ニュース

2022年1~3月期 マニピュレータ、ロボット統計 受注・生産・出荷実績まとまる 日本ロボット工業会

 日本ロボット工業会がこのほどまとめた2022年1~3月期 マニピュレータ、ロボットの受注・生産・出荷実績は次のとおり。

■業況
 2022年1~3月期は、受注額が対前年同期比4.3%の増加、生産額が4.2%の増加と、それぞれ前年同期を上回った。受注額、生産額はそれぞれ四半期では過去最高となった。

 出荷実績をみると、国内向けは自動車製造業向け中心に依然として勢いは弱いものの、半導体用などの好調さが継続し、全体として回復傾向を示した。輸出は、欧米向けが伸長する一方で、これまで市場を強くけん引してきた中国向け中心に落ち着き、アジア向けは昨年より減少傾向となった。

 各産業での需要回復・拡大は継続しているものの、今後の見通しには新型コロナウイルス感染症や地政学的リスクなどが及ぼす多面的な影響が不透明さを伴わせている。

1.受注
 ・受注台数:70,772(台)(前年同期比+5.8%)【6四半期連続の増加】
 ・受注額 :2,567(億円)(同+4.3%)【7四半期連続の増加】

2.生産
 ・生産台数:63,189(台)(前年同期比+7.0%)【6四半期連続の増加】
 ・生産額 :2,162(億円)(同+4.2%)【6四半期連続の増加】

3.出荷
 ・総出荷台数:63,886(台)(前年同期比+5.3%)【6四半期連続の増加】
 ・総出荷額 :2,199(億円)(同+2.6%)【6四半期連続の増加】
  ー国内出荷台数:11,580(台)(同+13.8%)【4四半期連続の増加】
  ー国内出荷額 :    548(億円)(同+8.9%)【4四半期連続の増加】
  ー輸出台数   :52,306(台)(同+3.6%)【6四半期連続の増加】
  ー輸出額     :1,651(億円)(同+0.7%)【6四半期連続の増加】

3.1 国内出荷内訳
〈電気機械製造業向け〉
 ・国内出荷台数:3,371(台)(前年同期比+11.5%)【5四半期連続の増加】
 ・国内出荷額 :152(億円)(同+14.2%)【4四半期連続の増加】
〈自動車製造業向け〉
 ・国内出荷台数:3,550(台)(前年同期比+2.1%)【3四半期連続の増加】
 ・国内出荷額 :163(億円)(同▲8.1%)【4四半期ぶりの減少】

3.2 輸出内訳
〈電子部品実装用〉
 ・輸出台数:3,662(台)(前年同期比▲27.6%)【2四半期連続の減少】
 ・輸出額 :588(億円)(同▲19.4%)【9四半期ぶりの減少】
〈溶接用〉
 ・輸出台数:11,388(台)(前年同期比+9.1%)【6四半期連続の増加】
 ・輸出額 :260(億円)(同+19.6%)【6四半期連続の増加】
 

2022年3月度 建設機械出荷金額まとまる 日本建設機械工業会

 日本建設機械工業会がこのほどまとめた建設機械出荷金額は次のとおり。(増減は前年同月比)

 3 月の建設機械出荷金額は、内需は0.8%増加の1,222 億円、外需は29.7%増加の2,189 億円となった。その結果、内需は5カ月連続の増加、外需は17カ月連続の増加となった。総合計では17.7%増加の3,411億円となり、17カ月連続の増加となった。

〈内需〉
 機種別に見ると、油圧ショベル3.3%増加の355億円、ミニショベル0.3%増加の84億円、建設用クレーン12.1%増加の322億円、油圧ブレーカ・圧砕機20.2%増加の27億円、その他建設機械5.3%増加の91億円の5機種と補給部品5.2%増加の131億円が増加となった。

〈外需〉
 機種別に見ると、トラクタ33.2%増加の269 億円、油圧ショベル13.3%増加の854億円、ミニショベル48.9%増加の371億円、建設用クレーン35.8%増加の98億円、道路機械19.8%増加の42億円、コンクリート機械33.8%増加の1億円、基礎機械47.8%増加の7億円、油圧ブレーカ・圧砕機58.3%増加の11億円、その他建設機械60.4%増加の299億円の全9機種と補給部品34.6%増加の237億円が増加となった。

 地域別に見ると、北米が15カ月連続で増加、アジアが13カ月連続で増加するなど、全9地域中、中国、中南米を除いた7地域で増加した。
 

 日本工作機械工業会が創立70周年記念式典を開催

220415日工会

 日本工作機械工業会(会長=稲葉善治氏)が、3月18日、都内のホテル ニューオータニで「創立70周年記念式典」を開催した。稲葉会長のあいさつは次のとおり。

創立70周年を迎えて

 当工業会は、1951年12月に任意団体として創立されて以来、1978年の社団法人への改組、2012年の一般社団法人への改組を経て、昨年2021年12月1日をもって、創立70周年を迎えました。70年間を振り返りますと、日本工作機械工業会が設立された1951年はまさに戦後の復興期でした。先達たちは不自由を強いられながらも工作機械製造に邁進し、自動車や家電製品をはじめ多くの産業の発展に貢献致しました。

 1982年には日本は生産額世界一の工作機械供給国に躍進しましたが、通商摩擦やプラザ合意後の急激な円高も経験致しました。1990年代にはバブル経済とその崩壊、2000年代にはITバブルとその崩壊、アメリカ同時多発テロがあり、さらにはリーマンショックの影響を受け、2009年の日工会受注は4,118億円で1970年代の水準まで急激に低下しました。

 日工会60周年時以降の10年間につきましては、2011年に東日本大震災が起きた際「100年に一度の大不況の後、1000年に一度の災害に襲われた」といわれ、1ドル80円を割る円高、法人実効税率の高さ、自由貿易協定の遅れ、電力価格問題などを含め日本経済は「6重苦」に直面しました。さらに、製造業では日本を代表する企業による検査結果の不正が相次いだほか、外国資本へ事業や企業を売却する例もみられました。米中関係は通商摩擦問題に端を発し安全保障に関わるレベルへと対立が先鋭化しています。2020年には新型コロナウイルス感染拡大による世界経済停滞と、そこからの回復局面を経験しました。2022年に入っては、ウクライナ情勢の緊迫化で世界が大きく不安定化しております。

 我が国工作機械産業は、このように経済環境が急激に変化する局面、地政学的リスクや大規模な自然災害・疫病の脅威が高まる局面を経験し、決して平坦ではない道を切り開き、困難を乗り越え、今日という日を迎えられたと実感しております。

 世界の工作機械市場について目を向けますと、2000年代に入り製造業のグローバル化が一気に加速しました。日工会受注は、世界各地におけるインフラ・エネルギー関連投資や自動車・航空機需要等の増加により、2006年に1兆4,370億円を記録し、1990年に記録した史上最高額1兆4,121億円を16年ぶりに更新しました。2010年以降は自動車の電動化、半導体製造装置関連の投資も受注拡大を牽引した結果、日工会受注は2017年から2年連続で史上最高額を更新し2018年に1兆8,158億円を記録しました。

 日本の工作機械産業は、ユーザーニーズに向き合い、高速・高精度、5軸・複合加工、知能化、自動化・省人化技術を進化させ、金属積層造形やIoTといった新技術にも対応して参りました。この日工会受注額の拡大によって裏付けられるとおり、絶えず高付加価値製品を市場に供給して、世界の製造業の発展に貢献して参りました。

 当業界を取り巻く現下の情勢につきましては、新型コロナウイルス感染症、米中対立、ウクライナ情勢等世界各地域の地政学リスクは収束には至っておりません。また、部品不足、エネルギー・資源価格の高騰や海運輸送等ロジスティクスの手配難に見舞われております。
世界情勢は依然として不透明・不確実な状況にあり、2020年代は順風満帆には程遠い荒波の中での船出となり、現在に至っております。そのような状況にあっても、日本の工作機械に対する根強いニーズに支えられ、工作機械受注は活況を呈しております。2020年代においても、付加価値の高い最先端の工作機械・サービスの供給を通じて、世界の製造業の発展に貢献して参りたいと存じます。

 これからの時代、製造業のニューノーマルは、カーボンニュートラルに対応していくグリーン、IoT・AI等を活用して自動化生産システムを実現していくデジタル、サプライチェーンを強靭化していくレジリエンス、この3点を軸に展開されていきます。難しいかじ取りが迫られる経営環境が続きますが、会員各社におかれては、「需要はそこにあるものではなく、自らの努力で創り出していくもの」という気概を持って、未来に向かって邁進して頂きたいと存じます。

 日工会としても、日本の工作機械産業が環境変化に対応し、将来に亘って国際競争力を更に強化していくための取組みを、業界一丸となって進めて参ります。少子高齢化時代にあって、工作機械技術は高度化・多様化しております。工作機械業界の未来を担う人材を確保してくための周知活動、育成事業にも一層注力して参りたいと存じます。

主な表彰状・感謝状贈呈者

〈経済産業大臣表彰状並びに記念品贈呈〉
(役員歴順)

 ・樫藤 達郎 (株)カシフジ社長  
 ・森 雅彦 DMG 森精機(株)社長   
 ・山岡靖幸 (株)神崎高級工機製作所前社長

〈製造産業局長表彰状並びに記念品贈呈〉
(役員歴順)

 ・稲葉善治 ファナック(株)会長
 ・佐野泰治 ジェービーエムエンジニアリング(株)相談役
 ・北村彰浩 キタムラ機械(株)社長
 ・髙松喜与志 高松機械工業(株)会長

〈会長感謝状並びに記念品贈呈〉

(学識経験者・五十音順)
 ・青山英樹 慶應義塾大学教授
 ・国枝正典 東京大学教授
 ・厨川常元 東北大学教授
 ・小島輝一 元東京理科大学非常勤講師
 ・笹原弘之 東京農工大学教授
 ・白瀬敬一 神戸大学教授
 ・田中文基 北海道大学准教授
 ・広田紘一 元青山学院大学・千葉経済大学兼任講師
 ・松原 厚 京都大学教授
 ・松村 隆 東京電機大学教授
 ・割澤伸一 東京大学教授

(役員)
会長歴任者(就任順)
 ・横山元彥 (株)ジェイテクト元会長 
 ・花木義麿 オークマ(株)相談役    
 ・飯村幸生 芝浦機械(株)会長

永年役員(役員歴順)
 ・山崎智久 ヤマザキマザック(株)会長
 ・竹尾啓助 (株)唐津プレシジョン社長
 ・曽我信之 (株)FUJI 会長
 ・鴫谷憲和 (株)シギヤ精機製作所社長
 ・西嶋尚生 (株)ツガミ会長
 ・安田拓人 安田工業(株)社長
 

日本金型工業会、ドイツ金型工業会、ドイツ機械工業連盟がWebで意見交換会を開催

220415日本金型工業会

 去る3月22日、日本金型工業会、ドイツ金型工業会、ドイツ機械工業連盟がWeb会議方式で「意見交換会」を開催した。昨年開催した第1回ドイツとの意見交換会に引き続き、ドイツの金型事情をドイツ金型経営者が説明した。

 今回のパネルディスカッションは「SDGs,カーボンニュートラルについてどのような取り組みを行っているか」、「SDGs,カーボンニュートラルに起因すると思われる顧客からの要求の変化はあるか」、「EV化への対応は」をテーマに行われた。

 出席したパネラーは以下の通り。

■ドイツ金型工業会・ドイツ機械工業連盟
 ①Mrs Sabine Kellermann, CEO 
 Kellermann社(プラスチック用金型)
 ②Mr. Joerg Teegen, CEO 
 TEEGEN社(プラスチック用金型)
 ③Mr. Henning Kollner, CEO
 GEZEA社(射出成型用金型コンポーネント製造(機械加工)
 ④Professor Wolfgang Boos (CEO)
 WBAアーヘン・ツールメイキング・アカデミー(コンサルティング・研究・教育機関)
 ⑤Dr. Thorsten Hickmann (CEO)
 Eisenhuth社(プラスチック用・ゴム用金型)
 ⑥Mr.Stefan Zecha (CEO) 
 ZECHA社(工具メーカー)

■日本金型工業会
 ・㈱ヤマナカゴーキン 代表取締役社長 山中雅仁氏(鍛造用金型)
 ・昭和精工㈱ 代表取締役 木田成人氏(プレス用金型)
 ・㈱エムアイモルデ 代表取締役 宮城島俊之氏(プラスチック用金型)
 

MOLDINO 高送りラジアスミル「TD4N」に高硬度材加工用材種〝JP4105〟を追加

220415MOLDINO1

 MOLDINOがこのほど荒加工用工具アルファ高送りラジアスミル「TD4N」に高硬度材加工用材種〝JP4105〟のインサートを追加した。

 2016年6月に発売した「TD4N」は、高送り工具では常識とされていた削り残しを低減する独自の工具形状と、両面4コーナ使用可能なインサートの経済性により、主に金型の荒加工において高い好評を博していたが、従来のインサートには50HRC以上の高硬度材加工に対応するラインナップがなく、プレス金型や鍛造金型などの硬い被削材のアプリケーションに対応できなかった。今回追加された高硬度材加工用材種〝JP4105〟により「TD4N」にプレス金型や鍛造金型などの高硬度材を幅広く加工することが可能となった。

TD4Nの特長とメリット

220415MOLDINO2
「TD4Nは切刃形状を見直すことにより削り残しを削減。従来品に比べ次工程工具の負担を最大40%軽減することが可能


(1)能率を損なうことなく、「削り残し量」を従来の0.5mmから0.2mm以下に低減することで次工程工具の負荷を最大で40%削減する。
(2)優れた切りくず排出性により、突発的な破損トラブルを低減し高能率な加工を実現する。
(3)経済性に優れた両面使用可能な4コーナインサートを採用している。
(4)高硬度材加工用材種JP4105は50HRC以上の高硬度材で能力を発揮し、高精度なG級インサートで工具寿命のばらつきを抑制する。

220415MOLDINO3
従来品との工具寿命比較

 

■インサート”JP4105”の推奨できる加工用途
 プレス金型・鍛造金型・ダイカスト金型などで50HRC以上の高硬度材の荒加工

■仕様(追加発売品)
 ENGU0603ER-C:JP4105 1アイテム

■価格
 ¥1,600(消費税別)
 

タンガロイ 縦置き型インサート使用の「TecMill」シリーズに直角肩用大径工具と平面重切削用を拡充

220415タンガロイ

 タンガロイはこのほど縦インサートタイプの採用で、剛性が高く重切削に適した直角肩加工用カッタ「TecMill」(テック・ミル)に最大径φ250mmの大径タイプを拡充した。さらに同じインサートを使用可能な切込み角60度の平面重切削用カッタも新たにラインアップし、販売を開始した。

特長

 「TecMill」は、中~大型機械での重切削、荒加工に最適な直角肩加工用カッタシリーズ。刃先強度の高い縦インサート型を採用し、さらにポケットが小さく工具剛性も高いことから、重切削においても安定した高能率加工を実現する。これまで、加工径φ32~φ125mmに対応するボディをラインナップしていたが、今回、新たに工具径φ160~φ250mmを追加しました。

 また、従来と共通のインサートを使用でき、60度の切込み角を持つ平面加工用カッタも新たにシリーズ化した。「TecMill」の特長である縦インサートタイプを継承したことで、非常に高い刃先強度を備え、最大切込み12mmでの重切削が可能。工具径はφ100~φ250mmを設定しており、取り代の大きな平面の重切削用に効果的だ。

 どちらのタイプにも敷金を搭載したので、万が一インサートが欠損してもボディへの影響を最小限に抑えることができ、非常に信頼性に優れた仕様である。

 使用するLMMU16-MJ形インサートは、両面仕様4コーナタイプで経済性も優れている。材種には、高い欠損性を誇る鋼・ステンレス用最新材種「AH3135」をはじめ、ステンレス鋼用として定評のある「AH140」材種のほか、鋳鉄や難削材など幅広い被削材に対応する「AH120」と「AH725」、鋼・ステンレスの高速加工に最適な「T3225」、鋳鉄用「T1215」をラインアップしている。

■主な形番、標準価格(税抜価格)
 ・TGM16R100M31.7-06SA:128,000円
 ・TGM16R250M47.6-12SA:328,000円
 ・TGM16R160M40.0E08SA:187,000円
 ・TPM16R160M50.8-08SA:187,000円
 ・TPM16R250M60.0E12SA:328,000円
 (計16アイテム)
 

イスカルジャパン 驚愕の送り4倍! 突切・溝入工具「ロジックFグリップ」好評発売中!

220415イスカルジャパン

 イスカルジャパンが販売している「驚愕の送り4倍」を実現する突切・溝入工具「ロジックFグリップ」が好評発売中である。

 この製品は、従来の長方形ブレードを正方形の形状にすることで、下顎部分を大幅に強化し、高剛性突切・溝入れ加工を可能にしたもの。特許取得済みのこの高剛性システムが、ビビりを抑制し直進性を大幅に向上させる。

 「加工の安定性は工具寿命に大きく影響し、寿命改善にも貢献する」と、同社。〝常識にとらわれない発想〟を大切にするイスカルならではの次世代突切工具だ。

 特長は、従来0.1mm/rev以下の送り速度が常識であるとされていたが、「ロジックFグリップ」では、突切加工が倍の0.2mm/rev以上で送ることが可能であること。

 ロジックFグリップには、下記2種類のブレードが取付けられる。(※TGTBQ…JHPブロックは共通)

1. タンググリップチップ用:TGAQ (-JHP) 
 ・縦置き構造、2~5mm幅
 ・最大突切径Φ160mm (3~5mm幅チップ使用時) 
 ・高送り専用チップ<HFブレーカー>で、驚愕の送り4倍

2. ドゥーグリップチップ用:DGAQ (-JHP) 
 ・2コーナー使い、2~5mm幅
 ・最大突切径Φ120mm (4~5mm幅チップ使用時) 
 

DMG森精機 7月に創業地奈良へ本社移転 奈良・東京の2本社制導入へ

220415DMG奈良
建設中の奈良商品開発センタ外観(デザイン監修:隈研吾建築都市設計事務所)

 DMG森精機が、本年7月1日に愛知県名古屋市から奈良県奈良市へ本社を移転する。

 奈良県奈良市に同社最大のデジタルを駆使した先端技術の開発拠点である奈良商品開発センタ(以下、奈良PDC)を現在建設しており、7月の稼働開始を機に、本社となる。同時に、2014年7月に開設した東京グローバルヘッドクォータとともに、奈良県奈良市および東京都江東区潮見の両拠点を本社とする二本社制を導入する。

 この目的は、災害・疫病・サイバー攻撃等へのリスク対応の視点から、いずれかの本社が被災した場合にも、遅滞なく本社機能を相互にリカバリーし、基幹業務を迅速・適切に遂行できる事業継続体制を整えること。

 同社は1948年に奈良県大和郡山市で創業し、その後も奈良を本社として、工作機械の製造および販売サービスを行い、1970年に三重県伊賀市に伊賀事業所が完成・操業を開始した。事業が拡大する中で、自動車産業の中心地である中部圏や関東圏の顧客や取引先とのアクセス改善、また全国に範囲が広がった採用活動の中心拠点とするべく、2004年に奈良県大和郡山市から愛知県名古屋市へ本社機能を移転している。その後、2015年にドイツDMG MORI AGを連結化、2016年の完全企業統合を経て、顧客や取引先は日本全国・全世界に広がった。

 奈良県大和郡山市にある奈良事業所では、現在、小型のターニングセンタおよび同時5軸加工機を生産しており、今後その全てを伊賀事業所に集約し、伊賀事業所では、工作機械本機の組立および使用部品の加工、主軸・ボールねじ等精密主要部品の内製化に取り組む。

 奈良事業所では、2016年1月から稼働しているシステムソリューション工場4,200㎡に加え、これまで機械加工および組立を行っていたエリア15,600㎡を全面改修し、従来比約4倍の敷地面積のシステムソリューション工場に変更する。

 これにより奈良事業所内の工場全てのエリアで自動化・システム案件に特化した組立・要素部品の生産をすることとなり、工作機械業界で世界最大の工作機械を中心とした自動化ソリューションの組立・調整工場となる予定。

 また、奈良市に開設する奈良PDCでは、本社機能を保有するほか、先端技術の開発、JR奈良駅至近で京阪神いずれからもアクセスがよいという立地を活かした産学連携を含めた技術者交流の推進、関西を中心とした全国の優秀な人材を採用するための拠点としても機能する。これまで当社本社としていた愛知県名古屋市は、好立地であることを引き続き活用し、同社機の販売サービスを行うグループ会社のDMG森精機セールスアンドサービス(売上収益 約700億円)の本社となる。

 なお、同社本店所在地は創業以来、奈良県大和郡山市であり、変更はない。

■2022年7月1日~
グローバル本社 :東京都江東区潮見2丁目3-23(東京グローバルヘッドクォータ)
第 二 本 社 :奈良県奈良市三条本町2番1号(奈良商品開発センタ)
※本店所在地は引き続き奈良県大和郡山市北郡山町106番地
 

【社長訓示】「広い視野を」 DMG森精機 社長 森 雅彦

220415DMG森精機森社長 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。

 厳選して採用された皆さんと、これから一緒に成長していけることを嬉しく思います。

 10年おきに大きな経済の変化が起こっています。2008年頃には、約2,000億円だった売上が世界金融危機により3分の1の約600億円に減少しました。DMG MORI AGと統合し、2018年頃には、約4,800億円だった売上が米中対立や新型コロナウイルス感染症により約3,300億円に減少したものの、3分の2を残すことができました。現在は新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻が起こっていますが、このような世界情勢の中でも受注は好調です。当社は、工程集約や自動化、デジタル化など付加価値の高い製品をお客様に提供しており、次に景気の下降局面が訪れた際にも、安定した業績を維持できるように取り組んでいます。

 良品・廉価・短納期という言葉があります。工作機械は長期に渡ってお客様が使用されるため、20年間耐えられる品質を持つ良品の提供が必要です。しかし、廉価・短納期について改めて考えなくてはいけません。中長期的な戦略をお持ちのお客様とともに、社員が適切な時間で効率よく働き、無駄を省きながらも営業利益10%を確保できるような適切なコストと納期で製品を生産する事が重要です。当社の努力や取り組みがお客様に評価され、お客様に提示する価格と納期を受け入れていただけるなど、世の中の潮目が大きく変わってきています。

 変化の激しい世の中で近視眼的になりがちですが、自分の目の前にあるものがどのようなプロセス、サプライチェーンで作られたのか、どういう場所・人・技術によって作られたのか、そこに強烈な興味を持つことが、すべてのビジネスで、特に工作機械業界では重要です。サプライチェーン全体を理解しなければ、お客様に改善改良をご提案したり、自分の生活を豊かにしたりすることはできません。深い思考、昔から将来のことまでを考えるロングスパンの思考、身近なことから遠い地域のことまでを考える広い視野を身に付けてください。

 会社の歴史については、過去約60年間の社内報をデジタルで閲覧でき、そのときの経営者、社員の思い、技術の歴史が掲載されています。また、開発の図書コーナーにも世界中の技術書があるので、読んでみてください。

 当社の経営理念でもある「よく遊び、よく学び、よく働く」において、“よく遊ぶ”ためには毎日楽しく、ポジティブに遊べるくらいに健康な体と心がなくてはなりません。“よく学ぶ”について、10年おきに変化する技術と社会についていくために、慢心せず学びましょう。“よく働く”について、効率よく働き、しっかり休み、メリハリをつけて最大のパフォーマンスを発揮しましょう。

 皆さんは本日、連結で社員約12,000人の会社に入社されました。以前は毎年100人ほど新卒採用をしていましたが、最近では高専や大学、修士、博士、海外の学校からの採用や通年採用など、採用が多様化しています。新卒で入社すると40年会社で働くことになり、一緒に成長していくことが会社の文化を作っていきます。

 仕事を通して人生を豊かなものにするため、よく遊び、よく学び、よく働いて充実した人生を送ってください。
 

アマダ 2022年度アマダグループ入社式を開く

 アマダが4月1日、アマダグループの入社式を開いた。入社式は新型コロナウイルス感染症対策として各事業所(伊勢原、富士宮、土岐、小野、野田)に会場を分散してWeb中継により開催した。磯部 任 アマダ社長の新入社員向け訓示の概要は以下のとおり。

若い力に期待

220415天田社長 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。アマダグループの6つの会社に85名の新しい仲間を迎えることができることができ、大変嬉しく思います。今年は3年ぶりに伊勢原事業所の皆さんを前にお話しすることができ、フレッシュな気持ちに満ちています。

 私たちを取り巻く環境に目を向けますと、新型コロナウイルス拡大による一昨年の急激な業績減速から、グローバルでの設備投資需要が急速に回復し、アマダグループの受注は過去最高を記録しました。いっぽうで、ロシアによるウクライナ侵攻や世界的なインフレ傾向による原材料価格の高騰など、私たちを取り巻く環境は非常に不透明な状況になっています。

 このような状況への対応に加え、アマダグループは中長期的な課題として大きく3つのテーマを推進していかなければなりません。1 つ目は、「脱炭素社会、カーボンニュートラルへの対応」です。2050年のカーボンニュートラルを目指し、社会的責任を果たしていきます。2つ目は、「人材育成、ダイバーシティ、働き方改革の推進」です。企業は人なりといいますが、様々な企業活動を実行するのは社員である皆さんです。知識や技術を貪欲に習得し、活動していくことでアマダグループも成長していきます。3つ目は、「DXによる改革」です。業界全体ではまだまだデジタル化の推進が必要であり、営業提案やサービス活動のデジタル化を加速させていきます。デジタルネイティブといわれる皆さんの若い力を期待しています。

 このような改革を進めるなかで、皆さんには、「失敗を恐れずチャレンジすること」「自ら考え、行動すること」「アマダブランドを担う自覚と責任を持つ」ということを期待しています。アマダグループは、他社がやらないことに先駆けて挑戦してきた歴史があります。小さなことでも踏み出す勇気を持ち挑戦すれば、仮に失敗してもその結果から考え、次の答えを導き出せるようになるはずです。これら3つの力を蓄えて新たな歴史をつくっていただくことを願っています。

 最後になりますが、まずは、明日からの研修に一生懸命に取り組んでください。同期とともに切磋琢磨し合い、アマダグループを担う人材となっていただけるよう期待しています。成長した皆さんにお会いすることを楽しみにしています。