ニュース

日本機械工具工業会 「第9回定時総会」並びに令和5年度「生悦住賞」「新庄(陰徳の士)賞」表彰式を開く

230714機械工具1

 

 去る6月7日、日本機械工具工業会が東京マリオットホテルで「第9回定時総会」をwebとハイブリッド方式で開催した。今年は改選期にあたり、新会長に五島 康氏(不二越 工具事業部長)、新副会長に大澤伸朗氏(オーエスジー 社長)、森 誠氏(富士精工 会長兼社長)が選任された。

230714機械工具2
あいさつをする五島会長

 総会終了後、2023年度「生悦住賞」、「新庄(陰徳の士)賞」が紹介され、表彰式が行われたあと、総務、技術、環境、国際、それぞれの委員会から報告があった。

 懇親会であいさつに立った五島会長は、「皆様の積極的なご意見を取り入れながら精一杯注力していきたい。」と意気込みを示した。乾杯の発声は森副会長が行った。宴もたけなわのころ、大沢副会長の中締めで散会した。

 

令和4年度「生悦住賞」

 生悦住賞は、1978年に生悦住貞太郎ダイジェット工業(株)会長が傘寿を迎えたことを機に、超硬工具協会(現日本機械工具工業会)が同年に創立30周年に当たることを記念して協会に多額の寄付をし、この有効活用を目的として「生悦住基金」が設けられ、①会員で草の根的に功労のあった人、②会員内外を問わず業界発展に貢献された人、を表彰するために設定された表彰制度である。

○櫻井正俊氏〈元オーエスジー〉

略歴
 2007年~2009年 月 日本工具工業会 技術委員長
 2015年~2017年 日本機械工具工業会 技術委員長
会社略歴
 2005年~ オーエスジー 取締役
 2007年~ 同社常務取締役
 2017年~ 同社 顧問
 2022年~ 同社退職

■功績の概要
 氏は、旧日本工具工業会で2007年から2年間、技術委員長として活躍。2団体統合後の2015年には、日本機械工具工業会初代技術委員長に就任。20社の委員で構成された技術委員会を取りまとめ、統合両団体会員の技術融合に尽力した。また、ISO13399(切削工具データ表現と変換)の重要性を認識し、WG34内で行われていたMA(メンテナンスエージェンシー)会議で実質審議が行われていた情報を得て、初めて工業会から技術委員を登録派遣した。日本の工具メーカー初の新技術をISO13399企画に取り込める仕組みの礎を築いた。

令和4年度 新庄(陰徳の士)賞

 新庄賞は新庄鷹義氏が55年在任された冨士ダイス(株)社長職から会長職へ昇格し、併せて米寿の慶事にあたる年に、同氏から多額の寄付をもとに新庄基金が設けられた。需要資格者は、会員企業(正会員)の〝陰徳の士〟的立場にある人(一般には目立たないながら、会社にとって非常に有用なことを実践している人、パート従業員、派遣社員、ボランティアを含む)で、所属企業からの推薦を受け表彰する制度である。

 ○渡辺儀男 氏〈アライドマテリアル〉
 ○林 敦 氏〈MMCリョウテック〉
 ○竹下一良 氏〈オーエスジー〉
 ○綱島輝俊 氏〈兼房〉
 ○前原広文 氏〈京セラ〉
 ○大石 勇 氏〈共立合金製作所〉
 ○坪根 巌 氏〈クロイツ〉
 ○吉田大介 氏〈サンアロイ工業〉
 ○簀戸 透 氏〈サンドビック〉
 ○中嶋弘司 氏〈住友電工ハードメタル〉
 ○吉村悦子 氏〈田野井製作所〉
 〇石川邦雄 氏〈日進工具〉
 〇大岡伸行 氏〈日本新金属〉
 〇石橋とも子 氏〈日本ハードメタル〉
 〇都築定文 氏〈ニチアロイ〉
 〇谷内亮介 氏〈ノトアロイ〉
 〇市川英子 氏〈富士精工〉
 〇寺澤 剛 氏〈MOLDINO〉

【動画】ダイジェット工業 遂に「ストライクドリルの歌」を披露!

 ダイジェット工業が、遂に現在売り出し中の「ストライクドリル」の歌と動画を遂に披露した。切削工具業界では自社製品を歌にするのは初の試み。なお、ただいま『トライナウキャンペーン』を実施中。

『トライナウキャンペーン』の申し込みはこちらから↓

https://www.dijet.co.jp/lp/strike/?bownowmail=sid_133246b8fdd2f1d97562:…

【過去記事】ストライクドリルの歌が出来上がるまで密着取材↓
https://seizougenba.com/node/13427
 

三菱マテリアル 座ぐり加工用超硬ソリッドドリル「DFAS」を発売

230714

 

 三菱マテリアル 加工事業カンパニーがこのほど、座ぐり加工用超硬ソリッドドリル「DFAS」の販売を開始した。

 座ぐり加工用超硬ソリッドドリル「DFAS」は、先端フラット形状により、加工穴底がフラットになるよう設計されたドリル。傾斜面や曲面の穴加工、薄板加工にも適しており、多様な加工が可能で工具集約に寄与する。

 同社では、外部給油式の座ぐり加工用超硬ソリッドドリル「MFE」を既に販売しているが、チタン合金などの加工においても安定した性能を発揮する、内部給油式の「DFAS」をラインアップに追加して適用範囲を拡大した。

〈特長〉

 ①    切りくずをスムーズにカールさせ整流化するXRシンニングを採用し、低抵抗かつ優れた切りくず分断性能を発揮。
 ②    独自のクーラント穴形状「TRI-Coolingテクノロジー」により、ドリル剛性を低下させることなくクーラント吐出量を増大させることで、切りくず排出性、切削熱の排熱性が格段に向上し、ステンレス鋼、チタン合金の安定加工を実現。
 ③    切れ刃コーナ部にはフラットランド(ギャッシュ)を設けることで強度を確保し、シャープな切れ刃により抜けバリを抑制。

 DC(切削径)は、φ3.0mm~φ14.0mmの計95アイテム。

■標準価格(税抜き価格)  
DFAS0300X03S040  DP102A: 10,300円
(代表型番)
DFAS0800X03S080  DP102A: 17,500円
DFAS1400X03S140  DP102A : 35,100円
 

タンガロイ ヘッド交換式ドリル「DrillMeister」にモジュラーボディを追加

230714タンガロイ


 タンガロイがこのほど、ヘッド交換式ドリル「DrillMeister」シリーズにモジュラーボディを追加し、全国で発売を開始した。

 「DrillMeister」シリーズは、超硬ソリッドドリルの切削性能と刃先交換式ドリルの利便性を兼ね備えた画期的なヘッド交換式ドリル。「DrillMeister」には、汎用のDMP形や高精度加工用DMC形など、5種類のヘッドがあり、加工用途や加工深さに応じて最適な工具を選定することができる。

 今回は同シリーズに、TungFlexシャンクを使用できるモジュラータイプのドリルボディを設定した。このボディとTungFlexシャンクとを組み合わせることで、工具の突き出し長さをこれまで以上に自由に選定でき、干渉物によって必要以上に突き出しが長くなる穴あけにおいても、非常に安定した高能率加工が可能となる。

 特に壁際底部の穴あけなど、干渉物を回避するために長い突き出しが必要となる加工において非常に有効であり、超硬など高剛性シャンクを使用することで、切削条件を大幅に落とすことなく加工が可能である。
 
 また寿命などによる工具ボディ交換時にも、先端のドリルモジュールの交換だけで済むため、機械停止時間を大幅に短縮することができる。

 このモジュラーボディには、「DrillMeister」用ヘッドはすべて使用可能であり、さまざまな加工要件や被削材に柔軟に対応できる。

 今回、加工径φ6-φ14.9mmに対応するL/D=2仕様と、加工径φ6-φ18.9mmに対応するL/D=3仕様を設定した。

■主な形番と標準価格(税抜き価格)
・TID060M6-2:32,200円
・TID140M10-2:35,800円
・TID140M10-3:39,200円
(計39アイテム)
 

ヤマザキマザック インド工場の本格稼働を開始

230714マザック1
インド工場外観

 

 ヤマザキマザックがインド工場(名称:YAMAZAKIMAZAKMACHINETOOLSPRIVATELIMITED)の本格稼働を開始し、6月28日(水)にオープニング式典を開催し、インド工場の本格稼働開始にあたり、顧客や代理店など約300名を招きオープニング式典と工場見学ツアーを実施した。

 およそ14億人の人口を抱えさらなる経済成長が期待されるインドでは、自動車をはじめ医療・航空機・半導体産業などの市場拡大に伴い、今後も工作機械の需要拡大が見込まれていることを受け、同社はインドでの迅速な製品提供とより高品質なサポートの提供を実現するため、新たに工場を建設、今年3月より稼働を開始している。工場では、インド国内向けの新型の立形マシニングセンタ「VC-Ezシリーズ」を生産している。

230714マザック2
オープニング式典の様子

 インド工場は2013年に稼働を開始した遼寧工場に次ぐ10年ぶりの海外生産拠点となる。同社はインドでの現地生産により、インド市場におけるシェア獲得を図るとともに、インド国内の製造業のさらなる発展に貢献していくとしている。


 

イスカル社 高精度90°肩削りカッター「NEODO/ネオドゥー」好評発売中!

230714イスカル1
耐欠損性に優れた両面8コーナーチップ

 

 イスカル社は、エンドミル及び、耐熱合金/ステンレス鋼加工に対応する2種類のチップを新たに追加、高精度90°肩削りカッター「NEODO/ネオドゥー」を好評発売中である。

 
 この製品は、高剛性ダブテイルクランプ構造(浮き上がりやビビリを防止)と分厚いチップを採用することで、工具剛性を上げ切削条件アップを可能とする。特に負荷変動の厳しい断続切削において良好な結果が得られる。

 耐欠損性に優れ、ポジ切刃、両面8コーナー仕様のチップは、切削抵抗を低減し、安定した加工を可能とする。ワークの取り代が減りつつある金属加工業界への最適化を狙い、最大切込み深さは5mmとした。安定した高能率加工とコスト低減を両立する、イスカル最新工具である。

■レパートリー
フェースミル

S890 FSZ-R08 工具径:φ32mm~φ125mm

230714NEWエンドミル
・S890 ESZ-R08 工具径:φ25mm・φ32mm

230714NEWヘッド交換式エンドミル
・S890 ESZ-MMT-R08  工具径:φ25mm・φ32mm

チップ(8コーナー仕様):
最大切込み:5mm
・S890 SZMU-PNR-MM:鋼類全般加工用
・S890 SZMU-PNTR  :鋳鉄加工用
230714NEW・S890 SZMU-PNRHP  :耐熱合金加工用
230714NEW・S890 SZHU-PNR      :ステンレス鋼加工用 

230714イスカル2
低出力機械に対応するエンドミル

 

全日本機械工具商連合会が「2023年通常総会」を開く

230714全機連
あいさつする坂井会長

 全日本機械工具商連合会(会長=坂井俊司 NaITO社長)が、6月14日、東京都内のアリスアクアガーデン田町で「2023年通常総会」を開催した。

 総会に先立ち、坂井会長は日頃の感謝を表したあと、「自動車の技術をはじめ、様々な技術が日進月歩進化している。もののつくり方もどんどん変化している。状況が変わるのが早い。皆様と活発な議論ができればと考えている。」と述べたあと議案審議に入り、承認可決された。

 

 中山哲也副会長(トラスコ中山社長)の乾杯の発声で懇親会が開かれた。宴もたけなわの頃、山田雅英副会長(山田マシンツール社長)の中締めで散会した。

230714全機連2
 

プロテリアル 「被削性に優れた冷間工具鋼『SLD🄬-f』の加工事例」が型技術協会「奨励賞」を受賞

230714プロテリアル1

 本年1月に日立金属から商号を変更したプロテリアルが、このほど「被削性に優れた冷間工具鋼『SLD-f』の加工事例」において、型技術協会主催の型技術協会賞の「奨励賞」を受賞した。(受賞者=プロテリアル特殊鋼事業部 植木道男氏) 贈賞式は、6 月 22 日(木)に大田区産業プラザ PiO にて行った。

 「自動車骨格部品(プレス部品)においては衝突安全性の向上や軽量化のため、高張力鋼板(ハイテン鋼板)の適用拡大が進んでおり、使用されるハイテン鋼板は、より高強度・高硬度化していることから、加工時に金型へ与えるダメージが深刻な問題となっている。また、サプライチェーン全体のリードタイム短縮や、開発・生産における準備期間の短縮化へのニーズも高まっている。」と同社。

 『SLD-f』 は、ベラーグを生成させやすい成分構成と、炭化物の微細化・低減によって、冷間ダイス鋼として一般的な SKD11 の標準切削条件の約 3.5倍の高効率被削性を実現しており、顧客の切削加工速度の向上および金型加工時間の短縮に貢献する。また、高い靭性を持ち合わせているため、金型として使用される際の耐久性や耐チッピング性にも優れている。さらに、高温焼戻しを施す場合でも安定した硬さが得られ、PVD 処理時の寸法変化の抑制にも有効である。

230714プロテリアル2
表彰式の様子

  同社では、「新材料開発に注力するとともに、お客様の課題を解決するソリューション技術に磨きをかけ、自動車向けをはじめとした高品質化ニーズに応じた金型業界の変革に
対し、提案をし続けていきます。」としている。


 

2023年5月分 機械工具生産額まとまる 日本機械工具工業会

 日本機械工具工業会がこのほどまとめた2023年4月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。

■生産額
 切削工具 329.1億円(93%)、耐摩耗工具 29.9億円(97%)、総合計 367.8億円(94%)。

■ドリル生産額
 特殊鋼工具 15.2億円(106%)、超硬工具 32.6億円(79%)、ダイヤ・CBN 0.7億円(84%)、総合計 48.4億円(86%)。

■エンドミル生産額
 特殊鋼工具 3.8億円(90%)、超硬工具 32.4億円(88%)、ダイヤ・CBN 1.3億円(130%)、総合計 37.5億円(89%)。

■カッタ生産額
 特殊鋼工具 0.8億円(140%)、超硬工具 5.1億円(97%)、ダイヤ・CBN 0.5億円(106%)、総合計 6.5億円(102%)。

■ギヤカッタ生産額
 総合計 6.6億円(98%)。

■ブローチ生産額
 総合計 6.9億円(94%)。

■ねじ加工工具生産額
 特殊鋼工具 25.9億円(88%)、超硬工具 2.5億円(77%)、総合計 28.4億円(87%)。

■バイト生産額
 特殊鋼工具 0.1億円(32%)、超硬工具 7.8億円(85%)、総合計 7.9億円(83%)。

■リーマ生産額
 特殊鋼工具 1.2億円(50%)、超硬工具 2.3億円(100%)、総合計 3.4億円(74%)。

■鋸刃カッタ生産額
 特殊鋼工具 1.4億円(110%)、超硬工具 0.5億円(55%)、総合計 1.9億円(86%)。

■インサート生産額
 超硬工具 132.1億円(97%)、ダイヤ・CBN 20.1億円(97%)、総合計 152.2億円(97%)。

■ボディ関係生産額
 総合計 16.5億円(104%)。

■超硬合金生産額
 切削用 110億円(79%)、耐摩耐触用 14億円(91%)、総合計 125.4億円(80%)。
 

経産省・2023年4月度機械統計 機械工具生産動態調査

 経済産業省の2023年4月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

230714機械工具(経産)


(表出所:日本機械工具工業会)