恐るべし中国の定盤!
先日、面白い話を聞いたのね。
機械部品の加工や検査の基準平面として用いられる定盤。
この平面はキサゲやラップなどで正しい平面に仕上げられているものなんだけど、これが最近、中国のものが結構あるようでさ、それがパッと見たら「中国のものも良いカンジじゃん♡」って思わせるような造りになってるらしいのよね。
なにが良い感じなのかというと――――。
キサゲの鱗模様が素晴らしいらしいんですって。
キサゲは機械精度を超えるための精度を生み出す重要な加工。摩擦は精密加工を阻害する原因になるわけで、摩擦抵抗を減らすためには超超超微細な油溜まりをつくらなければならず、この加工にはどうしても人の手が必要になるわけ。これこそ職人技が必要なのね。
キサゲってさ、市松、三日月、千鳥など色んな模様があったりするうえ、職人さんの極秘形状があったり様々なんですが、中国のキサゲは、このキサゲ模様を“そっくりにつくる”技能があるらしいんです。
でもさ、キサゲ職人を育成するには相当の月日がかかるよね。いくら中国が急成長を遂げたからといってもキサゲ職人が出来上がるとはちょっと考えにくい。なによりこの極秘技術が流出しているとも思えないんですよね。
ということなんですが、“キサゲ模様づくり”が完璧な中国。
しかもアチラは安価ですから、やっぱり価格の魅力にやられちゃう方だっているのは当然のこと。
で、やっぱり中国の定盤に困った人がいるみたいね。
平滑度が全然出ないですって。
測ってみると話になんない。
まぁ今のところは当然といえば当然のような結果の気がしますが、それにしても恐るべし中国!
キサゲ職人がいる・・・というよりも、キサゲ模様をそっくりにつくる技能者がいるんですからね。
しかしながら中国のニセモノをつくることへの執着には毎度驚かされます。
やっぱりさ、ものをつくる最後の工程、磨きには舐めるような愛情が必要ってわけさ―――ってな話で盛り上がったのでした。
実の前の虚はすぐバレちゃう♡
プロフィール
業界新聞社の取締役編集長を経て、インダストリー・ジャパンを設立。製造現場は日本の底力!をスローガンに製造業専門ニュースサイト「製造現場ドットコム」を運営している産業ジャーナリスト兼フリーライターです。霞ヶ関から錦糸町まで守備範囲が広いのが特長。現場取材は数知れず。些細なことや泥臭いことに真実が隠れているのを知り、今では何より本当のことを言うのが大好き。いつも働く女性と頑張るオヤジたちの味方よ。
ブログでは取材のこぼれ話やお知らせのほか、日常のことを綴っています。
機械振興会館 記者クラブ加盟
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