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コマツが中型油圧ショベル「PC128US/138US-10」を新発売

コマツ(社長=大橋徹二氏)は、最新技術を随所に織り込み、オフロード法2011年基準に適合した中型油圧ショベル「PC128US/138US-10」を5月1日から発売した。 このマシンは、NOx(窒素酸化物)とPM(粒子状物質)の排出量を大幅に低減し、特定特殊自動車排出ガス2011年基準の排出ガス規制をクリアした新世代エンジンを新たに搭載している。

機体のメインユニットを最適に制御するトータルビークルコントロール(機体総合制御)の更なる進化により、生産性と燃費性能の両方で高いレベルを達成し、燃料消費量を同社従来機に比べ7%低減している。 また、落下防止用ハンドレールの新採用で点検・整備中の落下を防ぐとともに、新採用のIDキーにより機械の盗難リスクを軽減し、安全性を高めている。機械モニタには鮮明で見やすい高精彩7インチLCDモニタを採用し、エコガイダンス等の表示により省エネ運転のサポートも行う。

新車購入時に自動的に付帯される、国内で初めてパワーラインの保証延長と無償メンテナンスを取り入れた新たなサービスプログラム「KOMATSU CARE(コマツ・ケア)」の提供により、トータルライフサイクルコストの低減と長時間稼働に貢献する。

ショットモリテックスが高精度検査に対応した16Kラインスキャンカメラ用レンズを新発売

マシンビジョンと画像関連機器メーカーのショットモリテックス(社長=佐藤隆雄氏)は、16K(16000画素)カラーラインスキャンカメラに対応したマシンビジョンレンズ「ML-F90C-07」の販売をこのほど開始した。

この製品は、高密度実装による配線基板のファインピッチ化、LCDパネルの高精細化の市場トレンドを受け、より高い検査精度を必要とするハイエンドアプリケーションのユーザーをターゲットとして開発された高性能ラインスキャンカメラ用レンズ。最大の特徴は150lp/mm以上の解像力を実現したことで、最新の16k/3.5μmの高画素ラインセンサーの能力を最大限に引き出し、より高精度な検査アプリケーションに対応可能となっている。また、レンズ口径を従来比20%アップして4倍以上の明るさを実現し、高速処理が必要なアプリケーションにも性能を発揮し、RGBがカラー補正されているため、忠実な色の再現を必要とするカラー処理にも最適。

INTERMOLD2014の会場内で工作機械メーカー6社の社長に聞きました! ~製造現場に提案するマシンの優位性を教えてください!~

INTERMOLD2014/金型展2014」(主催=日本金型工業会・テレビ大阪)ならびに「金属プレス加工技術展2014」(主催=日本金属プレス工業会)が、4月16日(水)~19日(土)までの4日間、インテックス大阪で開催され大成功のうちに幕を閉じた。

最近の税制トレンドといえば、「生産性向上設備投資促進税制」が挙げられる。これは、先端設備、生産ラインやオペレーションの刷新・改善のための設備投資を即時償却または5%税制額控除という優遇措置で国が支援するものだ。こういったことも相まって最近は、設備投資意欲の高まりも感じる。そこで、今回、展示会場内でお会いした工作機械メーカー6社(アマダマシンツール、オークマ、キタムラ機械、ナガセインテグレックス、三井精機工業、安田工業)の社長に“製造現場に提案するマシンの優位性”についてお話を伺った。

常に視点はお客様とともに! 工程に改革をもたらしたアマダマシンツール

アマダグループは“プロセス・イノベーション”をテーマに掲げ金型業界に訴求。
アマダマシンツールの末岡愼弘社長は、「金型業界では海外に出て行かれるお客様も多いが、国内に残られるお客様は生産コストを削減しつつ、いかに精度を高めるか、という差別化を考えておられる。そこでわれわれが考えている“一貫加工”を提案したい。『MX-150』は、高精度5軸ミーリング、ターンミーリング、研削の3つの加工を1台に集約したマシンで、1段取り複数工程加工で滞留時間や段取り時間が削減されるうえ、様々な形状への対応幅が拡大するので高い経済効果が期待できます。段取りズレの品質低下も抑制するので、面品位も美しい」と優位性を説明。

今回、末岡社長が来場者に見せたかったのは、インコネルの加工だ。
「インコネルというと切削工具との親和性が大きく、熱伝導率が悪いこともあり切削加工が最も困難な材料として有名ですが、耐熱性や耐蝕性に優れており、自動車の排気部分や原子力のタービン、航空機のエンジン部など高温高圧の過酷な条件下で使用される材料。このような超難削材を1台で加工できるというプロセスはまさに革命でしょう」と自信たっぷり。末岡社長は、自動車、航空機はもちろん、新たに医療分野にも注目しているとのことで、「アメリカは医療分野が活性化しており注目している。われわれは常にお客様とともに歩んでいくんだ――という考えがある。生産性を重視する分野にわれわれの斬新な考え方と技術が詰まったマシンで、ぜひとも新たな価値を創造してもらいたいですね」とした。

マシンに高い知能を組み込んだオークマ

「われわれのマシンで日本のものづくりを合理化してもらえば嬉しい。鍵は工程集約です」と話したオークマの花木義麿社長。オークマといえばマシンに“知能化技術”を用いて、加工インフラ(基盤)に新たな概念を取り入れた画期的な企業である。温度変化を受け入れるという独自の考え方“サーモフレンドリーコンセプト”は、高精度な熱変位制御技術で長時間の連続加工でも安定した精度で加工を行うことができることを指す。また、自動・手動運転問わず、衝突防止機能もマシンに搭載し、世界初の“ぶつからない機械”として衝突によるリスク回避をしている。花木社長は「この10年来、オークマは知能化技術に注力してきた。熱変異補正については大げさに言うと産業革命以来の宿願とされていた。これを可能なレベルまでに高め、切屑が溜まっても冷却水をかけても長時間の連続加工でも精度を一定に保つことができる」として、高精度かつ安定した精度が確保できることを強調した。

今回展示していたのは『MULTUS U 3000』。もちろん知能化技術搭載の複合加工機だ。「われわれは実際の加工現場で活躍される皆様にどれだけお役に立てるかを追求している。高精度、高剛性、高機能、工程結合という全ての要求を1台に凝縮しているこのマシンで経済効果を実感していただきたい」と花木社長。オークマといえば洗練されたデザインも魅力的だが、「男女問わず20~30代が設計デザインを担当している。オールドマンではなかなか出ない発想もあるので、若者には期待しているんですよ」と若者にエールを送った。

人間工学的視野から機械デザイン見直したキタムラ機械

展示会では人間工学的視野から機械デザインを全面的に見直したというキタムラ機械。従来比5倍の処理速度を持つハイエンドな独自開発のコントローラ『Arumatik-Mi』を標準搭載した次世代型マシニングセンタ『MYSENTER-Gシリーズ』を出展した。このシリーズは、全軸フルストロークにおいて位置決め精度±2µ、繰り返し精度1µを実現し、高精度加工が可能だ。

北村彰浩社長は、「現在、従来からの工程分散型マシンを駆使するような、例えば30種類の加工を30台の機械でやる時代ではなくなった。何十種類の加工工程を1台の機械でこなす工程集約型の工作機械がトレンドとなってきている。そのため工具が折れると生産性や精度の低下を招くので、われわれの機械は剛性を高め、工具が折れにくいように設計をしている」と話す。「工具交換装置は、破損した工具の予備のためのものではなく、1本の工具を有効活用して工程短縮を実現し、能率を上げて経済効果を高めるツール。『MYSENTER-HX250G』は工具収納本数がクラス最高の100本対応しているので様々な加工工程をこなすことができ、しかも工具破損を防ぐようマシンに高剛性をもたせている」と工具寿命についてマシン側からも問題解決が出来るとした。また、『MYSENTER-Gシリーズ』の正面扉は炭素繊維複合材料を用いており、鉄製の約4分の1に軽量化に成功、3層大形特殊ガラスを採用し、使用者の操作性と安全性を高めた。ミクロン単位の超精密な技術を先端材料の機能を活かして、省エネルギー、省スペース、省力化を貫いたキタムラ独自の“スマートデザイン”もユーザーの感性を刺激してくれる。北村社長は最後に「マシニングセンタの専業だからこそ質を落とさずお求めやすい価格設定が実現しています」としめくくった。

有益な価値を提供したナガセインテグレックス

近年、製造業界が熾烈な国際競争の中にさらされている中で、ナガセインテグレックスの強みといえば、一台一台受注生産によりつくられていることだろう。既製品にはない独自性溢れる超精密マシンを生み出す同社の顧客は95%以上が日本企業だ。長瀬幸泰社長は、「お客様の競争力強化のためにお手伝いができることはなにか――をテーマに掲げている」と話す。今回展示していたのはサドル形高精度成形平面研削盤『SGE 520』。細溝、コンタリング成形、総形、鏡面加工までマルチに対応できる高精度マシンである。日本でしかできない仕事をつくる一台として展示されていた。特長は0.1µmのNC指令値を活かせるサドル機史上最高の高剛性構造設計である。一般砥石のみならずCBN、ダイヤ砥石を用いた加工も可能だ。さらに注目すべき点は、匠の手で丹念に仕上げられたきさげ面と独自の摺動面設計がもたらす優れた真直運動精度だろう。これらの技術がよく分かるワークやユニット、数々のソリューション事例を数多く展開していた。

長瀬社長は、「ここ数年、超精密研削盤の“ECO”に本腰を入れ取り組んできた。超精密を狙う研削盤にこそ、省エネルギー化・環境対応が必要だと考えた。今までも省エネ・自律温度補正技術“スマートサーモニクス”など、新技術を発表してきたが、ただ単に省エネルギー化・環境対応するのではなく、さらに精度や加工能率、経済性も高める発想や技術をひっくるめたところにナガセが目指す“ECO”がある」と独自技術の拘りを説明してくれた。既成概念を払拭し、真の価値とは――を考えさせてくれる展示内容であった。

コンパクトなマシンに秘められた大きな力を見せつけた三井精機工業

「精度の三井」への原点回帰をテーマに掲げた三井精機工業。人気の『Vertex』も位置決め精度・繰り返し精度の許容値を大幅に向上させていた。岩倉幸一社長は、「昨年末、工作機械の自社精度規格を3割ほど高めてユーザーに保証すると発表したが、工作機械はつくり込みで精度が出ることを強調したい」と話す。

今回は人気機種『Vertex』シリーズをリニューアルして新しく『Vertex55X Ⅱ』を展示した同社。このマシンの特長は、X、Y、Zの直線3軸はコラム側で移動、A、C軸については、ベッド両側の壁を利用して傾斜A軸を駆動・固定し、テーブルは前後・左右には移動しないという“キューブオン構造”だ。この構造が可能にしたのはマシンの小型化だった。この仕組みが加工エリアにおいての“ゆとり”をそのままに、二面高速主軸を標準装備している。マシンの設置スペースは幅2m、奥行き3mというコンパクトなボディに最大φ750mm、高さ525mmのワークが搭載可能というから驚きである。また今回、ATCのサイクルタイムを約40%短縮している。目標精度に対して機械特性を把握し、最新の制御技術を適用し加工時間を最短にできるようパラメータをベストチューニングする“MPAC(パラメータ最適化)”も優位性のひとつ。主軸回転数を毎分最高3万回転まで高めたり、A軸テーブルとφ400C軸テーブルにDDモータを採用する“高速同時5軸制御パッケージ”も新たにオプションで設けた。岩倉社長は、「弊社のマシンはカバーを外したらその良さが分かる。高い精度に拘るお客様がお求めする加工に貢献します」としめくくった。

“揺るぎない精度”を誇る安田工業

精度と機能が安定したものでないと市場に通用しないと考える安田工業。
安田拓人社長は、「日々進化する“超小型精密加工”に超高精度・高面品位というユーザーの高度なニーズに応えるハイエンドマシン『YMC430 Ver.Ⅱ』を展示したが、お陰様で高い評価をいただいている」と話す。このマシンの特長は、全軸(X・Y・Z)高速リニアモータ駆動に加え、高剛性をもたらすシンメトリカルフレーム構造、そして経験と技術に培われた先進の熱変位対策だろう。「極めて高い精度を確保する技術が詰まっている」としているだけあって、安定した高精度加工を維持するための技術に注目したい。

リニアモータ駆動採用で実現したのは高精度X-Yテーブル。ベッドの中心部・低位置に設置された移動体は低重心構造により高速移動時の反力よる振動を抑え、高精度加工を実現している。また機体温度制御システムも優位性のひとつだろう。これはコラム内部、スピンドルヘッド内部、X・Yテーブルなどの機体各所に温度制御された専用の熱交換駅を循環させることで各軸の熱変位を低減させる仕組みである。特にコラムは前後左右対称のシンメトリカルH形形状で温度変化によって生じるコラムの歪みを抑制している。オプション(+RT10)でDDモータ駆動の高精度傾斜円テーブルをドッキングすることもできる。ワンチャッキングでの多面割り出し加工はもちろん、高い追従性が必要な同時5軸加工にも対応し、バックラッシュのない高速・高精度な位置決めを実現した。安田社長は、「多種多様化する次世代ニーズに合致したソリューションを提供し、加工現場に貢献したい」としている。

産総研とマグネスケールが共同でロボットや工作機械の角度制御能力を格段に向上させたロータリーエンコーダーを開発

産業技術総合研究所(理事長=中鉢良治氏)測定標準研究部門(研究部門長=千葉光一氏)長さ計測科 幾何標準研究室 渡部司上級研究員は、マグネスケール(社長=藤森 徹氏)と共同で超高精度な聴講分解能のロータリーエンコーダーを開発した。

今回開発したロータリーエンコーダーは、マグネスケールの高分解能ロータリーエンコーダーに産総研が開発したSelfA(自己校正機能付き角度検出器)の技術を応用したもので、これまでの市販品では達成できなかった360°の2の33乗(約86億)に分割した超高分解能、±0.03″(角度秒)の超高精度で角度を計測できる。このロータリーエンコーダーを組み込んだ工作機械で、複雑なエンジンブレードなどの加工を行うと、形状精度が上がるだけではなく加工面の表面粗さが改善され、研磨せずに鏡面加工を行える可能性がある。またタービン部品や風力発電の歯車のように大型化と精密加工の両立が必要となる部品の加工精度と生産性の向上が期待される。

なお、この成果の詳細は、英国科学雑誌「Measurement Science and Technology」に本年4月16日(英国時間)にオンライン掲載された。

開発の社会的背景と研究の経緯

工作機械、半導体の直接描画装置、精密測定機や光学部品加工機などの高分解能角度計測には、高精度、高分解能、高速応答のロータリーエンコーダーが不可欠だが、ロータリーエンコーダーにはメモリ誤差に加えて、機器の回転軸への取り付け時に発声する偏心誤差などの角度誤差要因があり、取り付け後のロータリーエンコーダーを用いて0.1″(角度秒)を超える高精度での角度計測や制御を行うことは困難だと考えられてきた。

マグネスケールでは、高速応答できる超高分解能ロータリーエンコーダーを開発している。
ロータリーエンコーダーの円盤状のメモリスケール(直径167mm)から出力される角度信号の分解能(角度信号パルスの数)は、通常は360°の一回転で数万パルスから10万パルスが一般的だが、マグネスケールのロータリーエンコーダーは200万パルス以上の分解能を達成している。ところが、メモリスケールとそのメモリを検出する検出ユニットが分離しているため、装置(例えばモーターや工作機械など)の回転軸に取り付けるときに、装置の回転軸中心と目盛スケールの回転軸中心の間に軸ズレ(偏心)が生じてしまう。偏心は角度誤差の要因となるため、利用時の精度を推定することが困難であり、超高分解能ではあるが高精度とはいえなかった。

産総研では、これまでSelfAの技術により0.1″(角度秒)の精度を持つロータリーエンコーダーを開発してきたが、数十万パルス以下の分解能を対象としており、超高分解能のロータリーエンコーダーに対するSelfAの技術の実証研究は行っていなかった。そこで両者は、超高分解能ロータリーエンコーダーにSelfAを適用する田モノ共同研究を行うに至った。

研究の内容

図1(左)に示すマグネスケールが新規開発した直径167mmの目盛スケール(一周あたりの穴子ル正弦波信号数:2の21=2.097.152)と図1(右)に示す分離型の検出ユニットを複数個用いて、SelfA機能を持つロータリーエンコーダーを製作。SelfAの自己校正機能を持つことで、検出ユニットが出力する角度信号に含まれる角度誤差をロータリーエンコーダー自体が高精度に検出し、補正することができる。このロータリーエンコーダーが検出できる角度誤差には、目盛誤差だけでなく、分離型のロータリーエンコーダーでは困難であった取り付け時の偏心による角度誤差も含まれているため、取り付け後の誤差も検出できる。目盛スケール上の目盛の感覚は1µm。検出ユニットでこの目盛スケールを検出すると、目盛感覚がさらに4分の1になった250nm周期のアナログ信号(正弦波信号)として出力される。検出ユニットの検出原理は格子干渉計方式であるためアナログ信号の信号歪みが非常に小さく、内挿回路を用いて高い精度でアナログ信号を内挿分割してデジタル信号へと変換できる。今回の実験では8個の検出ユニットにそれぞれ内挿回路を取り付け、アナログ信号を4096倍に分割してデジタル信号に変換した。さらに8個の角度信号に対してSelfAの自己校正機能を適用することでデジタル角度信号の角度誤差を高精度に検出することができた。

この角度誤差検出能力を評価するために開発したロータリーエンコーダーを図2で示すように産総研が持つ角度の国家標準器に取り付けて精度評価を行った結果、ロータリーエンコーダー自体が自己校正により検出した角度誤差は360°の全角度領域で±0.03″(角度秒)の精度で正しいことが分かった。ロータリーエンコーダーの取り付けを変えても同じ精度が得られたことから、このエンコーダーを工作機械、半導体の直接描画装置、精密測定器や光学部品加工機などに取り付けた後でも、SelfAによる自己校正を実施することにより、全角度領域で±0.03″の精度が得られることになる。さらにこの研究では全体の精度だけでなく、一目盛スケール内の内挿信号の角度誤差を別途計算した結果、検出位置を変えても±0.0015″(角度秒)以下であることもわかった。



図1:マグネスケールが新規開発した直径167mmの目盛スケール(一周約200万パルス)(左)とマグネスケールの検出ユニットを8個仕様した「自己校正機能付きロータリーエンコーダー」(右)




図2:今回開発したロータリーエンコーダーを角度の国家標準器に取り付けて精度評価をしている実験の様子

今後の予定
原理開発はすでにこの研究で終了しているため、マグネスケールはユーザーの利便性を考慮し検出ヘッドと内挿回路をユニット化したトータルシステムの商品化をこれから検討するとしている。また、さらなる精度改善にも取り組み、現在±0.03″(角度秒)の角度誤差検出能力を±0.01″(角度秒)まで向上させることを目指すとしている。

日立ツールが『鋼一般ミーリング加工用インサートJS4045』を発売

日立ツール(社長=田中啓一氏)がこのほど『鋼一般ミーリング加工用インサートJS4045』を開発し、5月20日から本格発売する。

軟鋼から35HRC未満の被削材は、一般には被削性が良いことから、荒加工において高速加工や高送り加工等の高能率加工が用いられるが、このような加工条件では工具刃先の温度が上昇し、クレータ摩耗や刃先の塑性変形が発生し工具の寿命が低下したり、黒皮部や加工穴部等の加工では断続加工になることから、工具の刃先がチッピングする問題があった。

こういった問題を受け、JS4045は耐熱性の高い超硬母材に加えて、PVDコーティング法のよる耐摩耗性と耐熱性の高いコーティング膜採用している。このため高能率加工における工具刃先のクレータ摩耗の低減と、刃先の塑性変形を抑制することが実現し、工具寿命を従来比2倍に改善した。また、母材強度と靱性のバランスに優れる超硬母材を採用することでチッピングを低減し、連続加工から軽断続加工までの幅広い領域で、工具寿命の改善を行なうことができる。
特長は以下のとおり。

(1)耐熱性が高く、耐摩耗性と靱性のバランスに優れる超硬母材の採用
耐熱性の高い超硬母材の採用により、加工熱による刃先の塑性変形を低減し工具寿命を大幅に向上させた。また、母材強度と靱性のバランスに優れる超硬母材の採用により、連続加工から軽断続加工までの幅広い領域の工具損傷を低減した。

(2)耐熱性に優れるコーティング膜を採用
コーティング膜には耐摩耗性に優れる被膜と耐熱性に優れる被膜を採用し、軟鋼から35HRC未満までの鋼材の加工時に発生するクレータ摩耗の抑制を実現した

(3)寿命
軟鋼から35HRC未満までの鋼材のミーリング加工の場合、従来品と比較して2倍の寿命を実現した。

価格は¥1,026 ~¥2,873(消費税込み)

DMG森精機が壁画から飛び立つ四神「朱雀」を 3D で再現! 5月18日まで東京国立博物館で展示中! 

朱雀贈呈式(写真右:森 雅彦 DMG森精機社長)
朱雀贈呈式(写真右:森 雅彦 DMG森精機社長)
DMG 森精機(社長=森 雅彦氏)が、キトラ古墳壁画に描かれている四神「朱雀」を、同社製の工作機械で削り出し、3D に再現した。削り出した「朱雀」は、4 月22 日(火)から5月18日(日)まで東京国立博物館で開催される特別展「キトラ古墳壁画」と同時開催の「飛鳥-キトラ2016-」にて展示される。

「朱雀」は、古代中国で四方を守護する四神とされた1つで、奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7 世紀末~8 世紀初め)の極彩色壁画に描かれている。

同社では、「今回、キトラ古墳壁画が東京国立博物館で特別展示されることになり、明日香村村長の森川裕一様より、『朱雀を3D に再現することができないか』とご依頼をいただいたことで、朱雀プロジェクトが始動いたしました。2 次元の壁画を、削り出しで3D に再現することは初めての試みであり、加工とプログラム修正を地道に繰り返し、時間をかけて丁寧に製作を行いました。土台部分の仕上げ加工は、特に丁寧に行い、切削加工のみでまるで磨き加工を施したような表面に仕上げています。真鍮は、加工に使用する切削油が付着したままだと腐食し変色しやすいため、加工後の取扱いにも十分気を配りました。完成品には、金色の輝きをいつまでも保つようクリア塗装を施しています」とコメント。

同社では今後、さらに2 体の「朱雀」を製作し、ソリューションセンタ(東京、伊賀)にて展示を予定している。

製作の様子をまとめた動画はコチラ↓
http://

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三菱マテリアルがグラファイト加工用CVDダイヤモンドコーティングエンドミル「DFシリーズ」のサイズを追加

三菱マテリアル 加工事業カンパニー(加工事業カンパニープレジデント=増田 照彦氏)は、グラファイト加工用CVDダイヤモンドコーティングエンドミル「DFシリーズ」を追加し、このほど販売を開始した。

グラファイトは放電加工用の電極や治具に用いられており、最近はグラファイトの性能向上により、ますます需要が高まっている。こうした需要に対応するため、同社では2009年にグラファイト加工に最適な性能とラインアップで商品化したグラファイト加工用CVDダイヤモンドコーティングエンドミル「DFシリーズ」を提供し、高い評価を得ていたが、このほどユーザーの要望によりDF2XLB 9型番とDFPSRB 6型番を追加することとなった。

グラファイト加工用CVDダイヤモンドコーティングエンドミル「DFシリーズ」の主な特長は、以下の通り。

① グラファイト加工に最適化した結晶性の高いダイヤモンドコーティングを採用。従来のダイヤモンドコーティングに比べ高い耐摩耗性を有しており、グラファイト加工において安定した長寿命加工を実現。

② スクエアからボール、ラジアスまで6シリーズ全132サイズの豊富なラインアップでさまざまな形状加工に対応。

③ ラジアスエンドミルとボールエンドミルは、R刃と外周刃をシームレス形状とすることにより高精度化。良好な仕上げ面を実現。

タンガロイが DrillLine刃先交換式ドリル『TungSix-Dril』を拡充

タンガロイ(社長=木下 聡氏)が好評を博している刃先交換式ドリル『TungSix-Drill』(タングシックス・ドリル)に工具径φ20.0 -φ27.0 mm、L/D = 2,3のアイテムを拡充し、このほど発売を開始した。

この商品は刃先交換式ドリルでは世界初のコンセプトとなる6コーナインサートを採用している。通常の両面仕様インサートでは、その形状特性から切削抵抗が高くなりやすい。『TungSix-Drill』は、インサート配置の最適化と独自のチップブレーカ形状によって切削抵抗を低減し、市場で広く使用されている片面仕様インサートを使用した工具と同等の切削抵抗を実現している。また、インサート材種には新開発のコーティング膜を持つ新材種「AH9030」を採用し、耐摩耗性、耐酸化性を大幅に向上している。

主な特長
●工具径:ø20.0 -ø27.0 mm、加工深さL/D=2, 3に対応。
●両面仕様6コーナインサートを採用。
●1種類のインサートを中心刃・外周刃で使用。
●最適なインサート配列で、理想的な切削バランスを実現し、加工穴精度を向上。
●独自のインサート形状により、欠損しやすい中心部分の切れ刃強度を向上。
●ツイステッドオイルホールの採用で、優れた切りくず排出性を実現し、切りくず詰まりを解消。
●耐摩耗性、耐酸化性に優れた新開発のコーティング膜を持つ新材種「AH9030」を採用。
●新表面平滑化技術「PremiumTec」の採用で、安定した長寿命を実現。

日立建機が「つくば部品センタ」の竣工式を実施

日立建機が建設機械の保守部品のグローバル供給体制を再構築するため、グローバル供給拠点である土浦工場(茨城県土浦市)および周辺に分散している部品センタ機能を日立物流が茨城県つくば市に建設する大型物流センターに移転集約する。
このほど日立物流の新建屋が完成し、4月14日に竣工式を実施した。

竣工式には、岡田久司つくば市副市長、日立物流から鈴木登夫会長、中谷康夫社長、日立建機から木川理二郎会長、辻本雄一社長はじめ、関係者78名が出席した。日立建機は、完成した大型物流センターにおける保守部品物流全般を、日立物流に3PL(3rd Party Logistics>の略。企業の物流業務全般を、第三の企業へ包括的に委託して、実行すること)委託し、同社の持つグローバル物流管理システムにより、物流コスト低減と併せてグローバル供給体制の効率化・迅速化を図っていくとしている。

セコ・ツールズが「Steadyline™ (ステディライン)」技術を「Combimaster (コンビマスター)」工具ホルダに展開

セコ・ツールズは、「Steadyline Combimaster」 のリリースに合わせて、高い評価 を受けている中サイズのフライスカッタ用 「Combimaster」 工具ホルダシリーズをこのほど拡張し、最先端の防振技術 を追加した。このホルダにより、「Combimaster」 シリーズカッタを幅広い用途で使用できるようになり、特に長い突き出し部を必要とする用途や不安定な加工への対応が可能になる。

このシステムではカッタの交換が容易で、スクエアショルダミル、エンドミル、正面フライス加工用カッタ、倣いフライス用カッタ、プランジングカッタ、サイドカッタに対応する。「Steadyline」 には、工具の振動を抑制するダイナミックな防振システムが組み込まれている。特に突き出し部が長い用途に効果的で、工具の寿命と工程の確実性が大幅に向上する。振動を除去することで、過酷な切削条件にも対応できるようになり、加工時間を最大 50 %も短縮できる。