデルの「PSG-DX」シリーズの更新に最適だという。新しくなった追加機能は、①自動ドレス機能、②シフトランジ機能、③研削条件一括確認、④各軸負荷検知機能、④サイクルタイム測定、⑤レシピ登録・呼び出し機能、⑥自己診断機能、⑤各種累積時間機能――だ。これらが汎用操作性を残したまま追加されているので、ますます使い勝手が良さそうだ。また、新オプションも、トレンドの自動化に対応し、チャックからの高さを基準としたチャック基準研削や、機上で研削・測定・補正研削ができるようになっている。

消費電力約50%ダウン! 伝統と革新を合わせ持つ「GS-30Vs」
●黒田精工

次世代マシン「GS-30Vs」
次世代マシン「GS-30Vs」
 展示されていた精密成形研削盤「GS-30Vs」には匠の技がぎっしり詰まっている。同社の高精度、高品位を支えているのは、熟練工の高精度キサゲによるV-V摺動面。これが高い真直性と耐久性を実現しているのだが、その一方、FFT解析による高剛性本体構造に注目したい。剛性を高めるためのハニカム構造と適切なリブ配置で重心が低く安定性に優れた構造なのだ。コラム上部への気流を計算した鋳物構造が熱変位を抑えてくれる。気になる新技術は、左右送りにACサーボモーターを採用し、自社性精密ボールねじダイレクトドライブ機構によりフリクションロスを低減した高効率駆動を実現していること。これにより消費電力を約50%ダウンさせている。また、油圧ユニットからの発熱がないので周囲の温度影響を最小限に低減、これにより発熱量が大幅にダウンした。また、研削作業姿勢が取りやすいハンドルレイアウトも嬉しい。

アディティブマニファクチャリングで新たな製造の可能性を見た!
●DMG森精機

自由度の高い設計を実現する「LASERTEC 12 SLM」
自由度の高い設計を実現する「LASERTEC 12 SLM」
 新たな製造の可能性に期待が寄せられているアディティブマニファクチャリング(以下AM)だが、同社ではパウダーヘッド方式のレーザ金属積層造形機「LASERTEC 12 SLM」とともに、このマシンで加工したピッキング予防ができる立体的な鍵を展示していたが、AMの特長といえば、複雑な形状でもほとんどが対応できるという自由度の高い設計にある。しかも消耗品である切削工具を使用しないので、工具コストが大幅に削減できるメリットは見逃すことができない。加えて、不活性ガスのガス流最適化で、ガス消費量を抑えるとともに優れた加工品質を実現している。気になる現場の作業安全性においては、パウダー供給と再利用システムを密閉したカートリッジ内に搭載したことで、“最高レベルの作業安全性”を確保している。ますます新たな製造方法に目が離せなくなった。

なんという迫力! 高速5軸門形型彫盤に圧倒される
●東芝機械

工程集約を可能にした「MP-2618(5C)」
工程集約を可能にした「MP-2618(5C)」
 とにかく目立った! 爽やかな青のブースに大きいマシンが1台、来場者に迫力と存在感を示している。このマシンは、傾斜穴の高精度加工から仕上げ加工まで1台で実現し、工程集約を可能にしているという高速5軸門形型彫盤「MP-2618(5C)」だ。金型、IT、航空機産業等に貢献する。テーブル旋回とヘッド旋回の新コンセプトは画期的。ラム軸を排除し、クロスレール昇降が安定切削を実現している。また、煩わしい段取りにおいても、5軸任意旋回機能により、傾斜作業も段取りレスになっているうえ、ワンチャッキングで大幅な工程集約を実現している。また、同社では、スマートグラスを利用したNC画面表示補助システムを展示していた。スマートグラスをかけると、作業を支援する画面が見えるのだ。ハンズフリーなので、表示される様々な情報を確認しながら作業を進められる。未来を攻めている展示が楽しかった。

広範囲な研削加工ができるのになんと20%以上も省スペース化を実現!
●ナガセインテグレックス

新制御システムを搭載した「SGS-85」
新制御システムを搭載した「SGS-85」
 研削の可能性を大きく拡げてくれる同社のマシン。今回の目玉は初出展された高精度平面研削盤「SGS-85」。このマシンは従来機と比較してなんと20%以上の省スペース化を達成している。それでいて、広範囲な研削加工を実現し、精度と能率を叶えてくれるという魅力あるマシンだ。0.1µmのNC指令値を活かせる独自の高剛性T字型ベッド構造を採用していることも特長。砥石軸には標準の高精度ベアリング軸受を採用し、指令値に対して確実な研削を実現してくれる。カスタマイズアイテムも豊富で、油静圧軸受けや極低振動モータの搭載や、生産性を爆発的に向上させるシステム「爆削システム」など、様々な加工や設置環境に合わせたオプションも魅力だ。また、「SGS-85」は新制御システム「Neo」を搭載している。複雑な操作もなく、1画面で加工設定、条件確認ができる。ワークをセットした後は、研削条件を設定して自動ボタンを押すだけで誰でも簡単に高精度加工が可能!

マキノと共同で“工具を整する”をテーマに自動搬送
●牧野フライス精機

近未来の加工現場を想像できる展示。
近未来の加工現場を想像できる展示。
 見どころ豊富だった同社。特に注目したのは、今回、牧野フライス製作所と共同でブースを設け、φ0.1~φ12まで測定できる小径工具に特化した工具測定装置「procam(プロキャム)」を展示していたことだ。φ0.1のものを測定できる装置はそう滅多にないので、これは強み! しかも今回は、ロボットがホルダを持って「procam」に取り付け、工具測定を行い、測定が完了したら、ロボットが勝手にドアを開け、今度は牧野フライス製作所の「D200Z」へ持って行くというデモを行っていた。これが大反響! この展示で未来の現場が想像できるではないか。例えば、牧野フライス製作所の「D200z」で加工し、摩耗した工具を、今度は牧野フライス精機の工具研削盤「SG10」で再研磨をし、測定して供給するという自動化の仕組みを作れば、常に工具は美しい状態であり、面品位も加工能率もアップ! そんな画期的な未来の加工現場をイメージさせる展示内容だった。

金型加工に最適な「D200Z」でデモ!
●牧野フライス製作所

3軸機と同等以上の力を発揮する「D200Z」
3軸機と同等以上の力を発揮する「D200Z」
 3軸機と同等以上の加工面品位を同時5軸加工で追求するマシニングセンタ「D200Z」を用いて、牧野フライス精機の工具測定装置から「D200Z」への工具の搬送を、自社製自動搬送機(AGV)に協働ロボットを搭載した「iAssist」が人に代わって行うデモは大反響を呼んだが、この「D200Z」の優位性は、重心変動の少ないテーブル構造や、回転軸の動作に遅れること無く追従できる軽量化された移動体ユニットに加え、同時5軸動作を最適化するモーションコントロール、機械の静的精度を正しくつくりこむ製造技術が詰め込まれていること。環境温度変化に頑強なブリッジ構造コラムやぶつからない主軸(コリジョンセーフガード)も採用している。他にもクラウドで同時5軸のNCプログラムを迅速に供給できるシステムも紹介していた。複雑で膨大な計算処理を効率的に実行し、機械の軸構成を考慮した食い込みのない同時5軸NCプログラムを作成できる。

「Vertex」は頂点・頂上を指す!
●三井精機工業

 

5軸加工の“粋(すい)”を集めてリニューアル!
5軸加工の“粋(すい)”を集めてリニューアル!
 5軸加工の“粋(すい)”を集めた「Vertex55X Ⅱ」をリニューアルした「Vertex55 Ⅲ」が登場! 進化した点は、高性能になった主軸熱変位補正機能を搭載し、Z軸方向変位量を従来比1/3に改善していたこと。また、ベッド・コラム剛性も向上し、微小線分送りによる3次元形状の面品位が向上している。今回、ヒューマンインターフェースHMI機能を搭載した15″カラーLCD付操作盤もオプションで用意していた。なお、5軸加工機において角度の割り出し精度が重要になるが、同社のVertexは、非常に高い割出精度を持っており、信頼性の高い安心したマシンでもあるのだ。今回は温度センサーを追加し、スピンドルの伸びとヘッドケーシングの変位を捉えて温度変化を瞬時に検知・補正をしてくれる。これによって高速回転域でのZ軸方向変位が安定するまで時間を短縮! 熱変位量に至っては、従来比1/3に抑えているのも見逃せない。Vertexの意味は、頂点・頂上だという。さらなる高みを目指したい加工現場にもってこいのマシンだ。

独創的なメカニズムで驚異の加工能力をアピール
●安田工業

独創的なメカニズムを持つ「YBM Vi40 Ver.Ⅱ」
独創的なメカニズムを持つ「YBM Vi40 Ver.Ⅱ」
 注目を集めたのは、Y軸上に高剛性・高精度BC軸を搭載した「YBM Vi40 Ver.Ⅱ」。このマシンの特長は、各軸移動体の質量差を極力小さくするとともに、質量の大きな移動体を低重心に設定することで、優れた制御性・減衰性を実現していること。剛性の高いシンメトリックな門形構造で、一体化したブリッジ構造の高剛性ボディーが超高精度でありながら、重切削加工領域を極めている。注目すべきは、位置による荷重変化が大きいB軸の駆動には、高減速比のウォームを採用することで外乱に対する安定性、反転時の制御性向上を図り、これらの影響の少ないC軸にはDDモータを採用し、バックラッシュのない高速高精度な位置決めを実現していることだ。また同社独自の独創的なメカニズムは、同社が開発した“プリロード自己調整型スピンドル”にも見られる。これは、低速回転時にはスピンドルベアリングの発熱量に応じて予圧が調整されるメカニズムになっており、低速域における重切削性と高速域における低発熱高精度回転を両立させている。

ロボットに関する専門知識がなくても簡単に運用できる!
●ヤマザキマザック

:「QUICKTURN250MY」+「TA-20/270」で生産性効率をアピール
:「QUICKTURN250MY」+「TA-20/270」で生産性効率をアピール
 今年で創業100年を迎えた同社のブースはとても華やかだ。サンダーバード人形やフィギュアなど、来場者を楽しませるための工夫と遊び心がいっぱい! 同社では製造コスト削減を睨んで省人化を実現すべく、早くから自動化システムに注力してきたが、そのノウハウの蓄積もあって、システムコントロール・ソフトウェアなどのフレキシブルな拡張性が世界中に認められている。今回、ベストセラー旋盤「QUICKTURN250MY」と「TA-20/270」(ティーチングレス自動化システム)を連結させ、デモを行っていた。特長はロボットに関する知識がなくても簡単に運用が可能ということ。分かりやすい画面表示がさらにラクチン操作を可能にしている。しかもコンパクトで素材の搬入から完成品の搬出までを自動化できる。ロボットと工作機械の連携のメリットは自動連続加工を行えることや、人間特有のポカミスやロスを減らすことで安定品質を保ちつつ、生産性向上に貢献することなのだ。

重切削から鏡面仕上げまで1台で実現するマシン!
●碌々産業

「Vision- 300」1台で重切削から鏡面仕上げまでを行う
「Vision- 300」1台で重切削から鏡面仕上げまでを行う
 マシニングアーティスト普及活動にも力を入れている同社。微細加工機を操る喜びを知っているオペレータをリスペクトしているだけあって、これは芸術品ではないか? と思われるほど超微細で美しい加工サンプルを展示してあった。これには来場者も興味津々。今回はφ16エンドミルによる重切削から鏡面仕上げまでを1台で加工できる「Vision- 300」を展示。中部地区では初出展となった。このマシンは、高品質のものを高能率に加工できるよう、加工機の状態や設置環境を監視し、表示、蓄積して見える化の充実を図っている「M-KIT」を搭載し、さらなる高精度化を後押ししてくれる。つまり、昨今のトレンドである自動化による連続加工でも安心してできるというわけだ。安定した品質を維持することは、信頼を勝ち取ることに等しい。まさに加工現場に心強いマシンであった。

(後編の切削工具・周辺機器編は次号掲載)

DMG森精機「第14回切削加工ドリームコンテスト」受賞作品が決定!

 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)がこのほど、「第14回切削加工ドリームコンテスト」の受賞作品が決定したと発表した。

 このコンテストは、日本国内において加工業に携わり、切削型工作機械、先端加工機を使用している企業および学校、研究機関を対象に、業界全体の技術・技能の交流と向上を目的として開催している。

 今年は、審査員長の青山英樹 慶應義塾大学 教授 工学博士をはじめ、審査委員に4名の大学教授を迎え、全応募作品60点の中から、産業部品加工部門より4点、試作・テスト加工部品部門より6点、造形加工部門より4点、先端加工部門より2点、アカデミック部門より4点を選出した。

「先端加工部門」は、最先端技術の共有を目的とし、積層造形加工、レーザ加工、超音波加工の技術に特徴のある作品を対象に、今回より新設している。また、昨年新設した主催者表彰「DMG MORI 5軸大賞」を今年も1点選出。

 なお、表彰式は、11月21日(木)に東京グローバルヘッドクォータにて開催する。

 受賞作品は以下のとおり。

産業部品加工部門

<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
 ・薄肉(0.25mm)の内径精度を±0.005mmで加工している。また、加工時間もSUS303に対して12分で加工している。
 ・中ぐりによる内径精度が高く、形状の仕上げも素晴らしい。

試作・テスト加工部品部門

<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
 ・材質がアルミナセラミックスであり、薄物に加工することは非常に難しいが、それを実現していることは高く評価できる。加工形状の曲面も綺麗に仕上がっている。
 ・削りにくいセラミックスで、軸のないスクリュー形状を創出した技術は立派である。CAD/CAMを使わず、マクロで工具経路を作成した点も評価できる。

造形加工部門

<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
 ・ポリカーボネイトの材料で、クモ、糸、枠を一体加工している。クモの加工も足部がよく表現できており素晴らしいが、幅0.05mmのおむすび型の糸は極めて難しいと思われる。
 ・加工時間が2時間10分と短いことも評価できる。

先端加工部門

<審査委員によるAM造形技術賞の評価ポイント>
 ・大きくて複雑な形状の車のカットモデルを細部まで正確に表現したCADの素晴らしさと、それから創成したAMモデルは評価できる。

<審査委員によるAM造形アイディア賞の評価ポイント>
 ・金属材料で異種材料である布や竹を表現した造形アイディアは評価できる。
 ・どの方向にも自由に動くチェーン構造体を考えている点は評価できる。また、それを実現する精度も素晴らしい。

アカデミック部門

<審査委員による金賞作品の評価ポイント>
 ・外形が正方形で内接する三角形部品をスムーズに動くようにねじを加工しており、その設計と加工精度は評価できる。
 ・正方形(内径ねじ)に内接して回転する三角形(外径ねじ)があり、三角形を回転すると、きちんとねじが機能し、加工精度の高いことがわかる。

DMG MORI 5軸大賞

<審査委員によるDMG MORI 5軸大賞の評価ポイント>
 ・斜めポケット、外周溝の面品位が極上。2工程で全加工した点も評価できる。
 ・5軸加工機の長所を最大限に表わした加工品で仕上げの質も素晴らしい。

エキスパート・マシニングアーティスト36名が誕生し、全国から名古屋に集結! ~碌々産業~

 碌々産業(社長=海藤 満 氏)が、微細加工機をあやつるオペレータに対し、尊敬の念を込めて「Machining Artist(マシニングアーティスト)」と呼び、普及活動を行っているが、10月24日、名古屋市内のキャッスルプラザに全国から認定された“エキスパート・マシニングアーティスト”たちが集結した。自慢の加工サンプルをもちより、親睦を深めた。  
 

あいさつをする海藤社長
あいさつをする海藤社長
 今回は84名のエントリーがあり、うち36名がエキスパートに認定された。

 海藤社長は、あいさつの中で、「最近の若者はIT業界に流れがちだが、ITはコトづくり。微細加工はものづくり。コトづくりは、ものがあってはじめてコトがつくれ、生産性が上がっていく。したがってものがないとコトづくりは成り立たない。誰も発想しないような素晴らしい微細部品づくりは、日本の強みだと思っている。そのためには若い人たちにどんどん入って貰わなくてはならない。今回、エキスパート・マシニングアーティストの皆様が、こうした未来を担う若者たちの憧れの対象になって欲しいという思いがある。ここに集まった皆様は非常にマニアックで集中力のある方ばかり。お互いに刺激になり、面白いことが起こるのではないか。エキスパートとしての誇りと自己研鑽で、さらに素晴らしいものづくりを行って欲しい。」と期待を込めた。

 同社の近況報告にも触れ、海藤社長は、「2019年前半は弊社にとって3つの特需があった。」と述べた。それによると、①半導体メモリが動き始めた、②スマホのモジュールが増え、そのカメラレンズの製作のため、同社の“Android”の受注が増えた。③米国大手企業とのコラボレーションでカスタマイズした機械の受注が増えた――とのことで、目標に対し120%の受注を上げたと報告をした。

 今後は毎年3月末に「エキスパート マシニングアーティスト」にエントリーをすると発表した。また、認定証と同じものを、同社のショールームである“マシニングアーティストラボラトリー”にリスペクトの意味を込めて掲載する。

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