ニュース
直角肩削りカッタ『TungQuad』、『TecMill』の販売開始 タンガロイ
タンガロイ(社長=上原好人氏、本社:福島県いわき市好間工業団地11-1)は、直角肩削りカッタ『TungQuad』(タングクアッド)ラフィングタイプ及び『TecMill』(テックミル)ラフィングタイプの販売をこのほど開始した。
ラフィングタイプは、インサートを多段配置することで長刃長化を図った荒加工用工具で、工具径に相当する長さの深切込みによる高能率加工を可能としたカッタシリーズである。今回、低剛性機械の加工で定評のある『TungQuad』と、信頼性が要求される加工で実績の高い『TecMill』をラフィングタイプに適用した。
『TungQuad』ラフィングタイプは、経済的な4 コーナ仕様の小型インサートを用いたカッタである。大きなすくい角のインサート設計により切削抵抗が低く、強ねじれの切れ刃配列でびびりを抑制するため低剛性機械での加工や低剛性ワークの加工で特に効果を発揮する。また、小型のインサートは切りくずを分割し、内部エアと組み合わせることで最高の信頼性を発揮する。
『TecMill』ラフィングタイプは、4 コーナ仕様の強靭な縦インサートを採用した高信頼性カッタである。また、ボディの芯厚が確保された設計であり、高剛性でびびりに強い。縦インサートは欠けに強く、溶断面や鍛造肌等の不安定な形状を加工する際に抜群の信頼性を発揮する。
■主な特長
●長刃長仕様の荒加工用直角肩削りカッタ。
●インサートを多段配置し、工具径に相当する長さの深切込み加工が可能。
●インサート配列を最適化することで、びびりを抑制し加工時の安定性を向上。
●『TungQuad』ラフィングタイプ: 工具径はφ20~φ25mm を設定。
2 種類のブレーカ、3 材種の『TungQuad』用インサートを使用可能。
●『TecMill』ラフィングタイプ: 工具径はφ50~63 mm を設定。
4 種類のコーナ半径、3 材種の『TecMill』用インサートを使用可能。
■主な形番と標準価格
●ボディ
ELD05R020M20.0W02 89,800 円 (税込み94,290 円)
TLM11R063M25.4-04 245,000 円 (税込み257,250 円)
「金型の日記念式典」および「日韓金型フォーラム」を開催 日本金型工業会
日本金型工業会(会長=牧野俊清氏)が11月6日、「第39回 金型の日」記念式典および「第10回 日韓金型フォーラム」をホテル日航東京で開催し、永年勤続優良従業員の表彰を行った。
金型の日を迎えるにあたって、牧野会長は、日頃の感謝の意を表したあと、「平成24年は前年の東日本大震災、台風15号、タイの大洪水から脱しましたが、2007年から始まる円高は、製造業の海外移転を促進しています。金型産業は生き延びるため、地球が市場であるという考え方で日本の底力を結集してビジネスチャンスの拡大を目指すべきであると思います。差別化技術や特殊技術に英知を集結して世界の潮流にどううまく対応していくかを業界の皆様とも考えて実行しましょう」と述べた。
ヘッド交換式エンドミル「iMXエンドミルシリーズ」を発売 三菱マテ
三菱マテリアルツールズ(社長=滝沢俊夫氏)は、三菱マテリアが開発、製造するヘッド交換式エンドミル「iMXエンドミルシリーズ」の販売をこのほど開始した。
近年、航空機や医療機器、自動車部品などの加工現場では、多品種・少量生産への対応、短納期化、コスト削減が常に求められているが、切削工具には、さまざまな加工に対応できる汎用性、突発的なトラブルを引き起こさない安定性、生産コストを低減できる経済性が求められている。ヘッド交換式エンドミルは、ヘッドとホルダの多彩な組み合わせにより、鋼からチタン合金、耐熱合金といった難削材まで、ヘリカル加工、側面加工、倣い加工など多様な加工に対応でき、さらには生産コストを低減できる工具として用途を拡げているが、同社が発売するヘッド交換式エンドミル「iMXエンドミルシリーズ」は、ジェットエンジン、発電機のタービンブレード、航空機機体の補強部等で使用されるステンレス鋼、チタン合金、耐熱合金といった難削材加工に特化したものとなっており、難削材の多様な加工を実現する。
特長は、以下の通り。
① 加工形態に応じて、ヘッドとホルダの多彩な組み合わせにより多様な切削加工を実現し、またヘッドのみが消耗品となるためランニングコストを削減。
② 工具をチャックに取り付けた状態でヘッド部のみの交換が可能。工具交換の時間を大幅に短縮。
③ 超硬一体ホルダを採用したことにより超硬ソリッドエンドミルに近い高剛性・高強度を実現。
④ ヘッドとホルダは、テーパ部分と端面部分の二面拘束により高精度・高剛性な締結機構を実現。
⑤外径 10,12,16,20,25mm 刃長1.0×Dを標準化。
10月分工作機械受注総額は943.1億円 日工会
日本工作機械工業会がまとめた10月分の受注実績は以下の通り。2012年月10月分工作機械受注総額は943.1億円(前月比▲11.2%・前年同月比△6.7%)となった。受注総額は、2カ月ぶりの1000億円割れ。前月の反動減もあり、本年の最低受注額。【10月分内需】275.2億円(前月比▲11.2% 前年同月比△13.2%)。■内需総額・前月比2カ月ぶり減少。前年同月比5カ月連続減少・2カ月ぶりの300億円割れ。・JIMTOF前の買い控えもあるが、国内需要は総じて弱め。① 一般機械 102.4億円(前月比△16.7% 前年同月比△29.5%) うち金型 14.9億円(前月比△9.7% 前年同月比△2.3%)② 自動車 90.9億円(前月比+18.7% 前年同月比△4.9%) うち部品 62.7億円(前月比+38.1% 前年同月比△15.0%)③ 電気・精密 29.2億円(前月比△26.3% 前年同月比△16.2%)④ 航空機・造船・搬送用機械 17.7億円(前月比△1.8% 前年同月比+159.6) 【10月分外需】667.9億円(前月比△12.6% 前年同月比△3.8%)。■外需総額・前月比2カ月ぶり減少。前年同月比3カ月ぶり減少。・2カ月ぶりの700億円割れ。・主要3極は、すべて前月比減少。アジアは本年で最低額だが、北米は好調持続。① アジア:367.9億円(前月比△8.5% 前年同月比△2.1%)・東アジア:296.9億円(前月比△1.5% 前年同月比+23.5%)〈中国〉:230.4億円(前月比△14.9% 前年同月比+9.4%)・その他アジア:71.1億円(前月比△29.4% 前年同月比△47.6%)〈タ イ〉:24.2億円(前月比△47.4% 前年同月比△59.9%)〈インド〉:9.9億円(前月比△44.8% 前年同月比△78.1%)② 欧州:86.0億円(前月比△9.8% 前年同月比△31.2%)〈ドイツ〉:24.3億円(前月比△20.5% 前年同月比△45.6%)③ 北米:204.4億円(前月比△20.9% 前年同月比+17.1%)〈アメリカ〉:168.4億円(前月比△27.3% 前年同月比+7.3%)
9月分超硬工具主要統計
超硬工具協会がまとめた9月分超硬工具主要統計は以下の通り。【超硬合金重量】462トン(前年比88.8)。【超硬工具生産額】切削工具180億2300万円(前年比92.6)、耐摩工具29億3600万円(同87.9)、鉱山土木工具6億4700万円(同86.7)、その他工具5億円100万円(同102.2)、焼結体・工具16億8400万円(同103.8)、合計237億9100万円(同92.7)。【輸出入】輸出69億4200万円(前年比97.0)、輸入40億800万円(同110.6)。【超硬工具出荷額】切削工具168億2200万円(前年比88.5)、耐摩工具29億5300万円(同90.4)、鉱山土木工具6億9900万円(同87.9)、その他工具3億6300万円(同102.0)、焼結体・工具16億8900万円(同95.1)、合計225億2600万円(同89.4)。【刃先交換チップ】生産2714万5000個(前年比94.4)、出荷2387万8000個(同85.2)。
溝入れ用バイト「GYシリーズ」に端面加工用ブレード2.0/2.5/3.0mmタイプを追加 三菱マテ
三菱マテリアルツールズ(社長:滝沢俊夫氏)は、このほど三菱マテリアルが開発、製造する“溝入れ用バイト”「GYシリーズ」に端面加工用モジュラーブレード 2.0/2.5/3.0mm幅を追加、販売を開始した。
「GYシリーズ」は、独自の締結技術トライロック*(1)により、モジュラー型工具*(2)の弱点である本体剛性を大幅に高め、高能率加工が可能な溝入れ工具として好評を博している。今回、外径モジュラーホルダに搭載可能な端面加工用モジュラーブレード2.0/2.5/3.0mm幅を追加致した。
「GYシリーズ」端面加工用モジュラーブレード2.0/2.5/3.0mm幅の主な特長は以下のとおり。
① トライロック*(1)の採用と下アゴ部形状の最適化により、従来製品に比べ剛性を飛躍的に向上し、びびり振動が抑制され安定した長寿命加工を実現。
② 既存の「GYシリーズインサート」が搭載可能で、2.0/2.5/3.0mm幅の端面溝加工に対応可能。
<用語説明>
(1)トライロック:モジュラーブレードとモジュラーホルダの固定を「横」「前」「上」の3方向から行う方式。従来には無かった、三菱マテリアルの独自技術。
(2)モジュラー型工具:工具本体の一部が交換式となっている工具。破損時に部品交換のみで対応でき、一体型の工具に比べて経済性、利便性に優れる。
・品名/型番 : “溝入れ用バイト”「GYシリーズ」
端面加工用モジュラーブレード;32型番
端面加工用モジュラーブレード
GYM25LD-F12-225 13,500円(税込み 14,175円)
GYM25LD-D12-040 13,500円(税込み 14,175円)
森精機が北米工場を開設
森精機製作所(社長=森雅彦氏)は、アメリカ・カリフォルニア州デービス市に北米工場を開設した。
北米工場は、同社が建設した初の海外製造拠点となり、アメリカ及び周辺国の顧客に納める横形マシニングセンタを中心に生産活動を行う。また、北米工場には最新鋭の設備を導入し、自動化のモデル工場としての機能も持っている。今回の北米工場稼動により、森精機の日本・北米、提携先のギルデマイスター社の欧州・中国(上海)を合わせて世界四極での生産体制が整った。
同社では「世界四極の生産体制で為替リスクやロジスティクスコストの低減を図り、お客様によりよい製品とサービスを提供していく」としている。
北米工場の概要
(1)所在地 :アメリカ合衆国カリフォルニア州デービス市
(2)敷地面積:約89,000 ㎡
(3)操業開始:2012年7月
(4)総投資額:50 億円
(5)生産品目:横形マシニングセンタ NHX4000、NHX5000他
(6)生産能力:80 台/月
(7)従業員 :200 名
黒田精工が精密機械部品メーカーAIPを買収
黒田精工(社長=黒田浩史氏) がこのほど英国に本社を置き欧米を中心に”Jena Tec”ブランドの下で事業展開する精密機械部品メーカー Avingtrans Industrial Products Ltd(以下、AIP)を買収することを決定したと発表した。AIP は、英国:ノッティンガムのJena Rotary Technology Limited (以下、JRT)、ドイツ:イエナのJenaer Gewindetechnik GmbH (以下、JGWT)、米国:ジョージア州およびミシガン州のJena Tec Inc(以下、JTI)を主要事業会社として保有するホールディングカンパニーとして、リニアモーション製品、ロータリーモーション製品等の設計・製造・販売およびアフターサービスの提供を手がけている。同社は英国株式上場会社であるAvingtrans plc(以下、AVG)の傘下に所属しており、 相互の戦略上の方針が一致したことから、AVG から同社へのAIP 譲渡が決定した。当該3社の主要事業は以下のとおり。JRT は、スピンドルやオートメーションシステムの設計・製造販売・サービスおよびボールねじや直動関連機器の仕入販売、JGWT(カールツァイスJena グループによって創業)は、ボールねじや精密ギヤの設計製造販売とサービス、JTI(フェラリスグループの販売会社として創業)は、ボールねじやスピンドル・他直動製品の仕入販売およびサービスをおこなっている。同社がAIP 買収に踏みきった主な理由は、①事業展開する地域と製品の両面において、両社の間で市場の重複が少ないことから補完性が極めて高く、双方の既存顧客に対する互いの製品供給による商量拡大などのシナジーが期待できる、②AIP の工作機械主軸(スピンドル)事業と研削盤を始めとする当社の機工・計測システム事業が密接な関係を有する事から、販売や製品開発面におけるシナジーが期待できる、③AIP よりボールねじやスピンドル等の保守ビジネス(MRO)事業のノウハウ取得が可能となる、④英国・ドイツ・米国に事業拠点を獲得する事で、グローバル展開の加速が図れる、⑤製造拠点の分散により、BCP 対応と為替リスクへの対策となる―――。なお、本買収に関わる株式売買代金は、アドバイザリー費用やデューデリジェンス費用その他諸経費を含め、総額約13 億円の予定。
ナチシンビオ会が「JIMTOFエリートセミナー」を開催
不二越のトップディーラーが集うナチシンビオ会が10月31日、都内のホテルJALシティー田町で「JIMTOFエリートセミナー」を開催した。
冒頭、不二越・堀功執行役員工具事業部長が、「エリートという言葉はフランス語が語源です。選ばれし精鋭達という複数形になります。皆様の力を合わせて日本の機械加工分野を引っ張っていきたいと思います」とあいさつをした。
新製品プレミアムセミナーでは、「常識を変える新発想工具」をテーマに技術開発の方向性についておよび新製品の採用事例を同社ラウンドツール製造所・五島 康技術部長が説明した。
特別講演では、三菱UFJリサーチ&コンサルティング 川井栄一チーフインストラクターが「現場で活かす行動科学と営業スキル」、「金融機関の企業の見方」をテーマに講演した。
第二部は懇親会が開催され、親睦を深めた。
海外向け販売は堅調に推移 ダイジェット工業
ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)は、第2四半期(2012年4月1日~2012年9月30日)連結決算を発表した。欧州危機や中国経済の鈍化など世界経済の減速感が強まり、さらには円高の長期化などにより先行き不透明な状態が情勢下で、同社グループは、国内向け販売は微減となったが、海外向け販売は北米を中心に堅調に推移し、売上高は前年同期比2.4%増の44億8400万円となった。このうち、国内向けは前年同期比2.4%減の27億8200万円、海外向けは11.3%増の17億200万円となり、輸出割合は38.0%と前年同期から3.1ポイント上昇した。製品別では焼肌チップが円年同期比9.0%減の8億1300万円、切削工具が前年同期比7.0%増の29億400万円、耐摩耗工具が前年同期比0.4%減の7億6200万円となった。今後については、金型用工具など得意分野の育成強化とともに切削工具を軸に中国、東南アジアやインドを中心に輸出を拡大し、売上げの増大を図っていく。