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2023年2月度建設機械出荷金額まとまる 日本建設機械工業会
2月の建設機械出荷金額は、内需は14.6%増加の901億円、外需は22.0%増加の2,153億円となった。その結果、内需は8カ月連続の増加、外需は28カ月連続の増加となった。総合計では19.7%増加の3,053億円となり、28カ月連続の増加となった。
内需について機種別に見ると、トラクタ31.9%増加の79億円、油圧ショベル26.5%増加の305億円、ミニショベル10.1%増加の73億円、道路機械27.2%増加の28億円、コンクリート機械1.9%増加の36億円、油圧ブレーカ・圧砕機6.0%増加の21億円、その他建設機械32.1%増加の66億円の7機種と補給部品7.9%増加の114億円が増加し、内需全体では14.6%の増加となった。
外需について機種別に見ると、トラクタ23.7%増加の231億円、油圧ショベル29.3%増加の885億円、ミニショベル34.4%増加の390億円、建設用クレーン63.4%増加の127億円、道路機械10.2%増加の36億円、コンクリート機械23.9%増加の1億円、油圧ブレーカ・圧砕機6.2%増加の10億円、その他建設機械8.8%増加の264億円の8機種が増加した。
地域別に見ると、北米が26カ月連続で増加、アジアが24カ月連続で増加するなど全9地域中7地域で増加し、外需全体では22.0%の増加となった。
三井精機工業が工場見学会を開く
三井精機工業(社長=川上博之氏)が去る2月16日から17日の2日間、午前の部(10:00~12:00)、午後の部(13:00~16:00)にて同社本社工場精機棟内(埼玉県比企郡川島町)で工場見学会を開いた。今回は工場内に長尺なストローク(X軸25mm、Y軸1600mm)でありながら、ミクロン台の加工精度を実現した精密大型のジグボーラーに初のクイルヘッドを搭載した『J1625』も見学でき、普段は見ることのできない工場内の様子など、見どころが豊富だった。
Vertexがさらに進化した!
「実際に機械をつくっているところを見て頂いて、三井の機械の良さを納得していただきたい。」と今回の工場見学会について意気込みを話す川上社長。同社では、顧客に安心して工作機械を活用してもらうため、精度規格値を〝5年保証〟としているが、今回の工場見学会は、単にマシンを展示するだけでなく、機械の作り込みの様子を今回見学することができる特別イベントだ。来場者も興味津々の様子。
注目したのは長尺なストロークにもかかわらず、高精度を実現した大型ジグボーラー『J1625』をベースにジグボーラーのクイル主軸を搭載したマシン。同社の精機販売推進室 下村氏は、「クイルをちゃんとつくれば真っ直ぐ動く。ボーリング穴を正確に加工したいお客様の要望です。この機械は米国のお客様に納入されるものです。重量のあるヘッドに比べて軽量なクイル主軸は特にボーリング穴の高精度加工に最適なのです。」と説明してくれた。
人気の『Vertexシリーズ』に今回、研削仕様のものがあった。ガラスを削っているという。クーラントシステムがガラス専用とのこと。さらに今回、Vertexが進化を遂げているという。従来Vertex55および同75の主軸はBT40クラスだったが、チタンをバリバリ削りたいという顧客のニーズを満たすため、『Vertex75X Ⅲ』が今回HSK80にパワーアップしていた。この件について下村氏は、「軽自動車に2000ccのエンジンを載せても車体が付いていかないのと同じで機械も主軸のみ強くしても好ましくないので、スピンドルを支えるヘッドも強化しました。また、これを強化すると重くなるので、ヘッドを支えるコラムの剛性をアップしました。高速で動かす場合は重いと大変なのでできるだけ軽量化して剛性は保つよう設計しています。」と説明してくれた。ちょうどこのマシンが工場内で組立されていた。ここまで改良されたのならば、Vertexに新たなバージョンが出るのではないか? と期待してしまう筆者。
信頼の証がここにある
工場内では顧客のオーバーホール用のマシンを見ることができた。20年もの間、活躍しているねじ研削盤で、5メートルのねじが削れるという。三井精機でつくっている一番長い研削盤だ。長すぎて撮影するのに苦労したほど長い。ベッドだけで13メートルの長さがあるという。
「この13メートルの長さの摺動面の全てをキサゲで出すのです。たとえ真直度13mのものであっても1/100mm以下の精度を出さなければならず、機械でこの精度を出すのはキサゲしかありません。20年もの間、機械を活用しても土台がしっかりしているので、キサゲをしなおして摩耗しているところは取り替えると新品同様になります。」と下村氏。
さらに注目したい点は、5メートルのねじが削れるマシンのねじは7mほどなので、これを精度よくつくるのは非常に難しいことである。1メートルの鉄は1℃温度が違えば1/100mmほど伸び縮みする。ということは、置かれている7mのねじは1℃違えばもう、使いモノにならなくなるということだ。精度を保つためにはねじの真ん中に穴をあけて温度管理をした油を流しているというが、これだけ長いものだと穴をあけるにも技術がものをいう。
下村氏は、「実は、技術的にもっと長いものもつくれるのですが、これが限界です。」という。理由を尋ねると、「輸送の問題で、運べないのです。」と返答があった。なるほど! 日本の道路ではこんなに長いものを運ぶことはできない。
製缶の金型をつくるために活用されているマシンを見ることができた。缶でいうとジグ研で削ってるのは、ステイオンタブ(缶の飲み口)とのこと。指で引っ張ってあけるこの箇所には金型の高い精度が必要になるのだ。ちなみに「ペットボトルのキャップの金型も精度が高い。」と下村氏。プラスチックは熱を加えて成型するが、冷えたときにいびつにならぬよう、いびつさ加減も考慮して金型をつくっているという。
「まっすぐ動く」、「直角に交わる」、「平面が出ている」などの工作機械に求められる基本精度をしっかりとつくり込むことに注力している三井精機工業。今回の工場見学会では、同社の機械精度が長時間安定して保持するためのヒントを知ることができた。高度な品質が要求される分野で高い評価を博しているのもうなずける。
牧野フライス製作所 「金型加工展2023」開催
牧野フライス製作所(社長=宮崎正太郎氏)が2月15日から17日の3日間、同社厚木事業所(神奈川県愛甲郡愛川町)にて「金型加工のお困り事を解決するきっかけ作り」をテーマに「金型加工展2023」を開催した。来場者は最新金型加工技術や普段は見ることのできない同社の第三工場(主軸頭工場)もツアー形式で見学し、ものづくりのトレンドである自動化・省人化技術に触れた。
普段は見ることのできない第三工場 ~クラス10,000のクリーン~
同社では、機械の心臓部である主軸を設計から加工・組立まで100%内製化しており、厚木事業所内には主軸専用の生産工場を有している。加工ラインでは自動搬送システムを採用しているのも特長だ。ベアリングケースなどの高精度加工は自社のマシンを活用しているが、ここでも自動化を推進しており、素材を無人フォークリフトがストッカーへ投入すれば、完成品が取り出されるようになっている。
マシンのキモを握る第三工場は秘密が満載なので写真NGなのが残念だが、組立が行われるクリーンルームでは温度23℃の±0.4℃湿度35%を保っており、限られた技術者しか入室できないようになっていた。徹底的に異物混入を排除するため、クラス10,000のクリーンを保っている。ちなみにこのクラス10,000とは、0.5μm径の微粒子が1fg³b内に10,000個まで許されるレベルである。なんという空気清浄度! また、この工場内の作業者は作業服も色が違っており、爽やかな淡い水色だった。工場というより病院にいるようなイメージである。主軸に触れや振動のない高精度な主軸をつくるために徹底している様子が理解できた。なお、同社の主軸は、汎用的なタイプのものも含め、2400以上の部品が必要であるため、500以上の検査項目があるという。これらの厳しいチェックに合格したものだけが最終組み立て工場に送られる。同社の機械作りの集大成がここにあり! といっても過言ではないほどハイテクノロジーがつまっていた。
豊富なマシンの数々と金型加工ノウハウを提供
今回展示されていたのは下記のとおり。
・立形マシニングセンタ V56i(新機能)自動加工システム「ZeroBorer」
・立形マシニングセンタ V33i
・立形マシニングセンタ iQ300
・5軸制御立形マシニングセンタ D200Z
・5軸制御立形マシニングセンタ V80S
・高精度ワイヤ放電加工機 UPX600(新製品)
・NC放電加工機 EDAF3
・D2加工サンプルキャラバントラック
今回、最も注目したいのは、立形マシニングセンタ「V33i」にて披露された〝穴加工の長い切りくずを分断する機能〟を指す「GIブレーカ」だ。
切りくずはまったく役に立たないうえ害を及ぼす嫌な存在であることは加工を商いとしている読者の皆様であればご承知のとおり。特に工具に絡みついたモジャモジャの切りくずは加工面に大きな悪影響を及ぼす。また、加工室内の切りくずが積もれば、切りくず処理装置の故障を招くうえ、工具から離れない切りくずのせいで工具寿命が短くなる恐れもある。
このような加工に悪影響を及ぼす切りくず問題を解決に導いたのが、細かく分断する技術を有した「GIブレーカ」なのだ。原理はドリル加工中に周期的に若干の脈を打つような動きをさせることで切りくずを分断させる。連続切削中に切りくずを分断するため工具寿命も延びるうえ、ワークの精度も保てるのだ。さらに、面倒くさい切りくず処理に対する作業者の負担も軽減され、切りくず処理装置への故障の防止にもなる。
「GIブレーカ」は機能をONにするだけの簡単操作でOK。固定サイクルの設定も不要であるという、同社の最も熱い技術を見ることができた。
なお、同社では現在、オンラインセミナにも注力している。全国版で人気の高かったセミナを地域限定版として再配信しているうえ、ユーザーの時間の都合に合わせやすいよう、ナイトセミナや、モーニングセミナも実施している。
機械振興協会 「第57回機械振興賞」表彰式を開く
機械振興協会(会長=釡 和明氏)が、去る2月21日、東京プリンスホテル(東京都港区)で「第57回機械振興賞」の表彰式を開いた。
釡会長は日頃の感謝の意を表したあと、「地政学、環境、人口など、大きな社会の変化が生じているなか、エネルギー、モビリティー、社会システムの変化など、産業や暮らしの面での対応が進みつつある。半導体に象徴されるように、日本国内でのものづくりの役割が再認識されている。機械産業はこうした動きを土台に、中心的な存在としてますます大きな役割が期待されている。当協会におきましては、機械産業における研究開発用具の効用を目的として、優れた研究開発を行い、その成果の実用化に成功された企業および研究開発担当者の表彰する制度を、昭和41年に開始した。今年度の応募件数は、ここ10年で3番目となる33件をいただいた。幹事会における詳細な調査に続き、審査委員会で厳正な審査を行い、技術の特徴性および経済性に優れた、14件の研究開発と1件の支援事業の表彰を決定した。」とあいさつをした。
来賓を代表して経済産業省の山下隆一 製造産業局長があいさつをした。この中で山下誠三産業局長は、「今回選定された15件の研究開発や支援事業は、いずれも機械産業の発展に貢献する素晴らしい技術。例えば経済産業大臣賞を受賞されましたマツダおよびマツダE&Tによります研究開発成果は、足の不自由な運転者にとりまして、大変大きなインパクトをもたらすものだといえる。具体的にはハンドルのどこを握っても、アクセル操作が可能なリング状の補助装置を開発し、また通常の車のオプション品とすることで、健常者も障害者も共に運転を楽しめるようにしたということが、高く評価をされたと伺っている。本日受賞された皆さまをはじめ、機械産業に携わる皆さまにおかれましては、今後も絶えず新技術の開発や実用化に励んでいただきたい。イノベーションこそが時代を切り開く鍵であり、わが国が直面するさまざまな課題を解決する力の源である。経済産業省といたしましても、大胆な支援によって民間の投資を後押ししていきたい。」と声援を送った。
続いて中島尚正審査委員長(東京大学名誉教授)が審査委員会審査報告を述べ、受賞者に賞状並びに副賞の贈呈が行われた。
謝辞「誰もが生き生きと暮らす楽しさと生きる喜びを」
受賞者を代表してマツダの小島岳二常務執行役員が次の通り謝辞を述べた。
「マツダ株式会社は日々の日常に動くことの感動を創造し、誰もが生き生きと暮らす楽しさと生きる喜びを提供したいと考えています。そのために人中心の思想を土台にしたものづくりの推進を大切にしています。
例えば創業103年の歴史を振り返りますと、約60年前、手動運転装置を自社開発し、R360クーペという商品に搭載して市販をしていました。それは3代目社長の松田恒次が足が不自由であったこともあり、全ての人に車を持つ当たり前の幸せを提供したいという思いからでした。これを継承し最新の技術でよみがえらせることで、多様な人材が活躍する現代においても貢献したいと考えます。
今回受賞しました「みんなが走る歓びを共有できる新コンセプト自操車の開発」は、下肢障害者の方々の困りごとや感じていることを聞くところから始めました。その中で、自分で行きたい所に行くためには、運転や移動にまつわるあらゆる不安を安心に変え、気兼ねなく自然に楽しむことが運転を通じたエンパワーメント、すなわち主体的に行動できるように働きかけることの本質であることに気付かされました。
その理想に少しでも近づけるために、例えば運転時には足で踏ん張れないため上半身が倒れやすいという不安に対し、ステアリングを両手で握って体を支えやすいようにリング式アクセルを採用しました。また車椅子からの乗り降りの際に時間がかかるのが恥ずかしかったり、転倒が怖かったりという不安には、健常者と大差ない時間で乗り降りができる、人間工学に基づいた折りたたみ式ボードを装着しました。そして手動運転とフットペダルでの運転操作の切り替えが電子制御で簡単できるようにして、1台の車で家族や友人と運転を代わりながら遠出ができるという新しい価値を実現しました。
マツダは車を必要としている全ての人に寄り添える自動車企業でありたい、そして車を通じてお客さまの行動範囲が広がり、さまざまな人や事との出会いを得て、笑顔を広げていただきたいと考えています。今回の受賞を励みとしまして、技術者一同、今後もお客さまが豊かな人生を過ごされている姿を思い描き、それを支援できる技術・商品の実現に向けて一層のチャレンジを続けていく所存でございます。引き続き、格別のご指導、ご鞭撻、ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。」
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オーエスジーが切削工具メーカーとして世界初の「グリーンボンド」を発行
オーエスジーが同社グループの中期経営計画「Beyond the Limit2024」において、2024年11月期までを事業効率の再強化と企業体質の強化を図るステージと位置付け、カーボンニュートラル時代に向けた世界のモノづくり産業に貢献することを目指しているが、このほどグリーンボンドを4月以降に発行する予定であることを発表した。切削工具メーカーとして世界初のグリーンボンド発行に向けた同社の脱炭素への強い意志を込め、グリーンボンドの別称を「OSG Beyond the Limit Bond」とした。
オーエスジーグループは1938年創立以来、精密切削工具の製造販売を行う総合工具メーカーとして、世界のモノづくり産業を地球規模で支えることを使命に世界の切削工具市場を切り拓いてきたが、カーボンニュートラル時代に本格的に移行する2030年を見据え、近年は効率性・利便性の追求だけでなく地球環境に配慮したサステナブルな社会づくりの取り組みも重要な経営課題と考えており、「地球会社」という企業理念のもと、長期ビジョンである「世界のモノづくり産業に貢献するエッセンシャル・プレーヤー」を目指している。
この実現にむけた最初のステージとして2022年1月に中期経営計画「Beyond the Limit2024」を策定し、実現のために優先的に取り組むべき8項目のマテリアリティ(重要課題)を特定し、ESG経営を推進している。グリーンボンドの発行により調達する資金は、上記マテリアリティの1つである「気候変動への取り組み」として、下記にある「グリーンボンドの対象となる適格プロジェクト」記載の適格事業区分「省エネルギー」及び「環境配慮型の製品」に該当するプロジェクトに関する設備投資資金及び研究開発資金に充当する予定。
グリーンボンドの発行により、事業成長とともに持続可能な社会の実現に向けた取り組みをより一層加速させていく方針。
■グリーンボンドの概要
社債の名称:オーエスジー(株)第3回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)(別称:OSG Beyond the Limit Bond)
発行年限:5年
発行額:50億円
発行時期:2023年4月以降(予定)
主幹事証券会社:野村證券(株)、SMBC日興証券(株)及びみずほ証券(株)
ストラクチャリング・エージェント:野村證券(株)
■グリーンボンドの対象となる的確プロジェクト
なお、同社は、グリーンボンドの発行にあたり国際資本市場協会(ICMA)による「グリーンボンド原則 (Green Bond Principles)2021」及び環境省の「グリーンボンドガイドライン 2022年版」に適合しており、4つの要件(1.調達資金の使途、2.プロジェクトの評価と選定のプロセス、3.調達資金の管理、4.レポーティング)を定めたグリーンボンド・フレームワークを策定した。
上記「グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2021」及び「グリーンボンドガイドライン2022年版」への適合性及び透明性の確保ならびに投資家への訴求力向上のため、第三者機関である(株)日本格付研究所(JCR)より「JCRグリーンボンド・フレームワーク評価」の最上位評価である「Green 1F」の評価を取得している 。
三菱マテリアル 超耐熱合金加工用超硬ソリッドドリル“DSAドリルシリーズ”に「DC12.3mm~15.0mmサイズ」を追加
三菱マテリアル 加工事業カンパニーがこのほど、超耐熱合金加工用超硬ソリッドドリル“DSAドリルシリーズ”に「DC12.3mm~15.0mmサイズ」を追加し、販売を開始した。
超耐熱合金加工用超硬ソリッドドリル“DSAドリルシリーズ”は、一般鋼と比較し加工硬化しやすく、切削熱が上がりやすい超耐熱合金の加工において、長寿命かつ優れた穴品位を実現し、高い評価を博しているが、適用範囲の拡充を図るべく、「DC12.3mm~15.0mmサイズ」をラインアップに追加致した。なお、「DC12.3mm~15.0mmサイズ」は受注生産品(計24アイテム)である。
主な特長
(1)加工径5mm以上の内部給油式は独自のクーラント穴形状により、ドリル剛性を低下させることなくクーラント吐出量を増大させ、潤滑性、冷却性を向上。
(2)頑丈な直線状切れ刃と超耐熱合金加工用ホーニングにより、安定した切りくず生成およびチッピングを抑制。
(3)超耐熱合金加工用に設計されたマージンにより、接触面積を最小化させ、切削熱と加工硬化を抑制。
(4)新PVDコーテッド超硬材種「DP9020」を採用し、靭性を維持しながら硬度を高めることにより、耐摩耗性を向上。
・標準価格: DSAS1230X03S140 DP9020:31,100円(税抜き)
(代表型番・いずれも税抜き価格)
・DSAS1230X05S140 DP9020:35,400円
・DSAS1500X03S160 DP9020:36,600円
・DSAS1500X05S160 DP9020:41,600円
タンガロイ チタン合金の荒加工に最適な長刃長カッタ「ExtendedForceMill」が登場!
タンガロイが、チタン合金や鋳鉄の荒加工に最適な長刃長タイプの直角肩加工用カッタ「ExtendedForceMill」(エクステンデッド・フォース・ミル)を開発し、このほど全国で発売を開始した。
近年、軽量で強度の高いチタン合金の需要が大きく伸びている一方、チタン合金は、被切削抵抗が高く熱伝導率が低いため加工中の刃先温度が高くなる傾向にあり、切削加工時には短時間で寿命に至るという課題があった。チタン合金の高能率加工、長寿命が期待できる切削工具への要望を受けた同社では、チタン合金の高能率加工に必要な切れ刃形状、工具仕様を備えた新しい荒加工用長刃長タイプカッタ「ExtendedForceMill」(エクステンデッド・フォース・ミル)を開発し、ユーザーニーズに応えている。
この製品の大きな特長は、先端に両面仕様4コーナのAXHU形インサート、外周用に両面仕様8コーナタイプで経済性に優れたSXHU形インサートを設定し、これらのインサートには大きなすくい角を設け、さらに鋭い切れ味と高い切れ刃強度を両立させる逆ポジ仕様を採用していること。これによって両面仕様インサートでありながら他社の片面仕様インサートと同程度の低抵抗を実現し、同時にチタン合金加工で重要な切れ味と高い信頼性を獲得している。
カッタボディは、切れ刃配列を最適化することで加工時の振動を低減し、切れ刃の突発的な損傷を抑えている。またすべてのインサートポケットに設けた油穴に専用のクーラントノズルを設置することで、切削油をピンポイントに切れ刃へ噴射する。これによってチタン合金加工で問題となる切削熱を確実に除去でき、長寿命化が期待できる。
ボディにはボアタイプとTungCap(PSC)タイプをラインアップ。φ50mm~φ66mmの工具径を設定し、最大切込み量は54mm~76.5mmとなる。
インサート材種には、チタン合金加工用として実績のあるAH130材種加え、鋳鉄加工に最適なAH8015材種を設定している。
低抵抗、高強度の切れ刃を備えた「ExtendedForceMill」は、難削材と言われるチタン合金の高能率荒加工を実現し、高い信頼性と経済性で加工費の低減に大いに貢献する製品である。
■主な形番と標準価格(税抜き価格)
〈ボディ〉
・LPSX10M050B22.0L076R04:311,000円
・LPSX10M066C6L054R04 :261,000円
〈インサート〉
・AXHU100408PER-MM AH130 :1,810円
・SXHU100408EN-MM AH8015 :2,440円
計15アイテム
DMG森精機「健康経営優良法人 2023 ~ホワイト 500~」に認定
DMG森精機は、このほど経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2023」の大規模法人部門 ホワイト500に認定された。健康経営優良法人認定制度は、日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している企業を顕彰する制度。
「会社の安定した事業運営と将来に向けた持続的な発展成長にとって、社員が心身ともに健康であることは必要不可欠。」とする同社は、2018年に12時間勤務間インターバルを義務化、2019年に全社員に人間ドック方式の健康診断を導入、2020年に敷地内全面禁煙に踏み切るなど、健康の維持・増進のための施策を進めてきた。
こうした健康施策をより多面的かつ系統的・組織的に継続し展開していくことを目的として、2021年1月には「DMG森精機健康経営宣言」を発表し、2020年に設立した健康管理増進センターでは経営理念とこの「健康経営宣言」に基づき、社員の心身の一層の健康向上に向けた取り組みを全社的に進めている。
活動の一環として、社内レストランを活用した食育支援や、理学療法士による運動教室などの取り組みを実施しており、同社は今後も経営理念に掲げる「よく遊び、よく学び、よく働く」を体現する社員の意欲的な働きに期待するとともに、会社を挙げて社員の健康の維持・増進に向けて取り組んでいく方針。
▼同社の健康経営について推進体制や健康経営戦略マップ、取り組みの詳細はこちら
https://www.dmgmori.co.jp/sp/health/
アマダプレスシステム 15軸制御 ワイヤ回転式トーションマシン「LM-16A」 販売開始
アマダプレスシステムが、このほどワイヤ回転機構と8本の加工スライドで、直感的な操作を実現する15軸制御ワイヤ回転式トーションマシン「LM-16A」の販売を開始した。
トーションマシンは、ねじりばねを得意としつつ引きばね、圧縮ばね、フォーミングなど、あらゆる線加工の成形が可能なばね成形機。新商品の「LM-16A」は、加工スライドを4軸ずつ上下に分けて、スライドの横移動を数値制御するダブルスイング軸を業界で初めて搭載した。これにより、プログラムによる高い再現性を発揮する。また、より細かい調整や複雑形状の加工時に生じる被加工材(ワーク)干渉の回避などが可能となり、加工領域が拡大する。さらに、段取り時間の短縮や作業軽減により、生産性の向上につながる。また、設置面積は従来機のTM-20Mと比べ約40%の省スペース化を実現し、工場内のレイアウトも容易となった。
近年、モノづくりの現場では品質や生産性向上の要求のみならず、少子高齢化や熟練技能者の引退などの人手不足を背景に、自動化や段取りの簡易化に対するニーズも高まっている。同社では、このような課題に対し「LM-16A」は、独自のばね成形専用プログラム「MNO2」によるプログラム作成の簡易化や見える化のほか、多彩な機能を通じて解決するとしている。今後も顧客の製造現場を総合的な視点で捉え、課題解決をサポートすることにより、広くモノづくりに貢献していく方針。
「LM-16A」 主な特長
(1)高精度加工の実現
2連フィードローラユニットを採用することで、ワイヤにかかるフィード圧の負荷を軽減し、安定したワイヤ送りが可能になる。さらに、高い分解能のサーボモーター制御により、精密な動作が可能になり、高精度加工を実現する。加えて、全スライドがセンサーとして使用できるモーターセンサーシステムにより、巻き角度、コイルの自由長などを 1/1000 mm 単位で計測できる。結果は表やグラフで表示され、各軸の修正が可能である。
(2)加工時間の短縮と段取り削減による生産性の向上
高速回転のロータリーサーボスライドが曲げ加工の時間を短縮する。スピナツールは、コンパクトでありながら軸ピンと外ピンの間隔調整が可能なため、線径ごとのピンの交換作業が不要。これにより、交換時の打ち直しや焼き入れの作業を削減でき、段取り時間とランニングコストを削減する。
(3)独自開発のプログラムによる操作性の向上
ばね成形機専用プログラム「MNO2」は、プログラムの流れや各軸の動作状況、入出力、ジャンプ項目などが一目で把握できる。ナビシステム機能とタッチパネル仕様より、操作性が大幅に向上し、簡単にプログラムを作成でき、段取り時間を短縮できる。また、IoT への対応として、マシンの稼働状況をスマートフォン、PC などで監視でき、予防保全機能による定期的なメンテナンスで生産効率の向上に貢献する。
(4)加工ニーズに合ったソリューションをご提案
干渉回避に有効なワイヤ切断後の加工を可能にする「エアグリップユニット」、コイルの外径調整をサーボモーターで行う「外径サーボユニット」、クイルの摩耗や破損を防ぐ「エアニッパユニット」、コイル長さを計測する「静電容量センサーユニット」など、後工程や計測など様々なニーズに合わせ、豊富なオプションユニットを取りそろえている。
■仕様