大盛況だったMECT2013(後編)

皆さんこんにちは(●∀●)
前回に引き続き、「MECT2013」の後編をお届けします☆

オレンジ色がトレードカラーの日進工具は、今回、鏡面仕上げができる優れた工具のほか、“超硬合金に直彫り加工ができる”プリズムモデルのサンプルを展示していました。被削材は超硬材(92.5HRA)、使用工具はDCMB R0.3 。回転数30,000min-¹、送り速度200mm/min、切り込み0.002×0.005、加工時間2時間20分でこのサンプルを加工しています。寸法誤差も3µm以内! という数値を叩きだし、来場者の注目を引いていました。なお、11月8日(金)~9日(土)の両日、同社開発センター・仙台工場で「NS東北 微細・精密加工展示会2013」を開催します。仙台工場は今年でハタチを迎えました!

おやっ!
日立ツールのブースが変わった!
今まで青と白の色使いが多かったのですが、今回は深い赤を基調としたブースです。イメージを一新させモダンでお洒落! 工具もこんなに映えて見えます。写真にある製品は業界初の仕上げ用刃先交換式工具の4枚刃化を実現した「アルファ ボールプレシジョンマルチフルートABP4F形」。金型を始めとした、曲面の仕上げ加工に最適で、現状では刃先交換式ボールエンドミルで多刃を採用している例はありません。

機械加工、ロボット、機能部品、材料事業を併せ持つ不二越の売れ筋といったら、「アクアドリル」シリーズ。今回、「常識を変える新発想工具」をテーマに工具群がズラリと並んでいました。プレゼンテーションも大盛況で、アクアドリルの人気がよく分かります。現在開催中の2013国際ロボット展示会に先駆けて小型ロボット「MZ 07」が展示してありました。このロボットはコンパクトさと世界最速の高速性が最大の魅力だけあって、ものすごく速い動きで驚きました。

日頃から「どんな加工にも対応する工作機械で優位性を持って欲しい」と話している牧野フライス製作所だけあって、生産性、加工精度のレベルアップと図るマシン群を展示していました。中でも1クラス上の加工能力と加工領域が製造力を強化する「a61nx」に来場者は興味津々。このマシンの最大のウリは50番主軸と同等の加工性能。今回、皆さんが驚いていたのは、工具交換スピード。マシニングセンタに必要とされる動作を検証し、非切削時間の短縮を示していました。

三井精機工業は、回転・傾斜軸を使用することで周速ゼロの工具先端部分での加工を回避できることに加え、回転軸を使用することで直線軸のみの加工よりも良好な加工面が得られる「Vertex550-5X」を展示。
“5軸機を身近にする”をコンセプトに省スペース、使いやすさ、購入しやすい価格を目指しているだけあって、そのコンパクトさは魅力的だった。このマシンは人気が高く、ユーザーからの評判も良いんですよ。

展示してあるサンプルが論より証拠! の安田工業。今回の目玉は新製品「YBM7Ti」ですが、 今回、タービンディスク(Ni基耐熱合金)のブレード基部に対して、機械の高剛性を見せつけてくれました。このサンプル写真の少し湾曲している部位がお分かりでしょうか。難削材加工でも自由度を持たせているんですね。これは特殊エンドミルを活用し、トロコイド加工を行っています。ご承知のとおり、この部位は過酷な状況下で使用されるとても重要な部位になりますから高い精度が要求されます。さすがはYASDA! といわしめるマシンでした。

斬新でお洒落なブースといえばヤマザキマザックを思い出す方も多いと思いますが、今回もメインの工作機械はもちろんのこと、見るもの全てが楽しめる内容となっていました。同社では知能化加工技術を掲げており、機械自身が高度技術者のノウハウや五感に代わって加工プロセスをサポートするという優位性が特長。人間にとっての使いやすさを追求したデザイン開発にも注目で、同社のマシン、「奥山デザイン」は有名です。写真は1チャッキングの複合加工機「INTEGREXi-200S」。

ここ数年の間、従来以上に販促活動が活発になったユキワ精工
「グッドデザイン賞2012 グッドデザイン・ものづくりデザイン賞受賞 中小企業長官賞」を受賞した「グリーンG1チャック」が展示されていましたが、製品の良さを見事な形でPRしていたのが印象的でした。これを見れば、ユキワ製品の良さが一発で分かる仕組みです。この斬新なアイデアは酒巻常務が出したもので、良い製品をいかにPRするか、というのはとても大切なことだと改めて感じさせられます。

碌々産業といえば微細加工機ですが、東海地区初出展となる「Android」はやはり人気の的。加工機の挙動を「見える化」し、きめ細やかな補正で究極の加工精度をユーザーに提供するマシンとして評価も高いマシンです。超硬への直彫り加工や、磨きレス鏡面加工など、超高精度マシンだからこそ出来るマシンの優位性を押し出していました。このマシン、海藤社長が名付けた“アーモンドアイ”形の窓が愛らしく、デザイン性にも優れています。