ニュース

「内需の掘り起こしをしていきたい」日本工作機械販売協会 賀詞交歓会を開く

240205日工販1
あいさつをする髙田会長

 日本工作機械販売協会(会長=髙田研至 井高社長)が1月10日、都内の第一ホテル東京で賀詞交歓会を開いた。

 あいさつに立った髙田会長は日頃の感謝の意を表したあと、「コロナも5類に移行し通常の生活を思い出したが、世界的な地政学的な問題や為替の問題など不透明な時代が続く状況だ。世界の成長率が2.4%で日本は0.9%。米国、中国からも大きく落ちるということで今年は非常に厳しい経済情勢かなと言われている。」との認識を示したあと、「日本はデジタル化が遅れているといわれ、日本のものづくりが危惧されていると聞いているが、日工販では教育事業についてますます充実を図って内需需要の掘り起こしをしていきたい。」と期待を込めた。

240205日工販2
稲葉 日工会会長

 来賓を代表して日本工作機械工業会の稲葉善治会長(ファナック会長)があいさつをした。この中で稲葉会長は、「本年の市況、受注見通しは昨年同様、世界情勢は不透明、不確実な状況が見込まれる中で、人件費高騰や人手不足に対応するための工程集約、自動化、カーボンニュートラル実現に向けた省エネ技術、AI、IoTを活用したDX、生産拠点の再構築に向けた取り組みなど、根強い需要が受注を下支えすると見込んでいる。日工販と日工会が車の両輪となって、お客様が求めるソリューションを提供し、日本の製造業の発展に貢献していきたい。」と述べた。

240205日工販3
経済産業省 安田 産業機械課長

 経済産業省製造産業局 安田 篤 産業機械課長が、「コストカット型の経済から投資も賃金も伸びる成長型の経済へ、が、今年の大きなテーマであると考えている。国内投資を促進すべくDX、GX、中小企業の国内投資を促進、支援する、また、中小企業の皆様が省力化投資を行って賃上げの原資を確保するメニューも取り揃えている。」と述べ、声援を送った。

 

 乾杯の発声を日本工作機械輸入協会の金子一彦会長(三宝精機工業社長)が行った。宴もたけなわの頃、散会した。
 

「自動化需要の回復に期待」ロボット関連三団体 賀詞交歓会を開く

240205ロボット1
あいさつをする山口会長

 日本ロボット工業会(会長=山口賢治 ファナック社長)、日本ロボットシステムインテグレータ協会(会長=久保田和雄 三明機工社長)、製造化学技術センター(理事長=加賀邦彦 三菱電機専務)のロボット関連三団体が、1月12日、都内の東京プリンスホテルで賀詞交歓会を開いた。能登半島地震地震の犠牲者に黙祷を捧げたあと、三団体を代表して山口会長があいさつをした。


 山口会長はあいさつの中で昨年を振り返り、「昨年末にロボット業界にとっての最大イベントである2023国際ロボット展を開催し、その開催規模に加え、来場者数も過去最大となる14万8,000人余りの方々に来場頂き、盛会裏に終了することができた。」とお礼を述べたあと、「長引くロシア・ウクライナ情勢や中東情勢等の他、地政学的リスクに伴って不安定化がさらに進んでおり、2024年は様々な懸念を抱える中での幕開けとなった。このような状況の下、2023年のわが国のロボット産業は、中国市場の悪化や世界経済のリスクに伴う投資の削減などから、受注額で対前年比23.6%減の約8,490億円、生産額では11.2%減の約9,060億円と、当初見通しを大幅に下回ることが見込まれている。」とし、今年のロボット市場については、「世界的な経済の先行きに不透明感はあるものの、先の国際ロボット展でも改めて感じた自動化への高まる要求に鑑み、年後半に向けて自動化需要の回復を見込むことで受注額は対前年比6%増の9,000億円を期待するとともに、生産額はそれに合わせて9,000億円と見通している。」と勢いを示した。

240205ロボット2
経済産業省 橋本審議官

 来賓を代表して経済産業省製造産業局の橋本真吾審議官があいさつをした。この中で橋本審議官は、「日本経済は長年にわたるデフレ経済を脱却して新しい経済ステージとなった。昨年は設備投資や賃上げが30年ぶりの高い水準になっている。コストカット中心の経済から、投資、賃金、物価、売り上げなどが伸びていく成長型経済へと移行しているステージである。国内投資を強力に後押しする施策を実行して国内投資促進パッケージを進めている。中堅中小企業の成長収益力強化に向けた賃上げ促進税制や、ものづくり補助金の拡充、5,000億規模のカタログ補助金の新設といった業界の皆さまにとっても使い勝手の良い支援を通して賃上げ原資の確保のための措置をしている。」と声援を送った。

 日本ロボットシステムインテグレータ協会の久保田会長が能登半島地震で被災した困難な状況にある人々が1日も早く日常を取り戻すことを願って「頑張ろう」と声をあげたあと、参会者は親睦を図った。


 

NaITO「今年は攻めの営業をしていく」新年賀詞交歓会を開く

240205NaITO
あいさつをする坂井社長

 NaITO(社長=坂井俊司氏)が1月9日、京王プラザホテルで新年賀詞交歓会を開いた。

 あいさつに立った坂井社長は、冒頭、元旦に起きた能登半島地震により犠牲や被災された方々に悔やみとお見舞いの言葉を述べたあと、「昨年5月にコロナ感染症が5類に分類され会合も活発に行われるようになったことにより業界でも明るい雰囲気になっていると感じている。円安が追い風で輸出関連企業を中心に業績も改善されてきた一方、国内の中小企業に限ってはコロナ前の状況には戻っていない中でヨーロッパ、中東での戦争といった地政学的、政治的な問題、中国経済失速と言った逆風もあり昨年度は厳しい状況だったのではと感じている。」と振り返り、「今年は攻めの営業をしていきたい。」と意気込みを示した。

 続いて第3四半期の業績について触れた。それによると売上高は334億3,000万円となり、前年並みとなった。また、来年度に向けた営業販売施策として、(1)品揃えの拡充、(2)受発注のさらなる利便性、業務効率の向上、(3)エンドユーザーに直接プレゼンできる営業スタイルを目指す――――とした。

 乾杯は、長島千里 京セラ 機械工具事業本部長が行った。宴たけなわのころ、岡田一成 イスカルジャパン 代表が中締めを行い散会した。

ユキワ精工「Go Green Challenge」が始動 

240205yukiwa
キャンペーンロゴマーク

 

 ユキワ精工(社長=酒巻弘和氏 本社:新潟県小千谷市)は、発売以来高い評価を博しているツールホルダー「グリーンG1チャック」について、販売1本につき100円を環境保護団体へ寄付する取り組みである「Go Green Challenge」を実施する。開始期間は2024年3月1日から地球温暖化が解消されるまで。

 地球の温暖化防止のためのCO2削減が喫緊の課題となっており、多くの企業がSDGs(持続可能な開発目標)を掲げ、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させてゼロにする「カーボンニュートラル」の目標を打ち出していることを背景に、工具使用量や不良品の削減、サイクルタイム短縮等の効果が期待できる同社の「グリーンG1チャック」が省資源・省エネルギーにつながる環境に優しいツールホルダーであることから、顧客がこの製品を購入した際、同社が顧客に代わって1本につき100円を国土緑化推進機構「緑の募金」へ寄付するというもの。エンドユーザーにおいて省資源・省エネルギーを実現するとともに、植林を進めて緑を増やすことでCO2を削減し、地球温暖化の防止を図り、持続可能な社会の実現を目指すことが目的。

同社は「Go Green Challenge」における3つのチャレンジとして下記を挙げている。

①    加工における省資源・省エネルギーによりユーザーの利益を増やす
②    加工改善によりユーザーの笑顔を増やす
③    植林を進め、緑を増やす

240205ユキワ精工2
Go Green Challengeのイメージ図

 

グリーンG1チャックの特長

240205ユキワ精工3


(1)工具の使用量の削減
 グリーンG1チャックは振動減衰構造を持ち、かつスーパーG1チャックと同様に総合芯振れ精度5μmを保証。工具の負担が大幅に軽減し、工具寿命が延びる。

(2)不良品の削減
 グリーンG1チャックは、従来のツールホルダーに比べ剛性を高めており、高速・重切削でも面粗度が良好。ビビリの抑制にも効果を発揮し、不良品の削減が期待できる。

(3)サイクルタイムの短縮
 グリーンG1チャックは、ホルダ内部に振動減衰構造を設け、高速・重切削での振動を減衰する。エンドミル加工時、今までのツールホルダーよりも高送りが可能となり、サイクルタイムを短縮し、御社の生産性の向上に貢献する。

 なお、グリーンG1チャックは、2012年グッドデザイン・ものづくりデザイン賞(中小企業庁長官賞)を受賞している。

▼関連サイト▼
https://www.g-mark.org/award/describe/39159

240205ユキワ精工4
グリーンG1チャックを使用することによるユーザーのメリット

 

■グリーンG1チャックの製品仕様

240205ユキワ精工5
SGコレット、ロックナット締め付け用フックスパナ、プルスタッドは付属していないので別途注文が必要

 

問い合わせ先

本社営業グループ:TEL:0258-81-1111
東京営業所     :TEL:048-434-7101
名古屋営業所      :TEL:0561-64-0300
大阪営業所         :TEL:06-6748-2020
アジア営業部      :TEL:0561-61-1400
ホームページ      :https://www.yukiwa.co.jp
 

イスカル社 「LOGIQ F GRIP」好評発売中

240205イスカル1 イスカル社は、「驚愕の送り4倍」を実現する、高剛性 突切・溝入工具「LOGIQ F GRIP」(ロジックFグリップ)を好評発売中である。

 このほど最大突切径Φ42mmの小型ブレード及びブロックを新たに追加。タレット型小型旋盤など、使用できる機械が増え、様々な加工ニーズに対応する。

 「LOGIQ F GRIP」の最大の特長は、正方形のブレードである。従来の長方形ブレードと比較して、下顎部分を大幅に強化し、高剛性 突切・溝入加工を可能とした。特許取得済みのこの高剛性システムは、ビビリを抑制し直進性や加工の安定性を大幅に向上させ、仕上げ面及び工具寿命の延長に大きく貢献する。常識にとらわれない発想の、次世代突切工具である。

 

240205イスカル2<レパートリー拡大>
 最大突切径Φ42mmの小型ブレード及びブロック
 1コーナー仕様 TANG-GRIPインサート用
  ・ブレード:2mm / 3mm幅
  ・ブロック:16 / 20 / 25角シャンク
  ・高圧クーラント仕様(14MPa Max)
 

タンガロイ 「TinyMiniTurn」に「SH725」材種 油穴付きソリッドバーを追加

240205タンガロイ

 

 タンガロイは、このほど極小径内径加工用工具シリーズ「TinyMiniTurn」に耐摩耗性&耐チッピング性に優れた「SH725」材種の油穴付きソリッドバーを追加し販売を開始した。

 「TinyMiniTurn」(タイニー・ミニ・ターン)は、優れた性能と充実した品揃えで、多種多様な極小内径加工に対応可能な工具シリーズ。最小加工径φ0.6mmに対応する極小径加工用ソリッドバーから、CBNろう付けバー、用途に合わせた3次元チップブレーカ付きインサートを最小加工径φ5mmから使用できる刃先交換式工具まで、幅広いラインアップを取り揃えている。

 ソリッドバーシリーズには10種類の刃型形状を設定し、単純内径から、内径倣い加工、溝入れや奥端面加工、ねじ切りまで幅広い内径加工をカバーする。また、スリーブの端面4箇所から切削油を吐出する「4つ穴クーラントスリーブ(JBBS-4N形)」を使用することで、クーラントが確実に加工内径部へ供給され、優れた切りくず排出性と安定した工具寿命を実現する。

 今回、油穴付きソリッドバーシリーズに「SH725」材種を146アイテム新たに設定します。「SH725」材種は、優れた耐摩耗性と耐チッピング性を両立したPVDコーティング材種です。この「SH725」材種を油穴付きソリッドバーシリーズに採用することで、切りくず排出性の向上と安定した長寿命を同時に実現している。
 

2023年(暦年)工作機械受注実績まとまる 日本工作機械工業会

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2023年(暦年)工作機械受注実績は次のとおり。

受注額

■概 況
 2023年の工作機械受注額は、3年ぶりの減少で、前年比▲15.5%の1兆4,865億円となった。コロナ禍からの回復を牽引したペントアップ需要や半導体関連需要、自動車関連需要が落ち着き、不動産不況による中国の減速もあり、3年ぶりに1兆5,000億円を下回ったものの、過去7番目の受注額を記録した。

 このうち、NC工作機械は、1兆4,630億円(同▲15.3%)となった。受注額全体に占めるNC工作機械の比率は98.4%(同+0.2pt)と、8年連続で98%を超えた。受注総額の内訳をみると、内需は4,768 億円(同▲21.0%)、外需は1兆97億円(同▲12.7%)で、外需比率は同+2.4pt の67.9%となった。

■内需の動向
 2023年の内需は、3年ぶりに減少し、前年比▲21.0%の4,768億円と3年ぶりに5,000 億円を下回った。2022年後半まで受注を牽引したコロナ禍のペントアップ需要や部品不足に伴う能増投資、半導体関連需要等が徐々に落ち着く中で、底堅くも緩やかな減少傾向が年間を通じて見られ、2023年後半は400億円を下回る月が多く見られた。

 業種別にみると、全11業種中10業種で前年比減少となった。主要4業種では「航空・造船・輸送用機械(同+7.0%、202億円)以外は前年比10%以上の減少となった。特に、半導体関連での受注が多い、「電気・精密(同▲33.3%、577億円)」、内燃機関、EV関連の投資がどちらも低調な「自動車(同▲25.3%、1,006億円)」は大きく減少した。その他の業種でも、「商社・代理店(同▲32.8%、46億円)」、「金属製品(同▲27.2%、368億円)」が2割を超える減少となった。

■外需の動向
 2023年の外需は、3年ぶりに減少し、前年比▲12.7%の1兆97億円と3年連続で1兆円を超え、過去6番目の受注額となった。アジアでは中国を中心に減少したものの、欧州、北米は強いインフレ懸念にも関わらず底堅く推移し、円安傾向もあって月平均84億円と堅調な水準を維持した。

 地域別にみると、アジアは3年ぶりに減少し、前年比▲23.2%の4,276億円で、3年ぶりの5,000億円割れとなったものの、4,000億円台の受注は維持した。このうち、東アジアは同▲28.3%(3,198億円)で、韓国(同▲24.0%、250億円)、台湾(同▲43.5%、203 億円)、中国(同▲27.3%、2,740億円)が軒並み前年比2割以上の減少となった。特に中国では、前年の受注を牽引したEMSやEV関連投資が影を潜め、不動産バブル崩壊による経済の不安定化もあり、設備投資は伸び悩んだ。その他アジアは、多くの国・地域で前年割れとなる中、唯一好調だったインドが増加したことで、同▲2.8%の1,078億円と3年ぶりの減少も、2年連続で1,000億円超えとなった。インド(同+26.5%、511億円)は、自動車関連を中心に堅調に推移したほか、半導体やEMS関連の受注も増加し、一般機械と電気・精密が過去最高額を更新し、インド計も初の500億円超えで過去最高額を更新した。欧州は、2022 年2月からのロシアによるウクライナ侵略、イスラエル軍とハマスの戦闘が続くガザ地区などの地政学リスクに加え、エネルギー問題や金利高等の影響が懸念される中にあっても、3年連続で前年比で増加し、同+1.1%の2,335億円と過去4番目の受注額となった。

 国別では、EU(同▲3.9%、1,699 億円)域内のドイツ(同+6.3%、565 億円)、“その他”(同+2.7%、384億円)がともに過去2 番目の高水準の受注を記録したほか、“その他西欧”のトルコ(+38.9%、227億円)、スイス(+27.9%、148億円)は、統計区分開始(2015 年)以来の最高額を2年連続で更新した。

 北米は、同▲6.9%の3,206億円と3年ぶり減少も、2年連続で3,000億円を超え、過去3 番目の受注を記録した。アメリカ(同▲9.6%、2,820億円)は、自動車で日本と同様、やや回復が遅れているほか、金利高によりジョブショップの動きがやや鈍かったものの、医療や半導体、航空宇宙関連を中心に堅調に推移し、過去3番目の受注額となった。また、カナダ(同+15.3%、199 億円)は3年連続の増加で、過去最高額を2年連続で更新した。メキシコ(同+21.9%、187億円)は、3年連続で増加した。

 各地域別の受注シェアは、アジアが42.3%(同▲5.8pt)、欧州が23.1%(同+3.1pt)、北米が31.8%(同+2.0pt)となった。国別シェアでは、1位がアメリカで27.9%(同+0.9pt、前年2位)、2位が中国の27.1%(同▲5.5pt、前年1位)、3位はドイツで5.6%(同+1.0pt、前年3位)、4位がインドで5.1%(同+1.6pt、前年5位)、5位がイタリアで3.3%(同▲0.3pt 前年4位)、6位が韓国で2.5%(同▲0.3pt、前年7位)、7位がフランスで2.4%(同+0.3pt、前年8位)、8位がトルコで2.3%(同+0.9pt、前年13位)と、首位が交代した他、台湾が順位を下げ、今年受注が目立ったインド、トルコが順位を上げた。

■機種別の動向
 受注額を機種別(含むNC機)でみると、全11機種中9機種で前年比減少となった。主な機種別の受注額は、旋盤計が前年比▲12.8%の5,071億円で、3年ぶりに減少したものの、3年連続の5,000億円超えとなった。内訳では「うち横形(同▲14.2%、4,725億円)」は減少したが、「うち立て・倒立形(同+10.9%、346億円)」は3年連続で増加した。また、旋盤計における「うち複合加工機(同▲3.0%、2,136億円)」は旋盤計よりも減少幅は小さく、生産効率化、省人化のためのニーズを感じる結果となった。なお、旋盤計に占める複合加工機の割合は42.1%と前年から4.2pt上昇し、2年ぶりに4割を上回った。

 マシニングセンタは、同▲15.3%の6,147億円と、2 年ぶりに7千億円を下回ったが、3 年連続で6,000億円を上回った。「うち立て形(同▲16.5%、3,377億円)」、「うち横形(同▲16.5%、2,171億円)」、「うちその他(同▲1.9%、600 億円)」と全ての区分で減少したが、「うちその他」の減少率が最も小さかった。また、マシニングセンタ計における「うち5軸以上」は同▲2.2%(1,574億円)で、2年連続で1,500億円を超え、複合加工機同様、マシニングセンタ計よりも減少幅は小さく、「うちその他」の「うち5 軸以上」は、5割以上の増加を示した。その結果マシニングセンタに占める“うち5 軸”の割合は25.6%(同+3.4Pt)と2年連続で上昇し、6年連続で20%を超えた。その他の機種では、ボール盤(同+1.4%、2 億円)、中ぐり盤(同+11.4%、163 億円)の2機種のみ前年比増加となった。

販売額

 販売額は前年比+3.1%の1兆6,166億円で、3年連続で増加した。高水準の受注があった一方、部品不足等によって多くの受注残を抱えていた同業界は、部品不足が徐々に解消に向かう中、販売額も高水準を維持し、5年ぶりに1兆6千億円を超え、過去2番目の水準となった。うちNC機は、同+3.0%の1兆5,913億円となった。

機種別(含むNC機)にみると、全11機種中6機種で前年比増加となった。主な機種別販売額は、旋盤計が同+3.4%の5,484億円、マシニングセンタ計が同▲0.8%の6,638億円、研削盤計が同+9.0%の989億円、レーザ加工機などの「その他」計が同+17.0%の1,603 億円となった。

受注残高

 2023年末の受注残高は、前年末比▲12.4%の7,858億円で、3年ぶりに減少し、2年ぶりに8,000億円を下回った。受注が調整局面入りし、部品不足が徐々に解消する中で、2022 年10月に9,201億円まで膨らんだ受注残高は、2023年11月に8000億円を下回ったものの、依然高いレベルにあると言える。当該年末の受注残高を直近3カ月(23年10~12月期)の販売平均で除した「受注残持ち月数」は5.8カ月で前年末から0.7カ月低下した。また、NC工作機械の受注残高は同▲12.5%の7,605億円となった。
 

2023年12月分工作機械受注総額は1,270.9億円 日本工作機械工業会

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2023年12月分の受注実績は以下の通り。

 2023年12月分工作機械受注総額は、1,270.9億円(前月比+9.7% 前年同月比△9.6%)となった。受注総額は、調整局面が続くなか、まとまった受注や季節要因により内外需とも前月比増加し、3カ月ぶりの1,200億円超。

 内需は382.5億円(前月比+17.0% 前年同月比△9.5%)で、全般的に調整局面が継続するなか、主要業種を中心に増加が見られ、3カ月ぶりの1,200億円超。

 外需は888.4億円(前月比+6.8% 前年同月比△9.6%)で、主要3局では欧州のみ前月比減少。その他アジアや中国等アジアで増加を示し、3カ月ぶりの850億円超。

 12月の受注は内外需で前月比増加も、受注状況に大きな変化はないものと捉えており、今後の持ち直しの時期等、動向を注視。

12月分内需

382.5億円(前月比+17.0% 前年同月比△9.5%)。

・3カ月ぶりの350億円超。
・前月比3カ月ぶり増加。前年同月比16カ月連続減少。
・内需は緩やかな減少傾向も、12月は主要業種を中心に増加し、底堅い動き。

240205日工会1
(出所:日本工作機械工業会)

12月分外需

888.4億円(前月比+6.8% 前年同月比△9.6%)

・3カ月ぶりの850億円超。
・前月比2カ月連続増加。前年同月比12カ月連続減少。
・中国をはじめアジアで前月から増加し、900億円近い受注となる等底堅い動き。

240,205日工会2
(出所:日本工作機械工業会)

日本機械工具工業会 2023年12月分 会員統計生産額まとまる 

 日本機械工具工業会がこのほどまとめた2023年12月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。

■生産額
 切削工具 337.4億円(93%)、耐摩耗工具 30.6億円(95%)、総合計 375.3億円(93%)。

■ドリル生産額
 特殊鋼工具 14.4億円(91%)、超硬工具 35.2億円(91%)、ダイヤ・CBN 0.7億円(61%)、総合計 50.4億円(90%)。

■エンドミル生産額
 特殊鋼工具 3.4億円(76%)、超硬工具 31.5億円(82%)、ダイヤ・CBN 1.5億円(119%)、総合計 36.4億円(82%)。

■カッタ生産額
 特殊鋼工具 0.9億円(95%)、超硬工具 4.9億円(96%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(127%)、総合計 6.2億円(97%)。

■ギヤカッタ生産額
 総合計 7.5億円(102%)。

■ブローチ生産額
 総合計 7.5億円(107%)。

■ねじ加工工具生産額
 特殊鋼工具 28.2億円(87%)、超硬工具 3.4億円(102%)、総合計 31.6億円(88%)。

■バイト生産額
 特殊鋼工具 0.2億円(45%)、超硬工具 9億円(103%)、総合計 9.2億円(100%)。

■リーマ生産額
 特殊鋼工具 1.1億円(75%)、超硬工具 2億円(77%)、総合計 3.1億円(77%)。

■鋸刃カッタ生産額
 特殊鋼工具 1.3億円(95%)、超硬工具 0.4億円(90%)、総合計 1.8億円(94%)。

■インサート生産額
 超硬工具 136.5億円(95%)、ダイヤ・CBN 19.9億円(107%)、総合計 156.4億円(97%)。

■ボディ関係生産額
 総合計 15.7億円(94%)。

■超硬合金生産額
 切削用 114.1億円(82%)、耐摩耐触用 14.2億円(96%)、総合計 130.2億円(83%)。
 

経産省・2023年11月度機械統計 機械工具生産動態調査

 経済産業省の2023年11月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

240205機械工具


 *機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
 *耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)