昭和34年の最も小型なジグボーラー
今日は三井精機さんのプライベートショーに行ってきました。
新しいマシンに来場者は興味津々。この様子は今週のニュースに掲載する予定ですが、目にとまったものはどんどんブログでアップしましょ、ということで。
最新のマシンがズラリと並ぶ会場内に、ひときわ鈍い光を放つ機械がひっそり佇んでいました。
昭和34年(1959年)に開発された光学式ジグ中ぐり盤「No.OA型」です。最も小型なジグボーラーとして注目された機械です。
自社製の高精度基準尺を内臓し、位置決め精度を0.002mmを保障しています。これは現在のナノ加工レベル。当時としては最も高精度な値であり、昭和36年(1961年)には「日本機械学会賞」を受賞しています。時計やカメラ、電子管部品などの加工用(特に小型穴の加工)に活躍しました。
主軸ヘッドの側面には顕微鏡がついていて、加工物の芯出しや加工状態の観察もできます。
当時としては画期的なこの機械ですが、昭和34年といえば岩戸景気が到来し、翌35年は所得倍増計画発表、さらに36年は柏鵬時代到来ということで、どんどん日本の景気が良くなっていった時代でした。平成23年の今日、思わずふーっとため息が出ますね。
この時代にナノレベルに達成していたとは驚きですが、まさに高度成長時代の序奏にふさわしい機械と言えましょう。
プロフィール
業界新聞社の取締役編集長を経て、インダストリー・ジャパンを設立。製造現場は日本の底力!をスローガンに製造業専門ニュースサイト「製造現場ドットコム」を運営している産業ジャーナリスト兼フリーライターです。霞ヶ関から錦糸町まで守備範囲が広いのが特長。現場取材は数知れず。些細なことや泥臭いことに真実が隠れているのを知り、今では何より本当のことを言うのが大好き。いつも働く女性と頑張るオヤジたちの味方よ。
ブログでは取材のこぼれ話やお知らせのほか、日常のことを綴っています。
機械振興会館 記者クラブ加盟
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