「Photonix2015」で見た! アマダの最新テクノロジーには6年の歳月がかかっていた!

去る4月8日~10日まで東京ビッグサイトで開催されたPhotonix2015で、AMADAさんの最新テクノロジーを見てきましたよ。

今回、日本初公開のダイレクト・ダイオード・レーザで板金切断を実現した「ExC(エグザック)」テクノロジーをはじめ、ファイバーレーザやYAG SHGグリーンレーザなど、レーザ技術と金属の切断・溶接、樹脂や金属への様々な加工技術をレーザ発振器メーカーとして提案していました。

特に注目したいダイレクト・ダイオード・レーザ発振器「ExC」。
これはエネルギー効率の向上により発振効率40%を実現し、加工機メーカーとして世界で初めてDDLでの板金切断を可能にした発振器。しかも加工速度も大幅にアップしているのよ。アルミニウムの切断速度なんてCo2に比べ75%も向上したというから驚きよ! 気になる面祖度も大幅にアップ! 

DDL技術ってね、昔からあったんだけど、光の品質がよくなかったから、焼き入れや溶接にしか使えなかったんですね。だけど、アマダさんはそれを技術で払拭したってわけ。しつこいようだけど、なんたって加工機メーカーで世界で初めて板金切断を可能にしたんですからね。凄いですよね。

DDLの「ExC」は、アマダさんは一番コアなダイオードの光をJDSUさんと一緒に「今の時代に合致した最適な形で貢献できるんじゃないか」との思いで、技術開発をしたんですって。

「ExC」のコンセプトは、
①充電内容18kVA(2kW発振器+チラー)
②高いビーム品質・安定した高速切断
③簡単メンテナンス・コスト削減
④安定した切断面
⑤体積60%削減・マシン本体裏側にビルトイン――――。

2kWのダイレクト・ダイオード・レーザ発振器は最も厳しいマクロ材料の加工環境に対応したコンパクトで頑丈! Co2ベースのマシンと比較しても、オーナーシップコスト全体として50%も削減できるそうよ!

さてさて今回、グッドタイミングで、同社の伊藤 取締役兼専務執行役員 開発本部長に開発秘話を聞くことができました。なんと、技術が確立するまで6年もの間の月日がかかっていたとのこと! 

「Co2レーザはわれわれ30年来もやっているという歴史があって、技術を積み上げてきたんですが、もう、これ以上効率も上がらないし、コストも下がらないという、そういうところまで来ていたんですね。ですから、業界的にも、“将来的は半導体レーザがCo2に変わる”という必然的なものがあって、そういう時流を背景に、“アプリケーションにはファイバーレーザが一番いいだろう”、と考えていたんですが、なんていってもコストが高いのがデメリットだった。ファイバーレーザーは巨大な一社が技術を持っているのですが、それを使ってやっても他社との差別化ができないと考えたんです。アマダのマシンがみんなと同じものだったらなにを訴求するのよ、と、なるじゃないですか。そこで、自分たちで時代のニーズに合致したものを造りましょう! と立ち上がったんです。いろんなメーカーさんとタイアップもしまし、失敗もしました。そこで半導体レーザが輝度の高いもの、ウェハからレーザダイオードを造っているJDSUさんと巡りあった。kW級はハードルが高かったけれど、われわれは切断機メーカーなので、光の品質はこうじゃないとキレイに切れない、アルミはこういう光じゃないと切れない、ステンレスはこうだよ、といろんなノウハウがある。そこでわれわれの研究所が主体になってアメリカにも事務所をつくってそこに人を送って、秘密裏にこっそり6年間も研究開発をしていたわけです。だけど、半導体レーザのダイレクト・ダイオード・レーザを用いて切断するという加工技術は、“今世紀中にはムリだよね”って言われていて、ここまで到達するまでに、いろんな方々とお話しをしたけれど、“ダイオードの切断はムリだよ。せいぜい溶接だよ”ってみなさんおっしゃっていたんですよ」と伊藤取締役。まさに、できるまでやる! という技術開発魂を感じました。 
 

JDSU社と協同開発したファイバーレーザ発振器は高出力でコンパクト。高品質なビームで高速切断が可能! 新開発のビーム可変ユニット技術はレンズ交換が不要で、薄板はより高速に、厚板はより安定した加工を行うことができるんですって。省エネ効果も期待できる独自のレーザー技術なのよ!

さぁ、いよいよ待ちに待ったゴールデンウィーク突入かしら?
皆様、日頃の疲れを癒やして、良い休日をお過ごしくださいませ☆