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10月分超硬工具主要統計

超硬工具協会がまとめた10月分超硬工具主要統計は以下の通り。【超硬合金重量】454トン(前年比101.1)。【超硬工具生産額】切削工具189億5500万円(前年比105.6)、耐摩工具30億3600万円(同93.8)、鉱山土木工具6億3300万円(同91.6)、その他工具4億5700万円(同81.6)、焼結体・工具19億3100万円(同112.3)、合計250億1200万円(同103.5)。【輸出入】輸出87億3100万円(前年比129.2)、輸入49億7600万円(同112.0)。【超硬工具出荷額】切削工具200億1800万円(前年比116.4)、耐摩工具29億4100万円(同94.8)、鉱山土木工具6億9300万円(同93.1)、その他工具3億9200万円(同96.6)、焼結体・工具23億500万円(同124.3)、合計263億4900万円(同113.1)。【刃先交換チップ】生産2635万7000個(前年比102.5)、出荷2661万個(同108.6)。

第7回環境大賞はオーエスジーが受賞 日本工具工業会

日本工具工業会(理事長=堀 功氏)が、11月25日、東武ホテルレバント東京で「第7回環境賞表彰式」を開催した。

この賞は自主行動計画に基づいて、温暖化対策エネルギー起源二酸化炭素を2004年度に基準年として、絶対量及び生産高原単位を削減する改善活動と、廃棄物の総量削減及びリサイクル率向上活動の両面から2012年度の環境調査結果を厳正に評価したものである。

1.環境大賞 
●オーエスジー

高い完成度で維持されている環境マネジメントシステムのもとで環境管理活動が進められ、近年の生産拡大の局面であっても、省エネルギー、再資源化の取組み目標を達成。一例としては空調のインバータ化、事務所照明のLED化などの現場単位の省エネ改善を地道に積み上げ、全体としての成果(原単位エネルギー使用量9.8%削減)に繋げる環境管理活動は高く評価される。また、積極的な環境教育、社会貢献活動も他社の基本となるものである。

2.環境特別賞
(1)地球温暖化防止
●宇都宮製作所(58%)、●高周波精密(28%)、●不二越(32%)
*( )内数値は2009年比 削減率。

リーマンショック後の2009年は生産縮小により、各社ともCO2原単位排出量を増加させ、これまで以上の対応に迫られることになった。2010年以降のCO2原単位排出量推移を見たところ、各社の環境管理活動の効果が現れ改善をしてきている。中でも上記3社においては確かな効果をあげ2012年まで3年連続CO2原単位排出量を削減している。

(2)廃棄物対策
●三菱マテリアル

砥石の再資源化など廃棄物対策の活動を継続的に取組み再資源化率は毎年向上。
(79.41→83.03→83.13→93.06→93.14→96.57→96.58→97.83→99.03%)
2012年度は99%に到達し、その活動は他社の模範と評価される。

3.環境貢献賞
(1)エコプロダクト部門
●オーエスジー

対象:Phoenix PXD フェニックス ヘッド交換式ドリル
技術の特徴
・ボデー部が繰り返し使用可能なヘッド交換式ドリル
・独自の締結により、ねじを使用せずに取り扱いに優れた締結を実現
[結果]
省資源:超硬ソリッドドリル比 1/4
廃棄物:超硬ソリッドドリル比 1/4
装着時間の大幅削減

●三菱マテリアル
対象:スマートミラクルエンドミル
技術の特徴
・「熱伝導性が低く、加工硬化しやすい」Ti合金やステンレス鋼などの難削材を高能率かつ超寿命な加工を実現
・平滑表面とシャープエッジの両立を実現させた「ゼロミュー・サーフェイス処理」を新開発
・アーク放電制御技術による皮膜組織の最適化を図った「スマートミラクルコーティング」を新開発
[結果]
加工能率:従来比3倍(1刃当たり送り0.14mm/tooth)
加工寿命:従来比8倍(SUS304キー溝加工400個超え)

●不二越
対象:アクアドリルEXフラットシリーズ
技術の特徴
・フラット先端角により傾斜面への高能率加工が可能
・裏バリの発生を抑制し、バリ取り工程を大幅に縮減
・超微粒子超硬合金とアクアEXコートにより高速性能、耐久性を向上
[結果]
省資源、廃棄物削減:従来比1/2(使用工具2種2本→1種1本)
CO2削減:65%削減(加工時間1/3)

(2)エコファクトリー部門
●田野井製作所
技術の特徴
スクリューコンプレッサーの変更による省エネ活動
・既設コンプレッサーを小型化、インバータ化することにより平均消費電力を大きく削減
・スケジュール運転を可能としコンプレッサーの無駄な運転をカット
・小型化、インバータ化で騒音も減り、作業環境も改善
[結果]
・電力使用量:前年比25%削減(53,169→40,038kwh/月平均)
・年間電力量削減:157,568kwh

日進工具が「みちのく未来基金」に寄付

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「東北の未来を担う子供達に役立てて欲しい」と後藤隆司副社長(写真右)
「東北の未来を担う子供達に役立てて欲しい」と後藤隆司副社長(写真右)
1月28日に日進工具が、「東北の未来を担う子供達のために役立ててほしい」として、震災遺児の進学を支援する「みちのく未来基金」に1000万円の寄付をした。

去る11月8日(金)、9日(土)の2日間、開発センター・仙台工場設立20周年を記念して開催したプライベートショー「NS東北 微細・精密加工展示会2013」で協賛を募った日進工具。プライベートショーも盛況で、この中で後藤弘治社長は、「この地で20年を迎え、お世話になったこの地域に貢献できることはないかと考えた。子ども達が親を亡くし、遺児となってしまった子供達の現実は、経済的なことから将来の夢を諦めなければならないといった厳しいことがある。学校に行きたくても行けなかったり、故郷を離れたりしなければならないという子供達が多いということは、将来、東北の地域に未来を担う人材が減少することになる。これから育つ若者達に学ぶことを諦めて欲しくありません」と述べている。

一軸アクチュエータ 「モノキャリアTM」のリニューアル ~高速・静音、高負荷容量、シリーズ拡充~ NSK

日本精工(社=大塚 紀男氏)は、このほど、モノキャリアTMの高速・静音や長寿命化などの機能を向上させ、小型サイズの拡充を行うなどの全面的なリニューアルを行うと発表した。同社では2014年4月より本製品の販売を開始し、2015年までに10億円の売上増を目指すとしている。

NSKでは半導体・液晶製造設備、自動車関連設備などの様々な搬送用途向けに、ボールねじ、NSKリニアガイドTM、サポート軸受を一体化した軽量コンパクトな一軸アクチュエータとして、モノキャリアMCMシリーズを業界で初めて開発し、1991年より市場に投入した。さらに、2001年にはレールの剛性を高めたモノキャリアMCHシリーズ、2009年には案内部の転動体にローラを採用した超高負荷容量のタフキャリアTMを導入するなど、多様化する市場ニーズに応えてきた。近年、生産性向上を目指し、タクトタイムの短縮や、装置のコンパクト化に対応するための小型サイズの拡充の要求を受け、開発した。

1.高速化への対応
ボールねじを高速仕様に見直すことで、モノキャリアの許容回転数を従来の3000min-1から1.6倍の5000min-1に引き上げる。

2.静音・低振動と高負荷容量化
一部のモノキャリアに使用している転造ボールねじを精密ボールねじに変更する。これに伴い、騒音レベルで5dBダウン、振動値で半分の静音・低振動を実現する。また、ボールねじの鋼球径をアップすることで、最大で動定格荷重が1.4倍、寿命で2.7倍に向上する。
* 転造ボールねじを採用している一部の型番に限る。

3.小型型番の拡充
小型型番MCM03にリード5mmと15mmを追加する。MCM03のリード15mmでは業界で最高速1250mm/sを実現し、装置の高速化に貢献する。

ヘッド交換式ドリル『DrillMeister』(ドリルマイスター)拡充 タンガロイ

タンガロイ(社長=上原好人氏)は、好評を得ているヘッド交換式ドリル『DrillMeister』(ドリルマイスター)のアイテムを拡充し、このほど全国で発売を開始した。

これまで、DrillMeisterは限定した工具径のみの設定であったが、今回、ドリルヘッドを工具径φ10.0-φ19.9mm(0.1mm間隔)、ボディをL/D=3&5まで拡充する。これによってより広範囲の穴あけ加工への対応が可能となる。

DrillMeisterは、小~中径の穴あけ加工で、高能率加工と抜群の加工穴精度を発揮するヘッド交換式ドリルである。DrillMeisterは、独自の自己拘束型クランプシステムの採用により、簡単で迅速なヘッド交換を可能にしている。これにより、工具交換時の工具長の計測や工具補正量の入力が不要で工具交換時間を大幅に短縮できる。さらにヘッドは小さな力で取付け・取り外しができ、必要に応じて機上での交換も可能で、取付け精度も非常に高い。

また、DrillMeisterには、専用の面取りホルダを設定しており、穴あけと面取り加工を同時に行うことができ、容易に工程を短縮することができる。また、各々専用のインサートを装着することで、30°、45°、60°面取り角度に対応できる。『DrillMeister』は、加工能率の向上だけでなく、工具交換時間の大幅短縮、再研削にかかわる費用をゼロにできるなど、トータルの加工コスト低減に大きく貢献する。

難削材加工用制振エンドミル「スマートミラクルエンドミルシリーズ」を拡大 三菱マテリアル

三菱マテリアルツールズ(社長=滝沢俊夫氏)は、三菱マテリアルが開発、製造する“難削材加工用制振エンドミル”スマートミラクルエンドミルシリーズ拡大として、4枚刃制振エンドミルの逆段タイプ、4枚刃エンドミル制振タイプ(セミロング刃長)、制振ラフィングエンドミル、多刃ロングネックエンドミルを追加、このほど販売を開始した。

 近年、航空機や医療などのさまざまな分野で、ステンレス鋼、チタン合金、耐熱・耐食合金といった難削材の高能率加工が課題となっている。“難削材加工用制振エンドミル”「スマートミラクルエンドミル」は、低切削抵抗・良好な切りくず排出性能・びびりを抑制する制振形状により、難削材の加工で従来工具に対して高能率化・長寿命化を可能にする。

“難削材加工用制振エンドミル”「スマートミラクルエンドミルシリーズ」の主な特長は以下の通り。
① 耐摩耗性が大幅に向上した新開発の(Al,Cr)N系コーティングと、膜表面平滑化処理新技術の「ZERO-μサーフェス」により、優れた耐溶着性と切りくず排出性、さらには切削抵抗の低減を実現し、難削材の高精度・高品位・長寿命な加工が可能。
② 4枚刃制振エンドミル「VQ-MHV」に逆段タイプを追加。シャンクと切れ刃部の境界部を曲面刃にすることにより立壁の加工段差を抑制し良好な仕上げ面を実現。
③ 4枚刃エンドミル制振タイプ(セミロング刃長)「VQ-JHV」は、すでにビビリ対策として評価の高い不等リードを採用し、優れた耐びびり性能を発揮。高壁の高能率仕上げ加工を実現。
④ 制振ラフィングエンドミル「VQ-SVR」は、不等リードと非対称ニックの採用により従来ラフィングエンドミルに比べ、優れた耐びびり性能と耐欠損性を発揮。
⑤ 多刃ロングネックエンドミル「XQ-XL」は外径0.2mmから0.3mmでは3枚刃、外径0.4mmから1mmでは4枚刃の多刃を実現。小物部品のポケット加工のような切りくず排出が困難であった加工でも従来製品(2枚刃)に比べ高能率、長寿命を実現。

旋削パフォーマンスを向上! 「Jetstream Tooling® Duo」 セコ・ツールズ

セコ・ツールズの新しい Jetstream Tooling Duo 技術は、チタンや耐熱合金など の加工の難しい被削材における旋削用途に最適だとして注目されている。第 2 の方向からクーラントを噴射するクーラントジェットが追加され、切削領域をすばやく効果的に冷却できるので、切削速度の高速化、工具寿命の延長、切り屑処理の改善、全体的な生産性の向上を実現する。

Jetstream Tooling Duo にはオプションのインデューサも用意されており、切り屑側に追加の動力が必要となる粗加工や、切り屑がインデューサに当たる傾向がある場合に、パフォーマンスを向上させる。このオプションは、仕上げおよび中挽き加工用の標準取り付けインデューサに追加するもの。また、Jetstream Tooling Duo には、 P ホルダレバー設計を採用しているので、チップがしっかり固定され、チップのコーナーチェンジを繰り返し正確に実施できる。また、剛性も高まり、より深い切込みが可能になり、送り速度と品質も向上させる。

クラス最高のショルダーミルを実現するケナメタルの新Mill 4-15™プラットフォーム

ケナメタルがこのほど新製品Mill 4-15プラットフォームを発売した。この製品は、4枚の切れ刃を持つ両面インサートを備えており、切れ刃当たりのコストを抑えながら、15 mm(0.590インチ)の最大切込み量を実現している。独自の切れ刃設計により90°のミーリングでのポジ接触が可能で、ステップダウンに適した実質的に「ステップレス」なソリューションである。さらに、一体化したワイパー面によってクラス最高の表面仕上げが可能となった。

開発を終えて、「Mill 4-15は革新的な製品であると自信をもって断言できます」と、ケナメタルのスローアウェイミーリング担当製品マネージャ、Juan Seculi氏はコメントしている。

耐振メガピクセルマクロレンズ「ML-MCHR」シリーズを発売 ショットモリテックス

ショットモリテックス(社長=佐藤隆雄氏)が、耐振メガピクセルマクロレンズ「ML-MCHR」シリーズを12月中旬より発売する。

今回開発した耐振メガピクセルマクロレンズ「ML-MCHR」シリーズは、検査精度向上へのニーズに応えるべく、FA用に専用設計した、メガピクセルクラスの解像度を有する近接マクロレンズ。メガピクセルクラスの解像度を有しつつ、振動環境下でも使えるように、耐振性能も併せ持ったレンズとなっている。

「ML-MCHR」シリーズの用途として、従来の半導体製造装置や液晶製造装置、電子部
品実装機、工場のライン監視、製造ライン等も対応しつつ、特に、その耐振性を発揮できるものとして、「電子部品外観検査」、「自動車部品外観検査」、「医薬品包装外観検査」、「ロボットアーム画像認識」、「印刷物の光学文字認識」等の分野で期待が寄せられている。

測定環境をモニタリングする温度・湿度センサーを内蔵した走査型プローブ顕微鏡(SPM)の新モデルを発売開始 東陽テクニカ

東陽テクニカ(社長=五味 勝氏)はこのほど米国AgilentTechnologies社の新型走査型プローブ顕微鏡“7500型SPMシステム”を発売した。この製品は、7500型SPMシステムは、ハイエンドSPMに求められる測長性能と高分解能測定性能に加え、温度や湿度等の測定環境を監視する機能を備えたSPM。

SPMは、表面観察・物性評価装置として、高分子やセラミクスなどの材料研究分野や半導体、電子デバイスの研究開発・品質管理・故障解析、溶液中における生体試料の観察などに至るまで、幅広く利用されている。その多くは大気中で利用されおり、主に空調管理された部屋に設置されているが、実験中の測定環境はモニターされておらず、試料表面の形状や物性が変化しても、それが試料自体によるものなのか、それとも測定環境の変化によるものなのかが曖昧であった。

この曖昧な点を明確にするため、7500型SPMシステムには測定環境を整えるための”環境チャンバー”と測定環境をモニターする”湿度・温度センサー”を標準装備した。これによりユーザは、SPMによって得られた測定結果が試料由来なのか、もしくは湿度や温度などの測定環境によるものなのかを判断しやすくなり、より定量的な表面分析が可能となる。

また、湿度などを制御しながら試料表面の変化を捉えることもできるようになり、試料の環境依存性を評価することが可能となる。