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自動車部品の加工を変える! DMG森精機が量産部品加工用高速横形マシニングセンタ「i 50」の販売を開始

DMG森精機は、このほど量産部品加工用高速横形マシニングセンタ「i 50」の販売を開始した。今回「i 50」がラインアップに加わることで、「5C*」と呼ばれる自動車エンジンの主要な構成部品加工に最適な製品を全てDMG森精機から提供が可能になる。

「i 50」は、自動車のシリンダブロックとシリンダヘッドの加工に最適な主軸40番テーパの横形マシニングセンタ。ターゲットワークに特化した設計をすることで省スペースと高速加工を可能にしており、単位面積あたりの生産性が大幅に向上している。また、用途に合わせた2タイプのテーブルバリエーションや量産システムのライン構築への対応など高い付加価値を顧客に提供してくれる。
主な特長は以下のとおり。

ガントリローダ仕様
ガントリローダ仕様
①省スペース
加工ワークをシリンダブロックとシリンダヘッドに特化させ、APCを搭載しない設計により、機械幅は1,680mmと非常にコンパクトを実現。機械幅を抑えた設計によりガントリローダ(ワーク搬送装置)仕様時の機械間ピッチは2,090mmでの配置が可能で、量産システムのラインでも省スペースで構築できる。機械前面の天井高さも極限まで低くすることで、ガントリローダを低く配置できるようにしている。これにより、ガントリローダの上下ストロークが短くなり、ワークの搬送時間短縮などによるサイクルタイムを短縮することができる。

②高速加工
主軸3軸(X/Y/Z軸)移動の採用とZ軸移動体の軽量化により高速加工を実現している。早送り速度は全軸でクラス最高の62 m/min、最大加速度は0.7G(X/Y軸)で、ドリルサイクルやタップサイクルを繰り返すZ軸の最大加速度は1.0Gを達成している。軽量化された移動体が生み出す高加速度により加工時間を大幅に短縮する。また、主軸の加速時間は0から最高回転速度12,000min-1までが1.0秒と立ち上がり時間が早く、A軸はダイレクトドライブモータを搭載することで90°割出し時間が2.5秒(クランプ・アンクランプ時間含む)と非常に高速である。

※5C:CylinderHead(シリンダヘッド)、CylinderBlock(シリンダブロック)、CamShaft(カムシャフト)、CrankShaft(クランクシャフト)、ConnectingRod(コネクティングロッド)

シリンダブロック加工
シリンダブロック加工
③高剛性
FEM解析により、軽量かつ剛性の高い機械構造を実現した。ベッドは厚みを持たせながらも軽量化し、スラント構造を採用することでZ軸方向の切削負荷を十分に受けられるようにしている。これにより、主軸3軸移動でも十分な剛性を実現しており、特に加工時の負荷が高いシリンダボアのボーリング加工でも問題なく加工できる剛性となっている。高剛性なベッドにより、3点支持構造での据付が可能。機械の水平調整が容易に行え、据付時間が大幅に短縮でき、地盤の形状や経年変化に影響されることもない。

④テーブルバリエーション
ユーザーの生産性をより向上させるため、A軸仕様とB軸仕様(オプション)の2タイプのテーブルを用意している。テーブルのA軸にはダイレクトドライブモータを内蔵。バックラッシもないため振動を抑制し、高効率な加工を実現する。標準で搭載しているA軸仕様はテーブル作業面の大きさが640mm×500mm、テーブルの最大積載質量は250kgで、最大幅640mm、最大振回し径φ620mmのワークに対応する。B軸仕様は、テーブル作業面の大きさが500mm×500mm、テーブルの最大積載質量400kg、加工できるワークは最大高さ700mm、最大振回し径φ700mm。また、AB軸仕様のテーブルの設計も進めている

ライン仕様
ライン仕様
⑤切りくず処理
切りくずの堆積防止に効果的な傾斜角度をつけた機内カバーとセンタトラフ構造を採用することで切りくずの排出性を高めている。テーブル固定型の機械構造により、ボールねじやガイドを加工エリアの下ではなく全て主軸側に配置することで、切りくずによる破損のリスクを低減。加工エリアに切りくずを堆積させない構造により、切りくずによるダウンタイムの発生を抑止している。

⑥高効率なワーク搬送
ユーザーの要望に合わせて手動搬送(ローラコンベヤ仕様)や自動搬送(ガントリローダ仕様)など、ライン対応の高効率なワーク搬送システムの構築が可能。ガントリローダでは上下ストロークを短縮し、シャッタの開閉時間も2秒以内と短くしたことで、ローダサイクルタイムの短縮を実現した。省スペースな設置面積とサイクルタイムの短縮により、高い生産性の加工ラインを構築することが可能になった。

⑦省エネルギー
環境への負荷低減とランニングコスト削減のため、電力消費が小さい新型NC装置やLED機内照明などを採用しており、機械待機時にはサーボモータやクーラントポンプへの動力を遮断することで電力消費量を低減している。

⑧安全性
ISO規格、IEC規格、UL規格、JIS規格など全世界各地域の安全規格に対応している。

主な仕様

*[ ]はオプション

価格は29,800,000円(税抜き)。生産能力は月50台。

ヤマザキマザックが生産性をさらに向上させたレーザ加工機のベストセラー 「SUPER TURBO-Xシリーズ」の販売を開始

ヤマザキマザックはレーザ加工機のベストセラー機SUPER TURBO-X マークⅢシリーズに代わり、生産性をさらに向上させた新シリーズSUPER TURBO-X 2412、3015、4020の3機種の販売をこのほど開始した。 

SUPER TURBO-X シリーズは、1994年の発表以降、マークⅡシリーズ、マークⅢシリーズへと製品強化され、全世界の顧客から高精度、高生産性、接近性や作業性の良さなどで好評を得ているベストセラー機。新シリーズは、新開発のNC装置MAZATROL PREVIEW 3を搭載し、早送り速度を約2倍にアップさせるなどで生産性をさらに向上させている。

UPER TURBO-X 2412、3015、4020の特長

1.高生産性。

(1)新NC装置MAZATROL PREVIEW 3を搭載し、薄板高速加工において高速・高精度制御により生産性約10%向上。
業界最速CPU内蔵の新開発NC装置搭載により、高速・高精度制御、最適加減速制御やレーザ発振指令の応答性を向上させることで、従来機に比べて薄板高速加工において生産性を約10%向上する。

(2)テーブル駆動タイプでは、トップクラスの早送り速度。
早送り速度が、従来機に比べ約2倍にアップした。
・SUPER TURBO-X 2412 : 50m
・SUPER TURBO-X 3015 : 50m 
・SUPER TURBO-X 4020 : 36m 
(注)上記はいずれも、X,Y軸の早送り速度

(3)段取り作業を自動化する数々の機能を標準装備。
ノズルチェンジャ、レンズ焦点距離自動測定及び補正システム、ノズルの自動清掃、オートキャリブレーション機能(倣いの自動設定)、サーボフォーカス機能。

(4)加工時間の短縮や加工不良の発生を監視する機能を搭載。
ピアシング検知、バーニング検知、プラズマ検知。

2.高機能。
1) テーブル全域で均一な切れ味を可能とする光路長一定構造を採用。

主な仕様

販売価格は以下のとおり。
・SUPER TURBO-X 2412  2.5kW   51,800千円 (税別)
・SUPER TURBO-X 2412 4kW 55,700千円 (税別)
・SUPER TURBO-X 3015  2.5kW  52,900千円 (税別)
・SUPER TURBO-X 3015 4kW 56,900千円 (税別)
・SUPER TURBO-X 4020  2.5kW 65,100千円 (税別)
・SUPERTURBO-X 4020 4kW 67,300千円 (税別)

なお、同社では販売台数をSUPER TURBO-X 2412、3015、4020 の3機種合計で60台/年を目標としている。

世界初! キタムラ機械が超高速立型マシニングセンタ「XrossCut(クロスカット)」を開発

キタムラ機械(社長=北村彰浩氏)は、世界で初めてGコードMコードといったNC言語を知らない人手も写真画像からSTLファイルをつくり、プログラム作成の手間をかけずに加工できる超高速立型マシニングセンタ「XrossCut(クロスカット)」を開発した。

この機械は、1997年から開発を手がけ、2005年に経済産業省が創設した第1回ものづくり日本大賞の優秀賞を受けた超高速金型加工機から改良に改良を加え、17難の歳月をかけてようやく商品化に成功した世界にも類がない次世代型3Dマシニングセンタである。

近年注目されている3Dプリンタとはリバース(反転)の動き(3Dプリンタは主にプラスチック等を積層していくのに対し、同社の「XrossCut」は、同様の動きで掘り込んでいく)を用いて、3Dプリンタでは3次元生成が困難な高硬度な鋼材やアルミ合金まで幅広く切削加工で3次元形状生成を行うことができる。

従来使われていたNC言語でのプログラムを用いて、超高速で加工することも可能であり、主軸回転速度毎分70,000回転、切削送り速度は最大毎分120,000mmと世界最高速度を誇っている(左右方向はX・U軸を相対的にそれぞれMAX毎分60,000mmで移動)。従来の金型加工機等と比べて3倍以上の条件で3次元切削が実現できる。

制御装置は最もハイエンドな独自開発のキタムラ機械オリジナルCNC制御装置「Arumatik-Mi」を搭載して、従来の5倍の演算処理速度と最大で従来の25万倍以上の512GBハードディスクドライブによる大幅な加工時間短縮を可能にして、さらに加工時間が100時間を超すような大容量のプログラムでも分割せずに余裕を持って一括処理が可能となるうえ、USBメモリからも同様の直接運転も可能になる世界に類をみないマシニングセンタである。

なお、「XrossCut」は本年9月8日~9月13日に開催される「IMTS2014・シカゴショー(小間番号:S-9148)に出品する。

オーエスジーが豊川市民病院へ絵画・書を寄贈

昨年年3月に創立75周年を迎えたオーエスジー(社長=石川則男氏)が、このほど記念事業のひとつとして、地元、豊川市民病院に絵画2点と書画1点の寄贈を行った。

豊川市民病院は、昨年5月に移設。新設の建物には、入口やロビーをはじめ、広大な空間と壁面を擁しているが、「そこにOSG所蔵の絵画2点と、書画1点を飾っていただき
病院を訪れるみなさまのひと時の心の安らぎに役立てていただければ」という思いのもと、今回の寄贈に至った。

去る7月14日(月)には、同社の大沢輝秀会長、油絵の作者の朝倉勝治氏、書画の作者の浜野龍峰氏の3名で病院を訪問し、病院より大沢会長に感謝状が贈呈された。今回の経緯、作品について歓談が行われた。

ダイジェット工業の「サーメタル」に注目!

写真上:劣化した超硬合金 下:サーメタルCT500
写真上:劣化した超硬合金 下:サーメタルCT500
ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)の新素材の「サーメタル」が好評だ。
超硬合金といえば硬くて耐摩耗性に優れているので、切削工具や金型などに採用される重要な材料だが、希少金属のタングステンは高値で取引され、超硬=高価である――という側面を持っている。同社では、超硬合金やセラミックスと同じ硬さと耐摩耗性を誇る材料があれば製造現場のコスト削減に貢献できるとして「サーメタル」を開発しており、最近ではコバルトやタングステンといったレアメタルを使用しない「サーメタル」を用いたダイスで金型を量産することに成功している。

「サーメタル」とは硬質材料として炭窒化チタン(TiCN)を主原料とし、金属結合相にて焼結した材料で、W・Wo を含まない新しい工具材料だ。

注目すべき点は、HV硬さ13.8GPa、破壊靭性値12.5MPa、抗折力2.3GPa(CT510)と超硬合金D2と同レベルで超硬合金、セラミックスと同じレベルであること。耐摩耗性と耐欠損性のバランスも良い工具材料だ。また、ステンレスハガネやアルミニウム合金との摩擦が低く、焼付きの発生を抑制する。900℃の大気中においても耐酸化性を維持し、高温条件でも安定使用が可能、不活性ガス雰囲気下で600℃を超えても硬さの急激な低下はみられない。炭窒化チタンが主成分であるから比重は5.8と超硬合金の1/3程度と非常に軽量なのも魅力である。低熱伝導であるから、恒温の被加工材の冷却を抑制し、セラミックスでは制作困難な複雑形状製品にも対応できる。

同社の「サーメタル」を用いたレアメタルレス金型だが、このほど燃料電池や車部品向けで一定の受注を確保したことから、今秋をめどに1億円強ほど投資し、量産するとしている。

セコ・ツールズが耐熱合金および焼き入れ鋼の旋削ソリューションを拡張

セコ・ツールズが、高性能の旋削用材種に TH1000 と TH1500 を加え、条件の厳しい被削材に対応する効率的なソリューションをさらに拡張した。どちらの材種も、ネガチップタイプとセンタロックチップの両方に対応しており、生産性と加工安定性が大幅に向上する。

TiSiN-TiAIN ナノ層ラミネート PVD コーティングを採用した材種 TH1000 は、切削条件が低く、断続切削を伴う切削でも優れた性能を発揮。さらに、高硬度表面加工物の旋削や焼き入れ鋼製部品 (HRC 50-62) の仕上げ旋削加工でも、最高の靭性とチップ耐久性を達成する。また、この材種は弾性が高いため刃先が破損しにくく、条件の厳しい用途でも優れた切り屑処理性を実現する。

TH1000 は、Inconel 718、Waspaloy、Nimonic C263 などの耐熱合金加工物の仕上げおよび中仕上げでも卓越した性能を発揮する。この材種は、他の超硬仕上げ材種と比べ性能が大幅に前進しており、切削速度を 50~100 %も向上できる。超硬材種の TS2000 と CP200 や CBN 材種の CBN170 と組み合わせると、耐熱合金仕上げに完璧なパッケージが完成する。

TH1500 は、高い切削条件に対処するために開発された。セコ・ツールズ独自の Duratomic® コーティングを採用して耐摩耗性と刃先の高靭性と実現しているので、焼き入れ鋼製部品 (HRC 40-55) などの連続切削にも最適。TH1500 は、低~中速のねずみ鋳鉄やノジュラー鋳鉄の仕上げでも長寿命を達成するので、TK100 材種と TK2001 材種をうまく補完できる。

新しいチップ材種 TH1000 および TH1500 に使用できるチップブレーカ製品シリーズは、切り屑処理性を最大限に高めて、幅広い加工において工程の確実性の向上と工具寿命の長期化をもたらせてくれる。

三菱マテリアルが溝入れ旋削工具「GYシリーズ」に一体型ホルダを追加

三菱マテリアル 加工事業カンパニ-(カンパニ-プレジデント=増田照彦氏)はこのほど溝入れ旋削工具「GYシリーズ」に一体型ホルダを追加し、販売開始した。

溝入れ旋削工具として発売している「GYシリーズ」は、“トライロック-システム”の採用により本体剛性を大幅に高め、モジュラー型工具においても高能率加工が可能な工具として発売開始以降好評を博しているが、刃先基準セットが可能なオフセットなし一体型ホルダを追加発売することとなった。
オフセットなし一体型ホルダの主な特長は、以下の通り。

① インサート切れ刃先端位置とホルダ位置差が0mmとなっているオフセットなし製品であり、刃先基準のセットが可能。

② 高剛性の一体型ホルダにより、びびりを抑制し仕上げ面を向上。

③ 組合せ選択が可能なモジュラー型に対して使用用途が限られる代わりに、リーズナブルな価格に設定。

タンガロイがMillLine新ラジアスカッタ『FixRMill』(フィックスアールミル)『TRP10,ERP10,HRP10形』拡充

タンガロイ(社長=木下聡氏)は、新世代のラジアスカッタ『FixRMill』(フィックスアールミル)を拡充し、2014年8月18日より全国で発売を開始する。

FixRMillは、5軸加工機や複合加工機での複雑形状部品の荒加工に最適なラジアスカッタである。

複雑形状部品を5軸加工機や複合加工機で加工する場合、切込みが変動しやすいため、丸駒インサートを使用するラジアスカッタが適している。一方でこの加工方法では、切削抵抗がインサートの締付けねじを緩める方向に作用する場合があり、安定加工の妨げになる。これを防止するために、FixRMillはインサート底面の星形の凹部と、カッタボディのインサート座面に設けた凸部とを組み合わせた独自の回転防止機構を採用している。

FixRMillは既に2種類のインサートサイズRPMT12形(コーナ半径= 6 mm)、RPMT16形(コーナ半径= 8 mm)のシリーズを発売しているが、今回、コーナ半径= 5 mmのRPMT10形インサートと、それに適合するカッタボディを拡充した。これにより、小型の部品加工にも対応できるシリーズとなった。さらに、今回モジュラタイプのHRP形カッタヘッドシリーズも追加した。HRP形カッタヘッドは、幅広いバリエーションを誇るTungFlex(タングフレックス)ホルダシリーズと組み合わせることで、最適な工具長や加工条件の設定が可能となる。

南極点到達雪上車(KD604、KD605)が2014年度「機械遺産」に認定 コマツ

1968年12月19日南極点到達のKD60雪上車
1968年12月19日南極点到達のKD60雪上車
コマツ(社長=大橋徹二氏)が1963年に文部省(当時)から要請を受け開発したKD60型南極観測雪上車のうち、南極点に到達したKD604とKD605が、日本機械学会による2014年度「機械遺産」に認定された。「機械遺産」は、歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、2007年に創設されたもので、コマツの製品としてはブルドーザーG40(小松1型均土機)に続き2度目の認定となった。

(※KD604は国立極地研究所南極・北極科学館(東京都立川市)に、KD605は白瀬南極探検隊記念館(秋田県にかほ市)に保存、展示公開されている。)

Vero SoftwareがHexagon社の傘下へ

Vero Softwareがこのほどスウェーデンに本社を置く、Hexagon社の傘下に入ったことを発表した。Vero Softwareは、引き続きHexagon Metrology社内で独立したビジネス組織として運営、多岐にわたる産業分野で多くの顧客を共有していく。Hexagon社は、さらにビジネスを強化していく方針。今後CAMを使って新規開発したMMSの適応範囲を拡大することで、データ品質の課題を改称し、ソフトウエア製品の提供を強化していく。