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コマツ 電動式フォークリフト「FE25-2」、「FE30-2」を新発売

コマツは、低炭素化社会の実現に向けて、CO2排出削減に貢献する電動式フォークリフト「FEシリーズ」の導入拡大を図るため、本年3月より2.5トン、3.0トンクラスのフルモデルチェンジ機「FE25-2」、「FE30-2」を発売した。
同シリーズは、電動式ならではの環境性能や経済性に加え、屋外使用を前提とした耐水性・防塵性、急速補充電システムによる長時間稼働の実現が特長。今回発売の2機種は、その特長はそのままに、走行モーター高出力化によりエンジン式フォークリフトに匹敵する走行性能を実現することで、屋外での作業性を大幅に向上させている。さらに、旋回時の安定性に貢献する旋回車速制限機能やアクセルペダルだけで加減速・停止が可能なアクセルワンペダルモードを標準装備することで、安全で快適な作業をサポートする。
「1台のマシニングセンタで6面加工を行う方法」ブルーム-ノボテストがMSTコーポレーションとオンラインコラボセミナーを開催

ブルーム-ノボテストが2月18日、「部品加工の効率化 ~1台のマシニングセンタで6面加工を行う方法~」をテーマに、MSTコーポレーションとオンラインコラボセミナーを開催した。

現在、製造現場では変種変量生産ニーズの高まりとともに、工程削減、納期短縮、品質向上への対応が求められている。今回のコラボセミナーは6台の機械、複数人のオペレータで行われているワークの6面加工をMSTコーポレーションの「スマートグリップ」、ブルーム-ノボテストの「タッチプローブ」を活用し、1台のマシニングセンタで、1人で簡単に行う方法について説明した。
通常、ワークの6面加工を行うためには生産ラインで最大6台のマシニングセンタを並べ、それぞれの機体に治具を搭載し、オペレータによる操作を行う必要があるが、今回は、3軸のマシニングセンタに1台にロータリーテーブル1台、バイス2台に加え、MSTコーポレーションの「スマートグリップ」2台取付け、6面加工を行った。ワークの芯出しは、ブルーム-ノボテストの「タッチプローブ」にて自動で行った。
MSTの「スマートグリップ」は、ヘッドとワークホルダで構成されている。ワークの取付け取り外しはレンチ一本でできるうえ、強力なクランプ力を持つ。
機上でワークの測定を行うためのユニットであるブルーム-ノボテストの「タッチプローブ」は、ATCにて工作機械の主軸に設置されたタッチプローブのスタイラスを測定箇所に当てることにより自動で測定値を算出するもので、主に加工前の芯出しや、加工後の寸法測定に使用する測定機器である。現在、オペレータ手動にて行われている芯出しや、寸法測定を自動化することで、加工工程の工数削減やサイクルタイムの短縮に貢献し、加工不良の抑制も同時に実現することができる。なお、同社のタッチプローブは、一般的なタッチプローブに比べ、測定速度が速いのも特長だ。光学式信号発生方式を採用しておりスタイラスがワークに接触したとき、ユニット内部のシャフトが光センサを遮り、計測のトリガー信号を出力する。この方式により、高速測定が実行でき、トリガー部の摩耗もなく、長期にわたり安定測定が実現する。また、クーラントに影響されない高ロバスト測定も魅力であり、防塵・防水性も最高水準のIP68。工作機械内でも永く安心して使用できる。測定プログラムはパッケージ化されており、スクリーンGUI表示させ、マクロプログラムを呼び出すことも可能になっている。
ブルーム-ノボテストとMSTコーポレーションは、今後も生産性向上に向けたサポートをしていく方針。
イワタツール オンラインで新製品発表並びに近況報告 ~碌々産業と合同セミナーも~
イワタツール(社長=岩田昌尚氏)が2月19日、オンラインにて新製品発表並びに近況報告を行うとともに碌々産業と合同セミナーを実施した。
最初に連携会社であるトライエンジニアリング、三和クリエーションからそれぞれ発表があった。
方針の説明について岩田社長から説明があった。それによると、20種類の工具に特化するとした。また、ガイド穴に対応するドリルが今まで無かったこともあり、今回SPセンターにガイド穴の要素を持つ「SPセンターゼロ」を発表した。穴の位置が従来の工具よりぴったり合わせることができることが特長で、この製品は、「主力製品であるSPセンターの中で重要な要素になる。」と岩田社長。
また、面取り工具「トグロンマルチチャンファー」についての説明があった。この製品のコンセプトは横走りの面取りに特化した工具であり、高速に加工ができる製品。同社では今後、機能を絞り込んで量産加工をする顧客をメインにPRをしていく方針。
Iwata Tool Thailand(タイ、ASEAN)に触れ、昨年秋に竣工したタイ工場についての説明があった。それによると現在、生産能力は月産3万本~4万本だが、今回の工場拡張により6万本~7万本の生産能力を向上させるとした。その他、Iwata Tool Europe(欧州)、 Iwata Tool Dalian(中国) の報告があった。
営業面についても触れ、youtubeを利用した情報発信に注力すると説明があった。
碌々産業とのコラボレーションによるオンラインセミナーでは、安定した作業環境で、加工法に適したデータを活用しながら、加工法や被削材に適した工具による最適な高精度高速微細加工機での加工について講演があり、第一部は終了した。
第二部ではざっくばらんな意見交換会が開かれた。
牧野フライス製作所 中・大型金型加工向け2機種を発表

牧野フライス製作所が2月24日、オンラインで中・金型加工向け2機種を発表し、会見を開いた。国内における金型は8割が自動車産業で占められていることを受け、同社の執行役員高山営業本部長は、今回の開発の経緯について、「現在、大きな変革期であると同時にものづくりが大きく変わり、金型も変わると実感している。」と金型産業と自動車関連産業の密接なつながりを強調した。特に自動車産業の環境規制については、「CO2削減においてヨーロッパはCO2削減がより厳しくなっており1kgあたり95g(日本は1kgあたり122g)と、さらにヨーロッパでは規制違反には罰金も科せられる。」と自動車産業にとっては厳しい時代の到来を示唆した。
「また、自動車はEV化の流れもあり、パワートレインだけでなく、デザインも複雑で意匠性の高いデザインが見られるようになった。新たな自動車新興メーカーも出てくるともいわれ、こちらも注視していかなければならない。」と、述べ、今後、金型の価値は差別化要素を生み出す手段になることを強調した。
今回、リリースした2機種は下記の通り。
5軸制御立形マシニングセンタ「V100S」

金型の主な消費産業である自動車業界が大きな転換期を迎えており、同社では「外装デザインなどで、従来とは異なる価値創造へのニーズが高まっている。」としている。内外装部品向けの中・大物金型の生産において大きな負担となっていた①長時間の中仕上げ・仕上げ加工、②精度調整のためのマニュアル作業――だか、今回リリースされた「V100S」は、〝生産性向上(スピード)〟の追求と同時に〝オペレータ負担の軽減(マニュアル作業の削減〟の両立を実現したマシン。
〈主な特長〉
(1)中大物金型向けの積載ワーク重量・ワークサイズ
中・大物金型加工の問題点である中仕上げ・仕上げ加工時間の短縮を実現するために開発されたマシン。同社の5 軸制御立形マシニングセンタV90Sより約2倍、ワークサイズ3 倍のワーク重量の加工が可能となった。

(2)特長的な主軸と回転・傾斜軸
コンパクトな主軸と回転・傾斜軸の採用により、高速・高面品位を実現する。
(3)なめらかな同時5 軸動作
スラント構造を有するV100Sは、特異点通過時に急激な回転動作が発生し辛いため、なめらかな動作が実現可能。
(4)操作性
大きな金型でもクレーンを用い、容易にテーブル上へ設置できる設計。

出荷開始は2021年8月から。定価は国内販売価格89,000,000円(消費税別)。
NC放電加工機「EDNS22」

このマシンは、中・大物金型で、形彫り放電加工の作業は精度調整のためのマニュアル作業が大きな負担となっていたことを受け、①長時間連続運転での生産性向上、②オペレータ負担(精度調整作業)の軽減、を目的に開発されたもの。
〈主な特長〉
(1)トレンドに即したワークサイズ・移動領域
既存EDNCシリーズと比較し、奥行方向を拡大し、大型・正方形の自動車金型に対応する。
機械ストローク

(2)生産性を大幅に向上させる 2つのヘッド
2つのヘッドを用いて、従来機2 倍の生産性を実現する。重心移動を考慮し、リブを適切に配置した高剛性な本体構造と温度制御した加工液による機械本体温度管理にて、長時間での加工時も安定し、オペレータ負担を軽減する。

(3)ジャンプ速度20m/min、加速度1G
Z軸ボールねじ冷却構造により、「高速ジャンプの実現」と「発熱による機械影響の最小化」を両立させる。
出荷開始時期は2021年10月より。販売価格は128,000,000円(消費税別)
【注目】技術も知識も不要の「Labonos」~3Dプリンタでは実現できなかった意匠性や強度を実現~ 安田工業

安田工業の「Labonos」は、特別な技術や知識は不要で、誰もが高品質な造形物を製作することができる革新的3D造形ソリューションだ。
「Labonos」は手軽だけど材料の性能や後工程に手間がかかる3Dプリンタと高い精度や材料性能に優位性はある一方、専門知識が必要なマシニングセンタの短所を解消し、メリットを高い次元で融合させ、直感的・簡単操作によって3Dデータから高品質な立体出力を実現する画期的システム。
現在製造業のトレンドとして、製品サイクルは非常に短くなっており、開発スピードの向上が求められているため、樹脂成形品による機能部品や製品開発においてはFEM(Finite Element Method)樹脂流動解析などを用いた試作レス化が進んでいる一方、完全な試作レス化は非常に難しく、製造現場では、機能性だけでなく意匠性も求められるような部品などの場合は、試作にて評価・検証されていることも多いだろう。
3Dデータさえあれば、誰でも簡単なタッチ操作で手軽に素早くデータに忠実な精度と安定性を保った立体造形出力物ができる「Labonos」を利用すれば、3Dプリンタでは実現できなかったことを切削加工で実現し、切削の知識やノウハウに加えCAM等がなくて導入できなかった方にも美しい造形物をつくることができる。
金型の代用ができる〝樹脂型・簡易型〟製作もでき、この場合、金属製金型と比較しても低コストかつ短納期を実現し、少量の試作品や多品種小ロット製品製造などのニーズに対応できる。

DMG森精機 工作機械のデジタルツインを活用した「デジタルツインテストカット」を開始

DMG森精機がこのほど、工作機械のテスト加工をデジタル化する「デジタルツインテストカット」を開始した。デジタルツインテストカットは、出荷前の機械精度や動作確認をデジタル化した「デジタル立ち会い」、伊賀グローバルソリューションセンタをデジタル化した「デジタルツインショールーム」に続く、DMG森精機の最先端のデジタルソリューション。すでに2月1日からデジタルツインテスト加工組織として、デジタルツイン加工技術グループが稼働している。
顧客が工作機械を選定する際に「テストカット」という重要なプロセスがある。これは顧客の加工ワークを実機で実際に加工して、加工精度や生産性が要求を満たすか確認を行うもので、同社では、世界中で年間約6,000件のテストカットを行い、そのノウハウを活かして「どのような治工具が必要か」、「加工精度を実現できるか」、「加工時間をより短縮できないか」などを事前に検証して、顧客の設備導入、生産をサポートしている。

一方でテストカットは、機械の空き状況や、工具、加工素材、治具の手配状況などにより、短期間で実施することが難しい場合があり、こうした現場の課題を受け、同社では新機種開発で蓄積したシミュレーション技術を活用して、仮想的にテストカットを実現するデジタルツインテストカットの技術を確立した。これは、工具、加工素材、治具だけでなく、工作機械本体の物理特性までもデジタル上で構築し、切削加工そのものを再現するテスト加工技術となっている。顧客によるテストカットの要望に対し、加工工程のシミュレーションだけでなく、加工条件の最適化までをデジタル上で行うことが可能だ。
デジタルツインテストカットでは、加工時の切削力や工具振動などの切削状態や面品位などを、実際の工作機械で加工した時と同じように確認できる。静的・動的な特性をデジタルで高精度にモデル化するため、実際の加工と比較しても誤差精度はプラスマイナス数パーセントとなっている。
デジタルツインテストカットを活用することで、テストカットに要する所要時間を大幅に短縮でき、概算時間、加工内容によって異なるが、依頼から最短2営業日で顧客に結果を回答することが可能となった。また、テストカットをデジタル化することで、使用する工具や素材、クーラントを削減できるだけでなく、消費電力も削減できるため環境にも配慮した
ソリューションである。
デジタルツインテストカットは、専任の組織を設け、短納期のテストカットの要望に対して2021年2月から利用を開始しており、2021年は5軸・複合加工機のテストカットを中心とした実施を計画している。
■デジタルツインテストカットまでの目安
タンガロイ ヘッド交換式エンドミル「TungMeister」に曲面加工用「バレルヘッド」を拡充!

タンガロイがこのほど、ヘッド交換式エンドミル「TungMeister」(タング・マイスター)シリーズに、円弧切れ刃を持ち三次元曲面加工に適した “バレルヘッド”VBO形とVBN形を追加し、販売を開始した。
従来、5軸加工機での航空機部品や金型等、三次元曲面の倣い加工には、ボールエンドミルを使用するのが一般的だったが形状が複雑になるほど小径工具を使用する必要があり、このため加工面粗さを良くする(カスプ高さを小さくする)ためにはピックフィードを小さくしなければならず、その結果加工時間が増大するという問題が生じていた。
これに対し、大きな曲率半径の円弧切れ刃を持ち“樽(バレル)”のような形状の工具「バレルヘッド」を使用すると、ピックフィードを大きくしてパス数を減らしても、カスプ高さが変わらず加工面品位を維持できる。また、常に工具の外周部分で加工するので実切削速度が上がり、切れ刃の摩耗抑制にも有効で工具寿命の改善も期待できることから、同社では、今回、VBO形とVBN形のバレルヘッドを発売するに至った。主に金型等の一般的な三次元形状加工に適したVBO形ヘッドにはショートタイプとロングタイプの2種類を設定している。
ショートタイプは円弧の曲率半径がやや小さく、中荒~中仕上げ加工に適している。また、曲率半径が大きめのロングタイプは複雑な三次元曲面の仕上げ加工に最適。一方、VBN形ヘッドは、航空機部品のインペラやブリスク、ブレード等の翼面加工用に特化した切れ刃設計で、これらの部品での中荒加工工程を省略できるので、より高い生産性を実現する。
これらすべてのバレルヘッドには、抜群の耐摩耗性を誇るAH715材種を設定。特に鋼、耐熱合金の加工において安定した寿命性能を発揮する。
〈特長〉
(1)13,000通り以上の組み合わせで、最適な工具を選択できる
スクエアタイプから、ボールエンドミルタイプ、サイドカッタタイプなど、様々な用途の加工ヘッドを豊富に設定。さらにシャンク径、突出し長さ、材質など幅広いシャンクシリーズとの組み合わせが可能で、その数13,000通り以上。この中から加工にぴったりな工具を選択できる。
(2)工具交換わずか1分! 段取り時間を大幅短縮
ソリッドエンドミルと比べ、工具交換時間はおよそ1/10。機械のダウンタイムを劇的に短縮する。また、繰り返し精度も高く、交換後の高さ調整もほとんど必要ないので、機上での工具交換も可能。
■主な形番と標準価格
・VBN100L15.0R450-6S06AH715:14,000円
・VBO100L15.0R850-5S06AH715:15,000円
・VBO100L08.0R250-4S06AH715:10,000円
全アイテム:9点 (いずれも税抜価格)
オーエスジーが第108回株主総会を開く

オーエスジーが2月20日(土)に同社アカデミー内グローバルテクノロジーセンター(豊川市一宮町)で「第108回定時株主総会」を開催した。今回は、愛知県に非常事態宣言が発令したこともあり、株主への安全と健康の配慮から、会場内では飛散防止パネル越しに議事を進行するなど、感染予防対策を徹底した中での開催となった。海外も含めて本社のある愛知県外に居住する役員はリモートでの参加とし、モニター上に姿を映す形で進められた。
総会に先立ち、議長である石川則男社長があいさつをした。この中で石川社長は、同社をとりまく経営環境について、「2020年11月期は中期経営計画NEXT2017の最終年度だった。当社を取り巻く経営環境は大きく変化しており、特に地球規模で推進されているグリーンエネルギーまた地球温暖化ガスの排出抑制に関係の深い自動車産業、特に電動化が大きなテーマとなっている。自動車への電動化への移行は想定よりも少し早いペースで進行中だが、その中でもハイブリッド、EVまたそれに伴う安全技術、自動走行技術等の分野で様々な部品のモジュール化やそれらの部品において生産の効率化、生産拠点の集約化が思った以上のスピードで進んでいる。」と触れ、「環境の変化は オーエスジーが進めてきた地球規模での技術、営業のサービスそして地球規模での生産体制は大きなプラスに働くものと認識している。」と前向きな姿勢を示した。
また、「今まではそれほど大きな取引をいただけなかった欧米のメーカー、大手メーカーからシェアアップが期待できる状況になりつつある。電動化部品に対応する新技術、新製品の分野においては、当社はコーティング技術を切り口として進化、拡大したい。」との考えを示し、「コーティング分野ではかなりの投資、M&Aをはじめとする投資を行ってきた。オーエスジーのコーティング技術のレベルはここに来てかなり強化されたと認識している。また現在グローバルに拡充しておりますコーティングセンターも今後の新ビジネスとして期待ができるものと考えている。」と期待感を滲ませた。
第108期事業報告
第108期事業報告では、当期は新型コロナウイルスの影響で工具需要が激減したが、中国の自動車産業の回復が大きな力となり、5月を底に回復傾向となった。流通在庫の調整も、9月以降順調に進んだ。一方、欧州の販路の拡充および、欧米での航空機産業向けビジネス強化のためのM&Aなど、海外事業の強化にも注力した。また、将来性の高いコーティング事業への投資も行った。また、日本では、生産体制の刷新を目指し、超多品種小ロット生産でのリードタイムの短縮と、大きなロットの無人化生産を両立する、 NEO(ネオ)新城工場を2020年5月に立ち上げ、超硬タップ、超硬ドリルなどの高能率工具の生産を開始している。今後は、NEO(ネオ)新城工場での取り組み を全製造部門へ展開していくとした。
この結果、この結果、連結売上高は1043億8800万円、連結営業利益は83億9600万円、(親会社株主に帰属する)連結当期純利益は56億3900万円となった。
日本では、新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞により、主要ユーザーである 自動車関連産業向けをはじめ、多くの業種で深刻な影響を受け、輸出も主要な海外グループ向けが減少した。また、売上減少に伴う操業度低下による固定費率の上昇、為替レートの影響等により、営業利益も前期と比較して大きく減少した。
北米では、新型コロナウイルス感染症の影響により多くの業種で生産活動が強制的に停止されるなど、景気が急速に悪化したが、期末に向けて景気は回復傾向を見せた。また、ブラジルでは受注の減少に対応するため、工場の操業停止などを一時的に行ったが、期末にかけて自動車関連産業を中心に回復傾向にあり、受注も上を向いてきている。
欧州・アフリカでは、ロックダウンを中心とする封じ込め政策が導入され、ほとんどの国で一定期間経済活動が制限された。同社グループにおいては、期末にかけて一部の国及び航空機関連産業を除いて緩やかに回復に向かった。
中国では2月中旬まで製造工場の稼働を停止したが、3月以降は切削工具の需要が戻り、第4四半期には前期水準まで回復した。韓国では自動車の生産が戻ってきており、同社グループの工場稼働状況は、前期と比較すると8割強程度まで回復している。その他のアジア諸国でも多くの国で回復してきている。
第1号議案「剰余金処分の件」、第2号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)2名選任の件」、第3号議案「役員賞与の支給の件が上程され、それぞれ可決されたあと、新たな執行体制と執行役員担当が紹介された。
就任にあたって

代表取締役社長に就任予定の大沢伸朗専務が新任にあたり、「オーエスジーに入社してこの4月で勤続30年を迎える。16年間ヨーロッパを中心に海外の事業畑が非常に長かったが、その後日本で国内営業を担当させて頂いた。このほど社長就任予定となり、ご支援をよろしくお願い申し上げます。」とあいさつをしたあと、次のとおり抱負を述べた。
「VUCA(ブーカ)という言葉をご存知でしょうか。この言葉はちょうどイギリスの EU 離脱問題が出たその時分、そしてトランプ大統領の台頭といった世界情勢が非常に不安定な時期に使われだした言葉だと理解しているが、このVUCAというのは、V,U,C,Aこの4文字はその頭文字をとった言葉で、Volatility(ボラティリティ)、Uncertainly(アンサートゥンリー)、Complexity(コンプレキシティ)、Ambiguity(アンビギュイティ)、これを日本語にすると、 変動的で、不確実、そして複雑そして最後に曖昧、ぼやけているという感じでしょうか。非常に変化が激しくて先行きが見通しにくく、 より複雑化した状態の中で不透明性が増していることがコロナ禍で生じた。特に昨年、打撃が大きかったことは、航空機産業のこれからの長期にわたる低迷だった。まさに我々が一生懸命取り組んでいた部分が突如として方向転換を迫られる形で、従来は常識と思っていたことが突然、一変してしまうようなことを経験した年になった。
加えて、自動車産業におけるEV化の波もあり、この方向性に進んで行くとはいえ、先ほどのVUCAと同様で、まだまだ予測が難しいと認識している。オーエスジーは今年、83周年を迎えるが、この80年以上にわたって歩み、培ってきたDNA、チャレンジ精神、不屈の精神、という我々の根っこにあるオーエスジーの商売原則における部分は不変だと思っている。そしてこの予測不能な時代の中で100周年を迎える、というのは、しばらく先のことではあるが、100周年を迎える時には今以上輝きを放っている会社になるため、その道筋をこの先短期の間に示していくことが私の使命だと認識している。」
DMG森精機 新型コロナ禍で健闘!
DMG森精機(社長:森 雅彦氏)が2月12日、2020年12月期(1月~12月)の連結決算を発表し、オンライン会見を開いた。
同社を取り巻く環境は、米中貿易摩擦の影響に加え、2020年の新型コロナの感染拡大により、工作機械の需要は大きく減少した。このような情勢下で、当期の連結業績は、売上収益3.282億83円(前年同期4,857億78百万円)、営業利益106億74百万円(前年同期373億39百万円)、税引前当期利益51億6百万円(前年同期314億51百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益17億45百万円(前年同期179億95百万円)となった。
当期の連結受注額は、2,797億円で前年同期比32%減となった。このような需要減少局面においても同社は、工程集約機、自動化、デジタル化などの付加価値提案により、1台当たりの受注平均単価は前年度並みを維持した。
地域別では、日本が前年同期比39%減、米州は同18%減、中国を含むアジアは同22%減となったほか、当上半期に各国で厳しい移動制限が実施された欧州では同48%減となった。産業別では、半導体製造装置関連、金型、SMEsが引続き堅調に推移し、2年ほど調整していた自動車関連向けもようやく回復の動きがみられた。一方、民間航空機関連向けの需要は、引続き弱含みの展開となった。
同社は、機械加工のトータル・ソリューション・プロバイダとして、5軸・複合加工機などの工程集約機やアディティブマニュファクチュアリング(積層造形技術)機・超音波加工機等の最先端機械を基盤とした自動化・デジタル化を推進している。昨年9月には、デジタル化により製造現場の生産性向上を支援するアプリケーション作成ツール「TULIP」の国内販売強化を目的に「株式会社T Project」を設立した。「TULIP」ではプログラミングの専門知識がなくても作業手順書のデジタル化や機器のモニタリングなどを行うことができるもの。また、コロナ禍においても最適なサポートを実現できるようポータルサイト「my DMG MORI」の提供を推進しており、このサイトを通じて顧客は保有機の情報を一元化管理し、遠隔での修理復旧サポートを依頼できる。そのほか、AIのチャットボットによるサポート実験も開始している。
一方で、同社は、「よく遊び、よく学び、よく働く」を経営理念に掲げ、従業員が自律的に自身の時間をマネジメントし、心身ともに充実した生活を送りながらスキルアップする企業文化を醸成し、また、新型コロナ感染予防の観点から在宅勤務を励行しているほか、有給休暇の完全取得や在社時間制限内での効率的な働き方を推進している。本年1月には従業員の心身の健康が同社の持続的発展に重要であると認識し「DMG森精機 健康経営宣言」として明文化した。また、地球環境保護の観点から、昨年5月に欧州を拠点とするDMG MORI AGでカーボンニュートラルを達成している。
次期の見通しについては、開発・製造・販売・修理復旧の各分野での活動を通じ、さらなる企業価値の向上に努めていく。その通期業績(連結)予想は、売上収益3,300億円、営業利益110億円、親会社の所有者に帰属する当期利益40億円を見込んでいる。また、次期配当金についても、1株当たり年間20円の配当を予定。なお、米ドルレートは105円、ユーロレートは125円を想定している。
2021年1月分工作機械受注総額は886.3億円 日工会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2021年1月分の受注実績は以下の通り。
2021年1月分工作機械受注総額は、886.3億円(前月比△10.5% 前年同月比+9.7%)となった。受注総額は、2カ月ぶりの900億円割れも、3カ月連続の850億円超。外需を中心とした回復が継続し、外需比率は6年9カ月ぶりの70%超。
内需は264.1億円(前月比△17.1% 前年同月比△10.8%)で、2カ月ぶりの300億円割れ。緊急事態宣言の再発出や補助金関連の買い控え等により、やや足踏み。
外需は622.2億円(前月比△7.4% 前年同月比+21.5%)で、3カ月連続の600億円超。中国では高水準の受注が継続するも、その他の地域では、依然低水準で推移し、回復は緩やか。
ワクチン接種が世界各国・地域で開始されるなど、今後の感染拡大状況や経済活動状況を注視。
1月分内需
264.1億円(前月比△+17.1% 前年同月比△10.8%)。
・2カ月ぶりの300億円割れ。
・前月比2カ月ぶり減少、前年同月比26カ月連続減少。
・緊急事態宣言の再発出もあり、内需は停滞気味。補助金待ち等の影響にも注視。
(出所:日本工作機械工業会)
1月分外需
622.2億円(前月比△7.2% 前年同月比+21.5%)
・2カ月ぶりの650億円割れ、3カ月ぶりの600億円超。
・前月比3カ月ぶり減少、前年同月比3カ月連続増加。
・主要3極では欧州のみ前月比増加。中国を中心とする回復傾向が継続。
(出所:日本工作機械工業会)