浅岡肇氏×飛田直哉氏の貴重なトークセッション

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写真左:浅岡氏 右:飛田氏

 

 もうすっかりアフターコロナのような毎日です。新幹線の中も混雑しており、出張族も移動中の休憩がままならない状態になりました。ここ3年ほど停滞していたぶん、一気にリアルが押し寄せたという感じでしょうか。

 さて、JIMTOF2022の期間中に碌々産業(社長=海藤 満 氏)主催で、『微細加工機を駆使するWatch Makerトップランナーに聞く 「作りたいものを作る」ことと「ビジネス」の両立』をテーマに貴重なトークセッションがありました。

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海藤社長

 ファシリテータは海藤社長。
 複雑時計時計機構〝トゥールビヨン〟を搭載した腕時計を日本で初めて製作し、世界でたった29人(2020年4月時)しか存在しない独立時計師で構成された独立時計師アカデミーの会員でもある浅岡 肇氏と理想の時計を形にするため自らのブランド「NAOYA HIDA&CO.」を立ち上げた飛田直哉氏のお二人が揃うなんて滅多にないこと。時計マニアにはたまらない内容になったと思います。

 お二人の共通点は、碌々産業社製の工作機械を駆使していること。クリエーターが作りたいものが売れるとは必ずしも一致しないという現実にどう対応してきたか――――という貴重なお話しを聞くことができました。

 浅岡氏も飛田氏も好きなことからビジネスを展開してきましたが、周囲の様子をあまり伺うことをせず(←失礼!)、一心不乱に集中してきたことがよく分かりました。

 人間が生きているうえで難しいことのひとつは、「モチベーションを維持しながら働くこと」のような気がします。世の中は絶え間なく変化し続けていますから、変化を前にして、なにごとも継続して続けることはとても難しいと実感しています。

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浅岡氏に花束が贈呈されました

 〝好きをビジネスとして成功させる〟ことは、絶え間なく変化していく世の中であっても、周囲に影響されず、尻込みもしない胆力が必要なんだとこのトークセッションで理解しました。

 なお、浅岡氏は、厚生労働省の令和4(2022)年度「卓越した技能者(現代の名工)」を受章しました。独立時計師は初の受章です。おめでとうございます!