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「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN2022」が締め切り1カ月前で800小間超に!

 2022年6月に開催予定の産業用ロボットと自動化システムの専門展「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン)2022」(主催:ニュースダイジェスト社 共催:愛知県機械工具商業協同組合)の開催規模が、昨年12月末時点で100社800小間を超えた。

 同展示会には、ロボットメーカーに加え、ロボットハンドやセンサーなどの周辺機器、無人搬送車(AGV)、計測システムなど、自動化に関わる幅広い分野の企業が出展を決めており、ロボットの現場への設置やシステム構築を担うシステムインテグレーター(SIer)や、大手工作機械メーカー各社の出展も予定されている。注目は、産業機械や機器と産業用ロボットが連携した実用的な自動化システムの展示。

 出展を決めた企業からは、出展分野を主に工場内で使用する産業用ロボットと自動化システムに特化し、工場内の自動化、省人化など、具体的な目的を持った来場者が見込まれる点や、製造業を中心に産業が集積し、自動化機器への関心の高い中部地方で開催する点について高い評価を受けている。

 会期は2022年6月30日(木)~7月2日(土)の3日間、会場は愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)。

「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN2022」開催概要

 ●名称:ROBOT TECHNOLOGY JAPAN 2022
 (ロボットテクノロジージャパン2022 略称RTJ2022)
 ●会場:愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)
 ●開催期間:2022年6月30日(木)~7月2日(土)の3日間
 ●開催時間:10:00~17:00
 ●主催:株式会社ニュースダイジェスト社
 ●共催:愛知県機械工具商業協同組合
 ●対象来場者:工場内でロボット導入を考えるユーザー(自動車などの製造業、物流、食品・医療品・化粧品産業など)、システムインテグレーター、商社など
 ●対象出展者:ロボットメーカー、周辺機器メーカー、システムインテグレーター、商社など
 ●対象出展製品:垂直多関節・水平多関節・パラレルリンク・直交・協働ロボット、ガントリーローダー、無人搬送車(AGV)、自動倉庫、その他搬送機器、各種ハンド、ロボット構成部品、周辺機器、各種センサー・制御機器、ソフトウエア、AI・IoT 関連装置およびシステム、ロボット搭載機械・装置、自動化技術提案など。
 ※サービスロボットは対象外。
 

2021 年(暦年)工作機械受注実績がまとまる 日本工作機械工業会

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2021年(暦年)工作機械受注実績は次の通り。

受注

●概況
 2021年の工作機械受注額は、3年ぶりの増加で、前年比+70.9%の1兆5,414億円となった。新型コロナウイルスの影響からいち早く立ち直った中国が先行して回復し、年後半からは欧米や国内でも回復傾向が顕著になった結果、3年ぶりに1兆5千億円を上回り、過去4番目の受注額を記録した。このうち、NC工作機械は、1兆5,149億円(同+71.2%)となった。受注額全体に占めるNC工作機械の比率は98.3%(同+0.2pt)と、6 年連続で98%を超え、過去最高比率を記録した。

 受注総額の内訳をみると、内需は5,103億円(同+57.3%)、外需は1兆311億円(同+78.6%)で、外需比率は同+2.9ptの66.9%となった。

●内需の動向
 2021年の内需は、3年ぶりに増加し、前年比+57.3%の5,103億円と3年ぶりの5千億円超えとなった。年前半は、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞から、受注も低調だったものの、年後半からは補助金採択案件による受注の押し上げと、ワクチン接種の進展による経済活動の再開から回復が進み、9月以降は500億円/月を超える水準が続いた。

 業種別にみると、全11業種全てで前年比増加となった。主要4業種では半導体関連や部品不足に伴う増産対応などから、「一般機械」同+50.6%(2,005億円)、「電気・精密」同+102.4%(694億円)、等で回復が進んだ一方、EV化の流れ等を受けて設備投資が停滞した「自動車」同+38.0%(1,151億円)、コロナ禍で航空産業が低迷した「航空機・造船・輸送用機械」同+44.5%(160億円)などは他業種に比べ回復が遅れた。また、「金属製品」同+71.4%(403億円)や「官公需・学校」同+147.0%(73億円)は、過去最高額を記録した。

●外需の動向
 2021年の外需は、3年ぶりに増加し、前年比+78.6%の1兆311億円と3年ぶりの1兆円超えとなり、過去2番目の受注額となった。年初はコロナ禍で6~700億円/月だったが、いち早く回復が進んだ中国において、テレワーク関連需要やEMS の大型受注が寄与し、3 月から800億円台後半まで急増し、その後、中国で大型受注が落ち着きを見せる一方で、欧米地域で経済活動再開による需要の回復が進み、3月以降800億円/月を下回ることなく推移した。特に10月、11月には、機械価格の値上げの動きに伴う駆け込み需要や、自動車や半導体関連での大型受注が各地で重なり、950億円を超える受注額を記録した。

 地域別にみると、アジアは4年ぶりに増加し、前年比+77.4%の5,173億円で、4年ぶりに5千億円を超え、過去2番目の受注額を記録した。このうち、東アジアは同+77.8%(4,258億円)で、国・地域別にみると、韓国(同+76.3%、327億円)、台湾(同92.0%、347億円)、中国(同+77.4%、3,580億円)など軒並み前年比7割以上の増加を示し、台湾と中国は過去最高額を記録した。その他アジアは3年ぶりに増加し、同+75.5%の915億円と3年ぶりの900億円超えとなった。インド(同+103.6%、380億円)では、コロナの影響を受けながらも需要が底堅く、自動車関連を中心に堅調に推移した一方、ASEAN地域では、コロナ禍からの回復が進むもその速度は他地域に比べ鈍かった。

 欧州は、新型コロナ感染拡大の影響が年前半に続いたものの、後半からは経済活動再開の動きを受け、EUを中心に回復が進み、3年ぶりに前年比増加し、同+118.8%の2,107億円と3年ぶりの2千億円超えとなった。国別では、「東欧」を除く全ての国・地域で前年比増加し、特にイタリア(同+254.9%、417億円)では、設備投資優遇策や展示会の影響もあり、11月に過去最高額を記録する等、高水準の受注が続き、2007年(422億円)に次ぐ過去2番目の受注を記録した。また、ドイツ(同+130.2%、452億円)、フランス(同+163.0%、203億円)、EU「その他」(同+107.5%、364億円)、トルコ(同+126.1%、155億円)も前年から倍以上の増加を示し、2019年実績を上回る受注額を記録した。

 北米は、同+58.0%の2,825億円と3年ぶりの増加で、3年ぶりに2,500億円を上回った。欧州と同様、新型コロナ感染拡大からの回復が年後半から本格化し、特にアメリカ(同+61.3%、2,523億円)は、ジョブショップや自動車、航空機など幅広い業種で需要が回復し、過去2番目の受注額となった。また、カナダ(同+73.3%、157億円)も2年ぶりの150億円超で過去2番目の受注を記録した一方、メキシコ(同+9.0%、146億円)は、大口の自動車関連投資が少なく、3年連続の150億円割れとなった。

 各地域別の受注シェアは、アジアが50.2%(同▲0.3pt)、欧州が20.4%(同+3.7pt)、北米が27.4%(同▲3.6pt)となった。前年の欧州の落ち込みが大きかったこともあるが、欧州のシェアが大きく増大した。国別シェアでは、1位が中国で34.7%(同▲0.3pt、前年1位)、2位がアメリカの24.5%(同▲2.6pt、前年2位)、3位はドイツで4.4%(同+1.0pt、前年3位)、4位がイタリアで4.0%(同+2.0pt、前年10位)、5位がインドで3.7%(同+0.5pt 前年4位)、6位が台湾で3.4%(同+0.3pt、前年6位)、7位が韓国で3.2%(同±0.0pt、前年5位)とイタリアが大きく順位を上げた。

●機種別の動向
 受注額を機種別(含むNC機)でみると、全11機種すべてで前年比増加となった。

  主な機種別の受注額は、旋盤計が前年比+77.3%の5,101億円で、3年ぶりに増加し、3年ぶりの5千億円超えとなった。旋盤の「うち横形(同+84.2%、4,848億円)」が大きく伸長した一方、大型機が多い「うち立て・倒立形(同+2.9%、252億円)」は僅かな増加にとどまった。また、旋盤計における「うち複合加工機(同+88.8%、2,094億円)」は旋盤計よりも大きい増加幅を示し、旋盤計に占める複合加工機の割合も41.1%と前年から2.5pt上昇し、統計開始(2015年)以来の過去最高比率を更新し、初の4割超となった。

 マシニングセンタは、同+70.4%の6,546億円と、3年ぶりに6千億円を上回った。「うち立て形(同+62.4%、3,771億円)」、「うち横形(同+91.4%、2,300億円)」、「うちその他(同+50.0%、475億円)」と軒並み5割以上の増加を示したが、大型機が多い「うちその他」が最も増加幅が小さかった。また、マシニングセンタ計における「うち5軸以上」は同+59.7%(1,310億円)で、全体の増加幅より小さくなった。その結果マシニングセンタに占めるうち5軸の割合は、4年連続で20%を超えたものの、2年連続で低下した。

 その他の機種では、中ぐり盤(同+100.3%、141億円)、歯車機械(同+94.0%、296億円)、研削盤の「うち平面研削盤」(同+80.5%、210億円)が8割以上の増加を示した。

販売額

  販売額は前年比+24.2%の1兆2,835億円で、3年ぶりに増加し、2年ぶりに1兆2千億円超えとなったが、受注に比べ生産が部品不足等により伸び悩んだこともあり、販売額の増加幅は2割強にとどまった。うちNC機は、同+24.9%の1兆2,617億円となった。

  機種別(含むNC機)にみると、全11機種中7機種で前年比増加となった。主な機種別販売額は、旋盤計が同+29.6%の4,265億円、マシニングセンタ計が同+32.1%の5,565億円となった。前年を下回った4機種は、専用機(同▲18.4%、182億円)、フライス盤(同▲9.9%、31億円)、中ぐり盤(同▲9.4%、105億円)、研削盤(同▲8.5%、770億円)であった。

受注残高

 2021年末の受注残高は、前年比+62.7%の7,010億円で、3年ぶりに増加し、7千億円を上回った。受注の回復に加え、部品不足等により生産の伸びが抑制されたこともあり、年初から受注残高は3千億円弱増加した。当該年末の受注残高を直近3カ月(21年10~12月期)の販売平均で除した「受注残持ち月数」は6.2カ月で前年末から0.7カ月上昇した。また、NC工作機械の受注残高は同+64.1%の6,818億円となった。

2021年12月分工作機械受注総額は1,392.3億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2021年12月分の受注実績は以下の通り。

 2021年12月分工作機械受注総額は、1,392.3億円(前月比△4.2% 前年同月比+40.6%)となった。受注総額は、4カ月ぶりの1,400億円割れ。1千億円超は11カ月連続。大型受注が剥落し前月比減少も、内外需とも高水準の受注が継続。
    
 内需は512.0億円(前月比+2.4% 前年同月比+60.8%)で、3カ月ぶりの前月比増で、4カ月連続の500億円超。これまでの回復傾向が継続しており、単月では本年2番目の受注額。

 外需は880.3億円(前月比△7.7% 前年同月比+31.0%)で、3カ月ぶりの900億円割れ。主要3極すべてで前月比減少も、大型受注の剥落による影響もあり、旺盛な需要は継続。

 今後も受注環境は内外需とも回復が見込まれるものの、新型コロナの感染再発拡大や部材不足や部材・輸送費の高騰等の影響を引き続き注視。

12月分内需

 512.0億円(前月比+2.4% 前年同月比+60.8%)。

 ・4カ月連続の500億円超。12月での500億円超は2018年(571.5億円)以来3年ぶり。
 ・前月比3カ月ぶり増加。前年同月比10カ月連続増加。
 ・半導体関連を中心に堅調さが続く中、今月は自動車や航空・造船・輸送用機械でも増加。

220204日工会内需

(出所:日本工作機械工業会)

12月分外需

 880.3億円(前月比△7.7% 前年同月比+31.0%)

 ・3カ月ぶりの900億円割れ。
 ・前月比2カ月連続減少。前年同月比14カ月連続増加。
 ・主要3極は、すべて前月比減少も900億円に迫る受注が続いており、旺盛な需要は継続。

220204日工会外需
(出所:日本工作機械工業会)


 

2021年12月分 機械工具生産額まとまる 日本機械工具工業会

 日本機械工具工業会がこのほどまとめた2021年12月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。

■生産額
 切削工具 352億円(124%)、耐摩耗工具 31億円(111%)、総合計 390億円(123%)。

■ドリル生産額
 特殊鋼工具 13億円(127%)、超硬工具 36億円(129%)、ダイヤ・CBN 1億円(98%)、総合計 51億円(127%)。

■エンドミル生産額
 特殊鋼工具 4億円(134%)、超硬工具 37億円(129%)、ダイヤ・CBN 1.0億円(78%)、総合計 42億円(128%)。

■カッタ生産額
 特殊鋼工具 0.6億円(91%)、超硬工具 5億円(143%)、ダイヤ・CBN 0.5億円(97%)、総合計 6億円(131%)。

■ギヤカッタ生産額
 総合計 7億円(96%)。

■ブローチ生産額
 総合計 8億円(110%)。

■ねじ加工工具生産額
 特殊鋼工具 29億円(136%)、超硬工具 3億円(142%)、総合計 32億円(137%)。

■バイト生産額
 特殊鋼工具 0.3億円(131%)、超硬工具 9.7億円(132%)、総合計 10.0億円(132%)。

■リーマ生産額
 特殊鋼工具 1.2億円(97%)、超硬工具 2億円(110%)、総合計 4億円(105%)。

■鋸刃カッタ生産額
 特殊鋼工具 1億円(111%)、超硬工具 0.7億円(108%)、総合計 1.9億円(110%)。

■インサート生産額
 超硬工具 143億円(124%)、ダイヤ・CBN 19億円(113%)、総合計 162億円(123%)。

■ボディ関係生産額
 総合計 16億円(131%)。

■超硬合金生産額
 切削用 143億円(93%)、耐摩耐食用 15億円(117%)、総合計 160億円(95%)。
 

経産省・2021年11月度機械統計 機械工具生産動態調査 

経済産業省の2021年11月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

220204経産省機械工具
(表出所:日本機械工具工業会)
 

タンガロイ 「MiniForce-Turn」シリーズのCBNインサートにHP形チップブレーカ付きインサートを追加

220118タンガロイ

 タンガロイは、このほど、新発想の両面ポジタイプインサートを採用した旋削加工用工具「MiniForce-Turn」(ミニ・フォース・ターン)用CBNインサートに、高い切りくず処理性能を誇る「HP形チップブレーカ付きインサート」を拡充した。

〈特長〉

 「MiniForce-Turn」シリーズは、画期的な両面ポジ仕様のインサートを採用した旋削加工用工具シリーズ。両面仕様インサートでありながら、従来の片面ポジインサート並みの低抵抗を実現しており、多くの顧客から高い評価を博しているが、今回は、この「MiniForce-Turn」用CBNインサートにHP形チップブレーカ付きを拡充した。

 「MiniForce-Turn」用CBNインサートには、革新的なろう付け技術を用いた「Wavy Joint」仕様を採用しており、焼入れ鋼加工での信頼性を大きく高めている。

 今回追加するHP形チップブレーカは、焼入れ鋼の旋削加工における切込み0.2mm以下の領域で抜群の切りくず処理性能を発揮する。切れ刃とブレーカの位置を離して設計したことで、すくい面摩耗の成長を抑制し、寿命延長にも貢献する。また切削抵抗を低く抑える刃先仕様の採用で、ワークの変形やびびりの発生も抑え安定加工を実現する。

 CBN材種には、低速~中切削速度領域において連続から断続加工まで幅広くカバーし汎用性に優れた「BXA20」、高い耐摩耗性で特に焼入れ鋼の連続加工において圧倒的な信頼性と長寿命を発揮する「BXA10」の2種類を設定。焼き入れ鋼加工における生産性向上に一役買う製品だ。


 

【年頭所感】「Society5.0の実現に向け努力」日本機械工業連合会 会長 大宮英明

220118日機連 新年明けましておめでとうございます。

 年頭に当たり、平素より当会にお寄せいただいている皆様方の温かいご支援とご協力に、改めて深く御礼申し上げます。本年は寅年となりますが、「寅」の年は景気において良いか悪いか、はっきりしている傾向があるようです。また、「虎」は山々の岩をも登り勇猛果敢に前進していくことから、「寅」には「動く」という意味もあるとのことです。新型コロナウイルス感染拡大については昨年夏以降、沈静化の兆しがあるものの、新たな変異種オミクロン株の世界的流行や、国内における第6波到来の懸念もあり、明るい話題が未だ少ない状況ではありますが、「動きのある年」「今まさに始まる年」として、機械産業において、皆様において、本年が変化と進展の年となることを心より祈念いたします。

 当会が、昨年11月に発表した2021年度機械工業の生産見通しでは、生産額全体が前年度比8.9%増の70兆5,371億円でありますが、この水準は、未だコロナ前の2019年度には達しておらず、また、感染状況の再拡大懸念に加え、半導体供給不足や東南アジアのサプライチェーン等の不安要素もあり、景気の不透明感は継続しております。今後、新型コロナウイルス感染状況の減少により、経済活動が活発になることを期待しておりますが、まずは、感染防止対策を第一優先とし、健康、安全を十分に心がけ、この難局を乗り切りたいと存じます。

 昨年からの当会の活動状況についてご紹介いたします。昨今、会合実開催が困難な状況の中、会員の皆様へ、コロナ対応含む必要な情報を発信し、会員サービスの質を落とすことのないよう努めて参りました。今後もWEB等を活用した事業の運営を積極的に行い、引き続き、会員の皆様に必要な情報や、意見交換の場を提供して参ります。

 これまで我が国製造業は、自由貿易と国際分業を基礎に発展してきましたが、近年の環境変化は急速であり、迅速・適切な対応が求められています。特にグローバルにおけるバリューチェーンは、 新型コロナウイルス感染拡大がもたらす生産要素の移動に関する様々な制約や産業構造の変化、米中間の覇権争いによる貿易・投資・技術・ヒトの移動に関する規制と障壁等により、産業に本質的な対応を要求しています。加えて、第4次産業革命に代表するデジタル化とサービス化の社会転換、更には、地球温暖化対策として日本政府が掲げる2050年CO2排出ゼロ目標への対応等、環境変化はバリューチェーン全体に大きな影響を与えています。

 以上の問題意識を踏まえ、当会では2021年度から公益財団法人JKA補助を得て、関連する委員会との連携のもと、特に、通商、セキュリティ、デジタル化、環境の4点に着目し、今後の製造業の課題と対応に関する検討を始めております。2021年度に中間報告を取りまとめ、2年目となる2022年度に調査結果を公表予定でございます。

 次に、税制改正についての取り組みをご紹介いたします。
 当会では、機械業界の要望内容の策定、およびその実現に向けた要望を中心に税制に関する活動を行っております。「令和4年度税制要望」については、「ポストコロナの経済回復、カーボンニュートラル実現のための基盤構築等に資する重要税制」として、以下4点の重点要望項目に関する要望を行いました。

 ①持続可能な地球温暖化防止対策の推進 - カーボンニュートラルの実現に向けて
 ②デジタル化、カーボンニュートラル対応等に向けた設備投資促進税制の整備
 - ポストコロナの新たな経済成長に向けて
 ③経済の電子化に伴う課税上の課題への対応
 ④研究開発税制の拡充

 また、製造業関連8団体連名にて、「ポストコロナの企業変革およびカーボンニュートラル実現のための令和4年度 税制改正共同要望」を策定し、要望項目の実現に向け、共同で陳情活動を展開いたしました。その結果として、オープンイノベーション税制や5G投資促進税制の適用期限延長等、研究開発や設備投資促進において有意義な成果を実現いたしました。一方、企業負担の増大により、温暖化対応への大きな制約となり得るため反対した炭素税の導入は、今回見送りとなりました。

 次に、表彰関連についてご紹介いたします。当会は、「ロボット大賞」と「優秀省エネ脱炭素機器・システム表彰」という2つの表彰事業を行っております。

 「ロボット大賞」は、今年度、第10回の開催に向け鋭意準備を進めております。「優秀省エネ脱炭素機器・システム表彰」は、国内唯一の産業機械における省エネ表彰として、日本の省エネ推進に貢献して参りました。また、昨年度より新たに、CO2排出抑制という表彰分野を加え、JKAの補助を受けながらスタートを切りました。CO2削減については、産業技術環境局局長賞が新設されており、まもなく受賞者が決定されますが、本表彰が省エネ並びにCO2削減に寄与することを期待しております。皆様にも是非、両表彰事業に応募いただきたくお願いいたします。

 次に「ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI)」への活動支援についてご紹介いたします。

 RRIは、成長戦略の一環である政府策定「ロボット新戦略」に基づき2015年に発足し、7年が経過いたしました。現在の会員数は約560となり、当初の226から2.5倍に増加しております。当会は、インダストリアルIoTおよびロボティクス関連の取り組みが、機械産業全体において重要な課題であるという認識のもと、今後もRRIを全面的に協力支援して参ります。

 当会の2021年度「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」においては、RRIのロボット事業(ロボットフレンドリーな環境構築に関する取り組み)と連携しながら、業務管理事業を実施しており、施設管理や食品製造等の領域におけるロボット実証事業、また学校教育への産業界からの支援事業等に取り組んでおります。そして、RRI ロボット利活用推進ワーキンググループのロボット実装モデル構築推進タスクフォース活動では、施設管理、小売、食品の3つのTC(テクニカルコミッティ)に加え、2021年9月に物流倉庫TCを新設しました。更には、高校・高専等におけるロボット教育の推進も、RRIが事務局を務める「未来ロボティクスエンジニア育成協議会(CHERSI・ チェルシー)」と共に、積極的に展開していく所存です。

 IoT関連においては、国際連携協力の一環として、2021年4月12日から16日にオンラインで開催された「ハノーバーメッセ2021」に参加いたしました。RRIはバーチャルブースを出展し、欧州へのプレゼンスアピールや、「Plattform Industrie 4.0(PI4.0)」と国際連携パートナーとしての登壇、報告書『ハノーバーメッセ 2021を読み解く~転換期を迎える産業エコシステム~』の発行等、活動を行いました。

 2021年10月には、国際シンポジウム「ロボット革命・産業IoT国際シンポジウム 2021~全ての産業の基盤としての製造業~」と題し、経済産業省とドイツ経済エネルギー省共催のもと、オンラインにて開催いたしました。RRIでは、従来の日独連携を深化すると共に、CESMII(Clean Energy Smart Manufacturing Innovation Institute)等、米国との連携にも着手しており、欧州におけるデータ流通基盤「GAIA-X」の動きにも対応し、データ連携やデータ品質の問題にも積極的に取り組んでおります。

 昨年、新たにデジタル庁が創設されましたが、日本の競争力低迷の要因の一つとして、企業内、企業間および産業間のデジタル化の遅れとデータ連携の遅れがあると考えております。第4次産業革命がドイツによって主唱されて以来、10年が経過しますが、日本の製造業の多くは未だ第3次産業革命を完遂できない状況にあります。RRIは、従来支援している政府の戦略の一つであるConnected Industriesのもと、今後も、製造業のデジタル化とデータ連携および競争力向上と生産性改革を促進し、Society5.0の実現に向け努力して参ります。

 当会は、引き続きRRIと共に、新しいデジタル社会の構築に向け、日本の機械産業に貢献し更なる発展を実現できるよう誠心誠意努める所存ですので、今後とも関係各位の引き続きのご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。最後となりますが、皆様の一層のご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。
 

日本機械工具工業会 田中会長がビデオメッセージを配信

 日本機械工具工業会(会長=田中徹也 三菱マテリアル常務)が、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点により新年賀詞交歓会を中止したことに伴い、田中会長のあいさつをビデオメッセージとして、同工業会のホームページより配信した。

↓日本機械工具工業会 HPはこちら↓
http://www.jta-tool.jp/
 

【年頭所感】「体質強化さらに前進」ジェイテクト 取締役社長 佐藤和弘

220118ジェイテクト 新年明けましておめでとうございます。

 昨年においては、新型コロナウイルス感染症や半導体供給問題なども起こり、当社を取り巻く環境は先行き不透明であり、将来予測が困難なものでした。このような状況の中、全社一丸となっての体質強化の取り組みを行ったことにより、今期の通期業績予想では黒字を見込むことができました。

 コロナウイルスの脅威や半導体供給といった環境要因の変化だけでなく、脱炭素社会の実現、生産設備の自動化など、お客様そして社会のニーズは高度化、多様化しています。こうした状況において、旧態依然の体制を維持したままでは、持続的な成長の実現できないと考え、2021年をジェイテクトリボーン元年と位置付け様々な活動を行ってきました。

 具体的には、一昨年の本社機能移転に続く本店登録の愛知県刈谷市への移転。迅速な意思決定を行うために経営役員制の導入し、事業間の連携体制を築くことができました。

 こうして事業間の壁がなくなったこともあり、各事業の技術と経験を融合させたギヤビジネスを立ち上げることができ、ギヤサプライヤーでありギヤラインビルダーでもある市場でもOnly Oneの存在になることができました。

 また、アフターマーケット事業本部を立ち上げ、これまで軸受中心に行っていたアフターマーケット対応を、自動車部品やグループ会社の商品にも商材を広げました。アフターマーケット事業はその事業の採算性だけでなく、製品ライフサイクルを支える循環型社会に貢献することも期待しています。

 事業体制のリボーンに加えて、営業のリボーンも行い、これまでできていなかった、グループ各社の商材を幅広く扱う営業体制を築き、お客様への提案の幅を広げています。加えてグループ会社の統廃合も行い、ジェイテクトセールス、ジェイテクトファインテックといったグループ会社の統合なども行いました。

 さらには、DX推進室とカーボンニュートラル戦略室を新設し、これから解決すべき課題に対し、前向きに本気で取り組むために、ロードマップを描きあるべき姿に向けて活動をしています。

 これら数々の全社的な取り組みに加えて、各工場、事業場でジェイテクトの基本理念に基づいた「地球のため」「世の中のため」「お客様のため」に本気で考え抜かれ、情熱を持って取り組まれた数々のリボーンが全員参加で行われてきました。これらの絶え間ない改善の積み重ねによって、ジェイテクトは少しずつ生まれ変わり始めています。

 2022年も感染症再拡大や資材高騰などが懸念され、先行きが不透明です。しかしながら、全員参加で対話を積み重ね行ってきた、数々のリボーンがさらにレベルアップすることで、ジェイテクトの体質強化をさらに前進させていきます。

 2022年は、数々のリボーンの成果を出し、次の未来へ進みはじめたジェイテクトにご期待ください。