【速報】「CIMT2019(中国・北京)」結果報告まとめ


(写真:日工会提供)

日本工作機械工業会(日工会)が4月15日(月)~20日(土)に開催された「CIMT 2019」(The 16Th China International Machine Tool Show、第16回中国国際工作機械展覧会)の概要をまとめ、発表いたしました。

出展企業各社様、お疲れ様でした。おそらく疲労も蓄積し、胃腸のダメージをまだ引きずっている方もいらっしゃると思います(●∀―)☆ 10連休のうちに回復することを祈っております。

日工会のまとめによると、今回のCIMT2019の展示面積は142,000㎡(前回比8.4%増)。東京ビッグサイトの約1.4倍で、東西展示棟の外側に6つの大きな臨時展示ホールを増設し、その面積は過去最大となったようです。世界28カ国・地域から1,712社(国内838社・海外874社)で、うち日工会会員は49社が出展しました。来場者数は319,371人(前回比▲0.4%)、うち出展者を除くと139,079人。


※JIMTOF、EMO、CCMT:純来場者数(会期を通して1人1回のカウント)
 IMTS:入場登録者数(実際に入場していない事前登録者も含む)
 CIMT、SIMTOS:延べ人数

毛会長の開会のあいさつ要旨

(1)1989年の開始以来、CIMTは30年の発展と15の問題解決を経て、中国の改革と開放、設備製造業の革新とグレードアップに貢献してきた。CIMTは、中国の工作機械市場の調査や参入の窓口、プラトフォームとして最良の存在となった。
(2)中国は世界第2の経済大国として、現在の下向きな経済圧力に対し、一連の経済対策を策定した。中国市場の需要構造の変化と急速な質向上は、世界の工作機械製造業に新たな機会をもたらす。
(3)今回のCIMTを成功裡に終えるために、主催者はサービス水準と展示会運営の向上や、展示内容の充実に向けて、新たな試みに努めた。
(4)展示のキーワードは、「新商品の展示、世界市場のニーズを表現」、「オプション商品による生産プロセスの深掘り(中国製造2025の要求を満たす)」、「知能化技術によるスマート製造」、「最新のIoT技術による成果発表」、「増材製造技術(AM=積層造形)による革新」

展示会概況について

(1)出展機動向

中国メーカーの出展機(写真:日工会提供)
中国メーカーの出展機(写真:日工会提供)
① ユーザーニーズの高まりを受けて、中国メーカーから、テーブル旋回形等の5軸加工機が40台超出展。機械サイズに比してテーブルが大きく、作業性とワークの視認性に優れた、片持ち回転テーブルタイプが主流で、HIWIN(台湾)製のテーブルが多く採用。NC装置は、SIEMENS製が最多で、次いでHEIDENHAIN製と、ドイツ製が5軸機に多く採用。
② 一方、ロボット及びローダを使用した自動化に関する出展は減少。複合加工機も存在感が前回より低減。
③ 切削加工と積層造形との融合機は、日欧メーカーからの展示が主で、中国メーカーからは、北一机床が3Dプリンタを出展していたのみ。
④ 欧州とスイスメーカーは西1館にパビリオンを設置。特にドイツメーカーによる5軸加工機の中国生産が活発化。
⑤ 中国メーカーからIoTを意識する出展が増加。ネットワークを活用した機械の稼働状況の一元管理等、製造工場の先進化をアピール。
⑥ 中国版IoTプラットフォームとして「NC-LINK」が東側通路にパネルで紹介。工業会のほか、大学、企業など19の団体がメンバーに所属。仕組みの構築と、7つの標準が成果として展示。SIEMENS、ファナック、ベッコフオートメーションも協力。

中国工作機産業 2019年の見通し(参考:CIMTBA)

●プラス要因
・ 減税や社会保険料の低減などの経済政策(4月以降に実施)により好転。
・ 工作機械産業ではイノベーションやアップグレードが進展。
・ 建設機械、鉄道、航空産業等が強力に発展し、工作機械への需要が増加。

●マイナス要因
・ 工作機械産業を取り巻く環境は、いまだ、不安定かつ不透明。
・ 2018年の自動車生産は28年ぶりに減少。同年における自動車産業の固定資産投資は前年比+3.5%だが、全体の中で低位置。
・ 3C産業(コンピュータ、通信、コンシュマーエレクトロニクス)では、工作機械の需要改善を促す材料が不明瞭。

●結論
工作機械業況には下降圧力が存在するものの、全体として継続的に更新需要が維持される見通し。主要な経済指標は2018年と同じか、緩やかな下降を示すが、(ユーザー業種である)様々な副次産業は、異なった動きとなる見込み。

以上、日工会がまとめたCIMT2019の概要でした☆