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DMG森精機 伊賀事業所が国内最大自家消費型太陽光発電を開始!
DMG森精機がDMG MORIグループ最大の生産拠点である伊賀事業所(三重県)の工場棟屋根に、太陽光パネルの設置面積約130,000㎡、パネル容量約13,400kW(13.4MW)の自家消費型として国内最大の太陽光発電システムの導入を決定し、2022年8月より第1期工事に着手していたが、計画通り2023年2月1日より、第1期 5,400kW分の発電を開始した。第1期の年間発電量は、6百万kWhで、伊賀事業所の年間電力需要量の約13%を賄う。
今後、2024年2月より第2期として約5,200kW(5.2MW)、2024年12月より第3期として約2,800kW(2.8MW)、合計約13,400kW(13.4MW)の太陽光発電を開始する予定。
第3期の発電開始後の年間発電量は14百万kWh(14,000MWh)で、伊賀事業所の年間電力需要量の約30%を賄う。
今回導入する太陽光発電システムは、テス・エンジニアリング(大阪市淀川区)が提供するオンサイトPPAモデルを採用し、発電する電力は全て自家消費することにより、年間約 5,300トンのCO2排出量を削減することができる。
「太陽光発電システムを導入することで、電力需要の変動や燃料問題に左右されない長期にわたる安定電源を確保し、事業の継続と再生可能エネルギーによる CO2排出量の削減を実現する。」と、同社。
同社では、持続可能な社会を目指し、カーボンニュートラルや資源循環型の社会に向けたさまざまな取り組みを行っているが、再生可能エネルギーの活用においては、2020年4月より東京グローバルヘッドクォータ、2021年4月より伊賀事業所、また 2021年11月より奈良事業所にて CO2フリー電力の購入を開始し、国内の全ての拠点でCO2フリー電力を使用している。さらに2022年5月には、伊賀事業所にて、カーボンニュートラルの特性を持つ木質チップを燃料とする、CO2排出量実質ゼロのバイオマス熱電併給システムが稼働している。
また、太陽光発電については、2022年11月からアメリカのデービス カリフォルニア工場で発電を開始し、2025年2月には奈良事業所でも発電を開始する予定。実際のCO2排出量削減への取り組みを加速する一方で、自社の活動により削減できない CO2排出量に関して、国際的に認定された持続可能な気候保護プロジェクトへ出資することでオフセットし、2021 年よりグローバルで生産する全商品の部品調達から商品出荷までの工程においてカーボンニュートラルを達成した。同社が出荷する機械には全世界で2021年からカーボンニュートラルな体制で生産された商品を表す「GREENMACHINE」マークが付いている。
アマダ 新社長に山梨貴昭氏
アマダ(社長=磯部 任 氏)は、このほど、2023年4月1日付で、同日付けにて現取締役専務執行役員の山梨貴昭氏が、代表取締役社長に就任し、現代表取締役社長 磯部 任氏が代表取締役会長に就任することを発表した。山梨氏はこれまでアマダグループの主力商品である板金機械の開発と製造を牽引し、市場ニーズを捉えた商品を投入する役割を担ってきた。
経営体制の一層の強化・充実を図り、同グループの持続的な成長と企業価値の向上を図ることが目的。今後も機械メーカーとしてより技術指向を強めていく方針。
■新代表取締役社長
氏 名 : 山梨 貴昭 (やまなし たかあき)
職 歴 :
1987年4月 入社
2009年4月 板金ソリューション開発製造本部ソリューション開発技術部門
ブランキング第二開発部長
2016年1月 Amada Advanced Technology GmbH 社長
(欧州における R&D 会社)
2017年10月 ブランク商品部門 副部門長
2018年4月 上席執行役員 ブランク開発本部長
2020年4月 常務執行役員 ブランク開発部門長 兼
レーザ開発部門長 兼 開発連携委員長
2021年6月 取締役 常務執行役員 板金技術開発本部担当 兼
生産本部管掌
2022年4月 取締役 専務執行役員 板金開発・生産本部長(現職)
「ものづくり関連団体との連携を強化」日本機械工具工業会が賀詞交歓会を開く
日本機械工具工業会(会長=田中徹也 三菱マテリアル常務)が去る1月17日、丸の内東京會舘(東京都千代田区丸の内)で新年賀詞交歓会を開いた。
あいさつに立った田中会長は、昨年を振り返って「新型コロナのまん延による行動制限が解放され、日本国内はもとより、海外との往来も復活し、経済活動が活発化した年となった。その一方で、ロシアのウクライナ侵攻や中国のゼロコロナ政策による欧州や中国の経済の停滞、資源、エネルギー価格の高騰、米国の段階的な利上げに伴う景気後退感、日本は年間を通じての円安の進行で、われわれにとってはポジティブな要素とネガティブな要素と、両方あったのではないか。また、昨年11月にはJIMTOF2022を4年ぶりにリアルで開催され、当工業会からも多くの会員企業が参加した。ものづくり産業は、実際にリアルでものを見て会話をするということが大切だということをあらためて実感した次第だ。また、デジタル化に対応した製品やサービスの展示も多く、工作機械にしても工具にしても、製品の性能以外の付加価値を提供していくことが求められるようになってきていることも大きな特徴だったと思う。」と感想を述べた。
今年度の生産見通しについても触れ、「生産金額は、2018年が5,194億円と、5,000億円の大台を上回るピークを記録している。2020年度は、コロナウイルスのまん延による経済の減速で、3,698億円まで生産金額は低下している。同年の8月を底に生産が回復し、昨年度2021年度は、4,711億円ということで、コロナ前の2019年を上回るレベルまで回復をしている。また、昨年の秋に集計した今年度の見通しは、5,000億をやや下回るという予測だったが、現在までの最新の進捗を見ると今年度は5,000億円の大台が視野に入っているという状態である。ぜひ5,000億円の大台に乗せたい。2023年度は世界銀行の世界経済見通しによると世界全体の実質成長率は、1.7%であるとの予測が出ている。ものづくり業界にとっては半導体部品の供給不足が一定程度回復してくるということ、航空旅客需要がますます回復することによって、航空機の生産の回復が見込めるといったような、ポジティブな側面も見えてきた。このような状況の中、懸念事項は多いものの2023年度は、ぜひ2018年度の5,194億円を上回る生産を目指して、取り組んでいきたい。」と期待を込めた。
また、同工業会の2023年度重点施策については、「EV化対応、DX対応、環境対応、業界連携、この4項目について取り組んでいく。」とし、具体的には、「EV化に伴う新規の部品への新工具や新工法の提案、あるいは自動車以外の分野、航空機産業やロボット産業向けの工具を展開する。また、海外向けビジネスの少ない会員各社への海外市場展開をサポートすることなどに取り組んでいく。DX対応では、ものづくりの現場から販売、流通の現場まで会員各社のデジタル化をサポートしていく。環境対応では、カーボンニュートラルを目指した脱炭素社会の実現への取り組みを進める。業界連携では、日本工作機械工業会、日本工作機器工業会、日本ロボット工業会など、ものづくり関連団体との連携を、さらに強化していく。」とした。
来賓を代表して経済産業省製造産業局 安田 篤 産業機械課長があいさつをした。この中で安田課長は、「IMTOFでは、GX、DXのニーズに対応する新しい製品、ソリューションが多く展示をされていたと記憶をしているが、そうした流れの後押しをさせていただきたく、昨年の末に補正予算が成立した。補正予算の中ではDX、GXに取り組む皆さま方へ対する補助をさせていただくメニューが多数ある。ものづくり補助金、事業再構築補助金、省エネ補助金、そういったメニューが今年活用できるフェーズに移り、ぜひお使いいただきたい。また、経産省は、福島の復興が重要な課題となっている。昨年末に経産省のホームページでは産業界の皆さまと政府が連携するネットワークとして〝魅力発見! 三陸・常磐ものネットワーク〟というホームページを立ち上げている。これは三陸・常磐でとれる水産物の消費を拡大するもので、この春から夏にかけて、廃炉に伴う処理水の海洋放出のタイミングが来ていることに伴い、風評被害を防止するという観点もある。この趣旨にぜひご賛同いただける企業の方々には、社食あるいはお弁当で、消費の拡大にご協力をいただきたい。」と述べた。
寺島誠人副会長(東鋼社長)が乾杯の発声を行った。久々にリアルにて親睦を深めたあと、佐橋稔之副会長(住友電気工業常務)の中締めで散会した。
2023年はリアルで本格開催へ!「ハノーバーメッセ2023」が4月17日から開催
世界最大級のBtoB向け産業技術の専門展示会「HANNOVER MESSE 2023」が本年4月17日~21日の5日間、独・ハノーバーで開催する。
この展示会は、「Industrial Transformation -Making the Difference(インダストリアル・トランスフォーメーション-変化をもたらす)」をメインテーマにデジタル化とエネルギー管理によって、資源を節約し、炭素排出量を削減できる方法を紹介する。大手企業、中小企業、スタートアップのみならず、化学、政治、社会に対して、行動を呼びかける展示会としてイノベーションを披露する。
今年のパートナーカントリーはインドネシアでASEANから初選出となる。同国は「Making Indonesia4.0-Connect to Accelerate(インドネシア4.0の実現-連携して加速)」をパートナーカントリーとして推進する基本テーマとした。
■開催概要
会 期:2023年4月17日(月)~21日(金) 各日9:00~18:00
会 場:ハノーバー国際見本市会場(Messegelände,30521 hannover,Germany)
主催・運営:ドイツメッセ(Deutsche Messe AG)
パートナーカントリー:インドネシア
メインテーマ:Indstrial Transformation-Making the Difference
出 展 社:50カ国から約4,000社が出展予定
出 展 料 金:3,306ユーロ~/9㎡・一面解放
入 場 料 金:1日券 34ユーロ/通し券 87ユーロ(チケットの購入はHANNOVER MESSE公式ホームページまで)
日本精密測定機器工業会・日本光学測定機工業会が合同賀詞交歓会を開く
日本精密測定機器工業会(会長=吉田 均 東京精密会長)と日本光学測定機工業会(会長=浜田智秀 ニコン シニアアドバイザー)が1月17日、霞山会館(東京都千代田区霞が関)で合同賀詞交歓会を開いた。
日本精密測定機器工業会を代表して吉田会長があいさつをした。この中で吉田会長は今後の見込みについて触れ、「昨年の販売実績は対前年比117%の1,113億円になる見込みで、あり、2018年のピーク時に比べ近いところまで回復した。特長的だったのは、従来、この測定機器の一番の需要先は自動車部品も含めて自動車産業だが、昨年の実績を見ると2018年に対して80%までしか戻っていなかった。伸びたのは半導体および半導体の装置であり、自動車が伸びきれなかった分の補填をして過去最高の近くまで伸びたことである。今年は自動車がどこまで回復してくるか。EVシフトによる影響、測定系の業界への影響がどうなのか。このEV化の影響にはプラスマイナス両方あり、プラス面は新たにEV車に向けたバッテリーやモーターの測定需要、これが掘り起こされる。また使ってるギアをはじめとする使う部品が今までよりもワンランク上の精度になってくる。ここに測定機の需要が新たに生まれてくる。一方のマイナス面はエンジンがなくなってくるので、そこで使われる測定需要は減ってくることもあり、プラスマイナス両面があると思っている。今年はこの自動車産業の大幅な回復を期待したいところだが、足元の状況としてはまだまだ半導体不足があって思うように生産が上がらないというようなことを聞いている。また、EV化に向けたEV投資についても世界的に始まっているが、日本は少し欧州に比べて出遅れてる感がするが、今年から本格的なEV化に向けた投資が始まるものと見ている。」と期待を込めた。
続いて、日本光学測定機工業会を代表して浜田会長が、「昨年からコロナだけではなくて戦争の影響、戦争の影響によってエネルギーの問題、そして円高の問題が本格化し、市場自体にはマイナスの影響をもたらしているという認識だが半導体および一部の領域では投資をしっかり行う傾向がここにきて見受けられるようになってきた。このような状況下において、光学測定機はいち早くコロナ前まで回復し、昨年はそれ以上の伸びを示している。市場とは少々違った動きをしており、これは産業構造が大きく最近変化しているという認識を持っている。その中でも自動車産業は大変革が続いている。デジタルトランスフォーメーションもそうだが、電子機器の需要は飛躍的に増加しており、これらが一層高度化する流れのなか、電子部品やデバイスには極めて高い性能と信頼性が要求されるということは言うまでもない。電子部品はともすると人命に関わるという側面を持っている。これは品質に要求されることがより厳密、厳格になってきており、全数検査を行わなければならないという領域がますます増えている。これまでのように検査や分析を専用の施設や場所で行うのではなく、これからは生産ラインの近く、もしくは生産ラインの中で常時モニター、分析しながら解析して生産するということが必要になってきている。これが先ほど世の中の状況とは違って測定器、特に光学測定器がプラスに働いた要員の一つだと考えている。」と述べた。
来賓を代表して、経済産業省産業機械課 池田秀俊課長補佐が、「コロナ禍から経済活動が回復しつつある中でロシアによるウクライナへの軍事侵攻があった。世界的には原油や物価高、さらには歴史的な円安で目の前の新たな危機が出てきているというような状況である。また製造業、わが国の製造業については、さまざまな影響が今でも続いているというような理解でいる。経済産業省では、さまざまな状況変化、さらには今後中長期的な産業構造の変化に対して本年は3つの中心的な政策を進めていきたいと考えている。① DX、デジタルトランスフォーメーション、② GX、グリーントランスフォーメーション、③ 経済安全保障の3つを基本的な政策の柱として産業界の皆さまと緊密な連携を取りながら全力を尽くしてまいりたい。」と力強くあいさつをした。
「眼聴耳視の心で本質を掴む」日本歯車工業会が賀詞交歓会を開く
日本歯車工業会(会長=植田昌克 植田鉄工所社長)が去る1月20日にザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区)で新年賀詞交歓会を開いた。
あいさつに立った植田会長は、日頃の感謝の意を表したあと、「この1年、これから先がどういうふうになるか私も分からないが、円安や物価高騰、エネルギー不足、少子高齢化など問題が山積みしているが、少しずつでも着実に解決していくことを望んでいる。」との思いを示したあと、「感性が鈍らぬよう講演会などに出席をしているが、その際に教えてもらった言葉に、禅の言葉で〝眼聴耳視(がんちょうじし)〟があった。真実を見ようと思ったら、目で聴いて耳で見なさいと言う意味がある。なかなか目を開いても、目の前の景色は見えるが、心を持って聴くように見なければ、ものの本質は分からない。現在、情報があふれてどんどん移り変わりが激しい中ではあるが、心を持って神経を研ぎ澄ましてこそ、その本質が見えてくる、ということである。明日の日本を、未来の歯車工業会を楽しく語り合っていこうではありませんか。」と力を込めた。
来賓を代表して経済産業省製造産業局 産業機械課から横山博之課長補佐があいさつをした。この中で横山課長補佐は、「昨年はロシアによるウクライナ軍事侵攻が始まり、国際的な原油、物価高騰、歴史的な円安など、新たな危機に直面することになった。特にわが国の製造業は、半導体をはじめとした部素材の供給途絶、エネルギー価格の高騰など、さまざまな面で引き続き影響を受けている。経済産業省としては、目の前の情勢変化に加えて、中長期的な産業構造の変革に向けた取り組みとして、本年はGX、DXおよび経済安全保障、この3軸を基礎として、産業界の皆さまと緊密に連携しつつ、わが国製造業の成長のために、全力を尽くしていく。」と述べた。
乾杯の発声を池滝重隆副会長(ジェイテクトギヤシステム フェロー)が行い、参会者は親睦を深めた。
「チャンスは逃がさない」日本金型工業会東部支部が新年懇親会を開く
日本金型工業会東部支部(支部長=鈴木教義 鈴木社長)が去る1月20日に上野精養軒(東京都台東区)で新年懇親会を開いた。今回の特別講演会は、講師に落語家の桂右團治氏を迎え大いに盛り上がった。
懇親会であいさつに立った鈴木支部長は、「昨年は私どもを取り巻く環境は大変厳しい状況であった。半導体不足がいまだに継続している中、製品をつくっていくわれわれとしては影響が大きい。この影響も今年から来年まで影響があるのではないかとも聞いているが、金型業界が元気でいられるようチャンスを得られれば良いと感じている。今年はうさぎ年なので、今年がジャンプをするのか、来年飛躍をするための足掛かりのステップになるか、まだ分からないとこではあるが、準備だけはしっかりしてチャンスを逃がさないようにお願いしたい。」と力強くあいさつをした。
来賓を代表して経済産業省素形材産業室から沼舘 健 室長があいさつをした。この中で沼舘室長は、「昨年はロシアのウクライナ侵攻、そして燃料高、原材料高、急激な円安と、製造業においては非常に厳しい状態が続いている。わが国の製造業のものづくりの基幹となる金型、素形材、これをさらに発展させていただけるように、われわれも政策総動員して支援していく。また、中小企業対策として、事業再構築補助金、生産性向上に向けた後押しのための措置も用意しているので、積極的に活用していただければと思っている。」と声援を送った。
乾杯の発声は宮崎正太郎 牧野フライス製作所社長が行い、参会者は親睦を深め、宴たけなわのころ、散会した。
建設機械出荷金額統計(2022年通期/2022年12月度)まとまる 日本建設機械工業会
日本建設機械工業会がこのほどまとめた2022年通期と同12月度は下記のとおり。
2022年通期
■概要(増減は前年比)
2022年通期の建設機械出荷金額は、内需は4.6%増加の1兆393億円、外需は30.8%増加の2兆3,058億円となった。その結果、内需は3年ぶりの増加、外需は2年連続の増加となった。総合計では21.3%増加の3兆3,451億円となり、2年連続の増加となった。
■内外需別(同上)
①内需
機種別に見ると、油圧ショベル4.1%増加の3,096億円、建設用クレーン20.0%増加の1,964億円、基礎機械6.8%増加の376億円、油圧ブレーカ・圧砕機13.0%増加の242億円、その他建設機械7.6%増加の780億円の5機種と補給部品4.2%増加の1,360億円が増加となった。
②外需
機種別に見るとトラクタ34.9%増加の2,666億円、油圧ショベル28.1%増加の8,998億円、ミニショベル25.9%増加の3,850億円、建設用クレーン41.1%増加の887億円、道路機械20.0%増加の404億円、コンクリート機械24.9%増加の13億円、油圧ブレーカ・圧砕機26.4%増加の117億円、その他建設機械39.5%増加の3,145億円の8機種と補給部品33.6%増加の2,943億円が増加となった。
地域別に見ると、全9地域中、中国、CISその他東欧を除いた7地域で増加した。3大輸出先(アジア、欧州、北米)の中でも、最大輸出先である北米は48.4%増加と大きく増加した。
2022年12月度
■概要(増減は前年同月比)
12月の建設機械出荷金額は、内需は15.6%増加の989億円、外需は44.7%増加の2,402億円となった。その結果、内需は6カ月連続の増加、外需は26カ月連続の増加となった。総合計では34.8%増加の3,391億円となり、26カ月連続の増加となった。
■内外需別(同上)
①内需
機種別に見ると、トラクタ13.6%増加の130億円、油圧ショベル8.9%増加の305億円、建設用クレーン61.6%増加の198億円、基礎機械25.2%増加の31億円、油圧ブレーカ・圧砕機0.8%増加の20億円、その他建設機械24.3%増加の72億円の6機種と補給部品7.5%増加の114億円が増加となった。
②外需
機種別に見ると、トラクタ55.8%増加の295億円、油圧ショベル58.1%増加の972億円、ミニショベル46.4%増加の375億円、建設用クレーン99.9%増加の88億円、道路機械64.6%増加の48億円、油圧ブレーカ・圧砕機21.5%増加の11億円、その他建設機械52.9%増加の359億円の7機種が増加となりました。
地域別に見ると、北米が24カ月連続で増加、アジアが22カ月連続で増加するなど、全9地域中、中国、CISその他東欧を除いた7地域で増加した。
オーエスジーが特例子会社を設立 ~障がい者雇用で地域貢献に取り組む~
オーエスジー(社長=大沢伸朗氏)の子会社、オーエスジーアクティブ(社長=田中秀典氏)が12月13日特例子会社として認可され、オーエスジー全体の障がい者雇用を創出し、地域貢献のための事業を開始した。
豊川市で唯一認可されている特例子会社であるオーエスジーアクティブについて、オーエスジーの大沢社長とオーエスジーアクティブの田中社長が2023年1月16日、豊川市竹本市長を表敬訪問し、事業開始にあたって事業概要の説明等を行った。
オーエスジーアクティブは、親会社のオーエスジーが目指す「ESG経営」の中の障がい者雇用の分野を主に担っていく企業。特例子会社として親会社から独立した最大の理由に、「別会社になれば、障がいを持った方の障がい内容や特性に配慮した就業規程の策定が容易になり、特例子会社になれば、法定雇用率の面でも、親会社に貢献できる。」ことを挙げている。
オーエスジーによると、「多くの企業では、1日8時間・週5日働くことを前提とした就業規程が定められているが、障害を持たれた方の中には、そこまで働けない方々も数多く存在する。しかし、企業全体から見れば少数である障がいを持たれた方々のために、会社全体の規程を見直すことは容易ではないが、独立した会社であれば柔軟に規程を策定できる。現在は、障がい特性や家庭環境も見据えながら、個人単位で始業時間を1時間遅らせたり、終業時間を早めたりして1日の就業時間を6時間や7時間に設定するなど、障がいを持たれた方々各個人にあった就業時間を設定し、働きやすい環境を整えている。もちろん、1日8時間働ける方はオーエスジーの就業規則通りの8時間で働いていただいている。」と特定子会社設立の目的を述べている。
今後については、「例えば精神障がいの方が中心になりますが、数か月に一度の通院日を特別有給にするなど、障がいを持たれた方々がより安心して働けるような規定なども考えていく。法定雇用率の達成・維持を前提として、障がいを持たれた方々が安心して働き、それぞれの職場で躍動し、輝けるような環境を作り、障がいを持たれた方々と共に、地域の方々とも協力して地域貢献や社会貢献を推進していく。」としている。
「今年は緩やかな調整局面はあっても大崩れには至らない」日本工作機械工業会が賀詞交歓会を開く
日本工作機械工業会(会長=稲葉善治 ファナック会長)が1月11日、都内のホテルニューオータニ ガーデンタワー(東京都千代田区)で賀詞交歓会を開いた。
あいさつに立った稲葉会長は、2022年を振り返り、「昨年の国内外の情勢を振り返ると、米中対立の先鋭化、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとする世界各地域での地政学的リスクの顕在化、およびコロナのパンデミックなどにより世界情勢は不透明、不確実な状況が続いている。製造業においては、原燃料価格が高騰し部材、半導体の需給が逼迫する深刻な状況に直面した。」と感想を述べ、昨年の工作機械の受注については、「設備投資はデジタル化、自動化、省エネ、環境対応に関連した根強い需要を背景に好調に推移した。その結果、2022年の工作機械受注は、9月に上方修正した1兆7,500億円に達した模様。」とした。
また、工業会の活動についても触れ、「10年ぶりに工作機械産業の戦略リポートである工作機械産業ビジョン2030を発行し、11月にはJIMTOF2022を、4年ぶりに開催した。今回で60周年を迎えたJIMTOFには、国内外から11万4,000人の来場者があった。日本を誇る最先端の工作機械とその最新技術を世界に向けて発信した。当会は、工作機械メーカーのスマートファクトリーでの先般的な取り組みを紹介する企画展示、アディティブ・マニュファクチャリングの製品情報や活用事例を紹介する金属AMセミナー、および全国から学生を招待して工作機械産業の意義や役割を講義する工作機械トップセミナーなどの開催を通じて、工作機械産業の魅力を社会に発信した。」と述べた。
今年は1兆6,000億円の見通し
今年の受注額の見通しについては、「ウイズコロナにあって政治的、地政学的緊張状態を背景とした分断化が継続し、経済成長も下振れリスクを伴う不透明な状況を想定せざるを得ない。欧米等でのインフレ、利上げ、中国での景気減速懸念や新型コロナウイルスの感染拡大などにより、設備投資はしばらくの間、若干落ち着いた展開となる可能性がある。製造業ではカーボンニュートラルに対応する省エネや環境対策。AI、IoT技術を駆使し、さらにロボット技術と融合させた生産システム全体の省人化、効率化、生産拠点の分散化や調達チャンネルの見直しによるサプライチェーンの再構築等の取り組みが力強く押し進められている。半導体、製造装置関連需要など少し先を見据えた商談が活発に動いている分野もあり、本年の工作機械受注総額はリスクが大きなかたちで顕在化しない限り、緩やかな調整局面はあっても大崩れには至らない。したがって、2023年の工作機械受注額は総額1兆6,000億円になるとの見通しである。」との見方を示した。
また、昨年と比較して、「低いと感じられるかもしれないが、2022年は2020年、21年とコロナ禍により大変苦労したので、私として1兆6,000億円は大変大きな数字だと感じている。まずは1兆6,000億円をターゲットとして、今年の夏にはまた上方修正ができれば良いと考えている。ぜひこの数字を目標に頑張っていく。」と明るい見通しを述べた。
近年のデジタル技術の普及については、「モノづくりからコトづくりへと発展していくとの見方がある。コトの需要を開拓していくにはしっかりとしたモノがあることが大前提であり、片方の進化だけでは大きな発展は望めない。日本の工作機械産業は、モノとして素性の良い工作機械を生産できるという特色と強みを持っている。この強みを将来にわたって継承し、世界をリードする高機能で信頼性の高い工作機械の供給を通じてモノづくりとコトづくりを融合することで、世界の製造業の発展に貢献していくことができると確信している。」と力強く述べた。
本年の同工業会の活動については、「昨年来より取り組んでおりますグリーン、デジタル、レジリエンスの3分野への取り組みを各委員会が中心となり、さらに内容を進化させていく。グリーンについては、工作機械製造にかかる調達から使用、廃棄までのLCA化を推進する。デジタルについては、生産現場での自動化要求に対応していくための使用機能の指針について検討を進めていく。レジリエンスにつきましては、サプライチェーン強靱化に資する業界の知見向上を目指して活動を進めていく。産学官の英知を結集し、技術、市場、経営、人材の4つのテーマについて検討を加えた工作機械産業ビジョン2030には、この3分野をはじめ業界の取り組むべき課題と工作について多くの示唆が盛り込まれている。日本の工作機械産業の国際競争力の維持、強化のため、それを具現化する取り組みも進めていく。」とした。
「われわれは歴史の転換点にいる」 経産省 山下 製造産業局長
来賓を代表して、経済産業省 山下隆一 製造産業局長があいさつをした。山下局長は、 「われわれは歴史の転換点にいると感じている。デジタルの力で世界はもう少し近くなってくる。世界の情報が個人ベースでも毎朝入ってくるような状況だ。こちらからも発信ができるので世界はつながっていくと確信をしている。ショックを受けたのは世界の秩序が一瞬の元に揺らいだロシアのウクライナ侵攻だった。同時に、新型コロナウイルスのパンデミック状況が長い時間続くなど、当初は考えておらず、どうやって共存していくかという状況になっている。このコロナの問題はまず、サプライチェーンの問題と国境や、国と個人の関係についても、改めて考えさせられた。」と昨年を振り返った。
地球環境問題にも触れ、「化石燃料で人類は繁栄をしてきた。蒸気機関以降、化石燃料の上に乗って繁栄を築いてきたが、これらを止めて全く違うかたちの反映を目指す。これは人類を挙げてのチャレンジである。こういう状況の中で日本は同時に人口減少の状況に入っている。一つ一つが非常に難しい課題だが、この問題を誰かの問題ではなくて、われわれそれぞれの問題だと思う必要があると思っており、後世の歴史から見た時に、あの時にあの問題にさらされた人たちは一体何をしてたんだ、どんなアクションをしたんだということを、後世から問われるんだと感じている。」と述べた。
現在の日本の環境については、「残念なことに日本はまだデフレの宿題を返していない状況である。まずは、このデフレの宿題をきちんと終わらせて、この難しい課題に挑戦をしていくモードに変えていく必要がある。昨年末に経済界から5年後には年間100兆円もの国内投資をするという見通しを示された。これは非常に心強い。民間の方々が心強い意思を示されたということはこれまであまりなかったことであり、皆さんの意欲を上手に生かしていく必要がある。われわれがこの民間の力を支援して、投資をイノベーションにつなげていく。そのイノベーションを生産性の向上につなげていく。生産性の向上を所得の向上につなげていく。この国の経済を上手なかたちで循環させていくことが非常に重要だ。そのために、昨年、補正予算ということで7兆円も投資に関する補正予算を編成している。これをぜひ、活用していただければと思う。」と力強く述べた。
また、福島の復興についても触れ、「福島の復興を円滑にやり遂げるためには今度、アルプス処理水の海洋放水の準備をしているところであるが、これをうまく進めていくためには漁業者の皆さまが安心して事業を継続できる環境をつくり上げていくことが極めて重要であり、昨年末に〝魅力発見!三陸常磐ものネットワーク〟という官民の枠組みを作り上げた。これが大きな消費につながっていくことを期待している。」と述べた。