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経産省・2024年7月度機械統計 機械工具生産動態調査

 経済産業省の2024年7月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。


 *機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
 *耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)
 

イスカル社 高能率でコストパフォーマンスに優れるヘリカルカッター「QUICK-X-FLUTE」を新発売

 

 イスカル社は、このほど高能率でコストパフォーマンスに優れるヘリカルカッター「QUICK-X-FLUTE」を新発売した。

 鋼・ステンレス鋼・耐熱合金・チタン合金等の加工用に開発された「QUICK-X-FLUTE」は、特に航空宇宙産業や重工業における高付加価値部品の重切削において高い効果を発揮する。

 経済性に優れる両面8コーナー仕様の13mm切刃インサートを採用し、特殊な刃先処理を施したハイポジブレーカー及び、難削材向けのコーティング材種により、高能率加工を実現し生産性を向上する。

 カッターボディは、ユニークなフルート形状の採用により、被削材への侵入及び退出時の耐振動性を向上。加工安定性を高め、切削条件のアップを可能とした。また、交換可能なクーラントノズルを各切刃に備え、切削域へのピンポイントなクーラント供給が可能。カッター底面にもクーラント穴を設けることで、高い冷却性と潤滑効果により、優れた耐摩耗性と切屑排出性が得られる。

〈レパートリー〉

■インサート(両面8コーナー仕様)
 S890 SNMU 1306..HP
 コーナーR 0.8/3.2/4.0

■インサート材種
 MT CVDコーティング:IC5820
 PVDコーティング:IC830、IC840、IC882、IC716

■カッター
 S890 SM
 工具径 Φ63/Φ80 mm
 

DMG森精機 レーザ発振器を最大4台搭載可能!積層容量1.5倍アップ! 高速・高精度なレーザ金属積層造形機「LASERTEC 30 SLM 3rd Generation」販売開始

 

LASERTEC DED hybridシリーズ のパウダーノズルボディ

 DMG森精機は、従来機に比べ積載容量の拡大と高精度な積層を実現したSLM方式のレーザ金属積層造形機「LASERTEC 30 SLM 3rd Generation」の販売を開始した。

 製造業界におけるDXの進化に伴い、製品開発スピードが加速しており、新しい製品や部品が短期間で製作・販売されるようになっているため、製造業界では、複雑形状の部品をスピーディーに加工できるアディティブ・マニュファクチャリングの需要が年々増加している。

 さらに必要な部分にのみ積層を行うアディティブ・マニュファクチャリングは、無駄な切りくずの発生を低減させるため環境にも配慮したサステナブルな加工方法であり、同社ではアディティブ・マニュファクチャリングを試作品製造だけでなく、量産加工にも活用できるよう今回、LASERTEC 30 SLM 3rd Generationを開発した。

 従来機から進化した最大の特長は、同社がこれまで培ってきた工作機械の設計ノウハウを反映し、設計した点である。基本構造には、金属積層造形機としては初めて、熱対称構造の鋳鉄製フレームを使用することで高剛性を実現し、Z軸にはマグネスケール社製スケールを搭載することにより、位置決め精度を向上させている。

 これらの技術は同社の工作機械の設計では標準採用されており、本機においてもこれらの技術を盛り込み、 機械構造から見直したことで、さらなる高精度な積層造形を実現した。

 さらに、80μmのレーザスポット径と積層エリア全体に対応する高精度光学モジュールを採用しているため、従来機よりも1.5倍拡大した325×325×400 mm3の積載容量で積層造形が可能である。また、最大1,000 Wのパワフルな出力のレーザ発振器を最大4台まで搭載可能なため、より高速に積層造形を行えるようになった。

 その他にも、安全かつ迅速な材料交換を実現するパウダーモジュールrePLUGや、機械の操作を容易にするガイド付きワークフローを備えたCELOS X with easyAM により顧客の安全性や操作性、メンテナンス性を兼ね備えている。

 実際に同社のレーザ金属積層造形機LASERTEC DED hybridシリーズに使用されている「パウダーノズルボディ」の切削加工をLASERTEC 30 SLM 3rd Generationに置き換え、切削加工では実現できなかった ハニカム構造のデザインを採用し設計を最適化したところ、部品数を95%削減、60%の軽量化を達成、さらに 部品の引張強度についても向上させることができた。

 また積層時に使用したパウダーや不活性ガスは、rePLUG内に搭載された超音波ふるい分け装置やフィルタシステムによって効率的にろ過するため再利用が可能である。資源の有効活用が可能となり、循環型社会の実現にも貢献する。なお、同社ではこのマシンを11月5日〜10日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2024」で実機を展示する。

主な特長

①工作機械の設計ノウハウを活用した機械構造
 ・高剛性を実現する熱対称構造の鋳鉄製フレーム
 ・Z軸にマグネスケールを搭載し、高精度な位置決め精度を実現

②積層エリアの拡大と高速・高精度を実現
 ・最大ワークサイズ 325×325×400 mm3
 ・パワフルな600 Wまたは1,000 Wのレーザ出力、レーザ発振器を4台まで搭載可能
 ・80 μmのレーザスポット径と積層エリア全体に対応する高精度光学モジュールを採用
 ・熱の発生する箇所と鋳物を分離させたフローティングプロセスチャンバーとアクティブ温度補正

③作業性
 ・SLMシリーズで初めて交換可能な積層用コンテナを採用し、ジョブごとの切り替え時間を短縮
 ・安全かつ迅速な材料交換を実現するパウダーモジュール rePLUG
  -材料粉末の供給や回収ユニット、リサイクルシステムなどの周辺機器類と一体化させた気密性の高い構造により、粉末材の飛散を防止し、安全に交換が可能
  -超音波ふるい分け装置により最高レベルの安全性で粉末材を処理
  -材料を問わない高耐久性フィルタシステムにより、不活性ガスを効率的にろ過

④CELOS Xによる操作性の向上
 ・CELOS X with easyAM により、ガイド付きワークフローを通じて、操作性とメンテナンス性が向上
 ・機械の定期的な保守メンテナンスをサポートする支援アプリケーション

↓紹介映像はこちら↓
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=7230

 

サンドビック・コロマント 「耐熱合金/チタン合金 加工セミナー2024」を開く

セミナーの様子

 

 サンドビック・コロマントは、2024年9月5日、6日の2日間、名古屋中川区のサンドビック・コロマント・センターにて「耐熱合金/チタン合金 加工セミナー2024」を開催した。

 このセミナーは、耐熱合金およびチタン合金に特化した最新の切削技術とソフトウェアを融合した次世代の加工ソリューションを紹介するもので、実際にこれらを加工するユーザーを中心に約40名が参加した。

 セミナー冒頭の挨拶で箕輪賢太郎Aerospace推進部部長は、「耐熱合金やチタン合金は、加工が難しい難削材として広く知られているが、近年では部品の複雑化に伴い、これらの材料を効率的に加工するためのノウハウがますます重要になっている。本日のセミナーでは、講習と実際のデモンストレーションを通じて、皆様の加工現場に役立つヒントを提供できれば幸いである。」と述べた。

 セミナーは4つのセッションで構成され、各セッションで具体的な技術とその応用方法が詳しく解説された。最初のセッションでは、CNCマシンシミュレーションソフトウェア「VERICUT」を使用し、グラフ機能を用いた加工条件の分析から、VERICUT FORCEを使用した最適化までのプロセスが紹介された。次に旋削加工の幅広溝加工ソリューションとして、外径幅広溝加工を丸溝チップで安全かつ効率的に加工するツールパスソリューションが解説され、VERICUT FORCEを使用することでさらに加工を最適化する事例が実演された。続いて、転削加工のポケット加工ソリューションと実削を交えて紹介された。

 最後にソリッド加工のブレード加工ソリューションとして、ブリスクやポケット加工等の工具突出しの長い加工における生産性向上と、最新工具を用いたブレード翼面削り出しの安定かつ高精度加工が紹介された。

 セミナー中にも、多くの参加者の方が講師やスタッフに質問を投げかけ、活発なディスカッションが行われた。参加したお客様からは、多くのポジティブなフィードバックが寄せられ、参加者の一人は、「デモ加工と商品説明が充実しており、新製品について知ることができた。今後の加工の参考にしたい」と述べ、今後もこのようなイベントの開催を期待する声が多く聞かれた。

デモを通じて加工現場に役立つヒントを提供


 

オーエスジーグループの日新ダイヤモンドが、マイクロ・ダイヤモンド社の事業を継承

 オーエスジー(株)のグループ会社である(株)日新ダイヤモンド(滋賀県高島市)はこのほど、マイクロ・ダイヤモンド(株)(神奈川県横浜市)の事業を2024年10月1日付けで事業承継の予定であることを発表した。 マイクロ・ダイヤモンド(株)は、独自の技術を持ち、世界で唯一、極小径の単結晶ボールエンドミルを製造できるメーカーである。7月12日付けで、オーエスジーがグループ化したオランダのPrecision Tools Holding B.V.と(株)日新ダイヤモンドとの協業によって、オーエスジーグループはダイヤモンド工具市場における微細精密加工分野の開拓を大きく前進させる考え。また、これによってオーエスジーグループは電子関係の精密金型、医療系の金型分野に進出する大きな力を得ることができると考えている。 

MMCリョウテック 製造能力増強のためタイに新工場を建設

 三菱マテリアルの連結子会社であるMMCリョウテックは、このほど同社が製造・販売する鉱山・土木用工具の製造体制を拡充するため、タイ国に有する同工具の製造拠点OTEC (Thailand) Co., Ltd.(以下、OTEC社)において新工場を建設し、製造能力増強を図ると発表した。 鉱山・土木用工具のうち、岩盤を削孔する工具であるビットおよびロッドは、鉱山や砕石、トンネル工事などの土木工事に広く使用されている。世界的な人口増加による資源需要の高まりやインフラ整備の伸長から、上記工具の需要は今後も拡大基調にある中、顧客ニーズに対応した製品の提供と安定した製造体制の構築が求められている。 OTEC社は1997年の設立以来、建設工具の海外製造拠点として着実に成長しており、今後高まる需要に応えるべく、ロッドの製造能力を増強する新工場建設に着工した。新工場は2025年10月からの初期稼働を目指し、新たに機械加工設備や熱処理設備を導入する予定であり、製造能力は需要の高まりに応じて将来的に2倍まで引き上げる計画。   

「JIMTOF2024(第32回日本国際機械見本市)」事前入場登録中!

 世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)」(主催:日本工作機械工業会/東京ビッグサイト)が、11月5日(火)から11月10日(日)までの6日間、東京ビッグサイトにて開催される。 JIMTOF2024は、東京ビッグサイト全館を利用して9月2日(月)10時より、事前入場登録の受付を開始する。今回のJIMTOF2024 は、南4ホールに文系・理系を問わず、学生を幅広く対象とした「アカデミックエリア」を新設する。ものづくり業界に興味・関心がある学生と出展者を繋ぎ、ダイレクトなコミュニケーションを図れる場などを提供する。加えて、南展示棟1階にて、特別併催展「Additive Manufacturing Area in JIMTOF2024」を実施する。1. 事前入場登録 公式WEBサイト(https://jimtof.org/)で受付中。開催期間中に実施する、講演会やセミナー、トークセッション、企画展示などの主要なプログラムなど、詳細は公式WEBサイトで確認のこと。2. アカデミックエリア JIMTOF2024では、南4ホールに学生を対象とした「アカデミックエリア」を新設した。モノづくり業界の次世代を担う学生と出展者を繋ぐことで、モノづくりの世界に興味を持つとともに、将来の進路選択の参考や就職活動に役立つ情報提供を行う。また、楽しみながら、工作機械業界への知見を深められる体験型コンテンツを提供する企画展示やステージイベントなどの各種企画を実施予定。3. 講演会・セミナー 開催初日の11 月5 日(火)には、基調講演として、「ものづくりに夢を!THKが挑戦する新発想EV」と題し、THK代表取締役会長CEO 寺町彰博氏と、SN DESIGN PLATFORM 代表取締役CEO 中村史郎氏が講演を行う。また特別講演にて、トヨタ自動車 Executive Fellow 河合 満氏、前田建設工業ICI 総合センター 執行役員ICI 総合センター長 岩坂照之氏、宇宙航空研究開発機構(JAXA)有人宇宙技術センター 技術領域主幹 大塚聡子氏が登壇する。4. Additive Manufacturing Area in JIMTOF2024 JIMTOF2024 の特別併催展として、AM/3D プリンティング関連製品・技術が一堂に会する「Additive Manufacturing Area in JIMTOF2024」を南展示棟1 階で開催する。主催者セミナー会場では、日替わりでAM/3Dプリンティングに関する様々なセミナーを実施する。その他にも、出展者ワークショップや主催者企画の展示を行う。5. YouTube チャンネル「JIMTOF INSIGHTS(ジムトフ・インサイツ)」 JIMTOF では工作機械業界を中心としたものづくりに関するテーマを広く取り上げるYouTube サイト「JIMTOF INSIGHTS」(https://www.youtube.com/@JIMTOF-INSIGHTS)を公開している。JIMTOF への来場誘致に加え、ものづくり業界の次代を担う学生に対しても、広く認知度向上を図る。またJIMTOF2024 の会期中には、南4ホールに新設されるアカデミックエリアの多目的ステージにて、動画コンテンツと連動した企画を実施する。 

コマツ 2025年日本国際博覧会での展示内容を発表 ~未来の水中工事~

展示エリアイメージ図

 

 コマツと青木あすなろ建設は、このほど、2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」のパビリオンに出展する「未来の水中工事」の展示内容を発表した。

 大阪・関西万博では、水中施工ロボットによる『誰もが活躍・人々の命や暮らしを守る「未来の水中工事」』をテーマとしている。安全・快適なオフィスから遠隔操縦により誰もが活躍でき、防災・災害復旧はもとより、再生可能エネルギーの推進や藻場・干潟の造成(ブルーカーボン)などによる地球温暖化防止にも貢献する「未来の水中工事」を世界に発信する。

 コマツは、1970年大阪万博の翌年にラジコン操縦の水陸両用ブルドーザーの量産を開始した。青木あすなろ建設は、このうち現在も稼働中の5台全てを所有し、東日本大震災の災害復興を含む1,200件以上の水中工事で知見と施工技術を蓄積してきた。

 現在、両社は、激甚化・頻発化する自然災害や、少子高齢化などによる工事の担い手不足といった社会課題の解決に向け、作業機の自動制御とICT機能により、熟練技術がなくとも水中での工事を遠隔操縦で高精度かつ容易に施工可能な電動式の水中施工ロボットの開発に取り組んでいる。2023年7月にはコンセプトマシンが完成し、現在まで、河川や漁港などでの実証を行ってきた。

 会場では、水陸両用ブルドーザーが時代を超えて進化した水中施工ロボットが活躍する「未来の水中工事」を、迫力ある大型スクリーンを使って3編のショートムービにて紹介する。また、水中施工ロボットのコンセプトマシンの精緻な大型模型や3Dディスプレイによる水中の体験演出等でリアル感・わくわく感いっぱいの展示が楽しめる。

水陸両用ブルドーザー(写真左)と 実証中の水中施工ロボット(写真右)


 

日立建機 北米西部向けサービス部品拠点「ソルトレイクシティ部品倉庫」の稼働開始

「ソルトレイクシティ部品倉庫」外観

 

 日立建機は、北米西部向けのサービス部品供給体制を強化するため、このほど、「ソルトレイクシティ部品倉庫」(アメリカ合衆国ユタ州ソルトレイクシティ)の稼働を開始した。これにより、これまでアメリカ合衆国アトランタ近郊の部品倉庫から出荷していたサービス部品を、北米西部の代理店やお客さま向けに従来以上に迅速に供給できるようになる。

 建設機械や鉱山機械のサービス部品は、機械の安定稼働を維持するために迅速かつ確実に顧客に供給される必要があります。日立建機グループは、米州の部品供給体制を強化するため、2022年にアトランタ近郊でジャクソン部品倉庫(ジョージア州ジャクソン)とマクドノー部品倉庫(ジョージア州マクドノー)の稼働を開始した。これまでは、この2カ所の部品倉庫から、カナダや中南米を含む米州全域に供給する部品を出荷していた。

 ソルトレイクシティ部品倉庫の稼働により、アメリカ合衆国ユタ州やアラスカ州、カナダ アルバータ州など北米西部向けの代理店へのサービス部品の配送リードタイムは、1~3日程度の短縮を見込んでいる。稼働開始時の取り扱い部品点数は3万種類、1日当たり約500件の部品を出荷する予定。

 今後は設備・システムの増強により操業を拡大していく計画。なお、運営は、アトランタ近郊の部品倉庫と同様にロジスティードの米国法人に3PL委託する。
 

ヤマザキマザック工作機械博物館の所蔵品「Mazak Turning Center 2500R」が日本機械学会「機械遺産」に認定

 

 日本機械学会が認定する「機械遺産」に、ヤマザキマザック工作機械博物館(所在地:岐阜県美濃加茂市)が所蔵するNC旋盤「Mazak Turning Center 2500R (以下、MTC-2500R )」が認定された。

 「機械遺産」は、歴史的意義のある機械技術を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、日本機械学会により2007年に設けられたもので、今回、認定されたヤマザキマザック工作機械博物館が所蔵するNC旋盤MTC-2500Rは126番目の機械遺産となる。

機械遺産に認定された所蔵品

NC旋盤 Mazak Turning Center 2500R(山崎鉄工所製)

 

 NC旋盤とは、従来の汎用旋盤に数値制御(NC)装置を組み込んだ機械。人が手動で操作していた機械加工を、NC装置によって自動化し、効率的かつ高精度に行うことを可能にした。山崎鉄工所(現 ヤマザキマザック)は、1968年からNC旋盤の製造販売を行っている。

 ヤマザキマザック工作機械博物館が所蔵する1970年製NC旋盤「MTC-2500R」は、国産NC旋盤として初めて米国に輸出され、航空宇宙産業の発展に貢献した。同機種の輸出を契機に、日本製のNC装置付き工作機械の性能が世界市場で高く評価されるようになり、日本の工作機械の技術レベルが広く認められることにつながった。

 MTC-2500RのNC装置にはFANUC 240が採用されている。X軸とZ軸は電気・油圧パルスモータで駆動され、最小指令単位0.01mmで、輪郭制御も可能。NC装置は、紙テープのEIA/ISOコードによるNCプログラムを読み込んで動作する。

 同機は2008年に米国より引き取られた後、ヤマザキマザックの熟練工によって再整備された。現在では、ヤマザキマザック工作機械博物館にて動態展示され、NC工作機械の原理と構造を学ぶための貴重な機械技術資料として高く評価されている。また、歴史的意義も広く認められたことから、このほど「機械遺産」に認定された。

機械遺産 認定証授与式の様子 右:日本機械学会 山本誠氏
 左:ヤマザキマザック博物館 副館長 高田芳治氏


■ヤマザキマザック工作機械博物館について
 工作機械は、身の回りにあるあらゆる工業製品の製造に関わることからマザーマシンと呼ばれ、「世界のモノづくり」を支える重要な役割を担っているが、工作機械は工場内で設備として用いられるため、その存在は一般にはあまり知られていない。
 
ヤマザキマザック工作機械博物館では歴史的な工作機械の動態展示をはじめ、機関車などの工業製品も展示し、工作機械によって人々の暮らしがどのように豊かになったのかを紹介している。また、現代の工作機械によって自動化された機械加工工場も併設しており、工作機械の今昔を俯瞰して見ることができる博物館である。

 ヤマザキマザック工作機械博物館は、今後も歴史的な工作機械の保存・展示を通じて「人々の暮らしと工作機械との関わり」や「工作機械の進化」の紹介をし、工作機械が社会を支える重要な存在であることを広く伝えている。

 同博物館は、体験型の博物館として、子どもたちにモノづくりの大切さや楽しさを伝え、次世代の製造業を担う人材の育成に貢献して行く方針。

●ヤマザキマザック工作機械博物館
岐阜県美濃加茂市前平町3-1-2
https://machine-tools-museum.mazak.com/