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芝浦機械 米国スタートアップ企業AM Batteries Inc. へ出資
芝浦機械(社長=坂元繁友氏)がこのほど、低コスト・低環境負荷を特徴とする新たな 電極製造プロセスの開発を手掛ける 米国スタートアップ 企業 AM Batteries Inc. (以下 AMB )への出資を行ったと発表した。 同社では、スマートフォンやノートPCなど小型の民生品向けから、 PHEV(プラグインハイブリッド車)・BEV(電気自動車)などの車載用向け、住宅用電源装置や基地局向けの大型電源装置向けなど、リチウムイオン電池市場は今後も様々な分野 において、世界規模で拡大していくことが見込まれることから、市場の拡大を背景に、電池の製造設備についても活発な投資が続くと見られるなか、製造工程におけるコストやエネルギー消費量の削減、有機溶剤の使用や CO2排出などの 環境負荷の 低 減 に対する要請も高まりつつあることを見込んでいる。 一方、AMBは、静電スプレー方式を用いた独自の粉体塗装技術により、有機溶剤を使用せずに電極を製造する事が可能な「ドライ電極製法」の開発に取り組む米国のスタートアップ企業であり、2024年には米国TIME誌のAmerica's Top Greentech Companies 2024やThe Best Inventions of 2024にも選ばれるなど注目を集めている。「ドライ電極製法」は、従来の湿式による製法と比較して、製造工程の簡略化やCO2排出量の削減に繋がるだけでなく、電池そのもののコストダウンに貢献することが可能となる。同社はこれまでも、リチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の製造・販売を通じ、国内外の電池製造装置市場において重要な役割を果たしてきたが、将来需要が拡大すると想定されるドライ電極市場への参入や、更にその技術を活用した全固体電池への展開も見据え、今回の出資を決定した。 AMBのLie Shi CEOは、「ドライ電極技術のリーダーとして、AM Batteries Inc.は電池製造方法の変革に取り組んでいる。芝浦機械による出資と両社の協業は貴重な専門知識とリソースをもたらし、当社の規模拡大と世界中の電池メーカーに向けたターンキー・ソリューションの提供を加速することでしょう。私たちは共に、蓄電池産業における新たなスタンダードの確立を目指していく。」とコメントしている。
ヤマザキマザック 加工能力を強化し複雑な多面形状部品の高効率加工を実現する複合加工機「INTEGREX j-200 NEO」シリーズを新たに開発

ヤマザキマザックは、このほど加工能力を強化し、複雑な多面形状部品の高効率加工を実現した複合加工機「INTEGREX j-200 NEO」シリーズを開発、販売を開始した。
同社は複合加工機のエントリーモデルとして2010 年に「INTEGREX j-200」を発表、長年に渡り多くの顧客より高い評価を博しているが、今回開発した「INTEGREX j-200 NEO」(テールストック仕様)と「INTEGREX j-200S NEO」(第二主軸仕様)は、従来機から各仕様を強化することで、生産性や複雑な多面形状の加工ワークへの対応力を向上させた高能率な複合加工機だ。
INTEGREX j-200 NEO シリーズは、旋削主軸の出力・トルクを向上させたことにより、高い生産性を実現している。また、標準仕様よりもさらに性能を強化したハイパフォーマンス仕様では、従来機から大幅に出力・トルクを向上させつつ、全長を短縮したコンパクトミル主軸を採用している。標準仕様・ハイパフォーマンス仕様とも、ミル主軸のB 軸割出し範囲を従来機よりも拡大、さらに割出し角度も標準仕様で1°単位、ハイパフォーマンス仕様では0.0001°単位で可能としている。外径・端面・斜め加工など多面加工により、さまざまな形状の加工ワークに対応することがでる。
環境性能では、CNC装置に搭載された「エナジーセーバー」により、機械稼働中の消費電力を見える化する。また、省エネ機器を採用したことで消費電力の削減にも貢献する。
INTEGREX j-200 NEO の特長
(1)旋削主軸、ミル主軸の能力向上による高生産性
<標準仕様>
旋削主軸の出力・トルクが向上し、優れた加工能力を発揮する。
<ハイパフォーマンス仕様>
旋削主軸は標準仕様を上回る出力・トルクを備え、ミル主軸も性能を強化した。加工時間を短縮し、高い生産性を実現する。
旋削主軸、ミル主軸の比較
(2)B軸割出し範囲の拡大と、最小割出し角度の仕様アップにより多面加工へ対応
B軸の割出し範囲を従来機より拡大、最小割出し角度も標準仕様のミル主軸で1°単位と
従来機より向上している。ハイパフォーマンス仕様では全長を短縮したコンパクトなミル主軸を採用し、さらに0.0001°単位の高精度割出しが可能としており、複雑な多面形状の部品加工に対しての対応力を向上させている。
B軸割出し範囲と最小割出し角度の仕様比較
(3)環境性能
・稼働中の消費電力を見える化する「エナジーセーバー」
機械稼働中の消費電力をCNC 装置のモニター上にグラフィカルに表示する。
・省エネ機器採用による消費電力の削減
インバータ式油圧ユニットやチラーユニット(冷却装置)の採用により、消費電力を削減する。
日本初のブザンソン天文台のクロノメーター取得機「TAKANOシャトーヌーベル・クロノメーター」スイスの国際時計博物館(MIH)に収蔵

東京時計精密(社長=浅岡 肇氏)が手掛ける日本初のブザンソン天文台のクロノメーター取得機「TAKANOシャトーヌーベル・クロノメーター」(ホワイト文字盤)が、このほどスイスの国際時計博物館(MIH)に収蔵される。この時計は新生新生TAKANOの1stモデルであり、日本で初めてブザンソン天文台の厳格なクロノメーター検定に合格した時計。
シャトーヌーベル・クロノメーターは世界的にも有名な独立時計師の浅岡氏のデザインと、ザラツ研磨を両立していることが特長だ。ムーブメントは東京時計精密にて調整を施し、ブザンソン天文台のクロノメーターを取得している。文字盤には21世紀の国産時計としては初めてとなるChronometerの表記が刻まれている。
ディテールにおいて、針は浅岡氏のマニュファクチュールウォッチにも見られるスカイスクレーパー針を採用。針先のカーブは、ボンベ文字盤および風防のカーブと呼応している。またケースはザラツ研磨を施している。「近年ではケースにおけるザラツ研磨は鏡面仕上げの面とサテン仕上げの面を組み合わせることが多いが、本作は鏡面仕上げの面同士を組み合わせている。」と同社。
ブザンソン天文台のクロノメーターの検定は、ムーブメント単体を対象にしたスイスの天文台における検定と異なり、ケーシングした状態で行われるため基準がより厳格である。シャトーヌーベル・クロノメーターはブザンソン天文台のクロノメーター検定に合格した時計をクロノメーター証書とともに販売している。
〈スペック〉
・ケース径:37mm
・ステンレススチールケース(ザラツ研磨)
・クロコダイルストラップ
・自動巻 90T(24石、毎時28,800振動、パワーリザーブ約40時間)
・ブザンソン天文台クロノメーター証書付属
■国際時計博物館(MIH)について
国際時計博物館(MIH)は5000点の収蔵品を有する世界最大の時計博物館。ラ・ショー=ド=フォンにある現在の建物は、チューリッヒの建築家ピエール・ゾエリーと地元の建築家ジョージ・J・ヘーフェリの共同作業によるもの。1974年に完成したこの半地下の建物は、時計製造の伝統を安全に収容しながら、博物館の公園とシームレスに融合するように設計された。コンクリートとレンガを組み合わせた建築は、ブルータリズムとテラテクチャーを融合し、訪問者にユニークな洞窟体験を提供する。MIHは建築の質の高さで国際的に認められ、1977年にベトン賞、1978年にサンビューロー賞を受賞し、1978年にはヨーロッパの博物館に選ばれている。
日本機械工具工業会 2024年11月分 会員統計生産額まとまる
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2024年11月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 365.5億円(101%)、耐摩耗工具 31.2億円(93%)、総合計 404.8億円(101%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 11億円(75%)、超硬工具 37.2億円(100%)、ダイヤ・CBN 1.1億円(107%)、総合計 49.3億円(93%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 4.7億円(121%)、超硬工具 39.8億円(110%)、ダイヤ・CBN 1.5億円(98%)、総合計 46億円(111%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(180%)、超硬工具 5.3億円(97%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(84%)、総合計 7.1億円(105%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 5.6億円(83%)。■ブローチ生産額 総合計 7.9億円(110%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 30.2億円(87%)、超硬工具 3.6億円(115%)、総合計 33.8億円(89%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.1億円(101%)、超硬工具 8.3億円(92%)、総合計 8.4億円(92%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 1.2億円(97%)、超硬工具 2.2億円(106%)、総合計 3.4億円(103%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.2億円(95%)、超硬工具 0.5億円(96%)、総合計 1.7億円(95%)。■インサート生産額 超硬工具 150億円(106%)、ダイヤ・CBN 21.4億円(98%)、総合計 171.4億円(104%)。■ボディ関係生産額 総合計 17億円(103%)。■超硬合金生産額 切削用 128.2億円(108%)、耐摩耐触用 14.5億円(96%)、総合計 144.6億円(107%)。
三菱マテリアル 岐阜製作所のココが凄い! 製造工程を徹底取材!

三菱マテリアル岐阜製作所(岐阜県安八郡神戸町)は、大垣市の北約8キロに位置し、豊かな自然に囲まれた環境の中にある。同社は、世界最高水準の技術を駆使し、材料と工具形状の開発・製造を行い、クルマや飛行機、現代文明を支える金属材料をはじめとした多種多様な加工に用いられる超硬工具、金物工具を製造している。
三菱マテリアルの強み
岐阜製作所の主力製品はドリル。中径から小径の穴をあけるソリッドドリル、ろう付けドリルと比較的大きな穴をあける刃先交換式ドリルと、大きく分けて3種類がある。旋削加工用の超高圧工具には、CBN製品とPCDの2種類があり、また標準形状の金物工具も製造している。なお、特殊形状の金物工具についてはエムエムシーツーリング社をはじめとした協力工場で製造している。
製品別の販売比率だが、ドリル40%、標準形状の金物工具25%、超高圧工具20%、その他特殊形状の工具、インサートが15%であり、岐阜製作所は様々な製品を製造しているのが特長だ。
三菱マテリアルは、独自に開発した技術を用いて、超微粒で均一な粉末原料を製造・使用することにより、高品質な超硬切削工具を製造している。その素材となる原料は、100%子会社である日本新金属から購入しているため、製品開発時に原料の段階から開発ができるという強みがある。
独自の配合技術によって製造された粉末原料を、粉末プレス機にセットされた金型内に自動充填し、丸棒素材およびインサート素材が成型される。素材のプレス、パレットへの整列、搬送は、自動化が進んでおり、この段階では、チョーク程度の硬さしかない成型体を丁寧に運搬するために、各設備の構造やモーターの制御方法に工夫を施している。
ドリル素材の製造には、粘性を持たせた原料をシリンダーに充填し押し出す、押し出しプレスという手法が用いられる。プレスの際に特殊な金型を使用することにより、ドリル素材を押し出しプレスするのと同時に、クーラントホールを形成することが可能だ。押し出しプレスをしたドリル素材は、低温で予備焼結をした後、切断加工が施される。また直径10ミリを超える径の大きいドリルの場合には、先端加工を経て、溝加工が施され、成形されたドリル素材は画像検査機にて、穴径、穴ピッチ、芯ずれを、全数、CCDカメラにて計測し、合否判定をする。プレス成型された丸棒素材、インサート素材、成形されたドリル素材は、高温の真空あるいは加圧雰囲気で焼結する。
岐阜製作所の主力製品であるドリルの生産と現場力
岐阜製作所の主力製品であるドリルは、大きく分類して、①ソリッドドリル、②ろう付けドリル、③刃先交換型ドリルの3種類がある。素材製造工程より受け入れた素材は、外周研磨が行われ、シャンク部はこの工程で仕上げられる。円筒研削が終了した素材は、溝加工、刃付け加工が同じ機械で一度に行われ、ドリル形状へと仕上げられる。一部のノンコート品を除き、大半のドリルはコーティング工程へと進み、PVDやCVDダイヤといった、製品表面に硬い膜を付けることにより、ドリルの寿命を飛躍的に向上する。
超高圧工具は、CBNインサートとPCDインサートの2種類がある。まず初めにCBNブランクが高圧プレス機でプレスされ、プレスされたCBNブランクはレーザーカット等で切断される。切断されたCBNブランクは、座ぐり加工された超硬の台座にろう付けされ、ろう付けが完了したインサートは、上下面の研磨工程を経て、外周の研磨が施される。外周研磨されたインサートは、刃先の欠けを防止するため、チャンファーホーニングと丸ホーニングが施される。ホーニングが終わったインサートは、一部のノンコート品を除いてコーティングが施されることにより、製品寿命が飛躍的に向上する。
また、同社では、環境や品質への取り組みも徹底しており、使用済みの超硬工具のリサイクルを推進している。顧客から回収した超硬工具を、グループである日本新金属の専用プラントでリサイクル処理、リサイクル前後の品質は全く変わらないため、循環利用が可能なのだ。
緻密な超硬合金を高温で仕上げる焼結炉
工場内で拝見したもののひとつに、作業の自動化と高性能技術を可能とする〝独自の押し出しプレス技術〟があった。具体的には原料の自動投入、ワークの自動切断、ワークの自動搬出を行う設備であるのに加え、同社の最大の強みである〝粉から作る〟ことができるので、その粉と最適化された配合組成で粘土状の原料を自前で用意できる優位性により、様々な形状のクーラントホールを付与する技術を保有している。なお、クーラントホールが付いている素材は、コンマ0.5φのものにらせん状のクーラントホールを成形することもできるのだが、0.5φはシャープペンのペン先ほど。
クーラントホールのない丸棒素材を押す機械プレスも拝見。ワンショットで複数個の丸棒素材を同時に成形することができるので、生産性を意識したプレス機になっていた。プレス材を整列機と呼ばれる設備があり、機械が自動でピックアップし、次工程の焼結の専用トレーに自動で並べている。
緻密な超硬合金を高圧で仕上げる焼結炉も拝見した。同社では様々な素材をつくるので豊富なバリエーションの素材を焼結炉で焼結している。超硬合金は焼き固めるには約1400℃以上の高温で焼き固めることになるが、ポイントは緻密な合金をつくるために大気圧の数倍の圧力をかけて一気に焼結することで、緻密な超硬合金の丸棒素材を効率良く生産できる。
ドリル自動化ライン
同社では小径ドリルは、付け刃の外径が3ミリを境目に、それより小さいものを小径、それより大きいものを通常径としている。小径ドリルのラインには、室温を25℃に1年中キープしていた。加工機がずらりとならんでいるが、この加工機で外径が0.5ミリの穴を加工することになるのでクーラントまで屋外に大型のタンクを設置し、こちらでも空調をかけ、室温とともに一定した状態で加工しているという徹底ぶりだ。
現在アップデートをするため改修中の自動化の取り組みについて説明を受けたところ、段加工と溝刃付けの自動化を設定しているという。また、ホーニングやマーキングの取り組みなど、これら全てが自動化すれば一貫ラインとして加工できる状況になる。
お客様の困りごとを解決する目的の中部テクニカルセンター
岐阜製作所にある中部テクニカルセンターは、顧客による加工の困りごとを解決するため、工具の評価をする部署である。例えば、加工の嫌われものである金属を削った際に発生するビヨーンと伸びた切りくずは、機械に絡まり、工具にもダメージを与えることから、どんな工具が適しているのか、切削条件、加工条件を変えて顧客のニーズに合致した条件を提案する場所でもあるのだ。
顧客も様々な機械を持っていることから、豊富な機械を所有しており、岐阜製作所では15台の機械があった。マシニングセンターや旋盤、複雑な動きができる5軸加工機などがズラリと並んでいる。ここで顧客が保有しているものに近い機械を選んで、切削試験を実施しているのだ。小さな機械もあれば大きな機械もある。
小さな機械は小さな部品を加工するターゲットとして導入してる機械だという。大きな機械は大きなワーク、重切削、力強い加工をするための機械である。これらの機械を使って、工具がどこまで耐えられるかという試験をする施設なのだ。また、切削試験や加工評価だけでなく、講習会も実施しており、徹底的に「顧客に寄り添う」ことをモットーに加工を追求し、今日に至っている。
同社では、技術開発に軸足を置いた経営で、付加価値の高い商品開発に注力し。社会の発展に貢献するとしている。
アマダ DXの推進と次世代の人材育成の強化に向けた社員教育施設「アマダ・テクニカルエデュケーションセンター(ATEC)」を開設

アマダ(社長:山梨貴昭氏 本社:神奈川県伊勢原市)の本社内に新たな社員教育施設「アマダ・テクニカルエデュケーションセンター(ATEC)」を開設し、11月21日に披露および「ビジネスモデルの進化に伴う販売・サービスのDX推進と次世代の人材育成の強化」をテーマに発表会を開いた。
ATEC設立の3つのキーワード
山梨社長は、あいさつの中で、「DXの推進と次世代の人材育成を一層強化することで時代に即したビジネスモデルの構築を図っていく。その取り組みのひとつとしてATECを開設した。ATECはお客様向上の未来を支える次世代エンジニアの教育の場をコンセプトとし、国内外のお客様の製造現場に貢献できる人材の育成を目指していく。」と開設の目的を説明した。
同社ではアマダグローバルイノベーションセンター(AGIC)のイノベーションラボで顧客との競争による未来の加工技術の推進や、製造においてDXを活用したグローバル生産体制の構築などビジネスモデルを進化させているが、今回は販売とサービスにおける新たな取り組みについて発表の場を設けた。
山梨社長は、「世界規模の労働者不足や技能継承の問題に対して製造業では自動化への対応が急務となっている。私たちがお客様に社会課題についてアンケートをとった結果、特に課題となっているのは人材であり、なかでも若手を中心とした中堅リーダー、工場長や現場責任者といった管理職クラスの不足感を多く感じていることが分かった。」と説明し、「中堅リーダーや管理職の生産技術、業務に対する工数の不足、スキルの不足などにより、お客さまの経営自体が強い危機感を持たれている。それによってお客さまの会社の効率の改善、QCDの改善や作業方法の見直しが行われず効率が低下をする、さらにはお客さま自身が成長、継承を考えられているなか、マシンソリューションっていうのは日進月歩で進化している。」と述べた。
今回のATECの設立には具体的に3つのキーワードが示された。
(1)顧客の課題の解決スピードの加速。現在の直販・直サービスの体制をデータに基づくデジタル営業に進化させ、営業とサービスの現場効率をさらに強化する。
(2)お客さまの生産をサポートするアフターサービスの拡充。顧客の工場を熟知したアマダのフィールドエンジニアが生産技術までも支援、DXを推進し、現場効率の最大化を目指す。
(3)上記の2つを実現するための、アマダ全社員、エンジニアリング力を強化する。ATECで、国内外のお客さまの製造現場に貢献できる人材を育成するとともにグローバル全社員のエンジニア化を推進し、顧客の課題について早期解決と、満足度のさらなる向上を目指す。
DXを活用した販売とサービス
田所雅彦専務取締役からDXを活用した販売とサービスの説明があった。それによると、「製造側のDXとAPEX(アマダ・プロダクション・エンバイロメント・トランスフォーメーション)と合わせて直販・直サービスの要望に対応するADMS(アマダ・DXマネジメント・ソリューションズ)を構築した。」と発表があった。これによりアマダグループでは全社フローバルでデジタトランスフォーメーションによる企業の構造改革を進めて100企業を目指すとしている。また、人材不足により足りない工数を補うため、「従来型のビジネスプロセスを見直すとともに、課題の全てをデジタルテクノロジーで動かしていくとともに従来にはなかった現場を支援する新たな機能を実装することで案件獲得の自動化や商談リードタイムの短縮を実現していく。個人のスキルを強みとしていた従来のビジネスモデルをデジタルテクノロジーによって変革し、時代の変化にも柔軟に対応できる組織営業を構築していく。」と意気込みを示した。
課題を想定し先手を打ったATECによるビジネスの創造
同社では、グローバルで100カ国33の現地法人の中に約40万台が納入されている。それらのサポートをしているサービスエンジニアは約1700名。この全員がメーカー直のサービスを行っている。なお、2018年からIoTを使い、8000台のマシンが現在つながっており、このスマートファクトリーのことを、同社では〝V-factory〟とブランド名を付け、いち早くIoTサポートを実施している。
エンジニアリングサービス本部の福田政樹 上席執行役員は、「マシンからの問い合わせは1日平均300件、月9,000件ある。IoTサポートが対応しているが、うち80%は自動応答システムの中で、お客さまへチャットで返信されている。さらに毎月自動で生成される稼働レポートを送り、マシンの稼働を支えるシステムになっている。お客さまを支えるDXの準備は整いました。次はそれを支えるサービスエンジニアの進化です。大手企業には、現場のリーダーとなる生産技術者が存在しているが、中小企業にはいないことが多く、社長自らが行っている場合も多い。これらの課題を解決するために、アマダのサービスを、お客さまの生産技術を支援できる人材へ進化させていく。」と人材育成の必要性を述べた。
ATECで学ぶ

さて、披露された新施設のATECは、1階に実習場があり、ブランクエリアがあった。自動化が最も進んでいるブランクの自動機は多機能で高度化されたシステムになっており、研修が進につれて理解が深まり、最終的にはIoTを活用したリモート操作でトラブルシュートを習得するという。
ベンディングエリアでは、ベンディングが市場に納入台数が最も多いマシンであり、正確な保守を行うため、各年代のNC、ドライブ機構も搭載したマシンを設置していた。それだけでなく、実際に顧客から借りたノウハウの塊である〝帳票類〟もあった。この内容を理解することで。顧客とものづくりについて本質的な話ができるようになる。
汎用マシンエリアでは、市場に多い12機種を設置していた。人手のかかる作業のため、改善箇所も多くあり、「ビジネスにつながるアイデアの宝庫」として位置付け、顧客のアイデアとともにより良い労働環境を構築していくのが狙い。
製造工程を簡略化! 切削工具のデータベースを提供するCIMSOURCE Japan(シムソースジャパン)
ドイツのソフトウェア開発会社であるCIMSOUCE GmbH。同社は工具メーカーから提供された製品情報のデータをデジタルプラットフォームから工具の利用者に提供することで、工具メーカーにとっては製品の販売代理店としての役割を、工具の利用者にとっては豊富な工具データの供給者としての役割を果たしている。形状や切削データなどを条件検索できるデータ検索サーバーを年契約で提供しており、『ToolsUnited』(ツールズユナイテッド)では、世界中の工具メーカー50社120万種類以上(2024年10月時点)の切削工具データを扱っている。
「年に6回、最新の情報をアップデートしている。今後も国内外の工具メーカーに働きかけ、掲載メーカーを増やしていきたい。」としている同社。CIMSOURCE GmbHのビジネスインテグレーション エルトゥグル ギュル氏、CIMSOURCE Japanのセールスエンジニア永田智和氏にお話しを伺った。
工具のDX化を推進
― CIMSOURCE Japanが設立したきっかけを教えてください。
永田 JETRO、神奈川県、横浜市が連携して支援してくださりました。日本市場でわれわれのサービスを広く提供することを目指しており、国内企業との取引拡大を目指しています。
― 日本法人が設立してすぐに新型コロナウイルスが猛威を振るいコロナ禍に突入していまいましたので、日本市場の開拓も大変だったと思います。
永田 昨年から日本の市場が動き出したように感じます。製造現場では高能率化はもちろん、自動化・省人化に向けたニーズが高まっています。最近になって工具メーカーの皆様も『ToolsUnited』に登録する必要性を感じていただけるようになりました。
― 工具の種類も多岐に渡りますし、加工現場で工具が欠品してしまうと大変です。『ToolsUnited』の優位性について教えてください。
ギュル 工具管理システム(TMS)やCAMへの工具登録を支援、規格に準拠した図面データ3D STEP、2D DXFファイルの提供が可能です。切削工具の3Dデータをデータベース化したものを軸にして、購買、物流、現場での工具形状をもとにした自動識別、工具交換時間の予想など切削工具に関するすべての管理業務をデジタル化しているため、生産分やのみならず経理分野のシステムとのデータリンクが簡単にできます。これまで現場の経験や勘に頼っていた管理項目を〝知識のデータベース化〟することが可能になりますから、将来的にはAI技術などを使った拡張も期待できます。
― 従来は、欲しいサイズの工具を探すのにもカタログから探すのが非常に面倒でしたが、工具のDX化が進めば便利になります。
永田 『ToolsUnited』で欲しい寸法を入力すると簡単に絞り込みができ、リストアップされます。ユーザーが使用しているCAMや工具管理システム(TMS)向けに直接インポート可能なデータを提供していますし、3Dデータをダウンロードしてシミュレーションもできるので、いちいち工具メーカーに問い合わせをする必要もなくなります。そのぶん、時間を有効活用できるうえ、IDO13399およびDIN4000規格に準拠していますから、国際的にも求められている品質を確保できます。
日本とドイツの違い
―CIMSOURCEはドイツ企業ですが、日本で活動されていて違いを感じたことはありますか。
永田 日本は皆で話合いをしてひとつにまとめて合意をし、進めていく印象があります。
ギュル ドイツでは自分たちの実行したいことや主張をどんどんしていきます。また、ドイツはデジタル化が進んでいて、デジタルマニュファクチャリングにより、プロセスをより効率的に変革して変化が起きても迅速に対応する取り組みをしています。したがって『ToolsUnited』がヨーロッパではとても必要性が高い製品になっています。
― 工具の標準化について課題は?
ギュル ISOがざっくりしているものになっている点が気になります。たとえばドリルやフライスなどのカテゴリー分けがされておらず分かりにくい状態になっているので、われわれで、DINのようにカテゴリー分けをしましょうという働きかけをしています。
永田 規格の背景を知らないと理解ができないところがあるので、もっと分かりやすくシンプルにしていく働きかけをしています。もうひとつ課題として挙げるのは、規格が承認されて発行されるまでにすごくプロセスが長いと、発行された時にはもう時代遅れになっていることもありますから注意が必要です。
― やはり製造現場では工具のDX化で効率を求める動きが加速するでしょうね。
永田 日本には多くの工具メーカーが存在します。大手は『ToolsUnited』に加入していますが、中小企業がまだ少なく、その要因として、人手不足もあり、デジタル化に移行するために人を割けないという理由もあると思います。そこで、われわれがデジタル化に移行できるようしっかりサポートしていきたいと思っています。
ヨーロッパではデジタルデータがないと難しい

―労働人口の減少が加速している日本の製造業にデジタル化は急務とされています。
ギュル 2017年までは工具検索のために『ToolsUnited』が活用されていましたが、現在はシミュレーションがメインになっています。ヨーロッパでは新製品をつくる場合、デジタル化のデータがなければ、そもそもその工具が使われない。つまりフィルターにかかってしまうような状態になってしまうことがあるのです。膨大な工具データをデジタル化するのは大変ですから、私たちに依頼、サポートさせていただければ、製品をつくるユーザーの検討対象になるようにいたします。切削工具メーカーの工具が検討されるか、されないか、というのは工具メーカーにとって重要なことだと感じています。
永田 工具メーカーはCAMメーカーにも工具データを送っています。そのためだけに工具、インプットテーブル、入力フォームを使ってるので、工具メーカーは、CIMSOURCEにデータを送れば後は自動でできますし、間違や二度手間、三度手間っていうのがなくなります。一方、CAMメーカーも『ToolsUnited』に入って連携させることで、取引のない工具メーカーのデータもユーザーは取れるようになれますから、CAMメーカーも登録していただければ、お互いウィンウィンの関係になれます。従来は、ユーザーが工具を選定するときに、各メーカーが公開している工具情報を得ていました。工具の情報は各メーカーが独自に管理しており、ひとつの工具を選ぶには大変手間が掛かっていましたが、標準化しデータ化することで、登録した工具はCAMで干渉シミュレーションができ、目で確認しながら最適な加工を実行することができます。製造現場のDX化で業務効率化に貢献できるシステムが『ToolsUnited』なのです。
ギュル CIMSOURCEは工具メーカーとともに成長していく企業を目指しており、『ToolsUnited』に将来性を感じています。またコロナ禍で変わったことのひとつに働き方があります。技術の進化で、工具を直接見て確認をするということの必要がなくなってきました。パソコンなどの通信機器があれば、リモートで場所を問わず、デジタル化したデータで確認する時代が来たのです。これから先もこうした動きは進んでいくとみています。
―ありがとうございました。
三菱マテリアル 特約店を招いて「JIMTOF2024ツアー」を開催 親睦を深める

三菱マテリアル 加工事業カンパニー(常務・加工事業カンパニープレジデント:小原和生氏)がJIMTOF2024の期間中である11月7日、グランドニッコー東京 台場で特約店を招いて「JIMTOF2024 ツアー」を開催し、親睦を深めた。
冒頭、小原常務 加工事業カンパニープレジデント(以下小原常務)が日頃の感謝の意を表したあと、「今回はお客様に密着して三菱マテリアルの価値創造をテーマにお客様の声を聞き、寄り添い、より多くのソリューションを提供できるようなブースに仕立て上げている。」と述べ、「単に製品を供給するだけでなく、製品あるは様々なソリューション、リサイクルまで幅広いソリューション提供を提供できるような展示を心がけてきた。ものづくりのプロフェッショナルとして品質とサービスを確立し、ベストなソリューションを提供することを目指しています。」と意気込みを述べた。
また、国内営業部についても触れ、「国内営業部のスローガンは〝売り勝つための思いやりと変革〟。年初に講習会をJIMTOFまでに100回全国で開催すると約束をしたが、10月末の時点で148回を開催することができた。」と話し、お礼を述べた。
乾杯の発声を橋本豊重 橋本商工社長が行った。
おんなギター流し&シンガーソングライターのおかゆさんが、来場者のリクエストに応えて歌をうたい、ものまねエンターテインメントスペシャル爆笑ライブではコロッケさんが数々のものまねを披露し会場内は笑いに包まれた。
藤林佳之 営業本部本部長が、「アメリカの大統領選挙が終わり、トランプ氏が返り咲いた。賛否両論はあると思うが、個人的には戦争なくなり早く平和が訪れることを願っている。滞っていたあらゆることが進み始め、景気が上向くことを期待して、三菱マテリアルとしてはしっかり準備をし、皆様と喜びを共有したいと努力していく所存だ。」と意気込みを示したあと三本締めを行い、縁もたけなわのころ散会した。
イスカル 新製品発表会に1,000人が集う

イスカルジャパン(代表=岡田一成氏)は、去る11月1日、けいはんなプラザ メインホール(京都府精華町)にて、「切削加工の新たな常識を作り出す最新トレンドとは?」をテーマに新製品発表会を開催し、全国から約1,000名が参加した。
高能率・高生産性を実現する最先端工具「LOGIQUICK」(ロジクイック)シリーズは、2021年の「NEOLOGIQ」(ネオロジック)シリーズ以来となる新製品であり、リアルでの新製品発表会としては、2018年の「LOGIQ」(ロジック)シリーズ以来6年ぶりとなる。
冒頭の挨拶で岡田代表は、日頃の感謝の意を表したあと、「イスカルといえば“新製品” 総合切削工具メーカーとして、あらゆるお客様の加工用途に対応する革新的な工具を一挙に公開する。最先端の工具の使用により、製造現場の生産性・収益性向上に貢献できれば幸いだ。」と挨拶した。
続けてIMCグループ会長の Jacob Harpaz(ジェイコブ・ハルパス)氏より同時通訳を交えたプレゼンテーションが行われ、常に変化する市場のニーズを取り込んだ、製造現場における生産性向上を実現する約40種類のラインナップが一挙に紹介された。多くの来場者は、熱心にメモをとるなどして、同氏のプレゼンテーションを聞き入っている様子だった。
JIMTOF2024レポート【工作機械編】
工作機械の各社ブースを取材して感じたのは「自動化」、「省人化」、「カーボンニュートラル」を意識した展示が多かったことだ。従来の加工現場ではベテランに頼っていた機械操作だったが、スキルを気にせず扱える機械も多く感じた。昨今、時流になっている技術のギガキャストで活躍する超大型機と半導体産業向けなどに威力を発揮する超精密・微細加工機が目立っていた。
機械の総合力を見事に見せつけてくれたアマダグループ。板金、精密溶接、切削・研削盤など豊富な加工技術のニーズに応えていた。
初披露となった26kWの発振器搭載のファイバーレーザマシン「REGIUS 3015 AJ e」が高出力発振器とリニアドライブの相乗効果でさらなる超高速&高精度加工が実現するものとして注目を集めた。また、自立型搬送ロボット「AMTES 500」がブース内のマシン間を走行するデモンストレーションに多くの来場者が足を止めた。自立型なので磁気テープも不要であり、障害物があれば迂回したり停止できる。機械だけでなく、生産性向上に向けた取り組みなど見どころが満載だった。
岡本工作機械製作所は、持続可能な社会の実現を目指し、機械においても環境や経済性に貢献する考え方を示していた。最近の半導体向けのセラミックスなどの脆性材加工の超精密加工を実現するものとして注目されたのは、グラインディングセンタ「UGM640GC」。
摺動面にスラッジの入りにくい特殊構造を採用していたところが特長だ。ATCはBBT-40ツールホルダで20本のツールを自由に交換できる。今回のJIMTOFでは、ロボットを使用したワーク交換機能を実装して一歩進んだ研削加工を展開していた。
キタムラ機械は、「ALL-In-One SMART FACTORY」を掲げ、昨今の人手不足を受け、非熟練でも高効率と高精度加工を両立した〝失敗しない自動化〟を提案。複数の機能をひとつにまとめて、誰もが使い勝手の良いマシンを展開していた。
同社独自開発のアイコン制御CNC「Arumatik-Mi」はスマホ感覚で直感的に操作できるうえ、常に最新機能にアップグレードできる仕様になっている。インターネットを介した様々なアプリと連動も可能なうえ、高解像度CCDカメラやマイク、スピーカーもついている。また、機械の稼働状況もメールで通知され、場所を選ばずいつでもリアルタイムのモニタリングもできる。
黒田精工は、環境対応モデルのロータリー研削盤「GSR-600」を展示。昨今の時流でもあるセラミックスなど脆性材の平面加工や難削材の鏡面加工に対応した機械だ。
安定した加工精度を実現する鍵を握るのは〝独自設計〟の油動圧ロータリーテーブルだ。ラジアル方向を特殊大径安牛らベアリングで支持、独自の油動圧との組み合わせで高い剛性と減衰性を両立している。また、作業性を重視したレイアウトも特長でワークの脱着やのぞき込みが行いやすい工夫がされており、作業者の負担が軽減されるつくりだった。
世界のトレンドでもあるE-モビリティにスポットをあて、電動パワートレインの製造ソリューションにより、設備コンポーネントのための統合コンセプトを提案していたGROB Japan。
同社の強みは技術力とコアになるプロセスを社内で保有しているため、開発や変更、新規スケジュールに迅速対応していることだ。また、自動化した製造ラインを実現するソリューションを開発しており、顧客のニーズに合わせた効率的で将来性のある生産ラインの構築に貢献するとして、世界中で技術を集結している強みを見せた。
「デカい!」と思わず声が出てしまうほど、芝浦機械の展示していた横中ぐりフライス盤「BTH-150.R35」の大きさに驚く来場者。
今回、同社の横中ぐりフライス盤のラインナップに業界最大サイズの機種を新規投入! このマシンは、モビリティ・エネルギー産業に向けた提案。「現在、造船産業は洋上風力発電の建造やメンテナンスのためにも需要が高まっている。」とのことで、大型ワークを加工するためにも広範囲なストロークを持ち、ターン加工を含めた長時間の無人運転が可能なうえ、ターン加工精度も±0.03を達成した高精度加工を実現できることが強み!
今回、5軸・複合加工機、アディティブマニュファクチャリング機による工程集約、自動化などにDXを活用した「MX(マシニング・トランス・フォーメーション)」で製造プロセスの変革を見せつけたDMG森精機。
見どころが満載だったが、切削能力がアップしたホカホカの新製品であるターニングセンタ「NLX2500 2nd Generation」に、今回、ロボットを活用した自動化ソリューションを提案。素材の供給、取り外しを自動で行うデモンストレーションを展開。機械の前に設置したものになるので、別の機械に移動させるなど柔軟な使用ができるうえ、優れたセンサシステムでワークを認識できるため、多品種少量生産にも最適!
ナガセインテグレックスは、今回新規開発マシン6機種を展示していたが、中でも非熟練化を実現する超精密門型成形平面研削盤「SGX-126SLS2-Zero3」に注目したい。
このマシンは、SGXシリーズのハイエンドモデルだが、JIMTOFでは〝スマートエフィシェンシー〟の実演を行っていた。スマートエフィシェンシーとは、ざっくりいうと、ワークを平面から凸形状へ加工する時に、タッチプローブによりワーク高さを測定し、レーザー変位計により取代を測定、取り代の少ないところは早く、取り代の多いところはゆっくり加工するという研削送り速度可変ができるという高能率を超えた〝超能率研削〟を提案していた!
牧野フライス精機に立ち寄ると、人だかりの向こうに高精密CNC工具研削盤「AGE30FX」が展示されていた。このマシンはAGE30の重研削性能と加工安定性はそのままにさらに優れた生産性を実現した設計となっている。
このマシンに搭載していた画像認識による自動化システム「monocam2/SV」で、ドリルのオイルホール位相など様々な箇所を機内でチャッキングしたまま自動測定でき、測定結果をもとに次の加工ワークに対して自動補正を行って高精度連続加工を実現する。なお、Monocam2とmonocamSVの違いは、2が、工具底馬の様々な箇所を自動測定&補正ができ、SVは限定箇所を限定した機能限定型である。
牧野フライス製作所のブースでは大きな新製品の立形マシニングセンタ「V900」がひときわ目立っていた。このマシンは、大物金型の生産性向上のためにつくられた機械で6トンワークをスピーディに加工するのが強み。
この鍵を握るのは、3軸機で生産性を追求していることで、400mmの長い工具でも均一な加工面に仕上げることができる。自己発熱や環境温度変化の影響を抑え、長時間の連続運転でも安定性した精度を維持しているのが特長だ。
三井精機工業は、カバーなしのむき出し状態で、大型横形マシニングセンタ「HPX150」が大きな存在感を示していた。このマシンは横形マシニングセンタの中でも最大クラスのストロークとワーク積載質量を兼ね備え、クイル主軸を搭載した大型マシン。
今回は工作機械と動力源の空気圧縮機を供給している同社の強みを活かして、エアが必要となる前に、「HPX150」からコンプレッサ「ESCAL06A2-R」に高圧指令を出力し、必要な時だけ、エアを高圧で供給する省エネへのノウハウを披露していた。
ユーザーから高い人気を誇る安田工業。大型ワークの高精度加工に対応するハイエンドマシン「YBM Vi50」にも注目が集まったが、「高価でデリケートなワークに加工ミスや損傷を与えない!」といった同社の精密バイス「YPV-80」にも注目したい。
この製品は、ジョーを締め付けるスライダーに組み込まれたWEDGEナットが締め付け力に応じて、ジョーを下方に引き込む力がワークの浮き上がりを防ぐため、ワークの歪みを最小限にとどめ、ワークが浮き上がらないので上から叩く必要がないという、ユーザーの大切なワークに、最大限の配慮を感じる優しさに溢れた製品なのだ。
ヤマザキマザックのブースでは、自動化システムの構築と拡張を意識したマシンがズラリと並び、多くの来場者が「JIMTOFに来た!」という高揚感を味わっているようにも見えたほど賑やかだった。
そのなかで、特に注目したいのは、同社が高い振動減衰性(動剛性は最大4割向上)と優れた熱安定性(熱変位量は半減)を実現する高機能素材「ミネラルキャスト」を内製化し、マシンに採用したことだ。これにより加工精度と加工面精度は向上し、加工時間も短縮、工具も長寿命化するので、経済性もアップするうえ、製造時のエネルギー消費がなんと50%以上削減できるという。
マットな漆黒のマシン「Android Ⅲ-MT」で来場者の足を止めた碌々スマートテクノロジー。このマシンは微細切削加工と研削加工を融合した同社の複合微細加工機コンセプトモデル。機上で段取りができるので、ワークを移動するような段取り替えで発生する誤差の影響がない。同社では、機械を扱うオペレーターを「マシニングアーティスト」と呼びリスペクトしているが、マシニングアーティストのためのオペレーションシステムが「MA-OS2」に進化し、効率良く工程短縮しながら高精度加工も実現できるよう提案し、技術者の感性を刺激しながら、新たな微細加工への扉を開くノウハウを披露していた。
