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「第15回国際工作機械技術者会議」の焦点は基盤技術!
第15回国際工作機械技術者会議が11月2日(金)・3日(土)の2日間、東京ビッグサイト・会議棟(レセプションホールA)で開催される。これは日本工作機械工業会が世界の工作機械技術の向上に資することを目的としてJIMTOF会期中に開催しているもので、世界から工作機械関連の研究者、技術者、ユーザーが集い技術交流を行う産業界主導の国際会議で、今回で15回目を迎える。今回は工作機械の基盤技術に焦点をあて、「工作機械に確信をもたらす基盤技術」を総合テーマとして開催する。オーラルセッションでは「工作機械の明日を考える」をキーノートセッション、「工作機械の精度評価と補償技術」、「びびり振動フリー技術」、「工作機械と新素材加工における高効率化技術」の3つのテーマをテクニカルセッションとして議論を深める。また、ポスターセッションでは、11月1日(木)~6日(火)まで東京ビッグサイト「東3展示ホール」で、これらの総合テーマ、各セッションテーマに関連するものを含めて、工作機械本体とその要素技術から、加工技術、計測・評価技術、ツーリング技術まで、工作機械関連の幅広い研究成果が発表される予定だ。Ⅰ オーラルセッション【開 催 日】2012年11月2日(金)・3日(土)【会 場】東京ビッグサイト・会議棟「レセプションホールA」(1階)【参加定員】250名(先着順で参加定員になり次第締め切り)【テ ー マ】総合テーマ「工作機械に確信をもたらす基盤技術」キーノートセッション「明日の工作機械を考える」テクニカルセッション①「工作機械の精度評価と補償技術」テクニカルセッション②「びびり振動フリー技術」テクニカルセッション③「工作機械と新素材加工における高効率化技術」■参加料・日工会会員(1名)1日のみ参加=10,000円、2日間通して参加=20,000円。・後援団体会員(1名)1日のみ参加=15,000円、2日間通して参加=30,000円。・一般(1名)1日のみ参加=20,000円、2日間通して参加40,000円。・海外(1名)1日のみ参加=10,000円、2日間通して参加=20,000円。・学生(1名)1日のみ参加=1,000円、2日間通して参加=2,000円。*なお別売りの論文集は学生は5,000円、それ以外は10,000円。■申し込み及び問い合わせ先(一社)日本工作機械工業会 技術部 国際工作機械技術者会議事務局〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館電話:03-3434-3961 FAX:03-3434-3763E-mail:imec15@jmtba.or.jp URL:http://www.jmtba.or.jp/
医療分野に的を絞った機種の展示と複合化が目立った「IMTS2012」
日本工作機械工業会(会長=横山元彦氏)が9月10日~15日の5日間、シカゴで開催された「IMTS2012(International Manufacturing Technology Show)」の概況をまとめた。
(1)今回の主な出展物は、従来と同様、市場に受け入れられやすい「実用化された製品の出展」が中心。多数の実機が展示され、加工の実演も多くみられた中で、複合化や自動化の提案が目立ったほか、医療分野に的を絞った機種の展示も多く見られた。他方、環境や省エネを意識した展示については、散見された程度。
(2)海外メーカーでは韓国の現代、ドゥーサン、サムスン等の多数のメーカーが大きなブースで出展しており、性能の向上もうかがわれた。他方、中国メーカーでは大連机床や瀋陽机床の大きなブースでの出展があったが、前回に比べて出展者数は減少した模様。
(3)会場は、初日から各ブースとも、大勢の来場者で混雑して、熱気に溢れ、入場者数は前回比の大幅増。東西南北に分かれた広大な各館に、世界格好のメーカーの出展ブースが並び、いずれも多くの来場者で賑わって、IMTSの復活ぶりを印象づけた。
(4)現地では、米国の景気がここ2~3年は好調に推移すると見込まれており、一般機械、自動車、航空機など、主要業種の設備投資も活発。会員各社の商談も、中身の濃いものが多かった模様。
(5)学生の見学者も多数来場。

日立建機がダンプトラック自律運転の技術開発を推進 -2013年度から稼働試験開始-
ダンプトラックの自律運転とは、車両に搭載した各種車体制御システムと管制システムを通信技術でつなぎ、走行や荷の積み下ろしなど、鉱山現場で必要な作業を運転手が乗っていない状態でも可能にするもの。これにより、高い安全性の確保と鉱山運営の高効率化を実現する。鉱山業界の顧客からは、現場がどのような稼働条件であっても、高い安全性、生産量および生産効率を得たいという要望があり、運転手が乗った状態と同等の運行を可能とする技術開発は、この要望に応えたもの。
同社は、日立製作所の先進技術を取り入れたACドライブダンプトラックシステムや、多くの実績を持つカナダの子会社ウェンコ・インターナショナル・マイニング・システムズ社(Wenco International Mining Systems Ltd.)の鉱山運行管理システムなどをベースとして、顧客が満足するソリューションを、今後段階的に提供するとしている。自律運転の現場での稼働試験は、2013年度から開始する予定。
8月分工作機械受注総額は962.6億円 日工会
日本工作機械工業会がまとめた8月分の受注実績は以下の通り。2012年月8月分工作機械受注総額は962.6億円(前月比△9.0%・前年同月比△2.7%)となった。受注総額は、本年1月以来、7ヶ月ぶりの1,000億円割れ。季節要因のほか、スポット受注の剥落の影響により前月比減少。【8月分内需】294.5億円(前月比△9.2% 前年同月比△21.6%)■内需総額・前月比2カ月連続減少。前年同月比3カ月連続減少。・7カ月ぶりの300億円割れ。・季節要因もあり、主要業種をはじめ多くの業種で前月比減少。①一般機械 131.6億円(前月比△11.0% 前年同月比△20.1%) うち金型 17.6億円(前月比△20.4% 前年同月比△16.8%)②自動車 90.4億円(前月比△8.8% 前年同月比△29.6%) うち部品 57.7億円(前月比△0.5% 前年同月比△38.5%)③電気・精密 26.9億円(前月比△0.6% 前年同月比△21.2%)④航空機・造船・搬送用機械 7.8億円(前月比△47.6% 前年同月比△21.6) 【8月分外需】668.2億円(前月比△8.8% 前年同月比+8.9%)■外需総額・前月比2カ月連続減少。前年同月比8カ月連続減少。・7カ月連続の700億円割れ。・前月から北米は増加したが、アジア、欧州で減少。①アジア:369.0億円(前月比△17.0% 前年同月比+15.4%)・東アジア:274.8億円(前月比△17.6% 前年同月比+19.1%)〈中国〉:236.4億円(前月比△22.2% 前年同月比+19.5%)・その他アジア:94.1億円(前月比△15.2% 前年同月比+5.7%)〈タ イ〉:46.2億円(前月比+49.2% 前年同月比+144.7%)〈インド〉:24.8億円(前月比△28.4% 前年同月比△45.0%)②欧州:78.4億円(前月比△10.7% 前年同月比△35.9%)〈ドイツ〉:28.6億円(前月比△4.1% 前年同月比△42.1%)③北米:212.9億円(前月比+13.0% 前年同月比+37.6%)〈アメリカ〉:180.1億円(前月比+9.8% 前年同月比+25.6%)
オーエスジーとセスクワのコラボレーションセミナー「WorkNC Lab.」 120人を超える聴講者で賑わう
オーエスジーとセスクワのコラボレーションセミナーである「WorkNC Lab.」が9月14日、オーエスジーグローバルテクノロジーセンターで開催され、120人を超える聴講者で賑わった。
毎年1回開催しているこの研究会は、顧客に新しい加工方法の紹介、提案をする会として2008年にスタートした。過去4回のセミナーで延べ350人以上が集まった実績のあるセミナーである。
今回の「Lab.4」では“コスト競争に勝ち抜く=生産コストを下げていかに受注増に繋げるか”をテーマに5軸加工機、モデルには形状加工とスライドコアをイメージし、工具・CAMだけでなく割り出しを使用した段取り短縮、またいかに効率よくフライス、タップ、ドリルを使って生産コストを下げるかを考慮した内容のセミナーとなった。
併せてオーエスジー グローバルテクノロジーセンターの見学会も実施し、参加者は「HERMLE C30」 でのサンプル同時5軸加工を体験した。
日立ツールが鋼一般ミーリング加工用材種「GX2140」を発売
日立ツール(社長=田中啓一氏)がこのほど鋼一般ミーリング加工用材種 「GX2140」を発売した。
自動車産業をはじめとして広く使用される金型は、目的に応じた様々な硬度の鋼材が用いられおり、プラスチック金型材に代表されるSC材・SCM材や硬度35HRC未満の工具鋼が多く使用されており、このような鋼種のミーリング加工は、コーティング膜の酸化や逃げ面摩耗が進行することで、工具寿命が決定付けられる。
同社が開発した「GX2140」は、このような逃げ面摩耗の進行で工具寿命に至る本金型材料加工分野だけでなく、類似の鋼材種が使用される部品加工分野において、CVD法を用いた耐摩耗性に優れる新開発の微細化柱状組織硬質皮膜と、膜密着性に優れる厚膜のαアルミナを適用することによって、インサート工具の耐摩耗性と耐熱性を改善する。また、熱衝撃によるヒートクラックの進行を低減した靱性の高い超硬母材を採用することにより、安定した工具寿命が得られる。
特長は以下のとおり。
(1)耐摩耗性に優れる微細化柱状組織硬質皮膜の採用
コーティング膜の結晶粒径を微細化した柱状組織を有する微細化柱状組織硬質皮膜の採用により、皮膜硬度が向上し耐摩耗性が優れ、工具の損傷を低減させている。
(2)高温環境下で長寿命
耐熱性に優れるαアルミナ膜を厚膜化することにより、耐熱性を従来比の2倍に高めている(同社評価基準において)。そのためクレーター摩耗や逃げ面摩耗の発生を抑制することで高能率加工に対応できる。
(3)平滑αアルミナの採用
耐溶着性に優れるαアルミナ膜の膜表面を平滑にし、被削材の溶着を低減する。そのためコーティング膜の剥離が抑制され、膜剥離に伴う工具損傷を抑制している。
(4)高能率加工に対応、長寿命化
靱性が高く、熱衝撃による工具刃先のヒートクラック発生を抑えたM40相当の超硬母材を採用し、刃先のチッピングや欠損が抑制され、安定した工具寿命が得られる。
(5)寿命
鋼一般ミーリング加工の場合、従来品と比較して乾式切削にて1.5倍以上の寿命を実現しました(当社評価基準において)。
価格は966~1,943円(消費税込み)。
型技術協会が「もう一度基礎から学ぶ金型加工」の受講者を募集
型技術協会が型技術の設計製作に携わる技術者を対象とした基礎講習会を9月28日(金)に新大阪丸ビル新館で開催する。この講習会は入社1~2年程度の若手技術者や技術はわかっていても理論を理解したい、もう一度基礎を固めたいといった中堅技術者に適した構成となっている。基礎講習会では、金型加工に不可欠な「切削加工」をメインテーマとして、基本的な原理や事例を含む応用的な基礎技術について3つの講義で紹介する。また、工具メーカと工作機械メーカの方々を講師に迎え、基礎技術と最新技術の関連性を学びながら、最新技術の特徴や導入のメリットを考える加工現場に役立つ豊富な内容となっている。・日時 9月28日(金) 13:00~17:30・場所 新大阪丸ビル新館 3階 307号室(大阪市東淀川区東中島1-18-27)●13:00~14:20 「切削加工の基礎」 日本大学 松田 礼 氏 【講義の概要】「切削とはどのような物理現象なのか?」、「切れ味が良いとはどのような状態を指すのか?」等のような切削加工(金属切削)の基礎について説明する。切削加工の特長や二次元切削モデルを使った切削現象の基礎理論、切削温度や工具の摩耗・損傷、表面粗さ等、工学系大学で学習する内容をベースに講義をする。●14:35~15:55 「エンドミル加工の基礎」 オーエスジー 今泉 英明 氏【講義の概要】エンドミルの各部の名称、エンドミルの種類、切削速度、1刃当りの送り量の求め方と言いった基礎知識をはじめ、切削条件と工具寿命および加工品位の関係、刃長(突き出し長さ)と切削性能、ねじれ角ならびに刃数の違いに見られる切削特性などエンドミル加工の基礎を切削事例や身近な体験事例をもとに解説する。●16:10~17:30 「工作機械の仕組みと最新の加工事例」 牧野フライス製作所 石田 修也 氏【講義の概要】近年のマシニングセンタは高速化、高精度化、高品位化をターゲットにさまざまな技術革新が図られ、数年前のそれと比べ大きく様変わりしている。しかしながら、加工現場に対する要求もいっそう厳しくなっているため、この状況を打破するためには機械の性能ならびに特徴を理解し、持てる能力を最大限に発揮させることが必要である。本講演では、機械加工及びマシニングセンタの進化・発展の歴史をたどりながら、これからの金型加工に対する要求を考え、これに答える同社のマシニングセンタにおける最新技術と最新加工事例を紹介する。■参加費■いずれもテキスト1冊を含む ・会員 15,000円 (会員の対象は主催・協賛団体会員です) ・一般 25,000円 ※ 個人会員A入会申込付き 27,000円(希望者は事務局まで問い合わせること) 内訳:参加費15,000円+入会金3,000円+8月入会時月割年会費9,000円。■申込締切日■2012年9月21日(金)※申込締切日後のキャンセルは不可。定員は30人。■申込方法■下記にオンラインで申し込むこと。http://www.jsdmt.jp/14kiso/jsdmt-kiso11.cgi■問い合わせ先■一般社団法人 型技術協会〒231-0011 横浜市中区太田町6-79 アブソルート横濱馬車道ビル201号室電話:045-224-6081 FAX:045-224-6082 Eメール:info@jsdmt.jp
人の両腕のような複雑作業に対応! 「アスタコNEO」を発売 日立建機
日立建機(社長=辻本 雄一氏)は、双腕仕様機ZX135TF-3(呼称:アスタコNEO〔ネオ〕)をこのほど発売した。
アスタコNEOは、ベースとなる13t級油圧ショベルと同等のパワーを持つ主腕と、それを補助する副腕の組み合わせにより、単に2つのアタッチメントを同時に使用できるだけでなく、主腕でつかんだ対象物を副腕で切るなど、人の両腕のように、より複雑な作業にも対応することができる。
この双腕仕様機「アスタコNEO」を使用することにより、今まで複数の重機を用いて、あるいは人手作業に頼っていた産業廃棄物の中間処理作業など、複雑な仕分け作業を安全かつ効率的に行えるようになる。
生まれたばかりのアスタコNEOの活用方法はアイデア次第で、将来に向けて無限大の可能性を秘めており、まさに油圧ショベルの歴史を変えるロボット化への挑戦といえよう。
<主な特長>
1.安全性向上
今まで人手作業に頼っていた産業廃棄物の中間処理作業など、複雑な仕分け作業に対して、機械化が図れる。
2.作業効率向上
対象物を機械で所定場所までハンドリングし、人手による加工作業を行った後、再び機械で戻すような作業に対して副腕に適応するアタッチメントを用いることで、機械だけで一連の作業が行えるようになる。
3.経費削減
重量物ハンドリング用と細かい作業用の2台の重機を使用していた作業に対して、アスタコNEOで置き換えられれば、2台分の維持費が1台分で済む。
4.省スペース
作業スペースが限られた現場においても、1台分のスペースさえあれば、2つのアタッチメントを用いた作業を行うことができる。
5.多様な作業が可能
2つのアタッチメントが必要な作業や片方で支えて他方で切る、あるいは片方で押さえて他方でつまみ出すなど、様々な作業に対応することができる。
*なお、 写真の主腕と副腕に装着している解体用アタッチメントはオプションであり、
製品には含まれない。
モリテックスが「CE-14X8 R/W/B」を新発売
モリテックスが半導体製造装置や液晶製造装置、電子部品実装機、製造ラインなどの画像処理関連分野向けに、定電圧方式のLED照明であるMCV-Lightシリーズの同軸照明ラインナップとして、「CE-14X8 R/W/B」を9月中旬より発売する。
「CE-14X8 R/W/B」は、画像処理で使われる当社製テレセントリックレンズMMLシリーズとの適合性を追求した同軸照明で、視野内照度の均一性を高めた。また、製品の小型化を図り、全長を27mm に収めたことにより、従来型の小型同軸照明であるMCEL シリーズの全長に比べて10%、MCEC シリーズ比で約20%の小型化を実現した。加えて、装置への搭載が容易となるようケーブルの取り出しが光軸に対してL字方向となる構造を採用した。
7月分超硬工具主要統計
超硬工具協会がまとめた7月分超硬工具主要統計は以下の通り。【超硬合金重量】511トン(前年比99.0)。【超硬工具生産額】切削工具191億6200万円(前年比101.1)、耐摩工具30億3000万円(同94.0)、鉱山土木工具6億2100万円(同95.4)、その他工具5億円(同93.6)、焼結体・工具18億9300万円(同112.9)、合計252億600万円(同100.7)。【輸出入】輸出70億5000万円(前年比91.2)、輸入42億2300万円(同111.0)。【超硬工具出荷額】切削工具185億2100万円(前年比99.4)、耐摩工具29億8400万円(同93.9)、鉱山土木工具6億6500万円(同95.8)、その他工具3億7700万円(同83.8)、焼結体・工具20億2400万円(同115.7)、合計254億7100万円(同99.5)。【刃先交換チップ】生産2868万1000個(前年比102.8)、出荷2643万2000個(同91.7)。
