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無造作淑女

【JIMTOFこぼれ話&写真】ヤマザキマザックの「内製ミネラルキャスト」に注目!

 「あの鐘を~鳴らすのはあ~な~た~♪」
マザックブースで皆さん、鳴らしていましたね☆
 
 

今年のギョーカイ一大イベントといえば、JIMTOFでしょう!

ニュースでもJIMTOFレポートを掲載していますが、お陰でさまで、あれも書きたいこれも書きたい(正式には〝打ちたい〟)っていう欲望が沸々と湧いているにもかかわらず、身がひとつしかないもんで、世間様がお休みの中にブログでこぼれ話を掲載することにします。

ということで、ヤマザキマザックの内製ミネラルキャストは、皆様、見学しましたか?

 

ミネラルキャストといっても、実際にどんなものなのか、イメージがつかない方も多いと思いますが、ヤマザキマザックでは、このミネラルキャストをわかりやすく展示してありましたね。

わたしももちろん、この鐘を鳴らしましたが、当然のごとくミネラルキャストでできた鐘はカンッと乾いた音しかなりませんでした。

同社によるとミネラルキャストは「振動減衰性に優れ、機械稼働時の振動がより早く収束するため、加工時間の短縮や工具の長寿命化に寄与し、またフライス加工など、刃物がワークと接触・非接触を繰り返しながら削る“断続切削”加工時に発生する振動も抑制され、加工面精度の向上につながる。また、熱伝導率が鋳鉄と比較して小さく、周囲の温度変化による熱変位が緩やかであるため、安定した加工精度を得ることができる。」という特長を持つと説明しています。

この画期的な素材を内製化した同社は今回のJIMTOFにミネラルキャストを初採用した立形マシニングセンタ「VCN-460 HDCC」を展示していましたが、どこに使われているかというと、コラムやベースの主要構造体に採用しています。

 

来場された皆様ももちろん興味津々といったところ☆ 

 

このマシン、毎分12,000 回転の高トルクタイプの主軸を標準採用していますが、オプションとして毎分18,000 回転の高速主軸が選択可能なんですって。さらに金型加工の高精度仕上げ用にATC 可能な電動モータスピンドルをオプション展開するなど、精密部品や金型部品の加工に最適な主軸仕様を用意していますよ。

画期的な素材、ミネラルキャストのメリットは下記のとおりです。

(1)高い振動減衰性
ミネラルキャストは鋳鉄と比較して約10 倍の振動減衰性能を有し、機械が稼働する際に発生する振動がより早く収まるため、加工時間が短縮されるほか、工具刃先の負荷が軽減し、工具の長寿命化に貢献。またフライス加工など、刃物がワークと接触・非接触を繰り返しながら削る“断続切削”加工時に発生する振動も抑制され、加工面精度が向上。

(2)優れた熱安定性
ミネラルキャストは熱伝導率が鋳鉄の1/25 と小さく、熱が伝わりにくい特性を持つ。工場環境温度や機械の熱源など、短時間での温度変化による影響を受けにくく、熱変位が緩
やかであるため、安定した加工精度を得ることができる。

(3)環境負荷の低減
ミネラルキャストは製造時に鋳物のような高温融解炉を必要とせず、常温で成形が可能。製造工程での電力使用量が大幅に減少し、VCN-460 のベース・コラム製造におけるCO2 排出量は、鋳物を採用した場合との比較で50%以上の削減となる。

 

 

 

【取材こぼれ話&こぼれ写真】日本機械工具工業会 牧野フライス精機&牧野フライス製作所を工場見学! 

  日本機械工具工業会が10月23日~24日の2日間、秋季総会を開催したことはすでにニュースで掲載しましたが、このときの様子を取材こぼれ話として掲載します。

 1日目は大磯プリンスホテルで総会と日本機械工具工業会賞の授賞式を行い、2日目は、場所を移動して、神奈川県愛甲郡愛川町にある牧野フライス精機と牧野フライス製作所の工場見学を実施しました。

 まずは牧野フライス精機にGO! 同社は世界的に見ても数少ない工具研削盤の専業メーカーです。 

 冒頭、清水社長からごあいさつがありました。ちょうどJIMTOF前でしたので、一足早く、展示内容の説明を清水社長自らプレゼンしてくださるという、非常に贅沢なお時間です。

 業界にどっぷり浸かった方はご承知のとおりだと思いますが、切削工具を高能率に精度良く生産するというのは技術が必要です。

 このとき、清水社長は、ドリルは先の欠けを防止するために、切れ刃に面取り加工を施す重要なホーニング(ネガランド)加工にについて説明をしてくれました。工具寿命に大きく影響が出る重要な工程です。清水社長は、一般的な加工法である手作業とNC機械(タッチセンサを使用)による加工のデメリットを以下のようにまとめていました。

2班に分かれて見学。上から見ています。

〈手作業のデメリット〉
(1)熟練の技が必要
(2)精度にばらつきが出る可能性がある
(3)大量生産ドリルへの対応には不向き

〈NC機によるデメリット(タッチセンサを使用)〉
(1)センシングに時間がかかる
(2)タッチセンサ自身に摩耗が発生し、交換が必要

 こうしたデメリットを払拭したの同社の「monocam2」は非接触のため、小径工具剛性の影響を受けずにホーニング以外にも様々な測定、補足を行うことができるとしていました。時代は自動化・省人化ですから、効率良く機械に働いて貰うにはシステムの進化も欠かせないということが分かる内容です。

 続いては、牧野フライス製作所にGO! 西野執行役員営業本部長が出迎えてくれました。

 牧野フライス製作所の見学の目玉は第三工場(主軸頭工場)です。ここは、機械の心臓部である主軸を設計から加工・組立まで100%内製化している主軸専用の生産工場です。

 組立が行われるクリーンルームでは温度23℃の±0.4℃湿度35%を保っており、限られた技術者しか入室できないという徹底ぶり。異物混入を排除するため、クラス10,000のクリーンを保っていましたよ。

 ――――という貴重な工場見学会でした。

 あっと言う間にもう12月も半ば・・・今年の後半は繁忙期が永遠に続くような錯覚に見舞われました。製造現場ドットコムのニュースには書き切れなかったネタも豊富にございますので、こちらのほうは、順次、ブログで放出していきます。皆様、要チェックですゾ☆

 

 

おめでとうございます! 牧野フライス精機が「日本産業広告賞2024」雑誌部門で佳作

 

おめでとうございます! 

牧野フライス精機が「日本産業広告賞2024」の雑誌部門で佳作を受賞しました。

 

この賞は、日刊工業新聞社が産業広告の健全な発展と質的向上を図る目的から、1966年に制定以来毎年実施しているもので、新聞部門、雑誌部門、情報誌部門があります。

今回、同社が受賞したのは「DB1」の広告です。なかなかシンプルで分かりやすいですね。そういえば、同社は、JIMTOFでもそうでしたが、展示会で配るカタログを入れる紙袋までオールブラックでカッコイイ良かったな☆

細かいところまで気配りをしているのが理解できます。

 

お詫びと訂正

日本機械工具工業会が「2024年度秋季総会」並びに「2024年度日本機械工具工業会賞」授賞式を開く

の記事を掲載していますが、一部記事に誤りがありました。

環境大賞に京セラ(株)とありますが、正しくは(株)タンガロイです。

訂正しお詫び申し上げます。

 

 

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