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7月分工作機械受注総額は1278.2億円 日工会
日本工作機械工業会がまとめた7月分の受注実績は以下の通り。2014年月7月分工作機械受注総額は、1278.2億円(前月比+0.1%・前年同月比+37.7%)となった。受注総額は、5カ月連続の1200億円超。1000億円超は11カ月連続内外需とも前月から微増で高水準の受注が継続。内需は政策効果が顕在化し、2カ月連続の400億円超。リーマンショック以降の最高額を2カ月連続で更新。外需は5カ月連続の800億円超と高水準の受注が継続。欧米の堅調さに加えて今月はアジアでも増加。今後も内需、外需とも回復基調で推移すると見込まれるが、中国の電気・精密向けスポット受注の動向も注視。
【7月分内需】
427.7億円(前月比+0.3% 前年同月比+30.6%)。■内需総額・前月比3カ月ぶり連続増加、前年同月比13カ月連続増加。・2カ月連続の400億円超。リーマンショック以降の最高額を2カ月連続で更新(6月:426.6億円)・政策効果が顕在化し、主要業種を中心に堅調。今後も高水準の受注を期待。① 一般機械 188.5億円(前月比+12.4% 前年同月比+43.5%) うち金型 25.7億円(前月比+22.1% 前年同月比+27.0%)② 自動車 135.2億円(前月比△15.3% 前年同月比+42.3%) うち部品 86.9億円(前月比△23.8% 前年同月比+33.6%)③ 電気・精密 46.6億円(前月比+36.4% 前年同月比+69.4%)④ 航空機・造船・搬送用機械 16.5億円(前月比+3.9% 前年同月比△23.1%)
【7月分外需】
850.5億円(前月比+0.1% 前年同月比+41.5%)。■外需総額・前月比は2カ月連続増加、前年同月比は9カ月連続増加。・5カ月連続の800億円超。・堅調な欧州、北米市場にアジアのスポット受注が加わり、高水準の受注が継続。① アジア:452.5億円(前月比+5.9% 前年同月比+55.0%)・東アジア:335.6億円(前月比△3.6% 前年同月比+68.6%)〈中国〉:279.4億円(前月比△6.3% 前年同月比+110.7%)・その他アジア:116.8億円(前月比+47.7% 前年同月比+26.0%)〈タ イ〉:33.2億円(前月比+58.5% 前年同月比△40.6%)〈インド〉:24.3億円(前月比+1.4% 前年同月比+104.0%)② 欧州:170.2億円(前月比+5.2% 前年同月比+40.6%)〈ドイツ〉:53.4億円(前月比+16.5% 前年同月比+41.3%)③ 北米:216.3億円(前月比△7.4% 前年同月比+21.1%)〈アメリカ〉:186.2億円(前月比△9.4% 前年同月比+19.9%)
6月分超硬工具主要統計
超硬工具協会がまとめた2014年6月分超硬工具主要統計は以下の通り。【超硬合金重量】514トン(前年比117.4)。【超硬工具生産額】切削工具208億3900万円(前年比117.1)、耐摩工具32億600万円(同110.3)、鉱山土木工具7億7200万円(同113.4)、その他工具4億9700万円(同120.6)、焼結体・工具20億6800万円(同113.5)、合計273億8200万円(同115.9)。【輸出入】輸出95億700万円(前年比108.3)、輸入58億8500万円(同129.6)。【超硬工具出荷額】切削工具216億6500万円(前年比118.8)、耐摩工具31億7900万円(同109.8)、鉱山土木工具8億1700万円(同112.2)、その他工具4億4100万円(同107.3)、焼結体・工具23億4600万円(同116.4)、合計284億4800万円(同117.2)。【刃先交換チップ】生産2980万8000個(前年比116.7)、出荷2996万9000個(同119.0)。
2014台湾生活用品及びパテント商品商談会 in東京 入場無料、サンプル展示多数!
台湾生活用品メーカー・輸出業者72社が来日し、9月26日(金)にホテルオークラ東京(東京都港区)で「2014年 台湾生活用品及びパテント商品商談会」(主催:経済部国際貿易局、執行:台湾貿易センター)を開催する。毎年恒例となるこの商談会は定期的に商談ができる場として、2013年は三会場合計1,739名のバイヤーが来場した。●開催概要9月26日(金)09:30-17:00 (入退場自由)ホテルオークラ東京 本館1階「平安の間」(東京都港区虎ノ門2-10-4)●主要展示商談品目家庭用品、インテリア、ヘルスケア用品、ギフト、文具、バッグ、電子製品、DIY用品、ハードウェア、カー用品、スポーツ用品、家電製品、アウトドア用品、園芸用品、ペット用品、美容用品、高齢・介護用品、アイデア・パテント取得製品、その他。↓面談会詳細はコチラ↓http://www.taitra.gr.jp/event/life/index.html↓来場事前登録(無料)↓http://www.taitra.gr.jp/event/life/reg.html送信完了後、「登録受付済メール」がご登録のメールアドレスに送信されるので、会場受付では登録受付済メールのプリントと名刺2枚を提示すること。
ジーベックテクノロジーと不二越が「ドリル加工時のバリ」をテーマに共同セミナーを開催
このほどジーベックテクノロジーと不二越が共同で、“ドリル加工時”のバリをテーマにしたセミナーをジーベックテクノロジーの開発拠点であるジーベックプラス(東京都大田区東糀谷)で開催した。
不二越が切削工具の形状と加工条件・加工方法によるバリの抑制方法を、ジーベックテクノロジーが交差穴のバリ取り・内径研磨の自動化方法を紹介し、マシニングセンタを使った加工実験を行った。
バリ取り大学の特別講義「ドリル加工時のバリ生成メカニズム」も行い、理論と実践を提供した。
ユーザーが直面するバリの問題点に焦点を当てる



「アクアドリルは弊社も使っているが加工面が綺麗。ジーベックの推奨するバリ取りの自動化は加工効率の向上が期待でき、非常に興味があります」(自動車メーカー)と、参加者の評判も上々だった。
なお、第三弾は、“フライス加工時のバリ”焦点をあて、バリ抑制チップを開発するなどバリに対する問題意識の高い住友電工ハードメタルと今秋の開催を計画中である。また、第一弾も定員オーバーのため参加できなかったユーザーも多数いたという人気の日進工具とは年内に再度“エンドミル加工時のバリ”に焦点を当てた共同セミナーの開催を予定している。
OKKがクラス最大級の高速性を実現した横形マシニングセンタ「HMC500」の販売を開始!
量産部品加工市場では、コスト削減が重要課題であり、加工機に求められる要求も高まっているのを受け、大阪機工(社長=井関博文氏)がこのほど、「HMC400」の上位機種として、高速性、高性能性、コストパフォーマンスに優れた「HMC500」を新たに開発し、製造販売する。優れた高速性能により、非切削時間の短縮を実現し生産性が向上する。
「HMC500」の主な特長
。
(1)高速性の追求
FEM解析により移動体構造・質量を最適化することで、早送り速度63m/min、最大送り加速度1G、工具交換時間(CtoC)2.9秒とクラス最大級の高速性を実現し、非切削時間を従来機約30%短縮し、生産性を向上する。
(2)主軸性能の向上
主軸には高速高剛性の4列組合せアンギュラベアリング、主軸モータには高トルクビルトインモータを採用することで鉄系からアルミ系まで、幅広い材料に対して高速切削が可能となる。
(3)大きな加工エリア
最大ワークサイズφ800×高さ1,150とし、自動治具インターフェースにも柔軟に対応が可能となっている。
(4)万全な切屑処理
天井シャワーとテーブル前後にコイルコンベヤ2機を標準装備しており、機内での切削堆積を防ぎ、切屑を速やかに機外に排出する。
(5)ECO対応
環境への負荷低減として、LED照明採用による省エネや送り駆動部のグリース潤滑採用による廃油削減などにも対応している。また、同社独自のエコスリープ機能(機械待機状態でのチップコンベヤ、油圧ユニット、サーボモータの動力を遮断)により、待機時の消費電力を約35%削減できる。(%表示は同社従来機との比較を示す)。
主な仕様
販売予定価格は31,800,000円。
販売台数は年間60台を目標としている。
なお、今年9月8日から米国のシカゴで開催されるIMTS2014、10月30日から東京で開催されるJIMTOF2014に出展する。
自動車部品の加工を変える! DMG森精機が量産部品加工用高速横形マシニングセンタ「i 50」の販売を開始
DMG森精機は、このほど量産部品加工用高速横形マシニングセンタ「i 50」の販売を開始した。今回「i 50」がラインアップに加わることで、「5C*」と呼ばれる自動車エンジンの主要な構成部品加工に最適な製品を全てDMG森精機から提供が可能になる。
「i 50」は、自動車のシリンダブロックとシリンダヘッドの加工に最適な主軸40番テーパの横形マシニングセンタ。ターゲットワークに特化した設計をすることで省スペースと高速加工を可能にしており、単位面積あたりの生産性が大幅に向上している。また、用途に合わせた2タイプのテーブルバリエーションや量産システムのライン構築への対応など高い付加価値を顧客に提供してくれる。
主な特長は以下のとおり。

加工ワークをシリンダブロックとシリンダヘッドに特化させ、APCを搭載しない設計により、機械幅は1,680mmと非常にコンパクトを実現。機械幅を抑えた設計によりガントリローダ(ワーク搬送装置)仕様時の機械間ピッチは2,090mmでの配置が可能で、量産システムのラインでも省スペースで構築できる。機械前面の天井高さも極限まで低くすることで、ガントリローダを低く配置できるようにしている。これにより、ガントリローダの上下ストロークが短くなり、ワークの搬送時間短縮などによるサイクルタイムを短縮することができる。
②高速加工
主軸3軸(X/Y/Z軸)移動の採用とZ軸移動体の軽量化により高速加工を実現している。早送り速度は全軸でクラス最高の62 m/min、最大加速度は0.7G(X/Y軸)で、ドリルサイクルやタップサイクルを繰り返すZ軸の最大加速度は1.0Gを達成している。軽量化された移動体が生み出す高加速度により加工時間を大幅に短縮する。また、主軸の加速時間は0から最高回転速度12,000min-1までが1.0秒と立ち上がり時間が早く、A軸はダイレクトドライブモータを搭載することで90°割出し時間が2.5秒(クランプ・アンクランプ時間含む)と非常に高速である。
※5C:CylinderHead(シリンダヘッド)、CylinderBlock(シリンダブロック)、CamShaft(カムシャフト)、CrankShaft(クランクシャフト)、ConnectingRod(コネクティングロッド)

FEM解析により、軽量かつ剛性の高い機械構造を実現した。ベッドは厚みを持たせながらも軽量化し、スラント構造を採用することでZ軸方向の切削負荷を十分に受けられるようにしている。これにより、主軸3軸移動でも十分な剛性を実現しており、特に加工時の負荷が高いシリンダボアのボーリング加工でも問題なく加工できる剛性となっている。高剛性なベッドにより、3点支持構造での据付が可能。機械の水平調整が容易に行え、据付時間が大幅に短縮でき、地盤の形状や経年変化に影響されることもない。
④テーブルバリエーション
ユーザーの生産性をより向上させるため、A軸仕様とB軸仕様(オプション)の2タイプのテーブルを用意している。テーブルのA軸にはダイレクトドライブモータを内蔵。バックラッシもないため振動を抑制し、高効率な加工を実現する。標準で搭載しているA軸仕様はテーブル作業面の大きさが640mm×500mm、テーブルの最大積載質量は250kgで、最大幅640mm、最大振回し径φ620mmのワークに対応する。B軸仕様は、テーブル作業面の大きさが500mm×500mm、テーブルの最大積載質量400kg、加工できるワークは最大高さ700mm、最大振回し径φ700mm。また、AB軸仕様のテーブルの設計も進めている

切りくずの堆積防止に効果的な傾斜角度をつけた機内カバーとセンタトラフ構造を採用することで切りくずの排出性を高めている。テーブル固定型の機械構造により、ボールねじやガイドを加工エリアの下ではなく全て主軸側に配置することで、切りくずによる破損のリスクを低減。加工エリアに切りくずを堆積させない構造により、切りくずによるダウンタイムの発生を抑止している。
⑥高効率なワーク搬送
ユーザーの要望に合わせて手動搬送(ローラコンベヤ仕様)や自動搬送(ガントリローダ仕様)など、ライン対応の高効率なワーク搬送システムの構築が可能。ガントリローダでは上下ストロークを短縮し、シャッタの開閉時間も2秒以内と短くしたことで、ローダサイクルタイムの短縮を実現した。省スペースな設置面積とサイクルタイムの短縮により、高い生産性の加工ラインを構築することが可能になった。
⑦省エネルギー
環境への負荷低減とランニングコスト削減のため、電力消費が小さい新型NC装置やLED機内照明などを採用しており、機械待機時にはサーボモータやクーラントポンプへの動力を遮断することで電力消費量を低減している。
⑧安全性
ISO規格、IEC規格、UL規格、JIS規格など全世界各地域の安全規格に対応している。
主な仕様
*[ ]はオプション
価格は29,800,000円(税抜き)。生産能力は月50台。
ヤマザキマザックが生産性をさらに向上させたレーザ加工機のベストセラー 「SUPER TURBO-Xシリーズ」の販売を開始
ヤマザキマザックはレーザ加工機のベストセラー機SUPER TURBO-X マークⅢシリーズに代わり、生産性をさらに向上させた新シリーズSUPER TURBO-X 2412、3015、4020の3機種の販売をこのほど開始した。
SUPER TURBO-X シリーズは、1994年の発表以降、マークⅡシリーズ、マークⅢシリーズへと製品強化され、全世界の顧客から高精度、高生産性、接近性や作業性の良さなどで好評を得ているベストセラー機。新シリーズは、新開発のNC装置MAZATROL PREVIEW 3を搭載し、早送り速度を約2倍にアップさせるなどで生産性をさらに向上させている。
UPER TURBO-X 2412、3015、4020の特長
1.高生産性。
(1)新NC装置MAZATROL PREVIEW 3を搭載し、薄板高速加工において高速・高精度制御により生産性約10%向上。
業界最速CPU内蔵の新開発NC装置搭載により、高速・高精度制御、最適加減速制御やレーザ発振指令の応答性を向上させることで、従来機に比べて薄板高速加工において生産性を約10%向上する。
(2)テーブル駆動タイプでは、トップクラスの早送り速度。
早送り速度が、従来機に比べ約2倍にアップした。
・SUPER TURBO-X 2412 : 50m
・SUPER TURBO-X 3015 : 50m
・SUPER TURBO-X 4020 : 36m
(注)上記はいずれも、X,Y軸の早送り速度
(3)段取り作業を自動化する数々の機能を標準装備。
ノズルチェンジャ、レンズ焦点距離自動測定及び補正システム、ノズルの自動清掃、オートキャリブレーション機能(倣いの自動設定)、サーボフォーカス機能。
(4)加工時間の短縮や加工不良の発生を監視する機能を搭載。
ピアシング検知、バーニング検知、プラズマ検知。
2.高機能。
1) テーブル全域で均一な切れ味を可能とする光路長一定構造を採用。
主な仕様
販売価格は以下のとおり。
・SUPER TURBO-X 2412 2.5kW 51,800千円 (税別)
・SUPER TURBO-X 2412 4kW 55,700千円 (税別)
・SUPER TURBO-X 3015 2.5kW 52,900千円 (税別)
・SUPER TURBO-X 3015 4kW 56,900千円 (税別)
・SUPER TURBO-X 4020 2.5kW 65,100千円 (税別)
・SUPERTURBO-X 4020 4kW 67,300千円 (税別)
なお、同社では販売台数をSUPER TURBO-X 2412、3015、4020 の3機種合計で60台/年を目標としている。
世界初! キタムラ機械が超高速立型マシニングセンタ「XrossCut(クロスカット)」を開発
キタムラ機械(社長=北村彰浩氏)は、世界で初めてGコードMコードといったNC言語を知らない人手も写真画像からSTLファイルをつくり、プログラム作成の手間をかけずに加工できる超高速立型マシニングセンタ「XrossCut(クロスカット)」を開発した。
この機械は、1997年から開発を手がけ、2005年に経済産業省が創設した第1回ものづくり日本大賞の優秀賞を受けた超高速金型加工機から改良に改良を加え、17難の歳月をかけてようやく商品化に成功した世界にも類がない次世代型3Dマシニングセンタである。
近年注目されている3Dプリンタとはリバース(反転)の動き(3Dプリンタは主にプラスチック等を積層していくのに対し、同社の「XrossCut」は、同様の動きで掘り込んでいく)を用いて、3Dプリンタでは3次元生成が困難な高硬度な鋼材やアルミ合金まで幅広く切削加工で3次元形状生成を行うことができる。
従来使われていたNC言語でのプログラムを用いて、超高速で加工することも可能であり、主軸回転速度毎分70,000回転、切削送り速度は最大毎分120,000mmと世界最高速度を誇っている(左右方向はX・U軸を相対的にそれぞれMAX毎分60,000mmで移動)。従来の金型加工機等と比べて3倍以上の条件で3次元切削が実現できる。
制御装置は最もハイエンドな独自開発のキタムラ機械オリジナルCNC制御装置「Arumatik-Mi」を搭載して、従来の5倍の演算処理速度と最大で従来の25万倍以上の512GBハードディスクドライブによる大幅な加工時間短縮を可能にして、さらに加工時間が100時間を超すような大容量のプログラムでも分割せずに余裕を持って一括処理が可能となるうえ、USBメモリからも同様の直接運転も可能になる世界に類をみないマシニングセンタである。
なお、「XrossCut」は本年9月8日~9月13日に開催される「IMTS2014・シカゴショー(小間番号:S-9148)に出品する。
オーエスジーが豊川市民病院へ絵画・書を寄贈
昨年年3月に創立75周年を迎えたオーエスジー(社長=石川則男氏)が、このほど記念事業のひとつとして、地元、豊川市民病院に絵画2点と書画1点の寄贈を行った。
豊川市民病院は、昨年5月に移設。新設の建物には、入口やロビーをはじめ、広大な空間と壁面を擁しているが、「そこにOSG所蔵の絵画2点と、書画1点を飾っていただき
病院を訪れるみなさまのひと時の心の安らぎに役立てていただければ」という思いのもと、今回の寄贈に至った。
去る7月14日(月)には、同社の大沢輝秀会長、油絵の作者の朝倉勝治氏、書画の作者の浜野龍峰氏の3名で病院を訪問し、病院より大沢会長に感謝状が贈呈された。今回の経緯、作品について歓談が行われた。
ダイジェット工業の「サーメタル」に注目!

超硬合金といえば硬くて耐摩耗性に優れているので、切削工具や金型などに採用される重要な材料だが、希少金属のタングステンは高値で取引され、超硬=高価である――という側面を持っている。同社では、超硬合金やセラミックスと同じ硬さと耐摩耗性を誇る材料があれば製造現場のコスト削減に貢献できるとして「サーメタル」を開発しており、最近ではコバルトやタングステンといったレアメタルを使用しない「サーメタル」を用いたダイスで金型を量産することに成功している。
「サーメタル」とは硬質材料として炭窒化チタン(TiCN)を主原料とし、金属結合相にて焼結した材料で、W・Wo を含まない新しい工具材料だ。
注目すべき点は、HV硬さ13.8GPa、破壊靭性値12.5MPa、抗折力2.3GPa(CT510)と超硬合金D2と同レベルで超硬合金、セラミックスと同じレベルであること。耐摩耗性と耐欠損性のバランスも良い工具材料だ。また、ステンレスハガネやアルミニウム合金との摩擦が低く、焼付きの発生を抑制する。900℃の大気中においても耐酸化性を維持し、高温条件でも安定使用が可能、不活性ガス雰囲気下で600℃を超えても硬さの急激な低下はみられない。炭窒化チタンが主成分であるから比重は5.8と超硬合金の1/3程度と非常に軽量なのも魅力である。低熱伝導であるから、恒温の被加工材の冷却を抑制し、セラミックスでは制作困難な複雑形状製品にも対応できる。
同社の「サーメタル」を用いたレアメタルレス金型だが、このほど燃料電池や車部品向けで一定の受注を確保したことから、今秋をめどに1億円強ほど投資し、量産するとしている。