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【令和4年 年頭所感】日本金型工業会/全日本機械工具商連合会
「出来ることを実行していく行動こそが未来につながる」
●日本金型工業会 会長 小出 悟
令和4年の新年を迎えるにあたり、会員の皆様をはじめ関連官公庁、関連団体の皆々様に謹んで新春のお喜びを申し上げます。
昨年もコロナ禍での活動を余儀なくされた一年でしたが、一昨年の半信半疑での団体活動に比べれば、冷静に落ち着いた感覚でコロナ禍での活動を推し進めることが出来たと思っております。本年は希望としては対面での活動も慎重な中にも推し進め、リモートによる活動をさらに磨きをかけそれぞれの良さをより引き出すような活動にしていかなければと思っております。
そこで心配なことは直近から近未来そして将来の経済環境がどのように変化していくのか、2年間にも及ぶコロナの影響が収束しそうなところに発表された新株オミクロン株の存在が、今後の社会経済にどのような更なる影響をもたらすのか、今までは考えなかったことや予想もしていない状況も引き起こされて来るでしょうし、そんな意味では大変な状況が私たちに忍び寄っていると言えるでしょう。
だからこそネガティブにならずポジティブなものの見方をすることが必要であり、しっかりと地に足を付け考えて出来ることを一つ一つ実行していく行動こそが未来につながって行くものだと言えるのではないでしょうか。
その行動をとることの一つの捉えどころがSDGsへの対応であり、すでに実践対応をされている企業様も沢山あることも承知しております。またカーボンニュートラル社会への移行に的確に反応することもその一つであり、このことは世界的にもまだ始まったばかりであり、しかし我々の環境をややもすれば一番変化させる取り組みになるのかもしれません。
そしてもう一つがデジタル化を背景とし様々な場面がネットにつながり進められる社会の到来で、サイバーセキュリティーをはじめとし、顧客や自社の技術情報をいかに管理し守りながら有効に生かすかにあります。
将来の成功の二文字はそれぞれの事柄に出来ることから積極的に行動するか否かにかかっているように思います。したがって今年は上記に掲げました事に関して会員の皆様に積極的に情報発信を行い、個社の環境を変えていくためのアイデアなどのご提供をしていきたいと考えておりますので、そのような意図をお考えいただき日本金型工業会の各種取り組みに積極的ご参加を頂けますよう改めましてお願い申し上げます。
また、このような時代を強く生き抜いていくために改めて考え及ぶことが「人」に関わることで、乗り越えなければならない大きな問題であるということに気付かされます。人の雇用がままならない中、如何に少数でも精鋭なる部隊を整えるのかが社会にも組織にも必要なことであり、そのための努力と費やする時間は計り知れないものを感じますが、避けて通ることのできないものであることは間違えありませんので、当工業会でも進めてきた金型マスター認定制度と、各種の教育にかかわる取り組みを整理整頓し、さらに変化していく時代に要求される事柄を、タイムリーに連絡したり経験させたりすることをプラスさせていくことが出来ればと考えております。
会員の皆様と共にお役に立てられる仕組みづくりを、トライ&エラーの繰り返しの中から整えて行くことが出来れば幸いに思いますので、いろいろなご提案を頂き皆様と協議のもと優先順位の高いものから順次進められればと思います。
本年も世界は新種のコロナと闘いながら実体経済を推し進めることになるのでしょうが、会員企業の皆様のお力添えはもとより、関連官公庁、関連団体の皆様のご協力も得ながら、一般社団法人日本金型工業会は活動を着実に進めていく所存でおりますので、皆様のご理解ならびにご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。
「地球温暖化への対策は急務」
●全日本機械工具商連合会 会長 坂井俊司
新年、明けましておめでとうございます。
新型コロナウイルスの影響から徐々に日本経済そして我々機械工具業界も抜け出してきました。まだまだ感染の再拡大のリスクもありますがコロナと共存しながらも経済活動が活発化して景況が回復することを期待します。
さて、昨年10月にニュースダイジェスト社様主催でメカトロテックジャパン2021が開催されました。感染の収束がなかなか見えない中での開催準備にはご苦労もあったと思いますが、機械工具業界では2年近く本格的なリアルの展示会がなかったこともあり、コロナ前を彷彿させる大変盛況な展示会でありました。
コロナ禍で営業もプレゼンテーションの方法もWEBを活用したスタイルが取り入れられてきましたが、やはり現物を見ての説明、顔を合わせての商談もやはり大切であると改めて認識させられたのではないでしょうか。
このコロナ禍の中で機械工具業界にとって大きな課題は、カーボンニュートラルとそれに伴う自動車の電動化加速への対応であります。地球温暖化への対策は急務であり世界各国は勿論、あらゆる業界、企業も責任をもって対応していく必要があります。
その中でも機械工具業界は自動車産業への依存度が高く、自動車の電動化の問題は元来よりその対応は検討していかなければなりません。そのためには、各組合の会社様においても将来に向けて新たな取り組みが必要ではないかと感じています。
今現在の生産活動が活発な中で新たな取り組みを行うことは大変かもしれませんが、組合活動を通しての啓蒙活動や情報交換で何かきっかけができればと思います。
最後になりましたが、会員各社、メーカー会員、賛助会員の皆様がウィズコロナ・アフターコロナの新しい時代に適応して、ますますご発展されることを祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
【令和4年 年頭所感】DMG森精機/オーエスジー/アマダ/日立建機/コマツ
「世界各国のお客様と連携強化へ」
●DMG森精機(株) 取締役社長 森 雅彦
新年明けましておめでとうございます。
新型コロナウイルスによる経済への影響が続いておりますが、受注状況は昨年から着実に回復してきており、全世界で高水準を維持しています。今後も新たな需要とビンテージ機のリプレイス需要の両方の機会を逃さず、工程集約・自動化・デジタル化をお客様にご提案し、お客様の生産効率とエネルギー効率の向上に貢献してまいります。
世界でサステナビリティへの取り組みが加速する中、当社では脱炭素社会や資源循環型の社会に向けた取り組みを行っています。当社は昨年3月にグローバルで生産する全商品の部品調達から商品出荷までの工程においてカーボンニュートラルを達成しました。さらに「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」提言への賛同を表明し、国際的な環境団体SBTイニシアチブから「SBT(Science Based Targets)認定」を取得しました。今後は事業所での太陽光パネルやバイオマス熱電供給システムの設置・稼働を予定しております。
また、当社では環境に配慮した商品の提供を通じてお客様におけるCO2排出量削減にも取り組んでいます。工作機械は世界中で約30万台以上稼働しており、工作機械のエネルギー効率の向上は地球環境に大きく影響します。当社が出荷する機械には全世界で昨年からカーボンニュートラルな体制で生産された商品を表す「GREENMACHINE」マークが付いており、省電力を実現する「GREENmode」を標準搭載しています。
2023~2030年でサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成を目指しており、今後も自社とお客様先の両方でCO2排出量の削減に取り組んでまいります。
5軸・複合加工機や自動化システムを導入されるお客様が非常に増えていますが、自動化を進める上で課題となるのがクーラント、ミスト、切りくずの加工3悪です。ビルトインミストコレクタzeroFOGはゼロスラッジクーラントタンクとAIチップリムーバルと共に加工3悪の解決案として、作業改善と長時間稼働を実現します。
自動化を進めることでコネクティビティとデジタル化が可能となり、生産効率の向上と工場環境の改善に繋がり、最終的にお客様におけるサステナビリティの推進にも貢献します。また、当社ではリアルとデジタルの両方でお客様と緊密に繋がり、丁寧な個別商談を行っています。
リアルでは毎週伊賀・東京で少人数制オープンハウス「テクノロジーフライデー」を開催しています。今年は世界各国からお客様をご招待し、より多くのお客様と連携してまいります。デジタルツインテストカットやお客様向けポータルサイトmy DMG MORIなどを通じたデジタルでの繋がりも引き続き注力していきます。
今年は当社の創業地である奈良にDMG MORIグループ最大の最先端研究開発センタである奈良商品開発センタの新設を予定しております。さらに当社ではDMG MORI SAILING TEAMやJapan National Orchestra株式会社などを通じて地域社会、スポーツ、文化への貢献に引き続き取り組んでまいります。
本年も、世界中のお客様に優れた品質の製品を最善の納期とサービスでお届けすべく、尽力してまいります。引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
「違和感」からの「次の一手」へ
●オーエスジー(株) 代表取締役社長 兼COO 大沢伸朗
2022年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
新型コロナウイルスによる世界的パンデミックに見舞われ、当社の2020年度は大きな落ち込みを余儀なくされましたが、2021年度は、おかげさまでほぼ2019年度並みの水準までV字回復することができました。お世話になりました業界関係者のみなさまには、この場をお借りしまして、心より厚く御礼申し上げます。
執筆中の今も新たなオミクロン株の動向が気になりますが、この先も厳重な感染予防に個人また企業としても最大限努めなければなりません。ウイズコロナの下、ニューノーマルという新生活様式と経済活動が定着しつつある中、2022年度より持続的成長を目指した当社の新中期経営計画がスタートします。
コロナ禍をどう生き抜くか問われる中で、環境問題に対する関心が世界中で高まりました。カーボンニュートラル実現への取り組み、とりわけ自動車のEV化が一気に加速する様相になってきました。当社もこういった構造変化に今まで以上のスピード感を持って対応しなくてはなりません。私も社長就任以来「違和感」を常日頃から持つことを習慣づけようと社内で呼び掛けてまいりました。日々当たり前にこなしている今までの行動や思考の常識に「違和感」を持つことは簡単ではありません。また、「違和感」を持って、いかに「次の一手」の行動につなげるか、が言うまでもなく何より大切です。
昨年の就任時の抱負として、100周年を迎える時に「今以上に輝いている会社であろう」と宣言しました。2022年は不確実な「VUCA時代」でも持続的成長をするために体質強化に努め、100周年及びカーボンニュートラル実現に向けて踏み出す第一歩の重要な年になります。全社一丸となって、気を引き締め、実りある1年となりますよう邁進してまいります。
最後になりますが、日本経済の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。
「2022年は〝デジタルと環境〟がキーワード」
●(株)アマダ 代表取締役社長執行役員 磯部 任
あけましておめでとうございます。
昨年も新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状態が続きましたが、ワクチンの接種が進み、明るい兆しが見えてきました。それに伴い経済活動が正常化し、設備投資の需要も大幅に回復してきました。
昨年のアマダグループは、新市場に向けて強みを生かした新商品の投入を積極的に行ったことが好評を得て、上期の受注高としては過去最高となりました。さらにESG経営の実践を目指したサステナビリティ基本方針を策定し、脱炭素社会の実現や働きがいのある職場づくり、ダイバーシティの推進など、課題とそれらを解決するための取り組みを明確にしました。
2022年は部品・原材料不足の深刻化や米中関係などによる影響を注視する必要があるものの、コロナ禍からの本格的な回復に向けて企業活動がさらに活発になるでしょう。アマダグループのお客さまである金属加工業の現場は、深刻な人手不足や熟練技能者減少などの課題に直面しており、自社の競争力を高めるための生産設備のデジタル化・自動化・知能化がますます加速すると考えています。
そのようななかでアマダグループの2022年は「デジタルと環境」をキーワードに、「新たな中期成長戦略」の初年度として各種改革に取り組んでまいります。営業・サービスにおけるDX化への積極的な投資と事業活動の強化を図り、SDGsの取り組みと連携したESG 基盤を構築します。
お客さまへの実証加工の提案から発注、生産、さらにはアフターサポートまでモノづくりにおける幅広い工程を丸ごとデジタル化し、時代に即したビジネスモデルへ変革していきます。モノづくりのあり方自体を変え、新たな付加価値の創出と社会課題の解決を目指します。
また、脱炭素社会の実現に向け、改めて環境経営を強化します。新たな中長期環境目標を掲げ、商品のライフサイクルおよび工場やオフィスにおける温室効果ガスの排出量削減を目指します。人材面では働きがいのある職場づくりやダイバーシティをさらに強化し、SDGsを推進することで社会へ貢献してまいります。
コロナ禍のなかで、安心、安全への意識が高まり、企業への信頼やブランドがより重視されています。アマダグループは、経営理念にある「創造と挑戦」の実践を通じて社会課題の解決に貢献し、社会と企業の持続的な発展に向けて努力してまいります。
「豊かな大地、豊かな街を未来へ」
●日立建機(株) 執行役社長兼CEO 平野耕太郎
あけましておめでとうございます。新年を迎えるにあたり一言ご挨拶申し上げます。
昨年は、新型コロナウイルス感染症の拡大も後半には落ち着きを見せていたものの、オミクロン株の感染拡大の懸念が世界中で広がり、今もなお不透明な状況が続いております。コロナ禍により影響を受けられた方々にお見舞い申し上げると同時に、感染拡大防止に日々ご尽力されている皆さまに対し改めて敬意を表し、深く感謝申し上げます。
なんとかこのような状況を一日でも早く乗り越え、2022年は昨年よりも明るく希望に満ちた年になるよう心より願っております。また昨年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、無観客での開催という今まで経験したことの無いような状況でしたが、各選手の活躍に大きく感動し前向きな気持ちになることができました。あのような難しい状況下で、大きなトラブルもなく行えたというのは、日本の実力を国内外に示せたのではないでしょうか。
昨年の建設機械の需要は、中国を除く世界各地で堅調に拡大し、マイニング市場も、鉱物資源価格の上昇から、お客さまの新規投資が前向きになるなど、明るい兆しが見えてきました。しかし同時に、鋼材を中心とする価格の値上がりの影響を受け、経営としては難しい舵取りとなりました。またCO2削減の動きは世界中で加速し、当社グループが開発したバッテリー駆動式の電動油圧ショベルの販売が、欧州で好調な出足となっています。
マイニングの分野でもお客さまからの環境対応の要求は強まり、当社とABBで進めているトロリー充電式のエンジンレス・フル電動ダンプトラックの開発をさらに加速させる計画です。
今年はなんといっても3月から始まる北中南米事業の独自展開という当社にとって最大の取り組みがあります。現在多くの代理店との前向きな打ち合わせやお客さま・代理店の皆さまにご満足いただけるサービスや部品供給の準備、サービスソリューションConSite®の拡充など、あらゆる準備を進めています。この北中南米での成功は、単に北中南米のみならずグローバルでの我々のビジネスに大きく影響することから、日立建機グループ全社一丸となって取り組んでいきます。
今年もコロナ禍再拡大の懸念、CO2削減対応など引き続き課題が多い年となりそうですが、当社はお客さまの課題の一歩先を見据えて、引き続き収益向上のための施策を進めてまいります。我々は、企業価値を向上させることが、お客さまはもちろん、株主や取引先の皆さま、当社従業員など、すべてのステークホルダーにとって最も重要であると確信しております。これからも、SDGsを実現する「豊かな大地、豊かな街を未来へ・・・」という企業ビジョンを意識し、着実に事業運営を進めてまいります。最後になりましたが、2022年が、皆さまにとって、健康で穏やかな、そして明るい一年になることを祈念して、年初のご挨拶とさせていただきます。
「今後も品質と信頼性の追求」
●コマツ 代表取締役社長兼CEO 小川啓之
謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
昨年も世界的な新型コロナウイルス感染症の流行が続き、直近ではオミクロン変異株の発生などもあり、世界経済は依然として不透明不確実な状況となっています。このような状況下、当社の建設機械・車両部門においては、昨年は、新型コロナウイルス感染症の影響が縮小し、中国以外の地域において一般建機・鉱山機械共に需要が好調に推移しました。半導体やコンテナ不足の影響をグローバルクロスソーシングの活用などにより吸収し、新車需要の拡大を着実に取り込んだ一方で、原材料価格や物流費の高騰による大きな影響を受けました。これらの影響を販売価格アップやコスト低減により最小限に抑えると共に、中期経営計画で掲げる成長戦略を着実に実施してまいります。
世界的に気候変動への意識が高まる中、当社は2050年までにCO2排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルに向けた取り組みに関する長期ビジョンを新たに掲げました。また気候変動や社会の要請に誠実に対応する当社の姿勢を明示するため「サステナビリティ基本方針」を策定しました。
本年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画においては、超大型油圧ショベル「PC7000-11」の遠隔操作と無人専用運搬車両との協調による半自動化作業など、自動化・自律化、遠隔操作化の取り組みを着実に推進しました。電動化については、いかなる動力源でも稼働可能なパワーアグノスティック超大型ダンプトラックのコンセプトを発表しました。また交換式バッテリーを活用した電動マイクロショベルは本年春の量産化を目指して共同開発を進めました。20トンクラスの油圧ショベルの電動化については、お客さまの現場での実証実験を行うなど、量産化に向けて着実に取り組みを進めました。低炭素社会の実現に向けて、石炭依存度の低減を図るため、坑内掘り石炭(ソフトロック)向け鉱山機械の生産再編を進めると同時に、坑内掘りハードロック向け鉱山機械の開発については、「No Blasting(発破の必要がない掘削性能), No Batch(バッチ処理をおこなわない連続掘削), No Diesel(ディーゼル不使用)」というスローガンを掲げて取り組みました。
本年4月からは次期中期経営計画がスタートします。現中期経営計画の策定当時と比べ、気候変動への対応に対する要請の更なる高まりや、米中競争の激化、新型コロナウイルス感染症の影響など、当社を取り巻く外部環境は大きく変化しています。これらの変化を、リスクとしてだけでなく、当社の製品・サービス・ソリューションの高度化というビジネスチャンスと捉え、お客さまやパートナー企業と共に、DX推進やカーボンニュートラルに取り組み、成長戦略へ結び付けてまいります。
コマツは今後も「品質と信頼性」を追求し、当社の存在意義である「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことを目指してまいります。最後になりましたが、皆さまにとって素晴らしい1年になりますように、心より祈念いたします。
MOLDINO アルファ高送りラジアスミル「TR4F 形」に「5000形」を追加
MOLDINOがこのほど、アルファ高送りラジアスミル「TR4F 形」にさらに深く切り込める「5000形」を追加した。ダイカスト金型や樹脂金型、プレス金型の高能率荒加工や取り代が変動しやすい鋳物ワークや肉盛り溶接材の荒加工に威力を発揮する。
同社は2020年にアルファ高送りラジアスミル 「TR4F 4000形」を発売しており、独自の工具設計により一刃送り2mm以上の高送り加工を実現し、機械能力を最大化する工具として好評を博していた。生産性向上に寄与する同商品は、主にダイカスト金型・樹脂金型・プレス金型の荒加工にユーザーから高い評価を得ていたが、 TR4F4000形の最大軸方向切込み量は1.2mmであったため、より切り込み量を大きく取れる工具のニーズも明らかになったことを受け、今回、同社はインサートサイズを従来の12タイプから15タイプに拡大した刃先交換式荒加工用工具 アルファ高送りラジアスミル「TR4F5000形」を開発し、販売に至った。
特長とメリット
(1)広い断面積と拘束面積を持つ独自のインサート形状により、切込み量2mmでも一刃当りの送り量2mmを超える高能率荒加工が可能。
(2)切りくず排出性を高めたボディ形状を採用で、突き出し量の長い金型形状部の加工でも切りくず詰まり・噛み込みを抑制する。
(3)独自の不等分割方式を採用したことにより、切削時のビビり振動を抑制し、従来品を超える高能率加工を可能にした。
(4)等高線加工だけでなくバーチカル加工も可能となった 。幅広い加工用途に対応する。
(5)豊富なインサート材種をラインナップし、軟鋼から高硬度鋼まで、幅広い被削材に対応する。
(6)インサートは片面4コーナ仕様で経済的。
■仕様
・ホルダ:φ63~φ125(全10アイテム)
・インサート:5材種(1アイテム)
■価格
・ホルダ:61,820円~129,540円(消費税別)
・インサート:1,780円(消費税別)
Kitamura Machinery of U.S.A., Inc 新社屋へ移転
キタムラ機械(社長=北村彰浩氏 本社:富山県高岡市)はアメリカ現地法人であるKitamura Machinery of U.S.A., Inc(本社:アメリカ シカゴ)の事業拡大のため、本社社屋を新社屋へ拡張移転する。同社では、昨年来より北米での好調な受注が持続しており、また昨今のコロナウイルス感染拡大による大規模展示会の相次ぐ中止が続く中、新社屋でのプライベートショーも行えるショールーム機能を拡張し、製品提案機会の増加を可能にすることが狙い。
新社屋の総面積は約14,000㎡と現社屋の約3.5倍となり、またロケーションもシカゴ・オヘア国際空港までは約13㎞とアクセスも向上する。
同社では、「この移転を機に、全米30を超える代理店とのネットワークをより強固なものにし、事業のさらなる拡大に努めていく」としており、新社屋での営業開始は2022年5月の予定。
●営業開始日:2022年5月
●新 住 所:451 Kingston court, Mount prospect, IL
タンガロイ 「DuoJust-Cut」シリーズに3次元ブレーカ付き0.6、0.8mm幅インサートを拡充
タンガロイがこのほど、突切り、溝入れ、ねじ切り加工用工具「DuoJust-Cut」(デュオ・ジャスト・カット)に0.6mm、0.8mm幅のインサートを拡充し、販売を開始した。
〈特長〉
「DuoJust-Cut」は、独自の高剛性クランプ機能を備え、主に自動盤での突切り、溝入れ、ねじ切り加工において高い性能を発揮する。今回、突切り加工用JXPS形インサートに、業界初となる3次元ブレーカ付きの0.6mm(最大突切り径φ6mm)と、0.8mm (最大突切り径φ12mm) 幅を拡充。これにより突切り加工時の切りくずが安定してカールし、切りくず排出性や加工面品位が向上する。また、素材の削減ができ、加工コスト改善が期待できる。
インサート材種には、汎用性が高く、鋼、ステンレス鋼などに対して幅広く使用可能な「SH725」を設定した。専用の新コーティング膜と高靭性母材の組み合わせにより抜群の信頼性を発揮し、インサートの長寿命化に貢献する。
■主な形番と標準価格
・JXPS06R06F SH725:3,000円
・JXPS12L08F SH725:3,160円
計4アイテム(いずれも税抜価格)
DMG森精機 SBT(Science Based Targets)認定を取得
DMG森精機及びグループ会社のドイツDMG MORI AKTIENGESELLSCHAFTがこのほど、2030年に向けた温室効果ガス削減目標について、国際的な環境団体「SBTイニシアチブ」により認定を取得したと発表した。
■今回認定を取得した同社の温室効果ガス排出削減目標
Scope 1 + 2 :基準年2019年に対して2030年までに46.2%削減
Scope 3 :基準年2019年に対して2030年までに13.5%削減
「SBTイニシアチブ」は、2015年にCDP、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4機関が共同で設立した国際的な団体で、産業革命前からの世界の気温上昇を、2℃を十分に下回るまたは1.5℃未満に抑えることを目指す「パリ協定」が求める水準となるように、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標策定を企業に推進している。2021年12月20日時点で、世界全体では1,083社、日本国内では148社の企業が認定を取得している。
同社は、持続可能な社会を目指し、脱炭素社会や人と自然が共生できる社会、資源循環型の社会に向けた取り組みを行っている。特にカーボンニュートラルに向けた取り組みをグループ一丸となって加速させており、2021年3月には、2021年にグローバルで生産する全商品の部品調達から商品出荷までの工程においてカーボンニュートラル達成を宣言している。
同社では、今回認定を取得した新たな目標の達成に向けて引き続き、自社でのCO2削減の活動に取り組むとともに、環境に配慮した商品の提供を通じて、顧客におけるCO2排出量の削減を実現するとしている。また、同社では工作機械事業そのものが環境保護に貢献するものと考えており、今後も持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでいくとしている。
取り組みの詳細は同社のwebサイトへ↓
https://www.dmgmori.co.jp/corporate/sustainability/index.html
2021年11月分工作機械受注総額は1,454.0億円 日本工作機械工業会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2021年11月分の受注実績は以下の通り。
2021年11月分工作機械受注総額は、1,454.0億円(前月比△2.6% 前年同月比+64.0%)となった。受注総額は、3カ月連続の1,400億円超。内外需とも堅調に推移しており、大型受注も加わって高水準の受注が継続。
内需は500.0億円(前月比△0.6% 前年同月比+84.9%)で、前月比微減で3カ月連続の500億円超。補助金効果が弱まるも自立的な回復の動きが進む。
外需は954.0億円(前月比△3.6% 前年同月比+54.8%)で、2カ月連続の950億円超。欧米、その他アジアで前月比減少も、東アジアで増加を示す。
11月はこれまでの傾向から大きく変わらず、内外需とも回復が継続。一方、部材不足や部材・輸送費の高騰等の影響を引き続き注視。
11月分内需
500.0億円(前月比△0.6% 前年同月比+84.9%)。
・3カ月連続の500億円超。11月での500億円超は2018年(576.7億円)以来3年ぶり。
・前月比2カ月連続減少。前年同月比9カ月連続増加。
・11月は、航空・造船・輸送用機械の減少を他業種の増加で補い、前月からほぼ横ばい。

(出所:日本工作機械工業会)
11月分外需
954.0億円(前月比△3.6% 前年同月比+54.8%)
・2か月連続の950億円超。11月での950億円超は2017年(1041.7億円)以来4年ぶり。
・前月比3カ月ぶり減少。前年同月比13カ月連続増加。
・主要3極は、アジアのみ前月比増加。欧州、北米は減少も高水準持続。

(出所:日本工作機械工業会)
2021年11月分 機械工具生産額まとまる 日本機械工具工業会
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2021年11月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。
■生産額
切削工具 364億円(130%)、耐摩耗工具 32億円(114%)、総合計 403億円(128%)。
■ドリル生産額
特殊鋼工具 15億円(144%)、超硬工具 37億円(132%)、ダイヤ・CBN 1億円(116%)、総合計 53億円(135%)。
■エンドミル生産額
特殊鋼工具 4億円(149%)、超硬工具 39億円(134%)、ダイヤ・CBN 1.4億円(95%)、総合計 45億円(134%)。
■カッタ生産額
特殊鋼工具 0.6億円(82%)、超硬工具 6億円(133%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(62%)、総合計 7億円(117%)。
■ギヤカッタ生産額
総合計 7億円(125%)。
■ブローチ生産額
総合計 8億円(115%)。
■ねじ加工工具生産額
特殊鋼工具 33億円(152%)、超硬工具 3億円(144%)、総合計 36億円(151%)。
■バイト生産額
特殊鋼工具 0.3億円(123%)、超硬工具 9.6億円(144%)、総合計 9.9億円(143%)。
■リーマ生産額
特殊鋼工具 1.4億円(134%)、超硬工具 2億円(117%)、総合計 4億円(123%)。
■鋸刃カッタ生産額
特殊鋼工具 1億円(122%)、超硬工具 0.8億円(134%)、総合計 2.0億円(127%)。
■インサート生産額
超硬工具 146億円(129%)、ダイヤ・CBN 18億円(106%)、総合計 164億円(126%)。
■ボディ関係生産額
総合計 16億円(132%)。
■超硬合金生産額
切削用 148億円(83%)、耐摩耐食用 16億円(128%)、総合計 166億円(86%)。
2021年11月度建設機械出荷金額統計まとまる 日本建設機械工業会
日本建設機械工業会がこのほどまとめた11月の建設機械出荷金額は、内需は5.2%増加の949億円、外需は48.6%増加の1,489億円となった。その結果、内需は3カ月ぶりの増加、外需は13カ月連続の増加となった。総合計では28.1%増加の2,438億円となり、13カ月連続の増加となった。
内需について機種別に見ると、建設用クレーン20.0%増加の128億円、道路機械20.1%増加の41億円、基礎機械23.8%増加の35億円、油圧ブレーカ・圧砕機11.8%増加の18億円、その他建設機械1.9%増加の68億円の5機種と補給部品29.1%増加の132億円が増加し、内需全体では5.2%の増加となった。
外需について機種別に見ると、トラクタ39.4%増加の150億円、油圧ショベル36.8%増加の547億円、ミニショベル35.7%増加の262億円、建設用クレーン258.0%増加の70億円、道路機械7.1%増加の23億円、コンクリート機械33.9%増加の1億円、油圧ブレーカ・圧砕機85.0%増加の8億円、その他建設機械51.9%増加の195億円の8機種と補給部品85.8%増加の231億円が増加した。地域別に見ると、欧州が14カ月連続で増加、北米が11カ月連続で増加、アジアが9カ月連続で増加するなど全9地域中7地域で増加し、外需全体では48.6%の増加となった。
天田財団 2021年度助成式典を開く
天田財団(理事長=末岡愼弘氏)が、11月27日、東京都内の日比谷図書文化館日比谷コンベンションホールにて「2021年度助成式典」を開催した。今回の助成総数は82件、2億3,231万円で、内訳は、研究開発助成81件、2億3,131万円、国際交流助成1件100万円。
「科学技術にイノベーションを」
開催に先立ち、末岡理事長があいさつをした。この中で末岡理事長は、「今年の明るい話題として、真鍋淑郞博士がノーベル物理学賞を受賞されました。受賞会見の中で、博士がアメリカに国籍を変えた理由について、潤沢な研究資金と自由で独創的な研究環境が確保されることを挙げておられた。近年、さまざまなメディアで、自然科学分野における日本の地盤沈下が顕著だとの指摘を目にします。また、大学院の博士号取得者が年々減少傾向にあるとも聞いています。第一線でご活躍されている研究者の皆さまにとって、わが国の研究開発環境に対して、さまざまな課題や不安を抱えられているものと拝察します。特に若手研究者の人材育成や研究資金の確保は、喫緊の課題なのではないでしょうか。天田財団では、これらの課題に対してわずかでも貢献すべく助成事業を通じて取り組んでいます。日本が持続的に発展し、これからも世界で指導的な役割を果たすためには、絶えず科学技術のイノベーションを起こす必要があります」と、科学技術発展の重要性に触れたあと、「研究者への金属の加工に関する優れた研究や国際交流へ助成し、その成果を産業の現場で活用できるよう広く普及啓発することは、当天田財団の使命です。本日の助成は、助成金とともに皆さまに当財団のこのような思いもぜひ受け取っていただき、ご研究に取り組んでいただきたい」と、研究者に声援を送った。
続いて、アマダグループを代表して磯部 任アマダ社長が、「わが国の企業を取り巻く環境は、新型コロナウイルスの影響だけではなく、激変の様相を呈しており、機械メーカーであるアマダグループにおいても対策に追われています。幸い足元の設備投資需要は、非常に回復に力強いものがあり、先日発表した弊社の中間決算でも半期ベースの受注は過去最高を更新し、特に海外においてその傾向は顕著です。また、カーボンニュートラルへの対応も、企業の社会的責任として必須の項目です。アマダグループでは2025年までに25%、2030年までに50%のCO2削減を目標として掲げ、各工場環境の改善に加え、各種商品からのCO2排出量削減に向け、全社を挙げて取り組んでいます。このような課題を解決していくには企業側もさまざまな研究開発投資を行い、先端技術革新への研さんを重ねる覚悟でおりますが、企業の努力だけでは解決できるものではなく、産官学連携での取り組みが、日本にとって最も重要かつ実行すべき事項であると考えています。アマダグループも財団が末永く幅広い助成を続け、創業者の理念でもある、人々の豊かな未来に貢献していけるようなビジネスを人間中心で考える企業として、成長を続けていく所存です」とあいさつした。
続いて迫田健吉 文部科学省研究振興局 基礎・基盤研究課粒子研究推進室長が、「産業競争力の基盤となる光・量子技術の世界は、日進月歩で進歩しています。今回、採択されたレーザ技術は、ものづくりの基盤となることはもとより、昨今、新聞を賑わせている量子コンピュータの基盤となる技術です。わが国でも本年3月に、第6期科学技術・イノベーション基本計画を策定し、基礎研究がもたらす新たな知の想像をイノベーション創出の源泉と位置付けて、光・量子技術の国際競争力を一層強化していくことを掲げ、研究開発を推進しています。また当計画におきましては、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会課題の解決を同時に解決していく、Society 5.0という理念を打ち出して取り組みを進めています。政府としてはレーザ加工の分野において、内閣府のSIPや文部科学省のQ-LEAPなどのプロジェクトの中で、レーザ加工による物質の挙動をサイバー空間上でシミュレーションして、AIなどで最適なパラメータを設定して自動的に加工するレーザ加工のDX化に向けた研究開発を進めています。一方で、レーザ加工の挙動に関する未知なる領域は多くありますから、このたび助成を受けられました研究者の皆さまの基礎研究によって、未知の領域が解明され、日本発の破壊的なイノベーションが創出されることを心から祈っております」と祝辞を述べた。
青山藤詞郎 慶應大学名誉教授 天田財団理事が2021年度助成総評を述べたあと助成金目録の贈呈式が行われた。

招待講演会では、焼山佑美 大阪大学 大学院光学研究科准教授が「液中レーザーアブレーションを利用した原始的酵素様物質の発生」、早川邦夫 静岡大学工学部教授が「前方軸-後方缶押出し鍛造によるチタン合金のトライボロジー温度依存性の研究」をテーマに講演した。
