日工会が『EMO Hannover 2017』開催結果概要をまとめました

世界三大工作機械見本市のひとつ、『EMO Hannover 2017』が、9月18日(月)から23日(土)の6日間、ドイツで開催されました。

このほど日本工作機械工業会が開催結果概要をまとめましたので、ご紹介いたします。

主要国出展概要

(1)ドイツ 出展者数855社
Industry4.0が進展中。センシング情報の集積、稼働状況の分析等、差別化を模索。

(2)イタリア 出展者数274社
ロータリーインデックスマシンやロボット技術の連携等による自動化対応を意識。

(3)台湾 出展者数223社
NC+PC(NCにPCを接続して補助的機能を付与)中心のユーザインターフェースの提供が目立った。

(4)中国 出展者数181社
大手企業の出展はなし。要素部品や工具関係の小規模出展に留まった。

(5)スイス 出展者数118社
高い機械剛性の維持、精密加工を意識した複合加工機を展示。

(6)日本 出展者数84社
工具・工作機械関連の自動化システムを駆使したスマート化、AMへの対応等、多彩な展示が見られた。

(7)韓国 出展者数59社
WIA、Doosan等がSMART化への対応をアピール。

開会式では、Frank-Walter Steinmeierドイツ連邦大統領が、①開かれた経済、自由貿易体制が重要、②Industrie4.0等によって相互が連結された(インターコネクト)世界の実現が重要、③革新的(イノベイティブ)な中小企業が経済発展の基礎、④若者の働き方の変化に対応した教育、職業訓練が大切――旨のスピーチを行った。

出展動向

①マルチレーザ式、ワイヤアーク式等の積層造形装置(Additive Manufacturing)の展示が充実。また、金属積層、切削、焼き入れが1台で可能な製品や、大型部品の加工にも対応が可能な製品も目立った。

②Industrei4.0への対応をうたった展示が見られたが、ユーザーメリットの具体化には模索状態。今後、差別化が図られるものと思料。スマート化の発信力は日本企業に優位性有り。

③ロボットの活用や、工具・工作物関連の自動化システムとの連携によるスマート化を意識した展示を広く展開。労働力不足等を背景に、各企業とも自動化を強く進めている模様。

④多軸・複合工作機械が引き続き増加。複合機能のラインナップも多岐に亘り、工程集約のニーズの高まりが窺われる。

その他

①海外工業会との個別会合では、CECIMO(欧州工作機械工業連盟)を中心に、自動車業界におけるEV(電気自動車)への移行に強い関心の声。自動車のEV移行に伴う工作機械業界の今後の行方について意見交換を実施。

②EMO Hannover2013よりも来場者は少なく感じられ、会場内は落ち着いた印象ながら、引き合いは前回並みに活発との声が多かった。

③会場スケールの大きさは世界四大展示会の中で群を抜き、場内の食事施設も充実。

④次回EMO Hanoover2019は2019年9月16日(月)~21日(土)に開催。