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DMG森精機 高剛性と空間精度15 µm以下の高精度を兼ね備えた大型横形マシニングセンタ「NHX 10000 µPrecision」を開発

DMG森精機がこのほど、建設機械、航空機、金型、自動車、印刷機、産業機械、エネルギー関連産業などをターゲットに、高剛性と空間精度15 µm以下の高精度を兼ね備えた大型横形マシニングセンタ「NHX 10000 µPrecision」を開発した。
同社は2006年から2016年まで、スイスDIXI MACHINES社の経営にかかわり、その製品は20世紀の世界最高峰の機械と言われているが、この培った技術をもとにドイツ・日本で熟成を重ねて、さらに高精度な大型工作機械の開発に成功。すでに欧州の大型超精密加工のお客様に複数台が納品されている。このほど、量産化の準備が整ったため公開に踏み切った。
NHX 10000は最大ワークサイズΦ2,000 mm×1,600 mm、最大積載質量5,000 kgの当社最大の横形マシニングセンタで、2011年の発売以来多くの顧客に活用されている。今回開発した「NHX 10000 µPrecision」は、高精度化が進む建設機械や航空機、金型、自動車、エネルギー産業など、大型ワークの高精度加工に特化した機械。機械本体の土台となるベッド剛性を大幅に高めるとともに、3点支持構造とすることで大型ワークの高精度加工を実現した。
機械ストローク時の自重による変形の影響を解析により算出し、高精度に機械案内面の加工を行うとともに、摺り合わせによる最終仕上げにより空間精度15 µm以下を達成する。また、フルストローク(X軸:1,700mm、Y軸:1,400mm、Z軸:1,510mm)での真直度精度6 µm以下を保証している。さらに、重力軸であるY軸送り軸専用の冷却装置を追加し、熱源となる機器を機械本体から切り離すことにより熱変位を抑制し、高精度加工を維持する。
主軸やワークへの接近性も良く、作業性に優れた設計となっている。また、クーラントタンク内の微細なスラッジを高効率に回収するゼロスラッジクーラントタンクを標準搭載しているため、清掃頻度が大幅に低減され、メンテナンスによる機械停止時間と費用を大幅に削減できる。パレットプールシステム(CPP/LPP)などの自動化システムと組み合わせることで、さらなる生産性向上を実現する。
同社では、2021年から部品調達から商品出荷までの工程において、全世界の生産拠点で CO2排出量実質ゼロの生産を実現しており、「NHX 10000 µPrecision」にもカーボンニュートラルな体制で生産された商品を表す「GREEN MACHINE」マークを付与している。GX(グリーントランスフォーメーション)を実現するためには、より高度な部品・高度な加工が必要と考えている同社では、今回、高剛性で高精度かつ作業性やメンテナンス性が優れた「NHX 10000 µPrecision」を活用することで、生産性の向上を実現するとともに、CO2排出量や消費電力の削減により、顧客の環境対策にも貢献するとしている。
主な特長

(1)高精度
・空間精度15 µm以下
・フルストローク(X軸:1,700mm、Y軸:1,400mm、Z軸:1,510mm)での真直度精度6µm以下
・Y軸送り軸専用の冷却装置追加、熱源となる機器の機械本体から切り離しによる熱変位低減
(2)高剛性と長期にわたる加工精度の安定
・構造解析により、ベッドの強化と高剛性を実現
・3点支持構造により、長期にわたる加工精度安定と据付作業時間を短縮
(3)優れた作業性とメンテナンス性
・主軸やワークへの接近性が良く、治具調整などの段取り替え作業の負荷を低減
・段取りステーション側に2,290 mmの広いドア開口幅を実現
・クーラントタンク内の微細なスラッジを高性能サイクロンフィルタで高効率に回収する「ゼロスラッジクーラントタンク」を標準装備、タンク清掃作業を大幅に削減
(4)自動化システム(多様化する生産課題を解決するため、さまざまな自動化システムを提供)
・CPPシステム(コンパクトパレットプール)
・必要なパレット枚数に応じて、8つのパッケージからお客様のニーズに最適な仕様を選択するシステム
・LPPシステム(リニアパレットプール):立体タイプのパレット棚など、システム構築を自在にカスタマイズでき、顧客の生産性と稼働率を最も引き出せるシステム
(5)サスティナブルな生産を実現する環境に配慮した製品
・高精度加工と高生産性の実現により、CO2排出量や消費電力を削減
・カーボンニュートラルな体制で生産されたGREEN MACHINE
「Grinding Technology Japan 2023」来場事前登録とセミナーの受付を開始
切削工具製造技術と研削加工技術に特化した展示会「Grinding Technology Japan 2023」(主催:日本工業出版、産経新聞社)が3月8日(水)から10日(金)までの3日間、幕張メッセ ホール8で開催するにあたり、来場事前登録とセミナーの受付を開始している。
この展示会は工具製造技術と研削加工技術の専門展示会として2019年にスタートし、今回で3回目を迎える。各種研削加工技術、工具製造技術を支える工作機械、砥石、計測、周辺機器が多数出展されます。特別協賛団体として切削フォーラム21が、特別協力団体として砥粒加工学会が参加する。
切削フォーラム21は、会場内で切削工具の加工実演を行う。砥粒加工学会は、会場内で「2023年度 先進テクノフェア(ATF2023)」を開催する。そのほか、専門技術者によるパネルディスカッション、各種講演、研削コンシェルジュも行われる。
↓事前登録およびセミナーの申し込みはこちら↓
https://www.event-navigator.jp/gtj2023/regist/
〈開催概要〉
名称:Grinding Technology Japan 2023
会期:2023年3月8日(水)~10日(金) 10:00~17:00
会場:幕張メッセ 展示ホール8
入場料:2,000円。ただし、インターネットからの事前登録者は無料
主催:日本工業出版、産経新聞社
後援:在日ドイツ連邦共和国大使館
特別協賛:切削フォーラム21
特別協力:砥粒加工学会
協賛:日本工作機械工業会他関連団体
【年頭所感】日本機械工業連合会/日本ロボット工業会
「新しいデジタル社会の構築に向け機械産業の発展に貢献」
●日本機械工業連合会 会長 東原敏昭
新年明けましておめでとうございます。年頭に当たり、平素より当会にお寄せいただいている皆様方の温かいご支援とご協力に、改めて深く御礼申し上げます。本年は卯年となります。卯(うさぎ)は穏やかで温厚な性質であること、飛び跳ねる姿から、「飛躍」を象徴する年として親しまれてきました。景気が好転するとも言われ、大変縁起のよい年として期待したいと思います。新型コロナウイルス感染については、昨年夏以降、沈静化の兆しがあったものの、新たな変異種オミクロン株の世界的流行等、明るい話題が未だ少ない状況ではありますが、「景気が好転する年」「飛躍する年」として、機械産業において、皆様において、本年が変化と飛躍の年となることを心より祈念いたします。
昨年からの当会の活動状況についてご紹介いたします。昨今、会合実開催が困難な状況の中、会員の皆様へ、コロナ対応含む必要な情報を発信し、会員サービスの質を落とすことのないよう努めて参りました。今後もWEB等を活用した事業の運営を積極的に行い、引き続き、会員の皆様に必要な情報や、意見交換の場を提供して参ります。
これまで我が国製造業は、自由貿易と国際分業を基礎に発展してきましたが、近年の環境変化は急速であり、迅速・適切な対応が求められています。特にグローバルバリューチェーンは、新型コロナウイルス感染拡大がもたらす生産要素の移動に関する様々な制約や産業構造の変化、米中間の覇権争いによる貿易・投資・技術・ヒトの移動に関する規制と障壁等により、産業に本質的な対応を要求しています。当会では2021年度に引き続き、公益財団法人JKA補助を得て、関連する委員会との連携のもと、特に、通商、セキュリティ、デジタル化、環境の4点に着目し、今後の製造業の課題と対応に関する検討を始めております。2年目となる2022年度内に調査結果を公表予定でございます。
次に、税制改正についての取り組みをご紹介いたします。当会では、機械業界の要望内容の策定、およびその実現に向けた要望を中心に税制に関する活動を行っております。「令和5年度税制要望」については、「新時代に向けた我が国経済の活性化、カーボンニュートラル実現等を目指す」として、「研究開発税制の拡充」「新時代に向けた設備投資促進税制の拡充、整備」「持続可能な地球温暖化防止対策の推進-カーボンニュートラルの実現に向けて」「経済の電子化に伴う課税上の課題への対応」を重点項目として要望いたしました。また、製造業関連7団体連名にて、「グリーントランスフォーメーション実現に向けた令和5年度 税制改正共同要望」を策定し、要望項目の実現に向け、共同で陳情活動を展開いたしました。
「ロボット大賞」は、今年度、第10回の開催を実施いたしました。「優秀省エネ脱炭素機器・システム表彰」は、国内唯一の産業機械における省エネ表彰として、日本の省エネ推進に貢献して参りました。CO2排出抑制という表彰分野を加え、JKAの補助を受けながらスタートを切り、本表彰が省エネ並びにCO2削減に寄与することを期待しております。
次に「ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI)」への活動支援についてご紹介いたします。RRIは、成長戦略の一環である政府策定「ロボット新戦略」に基づき2015年に発足し、8年が経過いたしました。現在の会員数は約427となりました。
産業IoT領域における取組みとして、ドイツのインダストリー4.0推進母体をはじめ、国内工業会など関係団体との協力関係を築き、産業セキュリティ対策、ビジネスモデル構築、人材育成など世界共通の課題解決に向けた議論を進めています。また、国際電気標準会議スマート製造システム委員会国内事務局を務め、国際標準化活動も行っております。
RRIは多種多様な企業の集合体のため競争領域もありますが、今後は協調領域について議論しながら連携を図り、グローバル競争に向けた価値創出にリソースを集中することが日本全体の競争力強化のために急務と考えます。
当会は、引き続きRRIと共に、新しいデジタル社会の構築に向け、日本の機械産業に貢献し更なる発展を実現できるよう誠心誠意努める所存ですので、今後とも関係各位の引き続きのご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。最後となりますが、皆様の一層のご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。
「初の1兆円超えを期待」
●日本ロボット工業会 会長 山口賢治
昨年は当会が創立50周年を迎えたことで、10月に記念事業として「記念シンポジウム」や「記念式典」等を実施いたしました。関係各位及び会員各位のご協力のもと盛会裏に終了することができましたことをご報告致しますとともに、厚く御礼申し上げます。
さて、世界経済はロシアのウクライナ侵攻の長期化によるエネルギー供給不足での価格高騰に伴い、世界的インフレ圧力が、更には中国での新型コロナウイルス対応や不動産危機等での景気悪化が見られます。このようななか、国際通貨基金の世界におけるGDP見通しでは、2021年の成長率6.0%が、昨年は3.2%、そして今年は2.7%にまで減速するとの観測にもあるように、世界経済の減速懸念を抱えたなかでの幕開けとなりました。
このような状況の下、2022年の我が国ロボット産業は、半導体をはじめとする部品不足や中国でのロックダウン等による影響が見られましたが、国内外とも自動化投資意欲に支えられ、2022年は、受注額で対前年比2.9%増の約1兆1,100億円となるとともに、生産額では5.5%増の約9,910億円が見込まれます。
そして、今年のロボット市場は、様々な問題が徐々に改善されることを期待するとともに、堅調な自動化需要に支えられ、受注額は対前年比3.6%増の1兆1,500億円、そして生産額は6%増の1兆500億円と生産額においても初の1兆円超えとなることを期待しております。
当会の今年の活動ですが、50周年記念事業として「ロボット産業ビジョン」の策定と「50年史」の編纂が残っておりますが、いずれも本年度内での完成に向け、現在、鋭意取組んでおります。特に、「ロボット産業ビジョン」については、今回が完成版ということではなく、委員会体制を残し、継続的に議論を続けることで、アップグレードしていくことを考えております。
これらに加え、業界活性化のさらなる推進に向け、昨年に引き続き以下の3点を重点項目として取り組む所存です。
第一は「市場拡大に向けた取組」です。当会ではロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会との連携のもと、ロボット市場の拡大に向けて、その役割を引き続き積極的に務めて参ります。
また、ロボットの利活用推進にとってシステムインテグレータの役割は極めて重要ですが、当工業会内の「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」も今年で設立5年目を迎え、SIer業界の経営基盤や事業環境の向上、さらには専門性の高度化に向け、活動の一層の充実を図り、また組織的にも更なる発展を目指していくこととしております。
第二は「イノベーションの加速化に向けた産学連携の推進」です。グローバル市場での我が国の優位性確保や潜在市場の顕在化のためにもイノベーションの加速化が急務となっており、引き続き日本ロボット学会をはじめ関係学会及び関連業界との連携に努めることとします。
第三は「国際標準化の推進、国際協調・協力の推進」です。国際標準については、欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでおりますが、我が国としてもリーディングカントリーとして官民挙げて国際標準化活動に対して引き続き積極的に取り組むとともに、国際ロボット連盟を通じた活動並びに国際交流を積極的に推進していく所存です。
また、本年は、5月31日~6月2日にかけ「第24回実装プロセステクノロジー展」を、そして11月29日~12月2日にかけて「2023国際ロボット展」の2つの展示会を、コロナ禍以前の状況での開催を目指し実施致します。両展示会を通じて技術情報の発信とともに様々な分野へのロボット利用拡大への意欲を喚起することに加え、市場調査、技術振興等の各事業を意欲的に展開する所存です。
引き続き関係各位の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様のご活躍とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
【年頭所感】アマダ/コマツ
「アマダグループの歴史に残る1年にしたい」
●アマダ 代表取締役社長 磯部 任
2023年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症による影響は、経済的に終息の方向に向かい、先進国を中心に設備投資の需給が回復してきました。その一方で、地政学リスクの増大により世界経済は大きな転換を迎え、原材料・エネルギー価格の高騰、部素材の需給逼迫は未だ継続しています。我々の生産活動にも大きな影響を及ぼしており、経営を取り巻く環境は依然として不透明な状態が続いています。
昨年のアマダグループは、このような環境のなかでも半導体製造装置や5G対応の通信機器、医療機器など様々な分野で受注が拡大し、上期の受注高実績として過去最高を大幅に上回ることができました。また、世界各地の展示会が本格的にリアルで開催され、アマダグループも日本・欧州・北米の世界大型機械展示会に出展して新商品を発表し、好評を得ることができました。
2023年は地政学的環境の悪化や部品・原材料不足の深刻化などによる影響を注視する必要があるものの、企業活動はさらに活発になるでしょう。アマダグループのお客さまである金属加工業の現場は、依然として深刻な人手不足や熟練技能者減少などに直面しており、自社の競争力を高めるために、生産設備における環境への対応やデジタル化・自動化への対応はますます加速すると考えています。
そのようななかで2023年は、アマダグループにとって最重要提案機能、かつ最大の差別化施設である「Amada Global Innovation Center(AGIC)」がグランドオープンする重要な年となります。5月には新中期経営計画を発表する予定であり、「AGICを基軸とした改革、成長戦略の起案・実行」の年と位置付け、具体的なアクションに取り組んでいきます。機械メーカーとして、技術志向をより強め、経営理念でもある「お客さまとともに発展する」という原点を再認識して活動を進めます。開発力も大幅に強化し、「誰でも・どこでも使える環境にやさしいマシンへの進化」をコンセプトにした新商品を数多く投入する予定です。さらには、設計から製造、販売、サービスまでの体制をグローバルで強化し、海外ビジネスの拡大に取り組みます。人材面では人材の育成強化と働きがいのある職場づくり、ダイバーシティを進め、SDGs を推進することで社会へ貢献してまいります。
今年の干支の癸卯は、寒気が緩み、萌芽を促す年といわれています。コロナ禍以降、停滞し続けていた世の中に希望が芽吹き、春がくることを願います。不透明な経営環境下ですが、AGICを中心に様々な改革に挑み、80周年、その先の100年企業へ向けた変革元年として、さらなる飛躍につながるアマダグループの歴史に残る1年にしたいと考えています。
本年も皆様の一層のご指導、ご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
「今年は電動化市場導入元年」
●コマツ 代表取締役社長(兼)CEO 小川啓之
謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
昨年は、経済安全保障リスクや地政学リスクの高まりなどにより、世界経済は大きく影響を受け、当社を取り巻く外部環境はますます不確実かつ不透明なものとなってきました。依然新型コロナウイルス感染症は収束することなく、気候変動などのサステナビリティ・リスクへの対応も引き続き迫られるなど、あらゆる方面で外部環境の変化と事業リスクへの対応力強化が求められた一年となりました。
昨年4月より、当社は次の100年に向けて新たな価値創造を目指すため、3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value - Together, to “The Next” for sustainable growth」をスタートしました。成長分野における新たな価値創造のための重点投資を継続するとともに、既存分野における収益獲得機会の最大化により、収益性の更なる向上を目指していきます。また、マテリアリティ分析を行い、外部環境の変化や需要変動にも左右されにくい体制構築を成長戦略として織り込み、対応力強化への取り組みを進めました。
昨年の建設・鉱山機械の事業環境を振り返ると、北米やアジアを中心に需要が好調に推移したものの、サプライチェーンの混乱による生産及び販売への影響や原材料価格や物流費の高騰や為替の影響に左右されました。このような状況下でも、当社は部品調達の複数社購買体制の強化とクロスソーシング活用によりお客さまへの商品・部品の継続的供給に尽力するとともに、販売価格の改善をはかり、上期の業績は売上高・利益ともに過去最高となりました。本年も、アジアを中心に引き続き需要は好調に推移すると見込むものの、米国の金利引き上げや欧州経済の高インフレや金融引き締め等による景気後退も予想されます。中期経営計画で掲げた持続的成長を目指し、需要変動に左右されにくい体制構築と、お客さまに新たな価値をお届けするために尽力してまいります。
また当社では、外部環境の変化は、リスクとしてだけでなく、当社の製品・サービス・ソリューションの高度化というビジネスチャンスと捉え、お客さまやパートナー企業と共に、DX推進やダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいます。また、2050年カーボンニュートラルに向け、温暖化対策と事業成長の両立を目指し、さまざまな電動化戦略を推進しています。本年は、bauma 2022に出展した20トンクラスの電動油圧ショベルや、3トンクラスの電動ミニショベル等の量産を開始し、日本・欧州市場へ導入する予定であり、「電動化市場導入元年」と位置づけ、建機の電動化市場の形成に向けて取り組みを加速してまいります。また、鉱山向けダンプトラックについては、バッテリートロリー車の開発を進めるとともに、水素燃料電池ソリューションなどのゼロエミッション動力源の先行研究開発を進めていきます。
コマツは今後も「品質と信頼性」を追求し、当社の存在意義である「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことを目指してまいります。最後になりましたが、皆さまにとって素晴らしい1年になりますように、心より祈念いたします。
「メカトロテックジャパン2023」 満小間で出展申し込み受付を終了
ニュースダイジェスト社が主催する「メカトロテックジャパン2023」(以下MECT2023)が、12月5日をもってMECT2023の出展申し込み受付を締め切った。出展申し込み小間数が会場の収容力の上限に達したため、当初は23年2月28日(火)までとしていた出展申し込み受付期間を前倒しして終了した。
23年展では、11月1日に出展募集を開始して以来、21年10月に開催した前回展と同様のペースで出展申し込みがあり、ポートメッセなごや新第1展示館の開設に伴い、今回展の開催規模は前回展(1,795小間)を上回る見込み。
23年10月に名古屋市で開催される MECT2023 は、2年に一度東京で開催される日本国際工作機械見本市(JIMTOF)に次ぐ、国内で2番目の規模の工作機械・技術の専門見本市。通算18回目となった前回のMECT2021には426社・団体(1,795小間)が出展し、会期4日間で68,929人が来場した。
2022年11月分 機械工具生産額まとまる 日本機械工具工業会
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2022年11月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。
■生産額
切削工具 390.5億円(107%)、耐摩耗工具 33億円(103%)、総合計 430.8億円(107%)。
■ドリル生産額
特殊鋼工具 16.7億円(115%)、超硬工具 42.4億円(114%)、ダイヤ・CBN 0.9億円(93%)、総合計 60.1億円(114%)。
■エンドミル生産額
特殊鋼工具 5.1億円(115%)、超硬工具 39.3億円(101%)、ダイヤ・CBN 1.4億円(101%)、総合計 45.8億円(102%)。
■カッタ生産額
特殊鋼工具 0.8億円(123%)、超硬工具 5.7億円(104%)、ダイヤ・CBN 0.5億円(131%)、総合計 7億円(107%)。
■ギヤカッタ生産額
総合計 7.6億円(101%)。
■ブローチ生産額
総合計 7.8億円(101%)。
■ねじ加工工具生産額
特殊鋼工具 36.6億円(112%)、超硬工具 3.9億円(115%)、総合計 40.4億円(112%)。
■バイト生産額
特殊鋼工具 0.3億円(92%)、超硬工具 9.2億円(96%)、総合計 9.4億円(95%)。
■リーマ生産額
特殊鋼工具 1.3億円(94%)、超硬工具 2.5億円(108%)、総合計 3.8億円(103%)。
■鋸刃カッタ生産額
特殊鋼工具 1.3億円(104%)、超硬工具 0.7億円(85%)、総合計 2億円(97%)。
■インサート生産額
超硬工具 153.2億円(105%)、ダイヤ・CBN 21.1億円(117%)、総合計 174.3億円(106%)。
■ボディ関係生産額
総合計 17.9億円(113%)。
■超硬合金生産額
切削用 149億円(101%)、耐摩耐触用 15.5億円(97%)、総合計 166.6億円(100%)。
2022年11月度建設機械出荷金額統計まとまる 日本建設機械工業会
日本建設機械工業会がこのほどまとめた11月の建設機械出荷金額は、内需は2.4%増加の972億円、外需は49.6%増加の2,226億円となった。その結果、内需は5カ月連続の増加、外需は25カ月連続の増加となった。総合計では31.2%増加の3,199億円となり、25カ月連続の増加となった。
内需について機種別に見ると、油圧ショベル10.0%増加の312億円、建設用クレーン11.9%増加の143億円、コンクリート機械16.8%増加の19億円、基礎機械13.1%増加の39億円、油圧ブレーカ・圧砕機15.1%増加の21億円、その他建設機械11.0%増加の75億円の6機種が増加し、内需全体では2.4%の増加となった。
外需について機種別に見ると、トラクタ74.0%増加の262億円、油圧ショベル68.1%増加の920億円、ミニショベル46.5%増加の384億円、建設用クレーン24.5%増加の87億円、道路機械35.6%増加の31億円、コンクリート機械70.7%増加の1億円、油圧ブレーカ・圧砕機11.0%増加の9億円、その他建設機械49.5%増加の291億円の8機種と補給部品4.1%増加の240億円が増加した。
地域別に見ると、北米が23カ月連続で増加、アジアが21カ月連続で増加するなど全9地域中8地域で増加し、外需全体では49.6%の増加となった。(増減は前年同月比)
【年頭所感】経済産業省 山下 製造産業局長/安田 産業機械課長
「産業構造の変化を見据えた変革」
■経済産業省 製造産業局 製造産業局長 山下隆一
〈はじめに〉
令和5年の新春を迎え、謹んで御挨拶申し上げます。
昨年は、ワクチン接種の拡大等によりコロナ禍から徐々に経済活動が回復しつつあった中、ロシアによるウクライナ軍事侵攻が始まり、これを背景とした国際的な原油・物価高騰や歴史的な円安など、息つく暇もなく新たな危機に直面することになりました。特に我が国の製造業は、半導体をはじめとした部素材の供給途絶やエネルギー価格の高騰など、様々な面で引き続き影響を受けておられると承知しています。
こうした目の前の情勢変化への対応に加え、中長期的な産業構造の変化を見据えた変革にも取り組んでいくことが求められています。私は、政策の重点は「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」「経済安全保障」の3軸にあると考えています。本年も産業界の皆様と緊密に連携しつつ、この3軸を基礎にしてあらゆる施策を総動員することで、我が国製造業の成長のために全力を尽くしてまいります。
〈経済安全保障・防衛力強化〉
ロシア・ウクライナ情勢に加え、昨年は北朝鮮によるミサイルの発射が繰り返されるなど、我が国を巡る安全保障環境は戦後最も厳しい状況にあると言っても過言ではありません。昨年11月の岸田総理からの指示に基づき、国家安全保障戦略を含む防衛3文書の改定により、今後5年間での防衛力の抜本強化等の方針が示されました。防衛力強化のためには強い防衛産業が必要不可欠である一方、同産業は利益率や事業見通しの不確実性といった課題を抱えていると認識しています。産業を所管する経済産業省として、産業界の実情を踏まえ、防衛省をはじめとした関係省庁とも連携しながら、防衛産業の強化に向けた取組の具体化に取り組んでまいります。
また、防衛力を高めることはもとより、安全保障の裾野が経済分野へ急速に拡大する中で、国家・国民の安全を経済面から確保することも喫緊の課題となっています。昨年5月に成立した経済安全保障推進法に基づき、我が国では日本の経済構造の自律性を向上させることと、技術優位性を高めて日本の不可欠性を得ることを目指し、様々な施策に取り組んでいます。
例えば、昨年、政府は永久磁石や工作機械・産業用ロボット、航空機部素材を含め11物資を特定重要物資として指定しました。これらは広く国民生活・経済活動に用いられ、一旦供給が途絶すると経済に重大な影響を与える恐れのある物資です。これらを含め、経済安全保障の観点からも我が国のものづくり産業基盤が果たす役割は極めて大きいと考えています。このため、先日成立した補正予算においては約1兆円の基金を盛り込み、特定重要物資の安定供給の確保に資する民間企業の設備投資や研究開発の取組を後押ししてまいります。加えて、我が国のものづくりにおける技術的優位性を高め、不可欠性を高めるため、「経済安全保障重要技術育成プログラム」に1,250億円を積み増し、宇宙・航空分野をはじめとする最先端の重要技術の開発にも取り組んでいきます。
〈GX〉
昨年12月、EU理事会と欧州議会は炭素国境調整メカニズムに係る設置規則案を暫定合意しました。ロシア・ウクライナ情勢の中でも、脱炭素に向けた議論は進んでいます。我が国としても、2050年カーボンニュートラルという野心的な目標を変革の好機として捉え、成長へとつなげていくことが必要です。しかしながら、日本全体のCO2排出量の1/3を占める産業部門は、“Hard-to-abate”、すなわち排出削減が困難なセクターと言われているように、GXの実現は容易ではありません。従来とは全く異なる生産プロセス等の実現に挑戦する民間を後押しすべく、規制・支援一体型の投資促進策を講じてまいります。
既に、脱炭素化に向けた長期にわたる研究開発・社会実装を行う企業等に対して、2兆円の「グリーンイノベーション(GI)基金」にて大規模かつ継続的な支援を行っており、水素を活用した次世代製鉄プロセスや、CO2や廃プラスチックから化学品を合成する製造技術に関するプロジェクト等を進めています。昨年成立した令和4年度第2次補正予算では更に3,000億円での拡充を行ったことに加え、令和5年度当初予算案において約4,500億円を計上したところであり、今後も必要な支援を行ってまいります。
昨年2月に発表した「GXリーグ基本構想」には、既に日本のCO2排出量の4割以上を占める約600社の企業より賛同を頂きました。本年は、GXリーグを稼働させ、GX経済移行債の発行や排出量取引の枠組みを含む「成長志向型カーボンプライシング構想」を速やかに実現・実行してまいります。予見可能性を高め、企業がGXに向けた投資をしやすい環境作りに取り組んでまいります。
〈DX〉
世界的に、データを用いた価値創造の動きが一層加速しています。我が国製造業においても、サプライチェーンに関するデータ等を集約・管理し、AIや量子、デジタルツイン等と組み合わせることや、工場プロセスを形式知化することで、設計・開発、生産管理などの高付加価値化や迅速な経営判断を実現していくことが必要です。デジタル分野を中心に起きているレイヤー化等の産業構造の大きな変化を踏まえ、従来の製品・サービスで勝負するものづくりを越えて、幅広い分野・産業・ビジネスを俯瞰した横割りの視点をもった取り組みを進めることで、競争力を高めることが重要です。
しかし、欧米諸国と比較すると、DXを含む無形固定資産への投資が進んでおらず、我が国製造業のデジタル競争力は今のところ高い位置にありません。その原因の一つとして、従業員の学び直しへの投資が不足していることが挙げられます。このため、経済産業省は、リスキリング等を通じて、DXに資する人材の育成に取り組んでいます。
また、個社の取組だけでなく、特に最近では、カーボンフットプリントの把握や人権デューデリジェンスへの対応などにおいて、バリューチェーン全体でのデータ連携の必要性について欧米を中心に議論が進められており、企業の枠を超えたDXも視野に検討を進めていく必要があります。このためには、官民一体での連携が必要であり、経済産業省としては、まずは、例えば、車載用蓄電池などを念頭に、ライフサイクルでの温室効果ガス排出量の算定や、サプライチェーン上におけるリスクを継続評価・低減していく仕組みなどを策定することを目指しています。
さらに、無形固定資産への投資のみならず、ロボットやドローンなどの先進技術導入による生産性向上や価値創造も重要です。特にドローンについては、昨年12月に改正航空法が施行され、有人地帯での補助者なし目視外飛行が可能になりました。これによりインフラ点検や物流、災害対応といった様々な分野でドローンの利活用が進むことを期待しています。また、2年後に迫った大阪・関西万博において「空飛ぶクルマ」の商用運行を開始することを目指し、政府では制度整備や研究開発を進めています。こうした取組を通じて、我が国の先進的な技術を用いた製品開発への投資にスイッチを入れることを目指します。
〈福島〉
福島の復興は経済産業省の最重要課題です。福島の復興に向け、経済産業省では、福島浜通りへの企業立地や福島浜通りでの実用化開発への補助金等の手厚い支援策を用意しています。皆様におかれましても、こうした支援策を活用し、福島浜通りへの進出を御検討いただければ幸いです。
また、経済産業省は、三陸・常磐地域の水産業等の本格的な復興に向けて、昨年末、官民連携の枠組みである「魅力発見!三陸・常磐ものネットワーク」を立ち上げました。このネットワークでは、産業界、自治体、政府関係機関等から広く参加を募り、水産物等の売り手と買い手を繋げることで、「三陸・常磐もの」の魅力を発信し、消費拡大を図ります。産業界の皆様におかれましては、ぜひネットワークへの積極的な協力・参加をお願いいたします。
〈おわりに〉
DX、GX、経済安全保障といった新しい経済の軸に合わせ、成長につながる投資の形や事業分野の中身も変わっていきます。産業界においても、こうした構造的変化を適確に捉え、新たな投資を含めた経営リソースの活用方策を考えていっていただきたいと思います。我が国においても国内の投資を増やそうという意欲が高まってきており、昨年末に開催された国内投資拡大のための官民フォーラムにおいては、経団連から2027年度に100兆円の設備投資の見通しが示されたところです。今こそ大規模な設備投資を行い、投資とイノベーションと所得向上の3つの好循環を生み出す好機です。経済産業省としても、民間における投資を促すべく、様々な施策を通じて予見可能性を高め、企業が投資しやすい環境を作っていきたいと考えています。
最後に、皆様の益々の御発展と、本年が素晴らしい年となることを祈念して、年頭の御挨拶とさせていただきます。
「企業がGXに向けた投資をしやすい環境作りへ」
■経済産業省 製造産業局 産業機械課長 安田 篤
令和5年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
新型コロナウイルスの世界的拡大から3年弱が経過しました。産業界の皆様には、テレワークの推進や時差出勤、職域接種によるワクチン接種の加速など、様々な形で御協力をいただき、改めて御礼申し上げます。
他方で、昨年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、米中対立、新型コロナウイルスによるパンデミックに引き続き、1990年以降拡大してきたグローバリゼーションを逆回転させる歴史的な出来事となり、これを背景として、世界的なインフレの加速と急激な円安の進行など先行き不透明な状況が続いており、我が国の製造業は、半導体をはじめとした部素材の供給途絶やエネルギー価格の高騰など、様々な面で引き続き影響を受けておられると承知しています。我が国製造業の成長のために引き続き皆様と全力を尽くして進めてまいりたいと思います。
ロシア・ウクライナ情勢に加え、グローバルなサプライチェーンの脆弱性や国家、地域間の相互依存リスクが顕在化する中、昨年5月に成立した経済安全保障推進法に基づき、我が国では日本の経済構造の自立性の向上、技術の優位性、ひいては不可欠性の確保を目指し様々な施策に取り組んでおり、昨年、政府は広く国民生活・経済活動が依拠している必要不可欠な物資として、工作機械・産業用ロボット、半導体、蓄電池を含めた11物資を政令にて指定しております。
令和4年度第2次補正予算では、重要物資のサプライチェーンの強靱化を図るための事業を盛り込んでおり、特定重要物資の安定供給の確保に資する民間企業の設備投資や研究開発の取組を後押ししてまいります。
経済産業省では、2050年カーボンニュートラルという野心的な目標に向けて、脱炭素化に向けた長期にわたる研究開発・社会実装を行う企業等に対して、グリーンイノベーション基金にて、継続的な支援を行っており、今後も必要な支援を行うとともに、カーボンプライシングの制度の在り方や、特に脱炭素化が難しい(hard-to-abate)産業セクターも含め、規制・支援一体型の投資促進策を講じてまいります。昨年2月に発表したGXリーグ基本構想には、既に日本のCO2排出量の4割以上を占める約600社の企業より賛同を頂いており、本年は、予見可能性を高め、企業がGXに向けた投資をしやすい環境作りに取り組んでまいります。
新型コロナウイルス拡大の影響もあり、リモートワークなど日常生活におけるデジタル化が幅広く浸透し、物流や小売業等でのロボット導入や、インフラ点検や物流、災害対応でのドローン活用など、新たな技術の活用の場が拡大するなど、データ連携・利活用をはじめとした、デジタル化の促進や、その実現に必要な技術を持つ人材育成が重要となっております。
経済産業省としては、設備投資やIT導入支援を後押しすべく、ものづくり補助金などの生産性革命推進事業や、リスキリング等に取り組んでおります。
2年後に迫った2025年には、大阪・関西万博において「空飛ぶクルマ」の商用運行を開始することを目指し、政府では制度整備や研究開発を進めています。こうした取組などを通じて、経済産業省としては、未来の豊かなモビリティ社会を構築してまいります。
福島の復興は、継続して経済産業省の最重要課題です。経済産業省では、昨年末に官民連携の枠組みである「魅力発見!三陸・常磐ものネットワーク」を立ち上げました。本ネットワークでは、産業界、自治体、政府関係機関等から広く参加を募り、水産物等の売り手と買い手を繋げることで、「三陸・常磐もの」の魅力を発信し、産業界での消費拡大を後押ししていますが、皆様におかれましても、ぜひネットワークへの積極的な協力・参加をお願いいたします。
日本の製造業は、急速に変化し続ける環境の中で、複雑で困難な課題にも多く直面しています。しかし、それらに果敢に取り組みイノベーションを続けることで、安定した成長を続けられると確信しております。引き続き、皆様の現場の生の声をお伺いし、それを産業政策に活かしてまいりたいと考えております。
本年が、皆様にとって素晴らしい1年となることを祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。
【年頭所感】(日本産業機械工業会/日本工作機械工業会/日本機械工具工業会)
「世界の脱炭素に向け貢献」
■日本産業機械工業会 会長 斎藤 保
2023年を迎えるに当たり、新年のごあいさつを申し上げます。
皆様には、気分も新たに新年を迎えられたことと思います。
昨年を振り返りますと、北京冬期オリンピック・パラリンピックでの日本選手の活躍や、カタールで開催されたサッカーワールドカップでの日本代表の果敢な戦いぶりは、新型コロナ禍で疲弊していた我々に、勇気と感動を与えました。
昨年の世界経済は、欧米等においては、コロナ禍からの急激な経済回復から、景気の過熱状況が生じ、政策当局は、大規模な金融引き締めを継続して実施しました。また、この需要の急激な拡大や、それ以前からの脱カーボンの推進により、資源エネルギー原材料の需給は逼迫し、価格の世界的な高騰が見られました。そこにロシアのウクライナ侵攻と、それに伴う経済制裁やその反抗により、この資源エネルギー、原材料の需給逼迫、価格の高騰は、厳しさを増しました。
更に、中国におけるゼロコロナ政策、都市封鎖の実施は、中国経済を停滞させ、世界のサプライチェーンをより脆弱化させる事態となり、世界経済のリスクを拡大させました。
今年の世界経済は、欧米等の急激な金融引き締めによる景気後退リスクの高まりや、中国におけるゼロコロナ政策が急激に緩和されたことに伴う社会経済の混乱といったことから、下振れリスクを強く感じさせる状況といえるでしょう。
我が国においては、欧米等に遅れながらもウィズコロナへと舵を切った一年でした。輸出や生産が持ち直していく中で、景気は緩やかに回復していきましたが、エネルギー・資源価格の高騰や半導体をはじめとする部材不足などは、企業の事業活動に大きな影響を与えました。
また、電力需給の逼迫により、今冬は7年ぶりに節電要請が実施されているなど、日本が抱えるエネルギー構造の脆弱性が映し出された一年でもありました。一方、2022年度上半期の産業機械受注は、受注総額が2兆6,190億円と内需・外需ともに前年同期を上回る回復が続きました。国内では製造業を中心にコロナ禍で先送りされていた設備投資が再開され、海外では欧米をはじめ、アジア、中東などでの需要が堅調に推移いたしました。特に、半導体やEVバッテリーなどに関連する化学機械やプラスチック加工機械、運搬機械等の分野において伸びが見られました。
さて、2023年は、半導体等の部材不足、電力料金の高騰などの課題が継続している一方で、グリーン・トランスフォーメーション(GX)や、デジタル・トランスフォーメーション(DX)への対応が更に進展する、我が国にとって正にターニングポイントの一年になると考えます。
特に、GXは、年末に政府がまとめた「GXの実現に向けた基本方針案」において、今後10年のロードマップが示されています。水素・アンモニアについては、制度構築やインフラ整備を進めるとともに、大規模かつ強靱なサプライチェーン構築への支援が示され、原子力発電に関しては、着実な再稼働や運転期間の追加的な延長、次世代革新炉の開発・建設が検討されることとなっています。
そうした中、我々産業機械業界としては、水素、アンモニア、CCUSなどの脱炭素・低炭素に関する優れた技術や製品、サービスを広く提供していくことにより、我が国のみならず世界の脱炭素に向けて、一層の貢献をしてまいります。
政府におかれましては、コロナ禍からの回復途上にある我が国経済が失速することのないよう、各種施策を着実に実行していただくとともに、エネルギーの安定供給や、国内投資拡大のチャンスとなるGX・DXの推進といったアフターコロナ時代を見据えた日本経済の持続的成長に欠くことの出来ない中長期的な課題に対して、スピード感をもって取り組んでいただくことを期待しております。
年頭にあたり考えるところを述べさせていただきましたが、関係各位におかれましては一層のご指導、ご協力をお願いしますとともに、皆様のご多幸を心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
「グリーン・デジタル・レジリエンスがキーワード」
■日本工作機械工業会 会長 稲葉善治
2023年の新春を迎え、謹んで年頭の御祝詞を申し上げます。
さて、昨年を振り返りますと、米中対立、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとする世界各地域での地政学的リスクの顕在化などにより、世界情勢は不透明・不確実な状況が続きました。製造業界においては、原燃料価格が高騰し、部材・半導体等の需給がひっ迫する深刻な状況に直面しました。しかしながら、設備投資はデジタル化、自動化、省エネ・環境対応に関連した根強い需要を背景に、好調に推移しました。2022年の工作機械受注は、9月に上方修正致しました1兆7,500億円に達したと思われます。
我が国工作機械産業の最大のイベントであるJIMTOFにおいては、昨年11月に東京ビッグサイトで記念すべき60周年となるJIMTOF2022を開催致しました。4年ぶりのリアル開催で、新たに南展示棟を加えた過去最大規模の展示を行い、国内外から11.4万人の来場者にお越し頂き、世界のユーザーの皆様に、日本が誇る最先端の工作機械技術・製品を発信致しました。当会は、工作機械メーカーのスマートファクトリーで展開されている先端的な取り組みを紹介する企画展示、最先端のアディティブマニュファクチャリングの製品情報や活用事例を紹介する「金属AMセミナー」、全国から学生を招待して工作機械産業の意義や役割りを講義する「工作機械トップセミナー」、などの開催を通じて、工作機械産業の魅力を社会にお伝え致しました。
本年においても、世界情勢は政治的・地政学的緊張状態を背景とした分断化が継続し、経済成長も下振れリスクを伴う不透明な状況を想定せざるを得ません。しかしながら、その状況にあっても、製造業では、カーボンニュートラルに対応する省エネや環境対策、AI・IoT技術を駆使し更にロボット技術と融合させた生産システム全体の省人化・効率化、そして、企業立地や調達チャンネルの見直しによるサプライチェーンの再構築という、グリーン・デジタル・レジリエンスをキーワードとする取組みが力強く推し進められています。これにより、withコロナの施策が進む中で産業や社会の構造変化も進展していくと確信しております。
日本の工作機械産業は、世界をリードする高機能で信頼性の高いモノとしての工作機械でコトづくりを支え、世界の製造業の発展に貢献して参ります。関係各位には当工業会の事業に対する一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
「ものづくり関連団体とコラボレーションを加速」
■日本機械工具工業会 会長 田中徹也
新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては恙なく新しい年をお迎えの事とお慶び申し上げます。また、平素からのご支援、ご協力に対して心より感謝申し上げます。
昨年は新型コロナウイルスの経済的影響が徐々に低下してきた事や、半導体部品の供給が徐々に改善されてきた事などポジティブな動きがあった一方で、ロシアのウクライナ侵攻に伴うヨーロッパ経済の失速、ロックダウン政策による中国経済の減速、資源・エネルギー価格の上昇や物流費の高騰などのネガティブな動きもありました。また年間を通して円安が進行した事も大きなインパクトとなりました。
日本機械工具工業会は2020年の8月を底に順調に右肩上がりの回復を続け、2022年4月から9月までの上半期累計生産金額実績は2,486億円(対前年同期比108%)、下半期の見込みは2,513億円(対前年同期比105%)、年度見通しは4,986億円(対前年比106%)となっております。年間見通しを予測した時点から上期は12億円程上振れましたので、年間では2018年度以来の5,000億円の大台も視野に入ってきました。
昨年、正会員へ実施したアンケート「機械工具観測調査 DI値(Diffusion Index景気動向指数)」によりますと、
・2022年下期生産額は足元より増加予測で内需・外需共に先行きは良化する
・業種別では自動車・一般機械向けは増加傾向
・外需地域別ではアジア・北米は増加、欧州は減少
の結果となりました。また、長期化する国際紛争とそれに起因する資源高騰などを考慮すると、経済環境の完全回復は2023年度以降になると予想する回答が多くを占めました。
今年の我々を取り巻く経済環境は、米国の利上げによる景気後退のリスクや半導体産業の減速が見られ始めた事、中国や欧州の経済回復にも時間を要するであろう事などから引き続き注視が必要です。工作機械の受注動向からみても設備投資は昨年より大きく伸びる可能性は高くはないと思われますが、今年は投資された設備の稼働率の向上に伴って機械工具の需要はまだまだ成長の余地があると考えています。また、リアルな対面でのビジネスは昨年以上に活発に行われるでしょう。昨年11月に行われたJIMTOF2022での来場者数も11万人を突破し、2020年のオンライン開催時の5万人を大きく上回る結果となった事からもリアルでのコミュニケーションが、ものづくり産業にとって重要である事が再認識されました。
中長期的な視点で当工業会として取り組んでいくべき課題としては、
・自動車の電動化に伴う工具需要の減少が見込まれる事から会員各社が海外市場に展開する道筋(例えば海外展示会出展など)をサポートする仕組みを整える事
・ものづくりの現場から販売の現場まで、あらゆる場面でデジタル化が進展しているため会員各社が乗り遅れないように支援する事
・「カーボンニュートラル」を目指し脱炭素社会の実現も重要な社会的使命と認識し取り組んでいく事
・日本工作機械工業会、日本ロボット工業会、日本工作機器工業会、日本精密測定機器工業会、日本工作機械販売協会などのものづくり関連団体とのコラボレーションを加速する事
であると考えています。
最後になりますが、日本経済の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。