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「国際競争力にひいでた製品をつくり上げ、厳しいグローバル競争に打ち勝つ戦略を実践」 日機連

伊藤会長
伊藤会長
日本機械工業連合会(会長=伊藤源嗣氏)は、1月6日午前11時より都内のホテルオークラで新年賀詞交歓会を開催した。

冒頭、伊藤会長が参会者にお礼の言葉を述べたあと新年の挨拶をした。
挨拶の概要は次のとおり。

「昨年はわが国にとって忘れることのできない大変な年となりました。3月に未曾有の大災害となった東日本大震災が発生し、被災地はもちろん、わが国経済にも大変深刻な苦難をもたらしました。現在、被災地においては、関係各位の献身的なご努力により、復旧・復興に向けての歩みが着実なものとなってきておりますが、今後も国民全体で支え、後押しして、被災地の一日も早い復旧、さらには復興がなることを心より念願する次第であります。

東日本大震災では、わが国経済も大きな痛手を被りましたが、関係各位の懸命のご努力により、寸断されたサプライチェーンが早期に復旧して、生産の回復や輸出の増加をもたらし、復興需要も生じたため、昨年7-9月期の国内総生産は実質で1年ぶりにプラスとなりました。しかし、欧州の財政金融危機を契機とした世界経済の減速や歴史的な円高の継続などで、昨年は1980年以来31年ぶりの貿易赤字に転落する見込みであり、また、エネルギー不安やタイの洪水など懸念材料も多く存在しています。政府におかれましては景気が再び悪化せぬよう、円高対策や補正予算の早期執行など、確固たる対応を早急に講じて頂きたいと思います。

わが国の景気はやや持ち直しの兆しがありますが、われわれ企業を取り巻く環境は厳しさを増しております。国内では急速な少子・高齢化による人口減少が進む一方、国外では新興諸国も加えたグローバル競争が激化しています。加えて、わが国を取り巻く事業環境には円高、突出した法人税、労働面や環境面の規制、経済連携の遅れなど国内においてものづくりを続けて行くうえで大きな障害があります。これらが早急に改善されなければ、わが国からものづくりの基盤がなくなってしまう心配があります。特に急激な円高阻止に対しては強力かつ有効な施策を講じていただくことが必要と考えます。製造業の活力を取り戻し、併せて製造業の生産拠点の海外への流出を防ぎ、国内雇用が確保できるよう、国際水準の事業環境整備に早急に取り組んで頂きたいと存じます。

政府では、来年度を日本再生の元年と位置づけ、被災地復興はもとより、経済連携の強化や新産業の創出などにより、わが国経済の再出発を図ることとしています。一方、わが国の財政危機は社会保障支出増大のため瀬戸際にきており、財政再建や持続可能な社会保障制度を構築のため、現在検討されている「社会保障と税の一体改革」を確実に実行し、国民が安心できる社会システムを早期に構築することが重要と考えます。

また、われわれ企業にはわが国経済再生の担い手となることを期待されております。中でも機械工業はわが国産業の中核として、その責務は重大であります。その実現のため、われわれ企業はイノベーションによる新技術や新製品の開発、コストの削減、機械の安全性や省エネの徹底などにより、国際競争力にひいでた製品をつくり上げるとともに、厳しいグローバル競争に打ち勝つ戦略を構築し、実践していくことが重要であります。優秀な人材の育成も不可欠であります。

機械工業はこれまで幾多の苦難を乗り越えてまいりました。非常に厳しい道のりとなりますが、今回の困難もわれわれは必ず克服できると確信しております。幸いにもわが国はTPPの交渉に参加することとなり、有望なアジア太平洋地域の需要を取り組むことが可能となりました。また、先月のCOP17では温暖化への対応を世界全体で行う方針が確認されました。わが国は自主的削減努力を行うこととなりましたが、温暖化防止に対する取り組みは技術革新を海、経済の成長を促す面もあり、引き続き積極的に挑むことが産業界にとって重要と思います。一方、法律面では「製造業派遣の原則禁止」が見送りとなり、労働規制の足枷の一つが取り除かれました。いずれも機械工業にとって朗報と申せましょう。

皆様方におかれては大変厳しい事業環境が続く中、ご苦労が多いことと存じます。日本機械工業連合会は、昨年7月1日に一般社団法人に移行しましたが、新たな時代に求められるニーズに対応し、皆様方と産業界の利益のために、引き続き、誠心誠意努力を続けたいと存じます」

官民一体となって力をあわせ、奮い立つような新しい日本に

上田製造産業局長
上田製造産業局長
来賓を代表して上田隆之(「隆」は「生」の上に「一」が入る)経済産業省製造産業局長があいさつをした。その中で上田局長は、「去年は製造産業全体にとって大変な年でありました。円高、空洞化、地球環境問題、電力制約、原子力発電所の事故、さらにはタイの洪水等々苦難の年でありましたが、復興からの立ち上がりは製造業の皆さま方が大変力強いご努力をされ、予想よりも早い立ち上がりをしました。日本のものづくりの底力を見ることができ、ここに深く感謝する次第であります。復興の問題につきましては、まだまだ道中ではございますが、これから政府におきましても全力を尽くして復興に取り組んでまいります。さて、去年はこのような年でありましたので、今年は50年に一度、あるいは100年に一度の良い年になればいいなと多くの方が期待をされているようですが、世界情勢は大変不透明な状況でございます。ヨーロッパではEUという仕組みが、持つか持たないのかといった限界で戦おうとしております。アメリカもリーマンショック後の景気回復から本格的な回復軌道に立ちあがれるかという岐路でございますし、アジアも中国では成長をどうしていくのか、貧富の差をどうしていくのか等々、それぞれの国が多くの課題を抱えております。日本も例外ではございません。日本だけをみますと、なんとなく今は本当に大変なのでどうしていいのか・・・といった気がしますが、実は多くの国が、課題がそれぞれ違うにせよ、経験したことのない課題に立ち向かわなければならない状況にあります。その中において、日本という国は、皆様方の強い技術力と、人材のネットワーク、資金力もある。このようなポテンシャルを活用しながらこの新しい時代に官民揃って邁進していけば、日本の明るい未来が拓けて来るのではないかと思う次第です。政府も今年は経済産業でいえば、新しいTPPをはじめとする交易連携で一歩前に出て取り組んでまいりたいと思いますし、国内産業の問題につきましても、円高、空洞化の対策は簡単ではございませんが、ものづくりの基盤が維持できるような一歩前に出た政策展開を考える次第であります。また民間企業におかれましても不透明な状況下ではありますが、企業の利益はグローバル化の中にも存在するわけで、世界の内需をこの国に取り組んでいただくことに併せて、国内雇用の問題もございます。今年は辰年ということでありまして、この円高、空洞化で大変だ、腹が立つばかりだ、の“たつ”もございますが、別の“たつ”もあります。受けて“たつ”、しょって“たつ”、ふるい“たつ”等々。ここにいらっしゃる皆様方は日本の経営の達人でございます。皆様方が自由闊達に経営を行い、官民力を併せていけば必ずや奮い立つような新しい日本になると思っています」と述べた。

「歴史的な円高が続く中、海外需要の取り込みがキーになる」 日工会

横山会長
横山会長
日本工作機械工業会(会長=横山元彦氏)は、1月11日午前4時からホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開催した。
冒頭、横山会長が参会者にお礼の言葉を述べたあと新年の挨拶をした。挨拶の概要は次のとおり。

「昨年は、日工会創立60周年という大きな節目の年でありました。今日の業界を気付き上げてこられました先人たちに感謝の意を申し上げるとともに、関係者一同がそれに劣らぬ努力を重ねることを近い合った年でもありました。一方で昨年は大変な年でありました。3月11日に発生した東日本大震災によって、わが国の社会は人的・物的に著しい被害を受けました。被災された皆様方、とくに津波に襲われた地域の方々、原発事故で今なお避難を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

さて、昨年の工作機械業界を振り返りますと、欧米の財政・金融問題に起因した世界的な景気の減速懸念をはじめ、中国の金融引き締めや長期化する超円高水準などの逆風もありましたが、皆様方のご尽力のお陰で、毎月の受注額は概ね1000億円を超すレベルを維持して総じて順調な回復基調を辿ったと思っています。これを内外需別に見てみますと、内需につきましては、一般機械や自動車を中心に緩やかではありますが、上向いております。ただ、歴史的円高に起因する国内需要産業の伸び悩みを背景に、その水準はピーク時の半分程度であります。一方、外需に関しますと、年間で過去最高額を更新したものと見込まれます。依然として外需が受注全体を牽引している状況であります。この要因としてはアジア向けの受注が過去最高を記録したことに加え、欧米市場の復調が挙げられると思います。中でも中国は外需の中で37%、これは11月までの数字ですが、受注全体でも25%と高いシェアとなっており、その規模は国内市場に次ぐ第二の市場として存在感を増しております。こうした結果、昨年の工作機械受注額は、7月の修正しました年間の受注総額は1兆3000億円前後と申し上げましたが、1兆3000億をやや上回るという形で最終締めができるのではないかな、と思っています。(注:翌日速報値が発表)。

今年はどうなるのか、ということですが、今年の世界経済は、欧米の財政・金融問題の影響から、一般的には景気の減速が懸念されます。高成長を誇っておる新興国が、世界景気全体の牽引役を果たしてくれるものと考えています。これは私自身期待を込めて思っておりますが、中でも金融引き締めの緩和が見込まれる中国や、新たな製造拠点として注目されているアセアン各国では、活発な工作機械の需要が期待されると思われますし、一方で米国経済はドル安を背景に製造業の回復が進むであろうと私は見ております。ただ、欧州は、各国の財政再建を通じた経済安定化への取り組みの成否が世界経済にどのような影響を与えるか極めて注目されるところです。

わが国経済については、長引く歴史的水準の超円高や、電力供給不足の懸念、海外経済の不透明感等々から、景気回復のシナリオははっきりとは描き難い状況であります。こうした国内外の諸情勢の中で、本年の工作機械受注をどう見通すかということでありますが、内需については予測データからいうと、あまり良いデータが出てこないのですが、ただ、日本国内におけるものづくり基盤が揺らぎつつあると、最近しきりに言われます。そういう中にあって、われわれとしては、果たすべき役割があると私自身思っておりまして、日本でのものづくり基盤を維持するんだ、われわれもその役割の一端を担うんだという強い意志をもって、今年は取り組まなければならないと思っています。そういうことで、お客様に喜ばれる提案をする、すなわち提案をするためには、いろいろ知恵を使わなければならない。われわれ自身が販売会社を含めて需要を創出するんだ、という努力が重要だと思っております。外需につきましては、歴史的な円高が続く中ではありますが、今後も伸びるだろうと期待されるアジア市場の需要をいかに取り込めるかがキーになる。アジア市場というのは欧米と比較しても日本にとっては近いところにあるわけでありますから、そこに大きなビジネスチャンスが潜んでいるわけで、なんとしてもこれを取りまなければならない。

私ども日工会会員企業が知恵を出し、努力をしてあらゆる受注機会を成果に結び付けるように頑張っていきたいと思います。内需についても外需についても努力をしながら、1兆2000億程度は確保したいと思っています。月当たり1000億以上は確保したいと申し上げたいと思います。日本の工作機械メーカーのキーは海外市場ですから、自由かつ公平な競争ができるよう政府におかれましてもTPPの推進、あるいは行き過ぎた円高の是正など積極的な推進をお願いいたしたいと思います。

日工会としての重点事業について簡単に触れておきたいと思います。日工会といたしましても、量的な側面にも増して、技術面やサービス等の質的側面において、世界をリードし、日本はもとより、世界のものづくりに貢献することを第一義としなければならないという心づもりで諸事業を進めてまいりたいと思っております。具体的には人材の問題、次の世代を担う若い世代の育成に向けて引き続き力を入れて取り組んでいただきたいと思います。代表的な行事である「工作機械トップセミナー」は、産学の人材交流を積極的に推進しながら工作機械の社会的認知度の向上を図るべく、活動に注力します。

また、技術面では、、次世代自動車や、航空機、医療関係など、ますます成長していく分野においては産学連携して調査研究の推進を図っていきたい。あと、中長期的な観点では、今、「工作機械産業ビジョン2020」を検討しています。これも5月くらいを目途にとりまとめたい。

今年はJIMTOFの開催年に当たります。できるだけたくさんのメーカーさんに出品をしていただいて、国際色豊かな展示会にしたいと思っています。それ以外も国際交流の促進、環境問題の積極的な取り組みも引き続きやっていきたいと思っています」

アジア諸国との関係を維持強化したい

上田製造産業局長
上田製造産業局長
続いて来賓を代表して上田隆之経済産業省製造産業局長が、「昨年、製造業を取り巻く環境は苦しかったと存じます。日本経済の立ち直りに大きな貢献をいただいたのは、この工作機械業界でありました。日本の競争力の源泉が部品・素材であるわけですが、さらにその部品・素材の力の源泉が工作機械であったと知らしめることができた年でもありました。特に秋口のタイの洪水の場合は、タイに対しても大変な工作機械の輸出等々をご配慮いただきました。私どもも当初はタイの洪水に伴う国内の経済に与える影響が相当大きなものになると予想しておりましたが、皆様方のご努力のお陰で迅速に回復いたしました。工作機械に代表される日本のものづくりの強さは引き続き維持をしていかなければならないと私どもは考えます。円高や空洞化の懸念がございますが、現在、企業の利益と国家の利益は少しずつ乖離をはじめています。様々な政策を打ちながら日本のものづくりの基盤が強化されるように努力をしてもらいたいと思っております。政府の大きな役割はアジアの諸国との関係を維持強化し、皆様のビジネス環境を整備することだと思っています。TPPに関しましても、参加に関する協議が本格化するわけでございます。一方で、この議論をすればするほど中国がノッてまいりまして、「日中韓を早くやろうよ」という動きがあります。こういった分野をどこまで進められるか今年の課題です。世界経済については、アメリカに関して皆様、力強いイメージをお持ちです。アメリカ経済は回復に向かうのではないかということを仰る方が多い。中国に関しては見方が分かれていて、やや弱気な見方とかなりの成長を考えている方が両方おられるようです。EUに関しましては、残念ながらあまり期待されていないようです。一方、国内に関してですが、今年は復興需要があります。政府予算18兆円が東北地方を中心に注がれます。ぜひ、復興需要を一回限りのものにしないで、長期的に継続する形のものに成長に変えて行くことが重要です。日本工作機械工業会におかれましては、1兆2000億円という大変力強い見通しをいただきましたので、これがぜひ実現することを念願させていただきたいと思います。また、2020年に向けた工作機械のビジョンをお作りになられるとのことですが、このビジョンを私どもも非常に重視しております。政府といたしましても、これらのことを十分参考にさせて今後の政策展開をしてまいります」とあいさつした。

「常に前向きに進む」 超硬工具協会

超硬工具協会(理事長=田中啓一氏)は1月12日、東京・丸の内の銀行倶楽部で「平成23年度超硬工具協会賞」表彰式並びに新年賀詞交歓会を開催した。
受賞者は業界功労賞1名、技術功績賞18件、作業・事務・生産技術等の改善賞5件。

(詳細は前記事:以下のアドレスをクリック↓↓↓)
http://seizougenba.com/node/1055

田中理事長
田中理事長
第一部の超硬工具協会賞表彰式では田中理事長からそれぞれの受賞者に賞状が授与された。
表彰式の終了後、新年賀詞交歓会が開催され、田中理事長があいさつした。
田中理事長は、「一年前の賀詞交歓会に出席したときには、まさかあのような出来事が次から次へと起こるとは想像もしておりませんでした。大震災以降、東北を中心に大変なご苦労をされている方が多く、できるだけ支援させていただきたいと思っています。私ごとで恐縮ですが、関東大震災が起きた時、私の家が家から近いものですから、どの程度の津波がくるのか調べてみましたら、10メートルの津波でも人的被害がゼロだということでした。ですが、よくよく当時の状況を調べてみますと、当時は農地だったのです。田畑ですので当然人はおりません。人的被害はゼロとのことですが、決して安心できません。このようなことに関して相当技術革新が進んでいるようですが、それでも予知が完全にできない。原子力発電所の事故でも想定外という言葉がありました。予知ができない天災においてはできるだけの準備をすべきだと思っております。事業についても、お客様の事業の動向や市場の動向を考え、対応はできます。悲観的になることも多かろうと思いますが、われわれのように事業をやっている人間にとっては、常に前向きでなくてはならないと思っています。世の中全体を見ても、ご承知のごとくリーマンショック前は米国を中心として機関車となった地域や国がございました。残念ながら現在、機関車となる地域や国がございません。中国も苦戦しているようです。われわれ超硬工具協会も11年度の上期に1453億円の出荷をしております。9月時点で皆様に下期の見通しを伺いましたところ、協会といたしましても3000億強という見通しを出させていただきました。超硬工具協会は当然技術を生業として生きています。ぜひ、この点を基本から返り見て技術革新を行い、超硬工具協会がさらに発展することを新しい年にあたり期待しております」と年頭のあいさつを述べた。

エネルギーを核として新しいビジネスチャンスが生まれる

藤木課長
藤木課長
来賓を代表して藤木俊光経済産業省製造産業局産業機械課長があいさつした。この中で藤木課長は、「昨年1年は、東日本大震災、原発事故、夏の台風、円高、タイの洪水等いろいろあったにもかかわらず、日本の産業界では大変なご努力をされ、災害に負けないで乗り越えて来られました。ぜひ、今年を良い年にしたいと思っております。その中で、私ども日本という国で産業基盤を立て直していくのが重要だと思っています。われわれはエネルギーを核として新しいビジネスチャンスが生まれて来ると考えていますので、この方向性を皆様と一緒になって考えていきたい。また、グローバルマーケットでしっかり商売をしていく、この取り組みも重要です。昨年秋にTPPの議論がありましたが、たとえば日中韓、EU、わが国としてしっかり対応していくという一年になるのではないかと思います。皆様方が国際市場においてしっかりと仕事をしていただく、そのための基盤づくりを私どもも取り組んでいきたいと思っております。さて、為替も問題ですが、資源高も進行しております。特に超硬工具の業界ではタングステンを中心とするメタルの上昇はわれわれも考えて行かなければなりません。供給構造や需要をしっかりと戦略的に考えて行くことが重要でありますし、協会の皆さまにもご協力いただいておりますリサイクル、省資源も取り組んでいかなければなりません。このような中でしっかり日本の産業基盤を固めて、日本の産業経済を引っ張ることにつなげていきたいと思っております。ぜひ、皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます」と述べた。

「開発と生産技術のドッキングが強み」とエンジニアにエール

吉村氏
吉村氏
協会賞代表謝辞を業界功労賞受賞者の吉村寛範氏が述べた。吉村氏は、「本日は名誉ある業界功労賞を受賞させていただき、また、多くのエンジニアを表彰していただき誠にありがとうございます。私は1971年に三菱マテリアルに入社いたしました。以後、39年間、超硬に従事してまいりました。仕事は主に研究開発でした。思い出はセールスで海外に行ったことと、特許をかなり書いたこと。退職時に担当者に“私の特許はどのくらい出願したのか”と尋ねたところ、“245件あります。177件が登録になってます”との返答でした。それから協会といたしましては2007年に理事長を拝命しました。その時は超硬が成長期で2008年の3月だったと思いますが、316億という出荷額をあげることができました。これも皆様の努力の賜物であり、新記録だったと記憶しております。ですが例のリーマンショックで10月からはだいぶ落ち込みました。それで翌2009年の3月には対前年同期比で60%以上のマイナスというワースト記録を経験しました。まさに天国から地獄で皆様本当にご苦労されたと思います。それでも協会の活動が滞りなく運営されてまいりましたのは、諸先輩方のお陰でありますし、本日ご列席されている皆様のお陰だと私自身感謝しております。超硬業界はグローバルの市場の中では非常に強いと感じております。この強さの源泉は、技術開発力です。メーカーはたくさんありますが、お互いに切磋琢磨して、新製品の開発をやってまいりました。世界で高性能な製品を高品質で安定的に作る生産技術力は日本独特のもので非常に高いものがあります。まさに開発と生産技術のドッキングが強さだと思います。本日受賞された若きエンジニアの方々、これはよき伝統ですので受け継いでいただきたいなと思います」と、受賞者にエールを送った。

鴻野雄一郎副理事長の発声で乾杯した。発宴たけなわのころ散会した。

「今年はJIMTOFの年! 業界の存在感を高めるチャンス!」 工具工業会

増田理事長
増田理事長
日本工具工業会(理事長=増田照彦氏)は、1月6日午後12時30分よりメルパルク東京で新年賀詞交歓会を開催した。

増田理事長が参会者にお礼の言葉を述べたあと、「日本には沢山の坂道があります。さて、皆様に二つ質問があります。上り坂と下り坂、どちらが多いでしょうか? 二つ目の質問です。兄さんと弟がいます。どちらが長く生きていますか? ・・・答えはどちらも同じでございます。坂道は上から見たら下り坂ですし、下からみたら上り坂・・・ということで坂の数は一緒。二つ目の兄・弟の話も、弟が生まれて初めて兄になるわけですから、どっちも同じだけの年だということです。さて、昨年は様々な苦難がありました。そこで、アメリカインディアンの教えが記載されている本を読みました。その中に、“それがなんであれ、あなたが自分のものだと思ってるものは、なにひとつ自分のものではありません”とありました。私は考えました。妻、子供、お金、自然、従業員・・・挙句の果ては自分までも自分のものではないのだ、とおそらくアメリカインディアンはいっていたんだと思い自戒をしている次第です。さて、今年はJIMTOFの年であります。来年5月には、世界切削会議in京都でございます。日本工具工業会の存在感を高めるために、皆で頑張ろうではございませんか。共に頑張りましょう」と力強くあいさつをした。

頑張っていくという強い手ごたえを感じている

藤木課長
藤木課長
来賓を代表して藤木俊光経済産業省製造産業局産業機械課長があいさつをした。この中で藤木課長は、「昨年は東日本大震災、原発の事故等、様々なことがありましたが、このような中で新年を迎えられたことは大変幸せなことだと実感しております。昨年は辛いこと、厳しいことが多々ありました。今年はぜひ乗り越えて新しい発展の年にしたいと思っています。ヨーロッパ経済、金融市場を中心とした先行きについても安心できる状況ではありません。また、アメリカ経済、アジア経済を展望しても不透明感のある経済状況だと思っておりますが、一方で、われわれ昨年の震災、電力不足、タイの洪水等々、様々な苦難をどうにかこうにか乗り越えてここまできています。自信を持って苦難をバネにして今年は伸びる年にしなければならないと思っております。昨年、三次補正予算で国内立地補助金を5000億円で確保いたしました。昨年末で応募を締め切っておりますが、大変多くの応募がございました。まだまだ日本で新しいラインに投資して頑張っていくんだ、という思いに満ち溢れている強い手ごたえを感じております。日本工具工業会は日本のものづくりになくてはならない大切な分野です。これからも皆様が技術基盤を磨かれ、ビジネスを伸ばされますよう期待しております」と述べた。

堀 功副理事長の発声で乾杯した。

「足元を見据え国内の売り上げ増加を図っていく」 NaITO

あいさつする鈴木社長
あいさつする鈴木社長
NaITO(社長=鈴木 斉氏)が1月6日、東京・目黒雅叙園で新春賀詞交歓会を開催した。

冒頭、鈴木社長が、「今年も304名の方にご出席いただき感謝いたします。昨年は、あまりにも様々なことがありすぎてあっという間に1年が過ぎました。早く2011年が過ぎて2012年を迎えたいという思いが強くありました。NaITOは、昨年27日に第3四半期の発表をしました。2月が本決算ですが、当初計画しておりました売上で360億、経常で5億という当初の数字はクリアできると思います。社長として反省しておりますのは計画が低かったかな、ということです。もう少し高い数字でも社員はクリアしてくれただろうと思うと慎重な性格が出てしまった私の悪い癖が出てしまったと反省しております。2012年度は360億の一割五分はアップしたいと思っています。われわれはこの業界の中で、力強く元気にモノを売るという力を発揮させたいと思います。海外は東南アジアを中心に展開しますが、われわれの足元の基盤は国内です。謙虚に国内の商売を見直し、国内の売り上げ増加を図っていきたい」と新年のあいさつを述べた。

続いて上原好人タンガロイ社長があいさつ及び乾杯の発声を行った。この中で上原社長は、「鈴木社長は2004年にNaITOの社長にご就任されました。改革に努められ、大変大きな業績をあげられました。私が最初に鈴木社長にお会いしましたのは、2004年のタンガロイの代理店総会の席上だったと記憶しております。鈴木社長は岡谷鋼機時代にトヨタ自動車を担当されておりました。私もトヨタさんに長い間、お世話になりましたので話が非常に盛り上がりました。鈴木社長は機械工具にかかわるメーカーと商社との関係が少し変わっていくだろうということを敏感に感じ取られ、これに沿ってNaITOの舵取りをされてきたと感じております。われわれとしましても、新しい時代に向けた取り組みが必要であると痛感している次第です」と述べた。





「若い方とのコミュニケーションの充実を」 輸入協

千葉会長
千葉会長
日本工作機械輸入協会(会長=千葉雄三氏)は、1月10日午前1時より第一ホテル東京(新橋)で新年賀詞交歓会を開催した。
千葉会長が参会者にお礼の言葉を述べたあと新年の挨拶をした。挨拶の概要は次のとおり。

「昨年は未曾有の天災・人災に見舞われた1年でした。会員の皆さまに置かれましても大変な一年であったと思います。世の中なにが起こるか分からないと実感した一年でございました。この一年が、平穏で商売に集中できる一年になることを願っています。さて、昨年度の工作機械の受注実績をご報告いたしますと、昨年11までの実績をもとにした日本工作機械工業会の推計は、昨年1年間は内外需合わせて1兆3000億強でした。これは昨年9800億円ほどでしたので、3割強の増加となっております。私どもの関わりが深い内需では約4000億強。これも一昨年の実績が3100億円弱でしたので、やはり3割以上の増加となっております。輸入工作機械・器具というのは内需の動向に左右される傾向がありますので、協会の皆さまに置かれましても、この苦しい中でも増加をしていたのではないかと推察しております。大変な一年ではございましたが、需要は底堅かったということが言えるのではないでしょうか。昨年は企画委員会を立ち上げましたが、特に若い方たちのコミュニケーションを図って協会の活性化を図っていきたいと思っています。今年も様々なイベントを企画しております。今年はJIMTOFの年ですが、当協会では537小間の申し込みをいただいております。ぜひ、申し込みの小間数確保で努力する所存です」

震災からの復興を本格化する大切な年

藤木課長
藤木課長
来賓を代表して藤木俊光経済産業省産業機械課長が、「昨年は大変な一年でございました。東日本大震災、原発での事故、直接影響を受けられた方はもちろん、日本全体、大変大きな影響を与えた出来事でした。私どもにとっても自分たちが進めてきた政策をもういちど取りなおさなければならないという大変厳しい一年でありました。そういった厳しい中ではありましたが、私どもが心強かったのは、わが国の産業界が一丸となって大変なご尽力をいただいたことで、日本の生産活動、経済活動が思った以上のペースで立ちなおってきた。年後半にはタイの洪水等もありましたが、サプライチェーンの寸断等、なんとか乗り越えて、昨年1年、どうにか前に進んできた。こういったことも含め、わが国産業の底力を思い知ったわけでございます。こういった意味でこの1年は震災からの復興を本格化しなければならない大切な年だと思っています。皆様方のご支援ご協力をよろしくお願いいたします」とあいさつした。

乾杯の発声はロジェ・ツビンデン スイス大使館スイス・ビジネスジャパン日本代表が行った。

「世界の一員としてのグローバル化の推進を」 建機工 

野路会長
野路会長
日本建設機械工業会(会長=野路國夫氏)は、1月10日午前1時より東京プリンスホテルで新年賀詞交歓会を開催した。
冒頭、野路会長が参会者にお礼の言葉を述べたあと新年の挨拶をした。挨拶の概要は次のとおり。
「昨年は辛い年でありました。われわれ建機工の会員各社もご苦労をされたと存じます。今年は元気で明るい年になることを皆さんと一緒に期待したい。さて、われわれを取り巻く環境は建設機械の産業は長い目でみれば、まだまだ成長産業です。アジアをはじめ新興国のポテンシャルは大きいものがある。ここ3年ほどリーマンショック、東日本大震災、欧州の財政危機、最近では中国の急減速、超円高と、本当にショックばかりあるような3年半ではなかったかと思います。先の見通しをよく聞かれますが、なかなか読みづらく、先がどうなるか分からない時代になったかと思っています。しかし、われわれがやるべきことは変わりません。建機工として3つの課題をあげます。一つめは国内の復興需要を成し遂げなければならない。東北地方の復興を通じて将来、日本経済の再生に繋がるためにわれわれは努力していかなければと思います。特に建設機械は復興復旧にはなくてはならない機械ですので、皆さん、建設機械が足りないということのないように円滑な供給、あるいはアフターサービス、あるいは福島地域では除染の問題等ありますが、皆さんで知恵を出して、われわれはサポートしていきたいと思っています。二つめは昨年、節電・ピーク電力の抑制かと思います。われわれ建機工も国内生産拠点が多くありますが沢山のエネルギーを使っております。ぜひ皆さんで知恵を出しながらピーク電力の抑制に努めてまいりたいと思います。三つめは、なんといってもグローバル展開です。今年は国内市場はしばらく復興需要ですが、北米の市場も少しずつ回復軌道にのっております。新興国につきましては、まだまだ成長のポテンシャルが大きい。われわれ建機工も高い技術力をもっております。われわれの周囲には技術力の高いパートナーもたくさんいらっしゃいます。環境、安全をキーワードにして良い商品を開発し、全世界に供給する。そして海外市場で利益をあげて、その利益を日本に戻して研究開発を行っていくことが、よい商品をつくっていくという好循環を生む。そのように進んでいきたいと思っています。

工業会の経営のパラダイムの七つを一昨年上げましたが、この中で東北の復興を通じまして、よき企業・市民としての社会の貢献、節電・ピーク電力の抑制を含めて環境保護・省エネへの貢献、全世界へのグローバル展開をすることによって、世界の一員としてのグローバル化の推進、これらはわれわれ建機工の経営パラダイムにあります。これらを重点に皆さんと一緒に力を合わせて頑張っていきたい」

日本はネットワーク・技術力・資本力で優位

上田局長
上田局長
来賓を代表して上田隆之(「隆」は「生」の上に「一」が入る)経済産業省製造産業局長が、「昨年一年間は六重苦とも七重苦しともいわれるほど大変な年でありました。特に大震災においては復興が大きな課題でありました。建設機械工業会の皆さま方の力を得まして私どもが予想した以上に様々な復興が進みつつあるということでございました。この場を借りて皆様方のご努力に感謝を申し上げたい。さて、私どもは二つのことをお考え頂ければありがたいと思います。一つは復興需要は本来短期的なものではございますが、約18兆円が補正予算を中心としてついているわけでございます。この復興需要を日本経済の成長力、成長そのものに転換していくということが、国内政策の大きな柱であると考えています。二つ目は建設機械は今の日本経済を担っている最先端の分野でございます。世界中いたるところで日本の建設機械がありとあらゆるところで活躍し、これが日本の輸出産業の稼ぎ頭になっている。EUの問題等、様々な問題はありますが、このアジア、中東を含む世界の需要を国内の需要の中に取り組んで、世界の成長を日本の成長の糧にしていくということを一層推し進めていただきたいと思う次第であります。現在、日本だけでなく、EUもアメリカも日本もそれぞれの国が大変難しい状況であります。円高もさらにこのベースが続くという方もおれば、今年はどこかのタイミングで円安に振れるというご意見もございます。様々なことに対応していく必要があるかとは思いますが、ポテンシャルという意味では、皆様方の業界で持っておられる、ネットワークや技術力、資本力、ありとあらゆるものを考えますと、全ての国がチャレンジする中で、この国がそんなに簡単に負けるわけがないと私は確信しております。政府はさらにTPP等、難しい問題もありますが、私どもは常に一歩前に出る政策を展開していきたいと思っております。ぜひ皆様も一歩前に出る経営をお考えいただければ幸いです」とあいさつした。

4枚刃インパクトミラクル制振ボールエンドミル「VF-4SVB」に小径サイズ追加 三菱マテ

三菱マテリアルツールズ(社長=滝沢俊夫氏)は、このほど三菱マテリアルが開発、製造する難削材加工に適した“4枚刃インパクトミラクル制振ボールエンドミル”「VF-4SVB」に新たなサイズを追加、販売を開始する。

販売の背景に、航空機部品などに多く用いられるステンレス鋼やチタン合金、耐熱合金などの難削材の加工において、高能率加工を行おうとするとびびり振動が発生し、問題となることがあった。この問題に対し、耐びびり性に優れた“4枚刃インパクトミラクル制振ボールエンドミル”「VF-4SVB」を商品化したところ、現場からは高い評価の声があがり、難削材小物部品の高能率加工に対応できる小径サイズを追加した。


「VF-4SVB」の主な特長は以下のとおり
(1) R切れ刃に不等カーブ形状を採用し、難削材や薄肉部品の加工においても、びびりを抑制し、高能率加工を実現する。
(2) 従来の4枚刃ボールエンドミルに比べ、底刃部分のチップポケットを大きく確保することにより、切りくず排出性を向上させている。
(3) 耐熱性に優れた”インパクトミラクルコーティング”を適用。高い皮膜硬さと耐酸化性、低い摩擦係数により、高精度・高品位加工を実現する。

●シリーズ名称:インパクトミラクル難削材加工用制振エンドミルシリーズ
●品名/型番:4枚刃インパクトミラクル制振ボールエンドミル VF-4SVB/4型番
●販売目標:1,000万円/初年度
●標準価格:(代表型番)VF4SVBR0100=13,200円(税込み 13,860円)、VF4SVBR0250 =15,100円(税込み 15,855円)

インパクトミラクル制振ラジアスエンドミル「VF-MHVRB」およびエムスターハイパワーラジアスエンドミル「MSMHDRB」サイズ追加 三菱マテ

三菱マテリアルツールズは、三菱マテリアルが開発、製造する難削材加工に適した“インパクトミラクル制振ラジアスエンドミル”「VF-MHVRB」と“エムスターハイパワーラジアスエンドミル”「MSMHDRB」に新たなサイズを追加、販売を開始する。

ジェットエンジン、発電機のタービンブレード、航空機機体の補強部等、軽量で高い強度や高い耐熱性が必要な部品には、ステンレス鋼、チタン合金、耐熱合金、といった、難削材が多用されている。これらのワークは、大きな隅R形状で設計されていることが多く、機械加工において大径で大きなコーナRを持った専用のラジアスエンドミルが必要とされている。同社は、異なるねじれ角を複合させた不等リード形状を持つ“インパクトミラクル制振ラジアスエンドミル”と、切削抵抗を低減させた独自の断面形状を持つ“エムスターハイパワーラジアスエンドミル”の2つのシリーズにおいて、ニーズが高い5mmおよび6.35mmの大きな隅R形状の加工に対応するため、φ16とφ20の大径サイズを追加した。

「VF-MHVRB/MSMHDRB」の主な特長は以下のとおり。
(1) びびりが生じやすい薄肉形状部品や、工具寿命が問題となる耐熱合金に対する高付加価値加工が可能な“インパクトミラクル難削材加工用制振エンドミルシリーズ”と、汎用性の高い”エムスターエンドミルシリーズ”の2つのシリーズより選択が可能。

(2) それぞれのシリーズで、φ16×R5、φ20×R5およびR6.35の3型番を標準在庫として追加することにより、お客様のご要望にタイムリーに対応する。

(3) 切れ味に優れたコーナR形状を採用したラジアスエンドミルであり、難削材の高能率加工が可能。

●シリーズ名称 :インパクトミラクル制振ラジアスエンドミルシリーズ、エムスターハイパワーラジアスエンドミルシリーズ
●品名/型番 :インパクトミラクル制振ラジアスエンドミル/VF-MHVRB;3型番、 エムスターハイパワーラジアスエンドミル/MSMHDRB;3型番(いずれも4枚刃)
●販売目標:1,000万円/初年度
●標準価格:(型番)VFMHVRBD1600R500 65,620円(税込み68,900円)、MSMHDRBD1600R500 41,330円(税込み 43,400円)

Mastercam 用工具/ホルダライブラリ「My Tool Box」上で日立ツール製工具ライブラリを提供開始!

ゼネテック(社長=上野憲二氏)は、3 次元CAD/CAM システム「Mastercam」専用の工具/ホルダライブラリ「My Tool Box」上で、このほど新たに日立ツール製工具ライブラリの提供を開始する。「My Tool Box」は、工具メーカー各社が販売する各種工具データを登録した「工具ライブラリ」と、ツーリングメーカー各社が販売する各種ホルダデータを登録した「ホルダライブラリ」を備えた弊社オリジナルのサービス。サービス開始以降定期的なラインナップの拡充を進め、現在までに工具メーカー5 社(オーエスジー、ダイジェット工業、日進工具、三菱マテリアル、ユニオンツール)、ツーリングメーカー3 社(MST コーポレーション、大昭和精機、日研工作所様)の主要製品ライブラリが同社の提供するMastercam 上で利用可能となっている。「My Tool Box」で公開されている工具ライブラリには、工具径や刃長、母材、コーティングなどの情報はもとより、各メーカーが提示する加工条件の推奨値が工具種別ごとに登録されている。ホルダライブラリについてもホルダ形状やテーパー規格などの情報がホルダ種別ごとに登録されているため、同社の提供するMastercam をお使いのユーザーは、工具やホルダの情報を新規に登録する必要がなく、ツールパスの作成に専念できるとメリットがある。なお「My Tool Box」は、同社の提供するMastercam 保守サービスにご加入いただいているユーザー向けにご提供するサービス。このほど提供を開始する日立ツールの工具ライブラリをはじめ、すべてのライブラリは同ユーザー向けの専用サイトからダウンロードの上利用できる。

日立ツール製エンドミルシリーズより26種322本を新たに提供開始

今回は第1弾として、「エポックミルスシリーズ」、「エポックGターボ」、「エポックパナシアシリーズ」、「エポックTHハードボールストロング」、「SD(DLC)コーティングシリーズ」より、計26種322本の工具ライブラリを公開。さらに、第2弾以降では「エポックパワーミルシリーズ」、「エポックエアロパワーミル」、「エポックラフィングエンドミル」、「エポックパーツフィニッシュミル」などの工具ライブラリを順次追加公開する予定。また、並行して同社では各ライブラリの追加に向けて様々なメーカーと協議を進めており、現在までに公開しているライブラリの拡充に加え、ドリルやスローアウェイ工具などの新しいナインナップも順次追加していく。今後も工具メーカー、ツーリングメーカー各社の協力のもと「My Tool Box」の一層の充実化と使い勝手の向上を図るべく、鋭意準備を進めていくとしている。