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日立ツールが新製品ラッシュ! マシニングセンターの能力をフル活用『アルファ デュアルフェイス ミル ASDF/H形』他
日立ツール(社長=田中啓一氏)が、続々新製品を発表している。
高能率なマシニング加工を実現するための工作機械の剛性や主軸特性に合わせた加工方法、工具の選定が重要になるが、同社は、1種類のインサートで高送り加工(ASDF形)と高切込み加工(ASDH形)の2種類のホルダに対応し、加工環境に合わせた高能率加工を可能とした刃先交換式正面フライス『アルファ デュアル フェイスミルASDF/H形』を発売した。
特長は以下のとおり。
ASDF形とASDH形で使用可能な共用インサート
1種のインサートで高送りと高切込みの2つのアプリケーションに対応可能であり、「ASDF形:」は、従来正面フライスに比べテーブル送りを大きくすることで能率向上が可能な高送りタイプ、「ASDH形」は、 従来正面フライスに比べ切込み量を大きくすることで能率向上が可能な高切込みタイプであり、工具管理の負担を軽減する。
耐久性に優れた大型インサート
内接円直径16mmサイズで、厚さ7mmの大型インサートにより破損トラブルを低減する。
経済性に優れたデュアルフェイスインサート
表裏両面で計8コーナの使用を可能である。

平面切削を主とする粗/中仕上げ加工(機械部品、自動車部品、金型等)に威力を発揮するこの工具の価格は、 ホルダ ・ボアタイプ(φ63~160): \69,510~\173,250、インサート SNMU1607EN-C: \1,764、SNGU1607EN-C: \2,793(いずれも税込)。
穴加工と面取り加工を一度に加工できる超硬段付きドリル『段付きボーラー STB(H)-ATH』
同社は他にも部品及び金型におけるタップの下穴など穴の入り口に面取りが必要な加工に威力を発揮する『段付きボーラー STB(H)-ATH』をこのほど新発売した。
この製品は、通常、ドリルでの穴加工の後に面取り工具にて面取り加工を2工程で行っていたものが、超硬段付きボーラーを使用すると1工程にて穴加工と面取り加工が可能になるというもの。超硬ノンステップボーラーの刃溝形状の採用により、切りくずの排出性が向上し、切りくず詰まり等のトラブルが軽減される。また、ATHコーティングの採用により膜の密着性、耐熱性および耐摩耗性の向上により長寿命で安定した加工を実現した。
特長は、①穴加工と面取り加工を一度に加工が可能、②超硬ノンステップボーラーの刃溝形状の採用により、切りくず排出性が向上し、切りくず詰まり等のトラブルが軽減される、③ATHコーティングの採用により膜の密着性、耐熱性および耐摩耗性の向上により長寿命で安定した加工を実現した――である。
段付きボーラーは、STBH-ATH:φ3.4~φ10.3 内部給油タイプ(12アイテム)、STB -ATH:φ3.4~φ10.3外部給油タイプ(12アイテム) の計24アイテムを用意している。価格は、12,915円~47,880円(税込)。
「JIMTOF2012」は最新技術がいっぱい! 抽選で来場者特典も!
日本工作機械工業会と東京ビッグサイト主催する「第26回日本工作機械見本市(JIMTOF2012)」が11月1日(木)から6日(火)までの6日間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催されるにあたり、10月2日、メルパルク東京(東京都港区芝大門)で記者発表が開かれた。
世界で最も早く最先端の技術を見せる展示会である『JIMTOF』は、1962年に大阪で第一回が開催され、今回で26回目、発足50周年の節目を迎える。工作機械と関連製品はあらゆる工業の基盤となることから、工業立国・日本の技術水準を映す鏡として国内外から高い感心を集め、今では充実した併催企画に加えて、高度な情報交換の場として世界中から注目されている。
今回は、22カ国・地域から816社・団体が5092小間を使用し最新の技術や製品情報を展開する。
また『JIMTOF2012』では、指定期日までに公式Webサイトより登録のうえ、来場した方を対象に抽選で記念品をプレゼントする。また、指定期日までの登録者に対しては、登録先住所に当日入場時に必要となる「入場証」を事前発送する。この「入場証」を持参すると、当日スムーズな入場が可能となる。
1.対象者
2012年10月26日(木)までに公式Webサイトより登録し、来場した方(*JIMTOF2012は有料入場制となっている)。
登録には入場券(前売1,000円)を購入するか、招待券が必要となる。
詳しくは公式サイトまで。→ http://www.jimtof.org/jap/
2.記念品
・IdeaPad Tablet A1(カーボンブラック) 3名
・シャープ プラズマクラスターイオン発生機 3名
・純チタン タンブラー 4名
・JIMTOFオリジナルステーショナリー 100名
3.発送方法
会期終了後、事務局にて抽選のうえ、当選者に発送する。
精密工学会が「新素材カーボンファイバの製品活用~新素材導入で一気にリード!~」をテーマに受講者を募集中
精密工学会が「新素材カーボンファイバの製品活用~新素材導入で一気にリード!」をテーマに第357回講習会を12月7日(金)に中央大学 後楽園キャンパス2号館2階2221室(東京都文京区春日1-13-27)で開催するにあたり、受講者を募集している。ボーイング787をはじめ航空・宇宙業界、スポーツ製品では一般的に利用されているカーボンファイバは、業界全体ではまだ実用的な素材であるとは言えないとされている一方、素材の基本性能というべき強さ、軽さの点では、他の素材を圧倒している。この素材を積極的に活用することで、グローバル化しつつある競合他社の性能を凌駕する製品開発が実現できるものとされており、今回の講習会では、新素材であるカーボンファイバの製品活用について取り上げ、カーボンの第一人者を講師として迎え、カーボンのイロハについて講演してもらうことが目的である。【日 時】平成24年12月7日(金) 10時00分~16時40分【会 場】中央大学 後楽園キャンパス2号館2階2215室および2221室( 東京都文京区春日1-13-27)*会場URL↓↓↓http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_korakuen_j.html■次第(予定)■・司会 平野俊幸氏(都立産業高等専門学校)、森重功一氏(電気通信大学)●10:00~10:10 ・主催者あいさつ●10:10~11:00 東京大学大学院工学系研究科 影山 和郎氏・基調講演「炭素繊維及び炭素繊維複合材料の現状と将来」炭素繊維の特徴と用途について紹介し、炭素繊維と樹脂を複合化する方法とそれにより製造される炭素繊維複合材料の特性、適用事例について解説する。さらに量産性とリサイクル性に優れた炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの開発と、量産化と低コスト化を目指した革新的炭素繊維製造プロセスの開発について紹介する。●11:10~12:10 三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所 清水 隆之氏・「航空機用CFRP構造におけるCAEの活用」航空機構造に対するCFRPの適用比率は、新機種開発毎に増加しており、CFRP構造は航空機開発におけるキー技術の一つになっている。本講座では、航空機構造設計におけるCAEの使用例とともにCFRP構造特有の活用法について説明する。●12:10~13:30 昼食●13:30~14:30 東京農工大学大学院 先端機械システム部門 笹原 弘之氏・「CFRP加工の現状と課題」CFRPを構造部材として用いる場合、成形後にトリム加工や穴加工が必要である。アブレシブウォータジェット加工、エンドミルやルータビット、丸のこによるトリム加工、ドリル等による穴加工について特徴や得失を概説すると共に、切削加工で問題となる工具摩耗やデラミネーションについて最新の研究結果と共に解説する。●14:30~15:30 ミズノテクニクス 岩田 元孝氏・「FRPを活用したスポーツ用品と新規事業品の事例-より強く、より軽く、より感動を-」1970年代から、軽量高強度材であるFRPを活用してきたスポーツ用品の設計製造事例や使用事例、および、そのスポーツ品製造で培った設計生産技術を応用した時計バンド、産業資材品などの最新事例を紹介する。●15:30~15:40 休憩●15:40~16:40 エムエスシーソフトウェア ビジネスデベロップメント 立石 源治氏・「炭素繊維複合材料のCAEについて」航空宇宙業界ではカーボン素材を強化繊維とした複合材料の活用が近年加速しており、この活用のインフラとしてCAE技術が注目されている。特に亀裂進展解析など製品の安全性に関連する解析、複合材料特有の接着結合、層間剥離破壊などの解析技術が注目されている。本講演では、非線形解析ソフトウェアMarcを用いた各種複合材料の強度解析を紹介するとともに、複合材料の軽衝突によるダメージ解析、最適化解析などの新しい試みに関しても紹介する。●16:45~18:00 名刺交換会 交流会(参加費無料)【定 員】60名(先着順で定員になり次第締切)【参 加 費】・会員(賛助会員および協賛団体会員を含む) 20,000円 〈講習会テキスト代込み〉・非会員 30,000円 〈講習会テキスト代含む〉 ・学生会員 無料 〈ただし講習会テキストご入用の場合は、4,000円〉 ・学生非会員 6,000円 〈講習会テキスト代含む〉資 料:講習会テキストのみをご希望の方、または聴講者で2冊以上ご希望の場合、1冊につき4,000円※ 講習会テキストは、講習会開催後に送付する。 ※ 参加費・講習会テキスト代とも消費税を含む。【申込締切】平成24年11月30日(金)【申込方法】下記フォームから、または申込書に必要事項を記入の上、郵送またはFAXにて申し込むこと。http://www.jspe.or.jp/event/koshukai_form.htm【申込先】公益社団法人 精密工学会 東京都千代田区九段北1-5-9 九段誠和ビル2F TEL : 03-5226-5191/FAX : 03-5226-5192
キッズデザインの商品化で日本のものづくり力を世界にアピール!
日本金型工業会と、工業デザイナーの業界団体である日本インダストリアルデザイナー協会は、我が国の製造業を活性化するための共同事業として、日本ならではの商品を日本国内で開発・製造し、世界に販売していくことを目的とした商品化コンペ『キッズデザインを商品化する』を行う。ジャパンブランド活動の一環として、日本のモノづくり力とデザイン力の相乗効果を世界にアピールしていくのが狙い。詳細はこちら↓↓↓http://www.jida.or.jp/sp/jbdc.html
切れ刃強化形鋳鉄肩削りカッタ「VOX400」シリーズに超多刃ホルダとPVDコーテッド超硬材種「VP15TF」を追加発売! 三菱マテ
三菱マテリアルツールズ(社長=滝沢俊夫氏)は、三菱マテリアルが開発、製造する“鋼旋削加工用サーメット材種”「MP3025」のシリーズ展開として159アイテムを追加、販売開始した。
“鋼旋削加工用サーメット材種”の「MP3025」は、これまでのインサートに加え、M級ネガインサートに中切削から仕上げ切削で性能を発揮する全周、MP、FY、SY、SWの5ブレーカと内径加工に適したM級ポジインサートにFV、SV、SW、MWの4ブレーカと、G級ネガインサートにL/R、L/R-F、L/R-Kの3ブレーカとG級ポジインサートにL/R-F、L-FSの2ブレーカを新たに規格化したもので、今まで以上に軟鋼から一般鋼の仕上げ加工から中切削加工において優れた切りくず処理と仕上げ面を実現している。
また、表面平滑母材に、耐摩耗性・耐溶着性に優れたTiCN系PVDコーティングを被覆した材種で、美しい仕上げ面を長時間持続可能である。
Gildemeister社がドイツにエナジーソリューションパークをオープン
今回設置された太陽光発電設備と風力発電設備は、約1メガワットの設備容量(ドイツの一般家庭220世帯分相当)で、Gildemeister社のビーレフェルト工場の電気需要の最大15%をまかなうことができる。また、機械生産、IT、サービスおよび設計部門は停電時でも、グリーン・エネルギーが供給される。
設備の詳細は、太陽光発電では、SunCarrier250が13台、新製品SunCarrier22が88台で、20,000m²のエリアに設置された。これらの製品は、太陽追尾(トラッキング)システムを備えており、固定架台の場合より最大40%の発電効率が向上する。さらに、風力発電では、WindCarrierが4台設置され、発電設備により生産されたエネルギーは、電力ピーク時をカバーし、かつ電気自動車用の充電ステーションに電力を供給するために、3台のバナジウムレドックスフロー電池CellCubeに蓄電される。バナジウムレドックスフロー電池には0.6メガワット時の蓄電能力があり、グリーン・エネルギーは敷地内の2台の充電ステーションから電気自動車に給電される。
前後進プレートコンパクタ(ZV-PRシリーズ)がグッドデザイン賞を受賞
日立建機カミーノ(社長=土橋 伸次氏)がこのほど発売した前後進プレートコンパクタ「ZV-PRシリーズ」が、日本デザイン振興会主催の「2012年度グッドデザイン賞」を受賞した。受賞機種はZV350PR-De、ZV350PR-G、ZV250PR-G、ZV250PR-D(※ZV250PR-Dは海外専用)。
グッドデザイン賞担当審査員は、「道路整備に欠かせない小型の締固め機械である。コンパクトで高性能な基本性能を追求した仕様となっている。構造、レイアウトもシンプルで、機能、強度、安全性に配慮した合理的な設計である。また、レンタルユースを意識し、不慣れでも扱いやすいようユーザーにとってできるだけわかりやすいデザインを採用、運搬性、操作性、清掃性を向上している。細部においては改善すべき点も見られるが、どちらかといえば地味な機械を堅実にデザインしている点が評価できる」としている。
中型油圧ショベル「PC200/PC200LC-10」、「PC210/PC210LC-10」を新発売! コマツ
新車購入時に自動的に付帯される、国内で初めてパワーラインの保証延長と無償メンテ
ナンスを取り入れた、新たなサービスプログラム「KOMATSU CARE(コマツ・ケア)」の提供により、トータルライフサイクルコストの低減と長時間稼働に貢献する。
大澤科学技術振興財団 平成24年度助成課題②(国際交流助成)
大澤科学技術振興財団(理事長=大澤輝秀オーエスジー会長)が、9月28日オーエスジー グローバルテクノロジーセンター(愛知県豊川市一宮町)で、「平成24年度助成費贈呈式」を開いた。2012年(平成24)年度、トップ記事に続いて、国際交流助成11件をここに紹介する。
K-1 2012年MRS秋季学術講演会(アメリカ)
・松室 昭仁 愛知工業大学・工学部 教授発表課題:Fabrication of Nanostructures of Low-Resistivity Silicon Wafer with High-Aspect-Ratio Using Carbon Nanotube Probe of Scanning Tunneling Microscopeナノテクノロジー、新材料応用、半導体デバイス開発等の先端開発技術の国際会議として最も権威があり最大規模である当該会議において、カーボンナノチューブ(CNT)を加工工具として捜査型トンネル顕微鏡によるトンネル電流により応用上重要なシリコンウエハへ創成されたナノスケールかつ高アスペクト比を有する構造体の特徴と、さらに透過型電子顕微鏡を用いて加工部周辺の組織の時間経過に伴う原子レベルの変化を観察できるその場観察手法を確立し、本方法による加工原理の解明につながる重要なせいかについて発表を行う。発表の要点は以下である。従来のタングステン探針に、CNTを1本その先端に付着固定できる電気泳動と表面張力を利用した簡便な引き上げ法を開発しCNT加工工具の高い生産性を有する作製技術を確立した。本CNT工具を用いて従来の8倍程度の高アスペクト比のナノメートルスケール3次元加工(点、線、面加工の凹凸加工)を実現できた。加工原理として、凹加工に関しては電界蒸発、凸加工に関してはCNT工具の局所的温度上昇と電界に伴う原子拡散のマイグレーションが示唆された。
K-2 2012年機械産業工学に関する国際会議(ドイツ)
・和田 任弘 奈良工業高等専門学校 教授発表課題:Tool Wear of Titanium/Tungsten/Silicon/Aluminum-based-coated End Mill Cutters in Milling Hardened Steel本年9月にドイツのベルリンで開催されるInternational Conference on Mechanical and Industrial Engineering(ICMIE 2012)(機械・産業工学に関する国際会議(ICMIE 2012))は、今年で第33回目になります。本国際会議は、機械・産業工学のあらゆる部門についての研究者および技術者が有する研究、技術成果を交換し、実践的な課題について議論することが目的です。本年も表面のコーティング技術に関する分野で活躍している研究機関、学界などの研究者、科学者や産業界の技術者が出席し、情報交換が行われます。主なトピックの一つに、製造技術に関するテーマがあり、申請者は、このセッションで、Tool Wear of Titanium/Tungsten/Silicon/Aluminum-based-coated End Mill Cutters in Milling Hardened Steel(焼入れ鋼のフライス切削におけるTi/W/Si/Al基コーテッドエンドミルの工具摩耗)のテーマで発表するとともに、世界有数の研究者、科学者や産業界の技術者と意見交換をし、切削技術分野の先端科学技術に触れることを主目的とします。
K-3 2012年アジアの鉄鋼に関する国際会議(中国)
・長坂 明彦 長野工業高等専門学校 教授発表課題:Effect of Carbon Content on Burring and Tapping in Ultrahigh Strength TRIP Sheet Seels2012年アジアの鉄鋼に関する国際会議(Asia Steel 2012)は、、2012年9月24日~9月26日、中国北京市にある北京国際コンベンションセンターにおいて、中国金属学会等の共催により組織される。アジアの鉄鋼に関する国際会議は2000年に中国で開催されて以来、今回が第5回と続く国際会議である。発表者は『超高張力TRIP鋼板のバーリング・タッピングに及ぼす炭素添加量の影響』と題して口頭発表を行う。これまでに、自動車用超高張力TRIP鋼板の伸びフランジ性に関する研究報告はあるが、極めて成形の厳しい980MPa超級高張力TRIP鋼板のバーリングおよびタッピング加工に関する報告はほとんどない。そこで本研究では、超高張力TRIP鋼板をフロードリル(Flowdrill)でバーリング加工することで、車体軽量化と部品点数を削減することを目的として、ナットレスを実用化し、その高サイクル疲労特性等を検証し、実用部位を検討した。供試鋼には、600MPaから1100MPaと強度レベルの異なる(0.1-0.4)C-1.5Si-1.5Mn(Mass%)を有するTRIP鋼板(板厚1.2mm)を用いた。バーリングにはWC合金製のフロードリルを、タッピングにはOSG製の転造タップをMCにそれぞれ装着し、加工した。また、バーリング後およびタッピング後の高サイクル疲労試験(応力被:0.1、引張り-引張りの片振荷重制御)を行い、TRIP鋼板の疲労特性に及ぼすタッピングのメカニズムを解明した。
K-4 第15回先端的材料と処理技術に関する国際会議(オーストラリア)
・古谷 克司 豊田工業大学・工学部 教授発表課題:Prototype Design of Wire-sawing Machine for Preliminary Experiments to Lunar and Planetary Exploration(月惑星探査を目指した予備実験のためのワイヤソー切断装置の背計・試作)本口頭発表では、まず、次世代月惑星科学探査で、岩石のその場観察の前処理として試料表面を平滑化する方法としてワイヤソー切断法の適用を提案する。次に、高真空環境における加工実験を行うための加工装置構成および加工結果の例について紹介する。真空である月では、加工中に発生する熱や凝着などによる工具損傷が大きいため、ソーワイヤのように新しい切刃が常に供給される工具が有効であると期待できる。長尺ワイヤが搭載できるように、2つのボビン間でソーワイヤを往復させる構成とした。玄武岩を試料として切断した結果、真空中の方が加工量が少なかった。ソーワイヤ表面に静電気により切りくずが付着したことが原因の一つと考えられる。本会議は、機械加工以外の、たとえば材料物性やトライボロジー等の様々な分野の研究者が集まるため、多方面からの活発な討論が行えることが期待できる。これを基にして、本研究をさらに発展させる。
K-5 第13回プラズマ表面工学国際会議(ドイツ)
・野瀬 正照 富山大学・芸術文化学部 教授発表課題:A Nobel Technique of Fabricating Nitride/Oxide Nanocomposite Coatings(Using Differential Pumping Co-Sputtering System)プラズマを利用した表面改質技術、薄膜、表面・界面の分析など、プラズマ利用技術と表面全般に関した伝統ある当会議において、窒化物と酸化物からなるナノコンポジット膜の新しい成膜技術について発表を行う。切削工具に用いられる従来の硬質膜は、窒化物膜が主流であるが、耐酸化正は不十分である。窒化物微結晶を非晶質酸化物が覆う構造のナノコンポジット膜ができれば耐酸化製に優れた保護膜が実現するのではないかと考えられる。このために、窒素雰囲気と酸素雰囲気の異なる成膜雰囲気が互いに混合せずに成膜できる差動排気型同時成膜装置を開発した。本装置では左右のチャンバー間の雰囲気相互流入は無視できる程度に小さいことを明らかにした。また、AlNとSiO2やAl2O3などとの複合膜では、一定割合の複合化で硬度がピークを示すことが分かった。またこれらの膜では、窒化物を取り囲む酸化物のネットワーク構造が成形されていることを高分解能電子顕微鏡で確認した。大学や研究所だけでなく、成膜装置・工具等の企業研究者・技術者も多数参加する本会議で発表し、上記成果について真摯な議論を行うとともに関連分野の最新知見を得る。
K-6 加工プロセスと工作機械の相互作用に関する第3回国際生産加工アカデミー会議(日本)
・社本 英二 名古屋大学・大学院 教授助成対象の国際会議の概要本国際会議は、CIRP(国際生産加工アカデミー)に正式に認められた会議であり、びびり振動や熱変形など、加工プロセスと工作機械との相互作用が重要となる研究トピックスに焦点を絞って、ドイツのハノーバー大学Denkena教授2008年に組織したものである。第1回会議を2008年にハノーバーで開催し、その後、カナダのブリティッシュコロンビア大学Altintas教授が委員長となってバンクーバーで第2回会議を開催した。これらの会議には、両氏を初めとして、ドイツのアーヘン工科大学Brecher教授およびKlocks教授、カリフォルニア大学Dornfeld教授、ノースカロライナ大学Smith教授など、工作機械と機械加工プロセスの分野において世界を代表する研究者の多くが参画しており、極めて質が高い会議である。第3回目となる今回は、日本で開催したいとの要望が多く、名古屋大学において計画するに至っている。具体的には、2012年10月29-30日に名古屋大学豊田講堂の会議室にて開催する計画である。主催団体が本分野の国際的な権威であるCIRPであることから、前回までと同様に、質の高い研究発表と技術交流が行われるものと期待できる。
K-7 第62回国際生産加工アカデミー総会(中国)
・細川 晃 金沢大学・理工研究域 教授発表課題:Cutting Characteristics of PVD-coated Tools Deposited by Unbalances Magnetron Sputtering Method(UBMS法によるPVDコーティング工具の切削特性)生産加工技術研究の分野では唯一の国際的な組織であるCIRP(国際生産加工アカデミー)において、「UBMS法によるPVDコーティング工具の切削特性」に関する研究の口頭発表を行う。現在、ほとんどの切削工具に用いられているPVDコーティングは、アークイオン・プレーティング法(AIP法)によるものである。これは母材に耐熱性を付与することを主眼においている。本研究では発想を変え、潤滑性を付与することを目的として、フリーカーボンを含有させたコーティング膜の開発に挑戦した。本研究は、アンバランスド・マグネトロン・スパッタ法(UBMS法)によるコーティング技術を高度化し、耐熱性を確保した上で潤滑性を有するフリーカーボンを含有させたPVDコーティング工具の開発を目的としている。開発したUBMS法による工具、特にUBMS-TiCNコーティング膜は摩擦係数が極めて小さく、代表的な難削材であるSUS304ならびにTi合金のエンドミル加工において切削抵抗および切削温度が低く、かつ、平滑な仕上げ面が得られ、工具逃げ面への被削材の凝着も抑制されることを明らかにしている。 ・越水 重臣 首都大学東京・産業技術大学院大学 准教授発表課題:Micro-grooving of Glass Using Small-Diameter Diamond Grinding Stone with Ultrasonic Vibration(超音波振動を援用した小計ダイヤモンド砥石によるガラスの微細溝加工)マイクロチャネルデバイスと呼ばれるガラス基板上の小型リアクターを製造するためには、ガラス基板上に微細な溝(流路)を加工する必要がある。本研究では、小径のダイヤモンド砥石(直径0.6mm~1.8mm)を用いてガラス板上に高能率かつ高精度な溝研削加工を実現することを目的としている。研削による機械的な材料除去加工は能率がよく複雑形状の加工制御ができるものの、脆性材料であるガラスの加工面にチッピングを生じさせてしまうといった問題点がある。そこで本研究では、回転する小径ダイヤモンド砥石のスラスト方向に超音波振動(20kHz、10µm)を援用しながら研削加工を行うことで、高能率かつ高精度なガラスの微細溝加工を実演した。The 3rd Asian Symposium on Materials & Processing(ASMP2012)は、2006年に第1回をタイで開催して以来、新素材とその加工プロセスに関する先端的研究の発表・議論の場として、アジアで開催され、今回3回目を迎える。各国の技術者/研究者たちと意見・情報の交換を行いたい。 ・廣田 健治 九州工業大学・工学部 准教授発表課題:Accuracy of Multiple Micro-holes Pierced by Using Press Indenting and Chemical Etching機械材料・加工・評価等に関する研究者との討論とよび国際交流を目的とした当該会議において、発表者はプレス成形とエッチングを併用した多数微細孔加工の加工精度について口頭発表を行う。微細孔はノズルやフィルターなどの高機能化に不可欠で、効率的かつ高精度な加工技術が求められている。発表者は塑性加工により金属薄板に微細な圧痕を成形し、裏面をエッチングにより一様に溶解除去して圧痕の横断面形状に沿った微細孔を加工する手法について検討を行っている。本研究では複数の孔を近接させて加工した場合の加工精度に関して検討した。板厚100µmの銅合金箔に本工法で30µm程度の寸法の丸孔と矩形孔が得られたが、圧痕の隣接距離に関しては丸孔では圧痕縁が接するまで近接させても孔寸法に影響しなかったのに対し、矩形圧痕では圧痕幅の2倍程度の間隔でも加工後の孔が隣接方向にゆがんでしまった。その要因について圧痕成形時の材料流動から考察した。また、エッチング量の誤差による孔寸法のばらつきについても明らかにした。当該会議では広く研究成果を周知するとともに、関連分野の最新の研究発表を聴講しアジア諸国の研究者との交流をはかりたい。 鈴木 清 日本工業大学・工学部 教授発表課題:Surface Finishing of Electrically Conductive Diamond Tools by Electrolytic MachiningISAAT(先端砥粒加工国際シンポジウム)は最先端の砥粒加工技術を専門に扱う世界で唯一の研究会議であり、世界中の砥粒加工関連研究者や技術者が最新の砥粒加工技術を発表し、意見を交換し合っている。申請者は当該シンポジウムの設立者(Emeritus Chairman)として出席するとともに、財団の平成23年度研究助成に採択された。「電解加工による伝導性ダイヤモンド工具の表面仕上げ法」の研究成果について発表する。伝導性ダイヤモンドの電解仕上げは世界初の試みであり、航空機部品に用いられるCFRP加工陽ダイヤモンドコーティング工具の表面仕上げへの適用が期待できる。世界的な会議で論文を発表し、各国の技術者、研究者と討論することで、日本初の新たなダイヤモンド工具の加工技術を世界に広めることができる。(発表論文要約)This Paper deals with a new surface finishing method of electrically conductive diamond materials by making efficient use of an electrically conductive nature of the workpiece material, instead of mechanical methods. The authors focused on the electrolytic chemical finishing method for the two advantageous features such as a better surface roughness and only a slight increase of heat at the machining point. This can eliminate a risk of the film delamination in the case where a workpiece is the CVD diamond coated tool. The other is that a wider machining gap is available between an electrode and a workpiece. This was thought to allow the electrolytic machining to be applied to a tool with a complex shape such as a drill and an endmill. Based on these concepts, electrolytic machining experiments were conducted on the electrically conductive diamond materials. From the results, it was found that the surface of the electrically conductive diamond could be smoothened enough by electrolytic machining though relatively long period of time was required. ・二ノ宮 進一 日本工業大学・工学部 准教授砥粒加工技術発展のために日本の(社)砥粒加工学会が幹事団体となって創設したISAAT(International Symposium on Advances in Abrasive Technology)は、今年で第15回目を数え、世界中の砥石加工技術に携わる謙従者が集い、技術交流を行う学会に発展している。申請者らは研削か工事に循環利用する水溶性加工液中に浮遊する微細な遊離砥粒粉や切屑を浄化するため、少量のポリグルタミン酸凝集剤とマイクロバブルを利用した新しい清浄化技術を提案した。既存の加工液の浄化法と比較して、ペーパーフィルタを使用せずに遊離砥粒、切屑および腐敗要因である細菌類の高精度浄化が可能である。マグネットセパレータや遠心分離機などの効果な付帯装置を必要としないため経済的である。本研究によって、この技術は日本(軟水地域)だけでなく、硬水地域での適用が可能であることを明らかにしている。この研究成果を国際会議で論文発表し、各国の技術者、研究者と討論することで、日本の新しい環境対応加工技術を世界に広め、国内外の技術発展に寄与できると期待できる。
K-8 材料と加工に関するアジアンシンポジウム(インド)
K-9 材料と加工に関するアジアンシンポジウム(インド)
K-10 国際先端砥粒加工シンポジウム2012(シンガポール)
K-11 国際先端砥粒加工シンポジウム2012(シンガポール)
メカトロテックジャパン2013(MECT2013)が出展募集を開始!
MECT2013は、名古屋で開催するJIMTOFに次ぐ国内2番目の規模の工作機械・技術の専門見本市。通算13回目となった2011年展では、365社・団体(1,490小間)が参加、約8万人が来場した。前回でも話題を呼んだ会場での加工実演コーナー「コンセプトゾーン」(※注1)を今回でも開催予定のほか、前回から新設した中小企業を支援するために設けた低料金のパッケージ小間「中小企業支援ブース」(※注2)も引き続き募集する。前回でも好評を博した日本工作機械工業会の主催する「工作機械トップセミナー」(※注3)の開催も決定した。
(注1)コンセプトゾーン
工作機械にまつわる最新加工技術を会場で披露することで、来場者に少しでもヒントをつかんでもらい、国内製造業を活性化するのが狙い。前回展では「中小でもできるCFRP加工」と題し、航空機産業などで注目を浴びる新素材CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の加工を会場内で実演した。2013年展では「医工連携」をテーマにさまざまな製品・技術を展示する予定。
(注2)中小企業支援ブース
中小企業を支援するために設けた低料金の専用パッケージ小間。(限定30社、従業員30人以下で、過去にMECTに出展経験がない企業に限る)。出展料金は1社1小間限定で84,000円(税込)、小間寸法は間口2m×奥行2m=4㎡。
(注3)工作機械トップセミナー
製造業の中核を担う工作機械の重要性や、工作機械に用いられる様々な先端技術、そして工作機械業界で働くことの面白さを多彩な講師が学生に紹介する。また、工作機械の研究に携わる大学の研究者、第一線で活躍している工作機械メーカ技術者も交えての懇親パーティも開催。前回は、会員企業の人事担当者の集うPRコーナーも設けた。
■出展申込方法
所定の申込用紙(『出展のご案内』添付の申込用紙またはホームページmect-japan.comからダウンロード)に必要事項を記入し、捺印の上、MECT事務局まで郵送すること。
送付先MECT事務局/株式会社ニュースダイジェスト社
〒464-0075愛知県名古屋市千種区内山3-5-3
■料金について
基本単位1小間(3m×3m)¥273,000(税込)
■申し込み関連のスケジュール
出展申し込み受付開始2012年10月1日(月)
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出展申し込み受付締切2013年4月26日(金)
※ただし満小間になり次第締切
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出展者説明会
2013年6月中旬
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各種届け出用紙申し込み期限
2013年7月下旬
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搬入期間
2013年10月19日(土)~22日(火)4日間
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開催期間
2013年10月23日(水)~10月26日(土)
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搬出期間
2013年10月26日(土)閉幕後~27日(日)
