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2月分工作機械受注総額は1019.8億円 日工会

日本工作機械工業会がまとめた2月分の受注実績は以下の通り。2014年月2月分工作機械受注総額は、1019.8億円(前月比+1.4%・前年同月比+26.1%)となった。受注総額は、6カ月連続の1000億円超で、前年増月比も5カ月連続増加と回復が継続。内需は消費税に伴う駆け込み需要や政策効果の剥落により、前月比は3カ月連続減少だが、前年同月比は8カ月連続増加した。一方外需の受注額は2カ月連続の700億円割れだが、アジアでスポット受注も見られ、前月比は2カ月ぶり増加した。足下では、需要に一服感が見られているが、今後は海外経済の回復や国内の各種政策効果などにより回復傾向が継続するものと見込まれ、今後の動向を注視。【2月分内需】340.0億円(前月比△0.9% 前年同月比+24.4%)。■内需総額・前月比3カ月連続減少、前年同月比8カ月連続増加。・補助金関連需要、消費増税前の駆け込み等が一服し、2カ月連続の350億円割れ。・今後は各種政策効果もあり、回復が見込まれ、動向を注視。① 一般機械  128.7億円(前月比△14.3% 前年同月比+23.0%)  うち金型   18.0億円(前月比△17.4% 前年同月比+44.0%)② 自動車   124.6億円(前月比△15.9% 前年同月比+35.3%)  うち部品   81.8億円(前月比△32.4% 前年同月比+51.8%)③ 電気・精密 24.4億円(前月比△21.2% 前年同月比+2.8%)④ 航空機・造船・搬送用機械 16.3億円(前月比△37.9% 前年同月比+21.5%) 【2月分外需】679.8億円(前月比+2.6% 前年同月比+27.0%)。■外需総額・前月比は2カ月ぶり増加 前年同月比は4カ月連続増加。・前月に引き続き、アジアでスポット受注が見られ、650億円超えを維持。・主要3局では、北米のみ減少。① アジア:309.4億円(前月比+10.2% 前年同月比+44.1%)・東アジア:228.4億円(前月比+7.0% 前年同月比+66.5%)〈中国〉:180.4億円(前月比+4.3% 前年同月比+71.9%)・その他アジア:81.0億円(前月比+20.5% 前年同月比+4.5%)〈タ イ〉:38.5億円(前月比+15.8% 前年同月比+10.1%)〈インド〉:13.7億円(前月比△21.5% 前年同月比+97.8%)② 欧州:153.7億円(前月比+10.9% 前年同月比+57.4%)〈ドイツ〉:46.9億円(前月比+11.2% 前年同月比+92.3%)③ 北米:207.6億円(前月比△8.3% 前年同月比△3.3%)〈アメリカ〉:193.1億円(前月比+13.8% 前年同月比△3.9%)

1月分超硬工具主要統計

超硬工具協会がまとめた2014年1月分超硬工具主要統計は以下の通り。【超硬合金重量】452トン(前年比121.7)。【超硬工具生産額】切削工具181億7100万円(前年比124.9)、耐摩工具28億7200万円(同114.5)、鉱山土木工具6億2400万円(同97.0)、その他工具6億3500万円(同140.5)、焼結体・工具17億6300万円(同127.8)、合計240億6500万円(同123.2)。【輸出入】輸出76億9000万円(前年比124.2)、輸入56億100万円(同130.2)。【超硬工具出荷額】切削工具195億1200万円(前年比128.0)、耐摩工具28億4500万円(同114.3)、鉱山土木工具6億8200万円(同96.9)、その他工具4億5700万円(同137.7)、焼結体・工具20億9100万円(同127.3)、合計255億8700万円(同125.3)。【刃先交換チップ】生産2571万8000個(前年比118.3)、出荷2646万7000個(同119.0)。

DMG森精機がポルシェチームとパートナーシップを締結

写真左から=ポルシェ マティアス・ミューラーCEO、ポルシェ WEC LMP1ドライバー マーク・ウェハー選手、ポルシェ WEC LMP1ドライバー ティモ・ベルンハルト選手、DMG MORI SEIKI AG ルーディが―・カピッツァCEO、DMG森精機 森雅彦社長
写真左から=ポルシェ マティアス・ミューラーCEO、ポルシェ WEC LMP1ドライバー マーク・ウェハー選手、ポルシェ WEC LMP1ドライバー ティモ・ベルンハルト選手、DMG MORI SEIKI AG ルーディが―・カピッツァCEO、DMG森精機 森雅彦社長
DMG MORIグループは、3月4日にポルシェ(ドイツ)とプレミアムパートナーシップを締結しました。

現地時間の3月4日(火)にジュネーブ・モーターショー(スイス)にて、ポルシェが「Mission 2014. Our Return」のもとに、16年ぶりにFIA世界耐久選手権(WEC: World Endurance Championship)のLMP1クラスに復帰することが発表された。WECは、ル・マン24時間レースを含む3大陸8つのレースから構成される。

DMG MORIグループは、高精度の機械と最高のエンジニアを提供することで、ポルシェのトップクラスへの復帰をプレミアムパートナーとしてサポートする。レースに出場する「ポルシェ919ハイブリッド」のボディ正面、フィンの側面、フロントライト下部に「DMG MORI」のロゴが表示される。

今回のパートナーシップにおける関係者のコメントは以下の通り。

●ポルシェLMP1チーム担当副社長  Friedrich Enzinger (フリードリッヒ・エッツィンガー)氏 
「多大な準備が必要となるWECプロジェクトを支えるパートナーシップを誇りに思っています」

●DMG MORI SEIKI AKTIENGESELLSHAFT CEO  Dr. Rüdger Kapitza (ルーディガー・カピッツァ)氏 
「DMG MORIのブランドは伝統、高精度、技術革新、そしてグローバルな存在感を表しており、ポルシェのブランドと技術的な要求に理想的に一致します。これからも強力で信頼できるパートナー関係を築いていきます」

●DMG森精機(株) 取締役社長 森 雅彦 氏
「このパートナーシップと、WECに代表される、真摯なものづくりと高度な品質管理を通して、多くのことを学び、今後のビジネスの発展につなげたいと考えています」 

ジェイテクトがCNC円筒研削盤「GE4iシリーズ」を開発! 20年ぶりにフルモデルチェンジ!

ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)は、2月27日に同社カスタマーセンター(愛知県刈谷市)でCNC汎用円筒研削盤「GE4iシリーズ」を開発したとして記者発表を開いた。
ベストセラーCNC汎用円筒研削盤をフルモデルチェンジしたのは約20年ぶり。
安形社長は、「お客様が直面している悩みを真摯に受け止めている。弊社の蓄積していた技術とノウハウを駆使して開発したGE4iシリーズは、自信を持ってお客様に貢献できるものです」と話す。

コンセプトは『誰でも簡単に高度なものづくりができる機械』

安形社長
安形社長
現在、日本のものづくりの課題として就労人口の減少、熟練技能者の減少、海外への生産移転などがあげられている。研削加工は最終仕上げ工程を担っており、研削盤特有の熟練技能者の“カン”、“コツ”、“経験”に頼るところが多い。しかも研削加工で発声する熱や作業現場のわずかな室温変化も加工精度に大きく影響する。

課題解決策としてジェイテクトが掲げたのは、『誰でも簡単に高度なものづくりができる機械』だった。永年、研削盤メーカーとして培ってきた技術を集結し、いつでも誰でも安定した加工精度が得られる研削盤の開発に注力した。

安形社長は開発の背景について、「長年中小企業のお客様を中心にご愛好頂いていたCNC汎用円筒研削盤が約20年ぶりにフルモデルチェンジとなった。1994年に発売されて以来、研削加工にかかわる多くのお客様より絶大な信頼をいただいている。研削加工は特に製品の最終仕上げ工程なので非常に高精度で安定した加工精度が求められるが、高精度を確保するために熟練技能者のカンや経験を頼りにされているお客様が多く、その一方、日本のものづくりに直面する課題として熟練技能者の不足が挙げられている。GE4iシリーズは、安定した加工精度を保つため熱変位を抑制する様々な技術や操作性を向上させる最新CNC装置の搭載により、経験の浅い作業者でも熟練者並のより高い精度の加工を実現することができる製品である」と説明、「お客様のニーズと期待を上回る製品を日本だけでなく、世界中のものづくりを支えていきたい」とした。

奥田専務
奥田専務
奥田哲司専務取締役が、「弊社は研削盤では世界ナンバーワンの自負がある。また、エンジンの生産設備などのシステム全体を提案している部門も持ち合わせており、低機能、低価格商品とは一線を画している。研削加工は最終仕上げ工程で、特に1/1000ミリ単位の加工精度が必要になる。熟練作業者のカンに頼ることも多い工程だけに、いつでも安定した加工精度が誇れる機械が求められていた」とし、日本国内のものづくりに関して顧客のヒヤリングを行ったところ、3つの意見があったと述べた。

① 昼の休憩を挟んだ後など、しばらく作業を中断して再開したときの寸法変化に神経を使っている。

②熟練作業者が減少する中、CNC機で自動化を進めたい。

③とはいえ、ワーク形状や要求精度によっては手動研削を行いたい。

「このため、安定した検索精度を求めるためにはひずみ低減と操作性の向上が必要だった。このような問題を改善するために熟練作業者の減少という市場変化に適応し、熟練作業者じゃなくても高精度な加工ができる機械や、熟練作業者が行う状態に機械がサポートできるよう目指した」(奥田専務)

「徹底した熱対策」、「高い真直性の実現」、「CNC機能の向上」で、誰でも熟練者になれる!

岡安執行役員
岡安執行役員
商品の特長について工作機械技術を担当する岡安高雄執行役員が説明した。この中で岡安執行役員は、「徹底した熱容量バランス設計による安定した高い精度、真直性と加工表面品位の向上、使いやすさを追求した内製CNCによるラクラク操作の進化についての取り組みに注力した」とした。商品の特長は以下のとおり。

(1)徹底した熱容量バランス設計による安定した高い精度の維持
■熱変位に影響を与える、室温変化、加工による発熱、モーター・ポンプなど機械そのものからの発熱に対する性能を向上。ペッドの形状やリブの配置に工夫を凝らし、熱容量バランスを均等化することで室温変化によるひずみをミニマムに抑制することを実現。
■クーラント経路の最適化と断熱用アイソレーションカバーによる加工熱影響の低減。
■砥石台の放熱特性を高め、軸受け油の温度上昇を低減。

ラクラク操作パネル
ラクラク操作パネル
(2)真直性と加工表面品位の向上
■高い真直性を実現するために、ボールねじの振れを吸収するフローチングプレートを砥石台とテーブル送りに実装。また、長期に亘って摺動面の消耗を抑制するため定評のある“きさげ”加工を熟練技能者が入念に実施。
■高精度部品検索用クーラント装置で今まで除去できなかった循環するクーラント中の微細な研削屑の除去が可能となり、設備へクリーンなクーラントを供給。クーラントの高清浄度化により、スラッジや砥粒による工作物への微細な影響を排除。

クーラントシステム
クーラントシステム
(3)らくらく操作の進化―CNC機能の向上―
■必要最低限のデータ入力で条件設定可能な「らくらく操作機能」を向上。従来熟練作業者の感覚に頼っていた検索条件を数値化。工作物の長さと径を入力後、工作物剛性を自動判別し研削条件を自動決定。
■操作前に動作方向をCNC画面表示することで手動操作時の誤操作を防止。
■さらに、手動ハンドル(オプション)を付けることで、結愛月並みの手動操作感覚を実現。

開閉しやすい
開閉しやすい
(4)安全・環境・省エネへの配慮
■フルカバー(オプション)で安全環境対応するとともに、開口部を広くし段取り替え時の作業性を向上。
■停電検出により、砥石を工作物より離間させる機能を標準搭載し、砥石や工作物の破損を防止。
■待機中にサーボモーターなどの電源を切り、待機電力を削減(Ecoモード制御)。

販売目標はシリーズ合計で年間180台としている。
価格は11,000千円。

熟練者好みのハンドル(オプション)
熟練者好みのハンドル(オプション)
なお、3月13日(木)から14日(金)までの2日間、10時からジェイテクト刈谷工場カスタマーセンターにて、「GE4iシリーズ」の発表会を開催する。
他にも高清浄度クーラントシステムや、横形マシニングセンタ「FH630X―i」なども展示する。

異分野・異業種との連携 新しいものづくりが始まる! 「INTERMOLD2014/金型展2014」「金属プレス加工技術展2014」が4月16日から開催!

前回の様子
前回の様子
「INTERMOLD2014/金型展2014」(主催=日本金型工業会・テレビ大阪)ならびに「金属プレス加工技術展2014」(主催=日本金属プレス工業会)が、4月16日(水)~19日(土)までの4日間、インテックス大阪で開催される。

この展示会は今年で25回目を迎え、「最先端の金属加工と成形加工技術」の専門見本市として、金型の設計・製造から金属プレス・プラスチック成形に至る一連の工程を網羅。日本のものづくりを支える素形材産業の最新情報を発信する。

今回は、「試作・デザイン・解析&3Dプリンティングフェア」、「自動車部品製造技術フェア」、「航空機部品製造技術フェア」という3つの特別企画を実施。「金型」や「プレス加工」と異分野、異業種とのビジネスマッチングを目的とした企画によって多様な業界関係者が交わり生み出される新たなものづくりの必要性を提案する。

事務局では海外の金型関連団体・企業を中心に積極的な出展誘致活動を行い、海外パビリオンを展示会場内に設置。昨年はインドネシアやブラジルの政府関係者、金型関連団体を招いてのフォーラムや商談会も合わせて開催した。今回は中国・上海も加わるなど海外ビジネスマッチング企画を強化しており、展示会会場は昨年以上に海外との繋がりを深めることができる場所となる。

新企画に海外商談会、各種セミナーなど盛りだくさんの内容で日本のものづくりを支援するイベントとして多くの来場者を見込んでいる。

事前登録は下記のホームページから受け付けをしている↓
http://intermold.jp/jizen

内容豊富な併催行事

1.基調講演(事前登録制)
「今後20年間の航空需要予測とエアバスの製品戦略」
講師:エアバス・ジャパン(株)コミュニケーションディレクター 野坂孝博氏

2.特別講演会(事前登録制)
「FOXCONNの金型づくり」
講師:鴻海(ホンハイ)精密工業 特別顧問 中川威雄氏

3.試作・デザイン・解析&3Dプリンティングフェア 特別セミナー(事前登録制)
「試作・デザイン・解析&3Dプリンティングフェア」会場内にて特別セミナーを開催。
講師:大阪大学・名誉教授 名古屋市立大学・名誉教授 川崎和男氏、(株)ジェイ・エム・シー 代表取締役CEO 渡邊大知氏、(株)ケイズデザインラボ 代表取締役社長 原 雄司氏、ビーサイズ(株)代表取締役 八木啓太氏

黒田精工がユーログループと提携・北米に合弁会社設立

黒田精工(社長=黒田浩史氏)がこのほど、世界的ラミネーションメーカーであるユーログループと世界的規模で提携したと発表した。これにより、同社がユーログループに対して金型の提供および当社独自の型内積層技術を供与する一方、同社およびユーログループの世界的製造・販売ネットワークを使ってグローバルにラミネーション製品(モーターコア等)を販売していくことになる。また、ユーログループの全世界のラミネーション拠点における金型の保守サービス等を当社が提供することも今後検討するとしている。提携の一環として、アメリカ合衆国テネシー州パリスに、モーターコア等のラミネーションを行う合弁会社(Eurotranciatura U.S.A., LLC)を設立。当該合弁会社への出資比率は、当社10%、ユーログループ90%となる。当該合弁会社は新たに工場を設置するのではなく、米国のコンプレッサーメーカーの既存のラミネーション部門を買い取る形とし、既に新体制の下で操業を実施している。売却元のコンプレッサーメーカーへの部品の供給は、ラミネーション部門の買い取り後も長期契約に基づき継続し、これが合弁会社のベース事業となる。同社およびユーログループの北米における顧客に対する製品の供給を合弁会社から行うことにより今後は合弁会社の規模を拡大していく計画である。今回の合弁会社に対する出資に当たってユーログループの出資母体をEurotranciatura Mexico S.A. de C.V.とすることにより、米州でのもう一つの有力生産拠点であるEurotranciatura Mexico S.A. de C.V.とEurotranciaturaU.S.A., LLCとの有機的運営が可能となる。同社は従来から、金型およびラミネーション製品の製造販売を日本国内およびマレーシア・中国において展開しているが、今後世界的に成長が期待されるハイブリッド自動車等のエコカー向けモーターコアを始めとして、ユーザーの海外でのラミネーション製品調達の要請が高まっていることを受け、今回、提携および北米合弁会社の設立により、欧米を含む世界的規模での製造販売ネットワークを強化することを狙いとした。また、今後高効率モーターの製造のために、金型とラミネーションの技術の一層の連携と深化が求められる中、今回のユーログループとの提携で関連技術の更なる高度化を実現し、同社金型事業のビジョンである「高効率積層コアのスペシャリスト」を目指して更なる体制の強化に努めていくとしている。<参考:ユーログループ(Euro Group)概要>世界最大手のラミネーションメーカーの一つ、本社はイタリアのミラノ市。イタリアの他、ロシア、チュニジア、メキシコにラミネーション工場を有し、順送金型・他機能ノッチング・ブランキング等の各種工法による高速精密ラミネーションおよび積層ならびに高圧アルミダイキャスト・らせん巻き・溶接・接合・シャフト圧入等の周辺工程を手がけ、車載・空調用小型モーターから大型産業用モーターや風力発電機・ポンプ・トラクションに至る幅広い最終製品向けのラミネーション製品をグローバルに製造し販売を行っている。設計・工法で多数の特許を保有。中国においては2013 年に伊藤忠丸紅鉄鋼㈱と合弁でラミネーション製品の販売会社を設立し事業を展開している。傘下の子会社を束ね顧客に総合的エンジニアリングサービスを提供するとともに回転機械の設計・効率の技術的進化を目指す。「EURO efficiency team 」をイタリアを本拠に形成。グループ従業員は1200 名、売上高・利益等は非公開。

タンガロイが ヘッド交換式ドリル「DrillMeister」(ドリルマイスター)フランジタイプを拡充

タンガロイ(社長=上原好人氏)は、このほど、ヘッド交換式ドリル『DrillMeister』(ドリルマイスター)に従来のストレートタイプに加え、フランジ付きボディの販売を開始した。

「DrillMeister」は、独自の自己拘束型クランプシステムの採用により、簡単で迅速なヘッド交換を可能にしている。また、工具交換はヘッドを付け替えるのみで、ツールホルダからのドリルボディの脱着や突出し量の調整が不要となることから、工具交換時間を大幅に短縮できる。さらにヘッドは小さな力で取付け・取り外しができ、必要に応じて機上での交換も可能である。

今回拡充を行うフランジ付きボディは、工具径φ10.0-φ19.9mm、加工深さL/D=1.5-8に対応し、様々な被削材での小~中径の穴あけ加工で驚異的な性能を発揮する。フランジ付きボディは強ねじれ溝を採用し、さらに溝面に特殊な磨き処理を施すことで、安定した切りくず排出性を実現している。これによって、特に切りくず排出が難しくなるL/D=5以上の深穴加工時に、抜群の切りくず排出性能を示す。

DrillMeisterは、加工能率の向上だけでなく、工具交換時間の大幅短縮、再研削にかかわる費用を0にできるなど、トータルの加工コスト削減に大きく貢献する。

ケナメタルの鋳鉄加工用「KSSM8+™フェースミーリングプラットフォーム」が8コーナーインサートでコストを軽減に貢献! 

ケナメタルがこのほど新製品を発表した。
新製品名は「KSSM8+™フェースミーリングプラットフォーム」。
8コーナーインサートを備え、低コストで鋳鉄および鋼のワーク材における金属加工性能を実現することに焦点を絞った製品である。

鋳鉄ポンプハウジング、ブレーキキャリパー、タービンハウジング、その他多数の部品は、自動車産業、重機産業、エネルギー産業、流体動力産業といった産業全体にとって重要な基礎コンポーネント。切れ刃あたり最低コストで、最高レベルのミーリング性能を達成することが重要である。

IC10のインサートサイズを使用すると9mm(0.354インチ)の切込み量、 IC12.7のインサートサイズを使用すると6mm(0.236インチ)の切込み量が得られる。大きなリード角(それぞれ88°と87°)があるため、固定具の制限上または部品の設計上90°に近いショルダー加工が要求されるアプリケーションに適している。

8コーナーの両面インサートの設計は、ユーザーに切れ刃あたりの最低コストを提供。また同時に、中切削から仕上げ加工において、LDブレーカ形状のポジすくい面とホーニング刃先による切削抵抗や優れた床面仕上げを実現する。

同社では、「フェースミーリングは、よくある日常的な金属切削加工であるものの、多くの重要な考察が必要な加工でもあります。長い工具寿命を得るために、切込み量は、切削速度および送り量の最大化とのバランスを保つ必要があります。高い表面仕上げ要件は、高い生産効率の達成に織り込まれる必要があります。そのため、新製品KSSM8+プラットフォームには、鋼やステンレス鋼のフェースミーリング用、およびダクタイル鋳鉄の湿式加工や乾式加工用の幅広いインサート材種をご用意しました。KSSM8+は、鋳鉄をミーリング加工する際に好ましい低コストの選択肢であるほか、中密度や微粒子密度のカッター本体を選択することにより、 最適なソリューションになります」としている。

ユーヴィックスが「標準塗料と10倍の反射特性を持つ「UV-C殺菌用反射コーティング塗料」を新発売

ユーヴィックスがこのほど、優れた反射特性により、壁や天井に吸収されることなく、暗く陰になったエリアへもUV-C光を反射させて届けることによって殺菌性を飛躍的に向上させることができる「UV-C 殺菌用反射コーティング塗料『Lumacept』」を発売した。

この「UV-C殺菌用反射コーティング塗料『Lumacept』」は米国LUMACEPT社の製品で、254nmのUV-C殺菌用の他、365nmのUVにも効果を発揮する。

Lumaceptは、UV-C殺菌装置と一緒に使用するために開発されたコーティングテクノロジー。標準の塗料や壁紙は、不可視性の殺菌性UV-C光を93〜97%も吸収する。したがって、UV-C機器が直接照射できない表面は陰になって殺菌効果が弱くなり、殺菌に長時間を要する。通常、陰になっているエリアに届くUV-C光は壁や天井のような表面から反射していくが、反射のたびにUV-C光の多くは吸収されてしまい、陰になっているエリアに届く頃はほとんど何もなくなってしまう。

Lumaceptの場合、殺菌性のUV-C光は複数回の反射の後でも吸収されずに残って、ばい菌が存在している陰の部分にも届く。

主な用途として、病院/病室/介護施設/老人ホーム/研究室などでのUV-C殺菌装置、
工業用UVインクジェット機器、半導体露光装置、UV接着硬化機器、UV塗装用、光触媒用に最適である。

第11回(平成25年度)新機械振興賞 経済大臣賞に日野自動車「尿素を必要としない中小型ディーゼル車用NOx、PM後処理システム」

機械振興協会(会長=庄山悦彦氏)は、このほど平成25年度の新機械振興賞の受賞者を決定し、機械振興会館ホールにて表彰式を開いた。

新機械振興賞は、従来の機械振興協会賞(昭和40年度創設)と中堅・中小企業新機械開発省(昭和45年度創設)を統合し、平成15年度に発足したもので今回が11回目にあたる。

新機械振興賞の表彰対象は独創性、革新性及び経済性に優れた機械工業技術に係る研究開発およびその成果の実用化により新製品の製造、製品の品質・性能の改善または生産の合理化に顕著な業績をあげたと認められる企業等及び研究開発担当者である。

今年度は、経済産業大臣賞に「尿素を必要としない中小型ディ背ル社用NOx、PM後処理システム」(日野自動車)、中小企業長官賞に「プラスチックペレット検査装置の開発」(テクマン工業、山形県工業技術センター)、機械振興協会会長賞に「高品質現場杭の作製管理システム」(敬産興業)、「高靱性電縫管の溶接品質オンライン検査システム(JFEスチール)、「冬期凍結路面でも歩ける安定性義足膝継手の開発(ナブテスコ)、「低圧縮比クリーンディーゼルエンジンの開発」(マツダ)がそれぞれ受賞した。

経済産業大臣賞 「尿素を必要としない中小型ディーゼル車用NOx、PM後処理システム」
日野自動車

推薦 :(一社)日本自動車工業会


●業績の概要
日本および欧米先進国においてディーゼル商用車の後処理装置として尿素SCR(Selective Catalytic Reduction:選択触媒還元)システムが実用化されているが、尿素水のインフラ整備が課題である。この問題を解決するために、燃料を反応促進剤として使用しNOxとPM(Particulate Matter:粒子状物質)を同時低減できる一体型触媒システムの開発を行った。本装置は、尿素水を使わず、NOxとPMを低減できるメンテナンスフリーのシステムであり、経済的である。さらに本装置は、経済発展により車両が急増し、大気環境の悪化が進んでいる新興国の環境対策技術として、今後大いに貢献できると期待できる。

●技術上の特長
NOx、PM同時低減システムにおける最大の特徴は、同一触媒コンバータ上でNOxとPMの同時低減を行うことにある。燃料をDPF(Diesel Particulate Filter:ディーゼル微粒子捕集)の再生とNOx還元剤として使用するため、定期的な尿素水の供給が一切不要であり、従来の車両と同様に燃料のみの供給で走行可能である。

<NOx、PM同時低減触媒の反応>
燃料による触媒の酸化反応とHC-SCR反応(Hydro-Carbon Selective Catalytic Reduction:炭化水素によるNOx選択還元反応)によるNOx還元を両立するために、ウォッシュコート材であるアルミナを微粒化し白金粒子を広く分散させることにより燃料の酸化反応を確保し、かつ機能性材料として塩基性金属酸化物であるセリア(酸化セリウム:CeO2)の添加により、白金触媒そのものの局所的な酸化力を弱め、セリアからの活性酸素の供給を行うことで中間体である含酸素化合物の生成を促進しNOx低減反応を進行させる触媒設計を行った。その結果、PM酸化では、セリアから放出した活性酸素により、触媒上でPMの酸化を行うことで燃焼温度の低下を実現した。また、NOx還元は、含酸素中間体を経由して反応が進行するため、セリアから放出した活性酸素により、含酸素中間体を形成しやすくなり反応が加速する。そして、部分酸化したHCが後段のHC-SCR触媒に導入され、大幅なNOx還元が促進する。このようにして、同一触媒上でNOxとPMの同時低減を実現し、定期的な尿素水の供給が一切不要な中小型ディーゼル車用のメンテナンスフリーシステムを実現した。

●実用上の経済性
本技術が、現在市場で使用されている国内の中、小型のディーゼル車において、DPF上のPMを燃焼再生するための燃料消費が28%低減可能なことから、中、小型車両が運転時における年間の燃料削減分を推定すると、年間で軽油を4.5kL、CO2を11,600トンの削減に貢献している。また、従来の尿素SCRシステムと比較した場合の経済性を以下に示す。

(中型車両で年間10万km走行として試算)
・後処理システム:30%コスト減(尿素SCR対比)
・ユーザメリット:メンテナンス費用 20千円/年減(尿素フィルター交換等)、尿素水の消費 40千円/年減、尿素水の欠乏の心配が不要、軽量化:80kg減、省スペース:約50L減。

中小企業長官賞 「プラスチックペレット検査装置の開発」 
テクマン工業/山形県工業技術センター

推薦 :山形県工業技術センター


●業績の概要
これまでの透明プラスチックペレット、カラープラスチックペレットの検査装置は、検査精度が低く、高品質の要求に応えられていなかった。この問題を解決するために、従来のペレット検査装置をベースにして、独自照明技術や高度な画像処理技術を導入することにより、これまで実現されていなかった透明プラスチック検査装置の開発に成功した。また、カラーカメラのRGB信号をYUVという色空間へ変換して、輝度成分と色調成分に分離して検査するカラープラスチック検査装置を開発した。この結果、自動検査の実現、検査コストの低減、成形後の検査で発生する仕損の大幅な低減等が実現できた。

●技術上の特長
<透明プラスチックペレット検査装置の開発>
従来のペレット検査装置は、材料をホッパから供給して自由落下させたプラスチックペレットを撮影ブース内通過時にカメラで撮影し、画像処理によって異物を検出し、エアイジェクタを起動して吹き飛ばし、異物を除去する仕組みである。従来はモノクロカメラを用いて、そのコントラストの変化を検出することで異物を除去していたが、ペレット自体がレンズの様な光学特性を示し、高コントラストに観察されるために異物との識別が困難な状況になっている。このため、リアルタイム処理を可能とした画像処理システムを開発し、透明プラスチックペレットに対して周囲から均一な照明を行うことのできる、無影照明システムを試作した。その結果。従来、非常に高コントラストで観察されていたペレットが、影のない無影画像として観察できることを確認した。この実験結果を踏まえて、従来の自由落下方式の装置にこの無影照明用の撮影ブースを適用し、透明ペレット検査装置を開発した。

<カラープラスチックペレット検査装置の開発> 
従来のモノクロカメラを用いたシステムでは、輝度情報しかないために感度のダイナミックレンジが狭く、調整が難しいと言う課題があった。カラーペレットに対応するシステムでは、カラーカメラを採用し、カラー画像に対応した異物検出装置を開発した。カラーカメラのRGB信号は、一旦YUVという色空間へ変換して、輝度成分と色調成分に分離して検査する。また、カメラで撮影される画像に映り込む色は、基本的に背景と検査対象となるペレットの色になる。従って、どちらかに該当すれば、それは検査では除去対象ではないという考え方に基づいて、良品を元に透過型フィルター形式の画像処理アルゴリズムを構築し、専用の画像処理ボードのFPGA(Field Programmable Gate Array)に実装し、高速化した。

●実用上の経済性
本装置の開発により、従来、実現できていなかった透明プラスチックペレットやカラープラスチックペレットの自動検査が容易に行えるようになった。これにより、高付加価値製品向けに行われていたペレットの目視検査やプラスチック成形製品の品質検査への負荷が大幅に低減した。また、品質確保の手段が確立したことにより、光学部品、医療、食品用包装材、高級外装品、携帯電話ケース等における品質保証にも寄与し、需要の拡大が期待できる。さらに、自動車のバンパーなどの粉砕材のリサイクル用途での検査目的等でも評価依頼があり、市場の拡大が期待できる。

機械振興協会会長賞 「高品質現場杭の作製管理システム」 
敬産興業

推薦 :(一社)日本基礎建設協会


●業績の概要
現場造成杭は、建設現場にて掘削・鉄筋カゴ建込・生コン打設等により形成されるが、杭底に沈降するスライム(砂分を含む泥水)の除去が確実に行われないと不良杭が発生する問題がある。この問題を解決するために撹拌式スライム処理ポンプ(スライム・リモポンプ)を開発した。このポンプは、11kwのサンドポンプの軸部に機械羽(スクリュー)を取り付け下方へ水流を起こし、沈降したスライムを浮遊させ吸い出すことができる。また、吸い出した安定液(土が崩れるのを防ぐ粘土を混入した液)内から砂を分離するサイクロンを用いた砂分離装置(ベントリープラント)を開発した。この結果、不良杭の発生を大幅に減少させることができた。

●技術上の特長
スライムは粘り気のある液体で、通常のポンプではきれいに吸い上げるのが非常に難しい液体である。そこで、溜まった砂をかき回して均一化し、砂を吸上げるための攪拌式スライム処理ポンプを開発した。攪拌式スライム処理ポンプは、主に以下の3つの機構から成り立っている。

11KWのサンドポンプの軸部に、
①スクリュー羽を取り付け、下方へ水流を起こす。
②羽の周りにシュラウドリングを配置し、下方に水流をガイドする。
③錐体形の水流ガイド盤に沿って水流は、杭底に渦を起こしながら沈んだスライムを浮遊させ、そしてスライム処理ポンプで吸い出す。
スクリュー羽の長さ、枚数。シュラウドリングの位置、幅。錐体形の形状は、色々な組み合わせを試行錯誤しながら決定した。

<二連式スライム処理ポンプ(リモ・ダブルス)>
建物の高層化が進み杭径が最大3000㎜、拡底径も最大4700㎜と大きくなり、それに対応するために開発したのが、二連式スライム処理ポンプ(リモ・ダブルス)である。下部にスライム・リモポンプを付け、水面から10m位の位置に2段目の11kwスライム・リモポンプを介して能力を倍増させている。

<砂分離装置(ベントリープラント)>
安定液内から砂分を分離するためにサイクロンを使用し、粒径0.075㎜から2㎜の砂分を取り除いている。砂分離装置は水槽内を二分割しており第1分離槽へ振動ブルイを通して回収した安定液を4基のサイクロンを通して砂分の少ない液を第2分離槽へ送る。さらに4基のサイクロンを通して貯留槽へ良液を送る。このようにして砂分を分離することにより、高品質の杭ができる。また、安定液内の砂分率を1%以下に管理した水は再使用できる。

●実用上の経済性
スライム処理時の吸上げ方が撹拌水流を利用しているため、他社より小さなポンプで吸い上げることができ、そのためリース代も安く設定できる。また施工不良杭ができる確率が格段に下がるために無駄な費用が掛からず経済的である。
従来のスライムを沈殿待ちするやり方より、良液置換を行う方が良いとの認識が一般的となり、職人感覚から数値管理を意識する道具を使いこなすことで作業員のモチベーションが上がり、効率的である。

機械振興協会会長賞 「高靱性電縫管の溶接品質オンライン検査システム」 
JFEスチール

推薦 :(一社)日本鉄鋼協会


●業績の概要
電縫管は、石油・天然ガスの輸送に用いられるラインパイプなどの鋼管であるが、溶接部品質を全長に亘りその品質を保証する技術がない等の問題があった。この問題を解決するために、溶接部の低温靭性を非破壊的に評価可能な超音波による微細酸化物分布計測システムを構築し、電縫管の溶接品質をオンラインで全長検査できるシステムを世界で初めて実現した。本技術はフェーズドアレイ技術を活用した高感度な超音波探傷システムであり、低温靭性を支配している数μmの微小な酸化物の分布状況を、鋼管の製造中、リアルタイムに全長に亘って検出および記録可能なものであり、電縫鋼管の信頼性を飛躍的に向上させることができた。

●技術上の特長
本検査システムは検出対象についての基礎研究、フェーズドアレイ超音波探傷による検出技術開発、オンライン適用システム化開発を積み重ねることで実現した総合技術であり、以下の技術から成る。

<フェーズドアレイ技術を活用した高感度超音波探傷システム>
アレイ探触子の複数の振動子から斜角超音波ビームを溶接部に向けて送信し、溶接部での正反射方向の延長線に位置する別の振動子で受信するいわゆるタンデム探傷を行う。この時、送信の振動子群と受信の振動子群の位置を適切に切り替えることにより、溶接部の内面から外面までを走査するようにし、さらに溶接部で集束するように設定を行う。管軸方向の集束については、音響レンズを用いている。各ビームの入射角は、管の曲率やモード変換の影響を受けないように、屈折角が45゚近傍となる値に設定し、全てのビームで入射角が一定になるようにビーム制御を行っている。この開発により、点集束ビームを用いて、製造中の電縫鋼管に対して溶接部の肉厚方向および管軸方向の断面を2次元的に漏れなく探傷し、酸化物の分布状態をマッピングできるようになった。

<オンラインシーム(継ぎ目)追従システム>
点集束ビームタンデム法で電縫鋼管の全長保証を行うためには、製造中オンラインでの適用技術が必要である。電縫鋼管製造設備においては、鋼板を突き合わせた溶接部の位置が造管方向に対して左右に数10mmの範囲で変動するため、探触子の周方向位置を追従しなければならない。熱画像によるシーム検出は、入熱最大の位置が真のシーム位置であることから正確なシーム位置検出が可能となる。このために探傷とは別にシーム検出用の超音波探傷を行い、溶接部にわずかに残留する品質に影響しない酸化物からの反射信号を用いて探触子ヘッド部でのシーム位置を正確に求めるようにした。このように、熱画像を用いた高精度シーム検出技術、同時複数受信による周方向高速走査技術、超音波のベース信号に基づく位置補正技術を開発し、オンライン検査を実現した。

●実用上の経済性
本システムの検査により、悪環境ラインパイプ分野において電縫鋼管を継目無鋼管・UOE鋼管に代替して適用することが可能となり、以下の経済効果が期待される。
・製造コスト低減:6億円/年(3万t/年×2万円/t)
・パイプライン施工時におけるコスト削減:65.2億円/年(対継目無鋼管 3万t/年前提)

機械振興協会会長賞「冬期凍結路面でも歩ける高安定性義足膝継手の開発」 
ナブテスコ

推薦 :日本福祉用具・生活支援用具協会


●業績の概要
大腿部で切断した義足使用者は、義足に体重をかけたときに自分の意図に反して膝が曲がり転倒する“膝折れ”の心配がない義足を望んでいる。最近は膝折れがしにくい(立位安定性)に優れた多節リンク式の製品が数多く使用されている。しかし、これらは平坦な路面や緩やかな傾斜面での使用に限られており、冬期の積雪や凍結した路面では転倒の危険性がきわめて高い欠点がある。この問題を解決するために、独自の6軸リンク機構と油圧の組み合わせによる義足膝継手を開発した。その結果、冬期に凍結した路面でも滑らずに安心して歩け、夏期や屋内などの非凍結路面では一般用義足として使用できる両用の義足を提供できた。

●技術上の特長
冬期凍結路面での歩行分析から考案した独自の6軸リンク機構と油圧の組み合わせにより、冬期に凍結した路面でも滑らずに安心して歩ける義足膝継手を開発した。以下の3つの特徴がある。

(1)独自6軸リンク機構⇒立位時に膝を軽度(~10°)に屈曲ででき、安定性が高い
(2)油圧特性の最適化⇒蹴りだし時に滑りにくく、前に進みやすい
(3)膝完全ロックの選択機構⇒雪を蹴散らせる、路肩などの凹凸面でも安心

<独自6軸リンク機構>
従来の大腿義足では、膝を完全に伸ばしたまま歩かないと膝折れが起こるが、完全伸展(0°)だと踵を接地したとき靴底が点で接地するので滑りやすい問題があった。そこで、独自6軸リンク機構により、踵接地したときに最大10°で軽度に屈曲できるようにした。これにより、踵接地した瞬間に靴底が面で接地し、接触面積が増大するので滑りにくくなった。

<油圧特性の最適化>
一般に義足膝継手は義足の遊動制御に油圧シリンダが使われるが、冬期凍結路面では遊動開始時(蹴りだし時)の油圧特性が滑りやすさにつながるという問題があった。すなわち、蹴りだし時には、油圧抵抗に抗して強い力で蹴りだすことにより膝を曲げ、遊動に入る必要があった。今回、小型の油圧シリンダを開発し、義足使用者の感覚に合わせて油圧特性を調整することにより、小さい蹴りだし力で遊動に移行できるようにした。その結果、蹴りだし時に滑らず、前方に移動しやすくなった。

<膝完全ロックの選択機構>
必要な場面では使用者自身がレバー操作により膝を機械的にロックできる機能を付加した。なお、この完全ロック状態でも立位時の軽度屈曲は実現され、滑りにくい機能は継続される。

●実用上の経済性
1)冬期凍結路面に対して優れた特性を有しており、凍結凹凸路面での安全確保、雪を蹴散らしながらの歩行・靴底の滑り防止など、今までになかった冬用義足を提供できた。

2)立位安定性重視の一般用義足、特に切断初期訓練用義足、高齢者義足として実用化できた。

3)産業分野向け製品で培った先端技術(3次元CAD/CAM、精密加工技術、複雑形状成形技術、油圧技術)を応用し、義肢装具業界の技術レベル向上に貢献できた。

機械振興協会会長賞 「低圧縮比クリーンディーゼルエンジンの開発」
マツダ

推薦 :(一社)日本自動車工業会


●業績の概要
従来ディーゼルエンジンは、圧縮比が高く燃料も着火しやすいので燃料が十分混ざる前に着火してNOxや煤が多く排出されるという欠点があった。この問題を解決するために、低圧縮比にして空気と燃料が良く混ざるまで着火しないようにし、希薄化と低温燃焼を実現してNOxと煤を同時低減することを目的に開発した。低圧縮比化の課題として極冷間の始動性、着火安定性を確保する必要があり、冷間時のみ高圧縮比と同じ温度、圧力を実現する手段が必要であった。この課題に対して、多段噴射、アフターグロー等の従来技術に、ディーゼルエンジン初の排気2度開き可変バルブリフト(残留ガス利用)、過給技術を組み合わせて着火安定性をブレークスルーした。その結果、高効率、 低排出ガス、高トルクなエンジンを開発できた。

●技術上の特長
従来のディーゼルエンジン(DE)は、圧縮比が高いので、ピストン上死点における圧縮温度、圧力が非常に高くなっている。この状態で燃料を噴射すると、空気と十分混ざる前に自己着火してしまい、NOxや煤が発生する。そのため、圧力、温度が下がるのを待って燃焼せざるをえず、燃費が悪くなっていた。圧縮比を下げた場合は、ピストン上死点における圧縮温度、圧力は低くなり、上死点付近で燃料を噴射しても十分なミキシング時間が確保でき、酸素が充足された状態で燃えるので、NOxと煤が減少する。また、上死点付近での噴射と燃焼が可能であるため、実質の仕事量(膨張比)は従来DEよりも大きくとれて高効率である。このように低圧縮化すれば多くのメリットがあることから、DEの圧縮比は年々低下傾向にあったが、圧縮比14の実現は困難であった。これは、極冷間時に着火安定性が確保できない、低外気温時や冷間状態の時に着火遅れが大きく延びて着火安定性を損なうなどの課題があったためである。新型クリーンディーゼルではこれら課題を下記の技術によってブレークスルーして、世界初の圧縮比14を実現した。

<極冷間の始動・着火安定性の確保>
着火性を確保するには、着火可能な混合気濃度、筒内圧力、筒内温度を作れば良い。極冷間での着火性の確保を、主に以下の2つの技術により達成した。

1)多噴孔ノズルおよびピエゾインジェクタを活用した近接マルチパイロット噴射
多噴孔かつ多段噴射(10ノズル、3段噴射)にすることで、噴霧の到達距離が短くでき、着火可能なリッチ雰囲気の混合気濃度を増大でき、着火安定性が改善できた。

2)排気2度開きによる残留ガス量の増加
排気バルブ2度開き機構は、吸気行程で排気バルブを微小リストさせ、排気ガスを再度シリンダ内に導入して筒内温度を上昇させるもので、排気バルブ2度開きで排気を還流させることで、極冷間での着火安定性が改善できた。

●実用上の経済性
本新型クリーンディーゼル(SKYACTIV-D、2012年2月発売)の発売前後の2011年から2012年での、全新車販売台数におけるクリーンディーゼルの普及率は0.4%から1.9%に急増している。この中で、本新型クリーンディーゼル(SKYACTIV-D)は1.3%を占めている。以上より、本新型クリーンディーゼル(SKYACTIV-D)は、政府より課せられた普及率最大5%の国内市場へのディーゼル乗用車の普及に大きく貢献している。