【速報】CIMT2023 (中国・北京)結果報告

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テープカットの様子(写真:日本工作機械工業会)

 

 日本工作機械工業会(会長=稲葉善治 ファナック会長)が「CIMT2023(中国・北京)の結果報告(速報)をまとめました。

 それによると来場者数は242,246人で前回比21.1%増、うち入場者数は154,957人で前回比27.0%増となりました。 

 出展された企業の皆様、お疲れ様でした☆

他の展示会と開催規模(実績)の比較

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JIMTOF、EMO、CCMT:純来場者数(会期を通して1人1回のカウント)
IMTS:入場登録者数(実際に入場していない事前登録者も含む)
CIMT(入場者数)、SIMTOS:延べ人数
表出所:日本工作機械工業会

〈毛会長の開会あいさつ(要旨)〉

 (1)1989年の第1回開催から30年、CIMTは中国経済の発展を見守ってきた。CIMTは国際的な専門展示会として名を馳せ、世界4大工作機械見本市として高く評価されている。
 (2)2022年の中国工作機械業界はパンデミックの影響を受けたが、生産額は271.1億ドル、消費額は274.1億ドル、輸入額は66億ドルとなった。
 (3)中国は世界最大の工作機械生産国であり輸入国、消費国である。依然として中国市場の潜在性は非常に大きく将来に亘って大きな可能性を持っている。
 (4)今展には約1,600社のメーカーが出展しており、ドイツ、日本、スイス、アメリカ、韓国、スペイン、イタリア、イギリス、インド、フランス、チェコ、香港・台湾地区など計30カ国・地域が参加している。
 (5)今展のテーマは「融合創新数智未来」(“Collaborative innovation on digital & intelligent manufacturing is embracing the future”)。
 (6)我々は中国を近代化された産業システム、高い対外開放性、質の高い製造強国にするためにDXを推進していく。
 (7)CIMTは過去・現在・未来に亘り、中国の工作機械及び工具市場のベストプラットフォームであり続けると信じている。

中国工作機械産業の現況と見通し概要(参考:CMTBA)

2022年の中国工作機械産業統計

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2023年の見通し

〈プラス要因〉
 ・中央経済工作会議は、2023年の景気動向について、全体的に改善を促すことを強調。中国経済は、総じて反転することが期待。
 ・IMF、その他機関では、中国経済の成長予測を引き上げていることから、2023年の世界経済において、中国経済は重要な関心事項になりえる。
 ・2023年1月以降、製造業購買担当者指数(PMI)は拡大に回帰。新型コロナウイルスの流行防止と統制政策の調整期間や、3か月間の後退を経て、製造業の早期回復の機運は強くなっている。
〈マイナス要因〉
 ・国際情勢は複雑で、世界経済の回復基盤は不安定。ロシアとウクライナの衝突はエスカレートが続き、世界主要国の経済におけるインフレは高いレベルのままである。金融引き締め政策が続くと、世界経済は後退期に入るかもしれない。
 ・3年間のパンデミックが経済に与えるインパクトは、ある程度の回復期間を求めている。需要縮小、供給打撃、弱含みの見通しといった3つの圧力は著しく、工作機械の市場需要の回復の歩みは、ユーザー産業のそれよりも遅い。
 ・工作機械産業の様々な副次セクションは、サプライチェーンの制約、人件費や材料費の高騰、人材不足、特に切削機の受注低迷といった問題に苦慮しており、生産、操業への圧力は根強い。
〈結論〉
 中国経済の全体的な回復に伴い、2023年の工作機械・工具産業は、回復し続ける。大きな「ブラックスワンイベント」(マーケットにおいて事前にほとんど予想できず、起きたときの衝撃が大きい事象)がなければ、年間の成長率は5% になると予想。