下村栄司のあくまで個人的趣味的な入間航空祭2013レポート
今年もこの季節がやってきたわ!
皆様お待ちかね! 業界でも航空機マニアで有名な下村栄司氏のレポートが届いたわよ!
職業柄、見るツボが細かいので、たまりません!
それでははじまりはじまり~☆
(写真・文=下村栄司)
怒涛の如く人が押し寄せた!
11月3日、航空自衛隊入間基地で開催された航空祭に行ってきました。
毎年11月3日の文化の日に開催されるこのショーは、都心から最も近くで行われる航空祭で、交通の便が極めて良いこともあり、毎年ものすごい人出があります(25万人くらいの人が来ます)。全国で開催される自衛隊の航空祭では一番の人出でしょう。おまけに今年はテレビドラマ「空飛ぶ広報室」の影響で例年よりもはるかに多い32万人が来場したとのことです。お昼前には危険な状態になってきたらしく、入場制限をしていました。筆者はこの近くに住んでいるため、ほぼ毎年見に行っているのですが、入場制限なんて聞くのは今年が初めてです。ドラマの威力は恐ろしや・・・。
(写真左)開始早々の10時過ぎでもうこんな状態。(写真右)12時には広いエプロン(駐機場)なのに、身動きができないほど人で埋め尽くされました。最前列の「特等席」は朝早くから確保しないとなりません。一度確保したら離れられないので6時間はトイレを我慢せねばなりません。膀胱の小さい人には無理!
前置きが長くなってしまいましたが、展示飛行について紹介して行きます。
説明するまでもないかもしれませんが、国産初の旅客機YS-11です。既に民間航空路からは完全に引退していますが、航空自衛隊ではバリバリの現役です。旅客機のくせに(と言ってはYS-11に怒られそうですが)アクロバット的な飛び方をします(写真右)。老体に鞭打ってという感がりますが、古い機体でもこれだけの飛びができるのは大したもんだと感心します。
ヘリコプターも飛びます。UH-60J(写真左)とCH-47J(写真右)です。UHの方は写真ではわかりにくいですが、側面の窓から乗組員が手を振っています。CHは力持ちのところを見せつけた飛行です。吊り下げている荷物は1つ2トンの重さがあるそうです。2つで4トンなら小型トラックでも吊った方がわかりやすいのに・・。荷物には「がんばろう」「日本」「CH-47」とありますが、CH-47の後に「(jjj)/」って、これ何?。機種名の”J”を引っ掛けているのか、人気朝ドラで有名な方言なのか、どっちもアリでしょうか。
デカイ飛行機が編隊を組んでやってきました。ここ(入間基地)が本拠のC-1輸送機で、機体もエンジンも純国産です。古いものは40歳を超えています。C-2という後継機が開発されましたが、実部隊配備まではしばらくかかるでしょうから、C-1は当分現役でしょう。筆者はこれ好きです。デカイですが飛びはびっくりするほど機動的です。輸送機とは思えません。あんな飛び方して機体壊れないのかな・・と心配になるほどです。
ブルーインパルスの登場に興奮!
本日のメイン・イベント、ブルーインパルスの登場です。バックが青空でないので写真の見栄えがしませんが、様子はわかるかと思います。2機が交差している写真は、行くたびに挑戦しているのですが今年初めて成功しました。時速800kmで飛ぶ2機が交差するのは一瞬なので、撮るのは結構難易度大です。
それにしても一糸乱れぬ空中演技は何度見ても感心します。あれだけ近づいて飛んでいるのに(しかも高速で!)ぶつからないかとハラハラドキドキです。
演技もそろそろクライマックスに近づいてきた頃、突然「飛行空域に他の航空機が侵入したため安全上、一時演技を中断します」との場内放送が。じぇじぇ!。でもそのうち再会するだろうとタカをくくっていました。10分くらい経った頃でしょうか、「やはり危険なため、演技を中止します」だって。じぇじぇじぇ~!。会場からは大きなため息が漏れました。後で知ったところでは、埼玉県の防災ヘリコプターが飛んでいたそうです。
ブルーインパルスが中途半端な形で終わった後、「F15J飛行展示」がありましたが・・・。
(写真左)いよいよお出ましになりましたF15J。離陸に向けてタキシング中。
(写真右)轟音をとどろかせて離陸しました。アフターバーナーを点火しています。カッ、カッケ~!
カッコ良く離陸したのは良かったのですが、「展示飛行」と言うからには旋回したり急上昇したり、戦闘機っぽい飛びを期待していたのですが、2機が仲良く並んで会場上空を通過しただけで、アレレ~そのまま小松基地へと帰っていってしまいました。
あっけにとられてしまったF15Jの飛行(むしろ「帰投」)の後、今度は我がF2がお出ましになりました。F2は純国産の支援戦闘機です。塗装がかっこいい!。今回尾翼の塗装が特別のような感じです。マニアの方はこの辺の事情はよくご存知かもしれませんが。こちらもアフターバーナー全開で離陸していきました。(当然、そのまま帰投しました)
今年の航空祭は、天気に恵まれないわ(写真撮影には、やはり快晴じゃなきゃ)、ブルーインパルスは中断するわ、ギャラリーは多いわで、若干テンション低めでしたが、F15JとF2のアフターバーナー点火しての離陸のショットをゲットできたのは良かったかと思います。
番外編
このショーは「ミス航空祭」のイベントから始まります。振り袖を着たお姉様たちが、ジープの上からギャラリーに向かって(ちょとぎこちない感じで)愛想をふりまきます。ブルーインパルスの演技が終わって帰還したパイロットに花束を渡したりもします・・・彼女たちも大変です。
T-400基本操縦練習機です。操縦席の窓になぜかキティちゃんがいます。なぜでしょう・・・謎です。
以前、JA2012のレポートでも触れましたが、航空機火災消火用の消防車、モリタ製MAF-125Aです。かっこいい!
それにしても、今回の来場者数は尋常ではありませんでした。後で知った話ですが、終了後に最寄りの西武池袋線 稲荷山公園駅(基地の目の前にある!)は帰る人達でごった返し、電車も遅れる事態に。さらに時間が進むにつれ遅れが拡大し、ついに副都心線との直通運転が中止されたんだそうです。
『来年の11月3日は行ってみようかな』と思った方、アクセスに関しての筆者のオススメは西武新宿線の狭山市駅です。入間基地へは若干遠くなってしまいますが、西口から稲荷山公園駅行きの路線バスが出ています。しかし、道路が大渋滞でバスはなかなか進みません。20分くらいかかりますが、ここは歩くのが正解です。このルートは稲荷山公園駅のような殺人的な混雑はありませんので、かえってスムーズに往復ができます。
プロフィール
業界新聞社の取締役編集長を経て、インダストリー・ジャパンを設立。製造現場は日本の底力!をスローガンに製造業専門ニュースサイト「製造現場ドットコム」を運営している産業ジャーナリスト兼フリーライターです。霞ヶ関から錦糸町まで守備範囲が広いのが特長。現場取材は数知れず。些細なことや泥臭いことに真実が隠れているのを知り、今では何より本当のことを言うのが大好き。いつも働く女性と頑張るオヤジたちの味方よ。
ブログでは取材のこぼれ話やお知らせのほか、日常のことを綴っています。
機械振興会館 記者クラブ加盟
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