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【レポート】「INTERMOLD2016」でみた各社の製品&技術(前編)

 去る4月20日(水)から23日(土)までの4日間、インテックス大阪で開催されたINTERMOLD2016/金型展2016」「金属プレス加工技術展2016」は、日本のものづくりを根底から支える工作機械・工具・周辺機器がズラリと並んだ。注目した企業の製品&技術を前編・後編に分けてレポートする。
(あいうえお順で掲載:前編=アマダマシンツール、イワタツール、オーエスジー、オークマ、OKK、岡本工作機械製作所、キタムラ機械、黒田精工、ジーベックテクノロジー、ダイジェット工業)

驚愕のスピードで大量切断を見せつけた! メーカーならではの金型管理システムに要注目!
●アマダマシンツール

 注目したのは新型バンドソー「HPSAW-310」(参考出品)。驚愕のスピードで大量切断をする様子を来場者に見せつけた。高剛性フレームやブレードハウジングと耐チッピング、耐摩耗性を大幅に改善した超硬ブレードの組合せで安定した調速切断を可能にしたという。そのスピードたるやアッという間の出来事だったので、「えっ? もう終わったの?」という感じ。超硬丸鋸盤の2倍の切断スピードだというから、驚いた。これなら生産効率が飛躍的に向上するのは間違いない。来場者も釘付けだった。

IoTを睨んでメーカーならではの強みを発揮
IoTを睨んでメーカーならではの強みを発揮
 DSDD(デジタルサーボ・ダイレクトドライブ)で多彩なモーション設定ができるデジタル電動サーボプレス「SDE 8018」には、金型管理システム「MORMS」(参考出品)があった。IoTを睨んだシステムとのことなので、制御技術グループの渡邉氏に話しを聞いてみると、「別の端末に手で入力していくことなく機械から自動で吸い上げてどんどんデータを蓄積、保存する。金型をきっちり定量的に管理することで、金型の寿命を延ばしつつ、メンテナンスの回数を減らすことができる。お客様のコスト削減に貢献するシステムです」とのこと。プレスメーカーが出す金型管理システムの強みは、機械との連携機能だ。この機械でこの金型を生産します、という指示をシステムから機械のほうへ与えると予め設定しておいた金型をつくるためのプログラム番号が自動的に呼び出される仕組み。作業員が金型をセットしたとしても、万が一、プログラム番号を間違えた、となると、せっかくの金型が破損する事故に繋がることになりかねない。そこで、予め、組合せを登録しておくことで、事故を防ぐという人為的なミスを予防できるという。ポータブル機器にはほとんどCCDカメラが付いているので、金型のどこかにバーコードシールを貼り付け、それをポータブルカメラのCCDカメラで読み取る。すると、サーバーのほうに問合せをしてその結果が返ってくる。また、金型には寿命があるが、何ショット打ったかをカウントするので、個々の部品に対しての寿命値も予測できる。それぞれ係数をカウントアップし、寿命値に対して、現在、何%を使ったか、と色で分かりやすく表示する。今まで金型に対して目視で、触って、そろそろメンテナンスかな、という判断していたところを、奥の見えないところの部品まで、“金型の見える化”を実現した。これはメーカーならではのシステムであり、今後、要注目のシステムだ!

「トグロンハードドリル」になんと60Dが登場していた!
●イワタツール

 

なんと60Dが登場していた!
なんと60Dが登場していた!
 イワタツールといえば、トグロンシリーズが有名。同社ならではのユニークな工具がズラリと並ぶ。その中でも、高硬度材深穴加工用ドリル「トグロンハードドリル」に注目したい。この製品はHRC40~72の焼入れ鋼用ドリルで、「被削材の高度が高いほど他の製品に比べて圧倒的な性能を発揮する」をうたい文句に、ジワジワとファンを獲得している工具なのだ。しかも、真円度・円筒度・面祖度が非常に優れた工具で、下穴無しで一発加工ができるスグレモノ。同社では、トグロンハードシリーズに30D以上の深穴加工が行えるトグロンハードロングドリルを標準品としてラインナップしたが、これにより、樹脂金型のイジェクターピンや、冷却穴などの加工がマシニングセンタのみで集約して行え、ワイヤカットや、細穴放電の行程が必要なくなり、リードタイムを短縮することが可能になった。それを象徴するかのように、SKD11 HRC60の焼き入れ鋼の加工では、φ2mm 深さ41mmの貫通穴を、加工時間40秒、寿命80穴以上を達成。条件をさらに落とせば150穴以上の加工も可能という。穴精度は条件によりH7以上も可能。 
 そして、今回、トグロンハードドリルの中になんと60Dが登場していたのだから、驚いた。これは凄い!



 ブース内には、ロングスタマシンの「チップクラッシャー」も展示されていた。これは切粉の容積を1/3~1/10にする製品で、切粉台車の好感回数を減らすことにより作業の効率化、生産性の向上に繋がるもの。切粉回収業者の手配回数が減ることによる経費削減、切粉置き場の省スペース化が実現される。





金型や部品加工の生き残り戦略の秘策が詰まった工具を展開!
●オーエスジー

PSTW
PSTW
 今回のオーエスジーの目玉となったのは、Phonix 6コーナ肩削りカッタシリーズ「PSTW」。剛性を高める厚みと低抵抗なポジすくい各により、びびり振動に強く、突き出しの長い加工に対応する工具だ。高能率加工を実現するボディ設計は、重切削加工に対応したチップポケットが鍵。同社がINTERMOLDの会期中に「金型や部品加工の生き残り戦略」についてセミナーを開催したが、ここでは低価格競争に負けないためのアイデアがあった。サブタイトルは、「PHXエンドミルと新加工技術で世界と戦おう」というもので、高速高送り加工の弱点を解決できる新しい加工技術を受講者に伝授。超深彫り加工に挑戦し、問題点を解決した金型加工のノウハウを紹介した。

超深彫加工も改革次第で従来110時間から20時間へ!
超深彫加工も改革次第で従来110時間から20時間へ!
 金型受注価格が年々低下、受注元からのコストダウン要請が厳しいという背景を元に、金型加工・部品加工の30%時間短縮を実現するための秘策として、超深彫加工を実現する新切削理論と専用工具についての説明があり、ここでは同社の「PHXディープフィーダーブルノーズシリーズ」が取り上げられた。このシリーズは、「直彫加工領域を拡大し、びびりを回避した高精度な粗加工でさらなる生産性向上に挑戦して欲しい」という加工現場を声援するような工具。“Thermolysis効果”がプラスされているという。このThermolysis効果とは、強スパイラルギャッシュにより切れ刃が長くなることにより、その分厚さが薄くなるので切削熱も伝わりやすく、工具刃先や被削材に熱が残りにくくなるというもの。3次元ネガ形状で切粉流動性を向上させているのもポイントだ。ワークに切り込む瞬間の切り込みが小さく、刃先をすべるように切粉が流れる仕組み。オーエスジーは、今回、工具を展示しているだけでなくノウハウをも提供していた。

全ての要求を1台で満たす! MULTUS U シリーズ
●オークマ

 オークマの魅力といったら、“インテリジェント複合加工機”と連想する方も多いのではないだろうか。使い勝手の良いデザイン性の高さもさることながら、高精度、高剛性、高機能、工程結合―――これらの欲張りな要求を全て1台で満たすという「MULTUS U シリーズ」に注目した。

 あらゆる方向からフレキシブルな加工を実現する――というキャッチフレーズから伺うことができるのは、Y軸全域での強靱な削り! 特にミーリングが多い複雑形状部品に最適な広い加工範囲も魅力。Y軸ストロークを十分に活かせる高剛性コラム移動式構造を採用しているので、Y軸全域で強力加工が可能となっている。「MULTUS U 4000」は、広いX軸ストロークでφ200mmワークの側面貫通穴をC軸回転なしで加工することも可能であり、最大□230mmの輪郭形状加工もこれまたC軸回転無しで加工することができる。330mmのロングドリル深穴加工もできるので、あれもこれも全部加工したいという欲張り加工にもってこいのマシンだといえる。トレンドとなっている変種変量生産において、優位性を出すには加工時間を最短にし、高い生産性を実現しなければならないが、同社の「MULTUS U シリーズ」は、2サドル構成を持つ。また、上下刃物台を有効活用した内外径同時加工で、4軸が生み出す高能率加工で加工時間を大きく短縮し、経済効果に期待ができる。また、仮受台を下刃物台に取付け、ワークの着脱が自動でできるので、オペレータの作業負担も軽減しているという使う人にも優しいマシンである。

加工の本格派マシン VM/Rシリーズがキラリと光る!
●OKK

 昨年100周年を迎えたOKK。
 今回、一般部品加工からチタン等の難削材部品の加工まで対応するベストセラー機「VM/Rシリーズ」を一新して展示。どこが変わったかというと、本体剛性と主軸剛性を高め、切削性能をさらにアップさせていた。ちなみに「VM43R」の納入実績は2500台というから人気の高さを知ることができる。

 展示されていたのは「VM53R」。重切削・高精度加工を可能にし、優れた操作性を追求した本体構造を持つ。広い加工エリアにも注目したい。X軸移動量:1050mm、Y軸移動量:530mm、Z軸移動量:510mmと幅広いストロークを確保している。また、オプションでロングテーブル使用(1260mm560mm)を準備しているので幅広のワークも万全だ。
接近性にも優れており、カバー前面から主軸までの距離を780mm、テーブルまでの高さを920mm。より操作性が向上しているのも嬉しい。
 向上したのはそれだけじゃない。本体剛性は、肉厚リブとダイヤゴナルリブ(三角リブ構造)の組合せにより、重切削での剛性を維持している。
他にも精度向上・維持のために、速度/位置で変化するバックラッシをすべり摺動面の特性に合わせた補正(特許4750496)で低減、送り、位置決めの繰り返しで生じる誤差ボールねじ伸び補正で低減、主軸回転による熱変位も補正するといった優れた機能も搭載している。もうひとつ、OKK独自のカム式高速同期工具交換装置(OKK特許)の採用で安定した工具交換と耐久性も実現している。まさに「OKKならではの削りを体感」できるシリーズだ。

「研削革命」の文字が来場者の心を捉えた! 
●岡本工作機械製作所

 従来比10倍の加工を提案した岡本工作機械製作所が掲げる「研削革命」。目指すのは、高能率研削・机上測定&自動補正・複合研削を柱とした高能率加工だ。
 平面・成型研削加工は、従来、熟練を要する作業だが、人間がやることなので、品質の安定性やスピードといった観点から困難なこともあったが、同社の推奨する「研削革命」は、高剛性マシン・切れる砥石、切れる研削液の3要素で従来の研削の常識を遙かに超える50~100µmに及ぶ粗取り切込み量を達成している。リニアモータ駆動採用でテーブル反転スピードも向上したのも見逃せない。
 しかも机上に加工ワークを乗せたまま測定ができることもありがたい。測定後はそのまま自動補正を行うことができる。これにより、加工ワークの着脱の工程を省くことができるので、作業スピードと機械稼働率の向上はもちろん、加工不良が出にくくその分、コスト削減にも貢献する。複合研削では、内面研削・円筒研削・溝面研削を1台のマシンで行う。工程集約による生産性向上に貢献する。

 今回注目したマシンは、CNC精密平面研削盤「PSG64CA-iQ」。このマシンは機械の持つ真直運動精度を正格に転写させる高剛性設計が特長。熟練技能者の加工条件を自動設定できる仕組みを持つ。同社独自開発の文字レス&スキルスレス「iQ(Intelligence Quotient)」世界標準ソフトを搭載している。斬新な発想でデータ入力を徹底的に簡素化し、その気になれば誰もが熟練技を持つ職人になれるマシンとなっている。

省スペースを実現した「Mytrunnion-4G」と独自開発のCNC制御装置「Arumatik-Mi」で大幅な加工時間短縮を実現!
●キタムラ機械

 世界で初めて位置決め精度1µmの精度保証を実施したのは同社の同時5軸制御マシニングセンタ「Mytrunnion-5」だった。今回展示されていたのは、そのコンセプトをそのまま継承して、設置スペースを7.7㎡の省スペース化を実現した「Mytrunnion-4G」。5 軸制御駆動部には、超高精度ローラーギアカムを採用することで、バックラッシュゼロが可能になった。 これにより、同時5 軸制御機では稀な全軸フルストロークにおいて位置決め精度±2 µm、繰り返し精度±1 µmを実現している。

 他にも注目すべき点がある。制御装置だ。
 キタムラ機械オリジナルCNC 制御装置「Arumatik-Mi」を搭載し、従来の5倍の演算処理速度と最大で従来の25 万倍以上の512GB ハードディスクドライブによる大幅な加工時間短縮を可能にしている。さらに、加工時間が100 時間を越すような大容量のプログラムでも、分割せずに余裕を持って一括処理ができるうえ、USB メモリーからも同様の直接運転も可能となるという。ユニークなキタムラらしい技術が炸裂している世界に類がないマシニングセンタといっていいだろう。
同時5軸制御時での最大加工サイズは、φ500×400mmと大きく設定されており、主軸は最高回転速度までの加速が2.3 秒の高速加減速・ 毎分15,000 回転(40 番テーパ)を標準装備し、複雑形状や金型加工においても、「スマートデザイン」による免振設計された高品位加工が可能だ。

多様な時代に必要とされる製品&技術であらゆる産業に貢献
黒田精工

ビックリするほど音が静か! しかもキャスター付き!
ビックリするほど音が静か! しかもキャスター付き!
 このブースでは、幸運なことに同社の黒田社長にお会いすることができ、直接説明を聞くことができた。まずは、コンパクトなコンプレッサ「JUN-AIR」。この製品、コンプレッサ特有の音がほとんどせず、オイルレスタイプとしては驚くほど静かなのだ。コンプレッサの音がうるさいと作業者の作業ストレスもかかるというもの。アプリケーションのそばで使用しても気にならないスグレモノ。手のひらで圧を受けてみると、そのパワーに驚いた。これは、小さな部品などの切削加工後、切粉や洗浄後の水の吹き飛ばしに使用されるエアブローガンに特化したパルスブローを発振するユニット「エア連打」がなせる技。エア消費量が約35%削減するので、手軽に省エネができる製品だ。

 もうひとつ、クロダといえば、「FASTECシステム」(登録商標)が有名だ。これは、薄板積層部品の組立工程をプレス作業と同時に金型の中で行うもので、精密機器の総合メーカーならではの蓄積された技術の中で実現したもの。このシステムには、①ダボ積層の「FASTEC」(コストが安く様々な形状に対応)、②レーザー溶接積層「LASER FASTEC」(極小ワークに特化)、③接着積層「GLUE FASTEC」(新技術・極薄材積層可能)の3つの工法がある。写真にあるのはデジタルカメラやVTRカメラ、プリンタなどに内蔵されているマイクロモータコアで、「LASER FASTEC」の技術が使われている。この技術は高精度小型薄板積層品の量産のために開発されたとのこと。薄板の積層固着にYAGレーザーを採用したことにより製品形状の制約を受けにくく、困難とされていた小物薄板積層品(磁気ヘッドコアなど)を安定した強度と品質で量産化する技術なのだ。ちなみに同社は携帯電話振動用モータコアでは世界25%のシェアを誇っている。

さすがはセラミック砥石の世界シェアN0.1!  来場者を楽しませるアイデアも満載!
●ジーベックテクノロジー

ブース内はバリ取り自動化について来場者がすぐに理解できるようになっていた。
ブース内はバリ取り自動化について来場者がすぐに理解できるようになっていた。
 バリ取りの自動化を推進しているジーベックテクノロジー。現在、セラミック砥石の世界シェアはN0.1 。

 今回は、金型研磨、自動車・航空機部品のバリ取り・研磨の事例を多数紹介していた。研磨を自動化することで、熟練工手研磨で85分ほどかかっていた磨き作業がなんと1.5分に短縮されたという実績もある。加工前Ra1.4µmから加工後Ra0.03µmまで自動化し、熟練研磨技術を鏡面磨き仕上げなどの最終工程のみ集約することができるというから、同社の推奨するバリ取り自動化は、大幅に工程の短縮ができるといえるだろう。

 今回、目立ったのは、今年1月ラインナップを追加した「自動調整スリーブ」。バリ取りの自動化を推進している同社の「XEBECブラシ表面用」のオプションツール。特長はブラシ突出量補正が不要でチョコ停ゼロ、最適条件の維持と品質安定に役立つ製品である。これがあれば、工具管理負担を解消し、ポカミスの原因となる手動による突出し作業が不要になるので無人加工ができる。バリ取りの自動化が実現できれば、有益な時間の確保や、経済効果が期待できる――ということをこのブースでしっかり認識することができた。



サンプルをガチャガチャで、というアイデアに脱帽。ナニが出るかはお楽しみ。
サンプルをガチャガチャで、というアイデアに脱帽。ナニが出るかはお楽しみ。
 また、今回、注目したのは同社が来場者を楽しませつつ販促活動を行っていたこと。ブースにて名刺交換をした方に、ガチャガチャを用いてサンプルを提供していた。サンプルはなにが出るかはお楽しみとなっていた。








ステンレスが使えるのは「タイラードリル」だけ!
●ダイジェット工業

 高硬度と格闘している加工現場の中でファンも多いダイジェット工業。今回の展示品から、注目したのは先端角が180°フラットな座ぐり加工用ドリル「タイラードリル」だ。
 傾斜面でも交差穴でも下穴なしで安定加工ができる工具である。薄板の穴あけ加工において、一般のドリルよりバリの発声が少なく、広い溝形状で切粉処理性に優れている。
 他社品に比べ、切削動力を約2割減というから魅力的だ。炭素鋼からプリハードン鋼、ステンレス鋼、アルミ合金まで幅広い被削材に対応する。

 プリハードン鋼を2000穴加工したとしても連続使用が可能という驚きの強靱さを兼ね備えている。この工具の魅力はそれだけではない。担当者によると、「このタイプでステンレス鋼でも問題なく使えるのはウチだけなんですよ」とのこと。ステンレス鋼の穴開けでは、ワーク400個加工も、バリが小さく穴精度も良好、しかも連続使用可能だという。加工時間も1穴あたり15秒から2秒に短縮するというから、驚いた。

 同社の底堅い人気は、“ここしかない”工具がチラホラあることも理由のひとつ。工具サイズも微妙なサイズが揃っていたりすると聞いた。今後もどんな工具がでてくるか、楽しみなメーカーのひとつである。

▼後編はコチラ▼(大昭和精機、ナガセインテグレックス、日進工具、ブルームノボテスト、牧野フライス製作所、三井精機工業、三菱日立ツール、三菱マテリアル、安田工業、ユニオンツール)
http://seizougenba.com/node/7337

【レポート】ヤマザキマザックが国内最大級のサポート拠点「瀬戸内テクノロジーセンタ」オープン!

 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)が、国内7カ所目のテクノロジーセンタとして「瀬戸内テクノロジーセンタ」を岡山県早島町に開設した。4月21日にオープニング式典を行い、4月22、23日の両日にはオープニングフェアを開催した。

 「瀬戸内テクノロジーセンタ」は敷地面積約2,800坪、延床面積約800坪の大規模施設で、国内最大級のショールームには、大型のマシニングセンタや複合加工機、三次元レーザ加工機など最新の工作機械11台を展示、中国・四国地区の主要産業である造船、航空機、産業機械などの重厚長大産業に向けた質の高いソリューションを提案する。

 また、瀬戸中央自動車道や岡山バイパスが通る岡山県早島町は、中国地区や四国地区からの交通アクセスに優れており、両地区のユーザーにとって利便性の高いサポート拠点となる。同社の「テクノロジーセンタ」は、単に機械を展示する従来型のショールームではなく、ユーザーの身近な場所で、最新の工作機械による加工実演や、加工技術支援や設備合理化の相談などのビフォアサービス、機械購入後のトレーニングなどのアフターサービスを提供する施設であり、同社は今回の「瀬戸内テクノロジーセンタ」を含めた全世界39カ所(国内7カ所)のテクノロジーセンタと、40カ所(国内26カ所)のテクニカルセンタで世界中の顧客に万全のサポートとソリューションを提供するとしている。

質の高いソリューションを提供する場

 開設セレモニーでは、山崎智久 ヤマザキマザック社長、山崎高嗣 ヤマザキマザック副社長、下田知也 シモダフランジ会長、奥山 環 タダノ常務、中島基善 ナカシマプロペラ社長がテープカットを行った。

 瀬戸内テクノロジーセンタは、事務所、ショールーム、3次元測定室、大会議室、トレーニングスクール、他、となっている。展示機は、複合加工機が「INTEGREX e-1250V/8S」、「INTEGREX e-670H」、「INTEGREX i-400S」、「VARIAXIS i-600」、NC旋盤が「MEGA TURN 900M」、「QT-COMPACT 300MY」、「QUICK TURN 200MA」、立形マシニングセンタが「FJV 5 Face-60/80」、「VCN-535C」、横形マシニングセンタが「HCN-6800」、レーザ加工機が「3D FABRI GEAR 220 II (4kw)。

 このように、最新鋭の工作機械を展示し、最先端の加工技術、充実したトレーニング施設を持つ瀬戸内テクノロジーセンタは、専門スタッフにより、質の高いソリューションを提供するとしている。加工サンプルも豊富で斬新な展示内容となっていた。

 中でも画期的だと感じたのは、「マシンオペレーショントレーニング」。この瀬戸内テクノロジーセンタで機械操作が学べるという。人材育成を支援することを目的とし、従来の「プログラムトレーニング」からステップアップした操作術を学べる。トレンドとなっているマルチタスキングマシンを利用しているユーザーを対象に、複合加工の高度な加工技術を習得し、マシンの潜在能力をユーザーが最大限に活用することを目的としたユーザー単位ごとの専任講師でのトレーニングを行う「マルチタスキングアカデミー」もある。

 他にもトレーニングスクールでは学べない“マザトロール”のテクニックを教えてくれる「マザトロールステップアップトレーニング」もあり、生産性を向上させるためのコツなどをアドバイスしてくれる。単に機械を展示するだけでなく、品質を保持しながら経済効果を高めるためのノウハウを包括的に示してくれるテクノロジーセンタだ。





高まる大型マシンのニーズ

あいさつする山崎社長
あいさつする山崎社長
 パーティの中であいさつに立った山崎社長は、熊本の震災に触れたあと、「多くのお客様や取引先様にも被害が出ているが、弊社としても現在、お客様の生産再開に向けて必要なお手伝いに最大限の取り組みをしているところである」と述べ、「中国・四国地区には、私どもの工作機械やシステムをご使用しているお客様がたくさんいらっしゃる。弊社は、お客様の近くで私どもの製品をはじめ、工作機械を使ったテストカットや様々なアプリケーション、プログラミングなどを実際にご覧頂いたり、技術的なソリューションを提供する目的で、通常の営業やサービスの拠点に加えて、世界中の主要なマーケットにテクノロジーセンタと呼ばれる施設を設置しており、日本国内にもこれまでに6カ所、テクノロジーセンタを開設している。オープンした瀬戸内テクノロジーセンタは、国内で7カ所目となるが、中国・四国地区のお客様に、より高度なテクノロジーソリューションと迅速なサービスを提供することを目的に開設の運びとなった」と、開設に至った経緯を説明した。

 また瀬戸内テクノロジーセンタのある早島町について、「瀬戸中央自動車道や国道2号バイパスが通っており、東西南北、各方面からの交通アクセスが大変便利な場所に位置している」と利便性を示した。「この利点を活かして、中国・四国地区のお客様の利便性を一層高めるものと確信している。瀬戸内テクノロジーセンタは、約2800坪の敷地面積の中、建物の延床面積が約800坪あり、これは美濃加茂にあるワールドテクノロジーセンタに次ぐ国内で2番目を誇るテクノロジーセンタとなる。この大きさを利用して他の地域では展示が難しい大型のマシニングセンタやマルチタスキングマシンの展示をはじめ、周辺機器を活用した様々なテクノロジーソリューションを提供したい」と意気込みを話した。また、引き合いの傾向について、「国内においてはより大型の工作機械のニーズが高まっている。特に中国・四国地区は、造船をはじめクレーンなどの大型重機やジェットエンジンなど加工物の大きな産業が盛んな地域である。この地域に大型の工作機械を展示するテクノロジーセンタを新たに設立することには大きな意味がある。また、他のテクノロジーセンタには展示できない大型機を展示することから、この地域だけでなく、他の地域のお客様にも瀬戸内テクノロジーセンタにお越し頂くことを視野に入れている。もちろん、大型機だけでなく、小型機や特定の産業に特化した機種も含めたワイドレンジな製品構成を持っていることがわれわれの特長であり強みでもある」とした。

「良い機械が一流のお客様を運んでくれた」

村上 日本ホイスト社長
村上 日本ホイスト社長
 来賓を代表して、村上正士 日本ホイスト社長が、「本日、バスから降りるとマザックのオレンジのマークが目に入った。このロゴは、ケンタッキーでも大連でも世界中どこでもマザックのある場所に見ることができるが、私は、先進性、新規性、信頼性を表すマークとして認識している。今回の新テクノロジーセンタは白に統一され、機械の美しさに圧倒された。ところで、美濃加茂の工場は窓がありません。全て人工の照明です。人工の照明で手元の小さい配線、小さい作業をも照らす。照明の取り方ひとつとってもマザックのレベルの高さが分かる。温度管理についても、720時間も動く機械をつくっている工場なので、1年中温度管理をしている。工場の現場は埃もない。こうした現場で最新鋭の素晴らしい機械をつくっていることから、至る所に高度な配慮のなされた工場であると理解している。これだけの工場でつくる機械なので、世界一の高品質をキープされるのは当たり前。私はマザックの“V-140”という多面加工ができる機械を8年前に購入した。弊社の工場には年間250社ほど見学にいらっしゃるが、ある企業のオーナーが“最高なんぼまで吊れるホイストがつくれるか”と聞いたので“70トンです”と返すと、V-140を見たオーナーが、“これがあると100トンまでいけるでしょう。やってください”とお願いされ、肩を押された。100トンのホイストを6台つくりましたが、この時に私どもはグンと成長した。今から10年前、私どものホイスト業界におけるシェアはせいぜい20%だったが、その後、伸びを見せ、この2月には40%を超えた。もちろんマザックの機械がたくさん動いており、品質も上がっている。信頼の度合いが変わったと思っている。良い機械を買うということは良い製品をつくるというだけでなく、私は良い運を持ち込んでくれる、と切実に感じている。良い機械が一流のお客様を運んでくれた」とあいさつをした。

 乾杯の発声は三村俊博 三村鉄工社長が行った。

「責任を持って技術やサービスの提供をしていく」

志村 ヤマザキマザックシステムセールス常務
志村 ヤマザキマザックシステムセールス常務
 志村雅人 ヤマザキマザックシステムセールス常務は、新設した瀬戸内テクノロジーセンタについて、「この瀬戸内の地に大型のテクノロジーセンタができたことをわれわれは嬉しく思っている。今回、お客様に発表したことによって、お客様の笑顔を受け止めることができ、責任を持って技術やサービスの提供を積極的にやっていかなければならないと、さらなる責任感を感じた。この中国・四国の地は、重厚長大産業が多いので、われわれの機械を実際に見て、体験して頂いて、その上で設備を決めて頂くことには大変良い施設だと思っている。営業だけでなく、技術でしっかりお客様に提供していくということを今後も続けていこうと思っている。また、技術や製品だけでなく、まずは人間。お客様に評価してもらうように頑張っていく。これからも可愛がってください」と心意気をコメントしてくれた。

センタ内にはサロンも用意。来場者がくつろげる空間となっている。
センタ内にはサロンも用意。来場者がくつろげる空間となっている。
 なお、30カ所以上あるテクニカルセンタに在籍する所長の平均年齢は40.8歳と大変若い。営業職の平均も35.3歳だ。
 同社は、現在、中国・四国が絶好調。航空機や造船の勢いが後押ししているという。式典の参加者に話しを聞くと、「われわれの側にマザックが来てくれた。安心できる」、という声も多く、多忙な地域に心強いテクノロジーセンタの開設となったようだ。

三菱日立ツールが『高能率仕上げ加工次世代高能率仕上げ刃先交換式「異形工具」シリーズ』を発売

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が、このほど『高能率仕上げ加工次世代高能率仕上げ刃先交換式「異形工具」シリーズ』を発売した。

 自動車業界をはじめとした大物金型・部品加工の技術動向は、リードタイムの短縮や高品質化を目的として、高精度切削や高速機械を用いた高速切削の取り組みに関心が高まっている。従来より壁部の仕上げ加工においてはボールエンドミルやラジアスエンドミルが多く使用されており、通常カスプハイトを小さく設定するが、それに伴い加工ピッチが小さくなり、更なる高能率加工は困難だった。特に難削材における仕上げ加工は、「面粗さ」と「工具寿命」が密接に関係しており、面粗さ向上の為にピッチを細かく設定すると切削長が伸び、工具の擦過時間が増加する事による工具寿命の低下が生じる。

 このようなユーザー動向を踏まえ、同社は独自の外周刃形の研究、壁部の仕上げ加工において切削長を短くし、面粗さの改善が可能なインサート式異形工具を開発し、このほど販売するに至った。

 この新開発の工具は、従来ボールエンドミルやコーナラジアス工具同径を比較した場合、約3倍以上のピッチで仕上げ加工が行え、経路長は約3分の1となり、「加工時間の短縮」、「高能率」、「長寿命」、且つ「良好な加工面」を実現した工具。また、最近のCAD/CAMソフトウェアーでは、5軸加工での「異形工具」を用いた演算できる機能が増えており、取扱いが難しかった「異形工具」も容易に形状定義が可能になり、今後さらに需要が拡大すると見込んでいる。また、刃先交換式の特長である「工具管理」、「優れた操作性」、「費用対効果の優位性」があり、同社では、これらの機能に対応した工具を発売することで、更なる加工の高精度化・高能率化を望んでいるとしている。

 特長は、①独自の外周刃形により、「壁」部分の高能率仕上げ加工を実現、②同一工具径ボールエンドミルの場合、仕上げ加工ピッチ:約3倍、加工時間短縮:3分。

【価格】
・モジュラータイプホルダー(φ16~φ25):31,500~49,000円
・インサート:1,270円
・モジュラーミル専用超硬シャンクφ16~φ25):41,000~97,500円

 年商は5,000万円を見込んでいる。

ジェイテクトが国内初「モーター用新セラミック玉軸受」を開発・量産

 ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)が、転動体である玉に従来よりも熱膨張が内外輪材に近い新材料を採用した「モーター用新セラミック玉軸受」を開発した。これにより、電食対策が必要なモーター用軸受において、従来材である窒化けい素と同等の絶縁性を有しながらも、温度変化による内外輪と玉のすきま変化をより小さくし、幅広い温度環境への対応が可能になった。この新セラミック材を使用した軸受の量産は日本国内初であり、2016 年6 月の開始を予定している。

 電動モーターの特性上、動作中に高周波電流による有害な電圧が発生し、一定量を超えると、転がり接触部分の非常に薄い油膜を通じて、軸受内でスパーク(放電)を起こす。このときに軸受の転動面などが局部的に融解する電食という現象が起こり、これが異音を生じさせ、軸受寿命を低下させる原因となる。そのため、軸受においては絶縁対策が必要となり、最も信頼性が高い絶縁対策は玉材質のセラミック化であり、窒化けい素が通常使用される。

 今回開発品に採用された新セラミック材は、窒化けい素と比べて同等の絶縁性を有することに加え、線膨張係数(温度をセ氏1 度上げたときの物質の長さの増加量)が内外輪素材に使用される金属に近いという特性を有している。この特性により、温度変化による内外輪と玉のすきま変化を従来よりも小さくすることができ、より幅広い温度環境に適応することができる。

 この製品の特長は、従来の玉材料(窒化けい素)と同様の絶縁性、②従来の玉材料(同)に比べてすきま変化が少なく幅広い温度環境に対応する――である。

注目の商品! 栄工舎の超硬ソリッドリーマ「シャンクスルークーラント」

 ニッチな切削工具を製造・販売している栄工舎(社長=安部川洋司氏)の、「超硬ソリッドリーマ シャンクスルークーラント」が注目を集めている。

 この工具はシャンクスルーの採用で高能率加工を実現。秘密はこの形状。溝にそって、クーラントが下に流れるため、被削材にまんべんなくクーラントが行き渡る仕組みである。オイルホールタイプでは狙った箇所に切削油が当たらない場合があるといった現場の声から、生まれた製品だ。切削速度は従来のコーティングリーマの約2.5倍を誇るTiAlNコーティング「CSGR-A」タイプと、高硬度Hv6000以上、耐熱性の向上(耐熱温度550°)、アルミ、非鉄等に抜群の用着性を誇り、薄膜で切削性を損なわない水素フリーDLC「CSGR-DLC」タイプがある。

【注目】ジーベックテクノロジーがバリ取り問題を自分事化して解決できる画期的なサイトにリニューアル!

 バリ取りの自動化を推進するジーベックテクノロジー(社長=住吉慶彦氏)がWEBページを日本語・英語同時にリニューアルした。
 同社では、「バリ取り問題100%解決を目指し、ホームページを訪れてくださる世界中の皆様のバリ取り問題解決の糸口になるようなサイトを目指す」としている。





サイトの見所 ~自分事化できるWEBサイトを目指して~

 今回のWEBリニューアルは、ユーザーが悩んでいるバリ取り・研磨について、ユーザー各自でも解決できると考えてもらえることを最優先している。「10年以上にわたって自動化を提唱し続け、多数の事例をご提案することができるようになった」とのこと。今回は、バリ取り・研磨の自動化事例を50件以上掲載しており、これまで掲載されていた事例も、新たにCGで動画を製作するなど、よりイメージしやすい内容になっている。

 各事例は、目的や業界、バリを発生させる前加工別、採用された設備別など、カテゴリーごとに整理することで、様々な切り口でお客様が悩んでいる内容に近い事例を見つけることができる。
 掲載事例はこれからも追加していき、すべてのユーザーが答えを見つけることができるように進めていくとしており、今回は同社のツールを永らくしているユーザー2社にインタビューを行い、インタビュー記事と事例も掲載している。

 部品が複雑化してきている昨今、バリ発生箇所が多く出てきており、バリ取り工程を見直す必要があったことや、また、手作業での磨きの工程に時間がかかっており、同社の営業担当者と相談を重ねながら自動化を成功させ、作業者の負担が減らせたことなどの具体的な成功事例は見所である。

改善のヒントが見つかるサポートコンテンツが充実! どこよりもバリ取りの相談がしやすいサイトに!

 コンテンツが充実しており、製品ごとに使用方法、使用上のコツなどをまとめ、よりわかりやすく、製品を理解できる設計になっている。
 また、新たに各製品の動画マニュアルを製作し、製品を理解しやすいよう動画マニュアルでは、製品をマシニングセンタに取り付けるところから始まり、摩耗時の管理方法や使用時の注意事項など、使用にあたって必要な情報を網羅している。

 さらに相談しやすい環境を整えるために、バリ取り・研磨相談シート(WEB版)という入力フォームを用意しており、バリ取り・研磨相談シート(WEB版)は、アイコン選択式にすることで、項目を選びやすく、手入力の手間が最小限になった。画像の添付もできるようになり、お伝えいただきたい情報を正確に受け取り、これまで以上に迅速に、かつ最適なツールの提案をすることができるサイトとなっている。個人情報保護のためSSLに対応しており、機密情報が漏れる心配はないので安心だ。

 今回のリニューアルにあたって、製品とスタッフが持つ魅力を伝えるために、魅力を最大限に引き出すカメラマンにそれぞれ撮影を依頼したとのこと。TOPの製品写真は、黒を基調に洗練され佇まいで、工業製品ということを忘れてしまうような仕上がりになっている。写真を通じて、性能以外の製品の魅力を伝える工夫を凝らした画期的なサイトとなった。また、顔写真入りで掲載されたメンバーページにて、様々な強みを持ったスタッフが、バリ取り問題にチーム一丸となって取り組んでいる姿勢を伝えている。

タンガロイが鋳物旋削用CVDコーティング材種『T515』ポジインサート、大型インサート、ワイパーインサートアイテム拡充

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)がこのほど鋳物旋削用CVDコーティング材種『T515』のアイテムを拡充し、全国で発売を開始した。

 『T515』は、専用の超硬合金母材及びコーティング膜を採用した鋳物旋削加工に最適な高汎用性材種。超硬合金母材とコーティング膜界面の密着性を向上させたことにより耐チッピング性及び耐剥離性を飛躍的に向上させ、安定した加工を可能とした。さらにアルミナ(Al2O3)被膜を同社従来品よりも1.7倍厚膜化したことにより、高速加工での耐摩耗性を大幅に向上させることに成功、驚異的な長寿命を実現した。

 また、同社独自の特殊表面処理技術であるPremiumTecを採用し、表面平滑性を向上させたことにより抜群の耐チッピング性及び耐溶着性を発揮した。今回、ポジインサートおよび大型インサートを拡充することにより、鋳物旋削加工でのあらゆる切削領域をカバーし、幅広い加工に適用可能となった。さらにワイパーインサートの設定により、高送り加工にも適用可能とし、生産性向上とコストダウンに大きく貢献する。

■主な特長
●超硬合金母材とコーティング膜界面の密着性を向上させ耐チッピング性及び耐剥離性を大幅に向上
 ●アルミナ膜厚を従来よりも厚膜化し、高速加工領域での耐摩耗性を向上
 ●PremiumTecの表面平滑性の向上により、耐チッピング性及び耐溶着性を大幅に改善

■主な形番と標準価格
・CNMG160612 T515 1,890円 (税込み 2,042円)
・CNMG190612 T515 2,400円 (税込み 2,592円)
・CNMG120408-SW T515 850円 (税込み 918円)
・CCMT09T304-CM T515 970円 (税込み 1,048円)
・SCMT120404-CM T515 1,500円 (税込み 1,620円)
 
 全追加アイテム:59形番

 安田工業か家族会社見学会を開く


 安田工業(社長=安田拓人氏)が、4月3日(日)に従業員の家族会社見学会を開催した。
 工場内を見学したり、キサゲも体験できたり、工作機械への理解を深めるよいチャンスとなった。
 なお、同社では人材育成にも力を入れており、技術者の育成や、世代間交流、思考力や創造力アップを目的として地域にも貢献している。

キサゲ体験

Edgecam がバージョン2016 R1をリリース

 エッジキャムが統合CAMソフトウェア「Edgecam」の新バージョンとなる「Edgecam2016R1」をこのほどリリースした。「Edgecam」は年2回のバージョンアップにより、新機能の導入をはじめ、加工機能やインタフェースといった各種機能の拡張を図る事で常に進化し続けている。

 「Edgecam 2016 R1」は、Windowsの新OSであるWindows10に正式対応し、これからの新しいスタンダード環境においても、高いパフォーマンスを発揮させる事が可能で、使い易さという面からは、インタフェースの向上として、従来よりユーザーに定評のあるダイアログ上のパラメータにリンクした画像とツールチップヘルプの表示を、走査線加工、ペンシル加工、正面プライス加工、平坦部仕上げ加工、同心円スキャロップ加工にも搭載し、マニュアルレスの操作性をより多くのコマンドへ拡充させた。 また、“ワイヤ加工で分離検査”オプションの追加により、切り落とし部分の分離検査を可能とした。

 加工面における拡張機能としては、ミリング加工では、面取り加工に、新しく工具径補正、及び工具径補正番号を追加し、機械側での調整を可能にした。また、穴あけ加工では、穴間を移動する際に、治具を避けるように工具を引上げ、指定したイニシャル点に降下するよう機能が拡張され、5軸加工においては、回転引き上げ後の降下の際、従来、全て送り速度にて降下する所を、早送り+送り(新たに追加したオプションの“戻り距離”にて指定した長さ分)に分割できるようにする等、細やかな配慮がなされている。

 旋盤加工では、新たな切削方法として、旋盤荒取り加工に、“斜め”切削を追加し、オプションとしては、旋盤溝仕上げ加工に、“仕上げ前の突き加工”を含むオプションを追加した。

 ワイヤ加工においては、入力図形とコマンドの設定により、2軸、または4軸のどちらを適用する必要があるかを自動認識する、2軸と4軸を統合した“スマートワイヤ加工サイクル”を追加した。

日立建機グループが熊本地震被害地の復興のため総額2000万円を支援

 日立建機グループが、被災者の救援と、被災地の復興に、義援金および被災した地域の復旧に向けて自治体を通じた支援活動に総額2千万円相当の支援を行うと決定した。 また、支援に際しては、グループ会社の従業員による救援募金の寄付も併せて行う予定。