ニッチな切削工具メーカーの栄工舎が面白い!
近年、切削工具の性能がもの凄く良くなってきているけれど、それでも最終段階で精密な部品の仕上げをするのにはリーマが必要ですね。
リーマ生産量日本一の会社が東京都大田区にあるんです。
その名は栄工舎。もともとリーマから出発した会社なので、この分野ではトップシェアを誇っています。そんな栄工舎にこの間お伺いしたんだけど、栄工舎の工具ってニッチな分野では大活躍しているのよね。
超硬リーマの動画よ↓↓
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同社の熊田 実 営業技術部部長は、「切削工具の性能が良くなってきましたが、やっぱり精密な部品の最後の仕上げをするのにリーマは必要なんですね。大手が撤退していった分、うちはとことんやろう、という流れになりました。うちは溝加工や面取り加工など、痒いところに手が届くような工具が得意なんですよ」とのこと。
実は栄工舎、パンフレットがそのまま技術資料になっちゃうところが面白い。
同社のホームページにはカタログがダウンロードできるようになっているんですが、人によっては、「紙でくれ!」と言うんですって。これは、パンフレットが細かくて親切丁寧に製品のメリットを最大限に活かす工夫がされているってことなんでしょうね。
ちなみに栄工舎の商品アイテム数は2万8000! 膨大よね。
その中でも、ダントツ、ユニークで画期的な切削工具は、『超硬ソリッド球面カッター』。なんと280°の工具なの。
製造現場ドットコムとしては、“どこにもないもの”は大好物! 初めてこの工具をみたときには衝撃が走ったもの。ボールエンドミルではできない加工もできるうえ、5軸加工機による複雑形状にも対応できるという画期的な工具であり、280°の工具は世界中どこを探しても栄工舎しかありません。
ところで、ニッチなところで大活躍をしている同社の活躍の場をほんの一例ですがご紹介しましょう。
戦闘機の尾翼の方向舵(ラダー)の穴は超精密です。この重要部に同社のリーマが大活躍しているんですね。なんと、この穴の精度が狂うとマッハ2.3で飛んでいる戦闘機が墜落しちゃうんですよね。
他にも某航空機メーカーにも使用されている同社の工具。
穴加工というのはとっても奥が深いですね。
栄工舎は来月、10月23日(水)から10月26日(土)までの4日間、ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催される「メカトロテックジャパン2013」に出展しますので、ぜひ、お時間のある方は同社のブースを見学してみてください。
熊田部長が親切丁寧に加工について相談に乗ってくれます☆
プロフィール
業界新聞社の取締役編集長を経て、インダストリー・ジャパンを設立。製造現場は日本の底力!をスローガンに製造業専門ニュースサイト「製造現場ドットコム」を運営している産業ジャーナリスト兼フリーライターです。霞ヶ関から錦糸町まで守備範囲が広いのが特長。現場取材は数知れず。些細なことや泥臭いことに真実が隠れているのを知り、今では何より本当のことを言うのが大好き。いつも働く女性と頑張るオヤジたちの味方よ。
ブログでは取材のこぼれ話やお知らせのほか、日常のことを綴っています。
機械振興会館 記者クラブ加盟
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