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2024年7月分工作機械受注総額は1,239.4億円

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2024年7月分の受注実績は以下の通り。

 2024年7月分工作機械受注総額は、1,239.4億円(前月比△7.4% 前年同月比+8.4%)となった。受注総額は、2カ月ぶりの1,300億円割れも5カ月連続の1,200億円超。前年同月比も3カ月連続増加で外需を中心に回復傾向が見られる。

 内需は357.0億円(前月比△12.5% 前年同月比△9.3%)で、前月のまとまった受注の剥落等もあり、2カ月ぶりの400億円割れ。自動車をはじめ、主要業種を中心に依然力強さに欠ける。

 外需は882.4億円(前月比△5.1% 前年同月比+17.7%)で、2カ月ぶりの900億円割れも3カ月連続の850億円超と高水準持続。主要3極は、大型受注もあり、北米のみ増加。

 7月の受注は前月からやや落ち着いた展開も業種に大きな変化はなく、本格的な受注の回復時期等について、今後の動向を引き続き注視。

7月分内需

 357.0億円(前月比△12.5% 前年同月比△9.3%)。

 ・2カ月ぶりの400億円割れ。
 ・前月比2月ぶり増加。前年同月比23カ月連続減少。
 ・6月の反動や季節要因もあり前月比減少。依然力強さに欠ける状況が継続。

(出所:日本工作機械工業会)

 

7月分外需
 

 882.4億円(前月比△5.1% 前年同月比+17.7%)

 ・2カ月ぶりの900億円割れ。3カ月連続の850億円超。
 ・前月比3カ月ぶり減少。前年同月比3カ月連続増加。
 ・アジアは高水準持続、北米は大型受注で前月比増加、欧州は夏期休暇もあり減少。


(出所:日本工作機械工業会)

 

経産省・2024年6月度機械統計 機械工具生産動態調査

経済産業省の2024年6月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。


*機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
 *耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)
 

MOLDINOが「MOLDINO VISION 2024」を配信 意気込みを示す

意気込みを示す金子社長


 MOLDINO(社長=金子善昭氏)が6月24日、オンデマンド配信で「MOLDINO VISION」を配信し、業績の報告、経営戦略、業界のトレンドについて説明をした。

 本年4月1日付けで社長に就任した金子社長よりあいさつがあった。この中で金子社長は、「前職の三菱マテリアルでは一貫して切削工具事業に国内外における販売活動に取り組んできた。引き続き切削工具業界において皆様方とともにMOLDINO商品の販売に携われることはこの上ない喜びであり、気持ちを新たに引き締めて頑張っていく。」と意気込みを示した。

 続いて、後藤 営業本部長から業績並びに営業本部方針の報告があった。業績については、2019年をベンチマークとして2020年はコロナ禍により大きく落ち込み、回復を期待していたモノの2022年度をピークに足元は厳しく、2023年度は前年度比94%となった。

 厳しい中であっても個別の商品に直目すると、特に際立つ伸長を見せたアイテムが3つあった。「他メーカーにはないわれわれ独自のマニアックな商品が厳しい環境下ではあるものの確実に評価されていると感じている。」と後藤営業本部長は動画を交えて説明した。

主に伸長を見せた商品 
 

① EHHシリーズ
 ソリッドの高送り工具。圧倒的なスピードと寿命、小径サイズの追加ラインナップを実行した。同社が提唱する「PRODUCTION50」(加工半減)を代表する工具。

② ねじ切りカッターシリーズ「EDT」
 ダイレクトスレッドミルは、下穴なしでねじを形成。万一の折損時でも枠に食い込むことはない。後藤営業本部長は、「長年営業を経験しているが、唯一クレームがなかった工具であり、工程集約など計り知れないメリットがある。」と自信を見せた。


 後藤営業本部長は、「身近で素材革命を実感している。さらなる難削加工への取り組みを強化し、ますます高まる生産現場での顧客加工ニーズの難題にいかに向き合うかMOLDINOならではのソリューションを今後も提供する。」とした。

 

 

 

 小櫻国内営業部長が国内状況の報告をした。小櫻国内営業部長は、「金型加工で培った知見を金型だけにとどまらず幅広い分野へ展開し、皆様のお役に立ちたい。」との考えを示したあと、数ある自社商品の中で一押し工具を超硬ドリルとし、特に注力するのは「NSBS」とした。

 説明によると同製品は受注生産品が初回品は短納期対応もするという。「通常の生産ラインとは別に特急枠を設け、荒加工で悩みを持つ顧客へいち早く届ける準備をしている。」と意気込みを示した。

 続いて、木野ソリューション営業部長が業界のトレンドについて説明をした。

 それによると、「カーボンニュートラルの実現に向け、われわれを取り巻く環境は様々な変化が起こっている。そのひとつである水素社会に向け各国ではそれぞれに具体的な取り組みが始まっている。これまでに開発されてきた燃料電池システムはFCVに留まらずFCスタックを多く集積した発電ステーションや家庭用発電装置として搭載される計画が進んでいる。また、非常用電源としてメンテナンスがしにくい携帯電話のアンテナ用に採用されるなど水素の特徴を活かした様々な活用が検討されている。燃料電池システムの市場は全世界において大幅に増加していく見込みである。」とし、自動車のトレンドについては、ダイキャスト製品の大型化を挙げた。

 「新しい技術として提唱されてきたギガキャストはこれまで訳70点あった部品をひとつにすることで大幅な製造コストの削減、製造期間の短縮を進める。この技術開発には中国ではすでに多くの企業が参入し、EV化とともに市場での採用が進んでいる。」とした。

 また、本年11月に開催される「JIMTOF2024」に向けた新商品について、「さらなる難削材加工に向け、新たな商品発売を計画している。より一層進化した工具を披露できるよう努めていく。」と意欲を示した。

「経済的価値とともに社会的価値向上を目指す」

 

 社長就任の所信表明があった。この中で金子社長は自信の経歴を、「前職は三菱マテリアルで入社以来切削工具事業部門に所属し、一貫して国内外での営業活動に携わってきた。併せて販売組織の改革や再編にも取り組んできた。」と述べた。

 海外の活動についても触れ、「アメリカに5年ほど勤務した。その際には現地でのマーティング部門の組織再構築と強化に注力した。」と話し、「また新しい出会いや人間関係を構築することが非常に楽しみであり大きな期待を持っている。」と述べたあと、MOLDINOに対する印象について触れ、「前職で営業活動をしている頃には、MOLDINOは開発技術という印象があり、独創的なこだわりをみせる商品開発と優れた技術を軸に常に提案型の営業をしているというイメージを強く持っていた。特にPRODUCTION50という加工費半減のコンセプトがあるが、この思想を非常に大事にしており、製造から販売まで、全ての社員がこのコンセプトを非常に大切にしていて全員が同じ方向に向いている。これが皆様方に受け入れられ非常に高い評価を頂いている。」と話した。

 また、「私自身が自分のビジネスマンとしての活動の中で取り組んできたことだが、仕事に挑む姿勢を大切にしたい。最近の世界情勢をみると、経済変動や地政学リスクの高まりを受け、先が不透明になっている。この先もどんな不測の事態が起きるか予測がつかない。こうした状況にあるとユーザーの価値感やニーズも常に変化する。決断を迷っている間にどんどん状況が変化してしまうことがあるので、早い決断と実行する行動力が求められるだろう。わが国の製造業が直面している課題として国際競争力の低下、例えば原材料の高騰による影響やカーボンニュートラル、少子高齢化による人手不足など様々な課題があるので取り組んでいくことが必要だ。弊社は素材から開発、生産、検査まで自社の中で完結できる一貫した生産体制を組んでるメーカーであり、これが強みでもある。この体制を強みに、地道に金型加工や難削材加工にも対応できる商品開発とソリューションの提案をし、差別化された独創工具を提供してきた。お客さまにとことん寄り添った独創工具の開発と付加価値提案を強化することによって経済的な価値とともに社会的な価値向上を目指したい。」と豊富を語った。

 

ロボ切削加工の用途拡大へ、トライエンジニアリング・イワタツールなど8社が研究会

会見の様子

 

  トライエンジニアリング(名古屋市守山区、片山誠二社長)、イワタツール(同、岩田昌尚社長)など8社が7月4日、切削加工用ロボットシステムの市場拡大を目指し「ロボット加工技術研究会(Robot Machining Technology Symposium)」を発足したと発表した。8社が必要な知見を持ち寄り、産業用ロボットを使った切削加工の用途や市場の拡大を目指す。

 愛知県常滑市で同日開幕した展示会「ロボットテクノロジージャパン2024」に合わせ、愛知県国際展示場で開かれた会見で、岡丈晴トライエンジニアリング専務は「(ロボットを使った切削加工は工作機械での加工に比べ)汎用性が高く、リーズナブルにできる。欧州では航空機や船舶などの生産現場でロボットの切削加工が広まっている」と話す。自身も12年前から取り組んでおり、今後はさらにニーズが高まるとの見通しを踏まえ、「さまざまな企業や研究者に参画してもらい、市場形成の一翼を担いたい」と述べた。

 研究会には、発足に携わったトライエンジニアリングとイワタツールの2社に加え、ロボットメーカーのファナックと安川電機のほか、ジェービーエムエンジニアリング(大阪府東大阪市)、田野井製作所(埼玉県白岡市)、フジBC技研(名古屋市瑞穂区)、レニショー(東京都新宿区)が参加する。同一の研究会に複数のロボットメーカーが参加するのは異例という。加工に最適なロボットや工具、機器などの選定や技術について、研究を進める考え。同研究会のトップや事務局の所在地、開催の頻度などは今後詰める。

 

イスカル社 6つのポジティブ切刃を持つ「LOGIQ-6-TURN」を新発売

 

 イスカル社がこのほど、6つのポジティブ切刃を持つ、ユニークなISO旋削加工用 三角形インサート「LOGIQ-6-TURN」を新発売した。

 「LOGIQ-6-TURN」は、2コーナー仕様のDCMT(55°)及び、TCMT(60°)インサートに代わる、コーナー角55°/6コーナー仕様の、中仕上げ~仕上げ加工用 三角形インサート。チップブレーカーは用途別に3種類をラインナップ。豊富なコーティング材種を揃え、主に鋼・ステンレス鋼・チタンの加工に対応する。

 最大切込み深さは2.5mmで、片面2コーナー仕様のポジインサートと比較して、コスト面で非常に大きな優位性を発揮する。また、「LOGIQ-6-TURN」インサートは、専用ホルダーではなく、TNMG 1604インサート用の標準ホルダーに取り付けて使用する。

 「LOGIQ-6-TURN」は、抜群の経済性とともに、バリのない高精度仕上げ加工に対応する旋削工具である。

 

■レパートリー
両面6コーナー仕様、最大切込み深さ:2.5mm

・D6NMG 1604-F3P : ISO P種の仕上げ加工用
・D6NMG 1604-M3P : ISO P種の中仕上げ加工用
・D6NMG 1604-M3M : ISO M種の中仕上げ加工用


 

ユキワ精工 QC サークル新潟地区大会 「新潟県知事賞」を受賞 同全国大会も「QC サークル感動賞」のダブル受賞

 

 ユキワ精工(社長=酒巻弘和氏)は、改善能力の向上と人材の育成を目的にQCサークル活動を実施しているが、昨年の全社発表大会の最優秀サークルである「メカニカル工機」サークルが、今年開催されたQCサークル新潟地区大会にて「新潟県知事賞」、さらに、QCサークル全国大会において「QC サークル感動賞」を受賞しました。

 QCサークル活動とは、現場で働く従業員・スタッフを小集団に分けて、品質管理・品質改善について自主的に話し合い、意見を出し合って、実際に行動に移していく活動のことで、QC サークル活動のQC(英語:Quality Control の略)は、「品質管理」を表している。QC サークル活動は、主に製造現場の工場などで品質管理を目的に取り入れられており、小集団改善活動とも呼ばれている。

 一般的にこの活動は、自ら考え、自ら学び、自ら行動することで無限の可能性を引き出し、さらなる能力の向上へとつなげ、活力ある職場造づくりに有効な活動でるとともに、品質向上、原価低減、効率化などの成果を上げることにより、企業への貢献、新規業務への適応が期待されている活動とされている。

 同社のQCサークルは、改善能力の向上と人材の育成を目的に1985(昭和60)年に活動を開始している。現在のサークル数は32サークルで4部門に分かれて活動している。毎年11月に各部門の代表による全社QCサークル発表大会が開催され、最優秀サークルが決まる。この最優秀サークルが翌年の新潟地区大会へ参加する。

受賞した「メカニカル工機」サークル

 今回受賞したのは工機グループと設計グループのメンバー6名で構成。
 【発表テーマ】ドリルチャック内研工程のチョコ停削減
 【発 表 者】星雄太、青柳豪、戸田早苗

■受賞履歴
 ・2023 年11 月18 日 全社QC サークル発表大会で最優秀賞を受賞
 ・2024 年06 月26 日 QC サークル新潟地区大会にて新潟県知事賞を受賞
 ・2024 年07 月12 日 QC サークル全国大会 新潟大会にてQC サークル感動賞を受賞
 

 第6543 回QC サークル新潟地区大会は、2024年6月26日にオンラインで開催し、同社は、新潟県知事賞を受賞した。新潟県知事賞は同社として2度目の受賞(前回の受賞は2015年5月)

 第6550回QCサークル全国大会 新潟大会は、2024年7月11日~12日に新潟市朱鷺メッセにて開催。新潟県内では初の全国大会の開催となった。同社は、「QC サークル感動賞」を受賞した。同賞は、全発表の中から「自分はあのような活動に共感できる」、「仲間に感動を与えるあのような活動をしてみたい」など、共感と感動を受けた発表サークルが参加者全員からの投票で選出される賞。

 同社では、「今後ともQCサークル活動を通して改善能力の向上と人材育成を進めていく。」としている。


 

三菱マテリアル 高硬度鋼旋削加工用CBN材種「MB8210」「MB8220」を新発売

 

 三菱マテリアル 加工事業カンパニーがこのほど、高硬度鋼旋削加工用CBN材種「MB8210」「MB8220」を発売した。

 高硬度鋼の旋削加工では、加工中にクレータ摩耗が進行しやすく、衝撃でチッピングや欠損が発生することがある。高硬度鋼旋削加工用CBN材種「MB8210」「MB8220」は耐熱バインダーを採用し、耐熱性を向上させることでクレータ摩耗の進行を抑制する。また超微粒バインダーによりクラックの進展を抑制し、安定した加工で長寿命を実現する。

 高硬度鋼旋削加工用CBN材種「MB8210」「MB8220」の主な特長は、以下の通り。

①    CBN基材に“超微粒バインダー”と微粒cBNを分散することで、クラックの進展を抑制し、切削時の突発欠損を防止。
②    耐熱バインダーの採用によりクレータ摩耗の進行を軽減し、チッピングや欠損を抑制。

■標準価格(税抜き)
 ・NP-CNGA120404GA2 MB8210:5,310円
 ・NP-DCGW070204GA2  MB8220:5,920円
 ・NP-VBGW160404FS2   MB8210:5,920円
 (MB8210:43アイテム MB8220:37アイテム 計81アイテム)
 

オーエスジーが昨年に続き本年も「修造チャレンジ」を支援

本年6月開催の「修造チャレンジ」 写真中央 松岡修造氏

 

OSGで開催の強化合宿

 オーエスジーは、このほど、昨年に引き続き本年も日本テニス協会男子ジュニア強化プロジェクト(富士山プロジェクト)の一環である「修造チャレンジ」を支援すると発表した。

 「修造チャレンジ」とは、日本テニス協会理事 兼 強化育成本部副本部長の松岡修造氏が、将来世界のトップレベルで活躍できる男子選手を育成することを目的とし、技術および戦術、フィジカル、メンタルなどの各専門分野のスタッフと共に指導を行う男子ジュニア選手強化合宿のこと。

 本年は新たな試みとして、2024年4月29日から5月1日にかけて、オーエスジー運営(豊川市内)のテニスコートで強化合宿が開催された。今回の合宿には、世界大会への出場経験や、優勝経験がある中学2年生および3年生のジュニア選手6名が参加した。日本テニス協会のコーチ指導のもと、今後行われる世界大会への準備を目的とし、オーエスジーの宿泊施設を利用して充実した強化合宿となった。

 オーエスジーはスポーツ振興を通して、社員ひとりひとりが「明るく」「楽しく」「元気よく」日々仕事に取り組む環境づくり、そして「企業は社会の公器である」を理念に、豊かな未来を目指して地域、社会、地球の持続な貢献に取り組んでいく方針。

 

DMG森精機 3年間、低額・定額のアフターケアサービス「DMG MORI TOTAL CARE」を8月から開始

12種類の精密機器を使用した測定、解析を実施

 

日々のメンテナンス箇所にも対応

 DMG森精機は、機械の故障を未然に防止するプリベンティブメンテナンスと、事故・故障時に修理費用を補償するアフターケアサービスをセットにした「DMG MORI TOTAL CARE」の提供を本年8月より開始した。

 プリベンティブメンテナンスは、同社の熟練のエンジニアが顧客先を訪問し、12種類の精密計測器を使用して各種精度を可視化することにより、機械状態を診断するサービス。定期的に実施することで、機械の 不具合を早期発見し、さらに診断結果に応じて適切なメンテナンスの提案を行う。

 DMG MORI TOTAL CAREでは、本診断サービスを年に1回(計3回)提供する。また、機械の不具合や、操作ミス等の事故が起きた際の修理費用を、基本のメーカー保証終了後、1年間 延長し、3年間補償するアフターケアサービスをセットにしており、加入料を支払うと、納入後の高額な修理でも「低額・定額」の負担(1回6万円の免責の負担にて税込み製品購入価格を限度に保証)のみで、提供する。(部品代/出張費の両方が対象。顧客自身で部品を交換する場合は対象外)。

 同社は、DXを用いて、工程集約・自動化し、グリーン・トランスフォーメーション(GX)を実現する仕組みをMX(マシニング・トランスフォーメーション)と位置づけ、推進している。DMG MORI TOTAL CAREは、工作機械単体だけではなく、同社が販売する自動化装置を含めたシステム全体を保障する。顧客のDX導入をサポートするソフトウェアやサービスをご提供するCELOS Clubとセットで加入することで機械の安定稼働を実現し、生産性向上とMX導入をサポートする。

点検結果をデジタル化し、myDMG MORI上でいつでも確認可能


 

KELK 世界初500mデータ送信可能な熱電発電センサーデバイスを発表

電池レス 熱電EH振動センサーデバイス「KELGEN SD KSGD-SV10」

 

 コマツの100%子会社であるKELKは、このほど工場などで生産設備のモニタリングに用いるセンサーデバイスに関し、電源・電池が不要なセンサーデバイスとして世界で初めて通信距離 半径約500mを達成した新製品「KSGD-SV10」と専用のソフトウェアである「KELGEN swift」を10月より販売を開始すると発表した。

 「KSGD-SV10」は、熱電素子を用いた熱電発電により、設備機器に設置したデバイス自体の底面と空気に接する上面の温度差がわずか3℃から動作するため、電池交換や配電などの手間が不要。また、旧製品「KSGD-SV8」に比べ発電効率の向上と低消費電力化を実現したことで、熱電発電を用いたセンサーデバイスにおいて世界で初めて920MHz帯無線通信に対応した。これにより、通信距離が旧製品の50mから10倍の約500mへと伸長した。

 障害物が多く、通信距離が必要な工場やプラント、社会インフラなどでも電池レス・無給電で設備機器の振動の状態を測定しデータを無線で送信できる。

 同時発売のソフトウェア「KELGEN swift」は、オンプレミスのパソコン上で「KSGD-SV10」のデータをすばやく分析して設備の状況をグラフやマップで表示したり、長期間のデータから設備の故障予兆を解析できる。