春のワクチンリロード祭り
東京都の禁酒令がモチベーション維持に暗い影を落としている。近所では洒落たコーヒー屋さんもあるけれど、ジュースやコーヒー片手に騒いでいる人も多い。自粛すべきは飲食ではなく、「お行儀の悪い大人」だ!
ところで、いよいよ東京も新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。まずは75歳以上の高齢者からです。
これに先立ち、4月28日の午前8時30分に根城にしている区のワクチン接種受付がスタートしました。このワクチン接種受付の大変さったら! 皆様もこれから似たような体験をするかもしれません。わたしが経験したのは4月の話ですから現在は改善されていることを期待しています。
この貴重な体験を記しておこうと思いました。お時間のある方はご笑覧ください(●∀-)
つながらない脆弱なシステム
おそらく受付が混雑するだろうと予測して、身内のために都合のいい接種日時を確保するため受付スタート時刻にサイトを開いたところ、「現在受付をしていない」ことを知らせる文字があった。
なにかの間違いかと思った。こちらが日時を間違えたのか? 一瞬不安になって日時を確認してみても間違いはない。サーバーはダウンしているとは思えず、何度もサイトを覗いたものの「現在受付をしていない」ことを表すレイアウト。まるで確認のために受付前日のサイトを見ているよう。
表示は変わることなくとうとう30分が経過した。ワクチン受付電話は既に全くつながらないので、話にならない。区のサイトにある受付不可の表示は不備なのかどうかを確認するため、近くにある区の出張所に電話をしてみたところ、電話はすぐにつながった。
「指定された8:30に受付ができると思って接続をしましたが受け付けていないとの表示が出ています。これはどういうことでしょうか。」とチクリと確認を求めたところ、出張所の職員もサイトを確認し、「おかしいですねえ・・・折り返しご連絡いたしますね。」といったん電話を切ったあと、「申し訳ございません。FAXでも受付けておりますので、そちらで対応もできますよ。」と連絡をいただいた。
しかしながら、そのニュアンスからなんとなくシステムが脆弱なことを察したわたし。
これは長時間の戦いになるかもしれぬぬぬぬ~~~。
悪い予感は的中した。
さっきまで見ていたサイトは全くつながらなくなってしまった。サーバーがダウンしたのかもしれない。
この日はゴールデンウィーク前。身内の高齢者のために、時間を削ってPCに張り付いている善良な労働者がどれだけいたことか。勤め人であれば、半休や有休をとったりして身内のワクチン受付のお手伝いをしたり、特に介護をされている方は、疲労もあるうえ、仕事に影響を及ぼすこともあることから、この日につながらなかったら、また別の日に時間を取らなければならず、内心、(クビになったらどうしよう)と心が折れそうになってもおかしくない。現実的には家族全員がなんら経済的にも健康的にも問題を抱えることなく過ごしているなんて、一握りだ。
気づけば16時。サイトは全くつながらない、電話をかければ、「こちらはNTTです・・・」の音声がむなしく繰り返される。電話でのワクチン受付はナビダイヤルシステムをとっていたので、あ、つながった! と喜びもつかの間、ナビの途中でまた「ただいま電話が混み合っております。おかけ直しください。」の音声。いつになったらつながるんだ! しかも20秒で10円も料金が課金されるってどうなのよ。
仕事そっちのけで盛大なリロード祭り状態
一方、PCではリロード! リロード! リロード! 春のワクチン・リロード祭りを盛大に繰り広げているさまだ。リロード! リロード! リロード! クリックしすぎて人差し指の指紋がなくなってしまったらどうしてくれるんだよ、あん? と思うほどリロード! 一銭の得にもならない時間が悲しく過ぎる。この時間泥棒め! リロード! リロード!
ワクチンの確保数からシステムのシミュレーションをしなかったのか。なによりワクチン接種のサイトをつくるなら、せめて年齢や区内においての地域別、基礎疾患の有無など該当者別に受付を設ければ、混雑緩和に役立っただろうに。
これでは効率よく事務処理を正確かつスピーディにするためのデジタル化が活用されていないに等しい。
なにより、このワクチン受付サイトのつくりに驚いた。多くの75歳以上の方がアクセスするのが難しいシロモノだからだ。75歳以上の高齢者がブラウザ、リロードといってもピンとこないだろう。しかも高齢者はたいてい加齢で目の悪い方が多い。すべての75歳がスマホの小さな文字も読めたり、パソコンも使えると思っているのだろうか。
参ったのは、エラーが連発したことだ。なぜか初期パスワードの変更入力を即され、入力しても混雑によりエラー表示が出て先に進めない。やっと進んでも、予約フォーム自体、画面の移り変わりが多く、日程を指定しても、それがエラーなのか反映しているのかも分からない。サーバーが脆弱なのか何度もリロードを即され、今度は失敗のロックがかかった。Why?
もう一度やり直し・・・と思って、仮パスワードを入力する画に到達するもシャットアウト、やっと任意のパスワード画に進もまた混雑によりNG。ロックがかかって一定時間後に再度アクセスしてください・・・って一定時間後ってどのくらいだよ!(怒) 具体的な時間を示せ!
そんなこんなでなんとか予約を済ませることができた。この時、すでに早朝2時過ぎ。もう眠いよ~。
その後、区もサーバーを強化するなどして対応を講じていると知った。これで少しはほっとした。
どうせならTVショッピングのように対応したらいかが?
ところが、5月9日の時事通信社によると、NTTなど通信大手各社は9日、10日朝からコロナウイルスワクチンの接種予約を受け付ける自治体の予約通話を制限するとし、つながらない場合は時間を置いてかけ直すか、ネット予約を受け付けている自治体についてはネット利用を呼び掛けているとのこと。
通話制限を設けて「混雑が過ぎたら繋がります」とのことだが、混雑が過ぎたらつながるのはあたり前じゃい!
しかも電話はだいたい受付時間が決まっており、20時~21時くらいで締め切ってしまうので、いつまでたっても繋がらないという可能性がある。ここは自動で24時間受付にしてほしいところだ。
多くの国民は電話やパソコン、スマホに何時間も張り付いていられるわけもない。しっかりつながる効率のよいワクチン受付専門ダイヤルにするなら、たとえば、TVショッピングのように電話が集中した場合、自動音声で「〇日以内におかけ直しいたしますので、電話番号を入力してください」とか、「〇日~2週間以内にお電話いたしますので、ご都合の良い時間帯を入力してください」など、後日、オペレータから電話をかけ直すようにするなどのほうがよっぽどいい。
このコロナ禍で仕事ができない方がいらっしゃるので、そういう方たちにオペレータの協力をしてもらうことはできないのだろうか。
高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン受付でうんざりしたわたし。自分の時は夜中に受付をするつもりよ。もうこりごりだわ!
今回はブログで書き散らかしましたが、近いうちにこの件に関連した内容を、コラム「直目」に掲載する予定です。
プロフィール
業界新聞社の取締役編集長を経て、インダストリー・ジャパンを設立。製造現場は日本の底力!をスローガンに製造業専門ニュースサイト「製造現場ドットコム」を運営している産業ジャーナリスト兼フリーライターです。霞ヶ関から錦糸町まで守備範囲が広いのが特長。現場取材は数知れず。些細なことや泥臭いことに真実が隠れているのを知り、今では何より本当のことを言うのが大好き。いつも働く女性と頑張るオヤジたちの味方よ。
ブログでは取材のこぼれ話やお知らせのほか、日常のことを綴っています。
機械振興会館 記者クラブ加盟
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