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日本工具工業会が第68回通常総会並びに春季合同部会を開く ~超硬工具協会との統合へ~

総会が終了したあと、春季合同部会が開催され、平成26年度生産実績および平成27年度生産額見通しと国内生産や輸出入について説明があった。また、技術委員会並びに環境委員会の委員長からそれぞれ報告があった。
最後に堀理事長が総括した。
この中で堀理事長は、「平成26年度は1120億円近くの生産出荷が達成できた。われわれの産業機構が大きくなっていることを示せたのではないか。常に前進を目指して高い目標を持ってわれわれは取り組まなければならないと感じている。日本の工業規格についても邁進していけるようにと思っている。われわれの技術を世界に発信していく意味においても企画戦略は非常に大切なので、推進していきたい。環境については、コバルトリスクの低減措置を進めていかないと、私企業の負担が大きくなる。これは超硬工具協会と一緒になって業界全体で緩和措置を進めていかなければ、と思っている。われわれの培ってきた経験と知見を生かして活動を強化していきたいと思っている」と述べた。


不二越 藤井孝宏氏 春の黄綬褒章を授章 ~手の感覚や研削音など五感をフル活用し、ミクロンレベルの仕上げ加工を施す~

手動の工作機械を使い、クリスマスブローチの最重要部位である歯形を研削。手の感覚や研削音など五感をフルに活かし、機械では出来ない数ミクロンレベルの仕上げ加工を施している。その卓越した技能を活かし、クリスマスブローチの品質・精度の向上と、量産化・標準化をすすめ、今日の大型発電機のタービン製造やエネルギー産業の発展に寄与してきたことが、高く評価された。
クリスマスブローチは、航空機のジェットエンジンや発電機のタービンディスクを加工する精密工具で、断面がクリスマスツリー型の形状であることから、クリスマスブローチと呼ばれている。高温・高圧・高速で回転するタービンの安全な運転を実現するため、ミクロン単位の高精度が要求される工具である。同社は国内外の主要なジェットエンジン・発電機メーカーへ納入しており、世界トップシェアを有している。
ものづくりへの思い「何ごとも追究・探求する気持ちで向上心を持ち続ける」


また、今後の豊富について、「先輩から“ハンドルの目盛りでは、砥石の最終移動量は測れない。目と音、指先の感覚など五感をフルに使って研削するしかない”と教わりました。この技能を、後輩達に実践を通して教え伝えていくのはもちろんのこと、つねに自分の技能に満足せず、自ら努力・改善を続けていく気持ちが大事だと伝えていきたい。また、何時かは私の仕事を機械化、自動化できるよう、全力でサポートしていきたいと思います」と語っている。
オーエスジー 新城工場内のオーエスジーコーティングサービス竣工並びにモニュメントが完成
オーエスジー(社長=石川則男氏)の新城工場内にあるオーエスジーコーティングサービス(社長=彦坂光義氏)の新社屋竣工並びに鎖のモニュメントが完成し、5月15日に見学会が開催された。

新城工場を見学したあと、オーエスジーコーティングサービスの竣工記念セレモニーが開かれ、オーエスジー 大沢会長、オーエスジーコーティングサービス 彦坂社長、モニュメントを製作した芸術家の三澤憲司氏、関係者を囲んで懇談した。
2001年にオーエスジーから分社したオーエスジーコーティングサービスは、コーティングの受託生産をしている。現在では、切削工具のみならず、金型、機械部品などへのコーティングを通して様々な産業で幅広く利用されている。


続いて大沢会長から三澤憲司氏をはじめ、関係社に記念品が授与された。
写真左は芸術家の三澤憲司氏
その後、オーエスジーアカデミー(豊川市一宮町)内にある靑山製作所再研磨工場を見学したあと、感謝の集いが開かれ、宴もたけなわのころ、散会した。
DMG森精機 グローバルワン加速!

同社グループを取り巻く環境は、欧州経済の先行きや原油安によるエネルギー関連需要の失速など懸念材料はあるものの、安定的な円安基調を背景に企業の高い設備投資意欲に支えられ、受注環境は引き続き堅調に推移している。このような環境下おいて、2月にDMG MORI SEIKI AKTIENGESELLSCHAFT(以下「AG社」)のフロンテン工場でオープンハウスを開催し、革新的な新オペレーティングシステム「SELOS」を搭載した高精度・高速横形マシニングセンタ「NHX 4000」の第2世代モデルと積層造形機械「LASERTEC 65 3D」を含む、計72台の最新鋭の工作機械を出展し、目標を上回る受注を獲得した。
また4月には、北京で開催された「中国国際工作機械見本市(CIMT)2015」に最大のブースを確保し、Maschinen Market誌の2015年革新的技術TOP20に選出された「SELOS」を搭載した、計33台の最新鋭工作機械を展示した。森社長は、「これまで安価でローエンドの工作機械が主流だった中国においても、より高精度で高品質な本物の工作機械が求められるようになってきた」と述べた。
さらに東京グローバルヘッドクォータで「5軸加工オープンハウス」を開催した。最新技術を搭載した5軸加工機13機種を含む、全32台を一堂に展示し、経験豊富な専任スタッフが、多数の事例やデモ加工を交えた実践的な技術ノウハウと顧客の生産性向上に貢献するソリューションを提案した。
この結果、連結売上高は1,746億60百万円(前期比8.7%増)、連結営業利益142億36百万円(前期比52.1%増)、連結経常利益203億54百万円(前期比81.0%増)、連結当期純利益152億16百万円(前期比61.1%増)となった。
地域別の動向および業績は、日本では、自動車、産業機械関連の受注が好調で、売上高は1,351億35百万円(前期比4.6%増)、利益106億6百万円(前期比68.8%増)。
米州では、自動車、航空機、医療関連で受注が引き続き好調で、売上高653億1百万円(前期比17.7%増)、利益9億5百万円(前期比34.2%減)。
欧州では、航空機関連を中心とした受注が好調に推移し、売上高376億60百万円(前期比11.5%増)、利益14億98百万円(前期比53.0%増)。
中国では自動車、金型関連を中心に、アジアでは自動車、電機機械関連を中心に引合受注が堅調に推移したが、売上高226億1百万円(前期比1.4%減)、利益12億52百万円(前期比87.5%増)となった。
今後については、日本、米州、欧州の各地域ともに受注環境は引き続き堅調に推移するものと予想される。
同社グループでは、開発、製造、販売、サービスの各分野でAG社と連携を進め、このたびのAG社の連結対象会社化にともない、これを含めた次期業績(連結)予想を示している。
ただし、決算期を3月31日から12月31日に変更するため、次期は9ヵ月決算となっている。1015年12月期は、売上高3000億円、営業利益300億円、当期利益165億円を見込んでいる。
なお、対米ドル平均市場レートは120円、対ユーロ平均市場レートは130円を想定している。
アマダホールディングスが米国JDSU 社の分割会社(Lumentum 社)へ資本出資 ~レーザ事業の拡大に向け、強固な関係構築へ~
アマダホールディングス(社長=磯部 任氏)は、2008 年よりレーザ発振器の共同開発・供給パートナーとして提携関係にある光通信メーカーJDS Uniphase 社(米国:社長=トーマス.H.ワクター氏)( 以下、JDSU 社)が、2014 年度6月28 日決算時点で売上高の約46%を占める光通信および商業レーザ関連事業を担う分野を分離し、新規設立する会社Lumentum Holdings 社(米国:社長 アラン・ロウ)(以下、ルメンタム社)の子会社に対し、40 百万米ドルを上限として出資する。今回の出資目的は、レーザ事業においてファイバーレーザと昨年発表した次世代のダイレクト・ダイオード・レーザ(以下、DDL)発振器の共同開発・供給パートナーであるJDSU 社との関係をより強化することにある。今後、レーザマシンの主流はCO2 レーザからファイバーレーザとDDL へと急速に移行していくことが予想され、この進歩と多様化が著しいレーザ関連技術の開発と、市場競争力のある商品化に対応していくための提携強化となる。JDSU 社は米国NASDAQ に上場しており、光セキュリティー・作動製品事業、ネットワーク・サービス事業、光通信・商業レーザ事業を展開し、同社のファイバーレーザやDDL の励起源となっている高出力のレーザダイオードの技術力を有している。昨年9月に、JDSU 社は既存事業をViavi Solutions 社(以下、ビアビ社)とルメンタム社の大きく2社に分割し、新設するルメンタム社も米国NASDAQ へ上場する企業再編の実施を発表した。ビアビ社は光セキュリティー・作動製品事業、ネットワーク・サービス事業を展開し、ルメンタム社は光通信・商業レーザ事業を展開する。これに併せて同社は、ルメンタム社の子会社への優先株取得による出資を実施し、ルメンタム社との関係をより強固なものとするとともに、レーザ事業の強化をはかっていくとしている。
ヤマザキマザックが省スペース・高生産を追求した高コストパフォーマンス立形マシニングセンタ「VERTICAL CENTER PRIMOS 400 S」を新発売
ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)は、このほど30番テーパ主軸の高コストパフォーマンス立形マシニングセンタ「VERTICAL CENTER PRIMOS 400 S(バーティカル センタ プリモス)」を発売した。
このマシンは、一般機械部品や二輪・自動車部品の中・量産小物部品加工に最適なコンパクトで省スペースと高生産性を追求した小型立形マシニングセンタで、立形マシニングセンタの商品群に、従来よりも小型で低価格の製品を追加している。価格を抑えながらも従来のマシニングセンタ同様の高い剛性を持ち、高速加減速1.0Gと全軸早送り速度 60m/minなど小型マシニングセンタ特有の頻繁な軸移動に対応した高コストパフォーマンス機。
また、クラス最小レベルの機械幅1280mmに加え、切粉の後方排出と機械左右のメンテナンスエリアを不要としたデザインにより、量産ラインの場合には、機械間スペースが最小になり、最小面積で構築が可能である。自動開閉ドアや2パレットチェンジャーなどの豊富な自動化対応オプションも取り揃えている。環境対応では、待機中の消費電力を既存の当社小型立形マシニングセンタVCS430Aと比べ最大で45%削減した。
オペレーターの操作性においても、KEN OKUYAMA DESIGNとの総合デザインコラボレーションによるエルゴノミクス(人間工学)に配慮したデザインを採用することにより快適作業を実現する。
特長は以下のとおり。
1.高生産性
(1)量産対応のコンパクトデザインと機械左右のメンテナンスエリア不要により、最小面積で量産ラインの構築が可能
クラス最小レベルの機械幅1,280mmに加え、切粉の後方排出と機械左右のメンテナンスエリアを不要にしたデザインにより、量産ラインの場合には、機械間スペースが最小で設置スペースが削減出来るだけでなく、作業者の動線が短くなり作業性が向上する。
(2)ハイパフォーマンスのコンパクト主軸
加工用途に応じて、オプションでハイトルク仕様の主軸も選択可能。
(3)ATCアームレスマガジン
シンプルかつ高速で工具交換可能なATCアームレスマガジンを採用し、標準14本の他に、オプションで19本と21本の選択が可能。
(4)高速・高精度位置決め
小型機特有の頻繁な軸移動に対応したX/Y/Z軸ともに60m/minの早送りと高精度位置決めにより加工時間を短縮する。
2.高剛性・高精度
(1)高剛性な機械構造
高剛性な機械構造により、鉄・鋳物の重切削にも対応(オプションでHSK-A50対応)。
(2)インテリジェント機能により安定した加工精度を維持
インテリジェント サーマルシールド(熱変位制御機能)により、安定した加工精度を維持。
3.豊富な自動化対応
自動開閉ドアや2パレットチェンジャーなど豊富な自動化オプションを取り揃えている。
4.CNC装置Mazak FZ を搭載
CNC装置は、FANUC 0iをベースとして、マザック独自の便利なメニューを加え、より良い操作性を実現したMazak FZを搭載している。
5.環境対応
待機中の消費電力は、既存の同社小型マシニングセンタVCS430Aと比べ最大で45%削減した。
仕様
ダイジェット工業が新DHコートシリーズ第2弾「ミラーラジアス用チップFRM形」を発売!
ダイジェット工業がこのほど新DHコートシリーズ第2弾として「ミラーラジアス用チップFRM形」を発売した。この製品は、金型の高速高能率加工を実現する中仕上げから仕上加工まで、使用可能な刃先交換式ラジアスエンドミル用チップ。新材種DH102 の採用により、高硬度材の安定かつ長寿命化を実現した。炭素鋼、プリハードン鋼、工具鋼、ステンレス鋼、焼き入れ鋼、鋳鉄の平面削り、肩削り、ポケット加工、曲面加工、ヘリカル加工等に威力を発揮する。
特長は、チップが長寿命であること。高硬度材には新PVD コーティング『新DH(ダイジェットハード)コート)』と高硬度材用超微粒子超硬合金の組合せによる新材種『DH102』を採用し長寿命化を実現。一般鋼などには材種『JC8015』をラインナップしている。
また、従来のHRM 形と同様にポジ刃形を採用しており、切削抵抗が低く切れ味が良好である。従来HRM 形に無かったφ25 以上の寸法を拡張、ミラーラジアス1本で、チップを変える事により被削材を問わず荒から仕上げまで対応するので工具の集約が実現する。
サイズは、φ25 ~φ30、材種DH102 とJC8015 の計8アイテム。
価格は、7,600 円(φ25)~ (標準価格、税抜)
「経済のグローバリゼーション化は業界にも対応を求めている」日本フルードパワー工業会が総会を開く

総会後の懇親会で梶本会長は、「経済動向は、雇用・所得の改善傾向が続く中で原油価格の下落や各種政策の効果もあり、穏やかに回復していくことが期待される。ただし海外景気の下ぶれなどわが国の景気を押し下げるリスクに留意する必要があると判断している。5月1日に日銀がとりまとめた経済物価情勢の展望では今年、来年にかけては潜在成長率を上回る成長を続け、17年度にかけては消費税引き上げ前の駆け込み需要とその反動の影響を受け、潜在成長率をいくぶん下回る程度に原則しつつもプラス成長を維持すると予測している。これは国内にてアベノミクス効果が現れ、今後の成長に向けた各種の投資を行えば先行きは大いに期待できると考えられる。一方、海外経済動向をみると、米国経済は家計部門の堅調さが企業部門を牽引することによって引き続きしっかりとした成長が見込まれる。しかし、欧州経済はECBによる金融緩和策などを背景にドイツを中心として明るさが見えつつあるが、ギリシャ情勢を含む債務問題など依然としてリスクが見え隠れしている。そして中国経済については、依然として中小企業の過剰設備問題や不動産の低迷などを背景に成長率は鈍化するペースが速まってきており、世界経済に及ぼすマイナスの影響も大きいのではないかと考えられる。わがフルードパワー産業の本年度の動向をみると、全体的には空気圧機器を中心に明るさが期待されているが、油圧機器は先述のとおり中国の不動産市況の低迷を背景に建設機械の過剰在庫問題などがあり、いくぶん厳しさが予想されている。経済のグローバリゼーション化はいやおうなくフルードパワー業界にもその対応を求めている」と述べた。

ダイジェット工業 増収増益体制!
ダイジェット工業(社長=生悦住歩氏)が、2015年3月期の連結決算を発表した。同社クループを取り巻く経済情勢は、消費増税後の景気の持ち直しは鈍く、円安進行による輸入原材料価格が企業収益を圧迫する等の影響があったが、堅調な米国経済など海外経済の安定を背景にした輸出に支えられ、緩やかな回復基調で推移した。このような中で同社クループは、国内外において得意分野である金型工具のほか、穴あけ用工具等の販売拡大を進めるととともに技術サービスおよび新製品開発に傾注した。この結果、同社連結売上高は、101億24百万円(前期比12.0%増)、連結営業利益は5億13百万円(72.4%増)、経常利益は5億50百万円(前期比67.3%増)、当期純利益は2億44百万円(前期比15.5%減)となった。当期純利益については、地価の変動や原材料価格の高騰等をはじめ、当期間において富田林工場等に減損を認識し、減損損失85百万円、また欧州支店の事業構造改善費用75百万円を計上したことによるものである。地域別の連結売上高については、国内向けは自動車など需要産業の回復に伴い57億36百万円(前期比6.1%増)、北米向けが9億91百万円(前期比19.2%増)、欧州向けが10億62百万円(前期比28.2%増)、アジア向けが22億33百万円(前期比18.4%増)、その他地域向けが1億円(前期比12.6%増)となり、輸出割合は前期に比べて3.1ポイント増加して43.3%となった。また、製品別連結売上高は、焼肌チップが14億81百万円(前期比3.4%減)、切削工具が71億61千万円(前期比15.9%増)、耐摩耗工具が14億46百万円(前期比9.8%増)となった。今後については、国内では円安の進行による原材料価格の影響懸念、海外では地政学的リスクや原油価格の下落等不透明な状況があるが、回復基調は継続するものと予想される。同社グループでは、国内外において売上増大に努めるとともに一層の原価低減を果たし、通期連結業績は、売上高104億円(2.7%増)、営業利益6億4千万円(24.6%増)、経常利益6億4千万円(16.4%増)、当期純利益4億1千万円(67.8%増)を見込んでいる。なお、次期の為替レートは1米ドル120円、1ユーロ140円を想定している。
新会長に小泉秀樹ペッカー精工社長 天青会が総会を開く

今回は役員改選期であり、新会長は小泉秀樹 ペッカー精工社長が選任された。
懇親会の中で小泉会長は、「天青会は悩みなどが打ち明けられて真の友情が生まれる場所でもある。新しく入会される方は、ぜひ、親友を多くつくっていただきたいと思っている。私も50才になって今回会長になりましたが、原点に戻って新しい気持ちでやっていきたい」とあいさつした。