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超硬工具協会 新理事長に増田照彦氏「日本の製造業に貢献していくための技術対策、環境対策を充実させたい」

超硬工具協会は去る6月4日(火)、浜松町東京會舘で開催した第93回定時総会で任期満了に伴う役員改選を行い、新理事長に増田照彦氏(三菱マテリアル 常務執行役員 兼 加工事業カンパニープレジデント)が就任した。新理事長の就任にあたり、このほど都内にある超硬工具協会内(東京都千代田区岩本町)で記者会見を開き、豊富を語った。

増田新理事長は会見の中で、「年間3000億円のボリュームがある超硬工具業界ですが、現在、68社が加盟しており、その舵取りを仰せつかりました。会員各社積極的に参画してくれる望ましい環境ですので、この2年間、明るく全うできると確信しています。また、本年5月に京都で開催された世界切削工具会議はアジアで初めて開催され、海外17カ国から233名が集まりました。日本の匠の技、おもてなし、をコンセプトとして4日間開催されましたが、ほとんどトラブルもなく田中前理事長をはじめメンバーのご尽力の賜だと実感しています。

昨年、材料のひとつであるコバルトの特定化学物質の対応も田中前理事長が協会として必要なことを団結してこなしてきました。この問題は1社だけではクリア出来る問題ではなく、ご苦労されましたが、引き続き今後も丁寧にフォローする次第です。

この協会は会員の全員参加を基本理念としています。この理念は大切にしていきたい。特に個々の企業だけでなく、業界全体として日本の製造業に貢献していくための技術対策、環境対策を充実させたい。また、“ここの会員になりたい”という会社が増えるよう協会の広報活動にも注力する所存です。諸先輩方が築き上げた文化を繋げていくことも大切な役割であり、微力ですが、皆様方のご協力をいただきながら貢献していきたいと思っています」と意気込みをみせた。

「日本の工具業界が製造している工具は世界でトップレベル」新理事長に堀 功氏 日本工具工業会が総会・春季合同部会を開く

日本工具工業会が6月13日、都内の銀行倶楽部で通常総会・春季合同部会・懇親会を開催し、堀 功氏(不二越 取締役工具事業部長)が新理事長に就任した。
春季号同部会では、(1)平成25年度生産見通し、(2)各部会長報告、(3)技術委員長報告、(4)環境委員長報告、(5)理事長総括が行われた。



あいさつする堀新理事長
あいさつする堀新理事長
春季合同部会終了後、懇親会が開催された。
その中で堀新理事長は、「私が入社したのは1980年。ちょうどコーティング工具が出始めた頃です。それから33年経ちまして、現在、日本の工具業界が製造している工具は世界でトップレベルのものになっております。工具工業会の会員企業は特殊鋼工具から始まっていますが、複雑な工具をつくる技術は会員メンバーが最も得意とするところだと思っています。1992年当時の特殊鋼工具の生産額は約1020億円でございました。2012年度は1006億円で、ほとんど変化はありませんが、ハイスの業界で培った形状をつくる技術を活かして今までキープをしていることは会員企業の努力の賜だと感じています。われわれが培ってきた技術は今後もドリル、エンドミル、タップ、歯切り工具、ブローチなどの工具、これは他に代替するものはないと思います。これらの技術を活かして会員企業が切磋琢磨して、今後の工業会の力になれればいいな、と思っております」とあいさつをした。

永山経産省産業機械課 課長補佐
永山経産省産業機械課 課長補佐
来賓を代表して永山純弘経済産業省製造産業局産業機械課長補佐があいさつをした。この中で、永山課長補佐は、「成長戦略として骨太の方針が発表されることになりました。第三の矢が放たれるわけですが、今後も皆様方のご意見を汲み上げ、政権に皆様方の声を参加させていただきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。コバルトリスクの話がございましたが、この政権は産業構造を改革するんだ、ということで集中するとしています。日本を支えている産業界の皆様方が困っていることを改善していくことは重要なことですので、ぜひ、皆様と一緒に考えていきたい」と述べた。

石川則男副理事長(オーエスジー社長)の発声で乾杯をした。

「若手経営者の想い・提言に期待」日本金型工業会が総会を開く

日本金型工業会(会長=牧野俊清氏、長津製作所会長)が6月6日、名古屋市内のANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋で第1回定期総会を開いた。

牧野会長のあいさつは次のとおり。
「リーマンショックから5年近くなりましたが、金型業界は、直後の打撃より立ち上げられず、生産額はリーマンショック前年の66%~70%と低迷を続けています。アベノミクスの好影響でセットメーカーが好決算を出しており、セットメーカーの開発費ともいうべき国内金型投資が復活することを期待します。本年3月に経済産業省素形材産業室より、「新素形材産業ビジョン」が発行されました。技術力、付加価値、人材育成、健全取引、情報発信、海外展開がキーワードとされていますが、業界再編・企業整理統合による筋肉質体質への変革も言及されています。日本金型工業会としては、「新素形材産業ビジョン」を受けて、「新金型産業ビジョン」を策定する予定で、若手経営者の想い・提言に期待しています。

牧野会長
牧野会長
今春、大変嬉しいことに上田勝弘名誉会長が、旭日中綬章を叙勲されました。有名な元大臣が旭日大綬章ですので、旭日中綬章を叙勲されたことは、ご活躍を大変評価されたことです。11年缶の日本金型工業会会長時代、機械振興会館から現在の湯島の金型年金会館への本部事務局の移転統合をはじめとした工業会全国一本化を実現して、地方の金型企業の活動を活発にするネットワークの教化を計るとともに、全国の大学に金型学科の創設、下請け取引改善・金型図面等不正流失問題での国会参考人、学生に金型製作の面白さを教える学生金型グランプリの創設、リーマンショック後の中小企業対策による国会参考人、中小製造企業代表として総理官邸で開催された国内投資促進円卓会議に出席、FADMA(アジア金型工業会協議会)、日韓金型フォーラムなど多くのご活躍をされました。また、経済産業省が金型産業の活性化のためにご尽力をされたとも聞いております。新時代のものづくりにもかかせない金型産業ですが、日本金型工業会へさらなるご支援、ご協力をお願い申し上げます」

議事は滞りなく進行し、第1号議案から第六号議案までそれぞれ満場一致の拍手をもって承認され総会は終了した。
第二部の講演会は、諏訪貴子ダイヤ精機社長が「製造業で生き続け、勝ち残るために~「今」と「これから」を常に見据えて~」をテーマに講演し、懇親会が開催された。

最新のバンドソー技術を知るチャンス! 無料セミナーのお知らせ

オーエスジー東京営業所とオーエスジーグループの青山製作所が、7月18日(木)に浦安鐵鋼会館2階ホールで最新のバンドソー技術セミナーを開催する。参加費は無料。また、参加1社につき、サンプル1本を無償提供してくれる。今回のセミナーは、あらゆる切断シーンに合わせた豊富なバリエーションと加工現場のニーズを満たす60年余りの歴史を持つ世界最大のバンドソー専業メーカーであるドイツのWIKUS社の最新の加工技術を紹介する。加工現場の高能率加工・超寿命加工を実現する世界のトップメーカーの最新バンドソーと技術情報を知るチャンスだ。■日時2013年7月18日(木) 14:00~15:30(受付13:30~)■会場浦安鐵鋼会館 2階ホール(千葉県浦安市鐵鋼通り2-1-6)■定員50名(定員になり次第締切り)■問合せ先・オーエスジー東京営業所 電話:03-5709-4501(担当 久保田)・オーエスジーグループ 青山製作所 電話0533-93-2524(担当 犬飼)

不二越が5Dの穴深さでリーマレスな高精度加工を可能にする「アクアドリルEXオイルホール3フルート」を発売

不二越が油穴付き超硬コーティングドリル「アクアドリルEXオイルホール3フルート」をこのほど発売した。
この製品は、高精度・高能率加工が可能な3枚刃のドリルで、穴あけ深さが3D用、5D用の2種類をシリーズ化している。
高精度な穴あけは、ドリルで下穴をあけ、リーマで仕上げることが常識だった。同社の「アクアドリル3フルート」はその常識を破り、ドリル加工でリーマ仕上げの精度を可能にし、工程縮減と高能率化に貢献したとして好評を得ていたが、そのリーマレスドリルの適用領域拡大と、さらなる高能率化を可能にするとして、今回発売したのが「アクアドリルEXオイルホール3フルート」だ。

様々な被削材や5Dまでの深穴化に対応するために、刃先や溝形状などの最適化を行い、アクアEXコートと合わせて長寿命化も図っている。

下記では5D深さの炭素鋼をノンステップでリーマレス加工した事例を紹介している。
深さ30mm (5D)をノンステップで加工した穴拡大量と面粗さの推移を測定したもので、4000穴を超えてもその穴精度の変異が少なく安定している。

5Dの穴深さでリーマレスな高精度加工が可能↓
http://nachi-tool.jp/blog/index.php?e=186

アクアドリルEXオイルホール3フルートのカタログはコチラ↓
http://nachi-tool.jp/blog/files/AQDEXOH3F.pdf

マコトロイ 東京営業所と北関東出張所が統合移転

マコトロイ工業(株)は東京営業所と北関東営業所を関東営業所として統合移転する。■新名称マコトロイ工業(株)関東営業所■新住所〒341-0034埼玉県三郷市新和1丁目243-1(パークスクエア三郷中央1階)■新電話&FAX番号TEL:048-949-0551 FAX:048-949-0552(いずれも13:30から開通)■業務開始日平成25年7月1日(月)

セコ・ツールズが信頼性の高い旋削用 CBN010 チップ材種を発表

このほどセコ・ツールズが旋削用「CBN010チップ材種」を販売した。 この製品は連続~中程度の断続切削において優れた性能を発揮するよう設計された新しいノンコーティング材種で極めて均質な構造をもつ新しい材種である。安定した性能と工具寿命を実現し、ダウンタイムと機械加工コストを最小化する。

「CBN010」 は、既存の CBN10 材種と CBN100 材種に似た構造をもちながら、新開発の製造工程の採用により、高均一なミクロ構造を実現している。cBN 含有量が低く、平均粒径は1.5μmで、TiC セラミック結合材を採用していることが特長である。これにより、耐摩耗性と靱性が向上し、さまざまな被削材において優れた性能を発揮する。「CBN010」は、肌焼き鋼とベアリング鋼に最適で、工具鋼、ハイス鋼、高張力鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、鉄粉末材料、表面硬化合金にも効果的に使用することができる。

「CBN010 チップ」には、ソリッドタイプ、表面焼結 CBN タイプ、先端部ろう付けタイプ、マルチコーナタイプがある。表面 焼結CBN タイプと先端部ろう付けタイプは、厚さ 1.6mm のcBN と、最新のろう付け技術で取り付けられたストレスフリーのソリッドチップが特長で、超硬ブランクとの確実で強固な接続が可能である。

CBN010 材種の詳細についてはサイト下記のサイトを参照のこと↓↓
http://www.secotools.com/cbn010

タンガロイが横送り可能な高剛性セルフクランプ溝入れシリーズ『EasyCut』(イージーカット)発売

タンガロイ(社長=上原好人氏)は、1 コーナ溝入れシリーズ『EasyCut』(イージーカット)の販売をこのほど開始した。

『EasyCut』は、インサートの着脱に時間を要さない新セルフクランプを採用する事により、段取り時間を短縮し、大幅な生産性向上を実現した製品で押え金がないため、切りくず排出性に優れ、深溝入れ加工にも最適である。ETX チップブレーカは、外径・内径溝入れ、端面溝入れ、突切り加工を1 つのインサートで適用できるため、工具集約に大きな効果を発揮する。

独自の差し込み式セルフクランプ方式により、従来よりもインサートのクランプ剛性が高く、横送り加工を可能にしたうえ、高剛性クランプの効果により、振動などクランプの不安定要素を抑制し、安定した長寿命を提供する。

NSKがトランスミッション用「軸シールタイプ密封クリーン玉軸受」の開発 ~トランスミッションの低摩擦損失化と小型・軽量化に貢献~

日本精工(社長=大塚紀男氏)は、このほどマニュアルトランスミッション(以下、MT)やデュアルクラッチトランスミッション(以下、DCT)などトランスミッションの低摩擦損失、小型・軽量化に貢献する「軸シールタイプ密封クリーン玉軸受」を開発した。

同社ではMTやDCTの需要が伸びている欧州や新興国などで本製品の拡販を図り、2018 年に同製品の売上18 億円/年を目指すとしている。

近年、自動車用のトランスミッションでは、より一層の低燃費化のため、小型・軽量化や低摩擦損失などの効率向上が重要となっており、トランスミッションで使用される軸受には、摩擦損失の低減や、小型・軽量化への貢献が求められている。その中で、MTやDCTで使用される玉軸受は、ギヤ摩耗粉などの異物の侵入を防止するためのシールが必要であり、シールが摺動する際の摩擦を低減することが課題となっていた。

このような背景のもと同社が開発した「軸シールタイプ密封クリーン玉軸受け」は、 同社独自のシール形状を開発し、シールの密封性能を維持したまま、緊迫力を低減することで、軸受の耐久性を損なうことなく、摺動摩擦を半減させている。これにより、トランスミッションの効率向上に貢献する。また、内輪の形状を最適化することで、軸方向の耐荷重を従来よりも20%向上させた。

ボールねじの常識を変える「樹脂」という選択! 黒田精工が「レジンナットボールねじ」を業界に先駆け新発売

黒田精工は従来の常識を変える画期的な新商品『レジンナットボールねじ』を開発し、このたび販売を開始した。

一般的なボールねじの部品は鋼鉄製であるが、この『レジンナットボールねじ』は、樹脂の中でも機械的特性、耐薬品性などに優れたスーパーエンプラ(PPS樹脂)をナット部に、ねじ軸と内部循環のボールにはステンレス鋼を採用している。

医療機・分析機のような卓上装置に使われる駆動部品は、軽負荷で使用されることが多く、且つ、軽量・コンパクト・静音・耐食性・高位置決め精度・低価格であることが要求されている。

これらの装置では従来、低価格なすべりねじが用いられてきた。しかし、すべりねじはその伝達効率の悪さからモータが大きくなったり、摩耗による精度低下、潤滑剤の劣化、スティックスリップ現象による”鳴き”と呼ばれる異音等の問題が発生する場合があり、これらの解消が課題であった。

『レジンナットボールねじ』はボールねじ特有の伝達効率の良さから、上記の”鳴き”が起こらず、低速~高速の全回転域で静音、なめらかな回転を実現し、使用モータの小型化、装置の軽量・コンパクト化、省エネ化が可能となる。また、長期間に亘り摩耗が少なく高い位置決め精度を実現できる。

さらには、樹脂製部品を採用したことにより従来の鋼鉄製ボールねじよりも低価格・短納期を実現したことから、医療機・分析機のような軽負荷用途の装置に最適なソリューションとして今回提案するものである。