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ヘッド交換式ガンドリル『TungGun』(タングガン)発売 タンガロイ

タンガロイ(社長=上原好人氏)は、ヘッド交換式ガンドリル『TungGun』(タングガン)をこのほど発売した。『TungGun』は、自動車部品などの深穴加工で抜群の性能を発揮するヘッド交換式ガンドリルで、独自のクランプシステムの採用により、簡単で迅速なヘッド交換が可能である。また、工具交換はヘッドの付け替えのみであることから、工具交換時間を大幅に短縮できる。さらにヘッドは小さな力で取付け・取り外しができ、必要に応じて機上での交換も可能である。

専用に開発したヘッドは、標準タイプのP 形と切りくず処理を重視したブレーカ付きタイプのM 形を設定し、同一ボディで使用することが可能である。更に、PVD コーティング仕様の対応も行うことが可能で、様々な用途や被削材に応じて安定した深穴加工を実現する。ヘッドを取り付けるボディは、顧客のニーズに応じた形状や長さで提供するため、使用環境に最適な工具設計が可能である。

『TungGun』は、工具交換時間の大幅短縮だけでなく、ヘッド交換のみで様々な被削材を加工することができるため予備工具の在庫削減が可能で、トータルの加工コスト削減に大きく貢献する。

■主な特長
①工具径: φ10.5~φ16.1 mm、加工深さ: L/D = 15~40。
②ろう付けガンドリルと同等精度の穴あけ加工が可能。
③独自のクランプシステムが、簡単かつ迅速なヘッド交換を実現。
④2 種類のヘッド形状および材種の組み合わせで、多様な被削材への深穴加工を実現。
⑤予備工具の在庫削減等、工具管理も容易。

■主な形番と標準価格
●ヘッド(税別)
・TGI120-P-G KS15F 10,100 円。
・TGI120-M-G KS15F 10,100 円。
・TGI140-P-G KS15F 11,100 円。
・TGI140-M-G KS15F 11,100 円。
全アイテム: 22 形番。
※ボディは受注生産。

森精機がNLXシリーズをフルラインアップ

森精機製作所は、このほど高剛性・高精度CNC旋盤NLXシリーズの新たなラインアップとして、チャックサイズ6インチのNLX1500、同8インチのNLX2000、そして同12インチNLX3000を世界初公開し、販売を開始した。

今回、より高い加工精度を実現するため、機体クーラント循環を始めとした森精機独自の熱変位制御を行った。熱変位をコントロールすることで熱変位量を従来機の1/3以下に抑制する。また、C軸の位置決めには周期誤差補正(特許出願中)を行い、位置決めの誤差を従来機の半分にし、各機種には、従来機の特長を受け継ぎ、高剛性な摺動面案内を採用した。これにより、難削材加工や断続切削などのびびりが発生しやすい加工においても高い面品位が得られる。高剛性な構造が、BMTの高いミーリング能力を最大限に引き出すことで、従来機の約6倍の加工能力を実現するとしている。

また、刃物台に搭載している独自技術BMT(ビルトインモータ・タレット)は最高回転速度10,000 min-1を達成した。従来の6,000 min-1から大幅に回転速度を向上しながらも、10,000 min-1までの加速時間がわずか0.45秒という圧倒的な速さによって、アルミ加工や小径ドリル加工において高い威力を発揮する。また、12,000基以上の納入実績を元に“熟成”することで、ギヤ駆動の刃物台に比べて振動を1/3以下、刃物台の温度上昇は1/10以下にまで抑え、精度面でも大きな進化を遂げている。マシニングセンタと同等の加工能力、精度を持ったクラス最高の刃物台が魅力だ。

「欧州の金型加工技術と応用事例~欧州経済を支える加工関連技術の最新動向~」をテーマに受講者を募集 型技術協会

型技術協会が「欧州の金型加工技術と応用事例~欧州経済を支える加工関連技術の最新動向~」をテーマに受講者を募集している。このセミナーは、欧州でのユーロ安を背景に好調なドイツ経済を背景に産業を支えてきている工作機械群の最新技術動向について紹介するもの。ドイツを中心に欧州の工作機械業界では、画期的な技術が数多く出現しているが、それが欧州地域で現在、どのように活用されてきているかは日本ではあまり知られておらず、同セミナーでは、工作機械の最新動向を、ユーロモールド2012等で紹介された最新の技術情報の紹介を交えつつ、欧州での加工関連技術とその応用事例について説明する。微細・精密加工、意匠面の加飾加工、高速・高精度加工、不具合解析技術、工具・治具管理の効率化などについて最新の情報や、参考となる事例が満載である。■講演スケジュール10:00 ~10:50 「ドイツHERMLE社の多軸工作機械の最新技術情報」 愛知産業(株)  内山 治 氏10:50 ~11:40 「再研工具におけるオーダーメイド再研削とマイツールの提案」 ワルタージャパン(株)   浅野 善規 氏11:40 ~13:00 昼 食13:00 ~13:50 「ドイツ BLUM NOVOTEST 社の最新機上計測技術情報」 (株)ブルームLMT  左山 邦彦 氏13:50 ~14:40 「ドイツDMGのレーザ加工技術を用いた最新シボ加工事例」 (株)森精機セールスアンドサービス  上田 真広 氏14:40 ~14:50 休 憩14:50 ~15:40 「ドイツEOS社の粉末積層造形システム                  EOSINTによるAM最新事例」 ※AM=Additive Manufacturing (株)NTTデータエンジニアリングシステムズ  酒井 仁史 氏15:40 ~16:30 「ドイツGOM社における非接触計測の自動化と応用事例」 丸紅情報システムズ(株)   赤羽 孝彦 氏16:30 ~17:00 名刺交換交流会■参加申込方法いずれもテキスト1冊を含む。・会 員 20,000円 (会員の対象は主催・協賛団体会員) ・型技術協会学生会員 1,000円 ・一 般 30,000円 ※ 個人会員A入会申込付き 27,500円(希望者は事務局まで問合せのこと) 内訳 : 参加費20,000円+入会金3,000円+12月入会時年会費4,500円■申込締切日2013年1月16日(水)*申込締切日後のキャンセルは不可。■申込方法オンライン申込↓↓http://www.jsdmt.jp/03seminar/jsdmt-seminer108.cgi(1) 申込の際は代金の振込方法と振込日を記入のこと。参加費は銀行または郵便振替にて入金する。 (2) 参加決定者には参加券・請求書を送付する。当日は参加券と引換にテキストを渡すので持参すること。■問い合わせ先一般社団法人 型技術協会〒231-0011 横浜市中区太田町6-79 アブソルート横濱馬車道ビル201号室電話:045-224-6081  FAX:045-224-6082  E-mail:info@jsdmt.jp

自動車向け「高信頼性クラッチプーリユニット」の開発で、クラッチ係合性能の改善によりエンジンの信頼性向上に貢献 NSK

日本精工 (社長=大塚紀男氏)は、このほどクラッチ機能を向上した「高信頼性クラッチプーリユニット」を開発した。
自動車エンジンの補機ベルトとプーリのスリップ音防止、補機ベルトの寿命延長、低温時のエンジンの始動性確保を目的として、自動車オルタネータ用プーリに一方向クラッチ機能を有したクラッチプーリユニットが採用されている。
エンジンの回転変動が大きいディーゼルエンジンを中心に高い需要がある一方、近年、エンジンのダウンサイジングによりガソリンエンジンの回転変動も増大し、部品の電動化に伴ってオルタネータも大型化しており、使用条件の過酷化に対応できる高い信頼性を持ったクラッチプーリが求められている。このような背景のもと、同社では、従来からの内部設計の最適化に加え、新開発のグリースを採用することでクラッチ機能を向上させたクラッチプーリユニットを開発し、これにより拡大している自動車向けクラッチプーリ市場で本製品の拡販を図り、本製品の売上として2016年にグローバルで24億円/年を目指すとしている。

この製品の特長は、極低温環境下におけるクラッチ係合で、低温におけるグリースのトラクションの性能の向上により、-40℃環境下でもクラッチ係合機能を維持することと、内部設計の最適化により、係合の際の発熱を最小化することで、クラッチ機能損失までの耐久性を、従来に比べ約3倍に向上させ、耐久性をアップさせたことである。

森精機が伊賀事業所に電気自動車用の充電ステーションを設置

森精機製作所(社長=森雅彦氏)がこのほど伊賀事業所に電気自動車用の充電ステーションを設置致した。この充電ステーションは、当社の資本提携先であるドイツのGildemeister社製で、風力発電装置(WindCarrier)、レドックスフロー電池(CellCube)が設置されている森精機エナジーソリューションパークに設置され、最大6台の電気自動車等に給電ができ、中央のモニターには、再生可能エネルギーを訴求する動画が流れる。
さらに個別の給電に対して、削減できたCO2の量が左右のモニターに表示される。

主に、伊賀事業所内の電気自動車(EV)の日産リーフとプラグインハイブリッド車(PHV)のトヨタプリウスへの給電に使用されるが、社員にも開放され、社員が通勤に使用する電気自動車等にも給電することができる。電気自動車(EV)の日産リーフを約6.5時間、プラグインハイブリッド車(PHV)のトヨタプリウスを約1.2時間でフル充電することができ、通常の約1.2倍の速さで充電を行うことが可能。

平成24年度機械工業生産額(改訂)見通し調査がまとまる 日機連

このほど日本機械工業連合会が平成24年度機械工業生産額(改訂)見通し調査をまとめた。1.概況■平成23年度の生産動向日本の機械工業は、前年度末に発生した東日本大震災により回復過程をたどっていた生産、輸出への下押し圧力が強まったものの、見込みを上回る早さで供給制約が解消されるなど、景気は緩やかながらも持ち直しの動きがみられた。しかしながら、秋にはタイ洪水の影響により一時的にサプライチェーンが寸断されるなど足踏み状態となり、欧州の金融不安や激しい円高は企業活動に厳しい影響を与えた。こうした中で、一般機械、輸送機械、精密機械などが、生産活動の制約が多い条件の下で概ね健闘したものの、情報通信機器、電子部品・デバイスが大きく減少したことにより、平成23年度の機械工業生産額は前年度日1.7%減の67兆6946億円となった。機械工業の主な動向は次のとおり。(1)一般機械一般機械の生産額は前年度比(以下同様)5.7%増の13兆4718億円となった。機種別にみると以下のとおり。「ボイラー・原動機」は、ディーゼル機関が輸出を中心に回復したことから、全体で0.9%増。「土木・建設機械」は、内需の回復基調が続き、外需も資源開発国向けに加え、従来の主要マーケットである欧米が回復したことから、29.4%増。「印刷・製本・紙工機械」は、環境対応や生産合理化に適合した高付加価値設備が増加し、4.0%増。「油空圧機器」は、油圧機器が建設機械需要が拡大する中国を中心に、空気圧機器も輸出が中国をはじめとする新興国や欧米で堅調に推移し、8.9%増。「ロボット」は、国内外ともに自動車産業向けの設備投資が回復したことから、8.5%増。「動力伝導装置」は、下期に資源開発関連で建設機械、鉱山機械関係向けの需要増や米国製造業の回復の影響もあり、9.9%増。「農業用機械器具」は、国内向けは被災地域で減少したが、海外では北米、欧州、中国向けが堅調に推移し、全体で1.0%減。「金属工作機械」は、国内向けの回復は緩やかなものの、アジア、北米地域向けが依然として好調で、24.6%増。「第二次金属加工機械」は、機械プレスやワイヤーフォーミングマシンが伸び、27.6%増。「鋳造装置」は、鋳造機械、ダイカストマシンがともに大幅に伸び、39.4%増。「繊維機械」は、化学繊維機械、紡績機械が増加したものの、準備機械、繊機、編組機械等で減少し、全体では6.0%減。「食品加工機械」は、需要先の食品業界で年度後半に復旧需要があったが、全般的に新規設備投資は手控えられたため1.6%減。「包装機械・荷作機械」は、瓶詰機械、製袋充填機、容器成形充填機等が増加し、全体では0.8%増。「木工加工機械」は、国内が国産材利用振興政策により、海外はロシア、米国の需要造により、38.3%増。事務用機械は、海外での現地生産が進み国内生産の減少傾向が続いたことから14.5%減。「ミシン」は、中国での需要鈍化があったものの、東南アジア等での需要増により、0.8%増。「冷凍機・同応用装置」は、例等冷蔵関連機器等で増加したものの、例等空調用圧縮機、空気調和関連機器で減少し、全体で4.9%減。「軸受け」は、国内が自動車向けを中心に、海外は米国、欧州向けが伸びたことから、4.2%増。「半導体製造装置及びFPD製造装置」は、TV向けを中心とした大型パネル用の設備投資が先送りされたこともあり、2.3%減少した。(2)電気機械電気機械の生産額は、前年度比(以下同様)1.4%の6兆8665億円となった。機種別にみると以下のとおり。「回転電気機械・静止電気機械器具・開閉制御装置」は、上期は震災の影響を乗り越え順調に推移し、下期は汎用品のアジア市場での需要減や円高の影響を受けたモノの、通期で3.9%増。「民生用電気機械」は、エコポイント制度終了による反動減や海外での現地生産、さらには海外生産、海外販売を行う「アウトアウト」も拡大し世界規模での最適地生産が進んだことから、10.2%減。「電球」は、節電の影響、生産拠点の海外か、電球形LEDランプの普及の影響を受け、一般照明用電球、電球形蛍光ランプが減少し、23.3%減。「電気計測器」は、工業用計測制御機器が減少したものの、電気計器、電気測定器、放射線計測器、環境計測器が増加し、全体では0.8%増加した。(3)情報通信機械情報通信機械の生産額は、前年度比(以下同様)21.8%減の4兆6470億円となった。機種別にみると以下のとおり。「民生用電子機器」は、薄型テレビやDVDビデオが地上デジタル放送完全移行後の反動減、カーナビゲーションシステムは震災による自動車減産の影響、デジタルカメラは対抗ズイやスマートフォンへの需要シフトの影響があったことから、全体では34.4%減。「通信機器」は、有線通信機器では通信事業者のトラフィック増強や企業BCPへの投資強かがデチタル伝送装置やネットワーク接続機器の生産増を牽引したが、無線通信機器で携帯電話が大幅に減少したことから、通信機器全体では10.0%減。「電子計算機及び関連装置」は、前年の教育用パソコン特需の反動減もあり、17.7%減少した。(4)電子部品・デバイス電子部品・デバイスの生産額は、前年度比(以下同様)12.5%減の7兆3736億円となった。スマートフィン向けは堅調だったものの、薄型テレビの需要減少、工場被災の影響による自動車向けの減少、海外でも円高の影響や需要低迷を受け、「電子部品」は10.7%減少、「電子デバイス」は13.4%減少した。(5)輸送機械輸送機械の生産額は、前年度比(以下同様)0.8%増の28兆0974億円となった。機種別にみると以下のとおり。「自動車」は、年度前半には東日本大震災による工場被災や部品調達問題等により工場の稼働率が大きく落ち込んだが、後半には部品調達の改善による生産回復、増産により、自動車全体で2.2%増。「自動車部品」は、自動車市場で上期は震災等の影響により減少、下期は生産の回復等により増加したことから、1.5%増。「産業車両」は、フォークリフトトラック、ショベルトラックともに国内が順調に増加し、海外も新興国市場を中心に伸びたことから、全体では14.0%増。「鋼船」は、手持ち工場の減少により徐々に操業を落としたことにより、12.3%減。「航空機」は、機体、発動機、装備品が減少したものの、機体部品、発動機部品が増加し、全体で0.7%増加した。(6)精密機械精密機械の生産額は、前年度比(以下同様)7.3%増の1兆3307億円となった。機種別にみると以下のとおり。「計測機器」は、計量機器が自動車、工作機械向けで伸び、分析機器は海外が新興国で好調であったが、国内では微減に留まり、測量機器は復興需要により微増となり、計測機器全体で7.6%増。「光学機械」は、写真機が5.1%増、望遠鏡・顕微鏡が円高、震災、タイ洪水の影響を受け6.2%減、カメラの交換レンズ・付属品が9.6%増となり、光学機械全体で6.2%増加した。(7)金属製品金属製品の生産額は、前年度比(以下同様)1.0%の2兆6930億円となった。機種別にみると以下のとおり。「鉄構物・架線金物」は、19.6%減。「ばね」は、2.1%減。「機械工具」は、特殊鋼工具が自動車向けが好調で20.9%増、超硬工具が1.4%増、ダイヤモンド工具が半導体、太陽光発電向けで減少、公共工事関連向けも回復せず3.5%減、機械工具全体では3.5%増。「バルブ・コック・鉄管継手」は、3.4%増加した。(8)鋳鍛造品鋳鍛造品の生産額は、前年度比(以下同様)6.6%増の2兆7342億円となった。機種別にみると以下のとおり。「粉末冶金製品」は、24.9%増。「鍛工品」は、自動車、産業機械、建設機械向けともにいずれも堅調で、5.7%増。「銑鉄鋳物」は、5.4%増。「可鍛鋳哲・精密鋳造品」は、1.7%増。「非鉄金属鋳物」は、5.5%増。ダイカストは自動車、二輪車向けが堅調で、1.4%増加した。

平成24年度の生産動向

平成24年度の機械工業は、東日本大震災からの復興需要や企業の設備過剰感の緩和等によって緩やかな回復基調にあったが、ここのところ伸びが鈍りつつある。金融不安による欧州景気の懸念は、堅調だった中国を初めとする新興国経済の減速をもたらし、さらに最近の日中関係の悪化は中国に積極的に展開するわが国機械工業にとって不安材料のひとつとなっている。他方、米国経済は緩やかな回復が続いている。国内は、依然として厳しい円高や電力供給不安、原油高が下振れ要員となっている。こうした中で平成24年度の機械工業生産額は前年度比1.1%増の68兆4690億円となる見通しである。機械工業の主な動向は次のとおりである。(1)一般機械一般機械の生産額は、前年度比(以下同様)1.0%減の13兆3343億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「ボイラー・原動機」は、円高等を背景にした価格競争の激化や生産拠点の海外シフトが進むと見込まれ、5.0%減。「土木建設機械」は、国内の震災からの復興需要、海外は北米での堅調な推移が見込まれ、11.1%増。「印刷・製本・紙工機械」は、需要業界である印刷産業の低迷は続くものの、引き続き国内外ともに環境対応や生産合理化に適応した高付加価値設備が増加すると見込まれ、0.3%増。「油空圧機器」は、内需が震災からの本格的な復旧・復興需要、外需は欧州や新興国を中心に厳しさも見られるものの、資源開発関連機器等の需要が期待でき、3.2%増。「ロボット」は、自動車産業向けで内需の堅調が続くものの、国内外ともに電気機械産業向けで下落が見込まれ、10.0%減。「農業用機械器具」は、国内向けが米価の高値安定によるコンバインの活況等に期待、海外は中国での補助金制度変更による減少、タイでの洪水からの回復、北米での需要増が見込まれることから、1.0%増。「金属工作機械」は、国内はやや弱含み、海外は欧州で厳しいもののアジア、北米地域武家が堅調で、0.1%増。「第二次金属加工機械」は、円高の影響やコスト競争力の問題はあるものの、輸出が牽引する形の生産増加が期待され、3.8%増。「鋳造装置」は、上期は鋳造機械が前年度並み、ダイカストマシンは回復基調にあったが、下期はいずれも不透明であり、2.0%減。「繊維機械」は、欧米での需要が減少し、中国・東南アジアでは繊維機械投資の低迷が見込まれることから、33.3%減。「食料品加工機械」は、復興需要と手控え状態が長期化した設備更新が期待されることから、3.2%増。「包装機械・荷作機械」は、瓶詰機械、製袋充填機、小箱詰機、ケース詰機械等が増加すると見込まれ、全体では0.7%増。「事務用機械」は、海外での現地生産が進み国内生産の減少傾向が続くことから、2.0%減。「ミシン」は、国内生産および輸出に大きな動きはないものの、単価の下落が見込まれ4.5%減。「冷凍機・同応用装置」は、例等冷蔵関連機器等で減少するものの、例等空調用圧縮機、空気調和関連機器で増加が見込まれ、全体で0.7%増。「半導体製造装置及びFPD製造装置」は、半導体メモリ市場等の悪化による需要減やTV用大型パネルの設備投資抑制が続き、17.4%減少する見通しである。(2)電気機械電気機械の生産額は、前年度比(以下同様)1.1%減の6兆7937億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「回転電気機械・静止電気機械器具・開閉制御装置」は、国内では震災復興需要により電力用機器が堅調に推移しているものの、海外は中国を中心としたアジア市場において汎用品の輸出低迷が続いており、1.1%減。「民生用電気機械」は、国内の電力供給不安、企業のグローバル展開に伴い海外生産シフトがさらに進むとみられ、4.3%減。「電球」は、生産拠点の海外化や電球形LEDランプの普及の影響を受け、一般照明用電球、電球形蛍光ランプが減少すると見込まれ、21.0%減。「電気計測器」は、電気機器、放射線計測器、環境計測器が減少するものの、電気測定器、工業用計測制御機器が増加し、全体では6.7%増加する見通しである。(3)情報通信機械情報通信機械の生産額は、前年度比(以下同様)0.4%増の4兆6672億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「民生用電子機器」は、カーナビゲーションシステムが自動車生産の回復により増加、デジタルカメラも一眼レフタイプの世界的な需要増加やコンパクトタイプでも高ズーム機種の需要増加が期待でき、また、薄型テレビでは2~3代目のテレビとしての中小型モデルの需要があるものの、地上デジタル放送完全移行後の需要減少の影響を大きく受けていることから、全体では10.9%減。「通信機器」は、有線通信機器では民間投資及び個人消費需要の持ち直しに加え、トラフィック強化を進める通信事業者の需要が旺盛であり、無線通信機器では多機能携帯電話の需要造が見込めることから、通信機器全体では9.2%増。「電子計算機及び関連装置」は、パソコンで新OS登場による個人需要の高まりが期待され、1.9%増加する見通しである。電子部品・デバイス電子部品・デバイスの生産額は、前年度比(以下同様)3.4%減の7兆1209億円となる見通しである。新型スマートフォン向けの部品需要が期待できるものの、欧州や中国の景気減速の影響や、円高の継続による高付加価値製品の海外への生産委託の加速が懸念されることから、「電子部品」は3.2%増加、電子デバイス」は7.5%減少する見通しである。(5)輸送機械輸送機械の生産額は、前年度比(以下同様)4.1%増の29兆2376億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「自動車」は、国内がエコカー減税・補助金による需要の喚起があり、海外は欧州金融不安による市場の停滞や、円高に伴う価格競争力の低下が懸念されるものの、米国市場の回復や新興国市場の拡大が期待されるため、自動車全体では、2.0%増。「自動車部品」は、自動車市場で上期はエコカー補助金効果により増加し、下期はエコカー補助金終了後の反動減が懸念されるものの、通期では12.6%増。産業車両」は、フォークリフトトラック、ショベルトラックともに、輸出の落ち込みは大きく、回復も遅れるものの、国内で安定した需要が期待され、全体では0.1%増。「鋼船」は、引き続き手持ち工事の減少により徐々に操業を落としていくことが見込まれ、14.1%減。「航空機」は、発動機が減少するものの、期待、期待部品、発動機部品、装備品が増加し、全体で14.3%増加する見通しである。(6)精密機械精密機械の生産額は、前年度比(以下同様)3.2%増の1兆3736億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「計測機器」は、計量機器が国内で震災復旧関連の設備投資が落ち着きを見せ始め微増、分析機器が新興国での需要オズ、測量機器が円高による需要減が見込まれ、全体で2.7%増。「光学機械」は、写真機が21.6%増、望遠鏡・顕微鏡が新興国での需要造で5.0%増、カメラの交換レンズ・付属品が4.8%増、工学機械全体では4.4%増加する見通しである。(7)金属製品金属製品の生産額は、前年度比(以下同様)0.1%増の2兆6968億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「鉄構物・架線金物」は、9.8%減。「ばね」は、自動車向けの需要造が見込まれ、3.2%増。「機械工具」は特殊鋼工具が受注環境が悪化してきており3.8%減、超硬工具が1.4%増、ダイヤモンド工具が自動車関連向けの増加を期待するものの、先行きは不透明で0.5%減、機械工具全体では0.1%増。「バルブ・コック・鉄管継手」は、震災の復興需要で、1.2%増加する見通しである。(8)鋳鍛造品鋳鍛造品の生産額は、前年度比(以下同様)1.0%増の2兆7621億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「粉末冶金製品」は、0.4%増。端工品」は、需要先の海外展開や部品の現地調達が加速しているものの、自動車、産業機械、建設機械向けで生産増が見込まれ、3.5%増。「銑鉄鋳物」は、5.0%減。「可鍛鋳鉄・精密鋳造品」は、0.9%増。「非鉄金属鋳物」はm2.8%増。「ダイカスト」は、自動車向けが堅調で、5.8%増の見通しである。

ダイジェット工業が新製品を続々市場投入!

切削工具メーカーのダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)がこのほど「エアロチッパー」、「耐熱合金用ワンカットラジアス」、「TA EZドリル」の3種類を発売した。

「エアロチッパー ALX/MAL形」は、航空機産業で使用されるアルミ・チタン合金を高速・高能率に加工できる刃先交換工具で、高精度な3次元ブレーカ形状のチップにより切削抵抗を低減、切りくず排出量に優れている。アルミ材加工時、Φ50にてQ=2,250ccを達成し、肩削りや溝削りだけでなくランピングやヘリカルなど多機能な加工もできるという特長を持つ。
本体は、高剛性・耐久性に優れたGボディを採用し全サイズクーラント穴付。
サイズは、Φ20~Φ63。

「耐熱合金用ワンカットラジアス DV-OCSAR形」は、耐熱・チタン合金加工において、びびりを低減し高速・高能率加工を実現するラジアスエンドミルで特長は、すくい角がポジで切れ味が良く、溶着を低減し、不等分割・不等リードに加え、コーナR部にまで不等リードを採用(特許出願中)し、びびりを低減。これにより、コーナR部や薄肉ワークでも加工面が良好。熱伝導率が高い母材と耐熱性の高いコーティングの組合せで、耐熱合金加工に最適――である。
サイズは、Φ3~Φ20(R0.5~R3)

「TA EZドリル TEZD形」は、チップ交換が容易で切削性能に優れる刃先交換式ドリルで、切削抵抗が低い独自の刃先形状(EZ刃形)を採用し、消費電力を従来品比30%カットする。工具交換はチップを交換するだけなので大変経済的であり、本体は高剛性Gボディの採用で本体寿命のみならずチップ寿命を大幅アップした。また、独自の方式により、切刃部が確実に給油され、切削性能が向上する。
サイズはΦ14~Φ32。

高硬度鋼用 高能率4枚刃ボールエンドミル「エポッククアトロハイハードボール EHHB-ATH」を市場投入! 日立ツール

日立ツール(社長=田中啓一氏)はこのほど、高硬度鋼用 高能率4枚刃ボールエンドミル『 エポッククアトロハイハードボール EHHB-ATH 』の販売を開始した。
多刃の弱点を克服した新製品に要注目である。

近年、金型材の長寿命化が求められているため被削材の高硬度化が進んでいる一方、金型製作期間短縮のため、加工の高能率化と焼入れ材へ直彫り加工できる工具の要望が高まっている。これら高能率加工のニーズに対応するため、市場では刃数を増やしたボールエンドミルが商品化されてきたが、刃数を増やすことでの問題も多く広く適用されるには至っていない。通常、ボール刃先端の中心部は切削速度が理論上ゼロであり、中心部のすくい角はネガであるため切削性が良くない。特に多刃となった場合、十分なチップポケットが確保できないため切り屑排出性の問題が発生し、送り速度を上げると先端が欠損しやすくなり、従来の形状では刃数増加分の能率向上は難しかった。他にも、高速回転時や深彫り加工時のびびり振動の発生など問題も多く、今回、日立ツールでは、多刃化することでの諸問題を解決し、4枚刃でも安定して高能率加工できる商品の開発に成功し、従来2枚刃ボールの2倍以上の能率、工具寿命までの総切屑排出量にして4倍以上の性能を実現した。
この製品の特長は以下のとおり。

(1)先端に特殊エンド刃採用 (切削性能の向上、安定化)
先端部に微小な特殊エンド刃を設け、ボールR刃とは異なる刃を形成。ボールエンドミルで最も不安定となる切削速度ゼロ点(ボール先端部)を無くし大幅な切削性能の向上を実現した。

(2)不等分割刃の採用 (びびり振動の抑制)
多刃化に伴う課題である、高速回転時、コーナ部加工時、突出し量の長い加工でのビビリ振動を最小限に抑えるため、切れ刃に不等分割を採用している。

(3)チップポケット形状の最適化 (切り屑排出性の向上)
チップポケット形状の改良により、4枚刃での高能率加工においても良好な切屑排出性を実現。切屑の噛込みによる、突発的な折損を防ぐことができ安定加工を実現した。

(4)ATHコーティングの採用 (耐熱性、耐摩耗性の向上)
耐熱性、耐摩耗性に優れているATHコートを採用。特に高硬度鋼で威力を発揮。

被削材の狙いは、40HRC~72HRCの高硬度鋼 (特に、50HRC以上の焼入れ鋼がメインターゲット)。冷間鍛造金型、順送プレス金型、プラスティック金型の直彫り荒加工、中仕上げ加工、仕上げ加工に威力を発揮する。

Ø1~Ø12 レギュラー刃 (全17アイテム)。\11,025~\33.390(消費税込)。
年商は2億円の見込みである。

新チップ材種誕生「DP3000」 セコ・ツールズ

セコ・ツールズ・ジャパン(社長=松田剛一氏 日本本社:東京都大田区南蒲田(本社:スウェーデン)は、本年5月、靭性および汎用性、耐摩耗性に優れたデュラトミックコーティング新材種「Perfomax® (パフォーマックス)」刃先交換式ドリルを発売し、広範な被削材、困難な加工および無人化における加工に最適として好評を博しているが、今回誕生した「DP3000」 は、セコの刃先交換式ドリル「Perfomax」の新材種で、既存の「DP2000」の補完材種。ともにセコの高性能なコーティング技術デュラトミックコーティングを使用しており、あらゆる被削材に対応が可能で、角度のある入り際や断続加工の困難な加工が可能になる。

「Perfomax」 チップ材種レンジには、物理蒸着法(PVD)コーティングを施した材種が2種類ある。「T250D」は、ステンレス鋼および耐熱合金加工向けに最適で、もう一方の「T400D」は、あらゆる被削材の内側チップとして第一推奨材種。「DP3000」は、コーティング技術による均一な母材粒子の勾配プロセスにより靭性が裏づけされている。

コバルト含有量は、20-25ミクロンで、標準タイプに比べ約二倍程度。また、表面層は、窒化チタン炭素(TiCN)層をベースとして、酸化アルミニウム(Al2O3)の二層で構成されている。化学蒸着法技術およびDuratomic® コーティング技術により適用され、TiCN は、高靭性なコーティング、またAl2O3は、耐熱性および耐摩耗性を確保。

この均一の母材粒子が「DP3000」および他の Duratomic® 材種に特徴をもたらしている。また、材種設計においては、異なる特性をどうバランスよく調整するかが課題ですであるが、同社では鋳鉄および鋼の高速切削が適用する領域で、コーティング厚さ13ミクロンの「DP2000」が第一推奨で、耐熱および耐摩耗性を発揮し、「DP3000」は、コーティング厚さ7.5 ミクロン。

同社の刃先交換式ドリルPerfomaxのチップは、四コーナ仕様の強固な四角形チップでスクリュ一本により固定されている。ドリル本体は卓越した剛性でコーティングにより低摩擦を実現し、また、内部クーラント供給口および最適化されたフルート形状により切り屑排出を高めている。高い送り量での高生産性を実現し、加工径の5倍深さまで対応可能だ。

SME東京支部が50周年記念式典を開催

SME東京支部(支部長=森雅彦森精機製作所社長)が、11月16日に中央大学駿河台記念館で50周年記念式典を開催した。この中で森支部長は50周年を迎えるにあたって、「初代支部長の竹山秀彦様が1952年頃に米国のSMEの前身ASTMEデトロイトの会合に出席され、このような会が日本に出来たらという思い出、帰国後の1962年に清水長一様、ダニエルヨーマイン様、黒田彰一様、澤田信夫様等と協力してASTME日本支部として発足しました。2002年には500名を超える会員がSME東京支部を支えてきました。1994年からはじまった国際的な生産技術者の資格認定試験(CMfgT/E)では1143名が合格するマッド婦負成りました。本年より、“Journal of SME Japan”の発刊を行い会員への情報提供の今日か、日本から世界への技術情報の発信を開始いたします。日本の製造業は海外輸出に依存する割合がますます増していますが、昨今の超円高により非常に厳しい経営状況んいあります。このような中、SME東京支部は製造業の技術発展を学術分野から支えることにより、また人材の育成を月例会や資格試験で支援することにより、強い日本の製造業に少しでも貢献していきたいと思います」と述べた。

表彰式に続き、第二部の特別記念講演を長江昭充ヤマザキマザック副社長が「最近の工作機械事情」をテーマに講演をした。第三部は場所を移して祝賀パーティが開かれ、宴たけなわの頃、参会した。

■歴代支部長(5名)
山下富雄 第35代2007年
難波義治 第36代2008年
田中 守 第37代2009年
桝田正美 第38代2010年
森 雅彦 第39代2011年

■永年継続会員〔40年間〕(9名)
竹山秀彦(1952/10)、黒田彰一(1959/3)、久保行男(1962/3)、斉藤 裕(1962/5)、佐藤 素(1962/5)、芹沢良夫(1964/8)、海老島照彦(1968/9)、井上玄定(1971/1)、田中 守(1971/1)

■特別功労者(3名)
武藤朔恵(元日刊工業)、李 和樹(日本大学)、木村信一(元トーソク)

■月例会高出席者(2007/7から2012/3)
【法人7社】
ハイデンハイン、黒田精工、森精機製作所、ミツトヨ、日本精工、住友重機械ファインテック、ヤマザキマザック
【個人9名】
赤尾義明(JPE)、林 憲明(コガネイ)、木村信一(日本電産トーソク)、森田裕之(メック)、水上悦郎(東芝機械)、田中 守(田中プレシジョン)、谷口 修(しまね産業振興財団)、津屋和夫(特殊電装)、山下富雄(黒田精工)
【事務局3名】
澤井弘幸、神谷知徳、中村迪彦