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生産性の向上をテーマに第2回コラボレーションセミナーを開催 オーエスジー&碌々産業

切削工具メーカーのオーエスジーと工作機械メーカーの碌々産業が9月6日(火)と9月8日(木)の両日、オーエスジーグローバルテクノロジーセンター(愛知県豊川市)でコラボレーションセミナーを開催した。

2回目を迎える今回のセミナーは、「生産性の向上」をテーマにしたもので、ツーリングや測定機器メーカーも協力参加し、加工機の特長を活かした最適なミリング、ドリリング、タッピングを提案・実演した。

段取り回数削減と加工時間短縮!

碌々産業MEGA-S400でプレス金型直彫り加工。焼き入れ後に直彫りすることでリードタイム短縮! ポケット深さ1.65、ポケット幅0.47
碌々産業MEGA-S400でプレス金型直彫り加工。焼き入れ後に直彫りすることでリードタイム短縮! ポケット深さ1.65、ポケット幅0.47
高硬度鋼加工でタップ加工の困難な点は、“水溶性切削油剤で加工ができない”こと。切りくずが詰まると寿命が安定しないうえ、タップが折損すると後工程の手間がかかるのも現場泣かせの問題である。この問題に注目したオーエスジーは、高硬度材加工用小径ねじ用スレッドミル『WH-VM-PNC』を提案した。この製品は、高硬度材加工に適した母材とWXSコーティングを採用したもので、切削抵抗を低くするため、ねじ山は3山のみ、全長40㎜の短全長(M2~M5用共通全長)の特長を持つ。同社がこの製品を推奨する理由として、①油剤制約なし、②折損リスク回避、③正回転のみ/小型低トルクの機械への対応、④条件の自由度――を挙げている。

オーエスジーはユーザー調査を行い、現場から求められる性能を開発に活かしているが、プラスチック金型でのリブ加工にも着目し、高硬度リブ溝加工用エンドミル『フェニックスタフラジアス』を開発、製造販売している。今回のセミナーでは、必要最小限の刃長・最短の溝切り上げ長やスパイラルギャッシュ、幅広いチップポケットと、びびりにくい二番形状の特長を持つ『PHX-LN-CRE』を説明した。

最適な工具と最適な機械、そして周辺機器の総合力が時間短縮の鍵となるようだが、今回のセミナーで、①一度のチャッキングでの加工、②被削材への最適工具の選択(コーティングの選定)、高精度高速加工機、高回転高精度主軸を持つ最適機械の選定が生産効率向上のためには不可欠であることがよく分かる内容だった。

なお、オーエスジーでは9月29日(木)から10月2日(日)までポートメッセ名古屋で開催される「メカトロテックジャパン2011」に出展(小間番号:2号館2A27)し、最新CFRP加工用工具を一挙公開、同社の最新ソリューションが見られる。なお、この展示会では「OSGの最新ソリューションはこれだ!」をテーマに、新製品・最新加工技術を中心に、オーエスジーのトップエンジニアが紹介してくれるワークショップも開催する。

メカトロテックジャパン2011「OSGの最新ソリューションはこれだ!」
【日時】9月30日(金)13:00~13:40
【会場】2号館 セミナー会場

カーボンオフセット付き林業機械、申請受付200台達成! 日立建機

日立建機のカーボンオフセット付き林業機械の累積台数が、2011年6月現在で200台に到達した。同社のカーボンオフセットは商品の製造時CO2をオフセットするもの。2008年10月建設機械業界で初めて導入した。対象商品はCO2削減運動に寄与できる商品として、林業機械から開始、現在までに情報化施工機械、ハイブリッドショベル、電動ショベルと省エネ性能の高い機種に対象を順次拡大している。今回200台を達成した林業機械は、森林整備に用いられる林業仕様機、高性能林業機械および木材破砕機などで、製造時発生CO2の1トン~2トンをオフセットしている。2011年4月からはミニショベルの林業仕様機もラインアップに加え、0.5~1トン分のオフセットも行えるスキームを構築し、その結果、200台達成時点での累積CO2オフセット量は208.5トンとなっている。このオフセット量は、例えば杉の成木が1年間に吸収できるCO2は14kgであり、杉の木換算で約1万5千本分が1年間に吸収できるCO2に匹敵する。カーボンオフセットに用いる排出権はブラジルのCDMで創出されたCERを用いており、当該機種を購入すると、日本政府へ製造時CO2に相当する排出権の償却処理を行う。これにより、林業機械を購入すると京都議定書で定められた日本の温室効果ガス削減目標である-6%にも貢献することになる。日立建機は、林野庁が国民運動として進める『木づかい運動』への参加登録企業でもあり、昨年12月には「カーボンオフセット付き林業機械の普及活動」を評価され感謝状を受章している。今後も同社はカーボンオフセットを通し地球温暖化防止の啓蒙とステークホルダーとの協働を進めていくとしている。

森精機が3台の新機種を発表! Xクラスの新シリーズ、高効率4軸複合加工機“NZXシリーズ”

NZX2000
NZX2000
森精機製作所がこのほどXクラスの新シリーズ、高効率4軸複合加工機『NZXシリーズ』の新機種3台を発表した。

最大3刃物台、量産対応の高効率複合加工機「NZX1500」と「NZX2000」は、最大3つの刃物台が搭載可能で、その全てにミーリング機能を標準装備した旋盤ベースの複合加工機。全ての刃物台にはY軸機能を装備できる。複数の刃物台を活かし、自動車や油圧・空圧機器部品の量産加工から、Y軸機能を利用した複雑な部品の加工まで高効率加工を実現する。

NZX2500
NZX2500
2刃物台、高剛性・高効率複合加工機「NZX2500」は、ミーリング機能を標準搭載した、チャックサイズ10インチクラスの4軸複合加工機。同シリーズは、現在の市場ニーズと過去1,000件に上る要望を分析・反映することで、加工能力と精度、そして機械品質を向上させた機種として注目されている。

11年度は2兆円台に需要増の見込み 建機工

建設機械工業会(会長=野路國夫氏・コマツ社長)がこのほど需要予測をまとめ、経団連会館で会見を開いた。この中で野路会長は、「内需は震災の復旧・復興のための需要増の見込み、外需はアジアを中心とした新興国の堅調である」との見方を示した。今年度の出荷金額は、2兆0282億円(前年比+18%)となり、2年連続と予測、2012年度の出荷金額は2兆2419億円(同+11%)となり、3年連続で増加と予測した。





国内は震災の復旧・復興のための需要により増加、輸出は堅調

【国内出荷】
2011年度上期は、震災の復旧・復興に起因するリース・レンタル向け等の需要が見込まれ、油圧ショベルの前年比41%増加を始め8機種が増加すると予測し、上期計では2308億円(前年同期比+26%)と見込んでいる。下期についても基礎機会を除く9機種が増加すると予測し、下期計では、2925億円(同+24%)となり、2年連続で増加すると予測している。2012年度は、引き続き震災の復旧・復興のための政府建設投資の増加が見込まれ、8機種が増加すると予測され、上期計では2463億円(+同7%)、下期計では3109億円(同+6%)と予測している。2012年度合計では、5572億円(同+6%)となり、3年連続で増加すると予測している。

【輸  出】
2011年度上期は、アジアを中心とした新興国および資源開発国向けの需要に加え、北米の需要が回復基調にあること等から、トラクタの前年比29%増加を始め全10機種が増加すると予測し、上期計で7021億円(前年同期比+17%)と見込んでいる。下期についても8機種が増加すると予測され、下期計では8028億円(同+16%)と予測し、この結果、2011年度合計では1兆5049億円(同+16%)となり、2年連続で増加すると予想している。この高調は2012年度にも都築、2012年度上期は同15%増加、下期は同9%増加し、この結果、2012年度合計では1兆6847億円(同+12%)となり、ピークであった2007年度を超え、過去最高になると予測している。

JAPANブランド育成支援事業を推進 日本金型工業会

日本金型工業会では、昨年度より国の委託事業「JAPANブランド育成支援事業」を推進している。今年度は、ブランド確立支援事業の1年目となる。この事業は、日本製金型の海外への普及を目的としており、事業の一環として今年度は、タイとシンガポールで、金型工業会会員企業と現地のユーザー企業との商談会を行う。今回の商談会は、BOI、タイ国産業開発局、JETROバンコク事務所の協力で、自動車関連企業を中心にタイ所在のユーザー企業との間で行う予定。既に欧米系の大手自動車部品メーカーから参加の意思表示がある。ちなみにBOIフェアは、BOIが主催するタイおよびタイ進出外資系企業の大規模展示会で、今年が11年ぶりの開催となるが、前回は450万人以上が来場している。今年度は2011年11月10~25日に開催する。JAPANブランド育成支援事業 タイでの金型現地商談会 開催概要【開催日】2011年11月21日(月)。【主 催】社団法人日本金型工業会。【参加者】社団法人日本金型工業会会員およびタイ所在のユーザー企業。  プログラム13:00 ~ 13:15 :開会式13:15 ~ 14:15 :技術公演14:15 ~ 14:30 :休憩14:30 ~ 17:00 :商談会【会 場】タイ、バンコク郊外チェンワタナ通り、インパクト・ムアントンタニ国際展示場 IMPACT Challenger, Bangkok 会議室 Jupiter No.8 and No.9連絡先社団法人日本金型工業会東部支部 事務局長 鈴木 典嗣まで

「Mastercam」用ミーリング加工自動化オプション「GC Mill Express」をリリース ゼネテック

ゼネテック(社長=上野憲二氏、本社:東京都新宿区)は、3 次元CAD/CAM システム「Mastercam」専用のミーリング加工自動化オプション「GC Mill Express」をこのほどリリースした。
「GC Mill Express」は、Mastercam の汎用性の高いツールパス作成機能の使い勝手をさらに強化するツールとして、同社が独自に開発をすすめてきたユーザー待望の「ツールパス作成自動化ツール」だ。加工対象となるCAD データに対し、あらかじめ登録してある加工工程を割り当てることによって自動でミーリング加工のツールパス作成を実行することができる。

CAM に対する自動化・省力化のニーズはますます拡大していくものとされているが、同社ではCAMに依存した自動化ではなく、「GC Mill Express」を活用したノウハウ蓄積型の自動化を提案する。

製品価格は20 万円(税別)で、最新バージョンのMastercam Mill(マシニング用CAM)上で動作する。「GC Mill Express」の特長は以下の通り。

サーフェスモデルやワイヤフレームからミーリング加工のツールパスを自動生成
「GC Mill Express」は、サーフェスモデルやワイヤーフレームに対し、あらかじめ登録されている加工工程を割り当てることによって、ミーリング加工のツールパスを自動生成する。加工を行う箇所は手動での選択のほか、CAD データの色、もしくはレイヤー別に配置された図形を自動で選択することができる。このため、設計段階で色やレイヤーの情報をモデリング形状に反映させることによって、CAM 側での作業負荷を大きく軽減することが可能となる。さらに、加工精度を決定する上で重要となるトレランスや残し代の数値も色やレイヤーごとにそれぞれ割り当てることができるため、加工工程を変更した場合でも、設定した加工精度を維持したままツールパスの作成が行える。

加工パターンの追加・編集によりノウハウの蓄積が可能
「GC Mill Express」にはインストール時に数種類の加工工程が登録されているが、ユーザー側での追加登録や編集・削除も自由に行うことができる。登録できる加工工程の数は無制限のため、例えば加工形状や材質ごとのノウハウを蓄積し、複数のオペレータが共有するといった利用も可能。また、将来的には新しい加工工程をユーザーサイトからダウンロードできる仕組みを構築し、「GC Mill Express」を利用した同社からの加工提案をユーザーに向けて行っていく予定である。

最大ワーク径2 mの高速大型横形マシニングセンタ「NHX10000」登場! 森精機

森精機製作所が「Xクラス」の横形マシニングセンタNHXシリーズの新たなラインアップ、として高精度横形マシニングセンタ「NHX10000」の販売を開始した。

「NHX10000」は最大ワークサイズφ2,000 mm×1,600 mm/最大積載質量5,000 kgの、NHXシリーズ待望の大型機種。近年、需要が高まっている建設機械や航空機、エネルギー産業における大型ワークや難削材の加工に最適のマシン。

高速・高精度を実現する独自技術
高速・高精度なNHシリーズのコンセプトを受け継ぎ、サドルを両端で支持するBox in Box構造を採用。主軸を中心とした対象構造により熱変位を抑える。またX、Z軸の駆動には、2本のボールねじで移動体の重心を駆動するDCG(重心駆動)を採用している。高速・高精度加工を阻む振動を抑制し、加工精度の向上、加工時間の短縮、工具寿命の延長を実現、この結果、真円度2.1 µm(スケール有りの場合)、従来機比2.5倍の早送り速度50 m/minと、2倍以上の加速度を実現した。また、振動抑制により、面品位も向上している。
B軸回転軸駆動にはDDM(ダイレクト・ドライブ方式モータ)を採用した任意割出しテーブルをオプションもある。駆動力をダイレクトに回転軸へ伝達することで、伝達効率の向上、高速化、バックラッシゼロを実現した。90°割出し時間は2.0秒(5,000 kgの場合)と、従来機比1/5に短縮している。

信頼性
NHX10000の主軸は、高圧クーラントの多用を考慮してラビリンス構造を高度化、主軸内にクーラントが浸入しない構造としている。チップコンベヤは内製の万能機外チップコンベヤを選択可能とした。粉状の切りくずから長い切りくずまで、種類を選ばず確実に機外へ搬出する。切りくずに起因する様々な問題を削減する信頼性の高いチップコンベヤである。

高い作業性
機外と機内に足場を設け、段差を無くすことで、機内での心出し作業や確認作業を容易に行える。段取りステーションのドア開口幅を広く(2,300 mm)取り、最大ワーク径φ2,000 mmのワーク着脱作業が容易になった。また切りくず処理については3本のスパイラルコンベヤを採用し、そのうち2本を段取りステーション側まで延長することで、段取りステーション内の切りくずも確実に機外搬送する。

シングルパレット仕様
「NHX10000」には、要望の多かったシングルパレット仕様を用意している。2面旋回式APCを装備しないシンプルな機械構成により、省スペース化を実現。機内の作業エリアを大きく確保することができ、段取りの作業性を向上している。試作品などの一品物ワークの加工に最適な仕様である。

多彩なオプション
高精度な同軸度を必要とする大型ワークの深穴ボーリング加工やガンドリル加工用に、パレットサイズと同じ最大工具長1,000 mmの工具が収納できるロングツールマガジンをご用意した。これによりB軸反転なしに加工ができ、切削時間の短縮と高精度加工が可能。さらに高精度な加工ニーズに対応するため、「多系統高精度オイルコントローラ」をオプションで用意している。機械上の複数の熱源に対して、個別に最適な温度の冷却オイルを流すことで、理想的な熱変位抑制を行う。

MAPPS Ⅳ+ESPRIT
操作パネルには新型高性能オペレーティングシステム「MAPPS Ⅳ」を搭載している。対話型自動プログラミング機能に加えて、CAMソフトウェア「ESPRIT」のライセンスを標準搭載している。機械とネットワーク接続されたパソコンで難易度の高い加工プログラムの作成が可能。また機械の遠隔保守や稼働状況の確認が可能なMORI-NETを標準装備している。

価格は67,580,000円 (F31iA)。生産台数5台/月。

難削材加工対応、高剛性大型立形マシニングセンタ「NVX7000」登場!

森精機製作所は、高精度立形マシニングセンタ「NVX7000」の販売を開始する。
「NVX7000」はNVXシリーズ待望の大型立形マシニングセンタ。テーブルサイズ1,700 mm×760 mm、Y軸移動量760 mmのNVX7000を市場へ投入し、ラインアップを拡充している。
特長は以下のとおり。


高精度
ボールねじの軸心冷却を標準採用し、さらにZ軸送り箱の冷却を行うことで、高精度加工を可能にしている。加工精度は従来機より70%アップした真円度1.9 µmを実現。さらに高精度な加工を追求するため、「多系統高精度オイルコントローラ」をオプションで用意している。機械上の複数の熱源に対して、個別に最適な温度の冷却オイルを流すことで、理想的な熱変位抑制を行う。

高剛性
切削加重を常に受けるY軸中央の摺動面を従来機比2.4倍に拡げ、さらに剛性を高めている。加えて主軸軸受内径はクラス最大のφ120 mm*1。その結果、重切削能力が20%向上した。重切削加工から高精度加工まで、あらゆる加工を行うのに十分な剛性を持っている。

高速
Z軸方向の微細な送りを繰り返す金型加工など、様々なシチュエーションで使われることを想定し、早送り速度と加減速のバランスを考慮。その結果、Z軸加速度を従来機に比べ2倍にアップすることで、より高速な送りを実現、サイクルタイムを短縮した。

信頼性
NVX7000の主軸は、高圧クーラントの多用を考慮してラビリンス構造を高度化、主軸内にクーラントが浸入しない構造。チップコンベヤは万能機外チップコンベヤを標準オプションで準備した。短い切りくずから長い切りくずまで、種類を選ばず確実に機外へ搬出する。切りくずに起因する様々なトラブルを削減する信頼性の高いチップコンベヤである。

豊富な仕様
40番テーパ仕様には主軸回転速度20,000 min-1の高速仕様の主軸を、50番テーパ仕様には高速仕様に加えて、高トルク仕様の主軸を用意し、現場のニーズに合わせた主軸を選べる。また森精機製のロータリテーブル、「DDRT(ダイレクトドライブ方式ロータリテーブル)」シリーズが搭載可能。付加1軸仕様のDDRT、または付加2軸仕様の5AX-DDRTを搭載することで、同時4軸、5軸制御を必要とする複雑形状ワークの加工も可能となる。

MAPPS IV+ESPRIT
操作パネルには新型高性能オペレーティングシステム「MAPPS Ⅳ」を搭載。対話型自動プログラミング機能に加えて、CAMソフトウェア「ESPRIT」のライセンス付属の仕様も用意している。機械とネットワーク接続されたパソコンで難易度の高い加工プログラムの作成が可能であり、機械の遠隔保守や稼働状況の確認が可能なMORI-NETを標準装備している。

定価は 23,100,000円 (NVX7000/50) (F0iMD)。生産台数は10台/月。

7月分工作機械受注総額は1133.6億円 日工会

日本工作機械工業会がまとめた7月分の受注実績は以下の通り。2011年7月分工作機械受注総額は1133.6億円(前月比△11.8%・前年同月比+34.8%)となった。【7月分内需】357.6億円(前月比△14.2% 前年同月比+22.2%)① 一般機械  168.0億円(前月比△15.4% 前年同月比+36.9%)  うち金型   22.5億円(前月比+15.1% 前年同月比+48.4%)② 自動車  107.5億円(前月比△4.5% 前年同月比+27.7%)  うち部品  72.6億円(前月比+1.6% 前年同月比+19.2%)③ 電気・精密 36.3億円(前月比+27.3% 前年同月比△13.0%)④ 航空機・造船・搬送用機械 13.5億円(前月比+49.8% 前年同月比+14.2%) 【7月分外需】776.0億円(前月比△10.7% 前年同月比+41.4%)①アジア:425.5億円(前月比△18.7% 前年同月比+26.4%)・東アジア:325.9億円(前月比△18.9% 前年同月比+23.2%)〈韓国〉:27.6億円(前月比△5.7% 前年同月比△23.9%)〈中国〉:287.1億円(前月比△19.9% 前年同月比+36.4%)・その他アジア:99.5億円(前月比△18.1% 前年同月比+38.2%)〈インド〉:22.7億円(前月比△54.4% 前年同月比+4.0%)②欧州:138.9億円(前月比△0.8% 前年同月比+47.6%)〈ドイツ〉:50.9億円(前月比△1.2% 前年同月比+61.6%)③北米:195.4億円(前月比+5.6% 前年同月比+83.1%)〈アメリカ〉:174.0億円(前月比+6.9% 前年同月比+80.5%)

前年度比0.8%増の69兆3286億円の見通し 平成23年度機械工業生産額 

日本機械工業連合会がこのほどまとめた平成23年度の生産動向は以下の通り。平成23年度の機械工業は、前年度末に発生した東日本大震災による甚大な被害により回復過程をたどっていた生産への下押し圧力が強まった。震災による部品を中心としたサプライチェーンの寸断や電力不足による生産現で設備投資も抑制気味に推移、また消費者マインドの悪化等による個人消費の下振れや、雇用情勢も持ち直しの動きに足踏みがみられるなど、景気全般に厳しい影響を与えている。また、原油等の資源価格や円高の動向等、当面先行きの不透明感がぬぐいきれないが、一方でサプライチェーンの復旧が前倒しで進んでいることや新興国経済の改善などによる輸出の伸び、さらに年度後半からは復興需要が本格化するなど、景気は徐々に回復軌道をたどるものと見られる。こうした中で、平成23年度の機械工業生産額は前年度比0.8%の69兆3286円となる見通しである。(1)一般機械一般機械の生産額は前年度比(以下同様)5.6%増の13兆5138億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「ボイラー・原動機」の内需は自家発電設備の需要の高まりや既存設備の維持を目的とした更新需要、外需はアジアや中東向け需要拡大や、環境意識の高まりを背景にしたエネルギー転換等の需要増も見込まれ4.2%増。「土木建設機械」は内需の回復基調が続き、外需も新興国のアジアに加え、従来の主要マーケットであった欧米の回復も見込まれ12.9%増。「印刷・製本・紙工機械」は国内が高付加価値設備を除き需要の停滞が懸念されるものの、海外では中国をはじめとする新興国の需要回復が見込まれることから4.2%増。「ポンプ・送風機・圧縮機」は内需が復興需要や更新需要、外需も新興国や産油国における需要増が期待できることから5.0%増。「油空圧機器」は油圧機器が建設機械需要が拡大する中国を中心に、空気圧機器も輸出が中国をはじめとする新興国や欧米で堅調に推移すると見込まれ8.3%増。「ロボット」は引き続き自動車自動車産業や電子・電気機械産業向けが好調で米国、中国をはじめとした海外需要が引き続き見込まれ10.0%増。「農業用機械器具」は国内は被災地域での需要減、部品調達における先行き不安はあるものの、アジア地域で堅調が見込まれることから横ばい。「金属工作機械」は国内は回復基調が続き、海外もアジア地域で依然として好調が続くことから19.8%増。「第二次金属加工機械」は円高の影響やコスト競争力の問題はあるものの、インド、東南アジアをはじめとして輸出が牽引する形の生産増加が期待され28.7%増。「鋳造装置」は回復基調にあるが、震災の影響により先ゆき不透明なこともあり横ばい。「繊維機械」は紡績機械、繊機は海外現地メーカーとの競合により減少が見込まれるが、引き続きアジア新興国やブラジルからの需要が回復しており、化学繊維機械、準備機械、編組機械等の増加が見込まれ20.9%増。「食品加工機械」は新債の影響は極めて大きく、夏行こうに新鋼需要を見込むが、先行きは不透明なことから5.7%減。「木材加工機械」は国内が国産材利用新興製作により、海外はロシア、米国の需要が見込めることから25.6%増。「事務用機械」は海外での現地生産が進み国内生産の減少傾向が続くことから11.0%減。「ミシン」は中国や東南アジア等での需要増が続くことから9.1%増。「冷凍機・同応用装置」は冷凍空調用圧縮機、冷凍空調用冷却塔で減少するものの、空気調和関連機器、冷凍冷蔵関連機器で増加が見込まれ、全体で0.4%増。「半導体製造装置及びFPD想像装置」はMPUメーカーやファウンドリで大幅な投資増額がなされ、高精細・中小型パネルや有機ELへの設備投資が期待されることから7.9%増加する見通しである。(2)電気機械電気機械の生産額は前年度比(以下同様)1.1%増の7兆359億円となる見通しである。機種別に見ると以下のとおり。「回転電気機械・静止電気機械器具・開閉制御装置」は中国を中心としたアジア向け輸出が期待できるものの、先行きには不透明感があり横ばい。「民生用電気機械」は生活に密着している製品で堅実な市場ではあるものの、生産の海外シフトが進むとみられ横ばい。「電球」は生産拠点の海外化や電球形LEDランプの普及の影響を受け、一般照明用電球、電球形蛍光ランプが減少すると見込まれ1.5%減。「電気計測器」は電気計器、電気測定器、工業用計測制御機器、放射線計測器、環境計測器のいずれも増加し、全体では11.4%増加する見通しである。(3)情報通信機械情報通信機械の生産額は前年度比(以下同様)4.1%減の5兆7655億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「民生用電子機器」は薄型テレビがエコポイント基準見直し後では大型品から中小型へ製品構成が変化し、カーナビゲーションシステムも工場被災や自動車生産減の影響、デジタルカメラは部品不足の影響が見込まれ、全体では2.0%減。「通信機器」は、有線通信機器ではトラフィック増への対応やLTEへの設備投資は継続するもののキャリアの設備投資は全般的に抑制傾向にあり、無線通信機器では携帯電話の需要減もあることから、通信機器全体では5.8%減。「電子計算機及び関連装置」は前年の教育用パソコン特需の反動減により5.2%減少する見通しである。(4)電子部品・デバイス電子部品・デバイスの生産額は前年度比(以下同様)0.1%減の8兆2541億円とんばる見通しである。スマートフォン向けが好調なものの、工場被災の影響により自動車、電子機械産業向けの供給に不透明さがあることから、「電子部品」は1.1%増加、「電子デバイス」は0.7%減少する見通しである。(6)輸送機械精密機械の生産額は前年度比(以下同様)3.1%増の1兆2821億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「計測機器」は計量機器、分析機器、測量機器ともに震災の影響を受けるものの下期に回復が見込まれ1.5%増。「光学機械」は写真機が4.6%増、望遠鏡・顕微鏡が震災の影響で部品供給に遅れがあるもののアジア地域での伸びが見込まれ5.7%増、カメラの交換レンズ・付属品が6.2%増、光学機械全体では5.8%増加する見通しである。(7)金属製品金属製品の生産額は前年度比(以下同様)1.1%増の2兆7562億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「鉄構物・架線金物」は2.0%減。「ばね」は震災による不確定要素が大きいため15.8%減。「機械工具」は特殊鋼工具がアジア向けの需要が堅調で4.2%増、ダイヤモンド工具が震災による需要減で3.3%減、機械工具全体では2.7%増、「バルブ・コック・鉄管継手」は震災の復興需要と新興国向けの輸出増で9.7%増加する見通しである。(8)鋳鍛造品鋳鍛造品の生産額は前年度比(以下同様)1.4%増の2兆5989億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「粉末冶金製品」は2.5%減。「鍛工品」は産業機械、土木建設機械関連および復興関連需要が堅調、自動車関連向けも電力需要抑制後に本格稼働が期待されることから3.0%増。「銑鉄鋳物」は横ばい。「可鍛鋳鉄・精密鋳造品」は4.8%増。「非鉄金属鋳物」は6.2%増。「ダイカスト」は横ばいの見通しである。