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アマダ ハンディファイバーレーザ溶接機のNEWスタンダード! 「FLW-1500MT」を発表

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 アマダはこのほど、作業者を選ばずにワイドレンジな溶接が可能なハンディファイバーレーザ溶接機「FLW-1500MT」の販売を開始した。

 「FLW-1500MT」は、熟練の技術を必要とするTIG溶接から、誰にでも使いやすいファイバーレーザ溶接への変革を行うことのできるスタンダードモデルのマシン。光の周期、振幅を自由に可変できる「ウォブリング機能」を新たに搭載し、板厚、材質、仕上がりによって溶接の幅を変えることが可能になった。

 細く鋭いビームを揺動させることで、従来は難しかったR面溶接や隙間への溶接範囲の拡大、フィラー溶接が容易になり、ステンレスや軟鋼だけでなく、アルミも板厚4mmまで高品位な溶接が可能になった。さらに、安全性や操作性の向上に加えて省エネ、省スペース化などを実現した。

 「板金加工業界では、少子高齢化による人手不足に加え、熟練技能の継承が大きな課題となっている。特にTIG溶接における工程では手動で行うトーチの送り調整やワークとノズルの高さを一定に維持させる必要があるなど、熟練工による高い技術と経験が必要」と同社。

 対象業種は半導体、医療機器、食品加工器具などステンレスを中心とした精密機械業から、パイプやアルミの溶接を必要とする装置カバー、筐体などの金属部品業まで幅広く対応し、多品種少量生産にも最適。また、ナット溶接やスポット溶接の置き換えなどにも対応する。

「FLW-1500MT」 主な特長

●溶接能力の向上と省エネを実現
 最大ピーク出力2500W、最大定格出力1500Wの高出力化により、従来の溶接機と比較して材料を貫通する際の板厚や、R面溶接の溶け込み能力が大幅に向上した。さらに電力消費量を約76%削減(SPCC板厚1.6mmの溶接加工時)し、省エネも実現した高効率な溶接機。

●新たなセンサー技術による安全性の向上
 レーザ溶接用無線ヘルメットにより、溶接加工時に発生する素材からの反射光や、ヘルメット非装着時のレーザ出射を完全に防止する。また、材料からトーチの先端が外れた場合、レーザ出射が止まる「材料センサー」と、空打ちを瞬時に防止する「プラズマセンサー」を組み合わせることで、溶接中やその前後の誤出射を防止する。

●アプリケーションと連動し、操作性を向上
 本マシンは専用のアプリケーションをインストールすることで、モバイルでの操作ができる。板厚や材質、CW(連続波)発振とパルス(単発)発振のレーザ出力モードを、モバイル上で条件変更ができる他、アラームを即時に確認できる。従来から好評の導電性カーボン製ノズルを採用することで、ワーク上での滑りが良くスムーズで安定した送りが可能。さらにトーチをL型にし、ノズルを細くすることで加工点の視認性が向上し、狭小部への溶接も容易になる。

●溶接機、パーテーションの省スペース化を実現
 空冷発振器(チラー不要)とコントローラ-を一体化し、溶接機もコンパクトに設計することで、従来機に比べ設置面積を約42%削減できる。さらに、パーテーションは折り畳みが可能なキャスター付きのため、省スペースかつ納入後すぐに活用可能。

仕様
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令和4年春の褒章 ヤマザキマザック大口製作所 小幡氏が「黄綬褒章」を受章

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テーブル組立の様子

 

 ヤマザキマザック 大口製作所に勤務する小幡悟資氏が、令和4年春の褒章において「黄綬褒章」を受章した。

 「黄綬褒章」は農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する個人に対して与えられる褒章。

 小幡氏は1979年の入社以来、工作機械の組立作業に40年以上にわたり従事。特に、工作機械の重要部品であるNCテーブルの組立において高度な技能を有し、品質向上と量産化に貢献したほか、技術指導においても社内の技能レベル向上に貢献したことなどが評価され今回の受章となった。

 ヤマザキマザックグループで「黄綬褒章」を受けた社員は、今回の受章で累計5名となった。

 同社では、今後も高度な技能を有する人材の育成に努め、高性能な工作機械の提供を通して世界のものづくりの発展に貢献していく方針。

功績・貢献の概要

■複合加工機の量産化に貢献
 複合加工機のNC テーブルは、ベアリングやシャフトなどの部品から構成されている。このうち、ベアリングとシャフトの精度出しには、熟練の技能と経験が必要だが、小幡氏はその組立手法を確立し、複合加工機の量産化に貢献した。

■大型複合加工機の高寿命化に寄与
 大型複合加工機では、最大重量7 トンの加工物をテーブルに載せて加工するため、駆動
部のギア(歯車)にズレがあると機械寿命に影響がある。このズレを最小化するには、精密な
作業が必要となる。小幡氏は、この作業においてズレのない駆動部を仕上げることができ、
工作機械の高寿命化に貢献した。

■若手技能者の指導育成に関する功績
 組立作業や機械調整における若手社員への教育を継続してきたことに加え、技能検定の指導員としても技能育成に携わり、5年間で32名の仕上げ技能士を育成した。

【主な表彰歴・取得検定】
 表 彰 歴 :卓越技能者 愛知県知事表彰/卓越した技能者表彰(現代の名工) 厚生労働大臣
 技能検定 :特級技能士(機械組立仕上げ作業)
 

アマダマシナリー 大型コラム材切断バンドソー「HK-1000W」を開発

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HK-1000W(12m 自動測長装置標準搭載 写真は6m )

 アマダマシナリーがこのほど、大型コラム材切断バンドソー「HK-1000W」を開発し、9月から販売を開始すると発表した。

 「HK-1000W」は、鋼材加工業界と鉄骨ファブリケーターのニーズに応え、1000mm×1000mmサイズの大型コラム材切断に対応したマシン。特長は、従来とは反対の逆仰角(ぎゃくぎょうかく) 〈右上がり〉の角度のブレードで材料を切断する方式を採用し、切断面のバリの発生を大幅に低減したこと。加工品質の向上のみならず、切断後のバリ取り工程を大幅に削減できるため、加工全体の生産性向上につながる。

 長年蓄積した加工技術データを基にした独自制御による高速切断で、加工時間を従来比で約35%削減する。さらに、独自の材料切断長さを自動で測る装置を搭載しているため、材料の状態に影響を受けず、安定した定寸切断が可能。

 オペレーターの使い勝手を損なわない形で安全性や作業環境を改善し、加工時間の短縮に伴い電力消費量も低減することで、人にも地球にも優しいモノづくりを実現した。

  同社では、「近年の建設業界では、物流倉庫をはじめとする大型建築物の増加や建築に使われる部材そのものの大型化の潮流があり、鋼材加工・販売メーカーはより大きな部材を切断できるマシンへの更新ニーズを抱えている。加えて、大手の鉄骨ファブリケーターの中には、短納期化に対応するためコラム切断ラインの新規導入を検討するメーカーが増加している」と認識しており、同社では、このような建設業界と鋼材業界全体を取り巻く課題に対応すべく、人手不足や短納期化を解決する生産性の向上、工場内の環境改善、脱炭素社会への貢献など顧客に寄り添う製品開発を積極的に行うことで、モノづくりの現場を支えていく方針。

「HK-1000W」シリーズ 主な特長

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逆仰角切断方式

 

(1)逆仰角切断方式の採用による高品位加工、工数削減
 ・従来の鋼材切断マシンとは逆の、逆仰角(右上がり仰角)切断方式を採用。
 ・ブレードの刃で材料をかき上げるため、切断面のバリが大幅に抑制される。また、切断時の切粉の巻き込みを抑制できる。
 ・加工面精度が向上し、次工程のバリ取り作業を大幅に削減できる。

(2)独自のCNC切断制御による高速切断、省エネ性向上
 ・アマダマシナリーが長年蓄積してきた加工技術を基に開発したCNC制御を搭載。
 ・ CNC制御に材料の情報を入力すると、ブレードの回転スピードや降下スピードを自動で最適な速度に調整する。
 ・加工時間を従来比で約35%削減。加工時間短縮に伴い消費電力も低減する。

(3)独自の自動測長装置による重たい材料の安定自動定寸切断、製品精度向上
 ・材料をマシンに送り出す際に長さを計測する装置に独自の機構を採用。
 ・材料に追従して長さを測るため、材料の反りやねじれ、表面状態の影響を受けにくい構造。
 ・材料の状態に左右されずに安定した寸法精度で切断できる。

(4)チップコンベアやセミドライ方式の切削油供給による作業環境の改善、地球環境への貢献
 ・切粉を排出するチップコンベアを改良。排出能力が向上した。
 ・切削油の供給には、ごく微量の油をミストにして吹き付けるセミドライ方式を採用。従来のウェット(かけ流し)方式に比べて、切削油の飛散を防止できる。
 ・作業環境の改善と環境にやさしいモノづくりに貢献する。

(5)非熟練オペレーターにも配慮した安全性の向上
 ・鋼材加工業の現場の非熟練オペレーターや外国語話者に配慮し、直感的にわかりやすいガード柵やセンサーで安全性を向上。
 ・作業者の使い勝手を損なわずに安全性を向上させた。

仕様
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ナガセインテグレックス 九州出張所を新設

 ナガセインテグレックス(社長=長瀬幸泰氏 本社:岐阜県関市武芸川町跡部1333-1)が、このほど九州出張所を開設した。

【新住所】福岡県大野城市瓦田2丁目7-32 ミモザ102号

■ナガセインテグレックス Instagram↓
https://www.instagram.com/nagasei_jp/
 

住友電気工業 切削工具製品 2022年7月1日受注分から価格改定

 住友電気工業は、現在、新型コロナウイルス感染症の感染リスクや政治的・地政学リスクの長期化に加え、半導体等の部品不足、資材価格高騰、物流費の上昇などの懸念材料が継続しており今後も不透明な展開が続くことを予想することから、ハードメタル事業の切削工具製品について2022年7月1日受注分から価格改定を実施する。

 切削工具製品は、主原料であるタングステンの鉱石生産量の80%以上を中国に依存しており、中国国内や欧米諸国での需要回復に加え、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う供給不安などを背景に、国際相場の指針となるタングステン中間原料APTの原料価格が前年同期比から3割以上上昇している。さらにコバルトについても、EV社の普及に伴う電池材料としての需要の急拡大のほか、物流混乱や生産コスト上昇の影響を受けて国際相場の上昇傾向が続いている。

製品別の改訂内容
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ジェイテクト 高耐熱リチウムイオンキャパシタが「第72回 自動車技術会賞技術開発賞 を受賞」

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 ジェイテクトは、自動車技術界主催の「第72回 自動車技術会賞技術開発賞」でリチウムイオンキャパシタの高耐熱か技術で技術開発相を受賞した。

 この賞は、「自動車工学及び自動車技術の向上発展を奨励すること」を目的として1951 年に創設されたもので、創設以来、自動車技術分野及び本会を代表する賞として常に注目を集め、受賞者の功績は非常に高い評価を得ている。現在、授賞対象別に6種の賞が設けられている。同社が受賞した技術開発賞は、「自動車技術の発展に役立つ新製品または新技術を開発した個人およびその共同開発者」を対象としたもの。

■高耐熱リチウムイオンキャパシタとは
 高耐熱リチウムイオンキャパシタは、二次電池に分類される蓄電デバイス。電気の出入り(放電・充電)が非常に早く、出力密度に優れている。また、繰り返し充放電による性能劣化が少なく、電池寿命が長いことなどが特長。今回の受賞は、リチウムイオンキャパシタの動作温度範囲を大幅に拡大する同社独自の技術が評価された。電解液の改良に加え、電解液と電極材料の相性を考慮した組合せとすることにより、世界で初めて自動車車室内の温度要求である-40~85℃の動作温度範囲を実現した。さらに動作上限電圧を制限することで、 100 ℃環境下でも使用可能となる。
 

産業用ロボット・自動化システムの専門展「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN2022」 事前来場登録とセミナー聴講予約の受け付けを開始

220525robo ニュースダイジェスト社(社長=樋口八郎氏)と愛知県機械工具商業協同組合(理事長=水谷隆彦氏)はこのほど、産業用ロボットと自動化システムの専門展「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)2022」の事前来場登録の受け付けを開始した。RTJ2022は今年6月30日(木)~7月2日(金)に愛知県常滑市の愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo、アイチ・スカイ・エキスポ)で開催される。事前来場登録をすると、入場料金(通常1000円)が無料になる。

 公式ウェブサイト(https://robot-technology.jp)で受け付けている。

 また、会場内の主催者ステージで開催するセミナーの聴講予約の受け付けも開始した。会期初日の6月30日(木)は「これからのロボットの使い方」と題し、国内外の大手ロボットメーカー4社や経済産業省の代表者が語り合う。

 2日目の7月1日(金)には、FA・ロボットシステムインテグレータ協会が主催で「SIer’s Day in 愛知」を開く。SIer同士や、SIerとロボット導入を検討する企業が交流を図るイベントで、中小製造業を中心にした具体的な導入事例や中部地方を代表するSIerなどを紹介する。

(↓申し込みは同協会の特設サイトへ↓)
https://www.robo-navi.com/webroot/siersdayapplication/133.php

 3日目の7月2日(土)には「新分野に学ぶロボット活用術」と題し、農作業や宇宙での作業にロボットを適用するベンチャー企業が登壇する。過酷な環境でロボットを使うベンチャー企業の取り組みから、製造業や物流現場における次世代の自動化を実現するヒントを探る。

 各セミナーとも無料で定員は240人。事前登録制で申し込みは先着順。

セミナー概要

●6月30 日(木)
スペシャルセッション「これからのロボットの使い方」
時間:13:30~14:50

登壇者:ファナック 専務執行役員 ロボット事業本部長 稲葉清典 氏
安川電機 代表取締役専務 ロボット事業部長 小川昌寛 氏
デンソーウェーブ 執行役員 FA プロダクト事業事業部長 神谷孝二 氏
ABB 代表取締役社長 兼RA 事業本部長 中島秀一郎 氏
経済産業省 製造産業局 産業機械課 ロボット政策室長 大星光弘 氏
司会:産業用ロボット専門ウェブマガジン「robot digest(ロボットダイジェスト)」編集長 八角 秀 氏

●7月1日(金)
「SIer’s Day in 愛知」
時間:13:00~16:00
主催:FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer 協会)

プログラム:「開会挨拶」 SIer 協会 会長 久保田和雄 氏

「ロボット導入を成功させるためのポイント」 SIer 協会 会員企業
「ロボット導入事例紹介」 杉松産業
「SIer 協会の紹介」 SIer 協会 事務局
「SIer 企業紹介」 SIer 協会 会員企業6社
「ロボットSI リーグの紹介」 愛知県
「ロボット関連施策紹介」 経済産業省 中部経済産業局
「閉会挨拶」 SIer 協会 地域連携分科会 主査 鵜野政人 氏

※申し込みは同協会の特設サイトから
https://www.robo-navi.com/webroot/siersdayapplication/133.php

●7月2日(土)
特別セミナー「新分野に学ぶロボット活用術」

講演①:10:30~11:15
「自動ミニトマト収穫ロボット」
inaho 代表取締役COO 大山宗哉 氏

講演②:10:30~11:15
「宇宙船外汎用作業ロボット」
アストロスケール 創業者兼CEO 岡田光信 氏

●開催場所:会場内D ホール「主催者ステージ」
●聴講料金:無料
●申し込み方法:公式ウェブサイト(https://robot-technology.jp)セミナーページから受け付け
●定員:各セミナーとも 240 人(先着順)
 

NaITO 増収増益!

 NaITO(社長=坂井俊司氏)が4月25日、2022年2月期(2021年3月1日~2022年2月28日)連結決算を発表した。

 当期の同社を取り巻く経済環境は、上期は自動車や半導体関係をはじめとする製造業の輸出量増加に牽引され、下期は自動車に関連する半導体や部品の供給不足による自動車の減産はあったものの、全体として緩やかな景気回復基調となった。

 このような状況下で同社は、「オールインワン事業を展開する新たな卸の形態に変わる」をスローガンとして、2021年度からスタートした「中期経営計画Achieve2025」(5カ年)の重点施策を着実に実行してきた。また、コロナ渦での非対面による販売活動にも取り組み拡販に努めた。さらには中長期的な企業成長を見据えた事業基盤の強化を目的に在庫の拡充を図ったほか、新基幹システムやNICE-NET(受発送システム)の機能向上に向けた二次開発も推進した。海外展開については、タイ・ベトナム・中国においても営業活動が制限されるなかで拡販に努めてきた。

 この結果、当連結会計年度における売上高は440億70百万円(前年同期比12.6%増)、営業利益4億89百万円(前年同期比156.4%増)、経常利益6億68百万円(前年同期比51.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億48百万円(前年同期比63.2%増)と増収増益になった。

 今後の見通しについては、新型コロナウイルス感染再拡大やロシア・ウクライナ紛争等の影響により景気の先行きは不透明な状況が続くものと予想している。このような認識のもとで、中期経営計画の重点施策を着実に実行し、2023年2月期は売上高485億円、営業利益7億80百万円、経常利益8億円、親会社株主に帰属する当期利益5億50百万円を見込んでいる。

 

日本金型工業会東部支部 天青会が「第10回定時総会」を開く

220526天青会 日本金型工業会東部支部の若手経営者の会である天青会が5月6日、東京都内の上野精養軒で第10回定時総会を開催した。議事では令和3年度事業報告、同決算報告並びに監査報告、役員改選、令和4年度事業計画などについて審議が行われ、いずれも承認された。役員改選にあたり、新会長に高野英治 タカノ社長が選任された。

科学振興仁科財団 大型写真パネルをリニューアル ~臨場感溢れる超高解像度の火星表面写真~

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写真 左:安田工業 安田社長 右:科学振興仁科財団 加藤理事長

 

 科学振興仁科財団(理事長=加藤泰久氏)が安田工業(社長=安田拓人氏)の後援のもと、仁科会館(岡山県浅口郡里庄町浜中)で幅5m、高さ2.7mの大型写真パネルなどを設置し、4月11日に除幕式を開催した。

 仁科会館は、科学振興仁科財団が設置する仁科芳雄博士の顕彰展示施設。里庄西公民館との複合施設として平成元年に竣工し、除幕式当日で33周年を迎えた。

 仁科会館の研修室には、スペースシャトルの大型写真パネルと安田工業製の飛行機エンジン部品が、長い間展示されていたが、スペースシャトルはすでに退役し写真も退色が進 んだことから、安田工業が新しい写真パネルの設置を提案し、エンジン部品の刷新と説明パネルの追加、ならびに新しい展示品も寄贈した。

新しい写真パネルはNASAの火星探査機「キュリオシティ」が撮影した超高解像度の火星表面写真。臨場感を最大限生かすため幅5mとさらに大型化した写真パネルで、コンセプト考案、デザイン、製作、設置、これらのすべてを安田工業が手掛けてた。小惑星探査機「はやぶ2」の成功も記憶に新しいJAXAが、次の挑戦として有人月面探査や火星探査などを計画していることを念頭に置き、次代を担う子どもたちに科学への関心を高めてもらうことを狙った。

 今回の新デザインの狙いについて、デザインを担当した安田工業 経営管理部の川﨑哲生 氏は、「仁科芳雄博士を顕彰し、将来の日本を担う子供たちに向けても科学講演会、ロボットコンテスト、理科教室など諸事業を展開する施設にふさわしい展示内容を模索した。既存展示品がスペースシャトルパネル及びジェットエンジン部品であること、また今後10年程度の間に再度の有人月面探査、火星探査などが計画されていることを鑑みて引き続き『航空・宇宙開発』をテーマとし、展示企画性を高め来場者の興味を惹き、科学技術への関心を大いに高めること」としている。

 起案した安田工業 安田社長は、あいさつの中で、「科学技術の素晴らしい力と魅力、それにより人類が実現した夢を分かりやすく伝えたい。研修などでこの施設を訪れた子どもたちの中から将来、あのパネルを見て感動した、宇宙開発や科学技術分野へと自信が進むきっかけになった、と言って貰えるようになれば嬉しい」との思いを示した。

アポロ計画用船外活動宇宙服バブルヘルメットの実物も展示!

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実物の船外活動宇宙服バブルヘルメット

 

 今回のリニューアルに伴い、YASDA製の工作機械で加工されたエンジン部品の内容も適切に情報として掲載し、国内産業や地元企業としての存在感を示しているほか、安田社長から提供された貴重なアポロ計画用〝船外活動宇宙服バブルヘルメット〟の実物を展示している。

 この展示品は、1961年~1972年にかけて実施されたNASAのアポロ計画用に、アメリカ・エアロック社が開発した本物のバブルヘルメットの実物で、つなぎ目のないポリカーポネート素材で出来ており、宇宙空間でも空気を漏らさない密封性能と、高い透明度と頑丈さをもっている。この貴重な展示品は、1996年に安田工業も出展したアメリカで開催の「IMTS1996(国際製造技術展)」でエアロック社から交歓の品として送られたもの。 

 常設展示ではショーケースにてしっかりと保管し、科学イベントなどでは実際に子どもたちに被ってもらうこともできる。同社では、「学びの経験の一助として活用していただきたい」としており、科学技術をテーマとした展示の充実により先端技術企業ならではの立場で地域に貢献できる事業と位置づけている。