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〈年頭所感〉日本工作機械工業会/日本機械工具工業会/日本工作機器工業会
「世界各国が大きな変革期」
●日本工作機械工業会 会長 花木義麿
2017年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年は、年初からの原油価格の暴落、また6月の英国のEU離脱決定により金融市場が大きく動揺し、円高が急激に進行しました。11月の米国大統領選挙でトランプ氏が当選し、その後、為替が急激に円安に転じるなど、社会、経済が激しく動いた一年でありました。
世界各国において、IoT技術を高度に活用し、新たな生産体制を構築する取り組みが進み、第4次産業革命と言われる大きな変革期を迎えています。
当工業会会員各社は、昨年11月に開催した第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF・Tokyo 2016)において最新鋭の工作機械、最先端の技術を世界に向けて提案いたしました。人口知能(AI)を搭載したスマートマシン、切削加工と積層造形加工を融合したハイブリットマシン、IoTを活用して工場全体の生産を最適化するスマートファクトリーなど、日本の高度なソリューションが大きな注目を集めました。来場者数は国内外ともに過去最高を記録し、「世界最高レベルの技術ショー」、「国際ショー」として、JIMTOFの存在感を示すことが出来ました。
昨年の工作機械市況を振り返りますと、内需はものづくり補助金等による設備投資の後押しもあり、堅調に推移しました。外需を見ますと、中国は経済の停滞により設備投資が減速し、また、その他アジア市場も低迷しました。欧州市場は比較的底堅く推移しました。しかし、米国は前年比減少でありました。
この結果、2016年の工作機械受注額は1兆2,000億円台半ばとなり、昨年8月に修正した受注見通し1兆3,000億円を幾分下回りましたが6年連続して1兆円を上回りました。
円高が進行するなど厳しい経営環境の中ではありましたが、一定の成果を残すことが出来たと思います。
2017年は世界中で生産革新の動きが加速し、高付加価値の工作機械、高度なソリューションへのニーズが更に高まっていくと期待されます。製造業の基盤を担う日本の工作機械産業は、生産革新を牽引し、ものづくりの発展に貢献していきたいと強く思っております。
当工業界と致しましては、我が国工作機械の競争力強化に向けて設立した「加工システム研究開発機構」を中心にして、世界最先端の工作機械技術の開発、国際標準化、研究者・技術者の育成等を推進し、業界の技術基盤、経営基盤の強化に努めて参ります。関係各位には当工業会の事業に対するご理解とご協力をお願い申し上げます。
本年が皆様にとって更なる飛躍の年となるよう祈念致しまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。
「絶え間ない技術革新により世界市場で通用する商品を打ち出していく」
●日本機械工具工業会 会長 本間博夫
平成29年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。平素から、関係各位のご支援、ご協力に対し、心から感謝申し上げます。
昨年を振り返りますと、改めて日本は、地震大国であると認識した一年でありました。熊本、島根、また、記憶にも新しい福島県沖地震と、大きな災害が日本各地で発生いたしました。当工業会でも、被災した会員がいましたが、全社挙げての復旧により、現在では通常通りに生産・販売活動をしており安心しております。
さて、昨年秋には当工業会にとりまして、統合後初めてのJIMTOFが開催されました。会員、特に開発部門の方々が、苦労してきた成果を発表する場でありますが、多くのお客様にとっても、困り事を解決できる工具が見つけられる機会だったのではないかと思います。
工具ブースでは、自動車の脱エンジン化の流れを反映してか、航空機向けの工具の展示が、以前よりも増えたように見受けられました。航空機の部品点数は300万点を超え、産業としての裾野は広いと言われております。
その中には、CFRPやインコネル材などの難削材も多く、会員各社には、是非とも、技術革新を進め、航空機産業の厳しい品質要求に応えられる工具を開発し、国内だけではなく、欧米の航空機メーカーにも大いに拡販して欲しいと思っております。
一方、工作機械ブースにおきましては、IoTを含めた、スマートファクトリーをテーマとする工作機械メーカーが殆どで、ロボットを組み合わせた自動化・無人化を提案する動きが、今回は特に目を引きました。
これら工作機械に搭載される工具としては、これまでの高速・高能率化だけではなく、突発的な欠けや折損等のトラブルの無い、より安定した工具の提供も、我々、工具メーカーの重要な務めになってまいります。
私は、昨年春の総会パーティーで、当工業会の当面の生産額目標を5,000億円と申し上げました。今年度は、残念ながら国内自動車生産の減産、新興国市場での景気減退などにより、4,467億円の見込みであります。
しかしながら、今後も絶え間ない技術革新により、世界市場で通用する商品を打ち出していくことで、5,000億円の目標は必ず達成できると思っております。
最後になりましたが、今年の十二支は酉です。『酉は取り込む』に繋がると言われ、そこから運気もお客も取りこみ、商売繁盛に繋がる年と考えられております。読者の皆様にとりまして、一層の飛躍の年になりますよう祈念し、年初のご挨拶とさせていただきます。
「大きな変化に怯むことなく成長の好機と捉えたい」
●日本工作機器工業会 会長 寺町彰博
あけましておめでとうございます。
年頭に際し、所見を述べさせていただきます。
昨年の世界経済は、中国をはじめとする新興国、および先進国の一部に弱さが見られたものの、全体としては緩やかな回復が続きました。
そのような中、英国のEUからの離脱決定、米国のトランプ大統領誕生が象徴するように、保護主義への傾斜が見られ、これまで進展してきたグローバル化が大きな分岐点を迎え、世界経済の先行きが不透明となった1年でした。
日本に目を向けますと、為替の円高を背景に企業収益が伸び悩む中、個人消費が低迷し、経済は低調に推移しました。一方で、リオデジャネイロ五輪において日本が史上最多のメダルを獲得し、多くの希望と勇気がもたらされるとともに、準備が本格化している2020年の東京五輪開催に向けて大きな弾みがつきました。
世界経済の先行きには不透明感が高まる一方、AI、IoTなどの高度情報技術による繋がりやロボットを活用した仕組みが進展し、「インダストリ4.0」に代表される製造業の革新に向けた取り組みが進んでいます。さらに、このような取り組みが本格化していく中、時代を先取りして企業間で様々な業務提携が行われ、新たなグループ形成の動きが出てきています。
このように私たち日本の製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。しかしながら、このような大きな変化に怯むことなく成長の好機と捉え、これらの新しい技術や仕組みを、私たち日本の製造業の「強み」である高付加価値な製品やサービスへと、知恵を絞り積極的に取り入れ付加することにより、その強みをさらに高めていくことが重要であると考えます。
これらを実現できれば、必ずや私たちはグローバル競争の中で打ち勝ち、世界の製造業を引き続き牽引していくことができるものと考えております。
従いまして、当工業会といたしましても、会員の皆様と強い信念を共有するとともに、これまで以上に連携を深め、日本の製造業の発展に寄与できますよう、積極的な活動を展開してまいる所存です。
最後になりましたが、会員企業様の益々のご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。
〈年頭所感〉日本精密機械工業会/日本工作機械輸入協会
「超精密へのあくなき挑戦」
●日本精密機械工業会 会長 稲葉弘幸
平成29年を迎え、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
旧年中は当工業会の活動に格別のご支援、ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。
さて、当工業会は「超精密へのあくなき挑戦」を共通のテーマに掲げております。
量産分野は海外へ、一方、多品種少量分野は国内で。
細かなニーズに応えるためには多様化した製造になれていくしかない。
そのためには、作業効率と経済効果の高い製造現場の構築に貢献できる技術力を持つ必要がある。
「超精密へのあくなき挑戦」は、工業立国である日本の技術力を示し続けなければならない、工業界挙げての意気込みを表しております。そして、「超精密へのあくなき挑戦」を続ける企業様に、その技術力を示す場としてJIMTOF2016では「日本人の匠技・モノづくりコンテスト」を企画、入賞作品は工業会入賞作品ブースにて展示を行いました。
また、日本国内で「モノづくり」をしている集団として「日本製」をサラにアピールする重いから「JAPAN MADE」認証制度を設立しております。日本製の精密機械を「JAPAN MADE」として認証し、ブランド力・信頼性・情報発信力を強め、新しい需要の創出を喚起したい、そんな狙いがあります。
「超精密への飽くなき挑戦」が当工業会の共通テーマであるならば、その共通テーマ達成のために工業会会則に掲げられているのが「会員企業相互の親睦」であります。
グローバル競争下でも個性を発揮し、精密機械業界が継続的な発展をするためにも、会員相互の親密度の高い工業会であることを基本路線に挙げております。
当工業会は今年設立60周年の節目を迎えることになります。現在は、正会員37社、賛助会員56社、特別会員2名の企業様並びに個人様にご参加いただいております。
「アットホームで会員相互の親密度の高い工業会」として60周年の節目には会員数100社を目指しております。
今後も「日本のモノづくり」に貢献出来るよう務めてまいりますので、引き続きお引き立ての程よろしくお願い申しあげます。
最後に、関係各位のご支援、ご協力をお願い申しあげますと友に、皆様にとって最良の年になりますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
「初心にもどって日本を学ぶ研鑽を」
●日本工作機械輸入協会 会長 中川貴夫
2017 年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は当協会の事業活動にご支援ご協力を賜りまして、誠にありがとうございました。
輸入工作機械は日本の近代化や工業化の基盤を成すものであり、当協会はその発展と推進において貢献してまいりました。今後も、グローバル時代における「日本人のものづくり」を支えるため、一層の努力をしていく所存です。
2016 年の工作機械の輸入通関実績は、約930億円(予想)となり、昨年の1100億円から約16%減となり、2014 年度のレベルとなりました。為替が円高に振れたことで大手輸出型の企業が設備投資を躊躇したことが主たる理由かと推測されます。
昨年11 月に開催されたJIMTOF 2016 は、14 万7 千名を超える来場者を迎え、特に海外出展社用として増床されたこと、さらに海外からも多くの来場者があったことで、JIMTOF 史上最もグローバル化された展示会となりました。今後は、各社このフォローを足掛かりとした営業活動に邁進されることと期待します。
さて、今年は、9月18日(月)から23日(土)までの6 日間、ドイツ・ハノーバーにてEMO が開催されます。激動の国際政治情勢の中、予測がつかない年となりそうですが、好転することを期待して、当協会では、恒例の視察ミッションを予定しております。
当協会会員すべてにいえることですが、輸入商にとって、海外パートナーとの関係においてもっとも重要なことは、「日本を知る」ということです。日本のことを知らない輸入商は海外パートナーからみて何の魅力もありません。そういった意味で、当協会では初心にもどって「日本を学ぶ」研鑽をしてみたいと年頭に思うところです。
最後に、皆様にとりまして、本年が最良の年となりますよう祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
〈年頭所感〉日本工作機械販売協会/日本金型工業会
「営業マン教育の強化に注力」
●日本工作機械販売協会 会長 冨田 薫
皆様 新年明けましておめでとう御座います。
健やかに新春を迎えられた事と、謹んでお慶び申し上げます。
旧年中は当協会に対し一方ならぬご厚情と暖かいご支援を賜り有難う御座いました。あらためて御礼申し上げますと共に本年も引き続き宜しくお願い申し上げます。
昨年を振り返ってみますと日本人として誇れるうれしいがニュースが多くありました。
まずリオオリンピックにおいて、日本チームは史上最多のメダル(金12個、銀8個、銅21個)を獲得しました。夜中に興奮してTVを見ていたので8月は寝不足になりました。
また2016年ノーベル生理学、医学賞を大隅良典氏が授与されました。
果して今年は、日本人がどの様な活躍を世界でしてくれるのか楽しみです
さて、英国のEU離脱の決定(Brexit)とアメリカにおけるトランプ大統領の誕生は本当に驚いたニュースでした。何か世界のパラダイムが変わるシグナルでしょうか? 果たしてこれらが世界経済、日本経済のどの様な影響を及ぼすのか注視したいと思います。
昨年の日本の工作機械暦年総受注額は、1兆3000億円位でした。内需は政府、県各市町村の設備投資に対する補助金交付効果、投資減税等により約5300億円位になりました。2015年の補助金特需程ではありませんでしたが、まあまあでした。今年も第2次補正予算補助金の批准、交付とJIMTOF効果で、内需は5000億円を超える事が期待されます。
ここで、JIMTOFを見学して今後の工作機械の方向性につきまして次の5点を挙げたいと思います。
第1点として、自動車部品向けモジュールマシン(機械幅等が同じで連結変更が容易)。
第2点は低価格5軸制御立型マシニングセンタ(プログラムも比較的容易)。第3点は航空
機向け大型、高速マシニングセンタ。第4点は金属3Dプリンターとその後加工も出来る
ハイブリッドマシン。第5点はI o Tへの対応です。他品種少量のワークをどう稼働率を上
げるかです。センサーとインターネットを組み合せて、総合管理(生産、予知)をする方
向です。上記5点がどの様に発展、進化するのか楽しみです。
最後に日工販の役割について述べたいと思います。
まず第1に営業マン教育の強化です。ユーザーの技術的要望を解決出来るプロの営業マンが必要であり、日工販としては、各種教育セミナーを提供して、営業マンのレベルアップに協力して行きたいと思います。IoT全盛の世の中になると、ユーザーとの物の売買も無味乾燥なものになります。
営業マンのユーザー技術部、購買部との心の通った対応が重要になります。
第2に各種情報の提供です。補助金、助成金、税制改正などの情報を会員各社には迅速且つ的確に提供し、必要あれば関係官庁のご協力を頂きセミナーを開催致します。
第3にメーカー各社の情報及び人脈作りです。メーカーのご協力を得て新製品情報勉強会の開催、またメーカー営業マンと会員各社との情報交換会を積極的に実施し、より一層連携を深めて行くことを目的として取り進めたいと思います。
上記の内容をひとつ、ひとつ実行してゆく所存ですので、本年も引き続きご支援を宜しくお願い申し上げます。
最後となりますが、皆様の益々のご多幸とご健勝を祈念申し上げて、私の年頭のご挨拶とさせて戴きます。
「金型企業のモノづくり精神により“稼ぐ力”に転化」
●日本金型工業会 会長 牧野俊清
平成29年の新春を迎えるにあたり、謹んで会員の皆様、関連官公庁、関連業界の皆様にお慶び申し上げます。
日本の金型業界はリーマンショックによる世界同時不況の影響により大打撃を受けましたが、2010年の底から自動車用を中心に少しずつですが回復を続けています。しかしながら、2007年と比較して、まだ8割を超えたところです。
昨年、グローバル政治は波乱の年で、5月にフィリピンではドゥテルテ大統領が選出、6月に英国がEU離脱、11月に米国の大統領にトランプ氏が選任、12月にイタリアのレンツィ首相の辞任、韓国の朴槿恵大統領の弾劾とありました。特に、世界経済に大きな影響のある米国の大統領にトランプ氏が選任されたことで、保護主義等の懸念より11月2日の日経平均株価は始値17,243円が16,112円と下げましたが、幸いに、米国内投資が増大するとの観測もあり、為替は1ドル103円から114円(一説には120円)に移行し、日経平均株価も19,000円(一説には20,000円)に戻しています。
懸念を感じますのは、我々の需要業界である素形材産業の景況が、一昨年10月くらいより良くないことです。中国の状況が改善されず、資源国始め世界経済に悪影響を与えています。
平成29年の干支は「丁酉(ひのととり)」で、60年に一度巡ってきます。「酉」という漢字が持つ意味は、果実が極限まで熟した状態、酉熟(ゆうじゅく)して気の漏れる状態とのことです。丁酉の年は、火の陰と燃えない金属という相反する年であり、何かと矛盾が生ずる可能性があり、円満に物事が進みがたい一年との説があります。
60年前の丁酉の年は1957年(昭和32年)で、下記のことがありました。
岸信介内閣が成立。国際連合に加盟。欧州経済共同体(EEC)設立条約調印。東京通信工業(ソニー)が世界最小のトランジスタラジオを発売。コカ・コーラ、日本での販売開始。糸川東京大学教授らが、初の国産ロケットの発射に成功。立教大学・長嶋茂雄選手の巨人軍入団決まる。
神武景気と岩戸景気の狭間でしたが、現在の日本の骨格が形成されたように思えます。
金型に関しては、全国組織「日本金型工業会」の創立総会が11月25日に東京目黒で開催されました。今年は、「日本金型工業会」還暦の年です。
本年11月に創立60周年記念式典を計画しております。本年より始める「金型マスター制度」の認定も計画しております。
経済産業省では、中小企業等経営強化法等「稼ぐ力」に志向されています。次世代が産業構造の変換の中で生き残り発展するためには必要なことだと思います。「IoT 」( Internet of Things)とか「インダストリー4.0」の活用が重要視されていますが、金型企業のモノづくり精神により「稼ぐ力」に転化ができればよいと思います。
2014年に「新金型産業ビジョン」を作成いたしましたが、営業力(提案力)、海外展開、周辺分野への事業展開、人材確保・人材育成、技術研究開発、連携・提携のキーワードの
重要性はさらに高まっています。
昨年の工業会の総会で、国際金型協会(ISTMA)復帰が認められ、本年はメンバーとして承認される予定です。海外展開、周辺分野への事業展開にご活用いただけたら幸いです。
日本金型工業会は、現在、会報・ホームページのリニューアル等、サービスの拡充を進めております。真に全国組織としての工業会を目指し、金型シンポジウムを九州地区、北陸地区に続き、昨年は東北地区で開催いたしました。全国からのご入会が増え、金型業界がより活性化することを期待しております。
緊急事態が続く今年においても、繰り返しになりますが、会員、賛助会員、顧客、経済産業省素形材産業室始めとした監督官庁、学会の大きな応援により、この難局を、「元気な業界」として乗り越えていきたく思う所存でございます。皆様のご理解ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせて頂きます。
〈年頭所感〉DMG森精機/オーエスジー/日立建機
「よく学び、よく働き、よく遊ぶをモットーに働き方改革への取り組みを強化」
●DMG森精機株式会社 取締役社長 森 雅彦
新年明けましておめでとうございます。
昨年は、イギリスでのEU離脱国民投票、アメリカでの大統領選挙、中東地域における戦闘の激化等が要因となり、1ドル=99円台まで円高が進むなど、為替相場が不安定な年ではありましたが、欧米での弊社受注は比較的順調に推移しました。11月の東京JIMTOF2016では、過去最高の入場者数を記録し、引き合い・受注目標も達成する事が出来ました。「DMG MORIスマートファクトリー」をテーマに、ステージを利用し、IoT・インダストリー4.0社会に対応するテクノロジーサイクルやソリューションを紹介いたしました。
2009年から業務・資本提携してきた独DMG MORI AG社の株式を76.03%まで取得すると共に、2016年8月にはドミネーション・アグリーメントが発効され、経営資源を一体のものとして活用することができるようになりました。部品共通化、機種統合、CRM、サービス・パーツシステム、グローバル生産能力の最適活用により、今後さらに経営効率化を加速してまいります。重複または過剰だった、千葉・上海・スイス・フランスの工場を閉鎖し、伊賀工場・フロンテン・天津工場に統合しました。より効率的な生産体制を構築し、財務体制を強化します。米国では、ディーラー経由の流通体制から直販体制への変革が完了しました。2015年と比較し、2016年では直販開始前より20%受注が伸びており、来年もさらなる効果が期待できます。
また、本年は全社を挙げて働き方改革への取り組みを一層強化いたします。「よく学び、よく働き、よく遊ぶ」をモットーに、在宅勤務の拡充、コアタイム制の導入、残業ゼロに向けた意識改革で、公私共にバランスの取れたワークライフバランス作り、年間労働時間1800時間、有給休暇完全取得の実現に向け取り組んでまいります。
本年も、世界中のお客様に、優れた品質の製品を最善の納期とサービスでお届けすべく、努力して参ります。変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
「ハングリーに市場開拓」
●オーエスジー株式会社 代表取締役社長 石川則男
2017年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
昨年は英国のEU離脱、シリア難民問題、そして米国大統領選挙など大きな政治的な事象があり、世界的に政情不安が広がりました。一方では米国大統領選挙後には大方の予想に反してドル高円安、株高になりました。輸出企業にとっては風向きが変わり、景況感も改善されたと思われます。しかしながら根拠が薄い中での円安ということで、いずれまた急激な円高に転じるのではないかといった不安も見受けられます。
私ども切削工具の市場は世界的な製造業の停滞感から必ずしも需要が旺盛とは言えませんが、資源国、新興国の景気が底打ちする期待もあり、前向きな経営を進めたいと思います。そのような状況下、当社はハングリーに新販路の開拓に努める年にしたいと思います。
ここ2,3年、進めたM&Aによる販路拡大、大手ユーザー開拓のために世界各地に設立しているテクニカルセンターを活用した販路拡大。付け加えて自動車、航空機産業における難削材加工用の新技術を使った販路拡大を多角的に進めてまいります。
ハングリー精神を忘れず、チャレンジする2017年とし、来る創立80周年の年である2018年につながる年にしたいと思います。
最後になりますが、日本経済の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。
「期待を上回るソリューション“Reliable solutions”を提供」
●日立建機株式会社 執行役社長 辻本雄一
あけましておめでとうございます。
新年を迎えるにあたり一言ご挨拶申し上げます。
昨年はイギリスのEU離脱の国民投票やアメリカの大統領選挙など、従来の世界の枠組みに大きな影響を与える出来事があり、そのたびに為替や株価が大きく変動しました。また、世界各地で発生しているテロや感染症など地政学的リスクも拡大しており、ますます先行き不透明な状況となっています。
建設機械市場をみると、地域によっては回復の兆しも見えますが、今後とも全体的には依然として厳しい状況が継続すると思われます。
一方で、建設機械業界を取り巻く事業環境は急速に変化しており、市場のグローバル化により社会・お客さまのニーズは多様化しています。
日立建機グループは、日立グループ各社とも連携を深め、日本をはじめグローバル市場において社会やお客さまのニーズを的確に捉え、安全性、品質、性能、耐久性、経済性に優れた製品の開発と提供、お客さまとの密接なコンタクトを通じて、お客さまの期待以上の提案を行う販売、良質でタイムリーなサービスの提供、レンタル中古車事業の深化、そしてそれらを統合した顧客ソリューション事業の展開など、建設機械ビジネスのバリューチェーン全体で、社会・お客さまの期待を上回るソリューション「Reliable solutions」を提供してまいります。
最後になりましたが、新しい年2017年が皆さまにとって平和で穏やか、そして明るい年になることを祈念して年初のご挨拶とさせていただきます。
DMG MORIが1月1日に先端技術研究センターを設立
DMG森精機(社長=森 雅彦氏)が、2017年1月1日に先端技術研究センターを設立した。 同社では、IoT、インダストリー4.0、人工知能ロボット、COP22による脱炭素、電気自動車(EV)、自動運転、フィンテック(ブロックチェーン)、シェアーエコノミーと、“既に起きている未来”は、2020年以降の世界では社会や産業に当たり前のように、広く実装され、デジタル革命は新たなステージに到達することが予想されることを背景に、新しく開設する先端技術研究センターは、上記の変革を主導する人材を集積し、同社がその時代に求められる顧客価値と社会的価値を創成し、顧客に提供する人材の育成の場としての役目を担う。 同社では、「今後、働き方も現在とは大きく異なるスタイルになっている。人・情報の多様なネットワークを形成し、個人の自己実現と企業の成長が相乗する、新しい働き方の試行の場でもある。さらに、関東地区をはじめとする優秀な学生の先端技術に関する研鑽の場所となるよう、長期のインターンシップを積極的に受け入れることで、優秀な人材を発掘し、育成・支援する。したがってこの先端技術研究センターは、“企業内大学院”の創設も意味している」としており、研究センターのセンター長には、松島 克守(元)東京大学工学系研究科・技術経営戦略学専攻教授(東京大学名誉教授)が就任頂する。東京大学・大学院の教育水準での研究指導により、先端技術の分野に卓越した高度専門技術社員を育成するのが狙い。<先端技術研究センター概要>所在地 :東京都江東区潮見2-3-23DMG森精機株式会社 東京グローバルヘッドクォータ内設 立 : 2017年1月1日センター長: 松島克守(東京大学名誉教授)研究員 : 社内若手、社外専門家若干名でスタートし、人材獲得により増強する。その他 :長期インターン参加者には、奨学金最高限度額まで支給し、研究に専念してもらう。
ジーベックテクノロジーが8月10日を「バリ取りの日」に制定
ジーベックテクノロジー(社長=住吉慶彦氏)はこのほど8月10日を「バリ取りの日」に制定し、日本記念日協会が認定したと発表した。 記念日の由来について、同社は、「バリ取りは、“バリなきこと”という図面指示により、長きにわたって直視されずに来た分野でありながら、品質にこだわる世界に冠たる日本のものづくりの肝となる仕上げ工程。弊社では、独自開発の技術により、バリ取りの自動化・効率化を進めており、その活動は現在、世界40カ国にまで広がっている。そこで、8月10日を『バリ取りの日』と制定し、日本記念日協会に認定していただいた。バリ取り自動化100%実現への決意を新たにするとともに、ユーザの皆様がバリ取りの効率化・品質安定化を意識する日、バリ取りに懸命に取り組まれている方々への感謝の意を表す日としていく」としており、バ(8)リ取(10)りから、8月10日を「バリ取りの日」とした。 同社が事務局を務めるバリ取り大学と連携させ、ただ製品を開発・提供するだけでなく、バリ取りの意識を改革できるようなイベントを提供していく考え。 なお、社長ブログでは、「バリ取りの日」に込めた想いを綴っている。▼社長ブログhttp://xebec-tech.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/810-8f08.html#more
バリとXEBECの取り組み
(1)バリとは バリとは、金属やプラスチック等素材を加工する際に出る、素材の出っ張りのこと。バリが残っていると、部品を正確に組み付けることができず、期待する性能を発揮しなかったり、脱落して誤作動の原因になったりする。 そのため、バリはしっかり取らなければならない。 部品の設計図には、大抵「バリなきこと」と記載されている。 バリを取って、しっかり仕上げる工程は、製品の品質、企業の信頼性を左右する重要な工程。つまり、世界で信頼されるものづくりを推進する日本の製造業の価値を上げられる工程なのだ。(2)従来のバリ 重要な工程であるバリ取りは、従来より人の手作業で対応することが常識化されていた。 この理由は、前加工の工具の磨耗状態で、バリが変化したり、さまざまな場所に発生することから、人でないと対応できなかったから、という理由による。 一日中、顕微鏡を覗きながら、非常に繊細なバリ取りをしている方もいる。 また、何万回転も回るようなエア工具で火花を散らしながら、バリ取りをしている方もいる。 大事な工程だが、どうしても負担の大きな単純作業になってしまうために、担当者のモチベーションが上がらないのが現実である。 この件について、同社では、「残念ながらバリ取り作業を楽しいと思って取り組んでいる方にはお会いしたことがありません。これは、日本だけではありません。世界中で同じことが起こっています」と話している。(3)バリ取り自動化とジーベックテクノロジーの取り組み 同社では独自に開発したセラミックファイバー製の工具の特長を生かし、2007年より、本格的に、「バリ取りを工作機械やロボットで自動化しましょう」、という啓蒙活動を行っている。 「作業者を単純作業から解放し、創造的で価値を生む仕事に従事してもらいたい。仕事にやりがいを感じ、明るく前向きな人生を歩んでもらいたい」との強い思いのもと、同社ではバリ取り工程の自動化を推進しており、今では、世界40カ国に展開し、世界の名だたる自動車関連メーカー以外にも、各分野の一流企業に採用されている。 2014年からは、バリに関する知識やノウハウを提供する「バリ取り大学」事業も開始し、セミナーや展示会での企画を通じて、幅広いユーザで、バリ取り効率化を推進できるようサポートをしている。
三菱マテリアルが刃先交換式ドリル「MVX形」にインサートを追加
三菱マテリアル株式会社 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)は、刃先交換式ドリル「MVX形」のインサートに「UHブレーカ」「UNブレーカ」を追加し、このほど販売を開始した。
高硬度鋼加工用や鋼・鋳鉄の欠損対策とした刃先強化形「UHブレーカ」とアルミニウム合金加工用の「UNブレーカ」を追加したことで、シリーズの使用範囲の拡大を図る。
刃先交換式ドリル「MVX形」は、完全4コーナ仕様により経済性が良く、外刃・内刃の材種を最適な配置とすることにより、これまで以上の切削性能と長寿命を実現している。さらに、表面硬度を高めるとともに最適設計されたホルダにより高剛性を確保し、L/D=6の加工を可能としている。
刃先強化形「UHブレーカ」とアルミニウム合金加工用「UNブレーカ」の主な特長は、以下の通り。
① 刃先強化形「UHブレーカ」は、強ネガ形状と広いランド幅による刃先強度と靭性・硬度に優れたPVDコーテッド超硬材種「DP8020」により、内刃に使用することで高硬度鋼(45HRC以下)の加工と鋼・鋳鉄の欠損対策に最適。
② アルミニウム合金加工用「UNブレーカ」は、上面のポリッシュ仕上げと外周研磨により溶着を防止し、ポジランドと強いすくい角のコンビネーションで切れ味を向上。
・標準価格 : 1,110円~2,000円
(型番)
・SOMX062905-UH DP8020:1,160円
・SOMX186908-UH DP8020:2,000円
・SOGX063005-UN TF15:1,110円
・SOGX187008-UN TF15:1,910円
(いずれも税抜価格)
タンガロイが 旋削加工用高圧クーラント対応ホルダシリーズ「TungTurn-Jet(タングターン・ジェット)」アイテム拡充
タンガロイ(社長=木下聡氏)は、タンガロイが掲げる『倍速切削』を実現する工具の一つである旋削加工用高圧クーラント対応ホルダシリーズ「TungTurn-Jet」のアイテムを拡充し、このほど発売を開始した。
従来の外部クーラント方式では、生成された切りくずが邪魔し、切削ポイントへ的確に切削油を供給することが困難な場合があった。「TungTurn-Jet」は、ホルダ内部から高圧で供給されるクーラントをクーラントユニットからインサートの刃先に最も近い位置から直接供給可能な機構を採用している。これにより、通常の外部クーラント対応ホルダでは切りくず処理が困難であった耐熱合金などに対し、切りくずを強制的に分断することで切りくず処理性を大幅に向上・改善することができる。さらに、前面クーラント穴からもインサート逃げ面へクーラント供給が可能であり、切りくず処理性の向上だけでなくインサートの損傷抑制にも効果を発揮する。
また、「TungTurn-Jet」は高圧クーラントユニットを使用せず既存設備の通常切削油圧でも工具寿命の延長が可能であり、耐熱合金だけでなくステンレス鋼や合金鋼などの加工でも効果を発揮し、航空機産業だけでなく自動車産業や一般機械産業でも高能率・高生産性を実現する次世代工具である。
今回、一般外径用ホルダ及び好評を博している高経済性工具「ISO-EcoTurn」用ホルダを大幅拡充することにより、幅広い加工領域に適用可能となった。
主な特長は以下の通り。
● 高圧クーラントにより、耐熱合金に代表される難削材加工でも切りくずを強制的に分断し、お客様の生産性を飛躍的に向上させることが可能。
● クーラントをインサートの刃先に最も近い位置から直接供給することで、切りくず処理性及び耐摩耗性を大幅に向上させることが可能。
主な形番と標準価格
●ホルダ
・ISO-EcoTurn用PCLNR2020K0904-CHP24,000円
・ISO-EcoTurn用PWLNR2525M0604-CHP27,100円
・一般外径加工用PWLNL2525M08-CHP27,100円
・一般外径加工用PVJNL2525M16-CHP37,200円
(いずれも税抜価格)
全アイテム:32形番
アマダマシンツールがデジタル電動サーボプレス SDEシリーズGORIKI「SDE-1515 / SDE-2017」を新発売! ~ 剛性を高めた力強いサーボプレス誕生で加工領域を拡大~
アマダマシンツール(社長=田所雅彦氏)は、これまで好評を博してきたデジタル電動サーボプレスSDE シリーズに、新たなラインナップとして冷間鍛造順送加工専用の高剛性タイプ「GORIKI(SDE-1515 / SDE-2017)」を市場投入した。
「GORIKI」(ゴウリキ)は、その名のとおり「剛性(GO)を高めた、力強い(RIKI)サーボプレス」を意味する高剛性タイプのプレスマシン。多工程順送金型の搭載を可能にしたワイドスライドエリアに加え、ソリッドコラムフレーム構造を採用した独自設計により剛性を高め、加圧時のフレームの伸びを抑える。またセンターギブフルガイド構造により、耐偏芯荷重特性を高めることで、板鍛造加工や高張力鋼板などの高付加価値成形、ならびに超精密な高精度加工に対応する。
同社では、「現在、製造業ではIoT と自動化へのニーズが盛んになっていますが、本マシンもネットワーク対応が可能となっており、稼働状況の把握はもちろんのこと、モーション作成、荷重波形解析、金型管理など、業界に先駆けて取り組んできたプレスマシンのIoT 化にも対応しています。また自動化においても順送ラインなどの周辺装置を含む導入を考慮した、トータルソリューションとしてご提案しています」としている。
SDEシリーズ「GORIKI(SDE-1515 / SDE-2017)」の主な特長
(1) ソリッドコラムフレーム構造
前面フレームの上部を山型構造とし、またベッド前面板の切り欠きを減少した新たなソリッドコラムフレーム構造により、加圧時のフレームの伸びを抑え(従来機比 約15%抑制)、縦剛性を強化。また従来機に比べブレークスルー※量が軽減されることで、高精度・高品質なモノづくりのサポートを実現する。
(2)センターギブフルガイド構造 スライドギブ構造を従来の後方からセンターに配置し、かつフルガイド構造にすることで、従来機よりも横剛性を強化。耐偏芯荷重特性を向上(スライド左右の動的平行度は従来機比 約40%向上)させ、生産時の安定した加工精度を維持する。
(3) 高付加価値を生みだす多彩なモーションパターン
アマダ独自の制御システムにより、多彩なモーションパターンを搭載。数々の加工ノウハウをデータベース化することにより、加工種別ごとに最適なモーション選択が行えるようになり、サーボプレスの使いやすさを追求する。
(4)順送加工の多工程化に対応したワイドスライドエリア
高剛性構造に加え、スライドエリアを拡大(スライド下面の左右寸法で従来機比 約40%拡大)することで多工程金型を搭載可能とし、板鍛造・高張力鋼板などの高付加価値成形ができ、幅広い加工ニーズに対応する。
(5) 加工ニーズに合わせた生産性の追求
金型交換などの作業性や後方からの接近性を向上させるため、フレーム前後の寸法を抑え、さらに振り子モーションによりストローク数を高める(従来機比 約40%アップ)ことで生産性を向上する。
仕様
*1作業面高さ、マシン高さには、防振装置の高さを含んでいない。
*掲載された情報は予告なく変更される場合がある。
【告知】OKKが東日本、中部・西日本でプライベートショーを開催
OKK(社長=宮島義嗣氏)が、2月9日~10日に東京テクノロジーセンター(埼玉県さいたま市北区日進町3-610)、2月17日~18日に猪名川製造所(兵庫県伊丹市北伊丹8-10)それぞれでプライベートショーを開催する。
今回は、“つながる現場”を視野に入れた同社のIoTシステムによる生産効率向上や保守・予防保全支援を披露する。また、NCプログラムを知らなくても簡単に加工プログラムを作成できる「GMCの体験コーナ」を設ける。
東日本プライベートショー概要

●特別講演
・2月9日(木)14:00~15:30
テーマ:「若手社員育成プログラム」
(詳細は後日発表。事前申し込みとする)
中部・西日本プライベートショー概要

他にも立形マシニングセンタ「43R」、立形マシニングセンタ「VM53R」、グライディングセンタ「GC53R」、立形マシニングセンタ「VM660R」、立形マシニングセンタ「VB53」、横形マシニングセンタ「HM5000」、横形マシニングセンタ「MCH5000R」、5軸制御マシニングセンタHM-X8000」、5軸制御立形マシニングセンタ「VC-X350」、横形マシニングセンタ「MCH6300R」が展示される。
また今回、同社の支援システムである品質安定化技術も披露、丈治、状態をモニタし、「HM-X8000」を高精度に維持する秘訣を示してくれる。