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最新技術を共同プレゼン! イザ、日産へ!

平成23年9月19日、社団法人日本金型工業会東部支部の若手経営者会で組織される「天青会」中野誠会長(中野金型彫工舎社長)が、日産自動車・テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を訪問し、共同で最新技術を発表した。
日産自動車の生産技術本部を中心に延べ40名の方を前に、天青会のメンバー11社が、自社で現在取り組んでいる最新技術をプレゼンした。プレゼン内容は以下のとおり。


1.自動車用エンブレム技術。
2.試作製品加工、アルミ鋳造用金型、金型消耗部品、製造ラインでの消耗部品。
3.成形品の高光沢仕上げ、ウエルドフローマークレスにより塗装のいらない。
  品物ができる射出成形技。
4.微細金型加工技術。
5.丸いものを丸く作る。3次元測定を行って金型に盛り込む。機構を持った金型。
6.熱対策技術:断熱塗料&断熱マット。
7.金型及び省力化機器等の生産設備の摺動部を簡単に無給油化できる技術。
8.STL CAMを使った切削によるグラデーションシボ加工。
9.高精度且つ小内径で、内径全周にアンダーカットを持つ成形部品用金型の開発。
10.車載用精密プレス製品。
11.オリジナルスタックモールドによる量産性向上・コストダウン。

発表後は、日本のものづくりについて活発な意見交換が行われた。天青会では、今後も、このような直接ユーザーを訪問しての共同技術プレゼンを実施していく予定である。

【問合せ先】
日本金型工業会 事務局 鈴木
e-mail: n.suzuki@jdmia.or.jp tel 03-5688-1455

世界初のEPXデータを生成する独立システムで放電加工の課題を解決!

牧野フライス製作所(本社=東京都目黒区)とアルモニコス(本社=静岡県浜松市)が共同開発をすすめていた3次元モデルからEPXファイルを出力するソフトウェアが完成し、このほど合同会見を開いた。この製品は、3次元モデルのCADデータ(IGESフォーマット)から放電加工情報(EPXフォーマット)を出力するもので、金型製造メーカーをはじめとする放電加工機を使用するユーザーは、機械への入力作業を自動化することが可能になり、製造現場のシステム化に大きく寄与する。

従来、放電加工のプログラムの作成は、加工指示書による指示・手入力が常識だったが、最近の傾向は、電極数の増加により、7ケタの数を3回(x、y、z)×電極本数分手入力をしなければならなず、入力ミスの確率が増加し、検証時間も増えた。

EPXフォーマットは、日本金型工業会東部支部にて、金型メーカ・放電加工機メーカ、CAD/CAMベンダーを中心としたワーキンググループをつくり、2000年に「EPXファイル」の規格を策定し、2004年には「EPXファイルVer.2」として現在のEPXファイルの規格を公開している。3次元CAD/CAMと型彫放電加工機をつなぐためのフォーマットで「電極名」「加工位置」「減寸量」などの放電加工に必要な情報を含む。

一方のIGESフォーマットは、異なるCAD間でデータを交換する際に使用する中間ファイル・フォーマットのひとつ。自動車産業を中心に実質的に世界標準となっているもの。

今までは、EPXフォーマットを利用できていないと言う課題があったが、牧野フライス製作所とあるもニコスのニーズの一致により、ほとんどのCADで出力可能なIGEデータから汎用規格であるEPXデータを生成、世界初のEPXデータを生成する独立システムとなった。

なお、9月29日(木)~10月2日(日)までポートメッセ名古屋で開催される「メカトロテックジャパン2011」に出品する。(3号館 No.3D11)。

ダイジェット工業が「ミラーボールCBNチップ」の発売を開始!

ダイジェット工業のミラーボールは現在、JC8003等のコーティング材種をラインナップしているが、加工現場の超高速加工による加工時間の大幅短縮や大型プレス金型加工の長寿命化による無人稼働のニーズが増加したため、このほどCBN材種をラインナップに追加した。

「ミラーボールチップ 材種JBN245」の特長は、①CBNチップにより鋳物・ダクタイル鋳鉄の超高速加工、長寿命化が可能、②加工面粗度にも優れ、みがき工程の時間短縮も可能、③チップ正常摩耗時、φ16・φ20は1回、φ25・φ30は最大2回まで再研磨が可能―――である。

サイズはφ16(8R)、φ20(10R)、φ25(12.5R)、φ30(15R)の4サイズ。
価格は83,000 ~ 110,000円。
初年度販売金額は5,000万円を見込んでいる。

シャフト加工用、コンパクトな高効率4軸複合加工機「NZX-S1500」登場!

森精機製作所は、「Xクラス」の新たなラインアップ、NZXシリーズの新機種として、シャフト加工に特化したコンパクトな高精度・高効率4軸制御複合加工機「NZX-S1500」の販売をこのほど開始した。

「NZX-S1500」は、2つの刃物台に加え、オプションで刃物台にミーリング機能が搭載可能となっており、自動車や電機、油圧機器等の小径シャフトワークの高効率加工を実現する。量産加工現場のご要望を反映し、シャフト加工に最適な機械移動量、主軸出力、送り推力を設定することで、一切の無駄を省き、抜群の作業効率を発揮する。

マイクロスコープや顕微鏡等に最適な高倍率を実現した高速度カメラ「NR5」シリーズ

米IDTジャパンは、マイクロスコープや顕微鏡等に最適な高倍率を実現した高速度カメラ「NR5」シリーズを10月1日より発売する。

従来の高速度カメラの開発は、自動車の安全実験や乗り物の衝突実験等、画素サイズの
大型化が追及される方向だった一方、半導体部品や病理学の分野等では、さらに微細なものを解析するために、撮影された画像の拡大化と高精細化が求められ、小さな画素を用いることでの高倍率が必要となるが、小さな画素にすることで明るさが損なわれ、感度が下がってしまうというデメリットがあった。そこで、米IDT社は、画素開口率を従来の30%大きくする等の工夫により高感度を維持した上で、フルハイビジョン1,000コマのスペックで、業界最小クラスの画素7ミクロンを実現し、マイクロスコープや顕微鏡に搭載するために、小型でコンパクトな「NR5」シリーズを開発した。

現在、スマートフォンやポータブルメディアプレイヤー、プリンタ、自動車等、多様な分野でMEMSデバイスが用いられており、半導体分野においても、その活用や拡大が期待されている。従来の半導体部品と並びこの高精度で低コストなMEMSデバイスの普及等により、ますます検査技術の向上とコスト削減が求められており、そういった半導体関連業界のニーズに応えるためにも、今回の「NR5」シリーズは従来の検査ツールの価格と比べて、30%ほど削減されたものになっている。

また、医療分野においても、同じく顕微鏡に搭載して、高度な医学を支援する研究に役立つツールが求められているが、昨今の学術研究費削減目標(30%)に応えなければならず、こういった状況でも今回の製品は応えるものとしている。

8月分工作機械受注総額は989.3億円 日工会

日本工作機械工業会がまとめた8月分の受注実績は以下の通り。2011年8月分工作機械受注総額は989.3億円(前月比△12.7%・前年同月比+15.2%)となった。【8月分内需】375.7億円(前月比△+5.1% 前年同月比+31.3%)。■内需総額・前月比2カ月ぶり増加 前年同月比 21カ月連続増加。・受注額は3カ月連続で350億円超え。・自動車の回復の他、復興需要が下支えして、今後も増加基調が続く見込み。① 一般機械  164.6億円(前月比△2.1% 前年同月比+25.9%)。  うち金型   21.2億円(前月比△5.7% 前年同月比+59.0%)。② 自動車  128.4億円(前月比+19.4% 前年同月比+68.2%)。  うち部品  93.8億円(前月比+29.3% 前年同月比+75.2%)。③ 電気・精密 34.1億円(前月比△6.1% 前年同月比△12.8%)。④ 航空機・造船・搬送用機械 9.9億円(前月比+△6.1% 前年同月比△12.8%)。 【8月分外需】613.6億円(前月比△20.9% 前年同月比+7.2%)。■外需総額・前月比 2カ月連続減少 前年同月比 22ヵ月連続増加。・季節要因などで8カ月ぶりに700億円を下回る。・中国の金融引き締めなどの影響もあって、アジアが大きな落ち込み。①アジア:319.7億円(前月比△24.9% 前年同月比△13.4%)。・東アジア:230.7億円(前月比△29.2% 前年同月比△18.0%)。〈韓国〉:25.4億円(前月比△8.0% 前年同月比△46.9%)。〈中国〉:197.8億円(前月比△31.1% 前年同月比△10.1%)。・その他アジア:89.1億円(前月比△10.5% 前年同月比+1.1%)。〈インド〉:45.2億円(前月比+99.5% 前年同月比+38.6%)。②欧州:122.3億円(前月比△12.0% 前年同月比+70.3%)。〈ドイツ〉:49.4億円(前月比△2.8% 前年同月比+71.5%)。③北米:154.7億円(前月比△20.8% 前年同月比+35.3%)。〈アメリカ〉:143.3億円(前月比△17.6% 前年同月比+35.7%)。

7月分超硬工具主要統計

超硬工具協会がまとめた7月分超硬工具主要統計は以下の通り。【超硬合金重量】516トン(前年比108.4)。【超硬工具生産額】切削工具189億5100万円(前年比98.9)、耐摩工具3億2500万円(同100.5)、鉱山土木工具6億5100万円(同98.2)、その他工具5億3400万円(同114.6)、焼結体・工具16億7700万円(同94.9)、合計250億3800万円(同99.1)。【輸出入】輸出77億2700万円(前年比104.8)、輸入38億300万円(同105.3)。【超硬工具出荷額】切削工具186億2800万円(前年比102.9)、耐摩工具31億7800万円(同102.0)、鉱山土木工具6億6400万円(同101.3)、その他工具4億5000万円(同111.9)、焼結体・工具17億5000万円(同99.4)、合計247億円(同102.6)。【刃先交換チップ】生産2790万1000個(前年比112.7)、出荷2883万3000個(同114.4)。

7月分産業機械受注状況および輸出契約状況 

産業機械工業会がこのほどまとめた平成23年7月分の産業機械受注状況および輸出契約状況は以下のとおり。7月の受注は3263億1200万円、前年同月比100.9%となった。・内需内需は2036億3000万円、前年同月比100.8%となった。内需のうち、製造業向けは前年同月比115.1%、非製造業向けは同92.3%、官公需向けは同88.2%、代理店向けは同99.5%であった。増加した機種は、鉱山機械(122.2%)、化学機械(112.0%)、タンク(128.6%)、ポンプ(108.4%)、圧縮機(108.4%)、運搬機械(112.8%)、の6機種であり、減少した機種は、ボイラ・原動機(95.6%)、プラスチック加工機械(82.4%)、送風機(85.8%)、変速機(97.7%)、金属加工機械(74.6%)、その他機械(87.0%)の6機種であった(括弧の数字は前年同月比)。・外需外需は、1226億8200万円、前年同月比101.2%となった。プラントは4件、157億7400万円、(前年同月比は前年同月に案件がなかったため比率を計上できず)。増加した機種は、ボイラ・原動機(136.5%)、化学機械(302.2%)、圧縮機(195.6%)、送風機(195.6%)、運搬機械(102.7%)、変速機(106.2%)の6機種であり、減少した機種は、鉱山機械(14.6%)、タンク(27.7%)、プラスチック加工機械(93.8%)、ポンプ(87.9%)、金属加工機械(7.6%)、その他機械(84.4%)、6機種であった(括弧の数字は前年同月比)。●7月分産業機械輸出契約状況は以下のとおり。6月の主要約70社の輸出契約高は、1147億3900万円、前年同月比103.8%となった。プラントは4件、157億7400万円となった。(前年同月比は、前年同月に案件がなかったため比率を計上できず)。単体は989億6500万円、前年同月比89.6%となった。地域別構成比は、アジア63.4%、北アメリカ12.0%、オセアニア9.6%、ヨーロッパ7.1%、南アメリカ2.6%、中東2.4%となっている。

見どころ満載! 「メカトロテックジャパン2011」が29日から開幕!

「メカトロテックジャパン2011(MECT2011)」が9月29日(木)から10月2日までの4日間、ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催される。主催はニュースダイジェスト社(社長=黒田嘉幸氏、本社:愛知県名古屋市)、共済は愛知県機械工具商業協同組合(理事長=野田道典氏)。
また、工作機械トップセミナー(日本工作機械工業会主催)、学生金型グランプリ(日本金型工業会主催)も同時開催される。
今年は前回を上回る359社、1466小間の規模で展開し、華やかなFA専門展となりそうだ。





■□1号館コンセプトゾーン『中小でもできる! CFRP加工』■□

1.「切削」 最新ダイヤモンド工具を使った加工実現
●実演時間 10:30~/12:00~/13:30~/15:00~/17:00~(30日のみ)

最新のダイヤモンド工具(オーエスジー提供)で約1.5㎝の厚板を加工する。会場内に牧野フライス製作所の立形マシニングセンタ「V33i」を持ちこみ、iPhone4ケースを削り出す。
硬くて工具消耗の激しいCFRPをバリバリ削り、削ったiPhone ケースは来場者に抽選で配布する予定。

2.「成形」 熱成形プレスを使った加工実演
●実演時間 11:00~/12:30~/14:00~/15:30~/17:30~(30日のみ)

現在のCFRP成形は、オートクレープ(耐圧性の鋼鉄窯)内でCFRPを焼き固める方法が主流だが、今後自動車でも広がりが期待される熱可塑性CFRPを使ったプレス成型を会場内で実演。門外不出の最新技術を特別に疲労する。CFRTP専用プレスで、ヘルメット形状のワークを成形。熱可塑性の材料を使い、類を見ない約10㎝の付加絞り成形に挑戦する。

3.「切断」ウォータージェット加工機を使った加工実演
●実演時間 随時

スギノマシンのウォータージェット加工機を使用し、加工する。スギノマシンのウォータージェットテクノロジーをコンパクトパッケージに凝縮。機械本体に制御装置、超高圧ポンプ、アブレシブ供給装置などを内蔵、コンパクトな機械で力強加工を披露する。

4.「放電」放電加工機を使った加工実演
●実演時間 随時

これまで放電では切れないと言われてきたCFRPを条件の設定を工夫することで可能に。名古屋工業大学、中村隆氏副学長の研究。放電加工機は三菱電機製を使う。ワークサンプル、型彫での技術も展示する。

■□MECT2011コンセプトゾーン「CFRP加工」セミナースケジュール■□
9月29日(木)
・11:00~11:30 「V33iの強み」牧野フライス製作所
・13:00~13:30 「CFRP用工具の選び方」オーエスジー
・14:00~14:30 「CFRTPとは」三菱レイヨン/六興商事

9月30日(金)
・11:00~11:30 「広がるプレス成形」三起精工
・13:00~13:30 「解説! CFRTP成形金型」TKX
・14:00~14:30 「市場目線からのCFRPものづくり」マシンボックス

10月1日(土)
・11:00~11:30 「ウォータージェット加工の利点」スギノマシン
・13:30~14:00 「材料選びの注意点」フドー

10月2日(日)
・11:00~11:30 「なぜ? 放電でも切れる」名古屋工業大学
・13:30~14:00 「放電加工時の注意点」三菱電機

●「はやぶさ」カプセル&噴射ノズル展示●
2010年6月13日に無事地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。その搭載カプセルの実物大模型と、打ち上げに使われた固体ロケット「M-V」(ミューファイブ)のロケット噴射ノズルを展示する。噴射ノズルはC&C(カーボン&カーボン)製で、3000℃の熱に耐える複合材。宇宙産業の複合材技術の最先端をMECT会場で紹介する。

■□がんばろう! 東北~被災地の今は・・・・写真パネル展~■□
1号館特設会場
東日本大震災で被災した企業や、工作機械ユーザーらものづくり仲間を畳一畳ほどの特大写真パネルで展示、紹介する。津波被害が甚大だった岩手・福島の海岸べりは、がれき処理など復旧は急ピッチで進んでいる。産業は自動車関連が予想以上のスピードで動く。
MECT開催の頃はV字回復を実感できるかもしれない。連動企画として特別セミナー「大震災とものづくり」(イベント館、9月30日)も開催する。

各種セミナー
■□航空機セミナー「日本航空機産業の飛躍」■□
【会場】文化センター3階会議ホール
【日時】9月29日

(1)13:30~13:45 「航空機エンジンの環境対策と展望」
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 
航空プログラムグループ環境適応エンジンチーム計画管理チーフマネージャー 
二村尚夫氏

(2)13:50~14:20 「航空エンジン用の材料と加工技術の進歩」
IHI 
生産企画部技術グループ担当部長
辻 純二氏

(3)14:25~14:55 「航空機製造現場における自動化への取り組み」
富士重工業
航空宇宙カンパニー生産技術部主査兼製造部主査(要素技術開発チーム)
小島裕登氏

■□自動車セミナー「クルマづくりNEXT」■□
【会場】文化センター3階会議ホール
【日時】9月30日(金)

(1)13:00~13:30 「航空機技術の自動車への展開」
VRテクノセンター
航空宇宙生産技術中核人材育成 プロジェクトコーディネーター
川合勝義氏

(2)13:35~14:05 「先進環境対応車~これで良いのか自動車づくり」
日本自動車部品工業会
副会長兼専務理事
高橋武秀氏

(3)14:10~14:55 「グローバル競争下におけるモノづくりヒトづくり~エンジン生産における取り組み」
トヨタ自動車
常務役員
杉原功一氏

■□中小企業セミナー「町工場の真髄を知ろう」■□
【会場】交流センター3階 会議ホール
【日時】10月2日(日)

13:00~14:00 「いまこそ町工場は結束を!」
政策研究大学院大学
特任教授
橋本久義氏

●9月30日(金)特別セミナー「大震災とものづくり」●
(1)11:00~11:50 「5Sと改善が工場を救う~大震災と危機管理」
サンドビックツーリングサプライジャパン社長 鈴木幹治氏

(2)14:00~14:50 「負けるもんか! 東北のものづくり」
植松商会社長 植松誠一郎氏

(3)13:00~13:50 「大震災に学ぶ~設計者が考える復興構想」
東京大学大学院工学系研究科 特任教授 濱口哲也氏

(4)15:00~15:50 「危機を乗り越える~技術戦略の見直しが再生のカギ」
職業能力開発総合大学校 校長 古川勇二氏

干渉を最小限に抑えた5軸立形マシニングセンタ「D300」の販売開始! 牧野フライス

牧野フライス製作所(社長=牧野二郎氏、本社:東京都目黒区)が、干渉を最小限に抑えた5軸制御立形マシニングセンタの販売をこのほど開始した。

加工プログラムの作成が簡単で、シミュレーションによる干渉チェックも時間がかからないのが特長。最低限の入力で効果的に干渉を防止する。また、機械寸法2800×2500×2500㎜(幅×奥行き×高さ)は、同じワークサイズを加工する機械と比較して、極めて省スペース。工場スペースが心配な経営者も安心して導入できるよう設計されている。
同社の開発担当者は、「干渉を最小限に抑えると、プログラムが短く簡単になり、加工時間も短縮します。これにより無駄な動作が減少します。干渉チェックが最小限で済むので、安心して加工を開始することができます」と話す。

「D300」は、大きな窓で視認性が高く、加工室内が全て見渡せるうえ、天井部分にも窓があり、加工室内が明るいのも魅力のひとつ。ドアを開けるとワークへの接近性が抜群で、作業者が“一歩前”に踏み込むことができる。

注目したいのは、5軸加工を容易にし、期待する加工結果をもたらす「プロフェッショナル5」だ。プロフェッショナルシリーズとは、マキノ製品のオペレータが最小の努力で、最大の成果が得られる機械制御とファナックの持つ要素技術と制御技術をマキノの機械に最大限に生かすべく有機的に結びつけた制御装置である。

接近性に優れたテーブルと主軸の滑らかな動きが良好な加工面を確保

上からみた「D300」
上からみた「D300」
同社の従来機「V55-5XA」と比較すると、テーブルと主軸の接近性がアップしている。使用する切削工具も短くて済むので安定した加工が行えるうえ、自動化、長時間運転への対応にも配慮しているところも注目したい。“高速な自動工具交換装置”や“天井シャワー(オプション)”などもあり、連続加工での切りくず処理に対応している。
現在、①パレットチェンジャ、②ロボットシャッター、③パレットマガジン、④大容量ATCのオプション開発を予定している。なお、このD300にはすべての5軸CAMが対応できる。

■□主な仕様■□
【移動量】
・X軸×Y軸×Z軸=300×500×350㎜
・A軸(傾斜)=±120°(240°)
・C軸(回転)=360°(連続回転)

【テーブル】
・作業面の大きさ=φ300㎜
・最大ワーク寸法(直径×高さ)=φ450×270㎜
・最大積載質量=120㎏
・上面の形状=12H8×4本、T溝
・床面から作業面の高さ(A軸0°時)=895㎜

【主軸】
・回転速度=50~15000min⁻¹
・テーパ穴=7・24テーパNo.40
・軸受内径=φ70㎜
・冷却/潤滑=ジャケット冷却/オイルエア潤滑

【送り速度】
●早送り速度
・X、Y、Z軸=60000㎜/min
・A軸=45000°/min
・C軸=54000°/min
●切削送り速度
・X、Y、Z軸=1~60000㎜/min
・A軸=45000°/min
・C軸=54000°/min

【自動工具交換装置】
・収納本数=40本(OP:60、113、155、197、239、281、323本)
・最大工具径/長さ=φ70㎜/250㎜
・最大工具質量=8㎏
・工具交換時間(ツール・ツーツール/チップ・ツー・チップ)=0.8sec

【所要動力源】
・電源=AC200V±10%、50Hz/60Hz±2% 34kVA
・空気圧現=0.5MPa以上、500L/min

機械の大きさ
・高さ=2500㎜
・幅×奥行き=2800×2500㎜
・質量(制御装置含む)7600㎏
価格
国内定価33,900,000円